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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

森 竹治郎 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/04/2022

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 伊豆縦貫自動車道の建設促進について       
2 駿河湾フェリー事業の促進について         
(1)事業の継続        
(2)発着所の移転       
3 過疎地域の活性化対策について       
4 静岡県の水産漁業への支援について         
(1)藻場の保全         
(2)沿海地区漁業協同組合への支援


○議長(宮沢正美君) 次に、六十番 森 竹治郎君。
       (六十番 森 竹治郎君登壇 拍手)
○六十番(森 竹治郎君) 令和四年二月定例県議会も私が最後の質問登壇者となりました。知事並びに副知事、関係する部局長におかれましては簡潔にして明解な御答弁をお願いいたします。
 それでは、通告の順序に従いまして一括質問方式により質問をいたします。
 最初に、伊豆縦貫自動車道の建設促進についてであります。
 伊豆半島の今日の状況は、長い期間にわたる観光産業の低迷に加えて三年目となる新型コロナウイルス禍によって伊豆半島全体が塗炭の苦しみに陥っております。また少子高齢化も進み人口の減少は大きな悩みとなっております。
 そこで、沼津市と下田市を結ぶ総延長六十キロメートルの高規格幹線道路である伊豆縦貫自動車道の一日も早い全線の開通を期待し、観光交流人口を増やし経済の活性化や住民生活の充実向上を実現していきたいと考えております。
 私たちは、今まで長年にわたって国土交通省沼津河川国道事務所や名古屋市の中部地方整備局、そして東京の国交省本省や財務省に、さらに県庁には川勝知事、難波副知事、和田交通基盤部長をはじめとする要路の皆様に要望陳情活動等あるいは意見交換等を重ねてまいりました。
 令和三年度当初予算として河津下田道路区間に百一億三千百万円、そしてさらに昨年末の十二月補正予算ではこの区間にゼロ国債も含め十四億三千万円の破格の予算をつけていただいたところであります。このことは知事をはじめ関係する皆様には心から感謝申し上げる次第でもあります。私たちは今後も引き続いて行動を継続してまいる覚悟でもあります。
 平成三十一年一月二十六日に天城北道路区間が開通いたしました。このことにより月ケ瀬インターチェンジ周辺は道の駅の整備も進み新たなにぎわいスポットとなり、明らかにストック効果が生じてまいりました。
 そこで、伊豆市月ケ瀬から河津町梨本までの天城峠越え二十キロメーターの区間であります。この区間は浄蓮の滝や昭和の森そして河津七滝とすばらしい山紫水明の天城の自然環境に恵まれた区間でもあります。周辺には温泉やワサビ田、貴重な動植物の生息地が存在しており、地下水、自然環境や生態系など環境への影響評価を慎重に進めていると伺っております。準備書の作成の進み具合はいかがでしょうか、お伺いする次第であります。
 また、都市計画の手続を進めているところであります。あわせてこの手続の進捗の状況もお伺いする次第であります。
 さらに加えて、新規事業化の見通しについてもお聞かせ願いたいと思います。
 次は、河津下田道路U期区間六・八キロメーターの区間であります。
 これは河津町梨本から下田市箕作までの区間であります。この区間の中で河津インターチェンジから逆川インターチェンジの間において、延長約一・九キロメーターの河津トンネルは昨年夏貫通し現在橋梁の上部工や下部工を推進、工事中と承知はいたしております。この区間に並行する国道四一四号には夏季大型車通行規制区間が存在しており、夏の観光交通に大きな支障が長い間にわたって生じております。
 そこで、この区間の先行しての供用開始が待たれるところでもあります。この見通しについてお尋ねをする次第であります。
 あわせて、逆川インターチェンジから下田北インターチェンジ間についてであります。この区間も工事が始まっております。その進捗の状況についてお尋ねする次第であります。
 次は、河津下田道路T期区間五・七キロメーターであります。ここは下田市箕作から下田市六丁目の区間であります。この区間には蓮台寺インターチェンジ及び敷根インターチェンジが計画されております。蓮台寺インターチェンジの近くには下田市役所の移転計画があり、敷根インターチェンジは伊豆急下田駅に近い高台に設置される計画でもあります。将来ここは下田市、賀茂郡の中枢エリアになるものと期待をされております。
 このように河津下田道路T期区間は下田市民や南伊豆町民の皆様にとって非常に関心の高い区間でもあります。この区間の用地取得の状況や工事の進捗の状況についてお聞かせください。
 次に、駿河湾フェリー事業の促進についてのうち、事業の継続についてお尋ねをいたします。
 駿河湾フェリーは、世界で最も美しい駿河湾から世界文化遺産の富士山を仰ぎ見ることができるかけがえのない静岡県の宝の船であります。地域にとりましても大きな経済波及効果をもたらす重要な社会資本であります。
 平成三十年五月民間企業のフエリー事業撤退を受け、県と環駿河湾地域の静岡市、下田市、伊豆市、南伊豆町、松崎町、西伊豆町の三市三町は平成三十一年四月に一般社団法人ふじさん駿河湾フェリーを設立し、各自治体が責任を持ちつつ協力し合いながらも県が主導的役割を果たし経営体制を取ってまいりました。民間企業経営時代の平成二十五年度には富士山の世界文化遺産登録の好影響もあって輸送人員は二十四万四百九十八人ありましたが、令和二年度は新型コロナウイルス感染症の影響により八万二十一人と激減し大変に厳しい経営環境に置かれております。
 駿河湾フエリーの乗船利用者の八八%が観光目的であります。フェリー利用時に優先される価値観について調べてみますと、リラックス、リフレッシュできる環境や地域特有の景色を船上から楽しめる、このような声が八〇%以上を占めております。フェリー乗船を目的とするリピーター層が一定以上いることも強みでもあります。昨年の夏には御案内のとおり中部横断自動車道も静岡―山梨間が全線開通し甲府、長野方面からの利用者の増加も大いに見込まれる状況となってまいりました。観光バスツアーあるいは教育旅行等も期待が増してまいりました。
 駿河湾フェリーそのものが観光施設であり静岡県の宝の船と思っております。現在は新型コロナウイルス禍によって厳しい経済環境下にありますが、今後も駿河湾フェリー事業を継続していくべきものと考えます。改めてその覚悟のほどをお聞かせください。
 次に、発着所の移転についてお尋ねをいたします。
 駿河湾フェリーの清水港の現在の発着所は日の出埠頭であります。JR清水駅から徒歩で二十五分です。シャトルバスも一日四往復、定員二十九名で十分もかかるのであります。国道一号や東名高速道路とのアクセスも良好とは決して言えません。駿河湾フェリーのバスや乗用車の乗船客はもとより一般乗船客の利用の拡大を阻む大きな要因ともなっております。
 一方で、日の出埠頭は現在クルーズ船と発着所を共用している状況にあります。外航大型クルーズ船が日の出埠頭に入港してくる際には駿河湾フェリーは発着所を巴川の河口方面、富士見埠頭寄りに移動しなければなりません。クルーズ船にとっても駿河湾フエリーにとっても使い勝手が悪い日の出埠頭の現状にあります。駿河湾フェリーの発着所を利便性の高いJR清水駅に近接した江尻埠頭に移転することができれば日の出埠頭はクルーズ船の専用としてクルーズ船二杯が同時に接岸も可能となります。
 また、駿河湾フェリーの発着所を現在の日の出埠頭からJR清水駅前の江尻埠頭に移転することでJR清水駅から既に完成している回廊を利用し歩いてフェリーに乗船することができ、フェリーから下船し歩いてJR清水駅の電車に乗ることができるようにし利便性を飛躍的に向上させることが可能となります。周辺には清水魚市場の直売施設河岸の市があり周辺のにぎわいづくりにも必ずや相乗効果が出てくるはずであります。
 この駿河湾フェリーの発着所移転には、自民改革会議静岡市選出県議の皆さんの協力要請に応えてくれた静岡市議会の公有水面埋立法に関する議決も済んだ埋立造成や岸壁の工事、駐車場整備、ターミナル整備、清水漁協への協力要請等々の作業を進めていく必要があります。この移転の整備には乗船客の増加に期待をする伊豆半島の観光関係者の大きな支持があります。
 この事業の一層の推進を図るべきものと思いますが、現在の状況と今後の取り組みについて決意のほどをお尋ねする次第であります。
 次は、過疎地域の活性化対策についてお尋ねをいたします。
 過疎対策の新法が、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法として令和三年四月一日から十年間の期間で始まりました。総務省が人口の減少率などから過疎地域に指定する自治体が全国の市町村のおよそ半分を超える状況となってまいりました。令和四年度から自治体の全域または一部過疎地域に指定されるのは全国千七百十八市町村の五一・五%に当たる八百十五市町村であるとのことであります。
 静岡県内では全部過疎は伊豆市、下田市、河津町、南伊豆町、松崎町、西伊豆町、川根本町であります。そして一部過疎地域は浜松市内の旧春野町、旧龍山村、旧佐久間町、旧水窪町の区域であり、また沼津市の旧戸田村そして島田市の旧川根町の区域であります。
 県内過疎地域の集落の数は現在三百四十か所あります。そのうち高齢者五〇%以上の集落は二百三か所あります。高齢化率は四九・二%です。人口五十人未満の集落は静岡県内百十八か所あります。静岡県議会は令和元年十二月二十日に、新たな過疎対策法の制定を求める意見書を全会一致で内閣総理大臣をはじめ関係閣僚の皆さんに提出いたしたところでもあります。
 また、川勝知事をはじめ全国知事会、政府や国会に立法化を働きかけていただくなど関係する皆さんの支援によって過疎地域の持続発展の支援に関する特別措置法として成立し令和三年四月一日から施行されました。
 県は、今までこの過疎法に基づき産業振興や交通通信体系の整備あるいは医療福祉施設の確保、地域の文化振興などハード面、ソフト面両面から総合的過疎対策に取り組んでまいりました。その成果は確かに各所に現れてきておりますが、いまだ過疎地域の衰退に歯止めがかかっておりません。
 国、政府のほうは新法施行に基づいて国庫補助率のかさ上げや国税の特例適用、地方税の減収補債の措置あるいは基幹道路、公共下水道等の県の代行事業、過疎対策事業債等々の支援を引き続いて行うとのことであります。特に政府が返済の七割を負担して自治体を支援する過疎債の費用として総務省は令和四年度当初予算に前年度比二百億円増の五千二百億円を計上してくれております。
 静岡県では、この新法施行に基づき静岡県過疎地域持続的発展方針を策定し県の過疎対策の基本的方向を示したものと思いますが、今後の支援について決意のほどをお聞かせください。
 あわせて、過疎自治体の計画づくりの状況や県のその各事業に対する支援についてもお聞かせを願います。
 次は、静岡県の水産漁業の支援についてのうち、藻場の保全についてお伺いをいたします。
 今、日本の漁業は衰退の一途をたどっております。全国の漁業、養殖業の生産量は昭和五十九年の千二百八十二万トンをピークとして下がり続け令和二年には三分の一の四百二十三万トンになってしまいました。静岡県でも十八万九千トン、全国九位であります。漁業の就業者数も平成三十年には全国で十五万二千人となり、静岡県ではわずかに四千八百十四名、全国十一位であります。過去三十年の間にまさに半減してしまったのであります。平均年齢は五十六・九歳と高齢化も進むばかりであります。
 成田空港はいまや日本一の輸入漁港と言われるようになり、スーパーに並ぶ魚介類の多くが外国産であり価格が安いこともさらに漁業者を疲弊させておるのであります。静岡県の沿岸漁業も近年主要な魚種で不漁が継続している状況にあります。漁業者はこれらの原因の究明や漁場環境の調査など強く要望をいたしております。
 一方、沿岸漁業の根幹をなす藻場についてであります。伊豆半島や榛南海域にはかつて広大な藻場があり豊かな資源の生育場を形成しておりました。しかしながら現在では海水温の上昇や藻食性魚類の食害などにより多くの藻場が消失してしまいました。
 そこで近年、県当局や漁業者が胞子放出直前の海藻の投入や種苗の移植によりこれらの藻場の回復を図ってきたところでありますが、藻場は短期間での回復は困難であることから今後も地道な取組が必要であります。
 そこでお尋ねをいたします。静岡県沿岸での磯焼け対策をはじめとした藻場の保全について、今後どのような方針で臨むのかお伺いをいたす所存であります。
 次は、沿海地区漁業協同組合への支援についてお伺いをいたします。
 本県には、東は初島、西は浜名湖まで海に沿って十七の漁業協同組合があります。職員数は非常勤職員を含めて四百六十八名が、日夜水産漁業の振興に奮闘をいたしております。主たる業務は地域の漁業権の管理や行使について、そして燃料の供給や漁具漁網等の販売業務などその役割は大変多岐に及んでおります。
 さらに、地方産地市場の開設運営やあるいは水揚げ魚介類の集荷あるいは競り売りなどで発生する手数料が漁業協同組合の大きな収入源となっております。水産資源の減少に伴い、その上に近年はしけが多くなるなど気象状況による出漁の見合わせなども重なり水揚げは大幅に減少しており、このことが漁業協同組合経営にも大きな打撃となっております。
 加えて、現在の新型コロナウイルス禍での自粛ムードによる消費の減退から魚価単価も下がり不安定な状態が続いております。漁業施設の維持管理費や漁港、港湾の占用料といった固定経費も漁業協同組合経営の大きな負担となっております。
 さらに、国の改正漁業法の施行に伴い新たな資源管理において資源管理、評価の強化が示されてまいりました。漁獲報告が厳格化されてきたため漁業者が行う報告を支援する漁協職員の負担が今後も大きくなるものと予測されます。近年赤字経営に陥っている漁業協同組合が多く、令和三年度についても大変に厳しい決算になる漁協が多いと承っております。
 そこでお尋ねしますが、この苦しい組合経営を御理解頂き県として今後も本県の水産漁業を持続化していくためにも、沿海地区漁業協同組合への支援についてどのような対策をお持ちになっているかお伺いする次第であります。
 以上で私の質問は終わりますが、先ほど岡本県議からもこの三月をもって静岡県を退職される皆さんにお礼と激励の御挨拶がありました。私からも自民改革会議を代表して一言感謝と送別の言葉を申し上げます。
 毎年三月桜の季節となりますと皆さんの御勇退の時期をお迎えします。本年は先ほどのように、より多くの皆さんが御勇退されると伺っております。皆さんは、先ほどもお話がありましたが昭和の終わり頃から平成そして令和の今日まで、まさに皆さんの生涯をかけて堅忍不抜、一心不乱に静岡県政の進展に努めていただきました。この長い期間には阪神・淡路大地震や東日本大地震があり、台風、集中豪雨災害などもありましたが、その都度皆さん方は復旧・復興活動に粉骨砕身に取り組み、これを乗り越えてくれたのであります。加えて、降って湧いた新型コロナウイルス禍に対してもれぞれのお立場から懸命に取り組んでくれました。さらに本県を舞台にサッカーやラグビーのワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック自転車競技の本県開催の成功など広く県民の皆さんへ大きな感動を与えてくれました。
 静岡県は全国四十七都道府県の中でも多くの指標で上位にランクされております。まさに雄県として位置づけられてまいりました。このことも皆さん方が八面六臂の活躍をされてきた大きな成果でもあると思います。皆さん方の御活躍の陰には奥さん方の御協力もあったものと思います。皆さんや御家族の皆さんにも心から感謝を申し上げる次第であります。
 人生百年時代。これからの皆さんがますます御健康に恵まれ充実したものでありますようにお祈りして、感謝とお別れの言葉といたします。長い間本当にありがとうございました。
○議長(宮沢正美君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 森竹治郎議員におかれましては、本年三月末日をもって定年で退職する職員並びにその家族に対しましてもねぎらいと激励の言葉を頂きまして誠にありがとうございました。関係する職員に成り代わりまして厚く御礼を申し上げます。
 本議会も森議員の質問をもって最後となりました。この最後の質問にトリを飾るにふさわしい、いわゆる森竹節の名調子によって力強く気合いの入った御質問を拝聴いたしました。私はその御質問のうち駿河湾フェリー事業の促進についての二つの質問に対しまして御答弁を差し上げます。
 まず、事業の継続についてであります。
 駿河湾フェリーは、文豪川端康成が伊豆半島を称して全体が一つの大きな公園であると言いましたが、この伊豆半島に位置する土肥港と清水港とを結び世界遺産富士山を仰ぎながら世界で最も美しい湾に認定されている駿河湾を航行する本県の観光振興や環駿河湾の地域交通に欠かすことのできない航路であります。
 厳しい経営環境にあるフェリー事業ではありますが、これを安定的に継続していくためには宿泊割引など観光促進策を切れ目なく実施し、旅行需要の早期回復を図りながら利用者の一層の拡大に取り組む必要があります。特に中部横断自動車道の全線開通により身近になった甲信越地域からの旅行需要の取り込みや本県ゆかりの大河ドラマ放送を契機とした歴史文化資源の魅力発信など、時宜を得た誘客策の展開が重要であります。
 そこで、県内外からの利用促進に向けて高速道路を利用した周遊企画の実施やオリンピック・パラリンピック開催のレガシーを生かしたサイクリストの誘致、大河ドラマゆかりの地巡りとフェリーがセットになった旅行商品づくりの促進等に取り組んでまいります。SDGsを学ぶプログラムへの関心が高い教育旅行では、伊豆半島ユネスコ世界ジオパークの活動を教育素材として紹介するなど学校や旅行会社への営業を強化し誘致に積極的に取り組んでまいります。
 また、船内で駿河湾の深海や海から望むジオサイトなどの魅力映像が楽しめるコーナーを新たに開設いたします。そのほか船上デッキに若者の関心を高める装飾を施すなど船そのものの魅力を高め利用者の満足度の向上につなげてまいります。
 さらに、旅行者の利便性向上や地域住民の利用を促すため西伊豆エリアでのデマンド型交通サービスを試験的に提供をするほかレンタカー向け特別運賃の設定や土肥港へのe―バイクの設置を進めるなど、将来の清水港発着場の江尻地区への移転も見据え切れ目なくストレスなく利用できる交通サービスの提供のため二次交通の強化を図ってまいります。
 駿河湾フェリーは、議員御指摘のとおりかけがえのないふじのくにの宝であります。持続してサービスを提供できるよう運航主体である一般社団法人や関係市町、地域住民、地域企業の皆様と一体となって経営改善戦略を着実に推進し安定的な事業継続に向け全力で取り組んでまいります。
 次に、発着所の移転についてであります。
 駿河湾フェリーの発着所が移転する清水港江尻地区はJR清水駅東口に隣接し、またまぐろのまち清水を支える代表的な地区であります。この移転整備は移転や補償等を伴うものでありますが、森竹治郎議員におかれましては抜群のリーダーシップを持って関係者ことごとく心一つにするように御理解、御協力、御尽力に向けてお働き頂きましたことに対しまして改めて厚く御礼を申し上げる次第であります。
 新たな発着所は、JR清水駅東口に隣接する江尻埠頭に整備を進めることによりまして鉄道とフェリーを直結する陸と海との新たな交通結節点が誕生することになります。フェリーターミナルの整備は現状の利用だけでなく十年、二十年先の望ましい交通体系づくりに貢献することを意識しておりまして、江尻埠頭への移転はそのために大変重要であります。
 具体的には、誰一人交通弱者にならないよう土肥と清水さらには山梨県など他県と伊豆の移動を可能にすることであります。このためには公共交通機関である鉄道の駅からフェリーターミナルに直結するように既存の回廊を延伸いたしまして、利用者がストレスなく待合所へのアクセスが可能となる施設配置の検討を進めております。また伊豆半島側における交通手段につきましても既に土肥港にパークアンドライド型の駐車場を設けましたが、今般はそれに加えましてデマンド型のバスなど二次交通の強化を図ることとしております。
 これらによりまして、伊豆地域におきましても自宅や宿泊地から静岡市街地などへの移動が円滑になることが期待されます。発着所の移転により県中部と伊豆地域を結ぶ重要な利便性の高い基幹交通ネットワークが生まれ、フェリーは観光だけでなくビジネスや生活の足として活用されることが期待されます。
 現在のフェリーターミナルの整備状況につきましては、これまで発着所の移転に先立ち支障となる船揚場について昨年度から移設工事に着手し工事を進めております。また今月末から岸壁の本体となるケーソンの製作工事などに順次着手してまいります。工事の実施に当たりましては、漁業関係者や港湾事業者のお仕事の支障とならないように関係の皆様と適切に調整を行ってまいります。
 県といたしましては、江尻地区を核とした清水港の新たな交通の接続と伊豆半島地域との観光、交流の拡大に向けフェリー発着所の令和六年度内の移転を目指し全力で整備を進めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○議長(宮沢正美君) 和田交通基盤部長。
○交通基盤部長(和田直隆君) 伊豆縦貫自動車道の建設促進についてお答えいたします。
 伊豆縦貫自動車道のうち天城峠を越える区間につきましては、県が都市計画決定及び環境影響評価の手続を進めており、昨年十二月から本年一月にかけて都市計画案及び環境影響評価準備書の公告、縦覧を行ったところであります。今後都市計画審議会や環境影響評価審査会の審議を経て可能な限り早期に都市計画決定を行い、決定後には速やかに事業化されるよう国に働きかけてまいります。
 河津下田道路U期区間につきましては、河津インターチェンジから逆川インターチェンジ間において貫通したトンネル内の設備や舗装の工事が進められ、河津側では本線からのランプ橋が国道四百十四号に接続するなどインターチェンジの形が現れ始めております。令和四年度の開通に向け標識工等の道路の供用に必要な施設の発注がおおむね完了するなど工事が大詰めの段階を迎えております。また逆川インターチェンジから下田北インターチェンジ間におきましては工事用道路の整備に続き本線の掘削工事が進められており、橋梁二橋の下部工工事も発注されるなど着実に進捗しております。
 河津下田道路T期区間につきましては本年一月末で用地の取得率が四五%に達しております。また相玉地区においては本体工事の本格化に向け今年度から工事用道路の整備に着手されるとともに、稲生沢川に架かる橋梁の下部工工事が発注されたところであります。
 県といたしましては、関係市町等と連携し伊豆縦貫自動車道の早期全線開通を国に強く働きかけるとともに、事業が円滑に進められるよう様々な調整を進めることにより伊豆半島全体の発展に寄与する道路ネットワークの構築に努めてまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 杉山経営管理部長。
○経営管理部長(杉山浩一君) 過疎地域の活性化対策についてお答えいたします。
 過疎対策の新たな枠組みとなります過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法は、過疎地域の持つ自然、文化などを保持しつつ都市部からの移住の受け皿となるなど、その担うべき役割を明確にして地域活力のさらなる向上を実現するため新たに都道府県に対して過疎市町への人的、技術的援助等の役割を求めております。
 このため、県は昨年九月静岡県過疎地域持続的発展方針として法が規定する全十一の項目について基本的な認識を提示し、この方針に基づき過疎市町の策定する事業計画が昨年十月頃出そろったことから、現在県では移住・定住の促進、産業振興、交通施設の整備など支援策を盛り込んだ計画を取りまとめております。
 具体的には、従前各市町一か所としていた県が代行する道路整備の上限を撤廃し、市町の一部費用負担は生じるものの二か所以上の整備を可能とする仕組みに拡充いたします。また過疎地域等政策支援員を県負担で市町に派遣し外部人材や革新的技術の活用を支援していくことなど、ハード・ソフトの両面の施策を盛り込んでまいります。
 県といたしましては、伊豆半島をはじめとした過疎地域に対しましてSDGsの理念にのっとり誰一人取り残さない施策を展開していく決意であり、今後も全庁を挙げて市町を支援するとともに国に対しても十分な財源措置を働きかけるなど過疎対策を着実に講じてまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 細谷農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(細谷勝彦君) 静岡県の水産漁業への支援についてのうち、藻場の保全についてお答えいたします。
 賀茂地域や榛南地域の沿岸に広がる藻場は食用海藻の供給や魚介類の成育の場として重要な役割を果たしてまいりましたが、近年磯焼けと言われる海藻の急激な減少や消滅が県内各地で発生しております。
 このため、県では榛南地区におきまして平成十六年からカジメの苗を植え付けたブロックの設置に取り組み、最近では群落が見られるまでに回復しております。さらにサガラメについては生分解性プラスチックの基盤に植え付けた苗の大規模移植に取り組んでおります。また賀茂地域ではテングサやヒジキの増殖に向けた研究開発を進めるほか、漁業者による自主的な保全活動に対する支援も継続して行ってまいります。
 また、近年藻場の持つ二酸化炭素の吸収源としての役割が注目されております。昨年から国の認可を受けた民間団体によるブルーカーボン・オフセット制度の試行が始まったところであります。この制度は、保全活動により創出された藻場の二酸化炭素吸収量をクレジット化し企業等に譲渡することで保全活動の経費に還元できるものであります。これまで横浜市など四つのプロジェクトにおいてクレジットが創出されております。
 県といたしましては、この制度の費用対効果などを十分検証し県内の藻場の保全活動への活用を検討するとともに、引き続き漁業者による自主的な藻場の保全活動への支援や藻場の回復に向けた研究開発に取り組み本県の豊かな海を守り育ててまいります。
 次に、沿海地区漁業協同組合への支援についてであります。
 県内の沿海地区漁業協同組合は、水産物の加工や販路開拓等を通じて漁業者の所得の向上に取り組むほか藻場の保全活動や海岸の清掃活動を実施するなど、漁港を有する地域の経済社会において重要な役割を担っていると認識しております。
 近年の水揚げ量の減少や魚価の低迷など各漁協の経営を取り巻く環境は大変厳しく、漁業施設の維持管理費や漁港、港湾の占用料の負担が重くなっているものと承知しております。こうした中、占用料は漁港や港湾を将来にわたって安全・安心で使いやすい施設として適正に維持管理するための貴重な財源として御負担を頂いているものであります。
 県といたしましては、こうした厳しい状況の打開に向けまずは水揚げ量の回復や魚価の向上を図り漁協の経営基盤を強化することが重要であると考えております。
 このため、水揚げ量の回復に向けてマダイやヒラメなどの種苗の放流による資源の増大や漁業者が行う自主的な資源管理の活動支援などに努めてまいります。また魚価の向上を図るため中部横断自動車道を活用した山梨県や長野県での販路開拓に取り組み百貨店などへの新たな物流網を構築してまいります。
 さらに、国の助成制度も活用して漁協食堂や直売所の整備を進めるとともに、マーケティングや物流などの専門家の派遣と併せて新たな収益の確保に向けた各漁協のチャレンジに対して助成するなど漁協経営の基盤強化を支援してまいります。
 議員から御指摘のありました改正漁業法に伴う漁獲量報告等の職員負担の軽減につきましては、国の補助事業を活用し漁獲量情報のデータを電子的に提出する仕組みを導入するなど作業の省力化を図ってまいります。
 県といたしましては、水産資源の回復と魚価の向上に注力し沿海地区漁業協同組合の収益の拡大や職員の負担軽減を図り沿岸漁業の持続的発展に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) これで森竹治郎君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で質疑及び一般質問を終わります。
 議事の都合により休憩します。

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静岡県議会事務局議事課

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電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

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