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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鳥澤 由克 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/01/2018

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 オリンピック自転車競技ロードレースについて           
  (1) 課題認識と今後の取り組み                   
  (2) 道路環境の整備                        
2 障害のある人の文化芸術活動支援について             
3 “ふじのくに”のフロンティアを拓く取り組みについて       
4 南海トラフ地震に関する新たな情報への対応について        
5 施設園芸の振興について                     
6 産学官連携によるICT活用工事の普及促進について


○議長(杉山盛雄君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第一号から第八十六号までを一括して議題といたします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十五番 鳥澤由克君。
       (十五番 鳥澤由克君登壇 拍手)
○十五番(鳥澤由克君) 皆様おはようございます。私は自民改革会議の所属議員として、通告に従い一括質問方式で知事、副知事及び関係部局長に当面する県政の諸課題についてお伺いをいたします。
 初めに、オリンピック自転車競技ロードレースについてのうち、課題認識と今後の取り組みについて伺います。
 東京二〇二〇オリンピック自転車競技の開催について、うれしいニュースが飛び込んできました。先月三日に韓国の平昌で開催されたIOC理事会において、本県の小山町にある富士スピードウェイをオリンピック自転車競技ロードレースのゴールとすること、あわせて個人タイムトライアルの会場とすることが決定をいたしました。本県がロードレースの競技会場となることはまことに光栄であるとともに、地元の関係者、子供たちにとっても大変喜ばしいことであります。
 私の地元の裾野市では、オリンピック・パラリンピックの自転車競技の開催を契機に三島市、裾野市、御殿場市を通る林道北箱根山線、通称ではございますけれども箱根やまなみ林道を活用し世界遺産富士山とその周辺のグルメ、御殿場市二子地区における農家民宿の取り組み等を結びつけたサイクリングコースの設定を検討するなど富士山周辺地域の魅力の向上と東部地域の活性化に取り組んでいます。今回のロードレース会場決定の一報はこうした地元の取り組みに弾みをつけ、地域全体の交流の拡大と全世界への魅力の発信につながる千載一遇の機会であると大いに期待をしているところであります。
 このたび、小山町がオリンピックロードレースの会場に決定いたしましたが、今後のコース設定によっては裾野市や御殿場市などもコースに含まれる可能性があります。本県が世界に誇る富士山を背景として世界のトップアスリートたちが北駿地域を疾走することになります。このことから東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技開催を成功させるためには既に会場に決定している伊豆市を含め伊豆半島・東部地域が一丸となって大会の機運を盛り上げ、オリンピックを一過性のイベントに終わらせず地域の発展の起爆剤とする心構えが肝要です。加えて地域全体でしっかりと連携し、万全の体制で準備をしていく必要があることは言うまでもありません。
 しかしながら、今回のオリンピックのロードレース競技は公道を走ることから伊豆ベロドロームなどで開催するトラック競技やマウンテンバイク競技とは大きく異なる課題もあります。競技運営は難しいものではないかと感じます。
 そこで、東京二〇二〇オリンピック自転車競技ロードレースの成功に向けどのような課題認識のもと今後どのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、道路環境の整備について伺います。
 公道を走るロードレースのだいご味は、競技場という閉鎖された施設を飛び出し我々がふだん使用している道路で競い合うことにより日常生活の舞台である道路が一瞬にしてエキサイティングなレース会場に変わるという、非日常的なダイナミックさにあります。一方私がよく利用する国道四六九号はロードレースのコースになると思いますが、舗装が劣化しており、でこぼこが至るところで見られます。今年度裾野市須山で補修が行われていることは大変ありがたいところではありますが、四年に一度の大会において選手が実力をいかんなく発揮するためには今まで以上に力を入れてもらい、コースとなる道路の環境を十分に整える必要があります。
 先ほども申しましたが、ロードレースは一般道路においてスタートとゴールをつなぐ長い線で競技が行われるため、伊豆ベロドロームで開催するトラック競技やマウンテンバイク競技とは大きく異なる課題が道路環境の面でも見えてまいります。コース延長は三百キロメートル近くにも及ぶ非常に長いものであり、管理者が国、県、市町と複数存在し常に利用者がいる一般道路においては路面状況の把握や補修に相応の時間や労力を要するものと思われます。今後大会組織委員会は国際オリンピック連盟や国際自転車連合等と調整を進めた上で正式にコースを決定すると思われます。現時点でもオリンピック開催まで二年半足らずという限られた準備期間しかありません。
 私の地元であり、コースの一部となると見込まれる裾野市においても静岡県や近隣市町と連携し東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げていくと市長がコメントしております。また知事も地元市町や各種関係団体、コースを含む都県と連携し自転車ロードレースの成功に向け万全の準備を進めていくと明言しておりますので、道路環境の整備についてもコース決定後速やかに着手できるよう今から準備をスタートさせるべきと考えます。
 そこで、東京二〇二〇オリンピック自転車競技ロードレースの成功に向け道路環境の整備にどのように取り組んでいくのか、県の方針を伺います。
 次に、障害のある人の文化芸術活動支援について伺います。
 オリンピック・パラリンピックは、世界最高峰のスポーツの祭典であると同時に文化の祭典でもあります。スポーツ面での機運の高まりは大変喜ばしいことですが、一方で文化面とりわけ障害のある方々の文化芸術活動に対する県民の関心の低さが気になります。県内には障害者アートに取り組む障害のある方々が大勢おられます。
 例えば、県東部に拠点を置く社会福祉法人富岳会では知的障害のある方々の音楽療法の一環として日本の伝統芸能である和太鼓に取り組み、今では富岳太鼓として名を馳せております。二度の天皇陛下御前での演奏を初め海外公演など四十年の歴史があります。また障害のある子供の保護者らの団体であるココワは、生活の中で何げなく生まれたおもしろい絵をデザインに使ってTシャツやバンダナを製品化しているとのことであります。
 しかし、このような成功例は一部であります。多くの場合作品を発表する機会に恵まれずせっかくの才能を生かすことができず、埋もれさせてしまっていることもお聞きをいたします。そのような障害者アートを発掘し多くの人々に知っていただくことは障害者に対する理解を深めることになります。まさにアートは障害者と社会をつなぐかけ橋です。
 そこで、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向け積極的に文化プログラムを推進する静岡県として障害のある方々の文化芸術活動について今後どのような施策を展開していくのか、県の所見を伺います。
 次に、“ふじのくに”のフロンティアを拓く取り組みについて伺います。
 内陸のフロンティアを拓く取り組みは、東日本大震災の発災や新東名高速道路の開通を機に安全・安心で魅力ある県土の実現を目指し防災・減災と地域成長を兼ね備えた地域づくりが進められてまいりました。沿岸部から中山間地域に至るまで県全域に取り組みが拡大し防災・減災に資する施設の平時の有効活用や企業誘致、ゆとりある住宅地の整備などさまざまな取り組みが展開されており、防災先進県として本県ならではの特色ある施策の一つになっていると感じております。
 その一方、取り組みの開始から五年がたとうとしている中で事業が完了した推進区域は三十弱にとどまっていることもまた事実であります。推進区域の中にはこれまで以上に支援していくべきものもまだあると思います。
 そこで、まず一点目として、いまだ完了していない推進区域について今後県はどのようにかかわっていくのかについて伺います。
 二点目は、今後の目指す姿についてであります。
 現在、県では内陸のフロンティアを拓く取り組みを“ふじのくに”のフロンティアを拓く取り組みに名称を改めました。来年度からの五年間を期間とする第二期基本計画の策定を進めております。地域間における人・モノ・情報の対流を促進し物心ともに豊かさを実感できる、県内外に開かれた活力ある圏域づくりを推進していくという方針を明らかにしたところであります。人口減少の中で圏域人口を確保し地域の活力を維持発展させていくことの重要性は私も認識をしておりますが、例えば圏域の中では人口規模の小さい都市が大きい都市に単に飲み込まれてしまうものでは、まさに東京一極集中の地方におけるミニ版をつくるだけのことになるのではとも懸念をしております。
 そこで、県では来年度からの“ふじのくに”のフロンティアを拓く取り組みにおいて新たに何を目指し、そのためにどのような圏域を形づくっていこうとしているのか伺います。
 次に、南海トラフ地震に関する新たな情報への対応について伺います。
 昨年九月に取りまとめられた国の南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく防災対応検討ワーキンググループの報告において、確度の高い地震予測は困難であり、大規模地震対策特別措置法に基づく現行の地震防災応急対策は改める必要があるとされました。そこで国は静岡県、高知県などをモデル地区に設定し南海トラフ地震に関する不確実な地震予測に基づく情報を活用した新たな防災対応を検討することとしています。またこの検討が終わるまでの当面の措置として気象庁は南海トラフ地震に関連する情報を発表することとし、東海地震注意情報や地震予知情報の発表を事実上凍結しました。このため地震予知情報に基づく警戒宣言も発令されなくなりました。
 大規模地震の発生直前をイメージした大震法における地震防災応急対策では、警戒宣言が発令されると鉄道の運行停止や学校の休校措置等の規制を実施し東海地震の発生に備える計画となっています。
 一方、今後発表される地震発生に関する新たな情報は大規模な地震発生の可能性が平常時に比べて相対的に高まっているというような曖昧なものになると想定をされています。この情報自体の位置づけはこれまでの予知情報のように警戒宣言などに結びつくことがなく、非常に弱いものであると聞いております。このような情報に基づいた事前の防災対応を考える場合、これまでに比べ住民や企業がどのタイミングでどのような対応をとるべきかという判断が難しく事前避難などの防災行動をあらかじめ考えておくことは困難と思われます。
 今回、本県が国のモデル地区とされたのはこれまでの四十年にわたる地震対策の実績と先進性が評価されたものと思いますが、今後国の発表する情報は事前の防災対応を検討する上で本県としても非常に対応しにくい内容ではないかと思われます。そのため県民により丁寧な説明と情報公開をし、県民一人一人がどのような対応と判断ができるのか新たな防災意識とともに行政の対応も早急に構築しなければなりません。
 そうした中で、県はどのように検討を進めているのか伺います。
 次に、施設園芸の振興について伺います。
 農業を取り巻く情勢は、TPP環太平洋パートナーシップ協定が昨年十一月にアメリカを除く十一カ国で大筋合意に達しました。この影響や平成三十年からの米の生産においてこれまでの生産調整が廃止されるなどの影響により大きな転換期を迎えています。全国の農業産出額は長期的に減少傾向が続いており、本県の農業産出額につきましても平成二十八年度が約二千二百億円で、二十年ほど前には三千億円あったことを思うと少し寂しい気がします。また最近では野菜の不作やミカンの生産減少による単価上昇が大きく報道されており、消費者が野菜や果物から離れてしまうことも懸念されるところです。
 本県は多彩で高品質な農産物が生産されており、特に温暖な気候を生かした施設園芸については昭和の時代から市場を含め消費者からも高い評価を受けてまいりました。私の地元である裾野市においては昭和二十四年から富士山の麓に苗を山上げし花芽の分化を促進する高冷地育苗を取り入れたイチゴ栽培が盛んであるほか、近隣ではメロンやトマトも栽培されております。最近では小山町において四ヘクタールという大規模なハウスで年間約二百五十トンの高糖度トマトの栽培に取り組み、新たな産地を形成しつつあります。
 こうして生産された本県の農産物は首都圏を中心に市場、消費者からも高い評価を得ておりますが、品目が多い反面個々の生産量が少ないという現状もあり、市場のニーズに十分応え切れていません。そのためにこれからの産地形成のためには生産量の拡大と生産施設の充実、個々の経営体強化が喫緊の課題だと考えております。
 そこで、市場ニーズの高い本県のイチゴやトマトなど高品質な野菜の生産量をさらに拡大するために、県は今後多様化する消費者ニーズ、新しい産地の育成など農業を取り巻く環境が大きく変化する中で施設園芸の振興にどのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、産学官連携によるICT活用工事の普及促進について伺います。
 我が国の人口は、平成二十年をピークとして減少傾向に転じている一方で高齢化率は上昇を続けており、人口減少と高齢化により生産年齢人口は減少の一途をたどっています。特に建設産業ではこの状況が顕著で、国が定めた第四期国土交通省技術基本計画によると建設現場で働いている技能労働者のうち五十五歳以上が約三分の一を占めるなど労働者の高齢化が進行しております。さらに今後高齢者の大量離職の可能性に直面し、中長期的には担い手不足が生じることが懸念されております。
 建設産業は、社会資本の整備や維持管理の担い手であると同時に県民の安全・安心の確保を担う地域の守り手であります。担い手確保は喫緊の課題で、賃金水準の向上や休日の拡大等による働き方改革とともに建設現場の生産性向上が急務であります。
 現在、県は建設現場にICTを導入して生産性の向上を目指すICT活用工事を全国に先駆けて導入しています。しかし受注者にとってドローン等の活用や三次元データを利用するICTの導入は従来の仕事の進め方から大きく転換することになるため、新たな設備投資やICTに精通した技術者の養成、確保に踏み切れないという意見を聞いております。
 このような変化に対応するためには、技術の進展に対応した人材の確保と育成が必要でありますが、建設現場では古くから熟練技術者の技術は見て盗むものとの考えがあり、この考えがプロフェッショナルへの道のりを長くし人材確保を困難にしている要因の一つになっていると考えられます。
 幸い、富士山周辺の地域には建設産業の優秀な人づくりで全国を牽引する富士教育訓練センターや建設分野の先進技術研究機関として国家的プロジェクトにも参画している施工技術総合研究所が立地し活発な活動を展開しておりますので、この地の利を積極的に活用して短期的に集中して技術者の育成やICT施工技術の現場への早期導入を進めるなど、産学官が連携してICTの普及促進を図るべきだと考えます。
 そこで、現在の取り組み状況と今後の進め方について伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 鳥澤議員にお答えいたします。
 オリンピック自転車競技ロードレースについてのうち、課題認識と今後の取り組みについてであります。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの種目、自転車競技が本県で開催されるというのは大変名誉なことでございます。県内において日本サイクルスポーツセンターで行われるのがトラック、マウンテンバイク競技。このたび定まりましたのが自転車競技のロードレースでございます。自転車競技は全部で四つあります。そのうち三つ、四打数三安打ということで大変ありがたい機会であると思っております。全世界に本県の魅力を発信する絶好の機会であると捉えておりまして、観光交流の拡大や地域の活性化の効果も一層高まると期待しているところであります。
 一方、御指摘のようにロードレースは競技を実施するためのコース監視要員や警備の体制の整備、コース各所でレースを観戦する観戦客の円滑な輸送と誘導への対応が求められます。加えまして交通規制に伴う地元の方々の生活や富士登山を初めとした周辺観光等との調整など路上競技特有の課題が数多くございます。
 これらの課題に対応するために、来年度オリンピック・パラリンピック推進課の組織体制を大幅に強化することといたしました。また広域に及ぶ競技実施の課題に対応するとともに、開催を周辺地域全体の活性化につなげるためには県と市町、各種関係団体が一丸となって取り組むことが不可欠であります。
 そこで去る一月三十一日、伊豆半島東部地域二十市町ございますが、二十市町の首長による協議会を設立いたしました。正式名称は東京オリンピック・パラリンピック自転車競技伊豆半島・東部地域首長協議会といいまして土屋副知事が議長を務め、またスポーツ担当の文化・観光部理事がそこに加わっております。この当日、一月三十一日の会議におきましてはロード競技の課題の共有化を行い、また将来的に富士山麓や伊豆スカイラインなどを活用したロードレース、あるいはサイクルイベントの開催など地域全体の交流拡大や活性化の取り組みを一体となって行うことを協議会の総意として確認したところであります。
 さらに、コースにつきましてはまだ正式には発表されておりませんけれども、スタートは東京都の武蔵野の森公園、そしてゴールは本県の富士スピードウェイであります。この長距離のロードレースの準備のためには、コースとなる都県並びに市町村が連携して開催準備をすることが成功の鍵となります。
 そこで、本県では組織委昌会に対してできる限り早くコースとなる自治体を示していただき関係する都県、市町村等との準備に関する連絡調整の会議を行うことを提案するなどリーダーシップを発揮しているところであります。
 本県といたしましては、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催地といたしましてこれまでのトラック、マウンテンバイク競技に加えましてこのたびの決定が決まりましたロードレースの成功に向けまして組織委員会、関係都県と連携を密にし、また県内関係市町、各種関係団体と一丸となりまして万全の準備に怠りなきよう一層気を引き締めて対応してまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、副知事並びに関係部局長から御答弁を申し上げます。
○議長(杉山盛雄君) 土屋副知事。
       (副知事 土屋優行君登壇)
○副知事(土屋優行君) オリンピック自転車競技ロードレースについてのうち、道路環境の整備についてお答えいたします。
 オリンピック自転車競技ロードレースが世界に誇る富士の麓のすばらしい環境のもとで実施されることは、世界トップクラスの技術を体感しサイクルスポーツに対する関心をさらに高める絶好の機会でもあり、万全の準備をもって海外のトップアスリートを受け入れる必要があります。ロードレースを成功させるためには、コースを世界最高レベルの大会にふさわしい水準に整えることが重要であります。しかしながら現時点、幾つかの課題がございます。
 先ほど知事からも説明がありましたとおり、一つ目はロードレースのコースが正式に決定していないこと、二つ目は必要とされる道路施設の整備水準が明らかにされていないこと、三つ目には組織委員会との役割分担が明確になっていないこと、この三点が大きな課題となっております。
 こうした中ではありますが、コース決定後短期間で準備を整えるため県ではロードレースのコースと想定される県管理道路につきまして修繕が必要な箇所の舗装補修を計画的に実施しているところであり、議員御指摘の国道四六九号を初めロードレース競技開催までに損傷の大きい箇所の補修を進めてまいります。
 さらに、コース決定後にスピード感を持って対策を実施できるよう、現在ロードレースを円滑に開催する上で必要となる道路施設に関する配慮事項等について国際レベルの大会を開催しております自治体への調査を進めております。加えまして組織委員会に対し道路施設の整備範囲と整備水準、役割分担等が早期に示されますよう関係市町と連携し強く働きかけてまいります。
 県といたしましては、東京二〇二〇オリンピック自転車競技ロードレースを成功に導くとともに、大会のレガシーをサイクルスポーツの聖地づくりに継承できますよう引き続き積極的な情報の収集と分析を行うとともに、国や関係する市町等との連携を図りながら情報の共有と対策の検討を進め道路環境の整備を確実に実施してまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 障害のある人の文化芸術活動支援についてお答えいたします。
 障害のある方々にとって、文化芸術活動はみずからの心豊かな暮らしや生きがいを充実するだけでなく、文化芸術活動を通じて相互理解を深め障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会の実現にも大きく寄与するものであります。
 県では、昨年四月に施行した障害者差別解消条例に基づき障害のある方々の文化芸術活動への参加を奨励し健常者とともに文化芸術活動に参加できる機会を確保し、相互理解の促進に努めているところであります。また障害者芸術祭を毎年開催するほか障害者団体などが主催する美術展や公演会の周知に努めるなど、障害のある方々が参画する文化芸術活動を支援してまいりました。中でも知的障害のある方々の絵画や工芸などの作品展である愛護ギャラリー展は毎年障害のある方々が力を合わせ制作した作品が出展され、県民に深い感動を与えているところであります。また議員からもありました富岳会の和太鼓やねむの木学園の絵画などは、まさに本県の障害者の方々が全国の方々に感銘を与えているところでございます。
 来年度、県といたしましては新たに障害者文化芸術活動支援センターを設け、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けて文化芸術活動を行う団体への支援を初め障害のあるアーティストの発掘や育成、県内各地での活動情報の発信などに組織的に取り組み県内の障害のある方々の文化芸術活動を育み文化プログラムの発展を障害のある方とともに担ってまいります。
 また、障害のある方の文化芸術活動への理解を広げるため、来年度大分県で開催される全国障害者芸術文化祭と連携したサテライト事業としてグランシップでの作品展を初め県内各地でのミニコンサートや展示会を開催するなど、障害のある方々の作品や演奏などを発表する機会を積極的に提供してまいります。
 今後も、障害のある方が創作する文化芸術を誰もが気軽に日常生活の中で楽しむことができるように発表の場を充実させて文化芸術活動を通じて障害のある方々の社会参加促進を図ってまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 伊藤経営管理部長。
       (経営管理部長 伊藤篤志君登壇)
○経営管理部長(伊藤篤志君) “ふじのくに”のフロンティアを拓く取り組みについてお答えいたします。
 防災・減災と地域成長の両立した地域づくりを通じて県土の均衡ある発展を目指す“ふじのくに”のフロンティアを拓く取り組みは、これまでに県内全域で八十四のさまざまな分野の取り組みが展開されております。既に五十ヘクタールの用地造成が完了し千七百人の新たな雇用が創出されるなど目に見える成果があらわれつつあり、順調に進捗しております。まずは継続中の取り組みを着実に仕上げていただき、早期に成果を発現していくことが重要であります。
 このため、全庁横断的な体制であるチームフロンティアにより技術的助言を行い円滑な事業の推進を図ります。また企業の皆様が安心して進出していただけるように推進区域を対象とする各種支援制度を延長するなど、今後五年間で全ての区域の事業が完了するよう全庁を挙げて取り組んでまいります。
 また、次期総合計画では富国有徳の美しい“ふじのくに”づくりに向けて県内のあらゆる地域でそれぞれの価値観やライフステージに応じて望むライフスタイルを選択できる環境を創出し、物心ともに豊かさを実感できる安全・安心で魅力ある県土の実現を目指しております。そのためには推進区域を核とした本取り組みにつきましても、さらに地方創生を牽引する広域的な取り組みへと展開していくことが必要であります。それぞれの地域が自然や歴史、文化、産業等の個性を発揮することで求心力を高め都市と農山漁村、あるいは複数の市町、さらには県外や海外も含めた地域間において人・モノ・情報が双方向で行き交い地域に活力をもたらす多中心の対流型都市圏の形成を進めてまいります。
 県といたしましては、“ふじのくに”のフロンティアを拓く取り組みを市町や企業、民間団体等と一体となって推進し世界に誇れる特色ある魅力を備えた地域づくりを進め、多様な地域性が調和する富国有徳の美しい“ふじのくに”の実現に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 杉保危機管理部長。
       (危機管理部長 杉保聡正君登壇)
○危機管理部長(杉保聡正君) 南海トラフ地震に関する新たな情報への対応についてお答えいたします。
 国は、昨年十一月以降東海地震に関連する情報にかえて南海トラフ沿いで地震が発生する可能性が相対的に高まったと評価された場合に南海トラフ地震に関連する情報を発表することといたしました。地震対策は突然発生する地震に対して万全な備えをすることが大事でありますが、この新たな情報を事前の防災対策に生かすことも県民の安全を確保するためには大変重要であります。
 新たな情報に基づく防災対応についてその効果を十分に発揮するためには、社会全体での統一的な取り組みが必要であることから、県がリーダーシップをもって防災対応のあり方やその方向性を示していく必要があると考えております。一方で防災対策の進捗状況や被災地の影響度合いを踏まえ県民や企業においても主体的に考えていく必要があります。そのためには県民の皆様に新たな情報に対する理解を深めていただくための情報提供や説明が不可欠であります。
 県では、現在静岡市、沼津市をモデル地域として自主防災組織や社会福祉施設等に対しヒアリングを実施しているところであり、今月開催する県防災会議専門部会の議論を経て住民避難や要配慮者施設等の対応、交通規制のあり方など防災対応の骨子案を取りまとめる予定であります。その後アンケート調査等を通じて県民や企業等の意見を聞き、広く社会的合意を得ながら二〇一九年を目途に新たな防災対応を定めてまいります。またこれらの検討状況等についてホームページ等を通じて情報提供をし、県民の皆様の防災意識の向上を図ってまいります。
 県といたしましては、新たな情報を最大限に生かした事前対応を進め県民の生命を守り速やかな復旧復興につながる防災体制の構築を目指してまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 吉田農林水産戦略監。
       (農林水産戦略監 吉田 茂君登壇)
○農林水産戦略監(吉田 茂君) 施設園芸の振興についてお答えいたします。
 静岡県の施設園芸は、温暖な気候を生かし全国に先駆け温室メロンやトマトの栽培が始まり、その後は高糖度トマトの栽培技術の開発等により施設園芸の先進県として全国の産地をリードしてまいりました。しかし近年は、北関東や九州などの新興産地が品目を絞って地域全体で野菜の生産拡大に取り組み産出額を大幅に伸ばしている中で本県の野菜の産出額は必ずしも十分な伸びを示しておりません。
 一方で、トマトの「アメーラ」やイチゴの「紅ほっぺ」、「きらぴ香」などの本県の農芸品は首都圏の市場や量販店の関係者から高い品質が評価され供給量の拡大を望む声が高まっております。加えてイチゴやメロンはアジアや中東地域向けの輸出も伸びております。こうした需要に対応して供給量を拡大することが喫緊の課題となっております。
 そこで、供給力強化につながる具体的、効果的な対策を早急に実施するため昨年十二月経済産業部内に新たに専門チームを設置し、マーケットインの考え方に基づき市場のニーズを産地や農業法人に直接結びつけ農芸品の生産拡大を促す取り組みを始めたところであります。加えて本取り組みに基づき生産拡大を目指す意欲的な生産者に対して、来年度から新たに生産施設の整備に対する助成制度を創設することを本議会にお諮りしているところであります。これによりまして生産拡大を加速化するとともに、既存施設の温度や二酸化炭素濃度等をICTにより高度に制御する設備の導入を支援し経営体の生産性向上を着実に進めてまいります。
 県といたしましては、今後も国内外のマーケット情報を精力的に集約するとともに、新たな生産基盤の拡大と生産性の向上を進めることで戦略的に施設園芸の振興を図ってまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 鈴木交通基盤部長。
       (交通基盤部長 鈴木克英君登壇)
○交通基盤部長(鈴木克英君) 産学官連携によるICT活用工事の普及促進についてお答えいたします。
 県では、技能労働者の減少を補う生産性の向上を目指して平成二十八年度からICT活用工事を試行的に導入し、これまでに道路改築工事や河床の掘削工事など三十三件の工事を実施してまいりました。この結果平均で約二〇%の工期短縮や安全性の向上が認められる一方で、アンケート調査ではいまだにICTの活用効果が県内の中小事業者に十分伝わっていない現状が浮き彫りになりました。
 このため、県では施工技術総合研究所を初め産学官のICTの専門家や施工業者など約四十団体が参画するふじのくにi―Construction推進支援協議会を組織し経験のない中小事業者にICT活用工事の効果を周知するとともに、より効率的な活用を図るため専門技術者による現場での技術指導などの支援を行っております。また富士教育訓練センターと連携してICT活用工事の実践研修を開講し人材育成に取り組むとともに、建設業の経営者に向けてICTの活用による経営環境の改善セミナーを民間と共催するなどICT活用工事に対する理解を深める活動を実施しております。
 県といたしましては、来年度からはICT活用工事を本格的な普及期間に移行することとし、中小事業者がICT活用工事に容易に取り組めるよう今年度までの試行期間に得られた知見や技術を三月中にガイドラインとして取りまとめ研修会やセミナーを開講するとともに、支援協議会の活動などを通じて広く周知しより一層ICT活用工事の普及促進を図ってまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 鳥澤由克君。
       (十五番 鳥澤由克君登壇)
○十五番(鳥澤由克君) それぞれに御答弁をいただきまして大変ありがとうございました。
 一点再質問と、あと時間の中で要望を申し上げたいというふうに思っております。
 まず、再質問一点目でございますけれども、オリンピック自転車競技ロードレースの課題認識と今後の取り組みについての再質問でございます。
 先ほど、知事から各関係都県、広域に連合した調整機能を拡充していってしっかりと対応していただけるというお話、そしてあと副知事からも三つの今の抱える現実的な課題も含めた中で御意見をいただきました。最初の質問でも申し上げましたんですが、オリンピック自転車競技ロードレースの本県開催についてはこれから日本がオリンピックの開催国として、機会はあるものの静岡県、そしてまた特に東部、そしてまた北駿地域が正式なオリンピック会場となるということは確率的に言えばもう本当に低いのかなということでありますので、やはり何としても我々北駿地域に住む者としても受け入れ体制から何から、市それぞれに住む皆さんとともに頑張っていきたいというふうな思いはあるわけでございます。
 その中で、これはやはり地域のこのロードレースの開催が地域の活性化、あるいは交流人口の拡大につながる千載一遇の機会であるということは私たちも認識しているところでございます。すなわちその地域に住む人々の、やっぱり人々の生活や文化、そして地域経済にも波及効果を有機的に結びつけていくこと、これがやはり何といっても一過性にとどまる、オリンピックよかったね、楽しかったね、感動したね、それでは済まないということでございます。これは単に、地域にレガシーを残すことを含めて成功というところに言葉が使えるのではないかなというふうに思います。特に今後、皆様も御存じのように、全県下でのデスティネーションキャンペーン、そしてラグビーのワールドカップの二〇一九年の開催も控えておるところでございますので、そして何といっても我々の住む伊豆半島、この伊豆半島も世界ジオパークの認定も期待されているということでございます。こうした機会を捉えて、オリンピックを一過性のイベントに終わらせずに大会開催後も引き続き地域の人々が多くの人が世界から訪れるような仕組みと機構、またあるいは体制整備の必要があるのではないかなということで、もう少し掘り下げての御答弁をいただきたい、これが再質問の一点目でございます。
 あと、要望でございますけれども、“ふじのくに”のフロンティアを拓く取り組みについての御答弁をいただきました。ありがとうございました。まさにこの内陸フロンティアについては呼称も変わり、目的も時代の最初に内陸のフロンティアはまさに災害減災、そして県の山間地域も含めた中で活性化していこうということになって目的が達成されたわけですが、時代の変遷とともに少子高齢化、そしてこれから行き詰まる社会において内陸フロンティアが果たす役割というのは少しずつ軸足が変わってきているのではないかなというふうに思いますので、その点についての時代の背景とともにそれぞれの人々の住む思いをしっかりとつなぎとめて内陸フロンティアの行政運営に生かしていただきたいというふうに思っております。
 そして、次にも意見の中で南海トラフ地震に対する新たな情報への対応でございます。
 東海沖地震についてもう早くも来る、来るといって四十年、これはやはりそう言われて予知可能を前提とした今、大規模地震対策措置法いわゆる大震法の根拠に基づいて物事が組み立てられてきた気がします。やはり国や自治体は避難計画などを策定をしていたということでございますが、明らかにこの明確に今度は科学的な予知は困難だとして明確な意思表示があったわけでございますので、大震法の運営方法を見直すところが来ているのかなというところであります。まさに行政、国の限界、それを地域の人々、県の県民の皆様に差し示す情報公開を的確につなぐこと、それによって我々県民がどのように判断をしどのように避難をしていったらいいか、みずからが考える機会をしっかりと県のこういう場で情報発信をしていただきたいというふうに思っております。そのことがあって初めて我々は自分に何ができるのかをしっかり判断する材料、まさに私たちは地域、県民に背を向けてはなりません。思いを持って、そして覚悟を持ってこの大きく変わる法律の枠組みの中で取り組むべきことがやはり我々県議会にも求められておりますし県当局の皆様にも求められている。それなりの覚悟を持ってやらなければこれは県民が安心・安全な県土づくり、静岡に住んでよかったね、静岡に生まれてよかったねというまでには相当になるというふうに思っております。
 あと、オリンピックのロードレースについての二、三点、これは要望の中でございますが、一期の工事は沿道にお住まいの、先ほど答弁の中にもありますけれども生活に影響を与えるということでございますので各組織委員会への働きかけをしっかりとしていただいて早期に準備を進めていただく、まだ不確実性のときではあるにしても体制はしっかりとつくっていただきたい。そしてまたロードレースコースを含めて関係する市町については道路管理者が多数にわたってまいりますので、そこのところは市町は技術職員も少ないのでロードレースについての情報もつかみにくいと思っております。市としての連携をしっかりと保ってやっていくべきだというふうに思っております。
 いずれにしても、このオリンピック・パラリンピックについてはさまざま我々の、やはり先ほど申しましたようにやってよかったね、感動したね、それではなくして先ほども何回も申し上げますようにレガシー、人々の生活、文化によってそれがオリンピックがもたらされる可能性をいかんなく限りなく前に進めていきたいと。以上、答弁を求めます。
○議長(杉山盛雄君) 西田文化・観光部長。
○文化・観光部長(西田郁夫君) オリンピック自転車競技ロードレースについてのうち、課題認識と今後の取り組みについての再質問についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、オリンピック開催後にも観光客が本県に訪れていただくためには一にも二にも仕組みづくり、体制づくりが大切だと思っております。そのためにはこのたびの静岡DC――デスティネーションキャンペーンで各地域で行っております観光素材の掘り起こしや磨き上げ、全県一体となったプロモーション活動による誘客の取り組みが、これが仕組みとして将来にわたり県内の各地域に定着することが不可欠であると考えております。
 観光素材への取り組みの例として、議員が御紹介されました通称箱根やまなみ林道を活用した地域振興、誘客促進の活動もまさに観光客に本県に訪れていただくための仕掛けとして大切な取り組みの一つと思っております。
 したがいまして、県といたしましては観光地域づくりの核となる県内各地のDMOとも連携いたしましてこうした観光素材の磨き上げに全力を挙げ、年間を通じて売れる商品づくりの取り組みが県内各地で行われオリンピック後も誘客を図る仕組みづくりが継続的に行われるように全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。以上でございます。

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