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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年2月静岡県議会定例会

小野 達也 議員(自民改革会議)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:02/26/2016番目)
答 弁 者知事


○知事(川勝平太君) 小野議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢、特に残り任期の県政運営方針についてであります。
 私の政治姿勢は、就任当初から一貫して変わりありません。富国有徳の日本の理想郷“ふじのくに”づくりでございます。少しくかみ砕いて言いますればふじのくにというのは狭義には静岡県のことを指します。最近では山梨県も富士の国と自称されるようになりましたが。一方でこれは日本の国の別称でもあるというふうに存じます。日本には北は北海道から南は沖縄に至るまで富士山の名のつく山々が四百近くございますし、山のない関東地域では富士塚といったようなものをつくられて尊崇されているという対象で、これは権力によって決められたものではなくて日本の国民の富士山に寄せる思いというものであると思います。
 私は、静岡県に学長として赴任いたしましたのがもう九年ほど前のことですけれども、そのときに富士山を世界文化遺産にする学術委員会の委員長を仰せつかり、本気でといいますか、真剣に静岡県のことを調べ始めるようになりました。当時静岡県は首都圏の外れあるいは中京圏の外れといったような意識もまま見られたのでございますけれども、よくよく見ますとここは日本の国の中心性を持つ地域であるということを確信するに至りました。
 そしてまた、ふじのくにというのは皆様方の先輩が誰が決めたともなく静岡県のこととして呼ばれるようになっているのは御承知のとおりでございます。もとよりこの名称は富士山から来ていると。この富士というのはもともとは漢字がなかったときには言葉だけ、音だけだったと思いますけれども、一番最初にこれが漢字で当てられたのは常陸の風土記に福、慈しむと書いた「福慈」と書いて漢字を当てられた、これが日本人のこの山に寄せる思いだったと思います。
 それから不老不死の「不死」も当てられました。やはり不老長寿というものをこのすばらしい高みを見ながら人々は理想としたということでしょう。また二つとない存在だということで「不二」という字も当てられました。しかしそれが最終的には「富」という字と武士の「士」という字を当てるようになって落ちついております。ここに日本人の理想が込められているというふうに見られます。
 我々にとってはGDP、あるいはGNPと。グロス・ナショナル・プロダクトとか、グロス・ドメスティック・プロダクトというのは大事です。これは「富」という字にあらわされています。貧困を克服することは大切だと。しかしそれを支えるのは立派な人間でなくてはならないと。徳のある人間でなくてはならないというそういう字を当てているわけですね。立派な人間というのはこれは権力欲だとかあるいは金銭欲だとかそうしたものに溺れがちなところが人にはありますけれども、そうではなくて足るを知ってみずから幸福であるということが言える人でなくてはなりません。そういう意味で経済力とともにこのような県民の幸福度というものが大切だということで、県民の幸福度をしっかりと目指しながら経済をつくっていくということでございます。
 一方で、既に日本には東洋の文明も西洋の文明も私はもう入れ終わったというふうに思っております。こうしたもののいわば調和させる地政学的な位置にあるのが静岡県であるということから、静岡県の中心性は世界の中の中心性として確実に発揮できるということで世界の中の静岡県づくりに励んでまいりました。そしてそれが平成二十五年の六月に世界文化遺産としてユネスコの委員の先生方の満場一致のもとで認定されたわけでございます。これがきっかけになりましてほぼ同じ時期に茶草場が世界農業遺産に、ユネスコエコパークに南アルプスが選ばれるなど、そしてまた議員さんの地元でございます伊豆半島におきましては韮山反射炉が世界文化遺産に認定されました。
 この二年半の間に、こうした国際認定をされたものが何と二十三件にも上っているわけでございます。こうした県はほかのどこにもありません。こうしたことから見ますと世界の中の静岡県ふじのくにと。あるいはふじのくにという日本の国府としての位置づけもできると。それならばここから我々は世界に羽ばたくというそういう姿勢をとることができると。そうしたことで今年度は我々は世界に羽ばたく。まずは議員の御指摘なさいました東京五輪がございます。スポーツです。
 そしてまた、世界の中心ですから東京の顔色をうかがうんではないと。地域外交をすると。そしてまた静岡県は自然な多様性に恵まれていますから第一次産業、農林水産業を大事にするということでこれをTPPも受けまして打って出ると。こうした三つの戦略のもとに我々はことしの行動指針を決めたわけでございます。
 もとより中長期的にはふじのくにづくりということでございますけれども、現在我々が必要なのは八つくらいにまとめられると。一つは何といいましても東海地震。最近では南海トラフ巨大地震ということがございますので危機管理が一番大切です。
 残り七つがございます。その七つのうちの三つは経済にかかわるもので危機管理ともかかわりますが、そのうちの一つは内陸のフロンティアを拓く取り組み。二つ目は新しい次世代の産業を興すこと。三つ目はエネルギーの地産地消であります。残り四つのうち三つは人にかかわることです。今少子化でございますから少子化対策をしっかりすると。それから人々をしっかり教育するということで人材の育成。三つ目はやはり皆様方が健康であってほしいということから具体的には健康寿命を延伸するということです。そして最後の八つ目といいますのは我々にとって、また日本にとっても世界にとっても宝である富士山の美しい存在を後世に継承していくと。これが八つの重点戦略になっているわけでございます。
 そして、この八つの重点施策を取り込んだ後期アクションプランにつきましては今月公表いたしました“ふじのくに”づくり白書にお示しいたしましたとおり、計画に掲げるほとんどの取り組みが順調に推移しております。確かに数値目標の達成度において一層の努力が必要な分野もございますことから、より効果的な施策への改善や重点化を図り来年度当初予算案に反映したところでございます。
 本県は、二〇一九年のラグビーワールドカップ、二〇二〇年の東京オリンピック自転車競技の開催という全世界が注目する絶好の機会を与えられました。これを絶好の機会として逃すことなく、世界水準の魅力を生かしてスポーツを通じた交流の拡大とスポーツ王国静岡の復活に向けた取り組み、新しい地域外交の展開など文字どおり世界に羽ばたこうというそのための戦略を強力に推進してまいります。
 今後とも、美しい富士山を仰ぐこの地に世界中の人々の憧れを呼ぶ日本の理想郷を築くべく私どもの政治姿勢であります県庁、今チーム一丸となって前倒しをすると。善は急げということをモットーにより一層のスピード感を持って県政運営に全力で邁進してまいりますので、小野議員を初め県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 次に、スポーツ王国静岡の復権についてであります。
 世界に羽ばたく三つの戦略の第一にスポーツを掲げました。東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプの誘致活動の展開、国体の上位入賞を目指した選手強化等々スポーツを通じた交流の拡大とスポーツ王国静岡の復活に取り組むということであります。
 選手強化につきましては、議員御指摘のとおり競技団体の強化の拡充や優秀な指導者養成が重要です。そのため平成二十八年度――要するにことしでございますが岩手国体の総合成績上位を目指します。国体強化費を大幅に増額いたしました。強化合宿の充実、また県外への遠征試合を拡充するなど県、県体育協会、競技団体が一体となって競技力の向上を図ります。特に岩手というのは平成二十三年の東日本大震災におきまして全国知事会から本県が救援の対象とするということで、現在も二十人近い我々の職員が働いております。彼らにとっても静岡の県民がスポーツにおいても非常にたくましいということを知ることは我々にとってもやりがいのあることであるし、彼らにとってもうれしいことだというふうに存ずる次第であります。
 また、二〇二〇年東京五輪に本県から多くの選手を輩出するために指定した候補選手が海外で大会出場や練習をする費用などの支援を図ります。それとともに指導者の上級資格取得を奨励しまして優秀な指導者を養成いたします。これらを通して第一線で活躍する選手を育成する環境を構築いたします。
 スポーツを通じた交流の拡大にも積極的に取り組むことにいたしております。二〇一九年のラグビーワールドカップ本県開催や二〇二〇年の東京五輪の開催を控えまして本県では各国へ事前キャンプ誘致活動を積極的に進めています。内閣官房がスポーツ交流を支援するホストタウン構想というのを出されました。そこへの申請も加速しておりますので現在第一次登録四十四件のうち本県は全国最多の五件の決定を受けました。多くの県民の方々が世界レベルのアスリートの姿に間近に触れて若い世代が刺激を受けるなど本県のスポーツの裾野が広がるように、スポーツを核とした国内外との交流を大きく盛り上げようと考えております。
 こうした競技力の向上やスポーツ交流の拡大の取り組みを効率的に推進するために、平成二十八年度からこれらを一元的に所轄するスポーツ局を文化・観光部のもとに新設いたします。部活動を含む学校体育を所轄される県教育委員会とも十分に連携を図りながらスポーツ王国静岡の復権に取り組んでまいります。
 次に、浜松地区への野球場整備構想についてであります。
 遠州灘海浜公園につきましては、遠州灘海岸の恵まれた自然や景観を生かし西部地域のスポーツ・レクリエーション需要に対応した広域的な公園として順次整備を進めてまいりました。いまだ篠原地区には未利用の地が多くございます。またそこへの整備に対する要望も強うございます。そこで今年度公園全体の構想を見直すこととし、浜松市とともに基本構想の策定作業を進めているところであります。
 まず、県民の皆様の理解についてであります。これはもちろん一番大切でございます。野球場整備につきましてはかねてより浜松市や地元経済界から積極的な要望をいただいているところでございます。基本構想の策定に当たりましては浜松市が聴取なさいました野球関係者の意見も踏まえまして検討を進めてまいりました。当地における風などについて心配する向きもあるんですが、これももう調査済みでございます。マリンスタジアムとよく比べられますけれども全くそういう強い風が観測されていないという結果が出ております。
 それから、来月には県営公園の基本方針などを審議する場である静岡県都市公園懇話会の意見を伺います。また県民の皆様から広く御意見を求めていくこともすることにいたしました。今後も魅力ある野球場として県民や関係者の皆様の御理解をいただけるように努めてまいります。
 次に、防災機能と完成目標時期についてであります。
 レベル1を超える津波対策につきましては、市町負担の原則がございます。これまで他の地域で進めてまいりましたように基本として市町の役割です。防潮堤に隣接して整備する野球場は平時には――我々は常に防災機能と地域成長というのをあわせて考えるという姿勢で内陸のフロンティアもしておりますけれども――平時には県民のスポーツあるいは憩いの場として、しかし有事には発災直後では津波から避難する施設として、復旧段階では支援活動の拠点として機能することができます。そうしたことで公園基本計画の策定を予定している来年度に浜松市と防災機能の具体的な内容や役割分担について調整いたします。
 また、完成目標時期につきましては二〇二〇年三月に防潮堤の完成が見込まれております。それに合わせて整備して、かつ東京オリンピックでの使用と相なりますれば最良であるというふうに考えています。
 県としましては、遠州灘海浜公園が県西部のスポーツ振興の拠点として親しまれる公園となるように県民の皆様の御理解を賜りながら浜松市と連携し野球場整備に取り組んでまいります。
 次に、平成二十八年度当初予算についてであります。
 平成二十八年度当初予算は、自民改革会議の皆様の御意見を真摯に受けとめました。富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの総仕上げでございます。喫緊の課題に対応し本県が世界に向けて羽ばたく三つの戦略、スポーツを通じた交流の拡大とスポーツ王国静岡の復活、第二、新しい地域外交の展開、第三、農林水産業の競争力強化に重点的に取り組みますとともに、後期アクションプランを推進するための施策を積極的に盛り込んだところであります。
 さて、自民改革会議の御要望事項の一つ目、経済再生、雇用対策の強化。そのうち特に強い御要望でございましたTPP対策につきましては県産品のブランドの確立、マーケティング強化を図るための戦略を策定いたします。そのほか高付加価値化やコスト縮減により競争力を高め、首都圏やアジアを初めとした海外への通商を促進いたします。あわせましてこれらの施策を推進するための組織改編を行います。国内外への販路拡大を強力に進めるなど攻めの農林水産業を展開する所存であります。
 二つ目の御要望事項、県民の生命・財産を守る危機管理体制の強化につきましては現行の地震・津波交付金制度に火山対策など新しい補助メニューを追加した上で引き続き三年間継続し、市町の取り組みを支援してまいります。
 また、賀茂地域の防災対策の強化を図るために津波浸水区域外に防災棟を整備し、下田総合庁舎の危機管理機能を敷根公園の道路を挟んだはす向かいのところに移転いたします。
 三つ目の御要望事項、人口減少をストップする子育て支援、医療・福祉の充実につきましては待機児童の解消に向けまして保育所や認定こども園の整備を進めます。また新たに保育士確保のための貸付金制度を創設いたします。
 さらに、本県への移住・定住を着実に進めていくため伊豆半島地域をモデルとして生涯活躍できる町すなわち日本版のいわゆるCCRC構想の検討を進め全県への普及を目指してまいります。
 四つ目の御要望事項、教育・人づくりの充実ではスポーツ王国静岡の復活に向けて国体上位入賞を目指すとともに、東京五輪に本県選手が出場できるよう選手育成を強化しますほか、地域の人材を活用し県民のどなたもがスポーツに親しむことのできる環境を整えてまいります。
 また、西部と東部の特別支援学校を改築いたしまして教育環境の一層の充実を図ってまいります。
 五つ目の御要望事項、豊かな県民の暮らしの実現につきましては地域の皆様からの強い御要望を踏まえまして身近な道路や河川の新設改良などを行う県単独生活環境整備事業等を三百二十億円計上いたしました。それとともに二〇二〇年東京オリンピックの自転車競技会場に決定した伊豆市のベロドロームへのアクセスの整備も進めてまいります。
 先週、国土審議会がございまして半島振興法が改善されることになりましたのでそこでもあえて発言をいたしまして、昨年十二月にベロドロームでの自転車競技が決まったのでこの点についてもよくよく心得ておいてくださるようにということで、国土庁の局長さんからその旨しっかり了承したと返事をいただいております。
 六つ目の御要望であります本県の魅力を生かした観光・交流の促進につきましては、富士山静岡空港の利便性向上のため平成三十年度中の完成を目指し旅客ターミナルビルの改修・増築工事に着手いたします。また外国人旅行者向けワンストップ窓口の設置など訪日外国人の受け入れ体制の強化、クルーズ船の誘致、サイクルスポーツを通じた交流人口の拡大にも取り組みます。
 七つ目の御要望事項、行財政改革の推進では既存事業の廃止を含めた積極的な見直しと歳入の確保に努めまして百五十六億円の財源を捻出いたしました。この三年間で四百億円を優に上回っております。また将来に備えた基金について二十七年度当初予算編成後の三百五十五億円を上回る三百六十億円を確保いたしました。また県債残高につきましても通常債はもとより臨時財政対策債を含めた全体でも縮減するなど健全財政の枠組みを堅持したところでございます。
 平成二十八年度当初予算につきましては、これまでの取り組みが実を結んでまいりまして成果が目に見える形で皆様方の前にあらわれるように組織改編と一体となって編成いたしました。当初予算を着実に実行し文字どおり本県が世界に羽ばたくことができるようにオール静岡で取り組んでいく覚悟でございますので、県議会議員の皆様の御支援、御協力をお願いいたします。
 次に、世界一美しい伊豆についてのうち、東京オリンピック自転車競技の開催についてであります。
 開催に向けた取り組みについてですが、オリンピックはスポーツの頂点に立つ世界のアスリートの全ての憧れの舞台でございます。同時に施設や設備、運営面など全ての点において世界最高水準が求められる大会でもあります。東京五輪自転車競技の伊豆開催が決定いたしましたことは自転車のメッカ、自転車の聖地づくりを進める本県にとりましてまことに喜ばしいことで心から歓迎をいたしております。大会には国内外から選手を初め大会関係者や観戦客など多くの来訪者が見込まれます。二〇二〇年に向けまして観客席の施設の改修、選手・観客の輸送、宿泊の確保、ボランティアの養成、警備や医療救護体制の確立等々多くの課題があることは認識しております。また来訪される方々との交流、おもてなし、県内の美しい景観、食の魅力の発揮等々県内観光の活性化にもつなげてまいります。
 こうしたことから、私どもといたしましては地元の伊豆市及び大会を運営する組織委員会関係者と連携いたしまして万全の準備を進めるとともに、課題の洗い出しをいたしますとともにそれぞれの役割分担や今後の進め方について調整を始めたところであります。さらに大会が夏の観光シーズンに開催されることでございますので、夏季における会場周辺地域の交通量を調査し観戦客を含めた輸送計画案の準備に着手いたします。また地元の皆様方が大会を盛り上げ支えていただくためには県民の自転車競技への関心を高めることもこれまた大切なことでございますので、全体としての機運醸成に努めてまいりたいと考えております。
 東京オリンピック自転車競技の成功には各方面からの協力が必要になりますので、来月には県、地元市、競技団体、観光、経済団体等々で構成する準備組織を立ち上げます。それとともにことしの夏のリオデジャネイロの大会の後、全県を挙げた推進体制を確立いたしまして開催準備に万全を期してまいります。
 日本のシンボルであり世界の宝である富士山のもとで開催される自転車競技の会場が、また本県で初めてオリンピック種目の一つが開催されるということにもなりましたので、この大会中最もすばらしい運営とおもてなしを提供したと後に、あるいはそのときに世界から御評価いただけるように全力で取り組んでまいる所存であります。
 次に、競争力のある産業の創造についてのうち、新しい農政の展開についてであります。
 TPPの合意や就農人口の減少など、経済社会情勢の変化を踏まえまして長期的な戦略のもとで本県の特性を生かした農林水産業の競争力を強化する必要があります。本県は温暖で変化に富んだ自然環境とこれらを生かす生産者の力によりまして、農業芸術品つづめて農芸品とも言える高品質な農林水産物を数多く生み出しています。このような農林水産物の生産力に加えましてものづくり産業や医療、食品など健康長寿産業の集積をも生かしまして最先端の科学技術を取り入れて技術革新を進めて本県の第一次産業とりわけ農業の生産性の向上を図るとともに、市場で評価される、いわゆる商品力の強化に取り組んでまいります。商品力は価格とともに品質力というものから成ります。
 具体的には、理化学研究所や慶応大学を初め県内外の大学や研究機関、企業等の参画のもとで農・食・健――健康の健でありますが、農・食・健の産業連携によりまして農産物や食品の健康増進機能を向上させる生産技術を開発する体制を構築いたします。また農業情報科学を活用して篤農家の熟練技術を誰にも見えるように見える化いたしまして次世代に継承発展させていくことのできるシステムづくりにも取り組んでまいります。
 さらに、世界をリードする県内のものづくり企業の技術を農業分野に活用するため、農工連携のプラットホームを構築し農作業の省力化や作業負荷の軽減を図る農業用機器あるいはロボットの開発に取り組んでまいります。これらと合わせましてマーケットインという考え方に基づく商品力の強化により県内全域で農産物の生産、加工、販売に至る各産業分野の競争力の強化、活性化につなげていく所存であります。加えて次世代の農業を支える新規就農者の育成を進めるとともに、農林大学校や農業高等学校で学ぶ青年諸君あるいは既に就農した人たちが先端的な農業技術や経営を学ぶことができる体制を構築いたします。また担い手への農地集積を促進する生産基盤強化も必要です。このため大型機械の導入を促進する圃場の大区画化あるいは水管理の省力化等々、かんがい施設の整備、水田の高度利用を可能とする暗渠排水の整備を加速度的に進めてまいる所存です。
 県としましては、本県の誇る多彩で高品質な農芸品や食品を県内はもとより世界に提供し、人々の健康長寿と幸せに貢献してまいりたいと考えております。また誰もが生き生きと働き心豊かに暮らせる新たな農業の確立と農村の創造を目指してまいります。
 次に、新たなマーケティング・ブランディング戦略についてであります。
 静岡県が誇る、多彩で高品質で健康寿命日本一に大きく貢献しているのが農林水産物でございます。また加工食品でございます。こうした食品また農芸品の魅力をブランドとして磨き上げ世界を視野に販売していくことが重要です。
 そこで来年度、県産品のブランド力をさらに向上させ、何を誰にどのように売っていくかというマーケティング戦略を専門家の御意見も伺い取りまとめてまいります。あわせてこの戦略を実践していくため県内の産業界を代表する方々をメンバーとする、仮称でございますがマーケティング戦略会議を設置いたします。それとともに経済産業部のマーケティング推進課を初めとした組織の体制を強化いたします。こうして生産者や地域企業が取り組む市場調査や新商品の企画などについても支援をしてまいります。
 海外への販路拡大につきましても、今大きなチャンスがめぐってきたと考えています。浙江省とは三十年来の友好交流を礎に今般寧波の市政府の全面的な御協力を賜りまして富士山静岡空港からニジマスの輸出が実現いたしました。今後浙江省はもとより交流で培いました信頼関係のあるイタリアさらにTPP参加国などとも相手国の市場動向をしっかり把握してビジネスチャンスにつなげていきたいと考えております。
 県としましては、世界で競争力のある高品質な県産品の生産を一層拡大し、新たに策定するマーケティング・ブランディング戦略のもとに食を初めとした県産品の国内外への販路を拡大し本県産業の活性化につなげてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長並びに教育長から御答弁を申し上げます。

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