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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

四本 康久 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/26/2019

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 富士山について                         
(1) 富士山頂の境界                        
(2) 富士山の世界複合遺産化                    
2 県民総参加の森づくりの推進について               
3 地域の居場所づくりの推進について                
4 重症心身障害児・者の在宅支援について              
5 高校生の自転車事故対策について


○副議長(中沢公彦君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、三十三番 四本康久君。
       (三十三番 四本康久君登壇 拍手)
○三十三番(四本康久君) 皆さんこんにちは。ふじのくに県民クラブ四本康久です。久方ぶりの県議会の壇上に大変身の引き締まる思いであります。
 では、改めましてふじのくに県民クラブ所属議員として県政の諸課題について通告に従い分割方式により知事、副知事、関係部局長並びに教育長、教育部長にお伺いいたします。
 初めに、富士山についてのうち、富士山頂の境界について伺います。
 本県と山梨県にまたがる富士山頂の境界については、静岡県側の富士宮市、小山町、山梨県側の富士吉田市、鳴沢村との市町村境界がはっきりしておらず、また山梨県との境界についても東西約六キロメートルにわたり未定となっています。境界が定まっていない現状では富士山頂の浅間大社の土地の登記ができないという問題に加え、境界未定地内で万が一事故や災害があったときの責任が曖昧になる可能性があるなどの問題が懸念されるところであります。
 富士山頂の境界については歴史的な経過などから直ちに解決するのは非常に難しい問題だと思いますが、まず本県側の市町境界が未定である富士宮市、小山町の境界を確定することが大事だと考えます。
 そこで、令和の時代を迎え富士山の日が天皇誕生日となり国土の象徴としての富士山が注目される今、富士山に対する静岡県民の皆さんの意識をさらに高めていただくためにも県として富士山頂の市町境界問題について改めて認識し境界の確定に向けて少しずつでも取り組みを進めるべきと考えますが県の見解を伺います。
 次に、富士山の世界複合遺産化について伺います。
 富士山がカンボジア・プノンペンで開催された二〇一三年の第三十七回世界遺産委員会において文化遺産として世界遺産一覧表への記載が決定されてから六年が経過いたしました。富士山―信仰の対象と芸術の源泉の登録名称が示すとおり、信仰の対象と芸術の源泉としての顕著な普遍的価値を持つ資産として山体のみならず山麓に所在する浅間神社、御師住宅、霊地、巡礼地となった風穴、溶岩樹型、湖沼、湧水地、滝、海浜から成る二十五の資産で構成されており、文化財保護法や自然公園法等の法規制により保護保全が行われております。特に富士山域に加え山麓においては多くの風穴、溶岩樹型等の火山に特有の地形が見られるほか溶岩流の末端部には富士山への降水を起源とする豊富な湧水が発生し湖沼、湧水地、滝を形成するなど文化遺産とはいえ自然を基盤に成り立つ部分が構成資産の多くを占めております。
 富士山は日本が世界遺産条約に加盟した一九九二年から約十年間は世界自然遺産への登録を目指した取り組みを進めておりましたが、二〇〇三年に開催された国の世界自然遺産候補地に関する検討会において既に自然遺産に登録されている海外の成層火山等と比較してその優位性の立証に課題があること、山麓部は人為的改変が進んでいるなどの評価を受け自然遺産の候補地として選定されなかったことも承知をしております。
 しかし、現在では山麓の植樹が進み自然の回復も見られることに加えごみやし尿の問題も解決されてきました。また山麓に点在する構成資産のみならずその周辺地域も含めて富士山全体の自然を未来にわたりしっかりと守り続けていくためには、再度世界自然遺産への認定にチャレンジし関係者の自然環境の保全に対する意識をさらに高めていく必要があると考えます。
 また、昨年十一月末にユネスコ世界遺産センターへ提出した保全状況報告書には登山者数を初めとした複数の管理指標に基づく来訪者管理計画が記載されています。中でも登山者数については、世界遺産登録前の三十万人を超えていたときと比べここ数年二十万人台で落ちついてきておりますが登山道の混雑は完全になくなっていない状況にあります。
 このような状況を踏まえても、富士山体を確実に保護し来訪者管理計画をさらに発展させていく意味でも世界自然遺産として富士山を管理することは有効な手段の一つではないかと考えます。
 日本国内には六月末現在で文化遺産十八件、自然遺産四件の計二十二件が世界遺産に登録されておりますがいまだ複合遺産はない状況にあります。自然が多くを占める富士山の世界自然遺産登録を目指し認定されれば日本初の世界複合遺産になり国内外ヘアピールできる絶好の機会ともなります。
 そこで、将来的な富士山の世界複合遺産化について県の見解を伺います。
 次に、県民総参加の森づくりの推進について伺います。
 暮らしに身近な里地里山や手つかずの環境が残る奥山など本県は先人たちによって守られてきた豊かな自然があり、これらの自然との触れ合いは私たちの心を豊かにするものです。一方でこれらの自然は経済活動による維持管理が期待できないことが多く、平成八年の台風により甚大な被害を受けた富士山麓の国有林の再生はボランティア団体が担い手となり二十年に及ぶ広葉樹の苗木の植栽や下草刈りなどの森づくり活動が行われてきました。この富士山麓のボランティア団体の活動はその後県内各地で森づくりの活動が広がる契機にもなりました。
 森づくりの活動は県民や企業のボランティアとしての参加や緑の募金などの資金協力にも支えられ自然と触れ合うきっかけ、入り口にもなっており、さらにはその地域の魅力を知ることでリピーターとなり地域振興にもつながっていると考えます。
 しかし、ライフスタイルの変化などにより里地里山などでは人々のかかわりが薄れ雑木林や竹林の荒廃や有害鳥獣や外来生物による被害が進んでおり、この傾向は今後高齢化や担い手不足により加速していくと危惧されます。また森づくり活動を続けるボランティア団体は、メンバーの年齢層が上がり下草刈りなどの重労働が難しくなっていることや新規参加者の伸び悩みが課題となっていると聞いております。
 このような中で、県は県民誰もが気軽に自然と触れ合うことができるきっかけづくりや企業の社会貢献活動を森づくり活動への資金や労力の提供につなげる制度により県民や企業の参画を促進していますが、今後はこれらをさらに広げつつ新たな取り組みが必要と考えます。
 そこで、県民総参加の森づくりの推進に向けて今後どのように施策を展開していくのか県の見解を伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 四本議員にお答えいたします。
 富士山についてのうち、富士山の世界複合遺産化についてであります。
 富士山は平成二十五年に世界文化遺産に登録されました。その道のりは決して平坦ではありませんでした。平成の初期から自然遺産としての登録を目指し準備を進めてまいりました。平成十五年の国の検討会で登録候補の選定に漏れて以来文化遺産として登録を目指すことといたしました。
 私自身も静岡県にわらじを脱いだ平成十九年の四月以来静岡県側の学術委員会の委員長として富士山を世界遺産にするために尽力をし、その過程で平成二十二年の八月八日には四本議員と御一緒に八月七日九合目まで登り一泊をして翌八日四時半ごろの御来光を仰ぎ天にかかった虹、これを仰いだ記憶は鮮明であります。そのときの感動、これは一種自然というよりも神々しいものであったと。
 これを我々は上から見たものでありますけれども、かつて下から見た人たちは一番最初にそれを表現した山部赤人も「神さびて高く貴き駿河なる布士の高嶺」と。神さびて、神のごとくと言っています。あるいは高橋虫麻呂も同じく万葉集ですけれども、います神ともというふうにそこに神様がいらっしゃるというふうに表現しておりまして全く自然とは見ていないんですね。
 ですから、これが自然遺産におさまらないで文化性を持つので複合遺産にするべきであるというのはごもっともですけれども、翻ってこれはユネスコが一九七二年に世界遺産を選び始めたわけですけれども彼らにとって自然というのは文化とは大別するものです。ノートルダム寺院とかピラミッドとか万里の長城とかそうしたものが文化で自然そのものというのは文化がないと。しかし自然に文化があるということに彼らは気づきました。それは一九九二年のあのニュージーランドのトンガリロ山、マオリ族にとってこれは神聖な山でそこに羊を放牧できないと、これは文化だと、信仰の山だということで初めて自然に文化があるということに気づいたのです。
 しかし、そのことに日本人は気づかなかった。だから自然遺産か文化遺産しかないと。だったら富士山は自然遺産だろうと。ヨーロッパの基準に適すればですよ。しかしながらですね、ついに平成二十五年あの山塊でしかない富士山が信仰の対象であり芸術の源泉であると認めたんですね。自然に文化性を認めたということで私は画期的であるというふうに思っております。
 日本の自然はただにいわゆる非生物の土くれではないんですね。そこに精神性があると。しかもそれが国土のシンボルです。ということは国土それ自体に精神性があり、また芸術の源泉になり得るようなそういう国土として我々はこの自然を見ているということじゃないでしょうか。
 その意味でですね、これが世界文化遺産に認められたということは人類史上というかヨーロッパの歴史から見ると画期的なことであったと思っております。
 ともあれこれが世界文化遺産に認められましたのはもう関係者の皆さんの大変な労力と費用のたまもので、改めてですね日本人総力を挙げたこの尽力、思いをいたすところであり今百歳を迎えられた中曽根御大もそのうちの一人でありました。
 しかし何とその後ですね、登録を認められたそのときに三年後に保全状況報告書を出せと言われました。平成二十八年に出しました。何とまた出せと言われました。それで昨年の十一月二十六日に出しました。十二月一日が締め切りだったからです。この報告書をまとめるというのは日本語でしっかりまとめ直しそれを英訳してまとめなくちゃいけないので大変なことです。ところが今度またアゼルバイジャンのバクーで行われるところで今聞くところによればさらにまた一年半後に報告書を出せと。これはいじめじゃないですかと思うくらいです。
 そしてよく事情を聞いてみると保全状況報告が余りにもよくできていると、したがってこれを各国に知らせたいというのでありますけれども、これに要する多大な労力と費用というのは静岡県と山梨県と関係市町また国を挙げてやらなくちゃなりません。何しろ相手が富士山ですから。ですからすきがあってはならないということでございますけれども、ともあれですね差し当たってですね、この世界文化遺産としてしっかりと富士山の自然環境の保全を進めていくことに全力を傾注するということでよろしいのではないかというふうに僕は思っております。ただしこれはそれこそ万機公論に決すということですから多くの方々の議論を集約した上ででありますけれども。
 ともあれ富士山全体を最初の保全報告書についての注文がありました。そのうちの最大のものはなるほど二十五の構成資産から成りますけれども富士山全体について言っていないというわけです。あるいは全体として文化的景観ではないのかとなぜそれをうたっていないのかと。つまり富士山の姿それ自体がですね、カルチャラル・ランドスケープという言い方で文化の姿ではないですかとそれを書き込みなさいと言ったわけですね。私はこれはもっともなことだと思ったと同時についに地球的環境も一つの文化的な、つまり精神性のある姿として見るという、環境にも場合によっては主権があるという言い方が最近はされますけれども人間に使われるその主権という言葉がですね、あるいは人権という言葉が環境権、環境にもちゃんとした権利がありますと声なき声でこの権利を主張しているということにその形なきところに形あるものを見ると、声なきところに声を聞くというそういう姿勢に大きく言えば人類が変わりつつあるということで、その意味ではですね自然と文化の一緒になったものだというよりも自然それ自体に文化性があると言っていることの画期性というのは改めて認識するべきことではないかと思っております。
 富士山を愛される四本先生に釈迦に説法で大変失礼なことを申し上げたと思いますけれども、富士山は日本の国土の統合のシンボルでありかつ今や人類共通の宝物であります。末永く後世に継承しその価値を一層高めかつ人類にこれを普及させていくということは我々日本人の特に山梨県、静岡県民の使命ではないかと存じます。
 県といたしましては、類いまれなる富士山の美しい自然や文化的価値を守っていくために今後とも国、山梨県及び関係市町村等と連携を密にしながら適切な保存活用と魅力の発信に全力で取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木経営管理部長。
       (経営管理部長 鈴木宙志君登壇)
○経営管理部長(鈴木宙志君) 富士山についてのうち、富士山頂の境界についてお答えいたします。
 富士山頂付近の境界に関する問題は江戸時代から論争が続いておりこれまで静岡、山梨両県の関係者によりさまざまな議論が行われてまいりましたが境界は定まらず今日に至っております。平成二十年には富士山本宮浅間大社から県知事宛てに境界の確定の推進について要望がありましたことから同年六月に富士宮市、小山町及び県の担当者による研究会を設けその後御殿場市を加え意見交換をしてまいりましたが、客観的な資料を見出すことが容易でなく各市町が資料の収集や確認などの研究を続けているところであります。
 一方で、富士山は国内外の多くの人々に愛されており世界遺産登録を契機として本県、山梨県、関係市町村などがこれまで以上に富士山の価値を共有することとなり自然環境の保全を初めとするさまざまな分野での連携が深まってきているところであります。境界の確定に当たりましても関係する市町村の合意が必要でありますことから、今後とも関係市町等と十分に連携しながら慎重に検討を進めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 県民総参加の森づくりの推進についてお答えいたします。
 本県の豊かな森林を守り次世代に継承する行動である春と秋の森づくり県民大作戦を多くのボランティア団体の皆様が九百を超えるイベントにより実施されておりますが、しかしいずれの団体におきましてもメンバーの高齢化や一般参加者の減少などの課題があります。
 新たな参加者を呼び込むため、今年度から里地里山で活動する団体と連携し地域の特徴的な草花や鳥などの生物多様性の魅力を生かした新たな森づくりのモデルを構築してまいります。そしてこのモデルを事例発表会等を通じ全県に広めてまいります。
 企業との連携につきましては、森づくりを支援するしずおか未来の森サポーターとしてこれまで四十四社に参加いただいております。現在県内の環境への意識の高い企業へ協力要請のための訪問を行っているところであり、引き続き県外企業も含めPR活動を強化してまいります。
 さらに、県立森林公園のアカマツ林の再生計画を示したことにより首都圏の企業との連携につながった事例もあることから、各団体に対し森林の将来像を示した活動計画の策定を促してまいります。
 県といたしましては、市町や公益財団法人静岡県グリーンバンクの協力を得ながら県民総参加の森づくりを一層推進してまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 四本康久君。
       (三十三番 四本康久君登壇)
○三十三番(四本康久君) 答弁ありがとうございます。再質問を二つさせていただきます。
 まず、山頂の境界についてでございますけれども、これ非常にデリケートな問題、厳しいということは私も十分承知をしています。平成二十二年にもこの問題一般質問で取り上げましたけれども、やはり十年に一回ぐらいは取り上げなきゃなと思っているようなテーマであります。
 そんな中でですね、今回は特に県境ということではなくて本県側の市町境をまず確定をしていくということが必要だと思っております。具体的には富士宮市と小山町ですね。そしてここで今ね、目に見える形で言うと固定資産税の二重課税というようなことがあるんですね。この問題だけでもやっぱり解決をしていかなければならないのではないのかなと思っております。所有者の方ももう何十年も法務局にこの税金を供託をしているというような状況が続いておりますが、こんな状況はやっぱり解決をしていく努力をしていかなければならないのではないのかなと思っています。
 そんな中、今答弁にもありましたが研究会、県で研究会を開いてくれているということでございますが、これが平成二十五年の八月から開かれていないような状況だと伺っております。さまざまいろんなボールを投げているとかまだ返ってこないだとかというようなことも伺っておりますけれども、大分日にちもたち、そして私感じるには環境もちょっと変わっているんではないのかなと思っております。ぜひですね、こう議論の再開を促していただけたらなと思います。これはやっぱり世話役である県から各市町にですね日がたっちゃってるから一度もう一度情報交換しましょうよというようなことでですね、この研究会の再開をぜひ促していただきたいなと思っております。
 この場所、この二重課税があるところは先ほど知事からも御紹介がありました。平成二十二年八月にですね、一緒に登ったときにその場所にも知事にも見ていただいてこの建物が二重課税ですよというような御説明をしたような記憶もありますけれども、ぜひそんなことの中でこの研究会の再開をというようなことを、開いていただく状況を見通しのことをお尋ねをいたします。
 次に、富士山の世界複合遺産化のことでの再質問であります。
 これも知事おっしゃるように精神的な、宗教的、神々、私も富士登山ことしでですね、私が本格的に富士山に取りかかってからことしが四十三年目の夏山になります。毎年毎年ですが八合目以上の浅間大社境内地に足を踏み入れるとき、やはりこれ本当に神々しくそして気持ちの中で一歩まず八合目から足を踏み入れるときには気持ちが何とも言えない神域に入るなというような思いでいます。それほど神秘的なところだと私も思っております。
 そんな中ですね、やはりそうは言っても自然の環境がこれだけ違ってきている。気候の変動による環境の変化が激しいこういう中ではやはり何らかの形でいろんな形でこの富士山を守っていかなければならないのではないのかなと思っております。
 例えばことしもですね、おととい雪が降ったそうです。六月の中旬も五十センチぐらいの雪が積もったということです。これ近年にこういうことはないそうです。これも何かちょっと異常気象なのかなと思っておりますし至るところでいろんな環境の変化があります。いろんな方法を使いながら手段を使いながらこの山体を五十年百年、私たちの責任ではせいぜい五十年百年だと思います。こういった先のことを手当てをしていくというようなことが必要だと思いますのでぜひともですね、そういった自然のこの気候変動の立場からの自然遺産かということも検討をしていただきたいなと思っておりますけれども、いま一度御答弁をいただきたいと思います。以上、よろしくお願いをいたします。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木経営管理部長。
○経営管理部長(鈴木宙志君) 富士山頂の境界についての再質問にお答えいたします。
 御指摘いただきました研究会につきましては、これまで計十一回を重ねておりますけども現在は各市町が山頂付近の境界に関する新たな資料を探す研究を続けているところでありまして、新しい資料が出てきた段階で次回研究会を開催するということになってございます。
 今後の開催につきましては、県議の御意見も踏まえましてまた関係市町と相談をしていきたいというふうに思います。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 植田文化・観光部長。
○文化・観光部長(植田基靖君) 富士山の世界複合遺産化の再質問についてお答えいたします。
 この富士山の世界文化遺産ですけども、長い間にわたって本当にさまざまな方々の御努力の結晶、たまものがこの富士山の文化遺産だと我々も強く認識しております。その文化遺産をこれまで以上に強固にするためには、やはり自然の保護についてもですねしっかりとその文化遺産を守る中でも取り組んでいかなければならないと強く認識しております。また山梨県の方々また国の方々も合わせてですね、皆さんで一緒になって自然の保護には取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長(中沢公彦君) 四本康久君。
       (三十三番 四本康久君登壇)
○三十三番(四本康久君) 御答弁ありがとうございました。
 要望といいますか、とにかく富士山を保全があって初めて開発だとか観光振興というものがあるというようなことを声を大にして言わせていただいて、ぜひともそういった観点、保全があってまず開発そして観光振興であると、保全を第一にということで考えていただけたらなという要望をいたしておきます。
 次の質問に移ります。
 まず、地域の居場所づくりの推進について伺います。
 先日県が発表した高齢者福祉行政の基礎調査によると高齢化率は二九・一%で過去最高を更新、後期高齢化率も一四・八%となりました。また総人口に占める七十五歳以上の人口の割合は五〇・九%で高齢者の半数以上が後期高齢者となり高齢者の中の高齢化が進む結果となりました。百歳以上の高齢者も二千人を超えたということです。
 こうした中、団塊の世代が全て七十五歳以上になる二〇二五年に向け介護サービス基盤の整備が進んでいるところですが、一方で介護を必要としない高齢者であっても閉じこもりなど地域で孤立してしまうといった問題が危惧されているところです。また周囲とのつき合いが少なく社会的に孤立している高齢者は孤立していない高齢者に比べ介護や死亡のリスクが一・七倍高まるという筑波大学の調査結果もあります。
 私の地元富士宮市では、社会福祉協議会が音頭をとりゼロ歳から百歳までとキャッチフレーズで地域寄り合い処を地区ごとに設置をし運営は地域のボランティアスタッフが行い、時には行政の担当者から健康づくりや交通安全、防犯など生活に役立つ情報の提供や参加者同士の茶話会など子供から高齢者の方まで幅広く情報交換、悩み事相談、見守り、支え合いなど場所ごとにさまざまな取り組みが行われ交流の輪が広がっています。こうした場が提供されることで健康面や衛生面などでの情報が共有され高齢者の生活の質も高まることが考えられます。また家族構成の変化に伴い高齢者と子供の交流、地域住民同士の交流など多世代間の交流機会が減っている昨今、地域寄り合い処のような取り組みを進める意義は非常に大きいと考えます。
 しかしながら、せっかくこうした有意義な場の提供があっても高齢者によってはみずから積極的にアプローチして他人と交流を図ろうとしようとする人もいれば全く関心のない層も見られます。運営者側からのPR不足で情報が行き届いていないということも考えられ、ある程度行政側の手助けも必要ではないでしょうか。高齢者に限らず地域の方たちが気軽に集まりおしゃべりや世代間交流、各種講座などを通して仲間づくりや生きがいづくりを行うことは今後の地域づくりに大きく寄与するものと考えています。
 そこで、富士宮の地域寄り合い処のような取り組みを全県的に推進すべきと考えますが、県の見解を伺います。
 次に、重症心身障害児・者の在宅支援について伺います。
 重症心身障害児・者の在宅ケアは、片時も目を離せず長時間にわたることから介護する御家族の負担は大きなものです。富士富士宮圏域に居住する重症心身障害児・者は独立行政法人国立病院機構静岡富士病院のショートステイを利用していましたが、平成二十九年に駿東郡清水町の静岡医療センターに移転統合されたため圏域内に重症心身障害児・者が利用できるショートステイの受け皿がなくなってしまいました。その際には県が設置する富士富士宮圏域の重症心身障害児・者を支援する施設事業者や親の会代表者などから構成される圏域自立支援協議会の重症心身障害児・者部会において静岡富士病院移転後の対応等について議論が行われるなどその役割は非常に大切であると感じたところであります。
 また、県の自立支援協議会では各圏域の課題について議論するなど活発に活動していると地元の関係者から聞いており、そのような取り組みは大変重要であると考えております。重症心身障害児・者やその御家族が地域で生き生きと暮らしていくためにはショートステイは重要なサービスであり、受け入れ施設がないことを地元では非常に心配しております。重症心身障害児・者の受け入れは医師を初めとするスタッフの経験が積み重ねられていないとできないことから、重症心身障害児・者やその御家族が安心して安全に利用することができる専門的に診てもらえるところが必要と考えております。
 県は、平成二十九年度から医療機関における重症心身障害児・者のショートステイの実施を促進していると聞いておりますがその状況はどうか、また各圏域自立支援協議会重心部会などの議論を踏まえ重症心身障害児・者のショートステイの拡充について今後どのように取り組んでいくのか県の見解を伺います。
 最後に、高校生の自転車事故対策について伺います。
 自転車は移動手段としてとても手軽で便利な乗り物で近距離の通勤通学に広く利用されていますが、近年高校生が関係する交通事故のうち自転車に起因する事故の割合は七〇%以上と大半を占める状況となっています。
 そのような中、昨年は県内で高校生がかかわる自転車事故が千十五件ありました。これは前年の千六十二件よりはやや改善されたものの一日当たり二件以上の事故が毎日どこかで発生していることになり、さらにその多くが通学時に発生しとりわけ一年生が四〇%を占めているということはとても憂慮すべき状況であると考えています。
 これら自転車に起因する事故は高校生が被害者となる場合だけでなく加害者となる場合もあり、ある県では携帯電話を操作しながら無灯火で自転車を運転していた女子高校生が女性に追突した事故で女子高校生の過失を認め五千万円の支払いが命じられ話題となりました。また数年前になりますが別の県では小学生が帰宅途中マウンテンバイクで坂を下っていたところ散歩をしていた女性に気づかず正面衝突する事故を起こしてしまい、損害賠償訴訟で保護者に約九千五百万円の高額賠償が命じられるなど同様の事故は各地で発生しており社会問題になっているところです。
 このような状況に鑑みて、全国の自治体では自転車を運転する者に対する損害賠償保険の加入を義務づける条例の制定が進んでおり、本県でも本年四月から静岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例が施行され十月から小中学生の自転車通学時のヘルメット着用や自転車に乗る人全てに対する自転車保険への加入が義務化されることになっているところであります。
 私の地元であります富士宮市では、市内の五つの高校の生徒がBicycle Bouhanの頭文字と五高校の五を取りBB5作戦と称し自転車盗難被害の防止を警察署と連携して行ったり生徒や教員、警察等が協力して通学時間に街頭に立ち自転車通学者への声かけを熱心に行ったりしていますが、こういった地道な取り組みを継続していくことを通じて生徒一人一人に交通社会の一員であるという意識をしっかりと持たせルールの遵守やマナーの向上につなげていくことが自転車事故防止に欠かせない取り組みであると考えます。
 本県が他県と比べ高校生の自転車事故件数が多いのは自転車で通学する高校生が多いことが一つの要因であると考えられていますが、だからこそ自転車が関連する交通事故を防止する取り組みを県全体で粘り強く行っていくことが必要であると考えます。今回の自転車条例制定により県民の交通安全に対する意識が高まり悲惨な交通事故が一件でも少なくなることを願うところですが、高校生が関係する自転車事故防止について教育委員会としてどのように取り組まれるのか見解を伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 吉林副知事。
○副知事(吉林章仁君) 地域の居場所づくりの推進についてお答えいたします。
 県では、市町や関係団体、介護事業者の皆様などと連携をしまして年齢や障害の有無にかかわらず誰もが住みなれた地域で安心して暮らせるような垣根のない福祉の実現を目指すふじのくに型福祉サービスを推進しております。その一つであります居場所づくりにつきましては、介護予防や認知症予防の活動の場のほかさまざまな課題を抱えた子供に寄り添う子供食堂やひきこもりの方が社会参加の第一歩を踏み出す場などとして地域の住民の皆様の協力を得ながらさまざまな形態での居場所の設置に取り組んでおります。また居場所に通うことは健康長寿の三要素であります運動、食生活、社会参加につながり健康寿命を延ばす効果があります。また地域において顔の見える関係が築かれますことから、災害時におけます地域の防災力の向上にも資するものであります。
 富士宮市の地域寄り合い処が市内の地区ごとに設置され世代を超えた交流が行われておりますことは大変すばらしいものであります。現在県内にはサロン、認知症カフェ、通いの場などさまざまな居場所が五千カ所以上設置されており今後ますます重要性が高まっていくものと考えております。
 このため、県では新たに居場所づくりに取り組む住民や事業所の皆様に対しましてアドバイザーを派遣し設置や運営について支援をしております。また地域に密着した魅力的な事例を掲載したガイドブックを作成配布いたしまして、ホームページへ掲載するなどさまざまな広報媒体を使いまして情報提供しているところでございます。そうした周知啓発にも取り組んでまいります。
 さらに、今年度は誰もが居場所に参加できますよう通うことが困難な方を送迎する移動支援サービスのモデル事業を実施いたします。あわせまして居場所についての情報を医療、福祉、教育等の関係者に広く提供いたしまして県民の皆様が気軽に利用でき新たな生きがいを見い出せる集いの場となるよう取り組んでまいります。
 県といたしましては、今後とも市町や関係団体などと協力をしながら居場所を初めとするふじのくに型福祉サービスを全県的に推進し、県内の全ての地域で年齢や障害の有無にかかわらず地域とつながりを保ちながら孤立することなく安心して生活できる社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 池田健康福祉部長。
○健康福祉部長(池田和久君) 重症心身障害児・者の在宅支援についてお答えいたします。
 在宅生活を送る医療的ケアが必要な重症心身障害児・者の御家族は二十四時間三百六十五日休みなく介護が必要なため大変な御苦労をされておりますことから、県では一時的な休息をとっていただくいわゆるレスパイトを目的として医療機関における短期入所の実施促進に取り組んでおります。
 具体的には、短期入所の実施を希望する医療機関に対し障害福祉サービスに精通した専門家の派遣や重症心身障害児・者受け入れのための研修を行うとともに入院で利用した際の診療報酬と障害福祉サービス報酬との差額に対する助成制度を創設いたしました。さらに平成二十九年度から市町と連携して公的病院を中心に医療機関を訪問し短期入所の実施を働きかけた結果、県内の実施機関は五圏域十二カ所になりました。一方、賀茂、熱海伊東、富士の三圏域では実施する公的医療機関がないため、今後は圏域自立支援協議会の重症心身障害児・者部会と連携いたしまして圏域内の民間医療機関にも短期入所の実施を働きかけてまいります。
 県といたしましては、重症心身障害児・者と御家族が住みなれた地域で安心して暮らすことができるよう引き続き在宅生活を支える福祉サービスの充実を図ってまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木教育部長。
○教育部長(鈴木一吉君) 高校生の自転車事故対策についてお答えいたします。
 本県高校生の自転車事故は年間一千件以上発生し深刻な状況となっており、ルールの徹底とマナーの向上など事故防止対策が喫緊の課題であります。
 県教育委員会では、県警やくらし・環境部と連携し例年五月から七月にかけて事故が多いことから年度初めに集中的に交通安全教室や職員に対する研修会を開催しているほかPTAなどと協力して街頭活動を行っております。平成三十年度からは命を守る高校生自転車事故防止作戦を展開し、議員に御紹介いただいた富士宮市の例のように生徒自身が対策に取り組む機会を設けそれを広く他の高校に周知するほか校内放送を利用して交通ルールの徹底やマナーの向上を図っているところであります。また通学で自転車を利用する生徒につきましては、自転車損害賠償保険等への加入を確認しているほか毎年専門の業者や教員が生徒の自転車を点検し安全の確保に努めております。
 しかしながら、本年度に入りましても自転車を利用している高校生が巻き込まれる死亡事故や歩行者と衝突する加害事故が発生し事故件数も昨年と比べ増加しておりますことから一層の啓発に取り組む必要があります。
 県教育委員会では、条例の制定を受け公立、私立高校の教員が参加した交通安全研修会等の場で条例の周知や効果的な交通安全指導に係るワークショップを行っているほかeラーニングを活用した交通安全情報の配信を行うなど、より効果的な取り組みを実践していくこととしております。
 今後とも、関係機関と連携し高校生がみずからの命を守るだけでなく加害者とならないよう自転車事故の防止に全力を挙げて取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 四本康久君。
       (三十三番 四本康久君登壇)
○三十三番(四本康久君) 御答弁ありがとうございました。
 地域の居場所づくりの推進についてですが、先週政府の認知症の新大綱というのが発表されていました。そこでの重点目標にこの表現は通いの場になっていましたけれどもまだまだ足らないというようなことでありましたので、ぜひもっともっと広く広げていっていただけたらなという要望であります。
 もう一件要望を。今の高校生の自転車の事故対策でございますが特に一年生がということでありますのでここを重点的にやってください。
 そして再質問、重症心身障害児・者のところでございますが、富士富士宮圏域、手を挙げる準備をしているような民間病院があるようなことも聞いておりますけれどもこういったところにですね、さらに支援をすることによってこのショートステイ、何とかしていただきたいなと思っております。この辺の見通しをお聞かせください。以上、答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 池田健康福祉部長。
○健康福祉部長(池田和久君) 重症心身障害児・者の在宅支援についての再質問にお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、富士圏域におきまして公立病院三カ所と公立病院以外の医療機関三カ所合わせて六機関に働きかけたところですね、五つの医療機関からは人材不足等の理由から受け入れが困難だという回答がございました。残りの一機関につきましては、今現在院内の検討が続いているというところでございます。
 ここに対しまして、県といたしましては専門家を送りまして医療型の短期入所事業所の開設を支援しているところでございまして、こうした開設の可能性のある医療機関に対して引き続き働きかけを続けてまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(中沢公彦君) 四本康久君。
       (三十三番 四本康久君登壇)
○三十三番(四本康久君) ぜひともですね、重症心身障害児・者の家族大変なものですからぜひさらに力を入れてやってください。どうもありがとうございました。(拍手)

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