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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

伴 卓 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/29/2023

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 ベトナムとの交流について
2 SHIPの今後の展望について
3 リニア中央新幹線整備に伴う課題の解決に向けた取組について
4 包括的支援体制の構築について
5 小中学校の教員配置について
6 公立学校における防災体制について


○副議長(鈴木澄美君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、三十番 伴  卓君。
       (三十番 伴  卓君登壇 拍手)
○三十番(伴 卓君) 私は、ふじのくに県民クラブ所属の議員として県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に一括質問方式にて質問をいたします。
 初めに、ベトナムとの交流についてお伺いします。
 私は二〇一九年の六月定例会において静岡空港における東南アジア路線の就航促進策についてお伺いしました。質問の中で、ベトナムへは本県からも進出している企業も多く近年高度経済成長期の日本と言われるぐらい市場が急速に成長している元気な国、民間の旅行会社のアンケートでも訪れてみたい国のランキングでは年々上位に来ている、ベトジェット社はエアバス三二一ネオ機を導入済みで同機は日本からホーチミンの直行も可能、離着陸に要する滑走路も二千メートル未満で静岡空港向き、促進交流をと提案いたしました。その後新型コロナウイルスとの遭遇を経ましたが、今年三月静岡空港に十一年ぶりとなるベトナムからの飛行機が着陸しました。多くの関係者の御尽力によりこのチャーター便が実現できたと思います。個人的にも大変喜ばしい気持ちに包まれました。まずはチャーター便ではありますが今後も多くの翼が行き交うことを願ってやみません。
 さて先日ホーチミン市内にある日本貿易振興機構、いわゆるJETROを訪問し、日系企業の進出状況に関する意見交換や併せて本県にゆかりのある企業を訪問してまいりました。国の法制度や商習慣に対する違いは当然あるものの建設業、介護分野、教育分野など様々な業界がベトナムに進出していることが分かりました。その背景には人材の確保や新たな市場の獲得など目的は多岐にわたりますが、両国の親和性なども理由として挙げられていました。
 ちなみに、本県においても非常にベトナムとの関わりの深い人物がいらっしゃることを皆様は御存じでしょうか。現在の袋井市出身の浅羽佐喜太郎氏とファン・ボイ・チャウ氏の両名です。恥ずかしながら私も質問に際し最近学びました。
 さて、先週の九月二十一日日本とベトナムの両国は外交関係樹立五十周年を迎えました。周年に関する公式ウェブサイトを見ますと両政府公認の様々なイベントが連日のように開催されています。そこで本県においても、この五十周年を一つの契機と捉え様々な場面での交流をさらに強化すべきと考えますが、県として今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、静岡イノベーションプラットフォーム、SHIPの今後の展望について伺います。
 本年三月、県庁からほど近い場所にイノベーション拠点となるSHIPが開設されました。開設から半年、八月末時点ではありますが累計来場者数は三千六百名を超え会員の登録者数も千百名を超えるなど、SHIPの運営に参画されているLTSさんいわく想定を超える盛況ぶりであると伺いました。
 SHIP開設の目的はトップレベルのICT人材の確保育成、オープンイノベーションの推進です。特に私はオープンイノベーションの推進に期待を寄せています。
 SHIP開設に当たり静岡県が参考にしたのは広島県が取り組んでいるオープンイノベーションハブ広島キャンプスです。広島キャンプスでは新たなビジネスや地域づくりを目指す様々な人が集う場所を目指しており、新たなつながりやイノベーションの生み出される場を提供することで、ひいては社会課題にも貢献できる仕組みづくりを目指しています。
 広島県では、同拠点でリングヒロシマという施策を展開し多岐にわたる顕在的、潜在的な社会課題に立ち向かう個人や企業を挑戦者と位置づけ、その挑戦者のプロジェクト成功に向け伴走支援するメンター的な人材としてのセコンドを同時に募集し約四か月の実証実験に取り組んでいます。起業家や事業者とサポート役のセコンドを並行して募集し双方をつなげることで新たなビジネス機会の創出を掲げています。
 そこで、本県においてもSHIPの会員やSHIPの持つネットワークなどを有効に活用しスタートアップの支援体制の構築が重要と考えますが、県はどのように支援をしていくのか伺います。
 また、近年様々な社会課題が提起されています。子供の貧困、高齢者福祉、教育課題など多岐にわたります。行政としても課題を認識するもなかなか解決策が見いだせなかったり、施策を講じたくとも予算との兼ね合いが生じてしまっているのも現状ではないでしょうか。
 現在広島キャンプスでは、企業の社会貢献ニーズとこれら社会課題をつなぐことで双方にとってウィン・ウィンとなるような仕組みづくりにも取り組んでいます。先頃県が発表したスタートアップ支援戦略の中で、スタートアップは社会課題解決への貢献という点でも注目を集めていると記載しておりまさにそのとおりだと思います。
 そこで、本県においても同様にビジネス面でのイノベーションだけでなく社会課題と企業等の社会貢献の思いをつなぎ行政と民間が手を組んで社会課題に取り組める仕組みづくりについて提案したいと思いますが、県の考えを伺います。
 次に、リニア中央新幹線整備に伴う課題の解決に向けた取組について伺います。
 リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川の水資源、南アルプスの生態系への影響や発生土処理等について県とJR東海との対話が進められています。これまで大井川水系の水資源の確保及び水質の保全等については、平成三十年八月に大井川利水関係協議会を設置し、県と大井川流域関係者が一体となって対応してきたところです。協議会が設置された際には流域市町や利水団体、県が一体となって大井川の流量確保と水質保全対策の徹底をJR東海に働きかけていくことが決議されました。オール静岡の体制でこの問題に取り組んでいくことに県民も期待したと認識しています。
 一方で、南アルプスが位置し実際の事業地となる静岡市は、大井川利水関係協議会には加わらず南アルプスの自然環境の保全や発生土処理に関し独自に対応を進め、利水関係協議会加盟の大井川流域関係者とは一線を画してきましたが、県中央新幹線対策本部長として中心的役割を担ってきた難波前副知事が本年四月静岡市長に就任され協議会設置時とは状況が変わってまいりました。そのような中九月九日には大井川流域市町首長とJR東海社長との意見交換会が開催され、また静岡市は中央新幹線建設事業影響評価協議会での議論を加速させるなど、近頃は大井川流域市町、静岡市がそれぞれリニア問題に係る動きを活性化させているように見受けられます。
 県とJR東海との対話を進展させるためには静岡市も含めた大井川流域関係者が一体となって取り組んでいくことが重要であり、そのことがリニア中央新幹線整備と大井川の水資源及び南アルプスの自然環境の保全との両立という難しい課題の解決につながっていくものと考えます。大井川利水関係協議会設立時のオール静岡で取り組んでいくことに対する期待感から分かるように、流域住民をはじめ県民は流域関係者がそれぞれがばらばらで取り組むのではなく、流域関係者が一体となって取り組んでいくことを期待しているのではないでしょうか。
 県は、静岡市も含めた大井川流域関係者とどのように連携を図り課題解決に向けて取組を進めていくのか伺います。
 次に、包括的支援体制の構築について伺います。
 年齢を問わず社会的な孤立は子供から大人まで様々な社会問題となっています。生活を営む上で課題が多様化し複雑に絡み合ってしまっている事態も珍しくありません。例えばその一つにヤングケアラーがあります。
 ヤングケアラーの定義は法令では明示されておらずこども家庭庁のウェブサイトでは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子供のこととされています。実は子供たちによるケア行為が問題なのではなく、その度合いが問題なのではないでしょうか。ケアの実態を肯定するつもりは全くありませんが、難しいのはケアにより自己肯定感を得ている子供にそれは駄目なことと一方的に押しつけたり、一般的な家のお手伝いと理解できるようなことに何でも行政の尺度でイエス・オア・ノーを押しつけることもできません。とはいえ本人がやりたいからといってそれを容認するのも正解とは言えず、介入や支援の在り方も非常に難しいのであります。先行されている自治体も苦悩されていました。
 令和三年度に実施した県の実態調査では、小学校五年生から高校生までのうち一万七百八十二人ものヤングケアラーがいることが明らかになりました。しかしながら先ほども述べたようにヤングケアラーが悪いのではなく、そうなってしまっている環境を少しでも軽減できるように支援することが重要であると考えます。
 現状を鑑み国は令和二年に社会福祉法を改正し重層的支援体制整備事業を創設しました。多岐にわたる課題を包括的に支援できる体制を構築することでヤングケアラー対応においても一定の効果を出すことができると考えます。
 現在、本県の基礎自治体において重層的支援体制整備事業が行われているのは令和五年度で函南町と熱海市だけです。加えて令和六年度からはさらに九つの基礎自治体における実施が見込まれていますが、三十五市町を有する本県においては約三分の一でしかなく残りの二十四市町の実施が急がれます。また市や町の境によって支援体制に差が出てしまうのは子供たちにとっても望ましくありません。
 先日議会の特別委員会視察で訪問した大阪府は、既に複数の部局が連携できる会議体を形成し府庁と市町や関係団体らが連携した包括的な支援に取りかかろうとしています。非常に参考になる視察となりました。
 そこで伺います。介護、障害、子供、生活困窮などの分野ごとに行われていた支援を包括的に行っていくことでヤングケアラーの問題にも一石を投じることができると考えますが、県は今後全県的にこうした包括的支援体制の整備をどのように進めていく考えがあるのか、また基礎自治体とどのように連携をしていくのか伺います。
 次に、小中学校の教員配置について伺います。
 教員のなり手がいない、教員の離職率が高まっているなど、全国的に教員不足は深刻な課題となっており本県においても同様であります。令和三年に文部科学省が行った実態調査では、全国の小中学校で約二千人、学校ごとでは約千五百校もの学校で教員不足が課題となっています。ちなみに本県では本年度当初七十六名の教員が不足していると伺っています。
 教員志望の学生向けに取ったアンケート調査では長時間勤務、部活動の負担感、給与水準の不十分さなどが不安として挙げられており、志ややりがいだけでは立ち行かなくなってきている現状があります。こうした課題への対応として教員の担い手を確保するための施策を講じることは重要ではありますが、まず大切なことは子供たちに確実に授業が提供できる環境整備ではないでしょうか。
 今教育現場に足を運びますと保持する教員免許外の科目を指導されている先生、週の授業時間数が本来の時数を大幅に超えている先生がいらっしゃいます。中には教務主任が学級担任を兼任せざるを得ないケースも生じています。加えて先生方の働きやすい環境を守ることも大切です。出産や育児に伴い休暇等を希望される先生が周囲を気にして取得をおろそかにしてしまうことはあってはならないことであり、男女差があることも望ましくありません。
 ちなみに令和四年度県の知事部局職員における男性の育休取得率が六三・五%なのに対し、教職員の取得率は一二・八%です。これらの課題を解決するための手段として小中学校の教員配置があるかと思いますが、県教育委員会の見解を伺います。
 次に、公立学校における防災体制について伺います。
 今月は言わずもがな防災月間であります。これはちょうど百年前の大正十二年に関東大震災が発災したことによるものです。以降この百年の中で私たちは一体幾つの自然災害に遭遇してきたことでしょうか。また日本時間の今月九日、北アフリカのモロッコで発生した地震においても多くの方が犠牲となられました。心からの御冥福と今なお行方不明の方々の発見をお祈りいたします。
 さて十二年前の三月、日本は東日本大震災に見舞われました。当時大学卒業を目前に控えていた私は都内の百貨店でアルバイトをしていました。午後二時四十六分、デパ地下にいながらも物すごい揺れにこのまま建物ごと押し潰されてしまうのではと恐怖を覚えました。しばらくして休憩室のテレビには言葉に尽くしがたい映像が映し出されていました。巨大な津波が次々と町を飲み込み建物に自動車が突き刺さるなど、衝撃的な光景に津波の恐ろしさを目の当たりにしました。
 今月頭、私の地元町内会では映像による防災訓練が実施され今年のテーマは子供たちとの避難でありました。私の住む地域は幼稚園と保育園、小学校と中学校が約五百メートル圏内に集積し少し高台には富士市立高校があります。当然津波であれば高台に避難すべきですが日常の防災訓練では安否確認や炊き出し、消火訓練などを行い集会所に集まるのが主流ではないでしょうか。
 しかしながら、津波や地震、浸水時など天災によって避難先が同一とは限らないケースもあります。中でも津波の恐れがある場合どこに避難するかでその後の生存に大きな影響を及ぼします。
 皆様の御記憶にもあるかと思いますが三・一一の震災において石巻市立大川小学校では多くの児童生徒と教職員の方々が犠牲になってしまいました。後にこの惨事は当時の危機管理対応が裁判で争われ二〇一九年自治体への損害賠償を命じる判決が確定しました。判決では学校や教育委員会が児童の生命、身体の安全を確保すべき義務を負っていたものとしています。判例を読み御遺族の気持ちをおもんぱかるに言葉が見つかりません。
 この判決を受け文科省は同年、全国の教育委員会等へ学校における防災体制の強化と実践的防災教育の推進に関する通知を出しています。本県教育委員会においても各市町教育委員会へ通知をしていることかと思いますが、現在の取組状況についてお伺いします。
 また、大川小学校の惨事の原因の一つに浸水域に小学校が想定されていなかったことが挙げられています。本県においても浸水想定区域外の小中学校における避難計画の手法や見直しはあったのか、また絶対に大丈夫ということがない以上最悪の状態を想定して避難すべきという視点があるのか併せてお伺いします。以上、答弁を求めます。
○副議長(鈴木澄美君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 伴議員にお答えいたします。
 SHIPの今後の展望についてであります。
 本年三月にSHIPを開設して以降、様々な交流をきっかけにし新たなビジネスの創出や異業種間での共同研究が行われてきました。今後はさらにこの機能を充実させて社会問題を解決する数多くのイノベーションの創出につなげていく仕組みづくりが重要であると考えています。
 まずスタートアップの支援体制の構築についてですが、ワンストップ相談窓口をSHIPに設置いたしまして資金調達などのスタートアップの困り事を解消するための相談機能を備え、その後県内企業や自治体等とのマッチングにつなげてまいります。さらに産学官金のスタートアップ支援関係者によるネットワークを形成し、そのハブ機能をSHIPに持たせSHIPの会員やコミュニティーを活用しながら多様な業種、業態間の新しい出会いを支援してまいります。
 また、県内でスタートアップの支援や誘致に取り組んでいる他の民間事業者や次代を担う若者のチャレンジを応援する団体などとも連携し、県全体で具体的な起業を支援する機運を醸成してまいります。
 次に、社会問題に取り組める仕組みづくりについてでありますが、社会貢献活動を行う企業が増える中、革新的なアイデアや技術を有するスタートアップはイノベーションによる社会課題解決の担い手と期待されております。全国の自治体におきましては、あらゆる分野の社会課題の解決に挑戦するスタートアップとの共創の取組が進められております。
 本県におきましても遠州地域の八市一町が共同で地域課題解決をテーマとしたスタートアップ、パブリックピッチを開催しているほか、牧之原市では地域の産業や観光などの資源を生かしたコンテストを開催しております。こうした取組などを参考に今後各県内自治体とも協議の上、スタートアップが持つアイデアが本県の抱える社会課題解決につながるよう様々な機会を創出してまいります。
 今月公表いたしましたスタートアップ支援戦略に基づきまして失敗を恐れずチャレンジできる社会風土の醸成に努めるとともに、志のあるスタートアップの夢を本県で実現できる環境の整備に全力で取り組んでまいる所存であります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(鈴木澄美君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) リニア中央新幹線整備に伴う課題の解決に向けた取組についてお答えいたします。
 リニア中央新幹線の整備と大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全との両立を図るためには、議員御指摘のとおり静岡市を含めた流域市町、利水者など流域の関係者と県が一体となって取組を進めていくことが必要であります。
 そのため、これも御指摘のとおり大井川水系の水資源の確保及び水質の保全という目的のもとに平成三十年八月に関係者を会員とした大井川利水関係協議会を設立し、会員が一体となって取組を進めているところであります。
 今年度、流域八市二町によりまして国土交通省鉄道局長に対してのリニア中央新幹線整備における課題解決に強い関与を求める要望やJR東海社長との意見交換会が行われております。これは大井川利水関係協議会の目的である水資源の確保と水質の保全を目的とした取組であると認識しております。
 県といたしましても、これまで以上に大井川流域関係者との連絡、情報共有を密にし、県の専門部会などを通じてJR東海や国に対し関係者の意向を伝えるなど一体となって取組を進めてまいります。
 一方、生態系への影響や発生土処理について事業計画地を抱える静岡市が、市の中央新幹線建設事業影響評価協議会において検討、議論していくことを表明され、今月六日には発生土置場についての基本認識の案を示されたところであります。
 南アルプスの自然環境を保全するという目的は県と関係市町との共通するものです。今後静岡市をはじめ川根本町、南アルプスエコパークの関係団体などに対し、国有識者会議や県専門部会の議論の状況や課題について様々な場面を用いて丁寧な説明を行うことにより認識を共有し、オール静岡で課題解決に取り組んでまいります。
 引き続きリニア中央新幹線の整備と大井川水系の水資源及び南アルプスの自然環境の保全との両立を図るため、JR東海との対話を進めてまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 松村地域外交担当部長。
○地域外交担当部長(松村昭宏君) ベトナムとの交流についてお答えいたします。
 ベトナムは人口が約一億人で一人当たりのGDPは過去十年で約二倍となるなど著しい経済成長を続けており、県内企業にとっても市場や製造拠点、人材採用など多くの面で重要な国の一つとなっています。また県内には国籍別で第三位となる約一万五千人のベトナム人県民が暮らしており、多くのベトナム人の皆様に本県を就業先や留学先などとして選んでいただいております。
 県におきましても、地域外交基本方針においてベトナムを含む東南アジア・インドを重点国、地域の一つと位置づけ、ベトナムとの交流を促進する取組を進めております。
 観光分野では、本年十月に東南アジア駐在員事務所がベトナムからの旅行商品の販売促進を目的とした現地の旅行会社、航空会社向けのファムトリップを行うこととしております。また経済分野では、現地のビジネスサポートデスクが取引先候補企業の調査や現地への同行及び商談の支援等を行うことにより県内企業の経済活動を支援するほか、海外合同面接会の開催により県内での外国人材採用を支援してまいります。
 さらに、日本・ベトナム外交関係樹立五十周年を迎えた本年、記念事業として十月十六日に県庁において駐日ベトナム特命全権大使による講演会を大使館と共催し県民の皆様のベトナムへの理解を促進するほか、十一月には十年ぶりに企業視察団を派遣し現地関係者とのネットワーク構築を図ってまいります。
 県といたしましては、今後とも県民の皆様や県内企業が多くの恩恵を享受できますようベトナムとの交流促進を図り、本県の活力向上につなげてまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 八木健康福祉部長。
○健康福祉部長(八木敏裕君) 包括的支援体制の構築についてお答えいたします。
 地域住民の複雑化、複合化した支援ニーズに対応するため、現在市町では分野を問わずに相談を受け止め解決に向けて包括的に支援する体制の整備が進められていますが、市町からは体制構築のノウハウがない、関係機関同士の連携が不足しているなどの課題が寄せられているところであります。
 このため県では、体制の整わない市町に対して地域の状況に適した進め方を助言するアドバイザーの派遣や関係機関との連携担当職員の養成研修などを実施しているところであります。今後も包括的支援体制の整備が全県的に円滑に行われるよう市町ごとの課題を把握し、必要な支援にきめ細かく取り組んでまいります。
 また、市町と連携し今年度新たに市町をはじめNPOなど関係団体で構成するプラットフォームを形成して、支援事例の情報交換などを通じ行政と団体や団体間の相互理解を促進してまいります。あわせて焼津市、長泉町をモデル市町として課題解決のためのワークショップなどを開催し、各団体の得意分野を生かした多面的な支援につなげるとともに、その手法を県内市町に横展開してまいります。
 県といたしましては、地域共生社会の実現に向けて包括的支援体制の全市町での構築に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 小中学校の教員配置についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり教員不足が全国的に深刻化している中、本県においても欠員補充や育児休業等の代替教員の確保が困難な状況が見られます。危機感を抱くとともに、子供の学びの保障や働き方改革の実現につながる教員配置の必要性を強く感じております。
 県教育委員会では教育の質の向上と持ち時間数軽減につながる小学校の教科担任制の導入を進めています。国による加配教員を配置するとともに、隣接中学校教員が小学校で指導を行う小中連携型の教科担任制を四校で試行しております。国も教科担任制を一年前倒しして拡充する方針であることから、県としてもこれまでの手法の共有など準備を進めてまいります。
 また、年度途中の人材確保が困難な状況を受け本年度から、年度途中に見込まれる産休や育休の代替教員を年度当初から任用できる制度を導入いたしました。県全体で四十名が本制度を活用しており、安心して休暇等を取得できる環境づくりに寄与しております。
 一方で、男性教員の育児休業の取得率が依然として低い状況にある点は大きな課題であると認識しております。男性教員の育児休業は比較的短期間のケースが多く短期の代替教員の確保は極めて困難であります。そのため未補充により学校運営に支障が生じることを懸念して取得をちゅうちょしていることが考えられます。希望者が安心して育児休業を取得できるよう退職教員など短期に働ける人材の確保に努め、より柔軟に学校運営をサポートしてまいります。
 県教育委員会といたしましては、今後も方策を尽くし適正な教員配置のもと質の高い授業が行われる環境を実現するとともに、教員にとって働きやすい職場環境づくりに全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 水口教育部長。
○教育部長(水口秀樹君) 公立学校における防災体制についてお答えいたします。
 東日本大震災では津波の襲来により甚大な被害が発生しました。南海トラフ地震が想定される静岡県において、津波被害等から児童生徒を守る防災体制の強化と実践的防災教育の推進は極めて重要であります。
 令和元年には市町教育委員会に対し高台への避難時間を想定した避難訓練等、実態に即した学校安全計画、危機管理マニュアルの見直しや要配慮者が利用する学校での避難確保計画の策定などを行うよう通知しました。その後も担当者会議や研修会等の機会を捉え継続的なマニュアルの見直しや実践的訓練を行うよう申し入れております。
 現在学校では最大級の地震、津波を想定した第四次地震被害想定に基づく危機管理マニュアルの策定を基本としており、津波浸水域やその周辺にある多くの学校では静岡大学防災総合センター等の協力を得てあらゆる可能性を考慮したマニュアルの見直しが行われております。しかしながら最大のリスクに備えた避難場所の変更や登下校中の被害を想定した地域住民との合同訓練などを行う学校がある一方、様々なリスクを想定した訓練ができていない学校があるのも事実であります。
 県教育委員会といたしましては、関係部局や市町教育委員会と連携しより実践的な訓練事例を学校に紹介するほか、市町を訪問し最悪の事態を想定する視点で危機管理マニュアルを確認し適切な見直しが行われるよう助言するなど、児童生徒の安全確保に最大限努めてまいります。以上であります。
○副議長(鈴木澄美君) 伴  卓君。
       (三十番 伴  卓君登壇)
○三十番(伴  卓君) それぞれ御答弁頂きましてありがとうございました。
 要望のみ何点かさせていただきたいと思いますが、冒頭知事から御答弁頂きましたSHIPの可能性であります。
 全国各地に同じような取組がいろいろ進んでいますので切磋琢磨していただいて、経産部とも所管にはなると思いますけれども頑張っていただきたいと思いますが、ヤングケアラーの質問もちょっと重層的な支援体制でいたしました。一見この二つというのは全く関係のないように思うかもしれないんですが、そのSHIPが持っているノウハウだったりいろんなつながりの中で社会課題解決したいよっていう先ほどの提案ですよね。そこが畑が違うかなと思いながらもこんな社会課題があるんですよっていうのを逆に健康福祉の畑からですね、産業のほうに送っていただいて、いやうちの会社こんなことできるよ、うちの会社こんなシーズがあるよとか、思わぬそこにやっぱり解決策が見いだせていくと思うんです。それがやっぱりこの広域行政にある県のよさかなと思ってますので、ぜひですね壁をつくらずにそこは交流していただいて、今いろんなスタッフもいいスタッフいっぱいいます、SHIPさん。取り組んでいただきたいなということを要望したいと思います。
 次に、リニアについてでありますけれども、課題解決について力強い御答弁ありがとうございます。近年の最近のですね、難波静岡市長のリニア中央新幹線に関する発言ですとか大井川の水資源問題に対する流域首長さんたちの対応に関する報道を受けますと、県民の中にはですね、県といろんなものが対立をしてしまっているんじゃないかなというふうに受け止める方もいらっしゃったり、不安を抱かれてしまう方もいるんじゃないかなというふうに危惧をしておりました。
 今、森副知事から大井川水系の水資源の確保及び水質の保全、また南アルプスの自然環境を保全するというですね目的は共通であるという答弁頂きました。静岡市、流域市町関係者との連絡、情報共有をぜひ密にしていただいて認識も、共有をもう一度図っていただいてオール静岡で取り組んでいただければなと思います。
 県民が不安を抱くことがないように関係者がこれまで以上に連携をしていただいていればと思います。
 そして最後、教育委員会ですけれども御答弁ありがとうございます。
 そうですね。御答弁の中で教科担任制の導入について、頂きました。国も昨年度から増員を掲げて四年間で約四千名近い先生増やしていきますよという計画です。これ静岡県に歩合で割り当てますと大体二%ですので、七十名から八十名ぐらいの先生の予算的な措置が期待をできるのかなというふうに思っています。ただ質問でも述べましたが、本年度当初からも七十六名の先生が今足りないという状況でスタートをしています。まずは本当に人材確保ができるのかなっていう不安もありますし、人材確保するといってもそれ実際にやるのは市町の教育委員会さんであったり、場合によっては校長先生がまた本当電話を頑張ってね、集めなきゃいけないという状況です。また育児休暇、産休休暇もそうですけれども六月末までに取得予定の場合、代替教員が四月から勤務可能ということですが答弁ではですね、新しい制度が始めましたよというふうに聞こえたんですが、実際七月末に一月ちょっとずらした延びただけでですね、現場の先生たち私も今三十六で同級生でちょうど出産とか経験している仲間の先生がいますけれども、あまり目新しさを正直感じていないというのも意見としてあります。
 ただ改善しようという今感じておりますので本年度の取組をですね、しっかりと効果検証していただいて次年度以降に生かしていただきたいなと思います。これちょっと意見ですけれども。
 要望をすみません改めて申し上げますが、今小学校の高学年の先生方、特に一週間にですね二十六時間、二十六時数と言うんですかね、超えて担任をされている先生方も中にいらっしゃいます。教育者である知事や池上教育長であればこれ、二十六時間以上というのがどれぐらい大変な状況かというのは体感をできるんじゃないかなと思います。
 これではですね、本当に授業することに手いっぱいになってしまって子供たちとのやっぱり時間をつくりたい、保護者さんとコミュニケーションをつくったりそういう時間も取れないというのもやっぱり同級生の教員から聞いています。
 御答弁で頂いた柔軟な学校運営、適正な教員配置、これはマジックワードで終わってしまっては困ると思うんですよね。やっぱり本当にこれは実行していただきたいと思います。
 フルタイム勤務と短時間的な勤務の先生方の給与の出どころの柔軟な在り方ですとか、県単独教員の増加、予算ですね、あとは支援学級の定数緩和ですとか、あとはサポートスタッフさんなんかの各種スタッフの増員など本当に求められる予算というのは多岐にわたります。うちは今財政部長は石川さんが兼ねられていると思いますので、特にですねこういった教育予算というのはまさに人への投資であります。教育委員会へも多分熱望されてると思うんですよ。
 ですので、知事はじめ石川部長にはですね、本当にこの人づくりの基礎である教育予算をいろいろ財源が厳しいということも分かってはいますけれども、やっぱりここが私はちょっと特別な格段の御理解を頂けないかなというふうに思っております。ぜひですね、やっぱり民なくして国家なし地域なしですよね。そういった未来の子供たちを育てるという環境、本人たちもそうですし先生方をちゃんとそこで守っていく、そんな視点も持っていただいて御配慮頂ければなということを要望したいと思います。以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(鈴木澄美君) これで伴卓君の質問は終わりました。

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