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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

野田 治久 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/17/2022

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 観光産業の再生について
2 観光分野におけるデジタルトランスフォーメーションの促進について
3 伊豆横断道路について
4 カワウの被害対策について
5 県立高校の魅力化について


○副議長(和田篤夫君) 次に、十八番 野田治久君。
       (十八番 野田治久君登壇 拍手)
○十八番(野田治久君) 私は、自民改革会議所属議員として通告に従い県政の諸課題について知事、副知事及び関係部局長、教育長に一括質問方式にて伺います。
 初めに、観光産業の再生について伺います。
 この二年余りの間、コロナ禍で非常事態宣言やまん延防止等重点措置など様々な行動制限を強いられてきた我が県の観光事業は過去に経験のない苦境に立たされてきましたが、今年のゴールデンウイークは行動制限はなく六月には国が入国者数の上限を拡大するなどウイズコロナでの社会経済活動が本格化し観光も動き出してきていることを実感しています。新型コロナウイルス感染症拡大により打撃を受けた県内観光の回復に向け県は元気旅などの観光喚起策を展開し、今後さらなる施策を講じていくと思われます。改めて観光産業は宿泊業や飲食業、交通事業者などの関連する分野は多岐にわたる裾野が広い産業であり、地域経済の回復、発展にはその地域を牽引する観光産業の存在が重要であると再認識しています。
 本県は温泉をはじめ自然、歴史、文化、豊富な食材など多くのポテンシャルの高い観光資源を有することから、私は観光産業こそが地域を牽引するリーディング産業であり本県の成長戦略上欠かすことのできないものと考えています。
 この三月に観光施策の新たな基本指針となる静岡県観光基本計画が策定されたところですが、ここでは心の豊かさと持続可能な地域社会の実現のためサステーナブルツーリズムやガストロノミーツーリズムなど新しい観光の形が提案されています。しかしながら、基本計画の主要指標である宿泊客数の二〇二五年度の目標値は二千二百万人泊で一九九一年度の実績の二千七百六十五万人泊から大きく減退しており、寂しい目標値と言わざるを得ません。二〇〇二年度以降は宿泊客数が一度も二千万台に届いていない状況を見れば現実的な目標値と言えなくはありませんが、この基本計画による取組が果たして疲弊した観光産業の再生につながり今後ますます激しさを増すと予想される国内外の観光客獲得競争に勝ち抜こうという意欲的なものであるのかどうか私は大きな疑問と物足りなさを感じています。
 これまでの本会議において、我が会派議員の質問に対し川勝知事はシュンペーターの経済発展の理論に即した形で経済対策を取るということが唯一これからの日本に、また静岡県に課せられた課題であると再三答弁されておられます。彼の経済理論の重要な要素の一つがイノベーションであり、観光庁も明日の日本を支える観光ビジョンでまさに観光産業のイノベーションの必要性を掲げています。私も観光産業の回復を喚起策やイベントに頼るだけではなく積極的にイノベーションを進めることが必要だと感じています。
 コロナ禍で観光業界も様々な業態転換を強いられてきましたが、観光産業の再起を図り本県のリーディング産業として真に地域経済を支えていく足腰の強い産業としていくためにはイノベーションと言えるレベルの構造転換が不可欠であると考えます。これには従来からの観光事業者だけに頼るのではなく、異業種のアイデアや資本を積極的に取り込み多様な分野の人材を確保し観光資源の付加価値を高めるとともに、今後のインバウンド回復に向け静岡ツーリズムビューローを中心に情報発信を改めて進めていく必要があると考えています。
 そこで、観光産業の再生に向けイノベーションを推進しさらなる高付加価値化や積極的な情報発信を行ってインバウンドを含めた観光需要の取組を戦略的に進める必要があると考えますが、どのように取り組んでいくのか、県の方針について伺います。
 次に、観光分野におけるデジタルトランスフォーメーションの促進について伺います。
 長く続く新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり観光を取り巻く環境にも変化が起きています。大人数でまとまって同じ行動をする団体旅行は敬遠され多様なニーズにも柔軟に対応できる個人旅行が主流になると予想されています。
 このようなニーズの多様化や個人旅行の増加の背景にはインターネットなどの情報源の充実があります。旅行者に限らず消費者のデジタルシフトは大きく進みコロナ禍を経てその動きが一層加速する中、デジタルを活用した集客対策の有効性が大きく高まっていると考えます。今や多くの人がスマートフォンを持つようになりスマートフォン一つで観光情報を得たりサービスが受けられることが求められており、こうした動きが日常化する日は近いのではないでしょうか。
 私の地元である修善寺温泉ではデジタルマップを活用するなどした観光DXに取り組む動きが進んでいます。チラシやパンフレット等の紙の広報に多額の経費がかかっている現状を考慮すれば観光DXを積極的に推進することはコストを削減し生産性を上げるためにも大賛成でありますが、その前提として多くの施設や観光客が利用してくれなければその意味が薄れてしまいます。
 県では、二〇二〇年度から観光デジタル情報プラットフォームを構築し観光スポットや飲食店など約一万件のデータを集積したところであり、このデータを活用して旅行者に滞在場所や属性、志向に応じた最適な情報を適時に提供できる観光アプリの運用を始めたと承知しています。確かにシステムは構築されたかもしれませんが、利用者にとって満足度が高い情報やサービスを提供するためにはこのプラットフォームに旅行者の移動情報や閲覧履歴などのデータをより多く蓄積することが重要であり、また集めたビッグデータを基に旅行者へのプロモーションや商品造成などデジタルマーケティングに活用していくことが重要であると考えます。
 そこで、観光分野におけるデジタルトランスフォーメーションの推進について県のこれまでの取組状況、また市町や民間の観光施設等との連携をどのように進めていくのか伺います。
 次に、伊豆横断道路について伺います。
 伊豆半島では新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け観光客の足が遠ざかっていましたが、三年ぶりに行動制限が解除された今年のゴールデンウイークは関東方面を中心に多くの人々が伊豆を訪れ各地で観光客のにぎわう光景を見ることができ以前の状態に戻りつつあることを感謝するとともに、観光客が多数訪れるこの当たり前で見慣れた光景がどんなにありがたいか、安定した安全と安心の世の中であるからこそ経済が回り観光が回っていくんだということを改めて実感しています。
 一方で、伊豆半島の各地で発生する大渋滞をはじめ激甚化、頻発化する豪雨や台風、地震、津波などの自然災害は来訪者だけではなく地域に住む人々の暮らしにも多大な影響を与えることから、伊豆半島の観光や物流、日常生活を支える道路ネットワークは必要不可欠な社会インフラであると認識しています。急なカーブや坂道が続く伊豆半島の脆弱な道路ネットワークにおいて最も重要となるのは国により整備が進められている伊豆縦貫自動車道であります。
 現在、伊豆縦貫自動車道では二〇一九年に天城北道路が開通したことで東名、新東名高速道路から伊豆市天城湯ケ島まで結ばれ、月ケ瀬インターチェンジに隣接して整備された道の駅伊豆月ケ瀬ではワサビやジビエなどを使った創作料理や豊富な地元農産品を求め県内外から多くの人々が訪れる新たなにぎわい拠点となり道路の整備効果が着実に浸透してきています。また河津町と下田市を結ぶ河津下田道路では河津インターチェンジから逆川インターチェンジ間が本年度開通予定と公表され、それ以外の区間についても用地買収や工事が順調に進められていると承知しています。さらに天城峠を越える区間では都市計画決定や環境影響評価の手続が進められていることから、ようやく伊豆半島の長年の悲願であった東海道と下田が強靱な背骨によって結ばれる姿が見えてきました。
 この伊豆縦貫自動車道の整備効果を伊豆半島全体に行き渡らせるためには沿岸部にアクセスする肋骨道路として伊東市から伊豆市修善寺を経由して土肥へつながる国道百三十六号、県道伊東修善寺線、県道中大見八幡野線などから成る伊豆横断道路が重要な役割を果たすと思われます。この道路ではこれまで県により整備が進められてきましたがまだまだ幅員が狭くすれ違いに注意を要する箇所などが残されていることから、このような箇所の機能強化が必要であると考えています。
 そこで、この伊豆横断道路における現在の状況と今後の取組について伺います。
 次に、カワウの被害対策について伺います。
 カワウによる被害は全国的にも拡大しており、一羽のカワウは一日に約五百グラムの魚を捕食することから魚類の資源状況の悪化の原因となっています。本県においてもその生息数は増加しており、鮎釣りのメッカである狩野川においても被害は深刻でかつてのように鮎が釣れず入漁証の売上げが年々減少するなど漁協経営を圧迫しています。
 漁協では様々な対策を行っていますがいまだ有効な手だてがなく、先日行われたカワウ対策会議では放流直後の鮎は新しい環境に順応するため流れの緩やかな淵で数日間ほとんど動かずにいるそうであります。そのためカワウの格好の餌食となってしまうため、組合員が朝から夕方までカワウを追い払うという涙ぐましい対策が本気で議論されました。そしてやれることはみんなでやろうぜということに決まり六月一日から十一日の友釣り解禁日までの間、二人一組でカワウが飛来する朝四時半から丸一日カワウを追い払うという作戦が実行されたと伺っています。成果のほどはいかがだったでしょうか。
 さらに、カワウの生息域の拡大に伴い近年では狩野川上流や支流域にもカワウが飛来するようになっており、以前はどこでも見られたウグイやオイカワなどの魚までも捕食されている状況で生態系への影響も危惧され対策が急務となっています。カワウの駆除に当たっては猟銃による捕獲が最も効果的でありますが、狩野川流域においては大部分の区域で猟銃の使用が制限されているため銃規制をクリアできるところがほとんどなく実施が困難な状況にあります。
 こうした中で、昨年九月の定例会で質問した際には県は、専門家を交えたカワウの食害防止対策検討会を設置し新たな食害防止対策としてカワウの巣の周りにビニールテープを張りカワウの嫌う振動音を発生させて巣を放棄させる対策やドライアイスを巣に投入して発育を止めた卵を親鳥が抱き続けることで繁殖を抑制する対策の実証実験に取り組んでいるとのことでありました。カワウの巣は高い所や河川の中洲など人の近づきにくいところに作られることも多いためドローンを使うことでアプローチが容易になると思われます。例えばドローンを使って狩野川上流部に分散して生息するカワウを徹底的に排除し再び猟銃による駆除が可能な下流域に誘導することで一網打尽にすることも有効な対策ではないかと考えています。しかしながらドローンの入手には高額な経費がかかるほか法的規制等の関連知識や操縦技術等の修得も課題となっておりドローンを活用した駆除対策の普及には支援策も必要と考えます。
 そこで、これまでの実証実験の進状況も踏まえドローンを活用した今後のカワウ被害対策の進展について県としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 最後に、県立高校の魅力化について伺います。
 令和四年度入学生のうち県立高校の志願倍率は全体で一・〇二倍となり昨年の一倍を下回った状況からは若干の改善が見られたようですが、学校によっては定員を大きく下回る学校も多数あり、私の地元の伊豆総合高校においても今年度は百六十人の定員に対し志願者は九十六人にとどまる大変厳しい状況になっています。伊豆総合高校は少子化に伴う学級数の減少もあって二〇一〇年に修善寺工業高校と女子校であった大仁高校が統合されてできた新設校でありますが、単純な統合だけでは新しい学校の魅力化が発揮できずなかなか努力が実を結ぶことができない難しい学校運営となっています。
 こうした背景の一つには、少子化が進む中、公立高校の通学区域が県内全域となったことにより都市部の高校に人気が集まっていること、さらには私立高校に対する就学支援金等の支援が手厚くなり授業料負担が軽減されたことなどによりこれまで以上に私立高校が独自性を発揮し魅力化に努めた結果として進路の選択肢となったことが挙げられます。授業料の負担が軽減され公立高校と私立高校がフラットに進路の選択肢となることは保護者や中学生にとっても望ましいことであると思います。さらには少子高齢化が進む我が国にとって子供の教育費が軽減され、さらには無償化に向かう国策の一つの過程としては今の状況は仕方のない姿なのかもしれません。
 しかしながら、現状では私立高校の試験日程が県立に比べ約一か月早く、試験科目が原則三科目であり単願受験は合格が約束されるなどの理由により、受験者数の確保という点で見るとここ数年は公立高校の受験者の割合は下がってきていることは事実であります。かつては全日制高校進学者のうち公立の生徒受入れはおおむね三分の二となっていましたが、現在ではそのバランスも崩れており、少子化が進む中、今後とも一方的に県立高校の定員割れに拍車がかかってしまうことが懸念されます。
 これまで、県教育委員会では様々な県立高校の魅力化を高めるための施策を展開してきていることは承知していますが、その取組が保護者や子供たちに届いていないのではないか、届いていないとしたらPR不足は否めないのではないでしょうか。また個々の学校任せでは限界があります。県教育委員会としても学校の魅力に興味を持つ生徒を幅広く呼び込むためには全国からの受験を可能にする、また他地域からの生徒を受け入れる住環境を整備する、条件によっては家賃負担の軽減のためのアルバイトを解禁するなどの検討も必要であろうと考えます。
 また、生徒が行きたくなるような学校の個性を引き出し差別化を図っていくためには学校だけで問題を抱えるのではなく地域住民や地元企業、行政が一体となって特色のある学校づくりをしていくことが重要で、地元の子を将来的に地域を支える人材に育てていくためには就職についてもこの学校に行っておけば地元の役所や企業に就職ができるといった取組も必要ではないかと考えます。
 その地域を支える人材を育成するという重要な役割を担っている県立高校の魅力を高める取組を今後どのように進めていくのか、県教育委員会に伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(和田篤夫君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 野田議員にお答えいたします。
 観光産業の再生についてであります。
 観光スタイルが多様化しており旅行者の意識も変化しております。そうした中、観光産業の将来の発展には議員御指摘のとおり様々な要素を新たに組み合わせてイノベーションを進めることが重要です。このため観光事業者の皆様と異分野の方々との連携を促進し新たな発想に立った魅力ある観光サービスの創出を目指してまいります。その取組の一つが本県の世界に誇る多彩な食材、四百三十九品目という多彩な食材を生かしてガストロノミーツーリズムを展開するというものでございます。ガストロノミーというのは食文化の国際語ということでございます。
 観光事業者と食材の生産者、料理人、食の研究者等が連携し多彩で高品質な食材や歴史・文化が育んだ食文化を観光資源と融合させることで来訪者に感動体験を提供できるツアー商品に昇華させる取組を進めてまいります。
 また、伊豆地域の温泉を生かして新しいヘルスケアサービスの創出を目指す、いわゆるICOIプロジェクトを本格的にスタートさせました。宿泊施設、スポーツ施設、IT事業者などが連携し温泉と食、スポーツなどの地域資源をつなぎデジタル技術で健康増進効果を見える化するというプロジェクトでございます。これなどを通じて新たな観光需要の創出に取り組んでまいります。
 本県には、これ以外にも大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」などで注目を集める豊かな歴史・文化資源、アニメゆるキャンに代表されるアウトドアやアニメなどのコンテンツ資源、自転車等のスポーツ資源など多彩な要素に満ちておりまして、これらを観光と組み合わせることで新たな展開につなげてまいります。
 さらに、外国人観光客の受入れ再開を踏まえ海外への発信力の強化も重要です。インターネットでの情報提供だけでなくてアジアや欧米に設置する静岡県観光協会海外マーケティング課  通称TSJの海外事務所や県駐在員事務所と連携いたしまして、特定層向けの動画の配信や高所得者層を顧客に持つ現地旅行会社へのセールスなどオンラインと対面それぞれの長所を生かし効果的なPRを展開してまいります。
 今後も、観光事業者が多様な分野と連携し観光資源の価値を新たな視点から磨き上げ国内外に発信する取組を促進することで県内観光産業の早期回復と持続的な発展に取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(和田篤夫君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 観光分野におけるデジタルトランスフォーメーションの促進についてお答えいたします。
 デジタル化による旅行スタイルの変化が進む中、観光産業においてデジタルトランスフォーメーションが重要な要素となってきております。
 本県では、観光情報の効果的な発信と旅行者データを基に的確な観光サービスを提供するデジタルマーケティングという二点を目的に観光デジタル情報プラットフォームの構築を進めてまいりました。昨年度には県内観光施設のデータを充実するとともに、県有施設の公式サイトと観光デジタル情報プラットフォームのデータ利活用基盤を接続し各施設のサイトで相互にイベント情報の提供を可能とするなど情報の共有化に向けて基盤の強化を図っているところであります。
 また、旅行者が旅先のリアルな情報をスマートフォンで確認できる観光アプリTIPSの操作性を高め、訪問特性や志向等に応じて駅ナカではなく旅ナカで楽しめるアプリ限定の観光記事を掲載するなど利用者の満足度を高めるよう機能充実に取り組んだところであります。
 今後は、より多くの観光客にTIPSをダウンロードし利用していただくことにより利用者データを着実に蓄積しマーケティングに生かしていくことが必須であると考えております。
 このため、観光需要の喚起に合わせ多言語化などの機能強化や利便性の向上を進めながら市町や県内観光施設等と連携してTIPSの普及促進に努めるとともに、TIPSにデジタル商品券を発行できる機能を追加する実証事業を市町や民間事業者等と共同で実施するなどデジタルマーケティングの基盤強化に取り組んでまいります。
 観光デジタル情報プラットフォームは、多くの皆様に利用され有効なデータを蓄積すればするほどその真価を発揮します。市町や観光関連事業者の皆様と連携し官民連携したデジタルマーケティングを強力に進めることで訪れる人と迎える地域双方の満足度が高まる、観光分野におけるデジタルトランスフォーメーションを促進してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 伊豆横断道路についてお答えいたします。
 伊豆縦貫自動車道と東西の沿岸部を結ぶ伊豆横断道路は、一部に幅員が狭いなどすれ違いに支障のある箇所が残っていることからこれまで西海岸にアクセスする国道百三十六号下船原バイパスや土肥峠付近の拡幅等の整備を進めてまいりました。現在東海岸にアクセスする県道の伊東市と伊豆市の二か所において道路拡幅に取り組んでおります。
 このうち、県道中大見八幡野線の伊東市池地内における急な勾配と屈曲部を有する〇・八キロメートル区間につきましては、本年三月に〇・三キロメートル区間の用地取得が完了したことから本年度から拡幅工事に着手いたします。残る区間におきましても引き続き用地取得を進めてまいります。また県道伊東修善寺線の伊豆市徳永地内における見通しの悪い〇・一キロメートル区間につきましては、狭箇所の拡幅に向け本年度から地域の皆様との合意形成に取り組むこととしており、合意が得られ次第速やかに測量、設計業務に着手してまいります。
 県といたしましては、伊豆縦貫自動車道への重要なアクセス道路である伊豆横断道路について引き続き地域の皆様の御意見を伺いながら狭箇所の拡幅など必要な道路整備を関係市町と連携して推進し伊豆地域の道路ネットワークの強化に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) カワウの被害対策についてお答えいたします。
 カワウは捕食量が多く群れで行動し狩野川や天竜川等で鮎などの川魚に深刻な被害をもたらしております。このため県では漁業協同組合が行う花火や銃器による防除対策を支援しております。
 しかしながら、県内には議員御指摘の狩野川のように銃器の使用が制限される区域が多いため、天竜川地域をモデル地区として専門家のアドバイスを受けながらカワウの生息地管理と繁殖抑制を柱とした新たな防除対策の実証実験を進めておりその有効性が確認されたところであります。
 このうち生息地管理につきましては、カワウの嫌う振動音を発生させるビニールひもを張る際にドローンが大きな威力を発揮し作業の効率化につながっております。また繁殖抑制につきましてはドライアイスを巣に投入して卵のふ化を止める対策を行っておりますが、高い場所での作業にはドローンが効果的であるため漁協等への周知を通じて現場への導入を促進してまいります。またドローンの導入には高額な経費や専門スキルの習得も必要となるため導入費用の助成や専門家による講習会等の支援を行ってまいります。
 県といたしましては、市町や漁業協同組合等と連携しながら効果的な被害防止対策を講じ鮎をはじめとする水産資源の保全に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 県立高校の魅力化についてお答えいたします。
 人口減少下において県立高校は将来に向かってその影響を強く受け、特に都市部以外の地域では生徒の減少が顕著となり定員割れの高校も数多く生じております。持続可能な地域づくりのためにも、地域を支える核となり多様な人材を輩出する県立高校の魅力の向上は喫緊の課題であります。
 このため、県教育委員会では学校自らが企画して生徒の学習意欲を喚起し多様な教育ニーズに応えるオンリーワン・ハイスクール事業を昨年度から実施し、伊豆総合高校土肥分校においてはマリンスポーツなどの地域資源やICTを活用した学習機会の提供を行うなど魅力ある学校づくりを推進しております。
 また、地域との協働による魅力づくりにも注力していく必要があります。土肥分校においても下宿の確保や地元自治体による下宿費用の支援等地域の御協力の下で住環境を整備し来年度から生徒の全国募集を開始いたします。
 さらに、来年度の入学者選抜制度を見直し全ての県立高校において優れたスポーツ、文化的活動などの魅力を発信し意欲ある生徒を県外から広く受け入れてまいります。
 こうした取組に加えて、人口減少の長期的展望の中で地域を支える県立高校としての在り方を地域の皆様と本格的に検討してまいります。今年度は各自治体の首長や教育長、産業界など地域の皆様の参加を得て地域協議会を県内三地区に設置し地域に応じた学校の体制やカリキュラム等について議論するとともに、地元産業界等のニーズを踏まえた人材育成の在り方についても検討してまいります。
 県教育委員会といたしましては、県立高校に対する幅広いニーズを踏まえ地域の皆様と共に柔軟な発想を持って魅力ある学校づくりに取り組み、県内外の中学生等に学校の魅力を広く発信することで生徒に選ばれる学校づくりを進めてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 十八番 野田治久君。
       (十八番 野田治久君登壇)
○十八番(野田治久君) それぞれに答弁ありがとうございました。
 一つ一つに意見を申し述べたいんですが、時間の関係で意見一つ、要望一つさせていただきます。
 まず観光関連でございますが、観光DXの促進、これはペーパーレス化、生産性のアップ、それからお客様の利便性アップということでどんどん促進をされたいと思っています。そしてICOIプロジェクト等も新しい形で新しい価値を求める面白い取組だと思っています。今の小ぢんまりとしている状況だとちょっと物足りない、二〇〇〇年の伊豆祭の取組からあんまり出てないなぐらいに思ってるんですが、これは展開次第でダイナミックな展開をすると非常に面白い取組になると期待をしているところであります。
 観光産業の再生についてでありますが、知事の答弁を頂きました。そして開会日の議案説明も伺いました。そして昨日の我が会派の代表質問、先ほどの公明党の代表質問、それぞれ答弁を伺ったんですがいずれも元気旅などの喚起策、DMO、TSJなどを展開して旅行需要の回復に努める。これは今コロナで大変打撃を受けている業界や企業に対しては本当にこの喚起策カンフル剤として有効であると思っておりますし、一日も早く体力を回復することが極めて重要であります。
 しかし、そういった中でですね、昨年の私、質問でもちょっと触れましたが宿泊施設感染症対策強化事業、こういったものにも今二千件の旅館、ホテルが手を挙げている。そして観光庁の地域と一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化、この事業総額で一千億円の事業でありますが、全国からちょっと数ははっきり覚えておりませんが百件以上観光地が手を挙げている。その中で静岡県も伊豆半島から七、八か所がエントリーをしている。伊豆市でも土肥温泉、天城湯ケ島温泉、修善寺温泉、三地域で四十億以上の計画を立てて今エントリーをしています。これが特筆すべき非常にすばらしい点はですね、計画の段階から銀行が入っているということであります。非常に新しい取組で期待をしているんですがなぜこのような厳しい状況の中でこれだけの投資をあえてするのかということでありますが、それはひとえにですね、よりこのチャンスを生かして差別化を図ってこの厳しい世の中の中で地域間競争に勝ち抜くという意欲の表れだと私は思っています。
 そういう点で言いますと先ほど申し上げました知事、部長の答弁、もう少し積極的な意欲的な意見が聞きたかったなというふうに思っております。これは意見であります。
 要望でありますが、すみません県立高校の志願者割れの問題です。
 これはですね、県立と私立のバランスが崩れたということよりも私は今県立高校の中での格差が広まっているんじゃないかということを危惧しています。教育環境、これは生徒個人個人の学力の違いがありますのでそれはそれに準じて学校を選ばなければなりませんが、施設の環境、施設そのもの、これが格差が非常についているということが私は子供たちにとって平等ではないのではないかなと思っています。
 百年以上の伝統校、何万人もの卒業生がいて後援会、同窓会、強力な外部団体を持っているそういう学校と、それから先ほどの伊豆総合高校ではありませんが僻地にあってですね、僻地というのもちょっとあれですね、地方の小規模校、こういう学校との学校力の差はもう歴然としています。ですから県立高校であるために均等に配分をしていったらばいつまでもその学校力は埋まらないと思っています。
 そこで、教育委員会に要望ですが、ぜひ画一的な政策ではなくて例えば校長先生の裁量権を少し持たせるとか柔軟な取組をぜひともお願いをしたいと考えています。要望といたしまして以上で質問を終わります。(拍手)
○副議長(和田篤夫君) これで野田治久君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 六月二十日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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