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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

山田 誠 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/27/2018

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 清水港の新たな可能性について                  
 (1) 折戸湾の活用                         
 (2) LNGバンカリング施設の可能性                 
2 自動運転技術の確立について                   
3 ジビエカーの導入とジビエの活用、普及について          
4 東静岡駅周辺の整備について                   
 (1) 県立中央図書館の整備方針                   
 (2) 今後の大学コンソーシアム                    
5 富士山静岡空港の国際線就航促進について             
6 デスティネーションキャンペーンについて  


○副議長(落合愼悟君) これで小長井由雄君の質問は終わりました。
 次に、五十一番 山田 誠君。
       (五十一番 山田 誠君登壇 拍手)
○五十一番(山田 誠君) 私は自民改革会議所属議員として、県政の諸課題について通告に基づき知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に一括質問方式で伺います。
 初めに、清水港の新たな可能性についてのうち、折戸湾の活用についての考えを伺います。
 平成二十九年の日本国内における延べ旅行者数は約六億五千万人であり、前年比一%の増でありました。そのうち宿泊を伴う旅行者が約三億二千万人であり、この数字には訪日外国人約二千八百七十万人も含まれております。外国人の訪日客数は平成二十八年から比較すると約二割増加をしており、ことしは三千万人を突破し再来年のオリンピックイヤーにはさらにふえるのではないかと予想されます。
 そんな中、日本全体のクルーズ旅行者もうなぎ登りで増加をしており、清水港における大型クルーズ客船の入港もここ数年で一気に増加をしております。先ほどの質問でもそのようなことが述べられておりましたが、クルーズ客船の接岸する岸壁の整備等は着実に進んでおりますが私の見方では清水港全体のグランドデザインがしっかりとできていないのではないかと考えており、この点については本年四月に設立をされた清水みなとまちづくり公民連携協議会でしっかりと議論を進めていく中でつくるべきであるものと考えております。
 私は、今月半ばに行われたトランプ大統領と金委員長との米朝会談の直後にたまたまシンガポールを訪問いたしました。滞在したホテルには大勢の観光客が宿泊をしており、訪れた観光地にも世界各地から大勢の人々が訪れているのを目の当たりにして改めて観光立国を推進して躍動するシンガポールの力を感じたのでありました。またマリーナベイ・サンズホテルからすぐそばに見えるところにあるマリーナベイ・クルーズセンター・シンガポールには二隻の大型客船が接岸をしており、チャンギ空港とあわせてまさに海と空の玄関口の機能が見事に集約をされているのであります。規模は比べられませんが、本県にも清水港とそして静岡空港があることから海外誘客を含め未来に向けた計画づくりが求められております。
 さて、話を戻しますが、クルーズ客船はもちろん飛行機等で訪日する外国人の旅行形態が変化をし団体ツアーだけでなく個人旅行も年々増加をする中、定番の旅行先からより地方へとシフトをしております。フォロワー数の多いブロガーやインスタグラマーといったインフルエンサー――これは他者の購買意思の決定に大きな影響を与える人たちということでありますが――その人たちによる宣伝効果ははかり知れないものがあり、そういった方々を呼び込む仕掛けづくりが必要となっております。
 そこで、以前は貯木場として使われていた湾内でも静かな海面である折戸湾の一番奥のエリアをマリンレジャーの拠点として考えていったらどうでしょうか。例えば今も三保で海上散歩できるサップの体験ができたりしますが、そのほかにもシーカヤックなどさまざまなマリンレジャーを満喫できるようになれば清水港の活用の可能性がさらに広がると思います。さらに三保へのアクセスをよくするということも考えて乗用車が通れる道をつくり、途中にはマリーナにあるプレジャーボートなどが通行するためのはね橋を設置し、またそのタワーからは港が見渡せるようにするなどといった計画はどうでしょうか。夜間はライトアップをするなど観光スポットにしてもいいんではないかというふうに考えております。
 このような観点から、私から折戸湾の活用について、県当局の考えを伺います。
 次に、清水港の新たな可能性についての二点目、LNGバンカリング施設の可能性についての考えを伺います。
 LNGバンカリングとは船舶へのLNG燃料を供給することで、接岸中の船舶に陸側よりローリーを横づけして補給する方法やLNGバンカリング船を横づけして補給する方法などがあります。御存じのとおりLNGは石油、石炭に比べ温暖化の原因となる燃焼時の二酸化炭素発生量が少なく大気汚染の原因となる硫黄酸化物の排出が極めて少ないクリーンなエネルギーであるため、LNGを燃料とする船舶は従来の船舶と比較して環境性能にすぐれております。
 二〇〇〇年に、ノルウェーで世界で初めてLNG燃料船が就航したのを皮切りに環境問題への関心が高いヨーロッパや北米などにおいてはLNG燃料に対応したコンテナ船やクルーズ船等が就航をしており、将来世界的にLNG燃料船が普及していくことになることは自明の理であります。
 国は、今後LNGを燃料とする船舶がふえていくことをにらんで国際的なLNGバンカリング拠点のネットワークづくりに向けて国土交通省が主導して横浜港や神戸港等でLNGのバンカリング施設の整備を検討しているとの発表もありました。
 そのような中、清水港が横浜港や神戸港のようなハブ港湾となることは難しいかもしれませんが、LNGの備蓄タンクがあることや国際拠点港湾であることからもLNGバンカリングができる港湾としての機能を高めていくことは十分に可能であるとともに、将来必ず必要なものとなるのではないかと考えます。
 そこで、清水港におけるLNGバンカリング施設の可能性について、県当局の考えを伺います。
 次に、自動運転技術の確立について伺います。
 先ほどの質問でもこの問題は取り上げられていましたので、私からは観点を変えて伺いたいと思っております。
 国土交通省は、二〇二〇年に道の駅等を拠点とした自動運転サービスの社会実装を目指して実証実験を行うとともに、中山間地域における道の駅等を拠点とした自動運転ビジネスモデル検討会を開催をしており、この検討会においてことしの夏ごろを目途に中間取りまとめを行う予定となっております。静岡県においては袋井市、名古屋大学とともにエコパ周辺での別の実証実験を行う予定でありますが、この内容については先ほども質問がありましたので割愛をさせていただきます。
 中山間地域はもちろん、都市内交通に自動運転を導入する上で最も大切なことは事故を起こさない安全・安心な運行システムづくりができるかどうかではないかと考えます。それには自動運転されている車両が通ることへの認知と交通ルールの徹底、道路の車線の確保などさまざまな課題があり、アメリカにおいても自動運転中の車両による事故が報告をされているように簡単に解決するものではないというふうに考えております。
 また、安全な自動運転実現のためには周辺状況を把握するための高精度な三次元地図が必要となることから現在国の戦略的イノベーション創造プログラムにおいて自動運転用のダイナミックマップの研究開発が行われており、高速道路を中心に整備が進んでおります。今後は一般道の整備に向け国道や県道さらには市町道などの地図データが必要となりますが、その莫大なデータの収集について静岡県として道路管理等の目的で以前より取り組んできていると伺ってきております。
 先ほども話題となった高齢化社会と人口減少などを考えると、自動運転の導入とそれを支える自動運転技術の確立は重要な課題であり、そのための地図データの収集も必要条件であることから、県として今後どのようにデータ収集を進めていくのか、当局の考えを伺います。
 次に、ジビエカーの導入とジビエの活用、普及について伺います。
 平成二十九年度の本県の野生鳥獣による農林産物被害額は約三億三千万円であり、被害額は減少傾向にあるというものの、依然として深刻な問題となっております。特にイノシシとニホンジカによる被害額が大きいとのことでありますが、野生鳥獣の捕獲を継続的に取り組んでいくためには捕獲した野生鳥獣の利活用も重要なポイントになるのではないかと考えます。
 以前からジビエの活用について研究がされておりますが、安定的な収量の確保や衛生面また捕獲してから解体する場所への運搬に時間がかかることや人手の問題など多くの課題が残されていることから、なかなか軌道に乗っていかないのが現状であります。
 県内においてもジビエを扱う業者が出てまいりましたが、中山間地においては捕獲場所が山の中になることなどからできるだけ近くで解体するための施設が必要となります。しかしながら施設の建設となると課題も多くなります。
 そこで登場してきたのがジビエを解体処理するためのジビエカーでありますが、現在国内ではまだ数台しかありません。中山間地の多い静岡県においては、ぜひともジビエカーの導入について研究を進めジビエの普及につなげていくことも必要ではないでしょうか。それによりジビエの捕獲エリアの拡大や鮮度を保つなどといったメリットも考えられます。
 反面、捕獲した動物の解体をする人手の確保など課題も残されているのも事実であります。静岡県内で生産される農作物と同じ場所で捕獲される動物のジビエは食材としても十分にマッチすることから、新たな静岡県の資源として活用することによりただ食するだけではなく静岡県をPRするツールとしても活用できるのではないかと考えます。
 このような観点から、ジビエカーの導入とジビエの活用、普及について県当局の考えを伺います。
 次に、東静岡駅周辺の整備について二点伺います。
 一点目は、県立中央図書館の整備方針についてであります。
 当初、県立中央図書館の一部を東静岡駅周辺の文化力の拠点へ移転する計画でありましたが、現在の図書館の建物の老朽化が思った以上に進んでいることから図書館の全面移転にと計画変更となっております。県立中央図書館の歴史は古く大正時代までさかのぼりますが、大勢の方々は大正十三年に県庁の東側にある旧青葉小学校のところに建設された静岡県立葵文庫を覚えていらっしゃる方もいるのではないかと思います。その後一九七〇年に現在の静岡市駿河区谷田に移転をしております。私も子供のころに改修をされ静岡市立図書館となった葵文庫の建物に行っており、高い天井と木の床の非常に古い歴史ある図書館のことはよく覚えております。
 さて、県立中央図書館は県内唯一の県立図書館として市町立図書館では購入しにくい専門書を中心とした豊富な蔵書をそろえ、学術研究などの高度な県民ニーズにも応える図書館として大きな役割を果たしてまいりました。今回全館移転整備が行われるのは実に五十年に一度という大きな機会であります。ぜひとも県民共有の財産として後世に誇れる図書館としていただきたいと思います。
 特に今回、東静岡駅前という交通の便もよいところに建設をすることから、学術研究もさることながら新しい時代に対応した図書館として子供から高齢者まで幅広い年代の方々にとって楽しくそして親しみやすい図書館づくりが必要でないかと考えます。
 私は先日、昨年オープンしたばかりの荒川区立中央図書館などが一体となったゆいの森あらかわを視察してまいりました。この施設は中央図書館と吉村昭記念文学館、ゆいの森子どもひろばの複合施設となっておりますがそれぞれが密接に連携し合う施設となっております。住民のニーズに寄り添い、多くの人たちに親しまれ居心地のいい場所となるように配慮をされておりました。人口規模で言えば静岡県とは比べ物とはなりませんし県立と区立とでは図書館の役割も異なりますが、新時代に向けた図書館の目指そうとする方向性を考えると学ぶべきものがあるのではないかと考えます。
 県内図書館の中核として、県立中央図書館が担ってきた県内市町立図書館を支援して県民の知的基盤を支えるといった根本的な役割はもちろんのこと、さらに充実させるべきなのは言うまでもありません。それらに加えて、今回の整備に当たっては幅広い層の人々から親しまれたくさんの人が集い交わることができるような新しいタイプの図書館として期待をしたいと考えております。
 例えば、文学連盟などの関係する諸団体の力を集め生涯学習ができる環境や静岡県にゆかりのある作家などの作品に触れてもらえるような仕組みづくり、また後ほどお話をしますが大学コンソーシアムとの連携などさまざまなニーズを取り込んでいくことが求められるのではないでしょうか。
 このような観点から、県として新しい県立中央図書館の整備方針について、県当局の考えを伺います。
 二点目として、先ほども図書館に関係して触れた今後の大学コンソーシアムについて伺います。
 日本人の十八歳人口は二〇〇九年以降は約百二十万人前後と横ばい状態にありましたが、ことし二〇一八年くらいから再び減少し二〇三二年には九十八万二千人まで減少するとの予測があり、いわゆる二〇一八年問題として県内大学はもとより全国の大学が将来について危機感を抱いていることは皆様も御承知のことと思います。
 県内の大学の数は国立が三大学、県立が二大学、私立が十三大学であり、これに短期大学が六つ、工業高専が一つとなります。大学法人の統合や閉校といった流れの中で静岡県内における高等教育を考える際、それぞれの大学が持つ特色や長所を生かしていくことが必要であり、県内大学等の連携組織である大学コンソーシアムの充実も大きな柱としていくべきではないかと考えます。
 情報通信技術いわゆるICTの活用により各大学の連携を進め、単位互換や著名な講師によるネットによる講座を開くことや複数の大学が共同で研究を行うなどさまざまな未来の姿が想像できるのではないでしょうか。そこでは学生のみならず社会人をも含めた生涯教育の場や社会の第一線で活躍する方々と学生との交流や学びの場ともなっていくものと考えます。
 文化力の拠点整備構想の中にある大学コンソーシアムを新しい県立中央図書館とリンクさせながら発展させていくことにより静岡県民の高等教育の発展に寄与させていくべきではないかと私は考えますが、この点についての県当局の考えを伺います。
 次に、富士山静岡空港の国際線就航促進について伺います。
 本日も、この静岡空港についての話題は質問をされておりますので私からは観点を変えて質問させていただきたいと思います。
 今月の二日に、地方管理空港における外国人の出入国者数は富士山静岡空港においては二十二万七千人、前年度比一〇六%と伸びており八年連続で一位となったという新聞報道がありました。しかしながら国管理の拠点空港も含めた国際線が就航する六十一空港のうちでは昨年の八位から十一位となっております。前年度と比べて大幅に順位を上げたのは鹿児島空港が二十九万人、前年度比一六二%の伸びであり、以下北九州空港が二十六万人で二八六%、高松空港が二十三万四千人で一三三%といった伸びとなっております。これら利用者を伸ばした空港はローコストキャリアいわゆるLCCの就航に力を入れたりしている空港であります。富士山静岡空港もLCCの就航による効果は出ておりますがまだまだ便数は少なく、以前から課題となっている新規就航路線の拡大にはLCCの誘致が必要不可欠となっております。二〇二〇年に羽田空港の発着枠の拡大が予定をされており、国際線の拡大はこれからが本番であります。
 さて、県は先ごろ公共施設等運営権制度を活用して民間事業者に運営権を与えることとして平成三十一年度からの空港運営権について三菱地所・東急電鉄グループに優先交渉権を与えることに決定をいたしました。このグループは就航路線の拡大やサービス向上に力を入れるなどの将来に向けた目標があり、それには国際線の就航促進が柱の一つになるものと考えます。
 提案においては、身近で気軽に県民主体のアウトバウンド需要に応える路線網としてLCC比率の向上に加え香港、バンコク、グアムなど新規路線の拡大も示されております。最近の動きを見ると、富士山静岡空港においては五月十三日からチャイナエアラインが週二便へ減便となるなど国際線を取り巻く状況は厳しいものとなっております。
 拡大する訪日需要の獲得に向けて、地方空港間の競争も激化する中県として国際線の就航促進にどのように取り組んでいくのか伺います。
 最後に、デスティネーションキャンペーンについて伺います。
 本年四月一日から六月三十日まで、静岡デスティネーションキャンペーンのプレキャンペーンが始まりました。本番のキャンペーンは来年の四月一日から六月三十日までとなり、アフターキャンペーンが再来年の四月一日から六月三十日までとなっております。去る四月一日のオープニングの時はJR静岡駅のコンコースが多くの人でごった返しをしました。
 このキャンペーンは、地方自治体や地元関係者とJRグループ、旅行関係者が協力し県内各地でさまざまな観光キャンペーンを行うことで全国から観光誘客を図り地域を活性化させることが目的ということは御存じだと思います。来年と再来年は静岡県にとっても大きなイベントであるラグビーワールドカップ二〇一九と東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックのある年となりますが、両方ともこのキャンペーンの前後に開催されることからいかにこれらとつなげていくかということが重要となってまいります。
 ホームページを見ますと、さまざまなキャンペーンが掲載をされておりこの期間だけというのは余りにももったいないと思うと同時に、観光客からの感想や反響などそこで得られたデータを官民がしっかりと共有し静岡県への観光誘客増につなげていくべきであると考えますが、この点について県当局の考えを伺います。
 また、来年の本番のキャンペーンに向けては現在どのような考えを持って取り組んでいるのか、また取り組んでいくのかあわせて県当局の考えを伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(落合愼悟君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 山田議員にお答えいたします。
 清水港並びに東静岡の文化力の拠点につきまして、建設的な夢のある御意見お聞きすることができました。
 私のほうからは、デスティネーションキャンペーンについてお答えをいたします。
 本県で十九年ぶりに開催する静岡を目的地とする静岡デスティネーションキャンペーンは、県や全市町、観光事業者などが地域の新しい魅力の発掘と磨き上げを行いJRグループと連携した広報宣伝や販売促進活動によりまして本県への誘客を拡大するものでございます。
 現在、今回のプレキャンペーンで掘り起こした二百六十余りの観光企画につきまして商談会やエクスカーションを通じた旅行会社の評価並びにプレキャンペーン期間中に本県を訪れた観光客からの意見等の分析を進めているところです。これらのデータと分析結果を地域の皆様に御提供申し上げ、みずからの地域だけでなく他の地域の取り組みや評価をそれぞれの地域が参考にしていただきみずからの地域の改善を図ることが重要であると考えております。これによりまして来年春のDC本番ではより魅力的な多くの旅行商品ができることになると期待しているところであります。
 また、キャンペーン期間中の春だけでなく四季折々に楽しめる観光企画を提案するとともに、これらの観光企画を日本人のみならず訪日外国人旅行者向けの旅行商品に磨き上げラグビーワールドカップ二〇一九、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックでの誘客にもつなげてまいる所存であります。さらに来年春のDC本番に向けまして九月に東京、大阪、名古屋で観光事業者約百団体が参加する大商談会を開催いたします。そのほか国内最大規模の観光展――ツーリズムEXPOジャパン二〇一八に出展するなど営業と宣伝広報を強化してまいります。
 このDCを契機としたJRや旅行会社との連携、DMOを核とした地域の皆様と一体となった観光地域づくりをDC終了後も継続し観光誘客を通じた本県の交流人口の一層の拡大を図るとともに、真に豊かで活力に満ちた地域社会の実現を目指してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(落合愼悟君) 吉林副知事。
       (副知事 吉林章仁君登壇)
○副知事(吉林章仁君) 東静岡駅周辺の整備についてのうち、今後の大学コンソーシアムについてお答えをいたします。
 ふじのくに地域・大学コンソーシアムは、本県の大学等がそれぞれの特色や長所を生かしつつ連携することにより教育研究機能の向上や地域発展へ貢献することを目的として設立をされました。これまで単位互換授業の実施や大学間連携による共同研究への助成などに取り組んでまいりました。昨年度からは高大連携事業として県内大学が一堂に会したフォーラムに高校生が参加するなど事業内容を拡充いたしますとともに、大学コンソーシアムの会員に教育委員会を加え本年度からは木苗教育長がコンソーシアムの役員に就任する予定であり、組織体制の強化にも取り組んでおります。今後大学コンソーシアムでは、現在行っております公開講座を拡充しリカレント教育の観点から地域や産業界と連携した社会人向け生涯学習事業を展開していくこととしております。
 また、各大学で個別に実施しておりますICTを活用した教育について、大学間の連携のもと相互に遠隔授業を実施するなど魅力ある高等教育の実現により一層力を入れて取り組んでいくこととしております。さらにこれまで実施しておりました外国人留学生の滞在支援事業に加えまして、留学生の就職支援事業にも取り組むなど県とともに新ビジョンに掲げる次代を担うグローバル人材の育成の実現に向け事業の充実に努めていくこととしております。
 東静岡駅周辺への文化力の拠点の整備に関しましては、大学コンソーシアムは生涯学習や交流の拠点を目指す点で新たな県立中央図書館と方向性を同じくしております。両者が有機的に連携することにより図書館の所蔵する本県の歴史や文化、産業等に関する専門的な資料を大学コンソーシアムが実施するふじのくに学の講座等に活用するなど全国に例を見ない幅広い学びを実現し、さらに交流の機会となる場を県民の皆様に提供していくことができるものと考えております。
 県といたしましては、昨年度有識者の皆様からいただいたグローバル人材の育成に関する御意見を踏まえまして県内高等教育機関関係者との意見交換等を通じて東静岡地区における大学コンソーシアムの役割について検討を進め、大学コンソーシアムが学生のみならず全ての県民の皆様を対象とした高等教育の発展に貢献できますよう一層支援してまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 平野交通基盤部長。
       (交通基盤部長 平野忠幸君登壇)
○交通基盤部長(平野忠幸君) 清水港の新たな可能性についてのうち、折戸湾の活用についてお答えいたします。
 清水港の湾奥に位置する折戸湾は、静穏な水域であることから平成十九年まで貯木場として利用されていましたが、原木の輸入量の減少により現在は一部の水域がマリーナなどに利用されているものの貯木場跡地の広大な水面が未利用のままとなっております。
 県は、本年四月静岡市及び海運や金融などの地元企業とともに清水みなとまちづくり公民連携協議会を設立し、清水港及びその周辺地域全体のグランドデザインとその実現に向けた具体的なプランの作成に着手したところであります。
 折戸湾は美しい水辺空間と富士山の眺望という高い潜在力を有しており、この魅力を観光交流やにぎわい創出に最大限に活用することが重要であると考えております。このため折戸湾周辺を海洋スポーツやリゾートなどに活用する構想として、地元経済界が中心となり昨年二月に公表した折戸湾再開発プランなどを参考にしながらグランドデザインの策定を進めてまいります。
 県といたしましては、折戸湾を有効に活用することにより清水港全体の魅力を一層高めることができるよう取り組んでまいります。
 次に、LNGバンカリング施設の可能性についてであります。
 二〇一六年十月、国連の専門機関である国際海事機関は船舶からの硫黄酸化物排出削減を二〇二〇年から強化することを決定いたしました。これを受け多くの海運会社はその対応策として従来の重油からLNGを燃料とする新しい船への転換を進めております。
 一方、LNG燃料の供給体制につきましてはEUやシンガポールなどにおいてバンカリング拠点の整備が進められており、国内では国土交通省の主導によりバンカリング拠点形成に向けた具体的な検討や民間企業による事業化の検討も始まっております。
 清水港におきましても、寄港が増加している貨物船やクルーズ船が今後LNG燃料船に転換していくことが見込まれるため寄港する船へのLNG供給の需要が高まるものと考えており、袖師地区にはLNG基地が立地していることからバンカリング施設の実現の可能性を検討してまいります。
 県といたしましては、清水港が地球規模の課題である大気汚染の防止や温暖化対策に寄与する環境に優しい港として世界中から愛され選ばれ続けるよう取り組んでまいります。
 次に、自動運転技術の確立についてであります。
 安全な自動運転技術の確立には、周囲の状況を正確に把握しながら進路を先読みし目的地まで正確に誘導できるダイナミックマップの整備が必要となりますが、その地図をつくる際に必要となる三次元データの収集やダイナミックマップの作成には多くの費用がかかることが課題となり一般道での整備が進んでおりません。
 一方、県では社会資本の維持管理に生かすため三次元データ保管管理システムを構築し、これまでに屋外広告物調査や道路の点検業務で取得した約千キロメートルのデータを保管し全国に先駆けてオープンデータ化しております。今後民間企業がこのデータを活用しダイナミックマップを効率的に作成することで大幅なコストダウンが図られる可能性があります。
 このため、県では保管管理システムを活用して市町等が取得したデータの効率的な収集や共同利用の仕組みについて今年度中の構築を目指し東京大学と連携して研究を進めております。
 県といたしましては、三次元データは自動運転技術での活用に加え被災状況の把握や景観の検討など広範に活用できることから有効な活用事例を市町等に周知しデータの掘り起こしとオープンデータ化を進めより一層のデータ収集を推進してまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 芦川農林水産戦略監。
       (農林水産戦略監 芦川敏洋君登壇)
○農林水産戦略監(芦川敏洋君) ジビエカーの導入とジビエの活用、普及についてお答えいたします。
 県は、有害鳥獣として捕獲したイノシシやニホンジカをジビエとして有効に利用するために食肉処理施設整備への支援やその施設の利用促進に向けての助成に取り組んでいるところであります。こうした中、議員御提案の移動式解体処理車としてのジビエカーにつきましては捕獲場所の近くで迅速に内臓摘出といった一次処理ができ鮮度の高いジビエが安定的に生産できる可能性があるものと認識しております。
 しかしながら、導入経費が高額であることや食肉用に二次処理できる施設への運び方といった課題があることから狩猟者や食肉処理事業者の方々を中心に研修会を開いたところであり、他県の導入事例やその効果を検証し導入に向けた研究に取り組んでまいります。またジビエの消費拡大を進めるため、ふじのくに食の都づくり仕事人によるジビエ料理の提供やしずおか食セレクションへの認定などを通じジビエの魅力を発信してまいります。
 県といたしましては、捕獲した野生鳥獣を有効利用し地域資源の魅力としてPRする観点からジビエの活用と普及に努めてまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 鈴木教育部長。
       (教育部長 鈴木一吉君登壇)
○教育部長(鈴木一吉君) 東静岡駅周辺の整備についてのうち、県立中央図書館の整備方針についてお答えいたします。
 新しい県立中央図書館のあり方につきましては、昨年度有識者の御意見を伺いながら、また県内市町立図書館や県民の方々との意見交換等を踏まえて基本構想を取りまとめたところであります。基本構想では市町立図書館等に対する支援や県民の生涯学習、読書活動を支える知のインフラという従来の機能の充実に加え、多くの県民に親しまれこれまで以上に多様な機関と連携し多彩な交流を育む新しい図書館を目指すべき姿として掲げています。
 このうち、多彩な交流機能については新たな人や活動に出会う場となるようさまざまなタイプの閲覧席やラーニング・コモンズ、カフェなどの施設を活用しムセイオン静岡の各機関だけでなく大学や企業、市民団体等と協働、連携した講座、イベントの開催、東静岡駅やグランシップの利用者を呼び込む工夫なども必要であるとしております。
 今年度は基本構想を踏まえて基本計画を作成いたします。新しい県立中央図書館が本県の高い文化力を国内外に発信し、人々を引きつける文化力の拠点において中心的役割を果たせるよう基本構想に掲げた機能の具現化に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 林静岡県理事。
       (静岡県理事 林 正尚君登壇)
○静岡県理事(林 正尚君) 富士山静岡空港の国際線就航促進についてお答えいたします。
 富士山静岡空港の昨年度の国際線利用者数は、前年度と比べて六・六%増加し過去二番目となる二十九万四千七百二十四人となりました。旺盛な外国人の訪日需要を取り込み空港のさらなる利用促進を図るためには新規国際路線の開拓が重要であります。
 このため、来年度から富士山静岡空港の運営を担う優先交渉権者の提案も踏まえ経済成長が著しく、高いインバウンド需要が見込めるタイや香港などを対象に低運賃による新たな需要喚起が期待できるLCCを念頭に置きつつビジネス利用に適したフルサービスキャリアも含め路線開設に意欲的な航空会社への働きかけを積極的に進めてまいります。
 また、台北線、ソウル線などの既存の路線も含め経済団体や県内教育関係者等と連携しビジネスや教育旅行などの利用を拡大するとともに、中部横断自動車道の開通を見据えた山梨県での需要開拓、静岡ツーリズムビューローなどと連携した旅行商品の造成支援や訪日需要の喚起にも取り組んでまいります。
 県といたしましては、運営権者と将来の航空ネットワークのビジョンを共有し、緊密な連携を図りながら積極的な路線誘致を進めることにより富士山静岡空港が県民の皆様はもとより海外の皆様にも選ばれる魅力ある空港となるよう引き続き全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 山田 誠君。
       (五十一番 山田 誠君登壇)
○五十一番(山田 誠君) 要望と再質問をさせていただきます。
 清水港のLNGバンカリング整備、これについて本当に早急にやっぱり進めていくべきだと思っております。というのも外航、航路があるということも考えれば非常にやっぱり来たときに給油ができるということ、また今既存のタンクもあるという備蓄ができているということ、こういったことを考えれば決して新しくすぐにつくるというわけではありませんので十分なことができると思いますので早急に考えておいていただきたいと思っております。
 それから三次元の地図のデータでありますが、これについては市町がやっぱり将来的にも使っていくことも考えればやっぱりしっかりと連携を今後もとっていただいてそしてしっかりと前へ進めていただきたいと思います。
 質問とさせていただきますが、県立図書館と大学コンソーシアム、この問題二つとも連携をしておりますが教育長がちょうど大学コンソーシアムの役員ということでもありますので教育長に伺いたいと思いますが、新しい県立図書館そして大学コンソーシアム、この連携のあり方また将来の形というのはどういうものが一番考えられるのか、教育長のお考えを聞かせていただければと思います。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) どうも御質問ありがとうございます。
 今ございましたように大学コンソーシアムのほうは私、前からやっておりましたし今も幼稚園からずっと大学まで連携するという中での教育をやっておりますので。そして大学コンソーシアム自体が今かなり動いてはきているんですけれども、これをもう一歩も二歩も、というよりも県内で二十近くある大学が連携しているんですけれども海外の大学も含めてより一層連携、そして図書館もできますので静岡県の東から西までの大学がいろいろな意味で連携してそして若い人を集めて次世代の人材育成という中でも大きな柱になるんじゃないかなとそんなふうに思いまして今度少しお手伝いもさせていただこうと思っております。詳細についてはまだこれからですけれどもそんなことでやっていきます。以上です。
○副議長(落合愼悟君) 山田 誠君。
       (五十一番 山田 誠君登壇)
○五十一番(山田 誠君) 最後に要望させていただきます。
 県立中央図書館については、本当に五十年に一度ぐらいの機会でありますので特に蔵書もふえている中しっかりとした蔵書を確保していくこと、これも重要でありますのでそういった意味では規模も本当に将来に向けて安心してできる施設そして規模にしていくべきだというふうに考えています。また将来的には蔵書として持つのではなくてアーカイブとして電子データとして持って、蔵書の規模は減らしてもしっかりとした、さらにそれ以上に充実した資料がそろえられるようなそういったものをしっかりとやっていただきたいと思います。以上、要望とさせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(落合愼悟君) これで山田誠君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

○副議長(落合愼悟君) 次会の議事日程を申し上げます。
 六月二十八日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。
午後三時 五 分 散会   

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

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