本会議会議録

議会補足文書

令和２年６月静岡県議会定例会

山﨑　真之輔 【討論】
発言日： 06/18/2020
会派名：ふじのくに県民クラブ

○議長（山田　誠君）　次に、二十八番　山﨑真之輔君。
　　　　　　　（二十八番　山﨑真之輔君登壇　拍手）
○二十八番（山﨑真之輔君）　私は、ふじのくに県民クラブを代表し今定例会に知事から提出されました議案のうち、先議分の第八十四号議案「令和二年度静岡県一般会計補正予算」に賛成する立場として、その理由と若干の意見を述べて賛成討論をいたします。
　今回の補正予算は新型コロナウイルス感染症関係として計上されたもので、その規模は五百七十二億三千百万円であります。我が会派では国難とも呼ぶべき未曽有の事態を一刻も早く切り抜け県民生活に平穏を取り戻すためにこれまでにないスピードで会派活動を行ってまいりました。とりわけ一月二十四日から始まった通算十回にわたる知事及び教育長への要望活動のうち、五月二十五日に提出した収束・新常態に向けての会派七提言は本定例会での予算化を念頭に置いたものであります。今回その多くが迅速に反映されたことを高く評価した上で、その七つの観点に沿って申し上げます。
　まず、第二波、三波に備えた感染防止対策についてであります。
　ＰＣＲ検査を専門に行う地域外来・検査センターの運営委託と設備整備費助成が計上されるとともに、医療機関や医療従事者への様々な支援策が盛り込まれていることを評価します。また医療・福祉関係施設にマスクや消毒液、医療用ガウン等を供給するとのことですが、その一つの方法として中小企業等危機克服チャレンジ支援事業費助成により新たなマスク等の生産支援、県内調達を行うことは我が会派が求める県内経済の活発化にも資するものであり大いに賛同するものであります。
　次に、切れ目のない中小企業者、個人事業主支援についてです。
　依然として景気の先行きは厳しく、さらに今後本県経済を支える製造業の業績悪化も避けられない状況下において県制度融資枠に加え国連携新型コロナウイルス感染症対応貸付けの融資枠、限度額を大幅に拡充することは目下あるいは中長期的な資金需要に応えるためにも必要な措置だと考えます。またやむを得ず失業された方の再就職を支援するため求人ニーズの高い分野の職業訓練定員を拡充されています。雇用を守ることは県民の命に直結します。職業訓練のみならず雇用マッチングの促進、緊急雇用創出など今後のフェーズに応じてあらゆる手だてを講じていただくことを強く求めたいと思います。
　三つ目として、誰一人取り残さない生活支援についてであります。
　このたび生活福祉資金貸付制度を拡充し所得要件が緩和されることになりました。これにより新型コロナウイルスの影響で著しい収入の減少があった世帯への一時的な資金供給が可能になり生活困窮者の支援が進むことが期待されます。さらに妊産婦、独り親家庭、障害者、外国人技能実習生への支援も相談、資金、再就職など多岐にわたり会派要望を真摯に受け止めていただいたことを評価いたします。
　四つ目は、学校再開を円滑に進める教育環境の改善についてです。
　五月下旬から順次県内の学校が再開されています。それに伴い感染防止対策、学力保障、メンタルヘルスなど心配事は尽きないですが、本予算では県立学校や県立特別支援学校に空気清浄機やサーキュレーター等の備品整備、退職教職員や大学生を活用しての学習支援、スクール・サポート・スタッフの配置拡充など当面の課題に対する措置が講じられています。今後も生じてくる学校現場の様々な声に引き続き耳を傾けていただくことを切望し賛同いたします。
　五つ目は、学業や様々な活動の継続につなげる学生、若者支援についてであります。
　新型コロナの影響で生活苦による学業の継続性が危ぶまれていることは全国のニュースでも、また本県の県立大学が行った調査でも明らかです。そうした若者の心身をサポートするＬＩＮＥ相談の拡充、しずおかジョブステーションの相談支援体制の強化は評価できますが要望でもお伝えしたとおり若者が行う社会貢献活動や文化芸能活動の社会的インパクトは大きいものがあります。このような活動も継続されるよう市町と連携した支援策の構築を引き続き強く求めます。
　六つ目として、効果的な情報発信と確実な伝達についてです。
　バイ・シズオカを軸とした宿泊促進、周遊促進合わせて十億円余が計上されています。県内には農林水産品や観光資源だけでなく美しい工芸品やすばらしい文化芸能資源も豊富に存在していますので、これらにもスポットを当てて広く県民に発信するなどさらなる事業の磨き上げを期待したいと思います。また我が会派の第五弾要望に基づき開設されたＬＩＮＥアカウントが好評ですが、このように情報発信の効果をさらに高めるべく今後も若手クリエーター等の力を借りつつ攻めの広報をしてくださいますよう申し添えます。
　そして七つ目に、官民挙げての働き方改革と柔軟運用についてです。
　本予算では県職員へのモバイルパソコンの導入やテレワークの拡大をはじめ職業訓練メニューにＩＴスキル訓練を追加、また新たな事業展開への補助など民間への手当ても盛り込まれています。今後ますます新しい生活様式に対応した働き方が官民ともに求められていく中で必要な投資だと考え評価いたします。
　最後に、事業の見直しについて申し上げます。
　このたび東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの延期や各種イベントの中止、延期等を踏まえ十六億一千七百万円の事業費が減額されています。さらに今後今年度事業、令和三年度事業、また施設整備計画の見直しを行うとの方針も伺っています。何も手を打たなければ来年度以降の大幅な財源不足は必至でありますし、もとより我が会派は財政規律について常に厳しく求めてまいりましたので事業の見直しに関しても協力を惜しまない所存です。
　ただ、全てを萎縮させ県内経済が回らない、いずれ来る回復期に力が発揮できないといった事態だけは避けなければなりません。難しい局面ではありますが特に大きな事業については、その便益を冷静に見極めた上での是々非々の議論を切望いたします。
　以上、幾つかの理由を申し上げましたが、この事態が確実に収束するよう速やかなる予算執行を切に願います。そして新常態へと向かう時代の中でいかに先を見据えた静岡県らしい手を打っていくのか、これを考え続けることが他県との違いを生み出し今後の県内経済のＶ字回復にもつながるものと信じています。
　結びに、引き続き我が会派も一丸となって尽力することをお誓いしますとともに、今回提案されました議案第八十四号に賛成し私の討論を終わります。御清聴ありがとうございました。（拍手）

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