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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成31年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

宮城 也寸志 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/21/2019

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 多文化共生社会の実現について
2 地域防災力の強化について
3 障害のある方の文化芸術活動への支援について
4 高収益作物導入に向けた水田の汎用化について
5 茶業研究センターの機能強化について
6 小中学校の不登校について


○議長(渥美泰一君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第一号から第百三号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により四十五番 宮城也寸志君。
       (四十五番 宮城也寸志君登壇 拍手)
○四十五番(宮城也寸志君) 皆さんおはようございます。
 私は、自民改革会議の所属議員として通告に従い一括質問方式で知事、副知事及び関係部局長並びに教育長、教育部長に当面する県政の諸課題について伺います。
 初めに、多文化共生社会の実現について伺います。
 先日静岡県が発表した平成三十年十二月末現在、県内で暮らしている外国人の数は約九万人に達し県人口の約二%を占めています。このような中、国は新たな在留資格を創設しこの四月から十四分野において外国人材の受け入れを拡大することとしており、今後ますます外国人の増加が見込まれています。
 私は、昨年二月の定例会において多文化共生推進基本計画の策定に合わせ県はどのように多文化共生を推進していくか質問したところ、外国人県民の活躍の視点を取り入れ施策を着実に進めていくとの答弁がありました。国内の少子高齢化や人口減少、それに伴う人手不足の深刻化を踏まえ外国人材の活用は喫緊の課題ではありますが、私も外国人材を単に労働者として見るのではなく生活者として受け入れ地域、職場、学校で活躍していただきたいと常々感じております。
 私の地元である菊川市に住んでいる外国人は三千人を超え、市の人口に占める外国人住民の割合も六・八六%と七%に迫り県内で最も高い状況にあります。ここでは来日間もない子供たちが日本語や生活ルールを学ぶために国の制度を活用した教室に通っています。この一月には青少年健全育成平川支部の皆さんや地元の方と外国人児童が、一緒に餅つきをしたりして楽しい時を過ごしました。長年にわたり外国人を住民として受け入れてきた地元住民の皆様の交流の積み重ねがあり、その経験をもとに外国人との共生が進められていると自負しております。
 一方、今回の法改正による新たな外国人材の受け入れ施策については県内各地においてこれまでとは異なる状況が発生する可能性があります。新たな在留資格を得るために必要な日本語能力試験はベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴルなどの九カ国で実施されることとなりました。今後は単に外国人材の数の増加だけではなく国籍別人数の構成や市町別居住人数に変化が生じることが予測されます。これまで外国人住民がほとんどいなかった地域にも外国人住民が居住するようになった場合、既存の施策で対応できるか、言葉や文化の違いから差別や争いが生じないか大変危惧しております。
 私は、外国から来られた方が県内どこに居住されても安心して地域の一員として活躍することができるような共生社会を目指していくことが必要であると考えられます。このような状況の変化を踏まえ県は多文化共生社会の実現に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、地域防災力の強化について伺います。
 昨年は、六月の大阪府北部地震、西日本中心に多くの被害をもたらした平成三十年七月豪雨、九月には北海道胆振東部地震など自然災害が多発しました。新聞等の報道によると西日本豪雨の際、東広島市の約五十世帯が居住する洋国団地では日ごろから障害のある高齢者らの避難を手助けする当番を決めていたため土石流で約十戸が全壊する中、住民は事前に避難を完了し死者、けが人はありませんでした。
 災害に対しては自助、共助、公助とともに備えることが重要ではありますが中でも自助、共助を中心とした地域防災力の差がいざというとき被災地の明暗を分け、またその後の避難生活における安全・安心にもつながるものと考えられます。地域防災力を高めるためには平時からの近所づき合いや地域での取り組みが重要であり、地域の実態を把握し県や市町の考えも理解して防災に取り組むことのできる人材が必要となります。特に避難所の運営については災害規模が大きくなるほど行政の手が行き届かず地域住民による自主的な運営が鍵になることから、そのための人材育成は喫緊の課題であります。
 私の地元菊川市においては、自主的な避難所運営のため三年任期の防災指導員を各自治会で二、三名任命し避難所の運営訓練を積極的に取り入れています。県内各地での防災訓練においてもこれまでの避難や初期消火、応急手当ての訓練に加え地域住民による避難所運営訓練を積極的に取り入れ課題を共有することで、地域防災力の強化だけでなく発災後の安全・安心につながるものと考えられます。
 このため、県内全域において避難所運営を担える人材が確保できるよう取り組む必要があると考えられますが、県の所見を伺います。
 次に、障害のある方の文化芸術活動への支援について伺います。
 先日、私の地元である菊川市の中央公民館と浜松市において知的障害のある方の絵画展が開催されたので見学してまいりました。その方の絵画はかつて訪れた場所をカラーペンで描く風景画で細かな描写と独特の色彩、引き込まれるような絵画の力強さに私は驚きと感動を覚えるとともにもっと多くの人々にこの絵を見てもらいたい、知ってもらいたいと思いました。
 障害のある方の絵画は人々の心をつかむ力を持っているような気がします。菊川市にある社会福祉法人草笛の会では昔から療育活動の一つとして、利用者の精神面、生活面の安定や個性の発掘、表現を目的として絵画を中心とした創作活動を行っており、最近ではほかにもこのような創作活動に熱心に取り組む障害福祉施設もふえてきているようですが、障害のある方の多くは自分の作品を発表したいと思っても見てもらう機会に恵まれていないのではないかと感じております。また周りの人は気づかないけれども見る人が見れば実は芸術的なセンスを持っているなど、見出されていない才能を持つ方が県内をくまなく探せばまだまだたくさん埋もれているのではないでしょうか。
 さらに、それらの作品が評価され評価の対価として収入が得られるような仕組みがあれば大きな喜びとなり、次なる作品の制作意欲にもつながると思います。また特別支援学校に通う生徒の保護者からも卒業後にも学び続ける機会を提供してほしいとの声もあります。
 オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典であるとともに文化の祭典でもあります。そのため県では二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて文化プログラムを推進しております。二〇二〇年には国内のみならず海外からも多くの人々が本県を訪れ県内各地の文化に触れることになりますが、この絶好の機会を生かして本県の障害のある方の文化芸術活動についても裾野の拡大や底上げを図り、国内外に向けて発信していくことが重要と考えます。
 県では、昨年九月に開設した県障害者文化芸術活動支援センター、みらーとを拠点として障害のある方の文化芸術活動の支援を行っておりますが、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてどのように取り組んでいくのか伺います。また東京オリンピック・パラリンピックの後も見据えた場合、障害のある方が活動を継続できる取り組みが必要と思いますが、県の考えを伺います。
 次に、高収益作物導入に向けた水田の汎用化について伺います。
 昨年十二月にTPP11が発効され、関税の撤廃や引き下げにより国産の農産物は輸入農産物とのさらなる価格競争にさらされることになりました。また産地間競争や気候変動に伴う安定生産への不安など多くの影響が見込まれており、今後さらに農業を取り巻く環境は厳しさを増すことが予想されております。
 このような中、今年度新たに策定されました経済産業ビジョンでは二〇一六年現在二千二百六十六億円の農業産出額を二〇二一年には二千四百億円にふやすことを目標としています。この目標を達成するためには限られた農地面積の中でこれまで以上に生産拡大や生産コストの低減を図り、収益性や競争力の高い農業を展開していく必要があると考えております。
 私の地元である菊川市では、牧之原台地の茶園はよく知られておりますが平地においても水田が広がっており、中東遠地域の穀倉地帯の一部を形成していることからお茶と水稲の複合経営を行っている農業者もおります。近年生葉の価格低迷により厳しい経営状態にある茶農家が多い中、水田では冬期の耕作がされない状況であることは非常にもったいないことだと思います。
 また菊川市池村の大規模水田農家である大石さんから基盤整備され暗渠の設備のある水田で冬期にキャベツを栽培したところできばえが非常によく満足していると聞いています。このように水田を二度耕作することは土地生産性を高め地域の農業産出額を伸ばすよい例だと思います。このような水田を活用した高収益作物の導入が可能となれば、農業経営の安定とともに県全体の農業産出額の向上にもつながると考えております。
 さらに、水田は単に稲をつくるための農地というだけではなく防災機能や景観形成など多面的な機能を発揮する重要な地域の資源であります。ことし七月十八日には全国田んぼアートサミットが菊川市下内田稲荷部において開催されます。この地域では長年田んぼアートを通じ農業や食の大切さをPRしてきました。夏期の稲作だけでなく、冬期の野菜栽培により一年を通じ豊かな農村景観を提供することで新たな地域おこしの機運が高められることではないでしょうか。そのためには地域で農業がしっかり行われていることが必要となります。今後地域で誰が何を栽培するのかといった地域農業の方向性を考えていくことも重要になってくるでしょう。
 そこで、地域の農業経営を確実なものにするため今後水田の汎用化に向けた基盤整備をどのように進めていくのか、県の方針を伺います。
 次に、茶業研究センターの機能強化について伺います。
 昨年十一月十日、農林技術研究所茶業研究センターの創立百十周年の記念式典に出席しました。茶業研究センターは「やぶきた」が選抜された一九〇八年に農事試験場茶業部として発足し茶業指導所、茶業試験場と変遷してきました。この間茶業研究センターでは「おおいわせ」、「やまかい」、「おくひかり」、「山の息吹」など多くの品種を開発し世に送り出してきました。また一番茶の時期に発生する凍霜害に対しては、被害後の茶樹を回復させる技術や防霜ファンの効果を明らかにしたことで防霜対策は大きく進展し県内茶産地の強化につながりました。そして製茶機械の普及や摘採の動力化、その後の製茶工場の自動化、大型化や乗用型による茶園管理の省力化などその時々に生産現場で求められる技術の開発に取り組み研究成果は生産技術の向上、茶業経営の改善に貢献してきました。
 一方、最近では新たな品種開発や消費者の嗜好の変化に対応するための緑茶製造技術の開発などさまざまな研究に取り組んでいるところですが、お茶のマーケットも国内のみならず海外にも目を向ける必要があるなどさらに多様なる課題の解決に向けて今後の研究開発にも期待しているところであります。
 このように、茶業研究センターは技術的な面で長年にわたり茶農家の大きな支えになりまさに本県茶業の技術拠点としての役割を果たしてきたと思いますが、その建物は建設から五十年以上経過し研究施設や設備は老朽化が著しい状態です。今後も技術拠点としての役割を担っていく茶業研究センターには茶農家に対する生産技術の開発に加え、新たな時代のニーズに合った研究開発に取り組むための機能を持った施設や茶園圃場の整備などを検討すべきではないかと考えております。そして茶業研究センターの近くにある茶の都ミュージアムや富士山静岡空港など、近隣施設との連携も含め一体となって茶産地を盛り上げていく必要があるのではないでしょうか。
 そこで、本県茶業の一層の振興を図るため茶業研究センターの機能強化をどのように進めていくのか、県の所見を伺います。
 次に、小中学校の不登校について伺います。
 昨年十月、文部科学省が公表した平成二十九年度の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査の結果によると、近年不登校児童生徒数は全国的に増加しておりその傾向に歯どめがかかる気配はありません。本県においても同様の傾向が見られ、平成二十九年度は前年度と比較して小学校で二百二十一人、中学校で二百二十人増加し小中学校の合計の不登校者数は五千四十七人に上っています。このうちの二千九百十六人が九十日以上の欠席者であり全体の半数以上を占めております。このことは一旦不登校状態になると長期化する傾向が強く、学校復帰が容易でなくなることを意味しています。
 不登校の要因は家庭にかかわる状況、友人関係をめぐる問題、学業不振等さまざま考えられますが複数の要因が複雑に絡み合うケースも多いとされています。知り合いの学校関係者から聞いた話によりますと教室には入れなくても保健室登校や別室登校ができる児童生徒や、毎日は登校できなくても定期的に学校へ足を運ぶことのできる児童生徒には担任を初めとする教職員が児童生徒との良好な関係づくりに努めたり個に応じた支援を行ったりしているそうです。
 一方で、ほとんど登校することができない児童生徒については保護者の理解や協力が得られないままの事態が長期化してひきこもりに近い状態に陥ってしまうケースもあるなど、学校復帰に向けた対応は難しいと聞きます。現状教職員の業務は多忙をきわめていることから、これらのケースを教職員だけの力で解決するには無理があると言わざるを得ません。
 「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」の基本理念にあるように、全ての子供が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられる権利を有しています。増加する不登校児童生徒の現状と対応の困難さを見ると、学校の負担にも考慮し効果的、効率的にこうした児童生徒を支援する体制の構築が急務であります。
 そこで、県教育委員会として不登校状態にある児童生徒やその保護者に対する支援体制の充実にどのように取り組んでいくのか伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 宮城議員にお答えいたします。
 多文化共生社会の実現についてであります。
 本県では、二〇〇八年多文化共生推進基本条例を制定いたしました。条例に基づきましてふじのくに多文化共生推進基本計画を策定いたしました。外国人県民もひとしく県民であり、ともに暮らす生活者であるという視点に立ち多文化共生施策を展開しております。
 今後、新たな在留資格の創設などにより外国人を取り巻く状況に量的、質的な変化が見込まれます。施策の内容を多岐にわたり充実させるとともに、より柔軟で迅速な対応が求められることになると認識しております。このため来年度は吉林副知事を筆頭にして各部局長で構成する多文化共生推進本部の機能を強化拡充し、外国人県民の皆様が安心して暮らし活躍できる社会を目指し全庁を挙げて取り組んでまいります。また多文化共生担当の部理事を置きまして迅速に部局間の調整を行います。加えて外国人県民の急増に伴う新たな部局横断的な課題に対応するためのワーキンググループも設置いたしまして、解決に向けた取り組みを進めてまいります。
 さらに、多文化共生推進本部を所管する多文化共生課をくらし・環境部に移管いたします。そのことにより生活者としての視点を強化した施策を展開してまいります。具体的には生活等に必要な日本語の能力を身につけられるように地域における日本語教育の充実を図るほか、外国人県民の皆様が生活や就労等に対する情報を速やかに入手できるよう情報提供や相談を多言語で行う多文化共生総合相談ワンストップセンターの整備に取り組んでまいります。
 あわせて、県市町情報交換会におきまして市町の取り組みを共有するとともに既に多くの外国人住民を受け入れ共生を進められている市町の先進的な取り組み――それは菊川市の取り組み、先ほど御紹介いただきましたものも含めてでございますが――これらを紹介することにより県内全域で多文化共生の取り組みを充実させてまいりたいと思っております。
 改めて言うことでもありませんが、文化を同じくする人間集団のことを民族といいます。多文化共生というのは異なる民族の方たちが地域社会の中で一緒に暮らすということでございます。民族文化の一番の基礎は何かといいますと言葉です。日本にお越しになっている外国人はどこかに日本への憧れがある方であります。かつて日本は唐天竺に、また明治以降はイギリス、フランス、ドイツなどに憧れ戦後はアメリカに憧れる人が多くありました。そうした中で向こうで日本語を保持しつつ、かつ英語、ドイツ語、フランス語あるいはアメリカ英語を話してアメリカ人になった人たちもかなりいらっしゃいます。イギリスでは石黒一雄さんがイギリス人としてノーベル賞も文学賞をとられました。
 今、日本ではスポーツ、芸能、モデル等々で自然に元は外国の方だったと思われる方が日本人として活躍されておりまして受け入れられるようなそういう社会がつくられつつあります。私どもは漢字やあるいはローマ字を日常で使うようになった。それは欧米並びにアジアのさまざまな人々がそれを文化をもたらし、かつ移民してきてつくり上げてきたという歴史があるからということでございまして、これからは一番大切なのは日本語でございますので日本語をこの多文化共生社会における共通語にしていくというしっかりとした目的を持つことが大切です。同時にアメリカ人になられた方が日本語をあわせて使えるとブラジルで二世、三世になられても日本語をあわせて使えるということはその方の財産であると同時に我々にとってうれしいことです。ですからこちらにいらっしゃる外国の方々も母国語を忘れないようにその母国語を大切にしつつ、しかし日本語を使う、それを目的にすることがとても大切だと思います。特に言葉を習得するのに子供は早いですから、子供のときに丁寧な美しい言葉遣いで日本語を話せるように教育するということが極めて重要であります。そしてその際に私は方言も含めてこの地域の日本語を話せるようにするのがいいと。ですから言いかえると、だもんで弁ですね。こうしたものを本当に普通に皆さんがしゃべると、あなたは静岡出身の外国人ですねということになるようなことが大事だと思っております。
 こうした非常に大きな今日本の歴史の大転換期にあると。アメリカでもイギリスのメイさんの、あのブレクジッドももとは外国人が多く入り過ぎているということからの排斥に端を発しております。そうしたことからそれを乗り越えられる果たして文化力が日本の中にあるかどうかが試されているというふうに私は思っているのでございます。この問題、極めて重要な日本が直面している問題だと思っております。ヘイトスピーチなどは論外でございます。
 今後は、計画に掲げる施策の着実な推進と新たな課題の迅速な対応に全庁一丸となって取り組むことにより、日本語を共通の言葉にしていくという明確な目的を持って異なる宗教、人種、民族の多様な生き方を認め合い、誰もが努力をすれば夢がかないまた差別されずに幸せを実感できる多文化共生社会の実現を目指してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(渥美泰一君) 吉林副知事。
       (副知事 吉林章仁君登壇)
○副知事(吉林章仁君) 障害のある方の文化芸術活動への支援についてお答えいたします。
 来年開催される東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックは、障害のある方の文化芸術活動の裾野拡大や県民理解を促進する絶好の機会であります。文化プログラムと連携をいたしまして本県における障害のある方の文化芸術活動を国内外へ積極的に発信してまいります。
 このため、昨年九月に開設をいたしました静岡県障害者文化芸術活動支援センター、みらーとにおきまして相談窓口の開設、支援人材の育成など障害のある方の文化芸術活動の支援体制の整備を進めております。また障害福祉サービス事業所や特別支援学校等を訪問いたしまして、人材や作品の掘り起こしを行っております。こうした作品につきましては県内三カ所で展示会を開催し、多くの県民の皆様にごらんをいただいております。
 来年度は、新たに県東部と西部にみらーとの支援コーディネーターを配置して体制の強化を図ります。発表の機会に恵まれてこなかった人材や作品の掘り起こしをより一層加速するとともに、発表の機会を拡充してまいります。
 また、障害のある方が継続して文化芸術活動に取り組むためには作品の展示だけでなく作品の制作が経済的な自立につながる仕組みが必要となります。このため今年度、障害者福祉サービス事業所等の職員に対しまして著作権に関する研修も実施をいたしました。来年度は企業等が障害のある方の作品を有償で借り受けその一部を作者に還元するレンタルアートの仕組みを広めるため、まずは県が率先して県庁内に有償で借り受けた作品の展示を行います。将来的にはオフィスや店舗など街中至るところで障害のある方の作品が展示される社会を目指してまいります。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会の開催期間中には、県立美術館におきまして作品展の開催を予定するなどさらに多くの機会を設けてまいります。大会終了後もこうした取り組みを通じまして、障害のある方が県内各地で継続して文化芸術活動に取り組める環境を整備し障害のある方の社会参加と自立支援の推進を図ってまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 金嶋危機管理部長。
       (危機管理部長 金嶋千明君登壇)
○危機管理部長(金嶋千明君) 地域防災力の強化についてお答えいたします。
 県では、熊本地震等の被災地支援を通じて良好な避難所運営の重要性を学んだことから昨年度避難所運営マニュアルを改訂し、市町や自主防災組織等での活用を図っているところであります。
 一方、県が行いました自主防災組織実態調査では避難所運営訓練の実施率は一八%にとどまっており、その理由として訓練の方法がわからない、人材が足りないなどが挙げられておりますことから市町や自主防災組織では避難所運営を担う人材の育成に苦慮しているものと考えております。
 このため、来年度被災地で避難所運営に携わった方を講師として招き市町職員や自主防災組織の役員等を対象とした研修を行う予定であります。この研修ではワークショップ形式による座学に加え宿泊を伴う実地訓練を行い、各市町で避難所運営を普及指導する人材を育成することとしております。さらに研修修了者が中心となって市町における訓練等が活発に行われ避難所運営を担う人材が数多く育成されるよう、訓練に係る経費を地震・津波対策等減災交付金により支援してまいります。
 県といたしましては、市町と連携して地域における共助の担い手を育成することで地域防災力の強化に努めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 芦川農林水産戦略監。
       (農林水産戦略監 芦川敏洋君登壇)
○農林水産戦略監(芦川敏洋君) 高収益作物導入に向けた水田の汎用化についてお答えいたします。
 限られた農地面積の中で生産拡大やコスト低減を図り農業の収益性を高めていくためには、機械化の普及とともに水田における裏作作物が効果的でありますが露地野菜や麦、大豆といった作物の栽培に当たりましては排水改良による田畑輪換を可能とする水田の汎用化が重要となります。
 これまで、議員から御紹介のあった菊川市を初め森町や掛川市で圃場整備された水田に作物に合わせ地下水位を自由にコントロールできる地下水位制御システムや暗渠排水を段階的に導入してきた結果、高品質のスイートコーンやレタス等の栽培が可能となってまいりました。これらの農芸品は全国的にも高い評価を受け生産者には高収益をもたらしていることから、周辺の経営体にも水田での裏作の導入が広がってきております。
 県は、こうした取り組みを県内全域に展開するため来年度新たに牧之原市の坂部・坂口地区を含め三地区、延べ百十三ヘクタールにおきまして営農の体質強化に向けた水田汎用化の事業を実施してまいります。さらに他地域におきましても地域農業の未来の設計図となる人・農地プランに位置づけられた担い手農家の営農計画を実現するため、順次水田の排水機能の強化や地下水位の制御等の事業計画を策定し整備を進めていくこととしております。
 県といたしましては、地域農業の方向性につきまして担い手農家の方々や地元市町、JAと考え具体化する手法の一つとして高収益作物の導入を可能とする水田の汎用化に向けた基盤整備を進め農業産出額の拡大を目指してまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 天野経済産業部長。
       (経済産業部長 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長(天野朗彦君) 茶業研究センターの機能強化についてお答えをいたします。
 本年度創立百十周年を迎えた農林技術研究所茶業研究センターでは、これまで一貫して現場に役立つ技術開発と静岡茶の魅力向上に取り組んでまいりました。近年では海外での需要が拡大する抹茶の原料となるてん茶栽培に適した品種「つゆひかり」の育成や香りに特徴のある香り緑茶の加工技術の開発などに取り組んでおります。
 一方、現在の施設は建設から五十年以上が経過していることなどから老朽化が進んでおり建てかえの必要性が高まっております。他方ペットボトルの普及や機能性を求める消費者の増加などお茶を取り巻く環境が大きく変化しており、茶業研究センターの果たすべき役割につきましても抜本的に見直す時期がきていると認識しております。
 このため、県では茶業研究センターを建てかえ、あわせてその機能強化に取り組むこととし、来年度学識経験者や茶業関係者などからなる検討会を設置し整備に向けた基本計画を策定してまいります。新たな茶業研究センターの研究機能につきましては静岡茶の高付加価値化や消費者の嗜好に合った新品種の開発、革新的な省力生産技術の開発など変化する時代のニーズを踏まえ検討会から幅広く御意見を伺いながら強化の方向性を決定してまいります。その上で静岡県らしい品種の育成など特色ある研究を実現するための施設や実験圃場等について具体化し、一体的に整備してまいります。
 さらに、茶の都ミュージアムや富士山静岡空港などの近隣施設とも連携しお茶の産業や文化、学術などの情報を発信することにより交流人口の拡大につなげるなど、茶の都しずおかにふさわしい日本一の研究開発拠点の整備に向けて全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 小中学校の不登校についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、近年不登校の児童生徒が増加しており平成二十九年度は本県の小中学校では五千四十七人に達しております。その要因はさまざまで個々の事情を考慮したきめ細かな支援が必要となってきております。
 各学校では不登校の傾向が見られた場合、学級担任や養護教諭がスクールカウンセラーとも連携して個別に支援計画を作成しいわゆる別室登校や家庭訪問等で対応しながら重篤化の防止や改善に努めております。不登校の期間が長期化し日々の接触が難しい児童生徒や保護者たちに対しましては定期的に家庭訪問等を行っておりますが、支援を行うことが難しい場合もあり学校復帰に向けた対応がより厳しくなってきております。
 市町教育委員会では、このような家庭を支援するために適応指導教室の設置を進めており現在二十七の市町で四十三カ所、約七百人の児童生徒が通っております。教員OBなどが個々の状況に応じた支援を行っており学校以外の子供たちの居場所となっております。
 県教育委員会では、平成二十九年度から沼津市と袋井市において適応指導教室における支援のあり方についての調査研究を実施し、仲間とかかわる体験プログラムの早期の実施やスクールカウンセラーの訪問支援などが有効であったことから市町教育委員会や各学校等に対して周知を図っているところであります。
 今後とも、市町教育委員会やフリースクールなど民間施設を含めたさまざまな支援機関と連携をとりながら、社会総がかりで不登校の児童生徒一人一人に寄り添った支援を積極的に進めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 宮城也寸志君。
       (四十五番 宮城也寸志君登壇)
○四十五番(宮城也寸志君) 御答弁ありがとうございました。
 要望二つと再質問を一つお願いします。
 まず最初に要望ですけれども、今障害のある方の文化活動の支援活動についてですけれども、今まさにマルイの三階でみらーとアールフェスタin静岡をやっております。二十八日までやっていますので知事もぜひごらんください。
 それと小中学校の不登校についてですが、やはり小中学校のうちにしっかり不登校をなくすということが一番重要だと思います。先生も本当に大変で一生懸命やっているのはわかっております。なのでやっぱり地域全体みんなでやっていかないとそういうのは無理だと思いますので、そういったところの指導をよろしくお願いします。
 質問ですが、茶業研究センターの機能強化について再質問します。
 今まで、それこそ本当にいろんな品種をつくってくれて地域の農家のためには物すごくなっていると思います。今お茶がこういう厳しい状態の中で、やはり売り先、売ることを茶業研究センターのほうでも何とかしなくちゃいけないと思いますけれども、マーケティングですよね。それについてどう考えているか伺います。以上です。
○議長(渥美泰一君) 天野経済産業部長。
○経済産業部長(天野朗彦君) 茶業研究センターに関する再質問にお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、今海外販路も含めましてこの販路開拓をどうするかと、マーケティングの視点でお茶をどう売っていくかというのは重要な課題でございます。これは研究開発と密接に連携しているものであります。したがいまして茶業研究センターを新しく再整備しその中の機能強化を考える上で、例えば生産者とか茶工業者とか加工業者と連携して、そこでオープンに議論をする場とかオープンに共同研究とか付加価値を高めるにはどうしたらいいかというような形の場所といいますかそういった仕組みをつくってまいりたいと思います。そしてそういった関係者の皆様の意見が研究開発のほうにも反映されるような、そういった新しい茶業研究センターの建設を目指してまいりたいというふうに考えております。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 宮城也寸志君。
       (四十五番 宮城也寸志君登壇)
○四十五番(宮城也寸志君) 最後、要望で茶業研究センターの。
 それこそ昔お茶が大変なころは、茶商さんがロシア、アメリカ、いろんなところに販売を確保に行っておりました。そういう話をよく聞きます。今中東でもそうですけれども中東から来られた方が日本のお茶、一年間はまず飲めなかったと。香りがないからと。だから今度は逆に海外の方に合うお茶を日本で考えて輸出するぐらいの、そのぐらい強い気持ちを持ってやってもらいたいと思います。
 今抹茶の話が出ましたけれども、抹茶も今、中国で物すごくつくっております。生産過剰になる恐れがありますのでね。そういった面も含めてもっと大きな視野でお茶の販売をお願いしたいと思います。以上で質問を終わります。(拍手)

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