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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

廣田 直美 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/30/2020

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 本県への若者の新しい流れの創出について
2 海外駐在員事務所の役割について
3 県債残高について
4 アーティストが活躍できるふじのくにづくりについて
5 災害時における廃棄物処理について
6 企業局の水道施設の災害対応について


○議長(山田 誠君)  次に、二十三番 廣田直美君。
       (二十三番 廣田直美君登壇 拍手)
○二十三番(廣田直美君) 私は、ふじのくに県民クラブの所属議員として通告に従い分割方式で知事、副知事、関係部局長及び企業局長に当面する県政の諸課題についてお伺いいたします。
 初めに、本県への若者の新しい流れの創出についてお伺いいたします。
 総務省の住民基本台帳人口移動報告によれば、本県の日本人の社会移動は一九九五年から二〇一九年まで二十五年連続して転出超過の状況にあります。このうち二〇一三年から二〇一九年までの直近七年間の推移を見ると十五歳から三十四歳の階層で転出超過数が約二千人拡大していますが約千九百人が二十歳から二十九歳の階層で、二十歳代の若者の転出超過数の拡大が顕著となっています。また二〇一九年は県全体の転出超過数が七千三百九十八人でしたが二十歳代の東京圏への転出超過数が五千四百三十二人と県全体の七〇%を超える状況です。
 県では、二〇一五年十月に策定した第一期美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき人口の社会減対策に取り組んできましたが、東京都や神奈川県を中心に若い世代の東京圏への転出超過に歯止めがかかっていません。その多くが就職などを機に東京をはじめとする県外に出て行くことが要因と考えられます。
 この長年の課題に対し我が会派では取組方針を掲げ、今年五月若者・女性部会を立ち上げました。この部会では五月から七月にかけてウェブリサーチアンケートとまちかどヒアリング並びに県外大学に通う県内出身の大学生との意見交換会を実施しました。志の高い高校生と大学生の生の声を聞き同郷の先輩として誇らしく思ったところでありますが、このアンケートや意見交換の中では若者が本県の食の豊かさ、温泉などの観光資源の豊富さなどに魅力を感じている一方で、地域資源としてブランディングされていない、大学、就職先の選択肢が少ない、見聞を広げるためには県外といった厳しい意見もあり、本県が若者に活躍の場として選ばれるには静岡県のブランディング、進学先や就職先の少なさなどの課題に官民一体となって取り組む必要性を改めて痛感いたしました。
 また、内閣府が今年六月に実施した新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査によると、「今回の感染症の影響下において、地方移住への関心に変化はありましたか」との質問に対し年代別では二十歳代、地域別では東京都二十三区に住む人の地方移住への関心が高まっているという結果が出ており本県に若者を呼び込む絶好のチャンスが訪れていると言えます。
 令和元年十二月議会において同様の質問をした際、知事は私は志の高い若者が県外あるいは海外に出て挑戦したいという意思は尊重するべきであると考えております、その上で知識や経験を蓄積した若者がその力を発揮し活躍する場として選択される地域をつくることが重要ですと答弁されました。この知事の姿勢には大いに賛同いたします。
 そこで、県は平成二十七年度から取り組んできた第一期総合戦略の評価を踏まえ今年度からスタートした第二期総合戦略において、若者の新たな流れをつくり本県で活躍してもらうためにどのような施策に取り組んでいるのか、見解を伺います。
 次に、海外駐在員事務所の役割についてお伺いいたします。
 令和二年度の当初予算編成において、県が自ら指針として示した予算編成五か条の三番目に優先度の高い事業はビルド・アンド・スクラップ――創造的破壊で選択すると掲げました。この方針を受け地域外交局の取組として交流を促進する国・地域の多様化に伴い設置が容易な海外のコワーキングオフィスを活用した活動拠点を設けることを掲げた一方で、配置している海外駐在員の人数を減らし職員が出張することで迅速かつ機動的な対応が可能な体制に見直すことで財源を確保したとしております。
 私は、海外駐在員事務所は常設であることが重要で、さらに所長と副所長を務める県職員二名が常駐する体制であるからこそ充実した支援ができていると理解しております。事実県内企業関係者からは、海外の進出国に関する的確な情報を得ることができた、県の事務所が設置されており適切な支援を受けられたから速やかな進出をすることができたなど海外駐在員事務所の役割について評価する声を聞いております。新型コロナウイルス感染拡大の影響で休業を余儀なくされた中小企業の中にはこの時間を前向きに捉えて次の一手として海外進出を準備している企業もあり、今後の海外進出に当たり情報提供や販路開拓の方法など海外駐在員事務所の支援を得たいという声も聞いております。
 しかしながら、今年度海外駐在員事務所が所長一名体制となったことに対し十分な支援が受けられるか不安を感じているとの意見を中小企業から伺っております。新型コロナウイルス感染拡大により損害を受けている中小企業が業績回復等に向けて海外進出を行う際、海外駐在員事務所の役割は非常に大きいと思われます。
 海外駐在員事務所について昨年度までのような所長及び副所長の二名体制に戻す考えはあるのでしょうか。二名体制に戻すことが難しい場合海外駐在員事務所の機能維持をどのように図っていくのか、県の考えを伺います。
 次に、県債残高についてお伺いいたします。
 新型コロナウイルス感染症対策への財政出動が求められる一方で、感染症拡大の影響による企業活動や消費の落ち込みにより県税収入の見通しは大変厳しい状況にあります。九月補正予算では県税と地方譲与税を合わせて百六十七億円の減額補正が提出され、この県税の減収などの財源補塡のため減収補塡債など百五十億円余の県債発行が提案されています。
 減収補塡債は、法人二税などが減収した際に発行できる特別な地方債であり元利償還金の一部に国の交付税措置もあるため、大幅に税収が下振れ大変厳しい現在の財政状況の中、必要な施策を進めるための財源確保策として活用を図ることはやむを得ない面もありますが、一方で通常債残高は令和二年度末の見込額が一兆五千九百八十二億円となり新ビジョンにおいて財政運営の目標としている通常債残高上限一兆六千億円程度が目前に迫っています。今後企業業績の悪化等によりさらなる県税収入の下振れが発生し、その代替財源として減収補塡債を活用した場合県債残高が一兆六千億円を超えるおそれがあると考えます。
 そこで、県債残高の目標に対する考え方について、県の所見をお伺いいたします。
 次に、アーティストが活躍できるふじのくにづくりについてお伺いいたします。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、本県でも文化芸術関係のイベントの自粛が余儀なくされ生の文化活動を肌で感じる機会が減ってきており、再開を待ち遠しく望んでいる県民も多いのではないかと思います。多くの県民が待ちわびている文化活動ですが、県内各地でコンサートや展覧会等様々な文化芸術関係のイベントが行われる際、これまではそうした場の出演や出展者は首都圏の芸術家や権威ある美術展の入選者など実績のある方に偏りがちであったと思われます。
 一方で、若手や地域で地道に活動しているアーティストなどはなかなか日の目を見ることができないと感じております。様々な価値観が尊重され多様性が求められる中で、地域で活動する多くの方が活躍できる環境をつくることで本県文化の厚みが増すのではないでしょうか。
 県では、一流の芸術家が講師となり子供たちにワークショップを行うふじのくに子ども芸術大学という事業を行っています。今年はコロナの影響で中止になりましたが、一流芸術家の講義を受ける貴重な機会なので今後も継続してほしいと思っております。感受性豊かな子供の時期に本物の文化芸術に触れることは、長い目で見れば未来のアーティストを育てるきっかけとなると考えるからです。
 このような取組を通しアーティストの活躍の場が増え文化芸術の道を志す若者が増えれば、アーティストの層も厚くなり文化芸術を継承する人の育成にもつながるのではないでしょうか。アーティストが育ち地域で活躍することで多くの県民が文化芸術に親しむことが日常となり、県民の生活も豊かになると期待されます。
 そこで、新型コロナウイルス感染症の影響で首都圏から芸術家等を呼べない今こそ県内各地で地道に活動しているアーティストを発掘し多くの活躍の場を提供すべきと考えますが、県の取組をお伺いいたします。以上、答弁をお願いいたします。
○議長(山田 誠君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 廣田議員にお答えいたします。
 アーティストが活躍できるふじのくにづくりについてであります。
 新型コロナウイルスの感染が続く中、それでも一部のコンサートや展覧会等の文化芸術活動が再開されております。徐々にではありますけれども、会場に足を運んでいただく方々も増えてまいりました。
 文化芸術は苦しいときこそ人々の心に灯をともす役割を担っております。身近な人が亡くなったそのときに「千の風になって」を聞いて慰められるという人は多いです。あるいは「走れメロス」をSPACで見て友情の大切さを知った子供たちもたくさんいます。あるいは今年はベートーベンの生誕二百五十年ですから、耳が不自由になったと、だけどもベートーベンの五番を聞いて苦悩を突き抜けていく勇気をもらった人もいるでしょう。このように苦しい心に灯をともす役割を持っています。地域の中からふるさとを愛する優れたアーティストが育ち様々な場面で活躍することが極めて重要であると思っております。
 このため、七月から「ふじのくに♯エールアートプロジェクト」を開始いたしました。このプロジェクトでは相談窓口を設置いたしまして、県内で活動しているアーティストに対しコンサート会場等での新型コロナウイルス感染予防対策につきまして具体的なアドバイスを行うとともに、必要な経費を助成するなど文化芸術活動の再開を積極的に支援をしているところです。
 また、平成二十八年度から文化プログラムを進めておりますが、この文化プログラムにつきましては地域の住民が主体となって開催する地域芸術祭等を支えることで地域のアーティストの活躍できる場を増やしてまいりました。今年の春から夏にかけて多くのプログラムが残念ながら延期、あるいは中止を余儀なくされました。しかしこの秋に再スタートをいたします。富士市などを会場とした富士の山ビエンナーレ、あるいは大井川鉄道沿線を会場とした無人駅の芸術祭など地域で地道に活動するアーティストがいらっしゃいます。彼らが参加する様々なプログラムが開催されます。また文化プログラム終了後も来年一月にアーツカウンシルを設置予定でございまして、このアーツカウンシルにおきまして取組を継承して発展させていこうと考えております。
 一方、将来のアーティストを育てていくことも重要です。御紹介頂きました一流の芸術家を講師とするふじのくに子ども芸術大学につきましては、今年度は残念ながら一部が中止となりましたけれども、来年度以降は新しい生活様式に対応したプログラムで実施できるように計画を進めております。また世界的に高い評価を受けている演劇集団SPACにおきましては、中学生、高校生鑑賞事業等を通じて子供たちに世界クラスの演劇に触れる機会を提供しております。今後は放課後や休日を利用したクラブ形式の演劇スクールを開始させようという構想を持っておりまして、その準備を進めるなど人材の育成に本格的に取り組んでまいります。
 県といたしましては、ウイズコロナを契機として県内で優れたアーティストが育ち生き生きと活躍できる環境の整備に全力で取り組むことで、多彩な文化芸術の花が開く文化芸術の都ふじのくにの実現を目指してまいります。以上であります。
○議長(山田 誠君) 出野副知事。
       (副知事 出野 勉君登壇)
○副知事(出野 勉君) 本県への若者の新しい流れの創出についてお答えいたします。
 これまで、人口減少社会を克服し地方創生を実現するため美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づきオール静岡での施策を展開してまいりました。昨年度の総括評価では計画の進捗度を表すKPI――重要業績評価指標の七二%が目標達成に向けて予定どおり推移するなど、全体としてはおおむね順調に進捗しているものと評価を頂いているところであります。
 しかしながら、議員御指摘のとおり東京一極集中による人口転出超過は依然として改善されておりません。特に若者の転出問題が顕著であることに危機感を抱いており、克服すべき大きな課題と考えております。
 このため、本年度からスタートした総合戦略では、先端産業創出プロジェクトの推進をはじめヘルスケアやデザイン等のサービス産業の振興など若者にとって魅力ある雇用の場の創出に取り組むとともに、静岡U・Iターン就職サポートセンターの情報発信、相談機能の充実や県外大学との就職支援協定の締結、連携強化により首都圏等の学生のU・Iターン就職を支援しております。
 また、「三十歳になったら静岡県!」をキャッチフレーズに県外在住の若者の本県への就職を支援するため高校等卒業生にふじのくにパスポートを配付し、県内企業の情報などを継続的に発信することにより本県で活躍しようと志す若者の増加を図っております。
 さらに、今回のコロナ禍により働き方やワーク・ライフ・バランスに対する意識に変化が見られることを踏まえ新たにテレワークの導入支援やサテライトオフィスの誘致など多彩なライフスタイルを選択できる環境の整備にも取り組んでまいります。
 今後とも、社会の変化をしっかりと捉え若者に選択される魅力ある地域の実現に取り組み、首都圏等からの若者の新たな流れを創出してまいります。以上であります。
○議長(山田 誠君) 長谷川地域外交担当部長。
       (地域外交担当部長 長谷川 卓君登壇)
○地域外交担当部長(長谷川 卓君) 海外駐在員事務所の役割についてお答えいたします。
 本県の地域外交の取組は、地域外交基本方針に定める重点国・地域にとどまらずインド、インドネシア、ロシアからも交流の希望が寄せられるなど新たな対応が必要となり今年度から機動的新海外拠点を設けることといたしました。限られた予算と人員の有効活用の観点から海外駐在員事務所につきましては所長一名体制といたしました。
 一方、海外駐在員事務所の活動は新型コロナウイルスの感染拡大により制限を受けておりますが、現在現地に展開する県内企業の要望を受け各国政府の経済対策、企業支援策に関する情報提供のほか県内企業や観光事業者等を対象としたウェブセミナーの開催、オンラインによる個別相談などを実施しております。このような現地ならではの対応を通じ改めて職員が駐在する優位性を認識したところであります。
 海外駐在員事務所の体制につきましては、今後機動的新海外拠点の評価、県内企業等のニーズ、県の財政状況などを踏まえて判断することになりますが、当面は現体制を維持してまいりたいと考えております。また海外駐在員事務所の機能につきましては、県関係部局からの応援要員による短期出張や機動的新海外拠点に対応する職員の中長期の出張により維持できるものと考えております。
 特に、県内企業が多く展開する東南アジアでは静岡県国際経済振興会が各国に設置するビジネスサポートデスクとの連携を強化することで県内企業の要望に対応してまいります。
 県といたしましては、今後とも海外展開する企業へのサポートや販路開拓支援、観光誘客など海外駐在員事務所に求められる役割を果たすため適切な運営に努めてまいります。以上であります。
○議長(山田 誠君) 佐藤政策推進担当部長。
       (政策推進担当部長 佐藤典生君登壇)
○政策推進担当部長(佐藤典生君) 県債残高についてお答えいたします。
 臨時財政対策債などを除く県債残高の目標につきましては、新ビジョンにおいてそれまでの二兆円程度を上限とする目標を一兆六千億円程度を上限に見直し健全な財政運営に努めてまいりました。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により今後の県税収入の動向次第ではさらに減収補塡債や猶予特例債を発行することも想定され、一兆六千億円程度を上限とする目標を超えてしまう可能性もあると考えております。もちろんこれまで以上に徹底した歳出の見直しや歳入の確保に取り組み財源を確保してまいりますが、県税収入の減少額が大きく来年度以降も厳しい財政状況が見込まれますので当面は減収補塡債を活用し財源を確保せざるを得ないと考えております。
 一方、減収補塡債は元利償還金に対し地方交付税が財源措置されるため将来の財政負担が大きく増えることはないものの、引き続き県債残高をコントロールし健全な財政運営を継続していくことも必要であります。
 今後、県債の活用につきましてはウイズコロナ、アフターコロナ時代を見据え残高目標の見直しを含め適切な指標や目標値の検討を進めてまいります。以上であります。
○議長(山田 誠君) 廣田直美君。
       (二十三番 廣田直美君登壇)
○二十三番(廣田直美君) それぞれ御答弁ありがとうございました。
 それでは、要望を二点、再質問を一点させていただきたいと思います。
 まず要望でございます。若者の新しい流れの創出、こちらに関しまして引き続きいろんなサポート、支援をしていただくというお話でございましたが、先ほど申し上げたときに私、大学生との意見交換会をさせていただいたというときに東京事務所を御案内させていただきました。やはり東京に住んでいる大学生というのはなかなか県内に戻ってこれないという状況の中で、やはり地元の風情、雰囲気を味わいたい、情報を知りたい、生で話をしたいというお話を聞いたからです。早速大学生行ってくれました。非常に事務所の有意性を感じたとおっしゃっていましたのでまた東京事務所の有効活用をさらに図っていただければと思っております。
 そして、二点目の海外駐在員事務所の役割についてでございます。
 現在、コロナ禍で応援要員の機動性、中長期出張というのができない状況なのでなかなかこちらの評価はしにくい状況でございますが、コロナ禍が収束し応援要員が飛躍的に活動できる環境が整いましたらぜひとも県内中小企業の積極的なサポート支援をしていただくよう強く要望いたします。
 そして再質問でございます。県債についてでございます。
 いろいろ目標値の検討ですとか県債残高の目標に対する考え方は変更の可能性があるというお話でございましたが、九月補正予算では約六施設の見直しの方向性案というのを提示されておりますがまず一点目、今後事業の見直しは同様なこのような事業の見直しがあるのかどうかをお伺いしたいのが一点。そして当初予算額に対してさらなる補正があるのかどうか分かりませんけれども、どれぐらいの減収が具体的に数字的に見込んでいらっしゃるのかどうか、この点についてお伺いいたします。以上、答弁をお願いします。
○議長(山田 誠君) 佐藤政策推進担当部長。
○政策推進担当部長(佐藤典生君) 県債残高についての再質問についてお答えいたします。
 まず一点目でございますが、事業の見直しということでございます。
 こちらにつきましては、本年度六月、九月と事業見直しをして財源の確保に努めたところでございます。あわせまして今回施設整備の見直しということで、今後多大な財政負担となるような施設整備について抜本的な見直しをするということで今回方向性についてお示しをしたところでございます。
 今後につきまして、まだまだ財源ということは確保していかなければいけませんので本年度についてもまだまだ引き続き見直しをできるものはしていきますし、来年度当初予算につきましては徹底的な見直しをするということで、過日御答弁しましたとおり例えば補助事業の見直しですとか大規模イベントをどうするかというような全庁一律な見直しもしていきたいというふうに考えております。もちろん施設整備につきましても、現在の六施設というのは今設計、そして検討の段階のものをですね、六施設あったということでありましたけれども、今後例えばまた新たな施設整備が出てきた場合にはやはり一からその必要性について我々は検討していきたいというふうに思っております。
 二つ目の税収というか財政収支の関係でございますけれども、やはり本年度、今百六十七億円減額補正いたしました。これは過去を振り返ってみますと数回しかないような、やはり九月に減額補正をすると――現状ですね――ということはありませんでした。そういう意味で非常に厳しい状況であります。今後についても県税収入等々見通しを立てて本年度の財政収支を見通しておりますが、やはり今数字をはっきり幾らということは言えませんが今後の動向にもよりますけれどもかなり厳しいものになるというふうに今考えております。以上であります。
○議長(山田 誠君) 廣田直美君。
       (二十三番 廣田直美君登壇)
○二十三番(廣田直美君) 答弁ありがとうございました。
 厳しいという言葉が本当に心に響きます。これはもう世界中の問題ですので財政出動が必要なときにはしていただければと思っております。
 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 災害時における廃棄物処理についてお伺いいたします。
 近年、異常気象による自然災害が多発し毎年のように大雨による災害が全国各地で発生し、本年七月の熊本県などで発生した集中豪雨は記憶に新しいところであります。
 本県でも昨年の台風十九号では大きな被害が出ました。この台風によって発生した災害廃棄物は県内全体で三千四百トンと推計され、最も被害が大きかった伊豆の国市では市の一か月分の生活ごみに相当する約一千トンもの廃棄物が発生しております。本県では台風十九号で発生した災害廃棄物は比較的早く処理されたようですが、他県の被災地の状況を見ると災害廃棄物の処理が進まず残ってしまうことで復旧復興の妨げになり得ることから、他のインフラの復旧と同様に被災後の廃棄物の迅速な処理の必要性が痛感されました。災害廃棄物の処理に際しては廃棄物の仮置場の役割が重要であります。
 私の住む函南町でも、台風十九号では浸水被害が大きかったため町が指定する仮置場が開設されましたが、家から遠かったり自動車が浸水により使えないため運搬手段がなく家から運べなかったりして被災住民にとっては不便な点もあったことから複数の地区で一時的な仮置場が設けられました。高齢者など行動が限られる住民のことを考えると、仮置場の場所は地域の住民が運びやすい場所に設定することが重要と考えます。
 本県では、全市町で災害廃棄物処理計画を策定済みと伺っておりますが、主に大地震を想定したものですと昨年の台風十九号や今年の熊本豪雨のような水害による廃棄物の処理には対応できるものであるのか不安が拭い切れません。また仮置場の候補地をきめ細やかに検討しいざというときに迅速に決定、開設できるよう平時から準備しておく必要があるのではないかと考えます。
 災害廃棄物は市町に処理責任があること、県はこれまでも市町に対して災害廃棄物対応の研修や指導を行ってきていることは承知しておりますが、災害発生後の現場で混乱が生じているという状況を踏まえより具体的な災害廃棄物処理対策のための市町への支援が必要であると考えますが、県は今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
 最後に、企業局の水道施設の災害対応についてお伺いいたします。
 本年七月三日から七月三十一日にかけての一連の集中豪雨は令和二年七月豪雨と命名され、熊本県を中心とする九州地方や岐阜県などの中部地方、山形県などの東北地方をはじめ広範囲な地域において水害や土砂災害を発生させ八十名余の人命を奪いました。また家屋被害は一部損壊を含めて四千五百棟余、浸水は一万三千九百棟余を数え道路、鉄道、電力、ガス、水道等のライフライン、そして農作物や地域の産業等にも甚大な被害をもたらしました。現地では災害ボランティアの方々の助力もあり猛暑の中でも片づけ作業が行われてきましたが、従前の生活に戻るにはまだまだ長い期間を要するものと思われます。
 静岡県内においても、浜松市天竜区水窪や川根本町本川根等で連続雨量が八百ミリメートルを超え、伊豆市湯ヶ島では時間最大雨量が六十五ミリメートルを記録するなど山あいを中心とした大雨が降り道路のがけ崩れ等の土砂災害や床下浸水等の水害が発生し、停電復旧作業中の作業員の方が倒木に当たって命を落とされたことがありました。心より亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。
 近年は何十年に一回の大雨が各地で頻繁に降るようになりました。このような大雨が毎年降ることを前提として生活せざるを得ない、事前の対策を講じなければならないものと考えます。
 昨年は、私の地元である函南町丹那地内において道路下に埋設されている駿豆水道の水道管が道路崩壊に巻き込まれて破損し熱海市及び函南町へ送水ができなくなったため、約八千三百世帯余りに約一週間の断水が発生したことは記憶に新しいところであります。この災害以降企業局では、所管する約七百キロメートルに及ぶ水道管について土砂災害の危険箇所の洗い出しのため現地での確認調査を行ったと承知しております。
 そこで、この現地の確認調査がどのような結果となり今後この調査結果を踏まえてどのような対策を実施していくのか伺います。
 また、このように災害が多発する中において市民生活に欠かせない命の水を送るライフラインの管理者として施設の強靱化を進めていくことが求められると考えますが、今後実施する水道施設の改築事業等において災害関連の取組があればどのような工夫や改善をされていくのか併せてお伺いいたします。以上、答弁をお願いいたします。
○議長(山田 誠君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) 災害時における廃棄物処理についてお答えいたします。
 災害廃棄物の処理に備え、県及び市町は地震をはじめ風水害なども含めあらゆる災害に対応できるよう災害廃棄物処理計画を策定しておりますが、廃棄物を迅速に処理するためには仮置場の早期設置など各市町の実情に応じた初動対応の手順を決めておくことが特に重要であります。
 昨年の台風十九号による被災時に、仮置場の設置場所の選定をはじめ管理要員や資機材の不足などの課題が顕在化したことから県では災害廃棄物処理計画を本年七月に改正し具体的な対応を明記するとともに、今年度中をめどに各市町に計画の見直しを求めているところであります。
 また、廃棄物の迅速な処理には市町職員の知識や能力の向上が求められますことから本年六月仮置場の設置手順を確認するワークショップを開催し、今月二十三日の研修会では熊本豪雨の被災地に派遣された市の職員から仮置場で数時間も待たされる混雑を解消するため廃棄物を分別して持ち込んだ車両の荷下ろしを優先する試み――ファストレーンと呼ぶそうですが――そういう試みに効果があったなどの報告を受けて情報を共有したところであります。
 県といたしましては、毎年発生する災害からの新たな教訓や知見を市町と共有し常に計画を見直すとともに、初動対応訓練を積み重ね県全体における災害廃棄物処理の対応力のさらなる向上を図ってまいります。以上であります。
○議長(山田 誠君) 松下企業局長。
○企業局長(松下育蔵君) 企業局の水道施設の災害対応についてお答えいたします。
 企業局では災害の多発化、激甚化の中で災害対応力を高めることをトップ・プライオリティー――最優先事項として位置づけその向上に努めております。
 昨年の台風十九号による送水管の破断の後、約七百キロメートルの全管路を対象に土砂災害の危険性について現地調査を実施いたしました。その結果被災箇所と同様な地形の道路内に災害に脆弱な旧型管が三十四か所、延長約六千五百メートルの埋設を確認し特に注意が必要な経過観測箇所としてまとめました。このうち駿豆水道では十二か所、延長約二千五百メートルが該当しています。
 管路における災害対策の方針は、東日本大震災でも断水被害がゼロであった高強度な最新管への更新であります。今回の経過観測箇所につきましては更新の優先順位を繰り上げるとともに水道管ルートの最適化も推進することで強靱化を図るものとし、更新までの間は管路パトロールを重点的に行い道路管理者と連携して事前対策を講じてまいります。
 また、災害関連の取組における工夫や改善では、本年度実施する駿豆水道の中央監視装置改築工事におきましてコスト面や技術面から導入が困難であった通信ケーブルの複数ルート化や携帯通信回線の追加による通信機能の多重化を図り災害時の断線に対する信頼性を向上させてまいります。あわせて企業局初となるあらゆる管路の破断の際にも緊急に送水を停止できる機能を採用いたします。これらの事業展開におきましても、施工と維持管理の一体発注など工夫を凝らしコストを縮減してまいります。
 昨年の災害は道路斜面の崩壊で送水管が破断するという想定外の重大な事態でありました。同じような被害を被らないためにも日常点検の強化や計画的な施設更新を進め、これまで想定外であった災害を想定内としていく実効性の高い災害対策に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(山田 誠君) 廣田直美君。
       (二十三番 廣田直美君登壇)
○二十三番(廣田直美君) 答弁をありがとうございました。
 それでは、要望を一点申し上げたいと思います。
 災害廃棄物の処理についてでございます。
 本当に部長がおっしゃるとおり、初動対応がいかに重要かというのが昨年の台風で私見て回った結果本当に痛切に感じました。やはり皆様の知識、経験が物を言う、そういったことが必要ではないかと思っておりますのでワークショップ等ですね、積極的に開かれているということですのでぜひ情報のさらなる共有を図っていただきますよう、やっぱり初動対応の重要性に重点を置いて取り組んでいただければと思います。以上で終わります。(拍手)
○議長(山田 誠君) これで廣田直美君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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