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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成31年2月静岡県議会定例会

前林 孝一良 議員(公明党静岡県議団)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:02/19/2019番目)
答 弁 者知事


○知事(川勝平太君) 前林孝一良議員におかれましては、平成十一年から丸二十年に及ぶ県議生活に終止符を打たれるとのことでございます。私は平成二十一年に知事職をあずかることになりました。議員生活の後半部分を御一緒することができたのは光栄でございます。常に市民、県民なかんずく生活者そして弱い人たちの立場に立ってのさまざまな御発言には、学ぶところが多大でございました。
 前林議員は、大学御卒業後二十年間高校生の人材育成に当たられました。そしてその次の二十年間は県民のための県議の生活を送られました。昭和二十八年九月生まれの前林議員におかれましては現在は満六十五歳、静岡県の人生区分で言えば壮年盛期の最終年でございます。この秋に六十六歳になられて壮年熟期、七十六歳までが熟期でございまして壮年熟期それから初老、中老、長老となられていく二十年間、これまでの最初の二十年そして現在の二十年、次の二十年これまでと同じように立派な仕事をされることは確実だと私は思っております。立派な青少年を育て、また御家庭におきましても今回の御勇退の話を承りました折、優しい奥様そして明るく美しい御令嬢にもお目にかかることができまして立派に御家庭を営んでこられたということに対しましても敬意を表します。これからも先生の生活が幸せに満ち、またその幸せを多くの人たちに分かち合うものでありますようにお祈り申し上げまして御礼の言葉にかえたいと思います。
 また、あわせて尊敬しております梅原猛先生の思い出も語っていただきありがとうございました。梅原先生が「隠された十字架」を書かれたのは四十代のことでした。そして彼は「梅原猛著作集」一期、二期それぞれ二十巻ずつございます。そしてこうした数百冊以上の御本の最後を飾る単著は「人類哲学序説」というものでありました。「隠された十字架」はそのタイトルが示しておりますように法隆寺を建立した聖徳太子にキリスト教の気配を感じ取ったものでございます。そうしたこの梅原哲学の終着点は草木国土悉皆成仏というものでございました。言いかえますと仏教になったということでございます。
 私は、この仏教にはシルクロードを経て正倉院のさまざまな宝物にあらわされておりますように一神教の思想、一神教になった人々さらにヒンズー教にかかわる思想も仏教という大きな風呂敷の中に入っているというふうに思っております。そうした先生の仕事に対しまして静岡県では梅原猛氏を最高顧問にお引き受けいただきまして、そのお話を私はじかにお聞きする機会を得ました。それは「日本思想の古層」と、古い層ということですけれども一昨年の夏に本になりました。これが梅原先生の名を冠した本としては最後の本になったのではないかというふうに思っております。また静岡県には草木国土悉皆成仏、国土は富士なりと、つまり富士がその思想を体現しているという石碑も建てることを許していただいたわけでございます。思い出深い梅原先生との先生の思い出を語っていただきましたことに対しても御礼を申し上げます。
 さて、前林議員の御質問、最初の御質問は私の政治姿勢なかんずく未来を担う人づくりについてであります。
 先生もそうでありますが、私も大学生を預かって人づくりの仕事をしてまいりました。生物界の原理というのはより多くの子孫、よりよい子孫をより多く残すということにあるのではないかと思います。それが人においてはよい人材を残すということになるのではないかというふうに思うわけでございます。したがって子育てすらこれは人材づくりだと、子育ては命を育む幸せの愛を育む尊い仕事という歌もございますように、まさにこれは大事な仕事であるというふうに思っております。
 未来を担う人づくり、本県の目指す人づくりは霊峰富士の姿のように気品をたたえ調和した人格を持ち、豊かな富を創出する有徳の人づくりでございます。とりわけ本県の宝であり、県民に希望をもたらす子供たち、若者たちの健やかな成長は全ての県民の願いであります。そしてまた、ふじのくにづくりの基礎をなすものであります。
 今後ますます予測困難で変化の激しい時代におきましては、本県が直面する課題を解決していくために才と徳を兼ね備えた才徳兼備の人材を一人でも多く育成してまいります。特に十歳前後の子供たちは将来の夢、志を抱く年齢でございます。先生の夢は何だったのでしょうか。将棋の藤井聡太さん、このたび朝日杯で二連覇を達成されました。卓球の伊藤美誠さん、若干古くなりましたけれども岩崎恭子さん、皆十代です。またさらに最近では仲邑菫さん、まだ九歳です。そして囲碁の道を志されるということをされております。
 私どもは、文武芸三道の鼎立という考えのもとで知性を高める学習は大切ですけれども技芸を磨く実学も同じように大切であるということで、どちらかといえば日本の教育システムにおきましては知性よりも低く見られたように思われる技芸に重点を移しましてすぐれた資質を十分に伸ばす才徳兼備の教育を行い、一人一人が実現すべき夢を明確に持つことができるようにしたいと思っております。
 さらに一言つけ加えますと、学歴社会は終わったという認識を持っております。高い学歴すなわち大学の学士になるということが珍しい時代は明治時代、大正、昭和の前期、中期ぐらいまででありましたけれども、今やほぼ全ての人が望めば大学に行ける時代であります。すなわち学歴によって人はもはや差別化できません。むしろ将棋や囲碁やバレーやスポーツなどのように技芸によってかえって生きる道を目指すことができると。ですから学歴よりも技芸歴のほうが大切であると。十代の前半まで、義務教育の終えるまでに子供たちのどのような才能を伸ばすか、社会全員の大人がその模範となって、背中を見て子供たちが夢を抱けるようにする時代が来ているというふうに思います。ただに小学校、中学校の先生のみならず全ての大人たちが何らかの形で先に生まれた先生であるという、そういう思いを持って自分たちの職業あるいは自分たちの持ってきた経験を子供たちに伝えることが大切だと。技芸歴を重んずるような社会に軸芯を移したいと考えております。
 本年はラグビーワールドカップ二〇一九が本県で開催されます。その哲学はワン・フォー・オール、オール・フォー・ワンとあります。一人はみんなのためにみんなは一人のために、このラグビーの精神を有徳の人づくりの一つの静岡県ふじのくにづくりの精神として広めていきたいと考えております。
 富国有徳を県政運営の基本理念に掲げる本県におきましては、誰もが努力をすれば人生の夢を実現でき幸せを実感できる地域、ドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点になることを目指しております。今後とも本県の子供たち、若者たちが富士山のように高い志を抱き夢に向かってはばたいていけるように、地域ぐるみ、社会総がかりでふじのくにの未来を担う才徳兼備の人づくりに全力で取り組んでまいります。
 次に、平成三十一年度当初予算編成についてであります。
 公明党県議団の皆様から御要望いただきました六つの大きなテーマ、そして二百五十四項目にわたる御要望、しっかり受けとめました。静岡県の新ビジョンの取り組みを積極果敢に進める予算編成をその御提言に基づきながら組みました。
 要望の大きなテーマの一つ目安全・安心社会の実現につきましては、防災先進県である本県の防災力の啓発、発信拠点として地震防災センターのリニューアル工事を三十一年度の開館に向けて本格化してまいります。また市町の地震・津波対策の実効性を高めるため避難所運営訓練や避難訓練などを新たに支援する地震・津波対策等減災交付金を創設いたします。
 二つ目の夢あふれる社会の実現につきましては、こども医療費助成の助成要件につきまして所得制限を撤廃いたします。それとともに政令市に対しましても高校生世代を対象に期間を限定して助成を行い県内どこでも安心して出産、子育てができる環境づくりを進めます。また子供たちが新しい時代に求められる能力が備わるように、全ての県立学校へのICT機器の導入及び活用を促進しICTを活用した授業改善を図ってまいります。
 大きなテーマの三つ目、健康長寿社会の実現につきましては、認知症の御本人が認知症の人やその家族を支えるいわゆるピアサポート活動に対する支援活動を行うなど、認知症の人とその家族が安心して暮らせる地域づくりのために取り組んでまいります。また新たな妊孕性温存やウィッグなどの――かつらでございますが――医療用補整具の購入に対する支援制度を創設いたしまして、現在公的な支援が行き届いていない若年者を初めとするがん患者に対する支援をしっかりと行ってまいります。
 四つ目の大きなテーマ活気あふれる社会の実現につきましては、本県経済の活力の源である中小企業、小規模企業を支えるために金融機関や商工会など関係機関と連携し、円滑な事業承継を推進してまいります。また高齢者や障害のある方の就労を促進するため、企業とのマッチング支援を行うコーディネーターを配置しユニバーサル就労の推進に努めます。
 五つ目の大きなテーマ調和のとれた社会の実現につきましては、計画的な捕獲計画に基づきより人家に近い里山における鹿の集中的な捕獲を実施するなど鳥獣被害対策を強化いたします。また多文化共生社会の形成に向けて外国人の県民が身近なところで日本語の学習ができる環境整備に向けて取り組むとともに、安定した生活の実現のため正社員化を促進するコーディネーターを配置するなど衣食住にかかわる支援を充実してまいります。
 六つ目の大きなテーマ行財政改革の実現につきましては、社会保障関係経費などの義務的経費が増加する中、歳出の不断の見直しと歳入確保に努めた結果、財源不足額を昨年度と同額程度の二百三十億円に抑制することができました。また活用可能な基金につきましても三百七十四億円を確保し、来年度以降に向けて健全財政の礎を築くことができたものと考えております。
 今後とも、不断の行財政改革により健全な財政運営を堅持しつつ、世界共通の目標であるSDGsの理念を体現したフロントランナーとしての自覚を持って、静岡県を誰もが努力をすれば夢を実現して幸せを感じることのできる地域とするため新ビジョンの取り組みを積極果敢に進めてまいります。
 次に、本県の魅力づくりへの取り組みについてであります。
 ふじのくにづくりにおきましても、日本国づくりにおきましても大切なものが三つございます。
 一つは力を持つこと、力の体系であります。もう一つは利益の体系であります。それぞれ防災力ないし軍事力、もう一つは経済力と言えるでしょう。特に軍事力とか経済力というのは外に向かって及ぶ力であります。もう一つ大切な体系が国には必要です。それは価値の体系であります。言いかえると文化力であります。文化力というのは外に向かうというよりも引きつける力であります。この引きつける力を持つことが本県の魅力づくりの取り組みの基本的な考え方であります。その指標が観光客数にあらわれます。
 本県の観光交流客数は、平成二十五年度以降五年連続で過去最高を記録しております。一億五千万を超えております。今後ラグビーワールドカップ二〇一九や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催などによりさらに多くの来訪が期待される中、本県の有する地域資源の魅力を一層磨き発信することによって国内外の観光客の需要を一層取り込み、本県経済の発展につなげていくことが重要であります。
 また、観光客のニーズが名所、旧跡をめぐる物見遊山型のモノ消費から、そこに暮らす人や地域の営みに触れるいわゆるコト消費へと変化しております。こうした新しいニーズを的確に捉えそれに対応していくことが肝要です。
 このため、県では地域の歴史・文化や食などのさまざまな地域資源をより多く活用した体験型プログラムを充実させることで、訪問滞在の満足度や地域の稼ぐ力を高める観光地域づくりに取り組んでいるところであります。
 こうした中、本年四月に本番を迎えるデスティネーションキャンペーンは効果的な情報発信とともに地域資源の魅力を高める絶好の機会であります。そこで県内DMO等を中心に地域の関係者が各地域の観光素材の掘り起こし、並びに磨き上げを行い静岡DCの特別企画として商品化したところでございます。JRの広報媒体やテレビCM、SNSなどを活用しながら全国に向けて本県の魅力を効果的に発信してまいります。
 静岡DCにおきましては、春のキャンペーン終了後も年間を通じまして取り組みを継続いたします。そのことで地域の人材育成や県内のDMO等の体制強化を図り、将来にわたる県内の観光地域づくりのプラットホームづくりにつなげたいと考えております。また県域DMO、TSJ――静岡ツーリズムビューローのことでございますが――TSJと連携をいたし海外の専門家等の評価を通じて地域の魅力に気づく機会を提供するとともに、その魅力を商品化するノウハウなどを伝えていくことで質の高い商品づくりを促進してまいります。これに加え磨き上げた地域の魅力をSNSやTSJの海外向け予約サイト、マウントフジトラベルなどで継続的に発信することで商品企画から効果的な情報発信まで一貫した取り組みを行ってまいります。
 こうした取り組みを通じまして、住民の地域への愛着、誇りの醸成、交流人口の拡大、地域経済の活性化などを図り「住んでよし 訪れてよし」の好循環を生む持続可能な観光地域づくりを進めてまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。

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