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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

田形 誠 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/11/2017

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 新たな文化振興基本計画について                 
2 和の食文化の推進について                    
3 ふじのくに生物多様性地域戦略の策定について           
4 再生可能エネルギーの導入促進について              
5 障害者スポーツの振興について                  
6 特別支援学校における副次的な籍の導入について  


○副議長(山田 誠君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、二十番 田形 誠君。
       (二十番 田形 誠君登壇 拍手)
○二十番(田形 誠君) 私はふじのくに県民クラブの所属議員として、当面の課題について知事、副知事、関係部局長そして教育長に一括方式で質問をいたします。
 最初に、新たな文化振興基本計画についてであります。
 本県では、平成十八年に策定した静岡県文化振興基本条例に基づき文化の振興の目標や施策展開の方針等を明らかにし、その施策を総合的かつ効果的に推進するための静岡県文化振興基本計画を策定しております。平成二十年度からの三カ年を計画期間とする第一期計画に始まり、現在では平成二十六年三月に策定されました第三期ふじのくに文化振興基本計画のもとさまざまな文化施策が展開されております。
 現在、本県を取り巻く環境は大きく変化をしております。人口減少や超高齢化社会の到来、ヒト、モノ、カネ、情報の移動の高速化による競争激化からさまざまな格差が生じる中で文化の果たすべき役割はますます大きくなっているものと感じております。
 この第三期計画では、文化という言葉の示す範囲を幅広く捉え芸術文化だけでなく郷土の祭りなどの伝統芸能や衣食住にまつわる生活文化、自然景観も計画の対象とされております。また本計画では文化が有する価値や文化が個人や社会、経済、そして地域などに及ぼす力を改めて確認することにより文化振興が幅広い分野にわたって全ての人にかかわる政策であることを基本的な考え方としております。さらにこの計画を効果的に実施していくため文化振興における県及び中核となる施設や機関についてそれぞれ役割が明記されております。
 このように、幅広い文化をさまざまな主体が役割分担と連携を図りながら振興を図っていくという現計画の考え方は大いに共感するところであります。
 その一方で、現在は総合計画の評価を行っておりますけれども、その中で文化に関する数値目標の達成状況は決して芳しくはないと見受けられます。文化振興基本計画に掲げたさまざまな取り組みが総合計画の指標達成に現時点で結びついていないことは非常に残念であり同時に課題であると感じております。現在次期文化振興基本計画の策定中と伺っておりますけれども、現計画の評価や分析をしっかりと反映させることが必要かと存じます。
 そこで、現在の計画についてどのような評価をされているのか、またその評価を新たな計画にどのような形で生かしていかれるのか伺います。
 さて、この現在の計画には衣食住にまつわる生活文化についてもうたわれていると先ほど申し上げました。
 そこで、和の食文化に関して質問をいたします。
 浜松市では、三ケ日ミカン、ウナギやドウマン、バレイショ、タマネギ、エシャレットなどなど本県を代表するような食材を生産しており、ぼく飯や浜納豆など浜松ならではの食文化につながっております。
 平成二十五年十二月、和食、日本人の伝統的な食文化がユネスコ無形文化遺産に登録され四年が経過しました。この間、和食は世界に向けて羽ばたいており、訪日外国人の多くが日本食を食べることを旅の目的としております。日本料理店で上手に箸を使い、おいしそうに食事をする海外からの旅行者を見かける機会もふえていると最近実感しているところであります。
 本県は、農芸品を数多く生産しておりますけれども、その素材を生かした加工技術もすばらしいものがあります。酒米「誉富士」を活用した地酒――年末ですので飲み過ぎには気をつけましょう――豊かな水産資源を背景につくられるかつおぶしやシラス干し、長年にわたり日本一であるお茶など静岡県の食文化を支える重要な食品となっております。一方県の取り組みの中では伝統的な和食に加え洋食、中華やその他の国外の文化、例えばハラールの料理なども含めた広い範囲の中で和の食文化として推進していると伺っております。
 食文化を推進するにはまず多くの方に知っていただくこと、そしてその文化を地道に継承していくことが必要かと思います。また平成二十四年二月定例会の一般質問で食の都づくりに関して伺った際にはこの食の文化を静岡県全体の家庭に広めることが目的であると知事みずから御答弁されております。
 そこで、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて以降県が推進する和の食文化に関する取り組みの成果と今後の推進方策について伺います。
 次に、ふじのくに生物多様性地域戦略の策定について伺います。
 地球の長い歴史の中で時間をかけて育まれてきた生物多様性は、人類存続の基盤であるとともに地域における固有の財産として衣食住の素材、きれいな空気や水などさまざまな恩恵を我々にもたらしてくれます。
 私は、もともと競馬好きということが高じて週一回から二週間に一回のペースで乗馬をたしなんで二年ほどになります。目指す姿は暴れん坊将軍の登場シーンでありそのときのいでたちはこれということでありますが、ひとえに馬が生きている環境がそこにはあるからであり、動物愛護も生物多様性推進の観点に含まれるものと存じます。
 とある愛犬家の御夫妻が、レオポックルという名で犬の殺処分ゼロを目指して活動されておりますがその一つに動画配信があります。二頭のワンちゃんをめぐる三十分ほどのストーリー、これがユーチューブで配信されておりますので時間がありましたらぜひ皆さんごらんいただけたらというふうに思います。検索は兄さんとレオでございます。きっと涙腺が緩むことかと思います。
 ほかにも、地球上には数多く生物が存在しておりまして名前がついているもので百七十五万種、実際には三千万種とも言われる多くの生物がお互いに影響し合いながらその生命を育んでおります。また豊かな自然環境にあふれる本県では約一万三千種もの生物が確認されており、食材の宝庫たるゆえんがここからも見てとれます。
 生命の誕生以来、大陸の接続や分断、あるいは大きな気候変動を幾度も繰り返しながら生態系もまた変動していく中で生命の絶滅、これは自然現象として起こってまいりました。しかし産業革命以降人為によってさまざまな生態系が失われ今では年間四万種ほどが絶滅をしており、その絶滅速度は加速度的に増加をしているというのが実態であります。
 こうしたことから、国の生物多様性国家戦略では四つの危機について触れられております。その一つが開発によるものであり、今定例会でも取り上げられている伊東市での森林伐採はその最たる事例であります。地元の許可を得ることなくみずからのエゴによって行われた行為はまさに言語道断であり、県当局におかれましては厳重な対応を改めてお願いを申し上げる次第でございます。
 そのほかにも、中山間地域における人口減少や高齢化などに伴う里地里山の荒廃、船などの輸送機による外来種の侵入、地球温暖化などの環境変化等々が挙げられておりいずれも我々人による影響は非常に大きいと改めて感じるのであります。生物多様性の損失により食材の減少や偏り、価格の高騰、食糧不足、森林の喪失による土砂崩れや水資源の枯渇などなどさまざまでありまして、県民生活への影響ははかり知れないと私は考えています。
 国際自然保護連合――IUCNがことし二月に公表したレッドリストによりますと、地球上の約二万五千種余りが絶滅のおそれがある種、いわゆる絶滅危惧種に指定されており十月の静岡県版によると県内生物の六百十九種が対象になっております。前回公表時の平成十五年からは七十六種の増ということでございまして、浜松市の産業を長く支えてきたニホンウナギもこの中に含まれております。その他の野生動植物についても生息・生育環境の悪化が懸念をされるところです。
 このような動向を踏まえ、本県においても生物多様性基本法に基づく生物多様性地域戦略を本年度中に策定すると伺っております。
 そこで、今回の生物多様性地域戦略の策定に当たっての考え方及び本県ならではの特徴について伺います。また戦略の策定後はその実効性を確保していくということが重要であると考えますが所見を伺います。
 そして、この生物多様性、これを担保するためにも地球温暖化対策が重要な課題となってまいります。
 そこで、再生可能エネルギーの導入促進について伺います。
 国は、二〇三〇年度までに温室効果ガス排出量を二〇一三年度比で二六%削減の目標を掲げ総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合を二二から二四%としました。
 本県においては、東日本大震災以降再生可能エネルギー、特に太陽光発電の導入量が急速に増加をしております。これは平成二十四年七月に開始された固定価格買取制度、いわゆるFITや国や県、市町の各種助成制度などによるところが大きく、FIT開始直前――平成二十三年度末の十九万キロワットと比べ平成二十八年度末では百五十二万キロワットであり五年間で八倍という状況でございます。
 しかし、固定価格買取制度による調達価格は毎年度見直しが行われ制度導入当初にはキロワット時当たり四十二円だったものが現在では二十八円にまで低下しており、今後もその傾向は続くものと思われます。また皆様も御承知のとおり再生可能エネルギーは波形が不安定であることから、今後電気の買い取りを希望する新規設置者は波形を安定化する措置を講ずることになっておりその費用は自己負担です。
 こうした状況から、今後の導入に歯どめがかかるのではないか不安を感じるとともに、再生可能エネルギーをめぐっては私自身ある懸念を抱いております。
 私たちユーザーは、毎月電気使用料を支払っておりますが、この中に含まれる再エネ発電促進賦課金は増加の一途であります。平成二十五年度にはキロワット時当たり〇・四円だったのが平成二十九年度には二・六四円と六倍にまで増加をしております。ちなみに私の事務所におけることし七月十三日から一カ月間の電気使用量一万一千七百五十一円のうち約一割に当たる千六十八円が賦課金ということでございまして、さほど負担感というのは私自身は感じてはないんですけれども大量の電気を必要とする製造業者にとってはそうはいかないと私は思っています。月額電気使用料五千六百万円に占める賦課金が千六百万に膨れ上がっているケースもあるとお聞きをしたところであります。
 今後、再生可能エネルギーの導入促進に伴いその数がふえれば電気事業者における総買取価格は当然のことながら増加することとなり、賦課金による負担感はさらに増していくのではないか。あえて言うならば県民生活向上のための再エネ導入促進がかえって県民生活を圧迫することにはならないのか。私自身こうした懸念を抱くのであります。
 とはいえ、地球温暖化対策が国際的な課題である以上太陽光発電のさらなる導入と多様な地域資源の活用による再生可能エネルギーの導入促進が今後もますます求められるものと思われますが、県の今後の取り組みについて伺います。
 次に、障害者スポーツの振興について伺います。
 昨年のリオデジャネイロパラリンピックでは、本県の十二選手が出場し銀メダル四個、銅メダル三個のメダルを獲得し多くの県民に勇気と感動を与えてくれました。そしてこの本県選手の勢いはことしに入ってもとどまることを知りません。
 ことし七月にロンドンで開催された世界パラ陸上競技選手権大会において、佐藤友祈選手が二つの金メダルを獲得、さらには惜しくも三連覇は逃したものの山本篤選手の活躍もありました。また十月にタイで行われたボッチャのバンコク・ワールドオープンでは杉村英孝選手が日本人として初めて団体戦、個人戦で金メダルを獲得するなど昨年夏のリオパラリンピック以降も本県パラアスリートの活躍は続いております。
 開幕まで二年九カ月となりました二〇二〇年東京パラリンピックでも、日本選手とりわけ本県選手の活躍が大いに期待されると同時にリオでの感動を東京でも再びと考えているのは私だけではないと思います。
 そこで、東京パラリンピックに向け活躍が期待される本県のトップアスリートに対してどのような支援を行っていくのか伺います。
 さて、余談でございますが浜松市では毎年障害者スポーツ大会が開催をされます。開会式が終わりますと車椅子競争が行われまして、私も一度参加をしたことがあります。皆さん上手に車椅子を使われている、そうした姿を見ておりますと私自身も簡単にできるんだろうなと思いながら臨んだんですが、いざ乗ってみますと私の体が重いせいなのかわかりませんがなかなか前に進むことができず、四人で参加をしましたが結果は断トツの最下位ということでございまして、この車椅子に乗るということもやはり大変なんだなというのを改めて感じたところであります。
 こうした障害者スポーツ大会は県内各地で開催されており、県民の関心は徐々に高まってきていると思いつつも実際に体験したことがある、観戦したことがあるといった方はごく限られているのではないかと思います。また障害者のスポーツ実施率は健常者の半分、約二〇%であるとの統計結果もあるようです。東京パラリンピックを成功させるためにも県民の皆様にもっと障害者スポーツを知っていただく、触れていただくということが何よりも大事なのではないかと考えます。
 障害者スポーツへの理解を深め、誰もが気軽に楽しんでいただけるようどのような取り組みを展開していくのか所見を伺います。
 最後に、特別支援学校における副次的な籍の導入について伺います。
 県教育委員会では、これまで障害のある子供と障害のない子供が地域社会で互いに支え合いながら生活をし個々の教育的ニーズに応じた適切な教育を受けられる、共に生きる、共に育くむと書きまして、共生・共育を目指した特別支援教育を推進してきたと伺っております。
 また、平成二十八年四月に県教育委員会が策定した特別支援教育のあり方には、共生・共育を推進する手法の一つとして障害のあるなしにかかわらず地域でともに学ぶ居住地における交流及び共同学習を積極的に行っていく必要があると示されております。さらにそのためには特別支援学校に通う児童生徒が居住する小中学校に副次的な籍を置く制度が効果的であるとも示されております。
 こうした中で、ことし十月の新聞報道によりますと長野県では副次的な籍を副学籍と名づけ特別支援学校に通う障害のある子が自宅近くの小中学校でも学ぶ仕組みをつくっており、この制度が広がっているとありました。記事によると交流を通じて保護者からは存在を認めてくれた、うれしかったとの声がある一方で、学校からは保護者が前向きになる状況ができた、市町の意識も大きく変わったと感じているとあり、この記事からも交流及び共同学習には副学籍制度が効果的であると言えるのではないかと思っております。
 全国的にも、居住地の学校に副次的な籍を置く制度を整えた都道府県や政令市が少しずつではありますがふえてきていると伺っております。副次的な籍を置くことや交流及び共同学習を積極的に進めていくことは、将来的に障害のある方が地域住民の一員としてともに活動していくために重要になってくることは言うまでもありません。
 そこで、県教育委員会では交流及び共同学習における副次的な籍の導入に向け今後どのように取り組んでいかれるのか、教育長の所見を伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(山田 誠君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 田形議員におかれましては、前回に引き続き羽織はかまの正装で御質問いただきまして恐縮でございます。日本には着物というすばらしい和服文化のあることを改めて認識した次第でございます。
 新たな文化振興基本計画についてお答えいたします。
 本年六月に文化芸術振興基本法が改正されました。同法では文化芸術の振興にとどまらず観光、まちづくり、福祉、産業などの関連分野との連携が求められることになりました。
 本県では、これに先立ち平成二十六年に策定した第三期静岡県文化振興基本計画におきまして既にこの考えを取り入れております。すなわち文化振興の基本方針として、「みる」、「つくる」、「ささえる」人を育て感性豊かな地域社会の形成を目指すことを掲げ、文化の範囲を芸術のみならず生活文化も含め広く捉えることとしております。その上で多様な分野との連携、あるいは市町、企業、学校、団体などとの連携により本県の文化力の向上を図るという考え方によりファッションあるいは食文化もテーマに取り上げた子ども芸術大学や福祉団体と連携した絵画展、コンサートなどさまざまな取り組みを実施してまいりました。
 平成二十七年度に実施いたしました文化に関する意識調査の結果では、議員の御指摘のとおり一年間に芸術や文化を鑑賞した人や活動を行った人の割合は目標値を下回っております。しかし一方で芸術・文化への県民の関心は年々高まっている状況にあります。目標値に達していないことの課題といたしましては子供のころから文化に触れる機会が十分でない、アーティストや文化団体等の活動する機会が十分でない、さらに文化活動を支援する仕組みや専門的人材を育成する体制が整蒲されていない等々が考えられます。
 このため、次期計画におきましてはこのような課題を踏まえ次の三つの施策を展開していくことを検討中です。
 第一に、子供が多様な文化と出会う機会の充実を図るために学校教育におきましては文化芸術教育の充実やプロオーケストラによる学校訪問、舞台芸術の分野におきましてはSPACの中高生鑑賞事業の充実など子供たちが芸術に接する機会をふやします。
 第二、多様な分野と連携を図るためには文化プログラムを展開することが有効であると考えます。障害のある方も含め多くの方々に参画していただきながら市町、関連団体等と連携してオール静岡の体制で積極的に展開してまいります。
 第三、文化活動を支援する体制の整備につきましては地域の文化活動を支援し専門的な人材を育成するなどの専門機関、いわゆるアーツカウンシルの設立を目指してまいります。
 短期的にはこういうことなのですが、議員御指摘のとおり文化につきましてはいわゆる狭義の文化芸術にとどまらず服飾文化を入れた生活文化、あるいはお祭り、さらに自然も文化的景観として文化の範疇に入ることになりました。これは一九九二年にユネスコがこのコンセプトを導入して以来そのようなコンセプトが生かされて、自然でしかない富士山も文化的景観として認識されているわけであります。
 一方で、やはりもう一度文化について根本的に考え直す時期が来ているとも思います。現在ノーベル賞の授賞式が行われております。これは言うまでもなく文化の最高峰でしょう。しかしこの文化はいわゆる知性を高める学問、その最高の華だと思います。一方技芸を磨く実学というのがあります。ここにはスポーツ、芸術、芸能が入りますけれども、そのほかにもちろん農業や林業、水産業なども入るわけでありますけれども、こうした技芸を磨く実学における最高峰は四年に一回のオリンピック・パラリンピックでありましょう。これもまた私は広い意味での文化だというふうに思う次第でございます。どちらかといえばいわゆる芸術や学問に偏した文化理解からもう一つ広く、しかも静岡が得意とする分野、すなわちスポーツ、技芸におきましても文化として捉える時期が来ているというふうに思う次第であります。
 例えば、つい最近現代の名工として厚生労働大臣から静岡県史上始まって以来九人もの方が現代の名工に認定されました。この方たちの持っている技能というのはトップクラスでありまして、言ってみれば文化的財産だというふうに思っているわけでございます。これらにつきましても社会に還元する必要があるということでその中には広く農業経営士、林家あるいは漁業経営士などの方たちがいらっしゃいますが、これらを含めて技芸を磨く実学も入れ込んだ形での計画の策定をしていかねばならないというふうに思っている次第でございます。
 県としましては、こうした文化についてのもう一度ガラガラポンをした形でのしっかりとした再認識を踏まえました上で県民の皆様や文化団体等にさまざまな文化活動を行う機会を提供していくとともに、静岡県の豊かで多彩な文化資源の魅力の向上に取り組むことによりましてふじのくに芸術回廊の実現、感性豊かな地域社会の形成を目指してまいります。
 他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(山田 誠君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 和の食文化の推進についてお答えをいたします。
 本県は、茶やワサビ、水産物、日本酒など多彩で高品質な農芸品や加工品の生産が盛んであり、かつ消費量が多く、こうした特徴を生かして静岡らしい和の食文化を推進しております。
 県では、県産食材を積極的に使用し本県の農林水産業及び食文化の振興に貢献している料理人をふじのくに食の都づくり仕事人としてこれまでに和食に加え洋食や中華料理などから四百四十六人を表彰しております。この中には豚肉やアルコールを使わない料理を提供するハラールへの対応ができる方が含まれるなど、広く和の食文化の推進に貢献をしていただいております。
 また、学校の教諭や栄養士、地域のボランティアなどを対象に地域の食材の魅力や食文化についての研修を行い和の食文化を推進する指導者を平成二十五年度から昨年度までに六十六人育成してまいりました。その上で食の都づくり仕事人が小学校に出向いて五感を使って食べる大切さを伝える食の都の授業や地域のボランティアが子供たちに食材や食文化への理解を促す食農体験講座を開催するなど、和の食文化が広く県民の皆様に浸透する取り組みを進めているところであります。
 さらに、平成二十六年度からふじのくに和の食国際アカデミーを開催し本年度までに台湾やマカオなどから三十人の料理人を受け入れ本県食材の魅力や調理技術を伝授しており、今後も世界に向けて和の食文化を広めてまいります。
 来年一月には、浜松市内で「魅力を体験! しずおかの食と花で生活を豊かに」をテーマにふじのくに食と花の都の祭典を開催いたします。県内の農芸品を一堂に集め食文化の体験、展示、仕事人によるステージでの調理実演、西部地域の女性農業者によるマルシェなどを実施することで多くの来場者の皆様に県産食材やこれらを使った和の食の魅力をさまざまな形で体験していただく予定です。
 県といたしましては、今後とも市町や関係団体と連携し和の食文化を牽引する人材を育成するとともに、ラグビーワールドカップ二〇一九や東京オリンピック・パラリンピックなどの機会を活用し本県の和の食文化を国内外に積極的に情報発信してまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 木利夫君登壇)
○くらし・環境部長(木利夫君) ふじのくに生物多様性地域戦略の策定についてお答えいたします。
 全国的にも豊かな動植物の生息・生育環境に恵まれている本県におきましても、里地里山の荒廃や外来生物の侵入などにより生態系のバランスの悪化やニホンジカ、イノシシなどの野生鳥獣の著しい増加による被害が深刻化する一方で身近な種が絶滅の危機にさらされております。
 こうした中、県では多彩で豊かな自然を後世に継承していくための行動計画でありますふじのくに生物多様性地域戦略を策定することとし、生物学分野の研究者を初め農業、経済界、NPO法人などの有識者で構成される委員会において三年にわたり検討を重ねてまいりました。
 戦略では、単に自然を守るというだけではなく産業や文化とのかかわりを含めて生物多様性の大切さを理解しこれを支える社会をつくり、生態系を保全、再生、創出するために県民が力を合わせて行動していくことを目指しております。このため行政、県民、事業者などそれぞれの主体ごとの具体的な取り組みを示したところであります。さらには特徴的な地域の環境を重点的に守るために日本最高峰の富士山や特異な自然環境と固有種で知られる伊豆半島など地域の宝と言うべき環境を保全するための地域個別計画も盛り込んでおります。
 戦略を進めるに当たりましては、各主体と連携協働し着実に行動計画を推進するとともに、有識者等から構成される推進会議から助言をいただき年次報告書などを作成するなど的確な進捗管理を行ってまいります。
 県といたしましては、自然景観と生活景観が織りなす荘厳な環境を持つこのふじのくにを百年後、一千年後も継承できるよう取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 天野経済産業部長事務代理者。
       (経済産業部長事務代理者 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長事務代理者(天野朗彦君) 再生可能エネルギーの導入促進についてお答えいたします。
 エネルギーの地産地消を推進するためには、再生可能エネルギーの導入促進を図っていくことが極めて重要であります。
 太陽光発電につきましては、本県の恵まれた日照環境等により地産エネルギー導入拡大の原動力として重要な役割を果たしております。その一方で導入のインセンティブとなってまいりました固定価格買取制度の調達価格の下落や発電量の不安定さによる電力系統への負荷の増大、自然環境との調和、さらに賦課金の産業への影響など導入拡大を図る上での課題も生じております。
 また、近年一部の電力会社で再生可能エネルギーの接続可能量の超過等による系統接続の問題が発生いたしました。東京電力、中部電力ではそのような事態には至っておりませんが、太陽光を初め風力やバイオマスなどの再生可能エネルギー事業への事業者の参入意欲がそがれるおそれもあります。
 このため、県では太陽光など再生可能エネルギーを将来にわたって安定的に活用しその導入拡大を促進するため、地域に分散する再生可能エネルギーを蓄電池と遠隔制御で組み合わせ地域内で有効活用を図る仮想発電所――ふじのくにバーチャルパワープラントの構築を進めております。ことし九月には有識者や電力関係事業者、市町などから成る協議会を立ち上げ、現在システムの概略設計や事業性評価などを行っているところです。
 県といたしましては、こうした取り組みを積極的に進めることにより太陽光発電を初め小水力、バイオマス、温泉エネルギーなど本県の豊かな自然資源を生かした多様な再生可能エネルギーの導入を一層促進しエネルギーの地産地消を着実に推進してまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 障害者スポーツの振興についてお答えいたします。
 障害者スポーツは、障害のある方の健康増進や生きがいを与えるだけでなくスポーツを通じて障害の有無によって分け隔てられることのない社会の実現を目指すものであります。障害者スポーツの裾野を広げその振興を図っていくためには障害者アスリートの育成を行うとともに障害のある方もない方もともにスポーツを楽しめる環境を整備していくことが重要であります。
 県では、今年度から新たな取り組みといたしまして、東京パラリンピックを目指す選手の方たちが競技活動に専念でき競技力を伸ばしていただけるようにオリンピックアスリートと同様の助成制度を創設いたしました。指定された強化選手二十一名に対しましては国際大会への参加旅費や競技用品の更新費用を支援するなど、世界で競い合える環境を整え日本を代表するパラアスリートの育成を行っております。
 また、県民の障害者スポーツへの理解を広げるため、多くの県民が集まるイベントにおきまして身近に障害者スポーツを感じていただく体験機会の提供や講演会の開催に加えまして、リオデジャネイロパラリンピックに出場いたしました障害者スポーツ応援隊の皆様方による障害者スポーツの魅力発信など障害者スポーツに親しむ県民意識の醸成と一層の普及に取り組んでおります。
 今後も、東京二〇二〇パラリンピックにおいて伊豆ベロドロームで開催されるパラサイクリングを初め車椅子バスケットボールやボッチャなどさまざまな障害者スポーツのおもしろさ、すばらしさの理解と普及に努め障害のある方もない方も気軽にともに楽しめることができるよう障害者スポーツの振興に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 特別支援学校における副次的な籍の導入についてお答えいたします。
 障害のある子供と障害のない子供が地域社会の中で支え合いながら生活し、適切な教育を受けられる共生・共育は昨年施行された障害者差別解消法の考え方とも通ずるものであり、この理念に基づく教育を一層推進する必要があると考えております。
 しかしながら、居住地域での交流及び共同学習の実施に際しては特別支援学校の教員が付き添うことでその間の業務をカバーする体制が必要であることや、小中学校側の準備の負担のほか我が子の障害を交流校の子供たちに理解してもらえるかという保護者の不安などの課題があり十分に進んでいない状況であります。
 このため、県教育委員会では国の研究機関とも連携して沼津市、藤枝市をモデル地域に指定し交流籍と名づけた副次的な籍の導入に向けた取り組みを行っております。特別支援学校の児童生徒が居住地域の一員であることを共通して認識できるよう市町教育委員会、小中学校と共同で交流籍名簿を作成し、その上で交流及び共同学習のあり方の研究を進めております。
 今後は、この研究成果を踏まえまして交流及び共同学習実施のためのガイドブックを作成し小中学校に周知を図ることとしており、平成三十一年度から全県での実施を目指しているところであります。
 県教育委員会といたしましては、市町教育委員会などと連携し障害のある人が地域の一員として活躍できる共生社会の構築に向けて特別支援教育の充実に取り組んでまいります。以上であります。

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