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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

良知 駿一 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/02/2020

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 今後の地域外交の展開方針について                
2 消防団活動の課題と支援について                 
3 災害時の情報伝達手段の確保について               
4 県民にとってわかりやすい県政情報の発信について         
5 エビデンスに基づく政策立案(EBPM)のための人材育
 成について                            
6 産業分野における5Gの活用促進に向けた取り組みについて


○議長(鈴木利幸君) 次に、三番 良知駿一君。
       (三番 良知駿一君登壇 拍手)
○三番(良知駿一君) 温かい御声援ありがとうございます。皆様、改めましておはようございます。
 ふじのくに県民クラブ一期生の良知駿一でございます。多くの方々の応援をいただきまして、この議場に立つ機会を得ることができました。その応援していただいた方々の、よりよい静岡県に向けて頑張ってほしいという御期待に沿えるよう精いっぱい取り組んでまいります。
 さて、私は前職ITベンチャー企業で研究開発に携わっておりました。質問に技術的な内容も含まれている関係上、片仮名、英語が幾分多いかと思います。日本語に訳すよりもそのままの名称で述べたほうがわかりやすく、適宜簡単な解説も交えてまいりますのでどうか御容赦願いたく存じます。
 それでは、ふじのくに県民クラブの所属議員として県政の諸課題について通告に従い知事、副知事及び関係部局長に一括質問方式にて質問いたします。
 初めに、今後の地域外交の展開方針について伺います。
 まず初めに、来年度の当初予算に関する質問をいたします。
 予算編成方針の人づくり・富づくりを加速するための重点的な取り組みの一つとして、世界の人々との交流の拡大が掲げられております。知事は就任以来友好的互恵・互助に基づく善隣外交、異文化との心の交流と相互の富の増進、対内政策と対外政策の一体的な経営を基本理念とする地域外交を県政の主要施策の一つとして推進されてきました。
 県の地域外交基本方針では中国、韓国、モンゴル、台湾、東南アジア、インド、米国の六つの国や地域を重点国・地域と定め人をつくり富をつくり平和を築く地域外交の展開を戦略方針とするとともに、有徳の人、憧れの地域をつくる交流や通商、スポーツ・観光交流の促進を重点的取り組みに掲げています。また上海、ソウル、台北、シンガポールの四カ所に海外の活動拠点となる駐在員事務所を設けて本県の地域外交を展開してきたものと理解しています。
 こうした取り組みにより四十年近く交流を続けている中国浙江省を初め韓国忠清南道、モンゴル・ドルノゴビ県など友好提携先との交流を深める一方、経済協力などの覚書を交わしているインドネシア西ジャワ州や昨年度重点国に位置づけたインドのテランガナ州などからも本県との交流拡大に向けた要望が寄せられるなど、これまで築いてきた交流の輪がさらなる広がりを見せ始めております。先月には本県との交流の意向を示しているロシア・ノヴゴロド州を地域外交担当部長を初めとする一行が訪問し、今後の交流に向け現地調査を実施したと聞いています。
 本県の魅力を世界に発信し多くの国や地域と交流を進めるのは評価できます。しかし限られた人員や予算の中で交流を拡大していくのには限度があると考えます。
 そこで、このように交流先がふえていく中で県は今後どのように地域外交を展開していくのか伺います。
 次に、消防団活動の課題と支援について伺います。
 消防団は地域に密着した地域防災のかなめです。近隣住民の家族構成や細かい地理情報など、ふだんそこに定住していない常設の消防署隊とは異なる情報網を持っており代替の組織にはなりません。団員の方々には日々火災や水害の災害出動への備え、平日の仕事終わりや休日に災害出動に伴う訓練、機器の点検整備、イベント等へ参加していただいております。
 日々の消防団活動において大きなウエートを占めているのが操法大会訓練です。操法自体には消火活動の基本動作という必要な部分も含まれておりますが、大会のためのものになると対外的に見せるための実際の消火活動で重要視されない規律動作も含まれ訓練時間をふやしている要因となっています。そして大会が近づくと週三から週五という頻度での訓練も珍しくありません。
 私の地元浜松市消防団北区支団細江方面隊は前々回の県の操法大会において小型ポンプの部で優勝しましたが、ある選手は御家族の大会訓練の御理解が得られず退団せざるを得ない状況に陥ってしまいました。
 さらに、近年は火災だけでなく激甚化する風水害や懸念されている震災への対応が求められています。活動内容がふえる中、消防団員数は減少の一途をたどっています。県消防協会によれば静岡県の消防団員数は令和元年十月時点で一万九千三百五十四人であり、平成二十一年十月時点と比較して千九百九十九人の減少、率にして九・四%減であり、全国における六・一%の減と比較しても高い減少率です。
 さまざまな消防団に関するアンケートを調査したところ、入団しない理由として多く挙げられていたのは自分の時間がとれないということでした。消防団の強みはマンパワーであり団員確保は喫緊の課題であります。消防団員の主力となる二十代から四十代は仕事、子育て、プライベートで多忙です。私自身分団長を経験し現在本部員として活動しておりますが、団員として消防団活動に時間を割いていただくためにまずは活動を適正化しその内容を御理解していただくことが最優先だと考えます。
 県は、消防団活動の課題をどのように認識し支援していくのか伺います。
 次に、災害時の情報伝達手段の確保について伺います。
 ICT――情報通信技術の発展に伴い、行政から住民へ災害関連情報を伝達する手段は従来からの市町村防災行政無線やテレビ、ラジオ等のメディアを通じた広報に加えコミュニティー放送、ケーブルテレビ、携帯電話キャリア――このキャリアというのは通信事業者のことでございます――が提供する緊急速報メールや登録制のメール、自治体のウエブサイトやSNS――ソーシャルネットワークサービスなど多様化しています。特に現在ではスマートフォンの普及に伴いインターネット経由の情報取得が主流となりつつあります。
 スマートフォンの個人普及率は二〇一七年時点で二十代では九五%弱、五十代においても七〇%強であり、インターネットを活用した情報収集は災害情報のみならず当たり前のものとなっています。
 そのような状況の中、災害時の情報を提供する自治体のウエブサイトやSNSは非常に有用なものであると言えます。しかし災害情報を提供するウエブサイトにおいては一般的なものとは異なり被災時にアクセスが集中するという性質を持ちます。
 昨年の台風十五号では千葉県、台風十八号では沖縄県でケーブル損傷等の物理的障害が発生し、台風十九号ではNHKの調査により少なくとも五十三の市区町村のウエブサイトにアクセス障害が発生していることが報じられています。ネットワークにおいてはこのような障害を防ぐために通常冗長化という経路に余裕を持たせる設計を行いますが、それが有効に機能しなかったと言えます。
 今後の激甚化が想定される風水害や切迫性が高まっている南海トラフ地震に対し、県民一人一人に確実に災害情報を伝達する手段を講じなければなりません。そのために自治体のウエブサイトにおいては集中的なアクセスに耐えられるようウエブサーバーの性能を強化する等の対策が必要になります。
 さらに、ケーブル損傷や携帯電話基地局にトラブルが起きた際などインターネット自体に接続不可能となった場合、また高齢者等そもそもインターネットアクセスが困難な住民に対する情報伝達手段も備える必要があります。可能な限りの多様性や多重性を持たせた災害に強い情報伝達手段の確保が求められると考えます。
 これらの課題を踏まえ、県民が情報を取得しづらい状況になりやすい災害時において県は情報伝達手段の確保のためどのように取り組んでいるのか伺います。
 次に、県民にとってわかりやすい県政情報の発信について伺います。
 県が昨年九月に公表した令和元年度の県政世論調査結果によれば、県政に関心がない人の割合は三三・一%でした。その理由を尋ねると県政はわかりにくいからが二九・四%、自分の生活に関係がないからが二〇・五%を占めました。こうしたことからも、県民の県政への関心を高め参画を促していくためには県政情報をわかりやすく伝え県政を身近に感じてもらうことが重要であると再認識できます。
 県では、県政全般に関する情報発信のため県民だよりやラジオ、ホームページなど複数の広報媒体を持っています。県政世論調査結果によれば、それぞれの広報媒体で伝える内容についてはおおむね八割程度はわかりやすかったと評価されているとなっています。
 しかしながら、県民だよりを読んでいる人の割合は平成二十七年度の六三・七%と比べ令和元年度には五六・八%に落ち込むなど、そもそも県の広報媒体が見聞きされる割合は近年低下傾向にあります。また若年層向けにツイッター「静岡県庁わかものがかり」を始めたものの、昨年十一月時点で定期閲覧者数は一万人程度にとどまるなどその浸透には限界も感じられます。
 県民の県政全般への関心を高めるためには、ターゲットと広報内容を整理し効果的な手段で情報発信を行うことが重要であると考えます。
 そこで、県は今後どのような手段で県政全般の情報を効果的に発信していくのか伺います。
 また、各部局も含め県が作成する個々の広報物に関してはより多くの人々が見やすい、わかりやすいという視点で作成することが重要です。現在では読みやすい文字を目標に文字の特徴を明瞭にして作成されたユニバーサルフォント――ここでフォントとはワードやエクセルなどで切りかえられる明朝体やゴシック体のようなものと認識してください――また文字の大きさや行間に配慮したレイアウトなど、いわゆるユニバーサルデザインの概念に合致する技術的な知見も得られつつあります。
 何点か県から出された広報物を見てみると、表紙に大きな写真を掲載する一方、説明文章の文字間が狭く文字が敷き詰められて読みづらくなっているものや職場内で回覧されるような事務的な色使い、レイアウトで作成されているもの、縦書きをメーンとしながら補足説明を横書きしているものなど読みやすさに欠けるものが複数見受けられました。
 また、県が管理するウエブサイトでは工業規格であるJIS規格に準拠し誰もがウエブコンテンツにアクセスできるという意味のアクセシビリティーが図られていますが、コンテンツそのものの見やすさ、わかりやすさには踏み込んでいないものが多く、ウエブアクセシビリティー取り組み確認・評価表に基づく確認評価結果の利用者との協調の項目では六点満点中二点であり、これでは利用者の立場に立った作成がされているとは言えないと考えます。なお他の自治体のウエブサイトにおいてもこの項目の点数は軒並み低く、零点も珍しくありませんでした。
 制度周知のリーフレットや情報をまとめたガイドブックなど、県民の生活にかかわり役立つ情報であればこそより多くの人々が読みやすい、わかりやすいという視点に基づいてつくるべきであり、またそういう共通認識を全ての職員が持つ必要があると考えます。
 そこで、各部局も含め全庁的に県民にとって見やすい、わかりやすい広報物の作成を進めるため、県はどのように取り組むのか伺います。
 次に、エビデンスに基づく政策立案――EBPMのための人材育成について伺います。
 最初に補足しますと、EBPMとはエビデンス・ベースド・ポリシー・メイキングの略でエビデンス――証拠、つまり数字やデータに基づく政策立案という意味です。
 IoTやネットワークの発展によりさまざまな事象はデジタルデータへ変換することが可能になりました。そのデータは巨大、複雑でビッグデータと呼ばれています。民間ではビッグデータを機械学習、ディープラーニングによって解析しマーケティングや研究に活用しています。経験則や勘だけではなくデータに立脚して意思決定する時代に突入したと言えます。
 平成二十八年に成立、施行された官民データ活用推進基本法の第一章第五条には「地方公共団体は、基本理念にのっとり、官民データ活用の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の経済的条件等に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」とあります。
 また、総務省は政策の目的、手段の因果関係の明確化と政策効果の適切な把握分析に向けて各府省と課題を共有し実践につなげるため平成三十年十月にEBPMに関する有識者との意見交換会の報告書を公表し、令和元年五月に地方公共団体におけるデータ利活用ガイドブックを公表するなどEBPM推進に係る取り組みを行っています。
 財源、人材等の資源は限られており県は効果的な事業展開を行っていかなければなりません。そのためには部局をまたがったデータの共有とデータの利活用によって事業に対するエビデンスを得るプロセスが必要と考えます。
 本県でも、令和二年度の予算編成方針としてエビデンスに基づく事業評価を強化し、現場に精通する部局長のマネジメントのもと課題解決に直結する効果的な手法への転換など真に必要な事業の選択に徹底して取り組むとしています。
 また、次期総合戦略の策定に当たっては施策ごとにKPI――重要業績評価指標として具体的な数値目標を設定するなど政策立案や予算編成のプロセスにEBPM的な発想を取り入れていますが、実際にこれらの施策を実行し事業展開していくのは現場の職員です。しかし多くの有識者から行政組織に対して統計的なデータの分析能力を有する人材の不足、育成確保の必要性が指摘されており、本県のICT政策の推進体制を見ても十分とは言えません。
 今後、EBPMの定着を図るには必要な専門知識を習得した人材の育成確保が重要な課題であると考えますが、県としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 最後に、産業分野における5Gの活用促進に向けた取り組みについて伺います。
 近ごろ話題になっており今年中の商用化が開始する予定の5G。5Gとは、現在携帯電話やタブレットなどにも使用されている4Gという移動通信システムの次世代の規格です。この5Gは、4Gと比較して高速大容量、低遅延、多数同時接続という特徴を持ちます。この特徴を生かし自動運転、遠隔医療、スマートシティー、スマートファクトリー、スマート農業、高臨場感のスポーツ観戦等が可能になるとされています。
 この通信システムには無論電波が使われています。一般的に電波は周波数が高くなるほど伝達する情報量が大きく、つまり高速通信ができ障害物に弱い、つまり遠くまで届きません。5Gは4Gと比較して高周波数帯を使用するため電波の性質により届く範囲が狭くなります。しかしながらそれを逆手にとり、ある一定の区域内に限り5Gネットワークを構築するというローカル5Gの活用も事業者で検討されています。
 トヨタ自動車株式会社は、令和二年一月六日にラスベガスで開催された技術見本市CES――コンシューマー・エレクトロニクス・ショー二〇二〇において、人々の暮らしを支えるあらゆるものやサービスがつながる実証都市――「コネクティッド・シティ」を、裾野市のトヨタ自動車東日本株式会社工場跡地にて設置するプロジェクト概要を発表しました。このプロジェクトにおいて欠かせないものは無線通信技術であり、5Gを活用して将来技術の実証を行っていくことが予想されます。
 5Gの活用は今後の世界的な流れであり、その有用性をいち早く見出していかなければなりません。しかし5Gは新技術であり、中小企業にとってはその有用性を確認するためにはインフラ整備等大きなコストがかかると想定されています。
 東京都は令和元年十二月二十四日にローカル5Gの無線局免許申請を行いました。これは東京都立産業技術研究センターにローカル5G環境を整備し中小企業の5G関連の新製品や新技術の開発に対するサポートを行い、また東京大学及びNTT東日本と連携してローカル5Gを活用したユースケースを創出し、さまざまなイノベーションの実現を図るためとしています。
 本県の総合戦略に技術革新を新たな力にするとあり、5GはIoTの基幹技術ともなり得ることから静岡県においても民間における5G活用を促進していくべきと考えます。
 そこで、産業分野における5Gの活用促進に向けどのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 良知駿一議員の御質問を聞きながら情報分野に明るい方であるということがよくわかりました。同じ選挙区で前任者の野澤義雄さんは大地について明るくミカンの日本を代表するエキスパートであったわけですが、良知議員におかれましては情報分野におけるエキスパートとして県政に御協力、また御尽力賜りたいと存じます。
 さて、良知議員にお答えいたします。
 今後の地域外交の展開方針についてであります。
 本県では、上海、ソウル、台北、シンガポールの駐在員事務所を拠点として友好協定締結先である中国、モンゴル、韓国等を中心に全庁を挙げて地域外交を推進しております。本年度は重点国・地域の一つであるモンゴルや東南アジアのインドネシアにおきまして高度な技術や知識を持つ人材を採用するための合同面接会を開催し、優秀な人材の雇用確保を目指している本県中小企業の採用を支援いたしました。
 また、インドとはテランガナ州との交流を進めているほかインドに本社を持つゾーホージャパンが川根本町にサテライトオフィスを設置しインド人社員を常駐させるとともに、地元川根高校の卒業生を採用し地方創生のモデルとして全国から注目されております。
 また、議員からも御紹介がございましたように調査団を派遣したロシア・ノヴゴロド州との交流などこれまで築いてきた交流の輪がさらに広がりを見せております。インドネシアの西ジャワ州、インドのテランガナ州、ロシアのノヴゴロド州、これらは私どもが働きかけたのではなくて相手側から強いたび重なる要請がございまして交流が今始まろうとしているところであります。それもこれまでの地域外交の成果の一つではないかと思っております。
 さて、そこで来年度はこのような交流をより積極的に進め地域外交の成果を上げていくため限られた予算と人員を有効に活用することといたしました。すなわち既存の駐在員事務所に加えて、新たにコワーキングオフィスを活用した活動拠点を設けることとしたのでございます。
 設置が容易なコワーキングオフィスでは、事務所や打ち合わせスペースなどを共有しコストを削減できます。その一方オフィスを情報交換や商談の場として活用できるメリットがございます。
 こうしたメリットを最大限生かし現地でのネットワーク構築や情報発信、情報収集を図ってまいります。
 エコパスタジアムで開催されたラグビーワールドカップ二〇一九では、優勝候補アイルランドに対する日本の勝利がシズオカ・ショックとして世界を駆けめぐりました。同国からはむしろ友好が深まった感じがございまして、本年十一月に首都ダブリンで再戦が予定されているテストマッチ、日本代表対アイルランド代表戦に合わせて本県訪問団をぜひ来てほしいとの招待が舞い込んでおります。
 また、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを迎える本年は県内で全国最多の十五市二十六件となる世界十三カ国・地域の事前キャンプが予定され、本県と海外とのこれまでにないグローバルな規模での交流が期待されているところであります。
 県といたしましては、世界からの活力を取り込み低迷する国内需要や人口減少に伴う人材不足等県政の諸課題の解決につなげ、県民の皆様や県内企業が多く恩恵が享受できますように積極的に地域外交を展開してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○議長(鈴木利幸君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 産業分野における5Gの活用促進に向けた取り組みについてお答えをいたします。
 第五世代移動通信システム、通称5Gは今月には日本で商用サービスの開始が予定されています。5Gは4G――第四世代ですが――それに比べまして三つの特徴があると認識をしております。
 一つは通信速度が4Gの約百倍になるという超高速性、二番目はリアルタイムに近い状態で情報のやりとりが可能な超低遅延性、さらには多数の機器が接続できる多数同時接続性、これが大きな特徴であると認識をしております。これによって製造業のみならず交通、防災、農業、医療、ヘルスケアなどさまざまな領域において飛躍的な生産性向上や新たなビジネスチャンスをもたらし、また県民生活の向上にもつながると期待をしています。
 国は、この5Gの早期普及を図るため携帯電話事業者が全国で提供する5Gサービスとは別に5Gの電波を地域限定で企業や自治体などに割り当てるローカル5Gを昨年十二月に制度化し地域企業等による柔軟なネットワークの構築を目指しています。こうした通信基盤技術の著しい進化は地域企業のデジタル化を加速させAIやIoTなどの普及にもつながります。5G通信網を整備しAIやIoTと組み合わせることで、例えば自動運転の実用化の促進や工場の生産設備の自動化など生産効率を高めるスマート工場への転換、あるいは危険度の高い建設現場における重機の遠隔操作の実現など利便性と生産性を劇的に向上させるさまざまな応用が考えられます。
 このため、県では昨年十二月に5Gの導入に向け部局横断組織である静岡県5Gタスクチームを立ち上げました。その取り組みの一環として本年一月から二月にかけて民間事業者と連携して実施する「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」におきまして、数年後に見込まれる5Gサービスの本格運用を見据え全国初となる信号制御と連動した自動運転の実証実験を行ったところです。
 また、県内企業に最新の技術情報と活用事例についての理解を深めていただくことを目的に、昨年十一月に静岡県IoT推進ラボを県工業技術研究所に設立いたしました。企業向けのセミナーを開催する予定です。このラボにおいて、IoT導入支援拠点としての機能を生かしつつ、5Gの導入による利便性や生産性向上などのメリットとともに初期投資やセキュリティー上の課題なども含めて県内企業への情報提供に努めてまいります。
 5Gにおきましてもオープンイノベーションが重要です。首都圏等のICTスタートアップ企業と県内企業との商談会――TECH BEAT Shizuokaなどを通じて、多数のセンサーを同時接続して農場の管理を自動化するスマート農業やリアルタイムで遠隔地のロボットを操作する遠隔医療など、通信分野における技術開発力を持つスタートアップ企業と多様な分野の県内企業との協力関係の構築を促進し5Gの社会実装を積み上げてまいります。
 県といたしましては、こうした取り組みにより5Gの有用性を県内企業と共有し5GやAIなどの技術の活用を促進して新しいビジネスやサービスの創出につなげるとともに、利便性が高い快適に暮らすことのできるスマートガーデンカントリーふじのくにづくりを進めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 金嶋危機管理監。
       (危機管理監 金嶋千明君登壇)
○危機管理監(金嶋千明君) 消防団活動の課題と支援についてお答えいたします。
 消防団は、郷土愛護の精神のもと火災はもとより地震や風水害などの災害から県民の生命、財産を守るため昼夜の別なく献身的な活動をされており地域防災のかなめとして欠くことのできない存在であります。一方議員御指摘のとおり県内の消防団員は減少傾向となっており、県消防協会からは事業所における消防団員の確保や消防団員が活動しやすい環境の整備について御要望が寄せられております。
 県では、これらの課題に対応するため消防団活動に理解のある事業所等を表彰するとともに、議員の皆様の御提案で制定された条例により消防団を応援している事業所等に対しまして県税の軽減措置を講じているところであります。また消防団員が活動しやすい環境を整備するため消防団詰所や資機材等の整備、消防車両の運転に必要な準中型免許の取得費用等につきまして市町と連携して財政的な支援も行っております。
 県といたしましては、これらの取り組みにより地域防災のかなめである消防団の活動を県民の皆様に広く御理解いただくとともに、消防団員の活動環境の整備に向け市町等と連携して支援を行ってまいります。
 次に、災害時の情報伝達手段の確保についてであります。
 災害時には県民の皆様に必要な情報が確実に届くことが重要であります。このため県や市町では停電等により通常の通信手段が使用できないことも想定し防災行政無線や同報無線等により地震、気象等の警報や避難勧告等の緊急情報を伝達することとしております。
 また、災害時に多くの方々が必要とする道路、医療、避難生活等に関する情報につきましては、議員御指摘のとおりウエブサイトへのアクセス障害が懸念されております。
 このため、県ではホームページ公開用のサーバーを二台設置して負荷を分散しているほか、アクセスが集中した場合はクラウドサービスを利用して県外のサーバーに自動的に切りかえる措置を講じることとしております。
 一方、高齢者などインターネットからの情報入手が困難な方がおられることやインターネットの通信環境が途絶した場合に備え、災害に強い情報伝達手段である戸別受信機や防災ラジオなどの普及を図るため地震・津波対策等減災交付金により市町を支援しております。
 県といたしましては、これらの取り組みにより南海トラフ地震などの大規模災害発生時に必要な情報を県民の皆様に確実に伝達するため情報伝達手段の多様性、多重性の確保に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 篠原知事戦略監。
       (知事戦略監 篠原清志君登壇)
○知事戦略監(篠原清志君) 県民にとってわかりやすい県政情報の発信についてお答えいたします。
 県は、各部局に部長代理等が務める広報官を置き、それぞれの分野で広報すべき内容とターゲットを整理した上で効果的な広報を行う体制を整えております。一方広聴広報課に広報アドバイザーを置き各部局への専門的なアドバイスを行うとともに、広報手法についての研修会を実施しております。
 県の基幹広報紙である県民だよりにつきましては、現在毎月百二万部を新聞折り込みなどで各世帯へ届け四万部をコンビニ等に配架しております。県民の皆様からは毎月約二千件の御意見をいただいており、これらを生かし掲載内容や配布の方法について一層の改善に取り組んでまいります。
 広報の手段につきましては、SNS――ソーシャル・ネットワーキング・サービスの利用が進んでおります。全庁では八十のアカウントで情報を発信しており、今後通信の高速化が進み広報手段として動画の活用が重要になってくると考えております。先月十七日には人気ユーチューバーを講師に招き県庁各部及び市町の広報担当者を対象に動画の作成、活用を学ぶ研修会を開催いたしました。
 県庁ホームページのウエブアクセシビリティーにつきましては、総務省のガイドラインに基づき自己評価しており、議員御指摘のとおり利用者との協調の項目が課題と認識しております。来年度は県ホームページの見やすさを高めるため県のインターネットモニター約六百名から御意見を伺うなど、利用者の目線での改善に取り組んでまいります。
 県といたしましては、今後とも研修や広報アドバイザーの活用を進め県の各広報媒体の一層の改善に取り組み、ユニバーサルデザインの考え方も踏まえた県民の皆様の立場に立ったわかりやすい広報に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木経営管理部長。
       (経営管理部長 鈴木宙志君登壇)
○経営管理部長(鈴木宙志君) エビデンスに基づく政策立案――EBPMのための人材育成についてお答えいたします。
 少子高齢化の進行や厳しい財政状況に直面する中で、限られた財源、人的資源を有効に活用し県民の皆様から信頼される行政を展開していくためにはエビデンスに基づく政策立案、すなわちEBPMの推進は極めて重要と考えております。
 一方、本県におけるEBPMの推進は緒についた段階でありますことから、今後一層の定着を図るために県政の重要課題の政策立案に携わる職員に対し統計データの利活用により行政課題を合理的に解決するために必要となる知識の習得や能力の涵養が喫緊の課題であると認識しております。
 このため、県ではEBPMに関する基礎的な知識を初め統計データを用いた事実や課題の把握、具体的な政策の事前・事後評価の基礎となる費用対効果分析手法などEBPMの実践に必須となる総合的な知識や技法の習得を目的としたEBPM実践講座を今年度から開講し新しい手法に基づいて政策立案を担う人材の育成を図っているところであります。
 また、ビッグデータを用いた分析など行政では知見の得られにくい高度かつ専門的な知識や経験を要する業務につきましては、今後民間企業との人事交流や高い専門性を有する外部人材の活用などを進めてまいります。
 県といたしましては、引き続き職員に対する能力開発や外部機関等との連携も視野に入れつつ本県におけるEBPMの推進に資する人材の育成に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 良知駿一君。
       (三番 良知駿一君登壇)
○三番(良知駿一君) それぞれ御答弁ありがとうございました。
 私から三点要望させていただきたいと思います。
 一点目は、消防団活動の課題と支援について要望いたします。
 私、先ほどの質問で消防団はマンパワーというところを述べさせていただきました。県のほうでも装備とかそういったところで御支援いただいていること、大変ありがたく思っております。しかしやはり消防団というのはマンパワー、本当にこれを何度も言いますけれども、いかに団員を確保していくのかというところが課題だと思っております。現在多くの企業で人手不足が叫ばれています。各社ですね、新入社員を獲得するためによい条件、よい労働条件をアピールしております。
 消防団というものは就職先ではありません。絶対に入団する必要性はないわけで、それで仮に入団して行きたくなくなったら行かなくても生活に何ら支障はないわけです。だからこそ現在に即した意味のある、理解していただける活動内容に改めなくてはいけないと思っております。
 しかるべき組織に、このような活動をまず改善していくように働きかけていただければというふうによろしくお願い申し上げます。
 二点目でありますけれども、エビデンスに基づく政策立案――EBPMのための人材育成について要望いたします。
 EBPMのためにはデータ分析を行わなければなりません。データ分析というのは物事の全体像を把握するため、比較するため、未来を予測するためなどのために行います。そのためにはデータを多面的に見ることが必要になります。例えば全体像を把握するためには平均値だけでなく中央値とか最頻値、分散などさまざまな手法を用います。
 また、先ほども現在進行形でKPIにて業績評価をしているということに触れられましたが、民間でもそうなんですけれどもKPIのような方法を使うというところが目的になってしまって本来の目的である評価するというところが置き去りになってしまうケースが多々見られるような気がしております。最終的に結果を導くためにデータ分析、どのようなデータ分析をするのが適切なのか、この点をきちんと教育していただきたいと思います。
 三点目でございますけれども、産業分野における5Gの活用促進に向けた取り組みについて要望いたします。
 ICTの分野は進歩が著しく早く、県が想定している以上の速度と思っております。私、学校等も含めまして二十年間この業界に携わっておりまして、ここ一年半ほど前線から離れたわけでございますけれどもそれだけで情報のおくれを感じております。
 さて、5Gでありますけれども、実際5Gを導入しないと実現できない事業がどれだけあるかというのはまだ不確定な状況であります。しかしながら、インフラが整ってしまえばそれに乗っかってしまわなければならなくなる可能性は高いと私個人は見ております。ICT活用事業におきましては常に投資するという感覚で臨んでいただき、最新の情報に対するアンテナを張りめぐらせていただきたく思います。
 そして、技術全体の話になるんですけれども、最新の技術が常に一番いいというふうには限りません。例えば5Gの前の前の世代の3Gは5Gと比較してもデータの通信速度は遅いんですけれども、消費電力を抑えながら遠距離通信ができるということのため山林や河川の監視に向いているというような特徴があります。ケース・バイ・ケース、コストも考えながらどの技術がどの事業に向いているかよく検討していただきながら事業に活用していただきたいと思います。
 最後になりますけれども、私一期生、そして議会全体でも下から二番目の年齢ということでまだまだ若輩者ではございますけれども、会派問わず諸先輩方の御指導御鞭撻を賜りますようお願い申し上げさせていただきまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(鈴木利幸君) これで良知駿一君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

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