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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成24年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

増田 享大 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/18/2012

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 浜岡原子力発電所の今後について
 (1) 浜岡原子力発電所及び周辺の理想像
 (2) 浜岡原子力発電所にかかわる情報提供
2 新エネルギーの研究開発支援について
3 民意の捉え方について
4 自然との共生に向けた取り組みの推進について
5 通学路における歩道の整備と安全対策について
6 光ファイバー網の整備について
7 中東遠地域の位置づけと将来像について


○議長(小楠和男君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、十三番 増田享大君。
       (十三番 増田享大君登壇 拍手)
○十三番(増田享大君) 私は自民改革会議所属議員として、長く地方を覆う閉塞感を打開し地域の皆様が少しでも未来に向けて希望を抱けるよう、議員にならせていただいて一年七カ月余りその間感じた素朴な思いを込めて、通告に基づき知事並びに関係部局長に質問させていただきます。
 初めに、浜岡原子力発電所の今後についてのうち、浜岡原子力発電所及び周辺の理想像について伺います。
 中部電力浜岡原子力発電所の歴史は、私が生まれた年と同じ昭和四十二年、当時東海地方に新たな原子力発電所の建設を計画していた中部電力が、比較的岩盤の強固な浜岡地区を候補地としたことが始まりと聞きます。昭和五十一年の一号機の営業運転開始から三十六年、現在では全五号機のうち一、二号機は運転を終了、廃炉に向けた工程が進み、三から五号機は昨年国の要請を受け停止中で、防波壁の設置や非常時の電源確保など地震・津波対策の工事が進められています。
 昨年の東日本大震災そして福島第一原発の事故は、国の原子力政策やエネルギー問題はもちろんのこと、社会全体の価値観をも揺るがす空前の惨事でありました。それがもたらした教訓とは何だったのでしょうか。危険と隣り合わせの原子力発電所の存在はほとんどの方が嫌だと思います。その感情的理想論の一方、私たちの豊かな社会はその恩恵によって成り立ってきたという現実があり、その危険な原発を受け入れていただいてきた浜岡の皆様の思いは決して忘れるべきではありません。また地域の産業と雇用を支えてきた中部電力との協調も必要です。
 多くの矛盾が明るみになり迷走を続ける我が国のエネルギー政策でありますが、その間にも周辺地域の住民は住まう場所を定め生活していかなければなりませんし、若い人は就職や結婚など将来を見据えた人生設計を立てなければなりません。その人々のためにも、客観的な知識と情報のもと理想と現実を見据えた議論を深め、目指す方向性を見出していかなければならないと考えます。
 知事はこれまで浜岡原子力発電所について、安全対策の実施やオフサイトセンターの移転、使用済み核燃料の処理方法の確立などの課題が解決されなければ、再稼働について判断できる状況にないなどの発言をされてきました。その一方で、記者会見等において周辺への火力発電所の設置や原子力経済性等検証専門部会においてトリウム溶融塩炉の可能性に言及するなど、さまざまなメッセージを発信されていますが、地域の住民からは、知事の目指す理想の将来像が具体的に理解しにくいとの声を聞きます。多くが国の政策によるものでもありますが、立地県の知事として目指す理想の将来像を示し、県民に開かれた議論をより深めていくことが今後必要と考えます。
 そこで、知事は浜岡原子力発電所及び周辺の理想像についてどのようなお考えをお持ちなのか、御所見を伺います。
 次に、浜岡原子力発電所にかかわる情報提供について伺います。
 県議会九月定例会の最大の争点でありました浜岡原子力発電所の再稼働の是非を問う県民投票条例案の審議において、その議論が条文内容の不備や原子力政策が国策ゆえの入り口論にばかり終始し、機関委任事務廃止後の住民投票の制度上の課題や浜岡原子力発電所の今後についての議論を十分にできなかったことは、一議員として反省すべきことだと思いました。私ども集中審議を付託された総務委員会では全会一致で否決をいたしましたが、同時に今後も浜岡原子力発電所のあり方について県議会として引き続き議論を重ねていく必要がある旨の申し入れを議長にさせていただきました。
 多くの県民の署名を集めて提出された条例案とその反響の大きさは、県当局と議会により議論を深める姿勢を求められたことでもあり、熟慮と議論を深める熟議の進展は私たちに課せられた使命だと思います。それは同時に多くの県民に開かれたものであるべきで、それには一部の人たちだけではなく、広く多くの県民と適正な情報と知識を共有することが不可欠だと考えます。しかし原子力政策や放射能にかかわることは専門的かつ多面的で複雑な要素も多く、その情報や理解度も住民によってはさまざまであるとの指摘もあります。日ごろ地元の皆様と意見交換をさせていただきますと、浜岡原子力発電所の現況や放射能の人体への影響などに関して意外と正しい情報が共有されていないと感じることが多くあり、特に子育て中の保護者を初めとする若い世代には強くそれを感じることがあります。新しい体制のもとで進められる国の安全対策や浜岡原子力発電所の現況や課題の周知はもちろんのこと、医学的に確立されたとは言われていない放射能の人体への影響については、チェルノブイリや福島第一原発の事故後の状況を詳しく分析し、最も被害を受けると言われている子供たちや女性に対して客観的で正しい情報を積極的に提供していくことが特に重要と考えます。
 九月定例会の総務委員会においても、県当局から浜岡原子力発電所にかかわる情報の提供に努めていく旨の答弁がありました。県は、報道機関や国及び電気事業者に頼るだけでなく主体的に情報を発信するべきと考えますが、今後具体的にどのように情報提供されていくのか伺います。
 次に、新エネルギーの研究開発支援について伺います。
 今や我が国のエネルギー政策は大きな転換を迫られ、今後安全やコスト、国民負担等を総合的に考慮した新たなエネルギー体系への移行が急務となっております。本県でもこのような状況に対応するため、太陽光、風力、地熱、バイオマス、小水力等の自然エネルギー資源を積極的に活用して分散自立型体系への転換によるエネルギーの地産地消を推進しているところであります。
 昨年来、個人的に福島県と埼玉県で進む新エネルギーへの取り組み状況を視察させていただきました。三・一一後、福島県では海上に浮かぶ風力発電――浮体式洋上ウインドファームの事業化を新エネルギー政策の柱と位置づけ、福島県沖での世界初となる大規模浮体式洋上風力発電の実現を目指して、国費などを得ながら全庁を挙げての壮大な計画を進めています。県担当者の「ライバルはイギリス、世界ナンバーワンを目指す」との言葉は印象的でした。
 埼玉県本庄市では、早稲田大学の小野田弘士准教授の指導のもと、多くの民間企業が参加して次世代モデル都市の実現を目指した本庄スマートエネルギータウンプロジェクトが進められています。いずれも県主導による大学や企業と連携した未来に向けた取り組みであり、夢を感じさせる事業だと思いました。
 県内にも、新エネルギーの技術開発を行う企業や大学、研究機関は多くあります。県主導のもとそれらの連携を進めていくことは重要で、特に近年、未来につながる研究やアイデアのインキュベート――卵を温めるふ化的支援が減少ぎみの今日の社会ではより重要な取り組みだと考えます。本県は太陽エネルギーに恵まれていることもあり、今後さらに高効率の研究や技術開発が不可欠であります。またバイオマスエネルギー導入促進のための技術開発も必要だと言われています。
 今後、県当局はみずからが主導役となり企業とともに技術開発を進めるなどの支援が必要と考えますが、どのように取り組んでいかれるのかお伺いします。
 次に、民意の捉え方について伺います。
 今日の多様化する社会にあっては、人々の意識や関心、ライフスタイルは多種多様でそれぞれの民意を正確に把握することは容易ではありません。しかし県としましては、この多様な民意をさまざまな角度から分析し的確に捉えた上で政策を行っていく必要があると考えます。大きな組織や有識者の意見はもちろん大切ですが、声なき声であるサイレントマジョリティーと言われる方々も含めた表面化しにくい県民の素朴な思いに耳を傾ける姿勢はより重要だと思います。
 県では、毎年県政世論調査や各部局主催のタウンミーティング等を実施し、積極的に県民の声を把握しようとされています。特に県政世論調査は対象人数や抽出方法などかなり精度が高い手法を取り入れており、このような調査は県民の総体的な意識を把握するためにも大変有効な手段であると評価されるべきものと考えます。これらの貴重な手段をより効果的にするためにも、その中で問いかける項目や内容、テーマは、県民の実情や関心など県民の素朴な思いを十分に考慮して設定されるべきで、決して行政側の都合や聞きやすい内容に偏ることがあってはなりません。
 しかしながら、ことしの県政世論調査の質問項目を見てみますと、原子力発電所や津波に関すること、また社会的な問題でもあり多くの女性に関心がある子育て支援に関する項目がありませんでした。このほかにも今の社会を取り巻く課題は数多くあり、社会情勢の変化が非常に早い今日の社会では、県民が最も関心を寄せている課題は何か、現時点での社会情勢を反映した県の取り組みとはどうあるべきかなど、常に民意を積極的かつ柔軟に聞き、県の施策に反映させていく姿勢が必要であると考えます。
 そこで、県では今後どのような方法で民意を把握していこうとしているのか、御所見を伺います。
 次に、自然との共生に向けた取り組みの推進について伺います。
 本来、海は泳ぐところであり、川は子供たちの格好の遊び場であり、山々の自然は人々に癒やしと潤いを与え、美しい里山の景観は私たちの誇りでもあります。しかしながら長年に及ぶ自然の開発により海岸の侵食や河川の氾濫、山崩れや里山の荒廃が進み、私たちがなれ親しんだ自然は今や取り戻すどころか現状を維持することすら難しいと言われるほど深刻な悪化が進んでいます。水の涵養や里山の保全など多くの自然を守り続けてきた一次産業の衰退や、財政的事情により自然を守る基盤の整備に十分な対応をとることが難しい昨今、これらの状況を改善するためにも県として自然の大切さに対する意識をより高め各施策に反映させていく必要があると思います。同時に長期的に自然環境の保全や活用を図るために、自然共生社会の形成に向けて人が自然に積極的に関与し、自然が本来持つ機能を持続的に発揮させていく取り組みを進めていくことが重要であると考えます。
 私の地元では、防災機能も兼ね備えた希望の森プロジェクトや西郷地区での子供の森づくり、伝統的な茶草場農法の世界農業遺産への登録を目指した活動など、自然崩壊の危機意識を共有し自然を守り育て後世に残していこうとする取り組みが行われており、このような地域住民による協働は県内でも多くあると思います。利便性や効率性ばかりを追い求めてきた今までの価値観を見直し、自然の恵みの大切さ、すばらしさを後世に伝えていくためにも、自然を守る意識を今後さらに高めていく必要があると思います。
 そこで、県は森林や里山などの自然との共生に向けてどのような取り組みを推進していくのか伺います。
 次に、通学路における歩道の整備と安全対策についてお伺いします。
 ことし四月京都での通学中の小学生を襲った痛ましい事故は、子供たちやその親のみならず多くの人が胸を痛めたことと思います。このような悲劇は二度と起こしてはなりません。この事故を受け、文部科学省は全国の小学校のみを対象に危険な通学路の一斉点検を行い、県でも教育委員会に加え警察本部、交通基盤部合同による緊急点検が行われました。この部局の枠を超えた三者合同での迅速な対応は、現場で問題を解決する現場主義のお手本として地域住民からも高く評価されております。緊急合同点検の結果、県内で対策が必要とされた千二百九十一カ所について、各市町の教育委員会及び学校が主体となって、地元警察や道路管理者と連携協力して対策案を作成することになっていると聞いております。
 掛川市内の通学路においても、地域や学校の要望に基づき県道や市道で歩道の整備が進められており大変感謝しているところでありますが、緊急点検の結果四十二カ所に安全対策が必要とされたように、依然として歩道が整備されておらず安全が確保されていない通学路も残っており、このような通学路ではいつ同様な事故が発生してもおかしくない状況にあると思われます。
 掛川市では、毎年市内全二十五行政区ごとの市民総代会地区集会というものを開催しており、昨年に引き続きことしも同僚の東堂議員とともにほとんどの会場にお邪魔させていただきました。それぞれの会場では参加した地域住民から切実な要望が多く出されますが、昨年の地震・津波対策にかわりことし最も要望や御意見が多かったのは、子供たちの通学路や歩道の整備に関することで、今まで以上に地域住民が身近な安全・安心を求めているあらわれだと思いました。このような状況は県内のほかの地域でも同様なのではないでしょうか。
 そこで、県管理道路における歩道整備をどのように進めていくのかを伺うとともに、掛川市内の県管理道路の通学路における安全確保に対する具体的な県の取り組み状況について伺います。
 次に、光ファイバー網の整備について伺います。
 近年の情報技術の進展は目覚ましく、特に情報通信の分野においてはこの十年の間に国策によるe―Japan戦略のもとブロードバンド基盤整備が民設主導で推し進められた結果、我が国は世界有数のブロードバンド大国となり、最近ではブロードバンドから光ファイバー利用に代表される超高速ブロードバンドが主流になっています。総務省の統計によりますと、九月末現在携帯電話は約一億三千二百万台、およそ国民一人当たり一台以上を所有するまでになり、さらに近年ではスマートフォンやタブレット端末が従来の携帯電話やパソコンに取ってかわる勢いで普及してきております。これらの普及を支えている基盤が光ファイバー網に代表される超高速通信網であり、その整備の重要性が認識されているところであります。特にスマートフォンなどの急激な普及による通信容量の増大は回線混雑を招くことになり、通信事業者も光回線との併用を進めて機器の利用と通信網のバランスを図る整備に努めております。
 県では、いち早く光ファイバー網の整備促進に積極的に取り組み、そのかいがあって現在では県内の約八五%をカバーするまでになりました。掛川市の南部地域でも昨年県の協力を得て光ファイバー網が整備され、地域住民はもとより企業からも好評でインターネット加入率もほかの地域に比べて高くなっております。しかしながら市北部地域では現在も未整備の地域が残されており、県内でも伊豆半島や山間地で未整備のエリアが存在しております。ひとしく地域が発展するためにも、情報通信基盤を重要な社会インフラと位置づけ、これら残された中山間地などへの対策を含めた整備を進めることが不可欠と考えます。
 そこで、県はこれらの未整備地域への整備を今後どのように促進していくのか伺います。
 最後に、中東遠地域の位置づけと将来像について伺います。
 県の総合計画基本構想では、地域づくりの基本方向において志太榛原地域と中東遠地域を一つの地域圏に設定しております。しかしながら志太榛原は県の中部、中東遠は西部であり、両地域は余りにも実際の生活圏、文化圏がかけ離れており、県のさまざまな施策の面的位置づけを見るたび不自然さを感じます。
 地域づくりにおいては、志太榛原地域が空港ティーガーデンシティ構想を打ち出し、富士山静岡空港を核としてその周辺を整備していく地域づくりが進められているのに対し、中東遠地域については、総合計画が策定されはや三年たつにもかかわらず、地域づくりに関する構想などが提案されることなく時間だけが経過してしまい、対照的な状況にあります。
 東の日坂峠から西の天竜川に至る中東遠地域は、海、山、川、里山の豊かな自然に恵まれ、現東名に加え新東名も開通し、JR、新幹線などの社会基盤にも恵まれております。お茶やお米などの一次産業も盛んで、自動車関連や遠州織物などの地場産業など数多くの産業が集積している地域でもあります。また報徳の教えも息づき、自然に囲まれたエコパの周辺は、スポーツのみならず将来、文化や学術的エリアへと発展することの夢も膨らんでおります。
 このように、中東遠地域は独特の風土と将来性を兼ね備えた地域であり、将来を担う子供たちのためにも中東遠地域の未来に向けた発展に努めるのが私たちの役割ではないかと考えます。
 そこで、県は、このような中東遠地域をどのように位置づけ、その将来像をどのように描こうとしているのか伺います。
 以上、私の質問とさせていただきます。御答弁よろしくお願いします。(拍手)
○議長(小楠和男君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 増田議員にお答えいたします。
 初めに、浜岡原子力発電所の今後についてのうち、浜岡原子力発電所及び周辺の理想像についてでございます。
 浜岡原子力発電所にとって一番大切なのは安全確保でございます。県民生活の安全を図って安心感を持っていただくということを何よりの最優先事項として取り組んでいるところでございます。一方、経済成長の源となる電力を確保するためには、東日本大震災、特に福島第一原発によって一極集中依存型のエネルギー体系というものに対する反省から、エネルギーの地産地消にも全力を傾注して取り組んでいるところでございます。
 さて、浜岡の安全性は万全かといえばそれは万全ではないと言わねばなりません。まず津波対策は、十五メートルの津波が襲った福島第一原発に対してのような防護策は講じられていませんでした。したがって十八メートルの防波壁を今おつくり中であるということでございます。また五キロメートルのところにあった福島第一原発のオフサイトセンターは全く機能しませんでした。ましてや二・三キロメートルのところにあるオフサイトセンターというのは、全く機能しないということが自明でございます。したがってこれも安全でないということになります。
 それからまた、使用済み核燃料をこれまでは青森のほうに持っていくということになっておりましたけれども、そちらのほうが滞っているのは御案内のとおりでございまして、そこに持っていくことができないということになりますと処理方法も含めて使用済み核燃料の問題もございます。こうしたことに加えて、一号機、二号機は廃炉が決定しておりますけれども、廃炉の方法についてはまだ確立しているわけではありません。
 そうしたさまざまな課題に我々は直面しておりまして、そうした中で議員が御指摘のように開かれた形で浜岡原子力発電所の現状についてお知らせすることが義務であるということで、私どもは既に平成二十三年一月、すなわち三・一一の前に県防災・原子力学術会議を設けておりましたけれども、こうした三・一一以後はこれをさらに徹底するために津波分科会、あるいは経済性等検討委員会というものを設けました。こうした検討会、分科会におきましては、県の当局、私も含めて出席すると同時に中部電力にも御出席を賜り、またジャーナリストの方々にも御出席を賜り、また県民の方々でお越しになられる方にも来ていただきまして、全てオープンで議論をしそれを公開しているところでございます。こういうふうに公開することを通して浜岡の現状について正しい認識を持っていただくことが、何よりも安全性にとって大事だということでございます。
 例えば、原子力発電というのは一番効率的だというふうに言われてきました。一キロワット時五・五円で一番安いと言われてきたわけですが、中部電力の財務諸表等を出していただいてそれを大島先生――この方面における最高権威でございますけれども――によって分析していただきまして、実際は十円近くかかるということがわかりました。そうしますとこれを今までのように安いというふうには言えなくなります。こうしたことも検討しないとわからないわけでございます。
 それからまた、プルトニウムというのは核兵器の原料になりますけれども、これをどのように処理するかということについて、今まではMOXというウランともう一度まぜ合わせて原料にしてそれを燃やすという方法がありましたけれども、このプルサーマル計画というのも宙に浮いています。またそのプルトニウムがプルトニウムをつくり上げるいわゆる高速増殖炉というのがありますが、これはもう国家的に今全く前に進めない状況であります。そうしますと核兵器の材料をつくらないということで日本の原子力発電がなされておりますけれども、これの持っていき場がないということになりますと国際的な約束を果たすことができません。
 こうしたことについて、中部電力はどうなさっておられますかということになりますと、差し当たってどうしたらいいかということになりますので、私どもは中部電力と御一緒に研究会を開いていると。これは先ほど言いましたオープンな形でやっているわけでございます。そうした中でトリウムという物質を使えばプルトニウムを処理することができると。じゃ、それはどういうものですかということで、トリウム溶融塩についての研究会も開きました。
 それからまた、廃炉にするにはレーザーが有効であるということでありますと、レーザーでどのように廃炉にすることができますかという研究会も開きました。またレーザーを使いますとこれは太陽と同じように核分裂ではなくて核融合によって原子力発電ができるということでございますので、その現状がどうであるかということについての研究会もオープンで開きました。したがって十分に三百七十万の県民には周知されていないとはいえ、中部電力がいわば会社の中で持っていた技術と知識というものは、今オープンになって外に出てきているわけでございます。
 そうした中で、私どもの提案を真摯に受けていただきました中部電力株式会社は、ことしの七月に浜岡原子力発電所の中に原子力安全技術研究所というのを開かれました。そして安全性向上や将来の技術に資する研究を開始することになさったわけでございます。私はそれに大変に期待しておりましたところ、十月下旬になりまして公募研究の概要が発表されましたところ、一件当たり年五百万円を出すということで、これは恥ずかしい数字であるというふうに思った次第でございます。廃炉にするにも数兆円かかると言われています。一旦もし福島第一原発のような事故が起こりますと、そうしたことがもう喫緊の課題になります。そうした中で、平和時に研究をするのにわずか五百万円で何ができますかと、ゼロが二つか三つ足りないんじゃないですかということを言ってるぐらいでございます。ですから今まだ十分にこの浜岡原子力発電所の活用法について試行錯誤の段階と言わねばなりません。
 私どもは、「反原発」とか「卒原発」とかという、そういうスローガンを言うことによって安全性が確保できるとは思っておりません。例えば原子力規制委員会が福井の敦賀第二号機が活断層の上にある可能性があるという報告を出されました。活断層の上にあれば原子力発電所は建てることができませんので廃炉にせざるを得ません。活断層の上にあるということが実は判断の基準になります。また青森県の東通の発電所、これも活断層の上にある可能性が高いという規制庁が発表なさいました。判断は何もありません。それだけです。事実を言われた。そうするとそこの発電所はもうできないことになります。そのように現実をしっかりすることがおのずと判断というものを生むということでございます。
 使用済み核燃料につきましても、再稼働した場合に使用済み核燃料がふえるということを必ずしも多くの人たちは御存じない。再稼働する、あるいは定期点検をするというのは燃料棒の入れかえです。入れかえとなれば新しい燃料棒を入れる。使用済み核燃料を置く場所がないといけません。じゃ置く場所はどれだけありますかと。そうすると一千体を切っています。一千体を切っているということは、一、二回再稼働、あるいは一、二回定期点検をすればもう行き場がないということです。したがって再稼働は実質上できないと同じです。
 こういう事実を知ることを通して初めて安全性についての客観的な判断と今何をなすべきかということがわかるということで、多くの人の中にスローガンを通して安全性があたかも確保できるかのような誤解がありますが、そうしたことは、我々がお茶の風評被害で検査を通して風評被害を克服したように、浜岡原子力発電所というあの施設を研究材料としたその実態について知れば知るほど何をなすべきかということは皆わかります。
 一方、浜岡原子力発電所は百ヘクタールを超すすばらしい大地です。そしてそのすぐそばにいわゆる高圧電線、これが三百六十万キロワット分既に設置されております。そしてすぐ近くには御前崎港という港があります。したがってポテンシャルは非常に高いのです。
 そして、そこで周りに住まわれている方あるいは日本人全体が、もしあそこで大きな事故が起これば、すぐそばを東名が走っておりますし二十キロメートルのところを新幹線が走っていますからそれの通行どめということになりますと、日本経済は壊滅的な打撃をこうむることになります。したがって日本の安全のために、そしてなかんずく県の安全のために、なかんずく周辺の方々の安全のために、なかんずくそこで働いている人々とその家族の安全のために、中部電力と一緒に研究をしその活用法を考えるということを通して理想郷をつくっていこうというふうに考えています。そうした中で、いわば全国の模範となる最先端の研究を通してあの地域のいわば場の力を発見する、活用する、発揚するという、そうした事業に取り組んでいこうと思っております。
 次に、新エネルギーの研究開発支援についてでございます。
 国を挙げての新エネルギーへの転換は、これまでの生活様式や産業構造を大きく見直す転機であり、同時に新しい産業が生まれるビジネスチャンスであると考えます。
 このため、静岡県では産学官が連携して取り組む新エネルギーを活用した研究開発への支援を昨年度から開始いたしました。現在西部地域の三つの会社と県の工業技術研究所が共同で天窓、LED照明、太陽光発電を組み合わせた自立型エコ照明システムなどの研究開発を進めています。さらに県内企業による新技術・新製品の研究開発をより一層促進するため、九月の補正予算におきまして四千万円の助成枠を追加いたしました。リチウムイオン電池関連など新規に二件の研究開発を採択したところでございます。
 また、本県は日本で最大の日照時間に恵まれております。この条件を生かしまして太陽光発電を利用した先進的な施設園芸の導入を目指しております。御前崎市のメロン温室でモデル実証試験を行い、そしてそれに協力してくださった方がみずから太陽光発電を導入するという、そういう御決断もなさったような形を一つの先進事例といたしまして、新エネルギーの農業分野での利活用につきましての技術開発にも取り組んでおります。
 さらに、ことしの八月ハワイ州との間でクリーンエネルギー分野に関する交流を推進することについて合意いたし、覚書を締結したところでございます。来年ハワイ州で開催されるアジア・パシフィック・クリーンエネルギーサミット&エキスポというイベントに本県企業とともに参加し、先進的なクリーンエネルギー政策や取り組みを学ぶとともに、本県のエネルギー技術を担う地域企業のビジネスチャンスにつなげていこうと思っております。
 御案内のように、ハワイというのは真珠湾攻撃で攻撃対象になりましたようにあそこには軍事施設がございます。したがってエネルギーについては極めて熱心です。そこの持っているエネルギー技術をいわばとりにいくと。また本県の持っている技術がどの程度通用するか、こうしたエキスポを通じて向こうの方々に御評価賜る、あるいは採用されていただくということなどを通して、すぐ近く、アメリカの中で一番近うございますし日本語もある程度通じますし日本人も高く評価というか、親日的でもございます。日本人に対する評価も高うございますので、こことの関係は本県にとって極めてアメリカの中で最適なところだと。それをエネルギーという観点からつなげていきたいというふうに思っているわけです。
 また、今後静岡大学、静岡県立大学、東海大学と締結した研究分野の連携協定に基づきまして産学官連携の新エネルギー分野の研究開発をさらに進めます。そしてふじのくに未来のエネルギー推進会議におきまして、最先端の研究に取り組む有識者などによる意見交換会を開催いたしまして、本県の科学的な知見を高めることを通して、地域企業の新エネルギーの研究開発を積極的に支援してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○議長(小楠和男君) 小川危機管理監。
       (危機管理監 小川英雄君登壇)
○危機管理監(小川英雄君) 浜岡原子力発電所の今後についてのうち、浜岡原子力発電所にかかわる情報提供についてお答えをいたします。
 県では、浜岡原子力発電所について、津波対策工事の現場点検の状況やその結果を公表するほか、公開での防災・原子力学術会議の開催、ホームページや報道機関を通じた環境放射線の測定結果の公開、報道機関公開のもとで原子力発電所に関するさまざまな報告を受けるなど情報の発信に努めてまいりました。しかしながら議員御指摘のとおり、県民の皆様の十分な理解につながっていないのではないかとも感じております。
 このため、県といたしましては今後は、御前崎市と周辺地域に配布しております広報誌静岡原子力だよりの内容を一新し、環境放射線の測定結果を絵や図を使ってわかりやすく説明をするほか、地域の方々に関心のある話題について解説するページを新たに設けてまいります。あわせて、県民だよりやリーフレット、ホームページなどを通じて、放射線や原子力の情報をわかりやすく提供してまいります。
 さらに、原子力に関する理解を深めていただけるよう、放射線や原子力に造詣の深い専門家を招き、県民の皆様が日ごろから疑問に思っていることにお答えをする説明会や研修会を継続的に開催するなど、県民目線に立った情報提供に努めてまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 出野知事戦略監。
       (知事戦略監 出野 勉君登壇)
○知事戦略監(出野 勉君) 民意の捉え方についてお答えいたします。
 県政世論調査は、県民の基本的な生活意識や県政の主要課題についての意識を把握するための重要な調査であります。ただ調査項目数に限りがあり、この調査のみでは最新の社会情勢を踏まえた県民の皆様の意識を的確に把握できているとは考えておりません。そのため約七百名の県政インターネットモニターによる調査を適時適切に実施するとともに、危機管理部による津波避難に関する県民意識動向調査など、今最も関心の高い課題についてより多くの県民の皆様からの意見などを積極的に聞く広聴を行い、県の取り組みに役立てることとしております。
 さらに、県民の皆様の意見を的確に捉えるため、知事は就任以来一千回以上現場に赴き現場の実情把握に取り組んでいるところであります。また県民の皆様と意見を交換する知事広聴「平太さんと語ろう」を今年度中までに全ての市町で行うこととし、延べ四千名以上の方々に県の取り組みを直接語りかけ意見や要望を伺い、県政に取り入れることとしてまいりました。
 また、私も広報担当部長として四月就任以来十一月末までに百回近く現場に赴きさまざまな現場の声を聞き、関係各部局との調整を図ってまいりました。各部局におきましても、部局長を初め幹部職員が県内各地に出向き意見を伺う県政さわやかタウンミーティングを年間二百回以上開催するなど、全庁一丸となって県民の皆様の多様な意見を把握することに努め、部局の施策や取り組みに反映させることとしております。
 今後とも、さまざまな機会を捉え時宜を得た民意の把握と施策への反映を行うことにより県民参加による県政運営を着実に進め、総合計画の目標であります県民幸福度の最大化を目指してまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 伊熊くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 伊熊元則君登壇)
○くらし・環境部長(伊熊元則君) 自然との共生に向けた取り組みの推進についてお答えいたします。
 本県のすぐれた自然環境を保全し、生物多様性を確保し、森林や里山が持つ多様な機能を持続的に発揮させていくためには、県民一人一人の自然を守り育てる心と主体的な行動が重要であります。
 このため、県では県立森林公園や遊木の森などの自然と触れ合える施設を提供し、将来を担う子供たちに自然の大切さを伝えるとともに、森づくり県民大作戦やしずおか未来の森サポーター制度を通じまして、県民の皆様の森づくりへの理解と参加の促進に努めてまいりました。
 今後は、人の手が入らず荒廃している身近な里山や鎮守の森の価値を見直し、地域住民を初めとしたさまざまな主体が協力して自然との触れ合いや環境教育の場として再生するとともに、非常時における命山としての防災機能を取り入れた利活用を進める体制を整えるなど都市部における新たな自然との共生にも努めてまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 通学路における歩道の整備と安全対策についてお答えいたします。
 県管理道路の歩道の整備につきましては、小中学校の通学路や公共施設周辺など歩行者の多い区域や歩行者が関連する交通事故の発生箇所において重点的に整備を進めているところであり、掛川市内では現在県道掛川天竜線など二路線三カ所の通学路で歩道の整備を進めております。
 さらに、本年八月に実施した通学路の緊急合同点検の結果を受け、掛川市内では道路管理者による安全対策が必要な十カ所のうちこれまでに五カ所で対策がまとまっております。具体的には、県道大東相良線など四カ所では路肩拡幅による歩行空間の確保など即効性のある対策を本年度中に実施することとしており、県道袋井小笠線の土方小学校の通学路では歩道の早期完成に向け本年度から測量設計に着手いたします。残りの五カ所につきましても、引き続き関係機関や地元と協議を行い合意に至った箇所から速やかに事業に着手してまいります。
 県といたしましては、今後とも教育委員会や警察本部と連携して通学路の安全対策に取り組むとともに、誰もが安全で快適に利用できる歩道の整備に努めてまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 伊藤静岡県理事。
       (静岡県理事 伊藤秀治君登壇)
○静岡県理事(伊藤秀治君) 光ファイバー網の整備についてお答えいたします。
 光ファイバー網は、急速に発展する情報化社会を支える重要な社会基盤として、私たちが生活し経済活動を進める上で必要不可欠なものとなっておりますが、過疎地や山間部などの利用者が少ない地域では整備は採算性が低く、通信事業者が消極的なため整備が進まず課題となっております。
 このため県では、他県に先駆けて平成二十年度より通信事業者の整備を支援する市町に対する補助制度を設けるとともに、ブロードバンドの利活用をアドバイスするコーディネーターを派遣し必要性について御理解をいただきながら、未整備地域の解消に努めてまいりました。
 今年度は、この制度を活用して磐田市と島田市で整備が進められており、今年度末時点で光ファイバー網の世帯カバー率は八五・八%となる見込みであります。また議員から御指摘のありました掛川市北部におきましても協議調整がおおむね整い来年度にも整備が進められる状況になっております。今後とも市町や通信事業者と調整を図りつつ補助制度の活用を働きかけ、光ファイバー網未整備地域の解消に努めてまいります。
 次に、中東遠地域の位置づけと将来像についてであります。
 総合計画における地域圏は、自立的、持続的に発展可能なふじのくにを支える地域づくりを進める観点から、政令指定都市並みの人口規模を目安として五つの地域圏を設定しております。
 志太榛原・中東遠地域は、緑豊かな自然空間と都市空間が調和し農業と工業のバランスがとれた産業構造を有しております。また歴史文化や農林水産業などの多彩な地域資源、交通インフラに恵まれるなど、今後さらなる発展が期待される地域と認識しております。
 その中で中東遠地域は、文化・スポーツの交流拠点エコパを擁し育樹祭やお茶まつりなど全国規模のイベントが開催されているほか、静岡理工科大学や静岡産業大学といった産業人材を育てる拠点を持つなど若い世代にも魅力のある場の力を有しております。
 掛川市では、市民協力のもとお茶の機能性の研究が進められ、東山地区が茶の伝統農法で世界農業遺産登録を目指すなど茶の都づくりが進んでおります。他の市町でも、次世代自動車産業の振興、新東名開通による田園都市空間の活用など個性と競争力ある地域づくりが進められています。
 県では、中東遠地域がこうした高い潜在能力を最大限発揮し自立した地域として発展していけるよう、地域の皆様と一緒になって地域づくりを進めてまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 十三番 増田享大君。
       (十三番 増田享大君登壇)
○十三番(増田享大君) 御答弁ありがとうございました。何点か再質問させていただきます。
 まず、知事みずから浜岡のこと、またエネルギーのこと、御答弁をいただきました。確かに知事が直面する課題に真摯に向き合ってベストを尽くされているという姿勢は、私ども地域住民からも感じるときはあります。ですがやはり地元の皆様方といろいろな意見交換をさせていただきますと、少しやっぱり距離感というものを感じるという声を少なからずお伺いします。それは電力会社さんもそうでありますが、特に地元立地市並びに周辺地域の首長さんや議会の方等も含めてやはりもう少し知事との意見交換を求めている方が多いのではないかと、非常に私ふだんから感じております。そういった方向をお考えになっていらっしゃるでしょうか。またぜひ私どもとしたら、そういった意見交換の場をふやしていただきたいという思いも、またそういう御要望も聞いております。その辺についてのお考えを聞かせていただきたいというふうに思います。
 また、国のあくまで理想像をつくっていく、国の模範的研究を進めていくという中で、原子力発電関係団体協議会から脱会されたということは元来知事は問題ないということを主張されておりますが、やはり国策でもありますので国に対してどのような方向で訴え、また協議をしていくのかということはやはり必要なことであります。独自のソースもお持ちかとは思いますが、改めてどういった方向で国に対してまた要望したりそういった方向で国と協議をしていくおつもりなのか、お伺いさせてください。
 エネルギーにつきまして、ふじのくに未来のエネルギー推進会議のお話をいただきました。あの議事録を私も読ませていただきますと二十一年から始まったもので、基本的にはあれは十年後の実用化を目指しておりますので二〇二〇年ごろの使用実現を目指していると委員の方からの議事録の発言にもありましたが、そうすると意外と短期間で結果が出るものでないとなかなか取り上げられにくいと。もう少し長期的スパン、長期的視点に立って考えて新しいエネルギーというものを考えていくべきではないかという委員の御発言も議事録に載っておりましたが、私はもう少し長期スパンで地域のエネルギーの未来というものを考えるべきだと思っております。
 私どもの郷土の誇りであります石川前知事からお伺いしたことがありましたが、石川知事の当時、遠州灘沖で海中に立脚する海上の風力発電ですね、浮かぶやつではなくて。その研究を県西部の民間企業とされたことがあると。当時は日の目を見なかったそうですが、今となりますと来年の六月に向けて地震・津波対策アクションプログラムも策定中でもありますし、それは風力発電にもなり波よけにもなりまた魚礁にもなると。また浜岡の送電線のことも想定をしておられると思います。そういった長期的なエネルギー政策のお考えが県としてないのでしょうか、改めてお伺いをさせていただきます。
 一点、民意の捉え方につきましては、県政インターネットモニター等は偏りがあると思っております。これは、ここからはちょっと御要望させていただきますが、総合計画の遂行も大事ですがそれ以上に県民の不安が解消されて幸福度が増すことが大事だと思っております。ぜひその視点でお取り組みをいただきたいと。
 あと、通学路に関しまして、きょうは教育委員会さんと警察本部さんにできませんでしたが、三者合同で取り組むということは非常に評価が高かったものですから、小学校以外のお取り組みについてぜひ積極的に御対応いただきますようにお願いをさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(小楠和男君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 浜岡原子力発電所の今後についてにかかわる再質問をいただきましてありがとうございます。
 二つございました。一つは、周辺自治体の方々との意見交換会をもっとしなさいということでございましたが、可能な限りしているつもりでしたけれどもまだ不十分だということなので、ことし移動知事室というのを設けまして、この県知事室から出まして日帰りではなくて志太榛原、中東遠なりそこに泊まりまして、そこで朝から晩まで県民の方と御意見を交換するということで、たくさんの課題がありますのでなかなか浜岡原子力発電所それ自体についての意見交換会は今回はなるほど言われるとおりなかったということもございますので、こうしたことはこれからやっていかねばならないと思っておりますので、この浜岡原子力発電所にかかわる意見交換会ということについて、そうですね、来年度になるかと存じますけれども考えてみたいと存じます。
 それから、国との協議でございますが、浜岡原子力発電所について最もよく知っているのは中部電力です。中部電力についての情報、また中部電力との意見交換を最もしているのは県でございます。あるいは県民でございます。そうした情報に基づいて中央政府がいろいろ御判断をされるということでございます。
 私どもは、例えば泊原発についてよく知りません。北海道電力にとっては極めて重要です。川内発電所、これは鹿児島ですからほとんど知りません。これは九州電力管内のことでございます。我々は、中電管内において浜岡原子力発電所についてはどなたよりも最も専門的な知識を共有できる位置にあるということで、これをできる限り多くの方々に透明性を持って御披露申し上げるということが筋ではないかと思っております。
 ですから、エネルギー政策はなるほど国のものでございますけれども、例えば国が十年後に原発を二〇%に下げると、あるいは一五%に下げるとおっしゃっても、我々のところはもう既に一〇%でございますから、二〇〇九年段階でですね原発依存度は一〇%でございますから、そうしたものはほとんど意味がありません。ですから電力会社も九つそれぞれ独立した民間の会社でございますのでそこの意思決定を抜きにして国のエネルギー政策も一刀両断でこうするというふうにはいかないものでございます。
 ちなみに、浜岡原子力発電所の三号機から五号機一挙に昨年五月六日に政府がとめるようにお決めになりましたが、その決められる環境を整備したのは私どもです。ですからそうせざるを得ないような環境をつくるということを通して政府の決断をしていくと。
 あるいは、オフサイトセンターにつきましても原子力事故再発防止顧問会議というのがございました。私は、委員の一人としてそこに行ったわけですが、浜岡原子力発電所のオフサイトセンターについて述べて、それがこのほど五キロ圏内から出しなさいということになって、そしてその場所を決めるのも私どもが自分で探しました。なぜかというとここについて一番よく知っているのは私どもだからです。ですから恐らく正式にもそういうふうになるでしょう。あるいは基幹的広域防災拠点についても中部地方にはないと。そこを探したのは私どもです。そして探した結果あとはもう判こを押すだけになっております。
 ですから、自分たちの安全は自分たちで守るということですから、国が言ってこられてから決めるということでなくて、主権在民ですから私どもがみずからの安全をどのようにすればできるかということの上で、自助、共助、公助という国の関与、保障、そして協力というものができていくという、そういう姿勢をとっているわけでございます。
 ですから、中央政府についていわばおんぶにだっこの姿勢から我々自立して、ふじのくにとして十分に先進国的な力量を持っていると。もちろん隣の諸県とも仲よくやっているわけでございますのでそうしたことと協力しながら、しかし何よりもみずからの安全、みずからのエネルギー、これはみずから守りみずから地産地消していくという、そういう姿勢でやっておりまして、原子力にかかわっても同じことです。以上でございます。
○議長(小楠和男君) 小川危機管理監。
       (危機管理監 小川英雄君登壇)
○危機管理監(小川英雄君) 浜岡原子力発電所の今後についてのうち、原子力発電関係団体協議会を脱会した後に国への訴えかけ、要望等をどのようにしていくのかという再質問がございました。それにお答えをいたします。
 国への要望・協議につきましては、昨年全国知事会の中に立地県のみならず消費県も含めてより広い視点から原子力対策の特別委員会が設けられました。したがいまして本県独自に要望するほか、必要によってはその組織も通して国等へ働きかけてまいる考えでございます。以上でございます。
○議長(小楠和男君) 伊藤静岡県理事。
       (静岡県理事 伊藤秀治君登壇)
○静岡県理事(伊藤秀治君) 長期的なエネルギー研究、エネルギー政策についての御質問がございました。そちらについてお答えいたします。
 我が国は資源がございません。そういった中で自然エネルギー――太陽光とか海洋エネルギー、そういったものを活用して分散自立型エネルギーの体系を築いていくということは非常に大切と考えております。そうした中で、昨年からでございますが東海大学で波力、また海中での潮流ですか、そういったものを使った発電の研究をされている方がいらっしゃいます。また洋上風力発電のような海上での風力発電のような研究も進んでおります。
 そうした中で、国のほうで来年度でございますけれども、実用化に向けた実証フィールド、そういったものを設けて実用を目指して研究をさらに進めたいというような考えがございます。そういったものに手を挙げることも含めまして地域の方々、市町や漁協の方々といろいろ研究したり、またそういった先ほど申し上げましたような研究者にも参加していただきまして、いろいろ知見を共有しているところでございます。そういった活動を通じてやはり十年後、二十年後のエネルギーをきちんと分散自立型で賄えるような体系づくりを進めていかないといけないと考えておりますので、そういった意味で研究を進めていきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。以上であります。

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