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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成31年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

天野 進吾 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/25/2019

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 日本平における統合型リゾート施設(IR)を含めた総合
的開発について
2 県立総合病院の今後の取り組みについて
3 福翁自伝に学ぶ教育姿勢について


○議長(渥美泰一君) これで岡本護君の質問は終わりました。(拍手)
 次に、六十二番 天野進吾君。
       (六十二番 天野進吾君登壇 拍手)
○六十二番(天野進吾君) 自民改革会議所属議員として、また今議会最後の質問者として以下数点についてお尋ねをいたします。
 さて、私が地方行政に携わること半世紀、さまざまな経験、出会いの数々は今私の脳裏に走馬灯のごとくとどまることなく映るのであります。
 昭和四十二年、二十五歳になった私はかねてからの思いで二カ月後の静岡市議会選挙に立候補、まさに徒手空拳ではありましたが幸いにも当選、その後県議会に活動の場を移すも昭和六十二年に静岡市長に転身、二期七年余りという短い期間ではありましたが精いっぱいこれを務めその後県議会議員にカムバックして七期、ひたすらみずからの夢を追い求めながら県政の発展に努力してまいったところであります。
 さて、御案内のように平成十五年静岡市と清水市、庵原三町が合併することによって平成十七年には政令指定都市と格付されはや十三年を経過しながらも当初の思惑と期待とは相反して人口は減少、都市としての活力も停滞、総じて市民の間にはフラストレーションが横溢していると言っても過言ではないでしょう。そんな憂慮すべき都市環境の中にあって、一昨年私にとって夢想もしなかった超大型の構想が届けられたのであります。
 久しい間、私の描く二十一世紀構想とは言うまでもなく清水港と日本平の開発にありました。そうした経過の中で一昨年の二月議会における私の質問に対し川勝知事は前ぶれもなく、清水港の将来を考えたとき日本平の開発についてはIRも含めた総合的開発に期待したいと私にとっては予期もしなかった想定外の答弁があり、まさにうれしい方向転換を示唆したのであります。もとより霊峰富士と駿河湾をわしづかみにしたこの日本平の景観とその地勢は、開発手法によっては本市に輝かしきあしたを約束するものと考えたからであります。
 思えば十年ほど前、私は日本平を静岡に残された最後のスプリングボードと位置づけ時に言葉で、時には文章をもって日本平のテーマパーク化を提唱してきました。自来日本平の夢物語を自前で描きその思いを小冊子にあらわしたこともありましたが、その夢物語が今確実に具現化しようとしているのであります。もちろんその夢を享受し得る人々は、もとよりはるか後に生きる人々でありましょう。
 御案内のように、我が国において一昨年度賛否両論相打つ中でようやくカジノを含むIR法案が多数をもって国会を通過しました。時あたかもIRの世界では世界屈指のゲンティングループに属するゲンティン香港社が清水港開発に名乗りを上げたのであります。
 御案内のことですが、昨年初の米朝会談が行われたシンガポールのセントーサにあるカジノとアミューズメント、それは全てゲンティングループの建設によるものであり実に五千億円のお金をもってこれを開設したとのことであります。そしてそのゲンティン香港社が国内数ある港湾の中で私たちの清水港を選んでいただいたことは、まさに願ったりかなったりのすばらしいプランを提供したものであります。
 考えてもみてください。平成二十八年度清水港に入港した外国の旅客船はわずかに十数隻でありました。それがオリンピックイヤーの来年には九十隻余りと急増し、さらに十年後の二〇三〇年には二日に一隻、年間百七十五隻の超弩級の豪華客船の入港を予定されているのであります。これによってもたらされる本県の発展と経済波及効果ははかり知れません。近い将来日本から世界各国に向かう豪華客船の起点は、この清水港が横浜港にとってかわり東日本における拠点港にもなるものと期待をいたしております。ひっきょう私たち県民にとってゲンティン香港社が清水港を選んでくれたことは、まさに千載一遇の好機と私には思えるのであります。
 ところで、この一月四日、中日新聞に「日本平にIR誘致」とのタイトルで大きく掲載されておりました。すなわちその記事の冒頭には静岡県は二〇三〇年代初頭にカジノを含む統合型リゾート施設を富士山の絶景を望む日本平に誘致する検討を始めた、IRは大阪や北海道など誘致が積極的で二〇二五年には国際博覧会、いわゆる万博会場でもある大阪夢洲、日本最初のカジノが有力視され静岡県は数年おくれの第二弾での開業を見据えていると掲載されているのであります。正直いささか気負い過ぎた報道かもわかりませんが、同時に日本平に一大テーマパークを可能にする本県行政への応援メッセージと私は理解し歓迎したところであります。
 ところで、牧之原市の杉本基久雄市長が先月三十一日の定例記者会見でカジノを含む統合型リゾート施設、いわゆるIRの誘致を県に申請すると表明したところであります。その際杉本市長はにぎわい創出の絶好の機会として今後関係者の理解を求めていくとのことであります。さらにその立地場所として静岡空港と国道四百七十三号バイパス周辺の開発可能地域を模索していると述べ、新幹線新駅整備の契機ともなると語っているのであります。この点については静岡市の場合とはその展開に相違はありますが、これからも新時代を思う自治体にIRを基調とした町おこし構想が県内の他地域でも提起されていくと考えられるのであります。
 霊峰富士が見おろす三保半島の先端にはニューヨークの自由の女神にも劣らない羽衣の像をあつらえ、さらには清水港の一部である折戸湾には豪華なヨットやクルーザーがたむろし、その景観はあたかもフランスのコートダジュールを凌駕するところでありましょう。
 一方、百万平方メートルに及ぶ丘陵地の日本平の山頂はディズニーランドを圧倒するアミューズメント施設があつらえられ、周辺には子供たちの歓声がこだまするところでありましょう。昨年十一月には日本平山頂に待望の夢テラスが完成、今や五十万人になんなんとするお客様を迎え桜咲く春になればさらに多くの来客をお迎えすることでしょう。
 ところで余談になりますが、この夢テラスからの帰り道、ほとんどの来訪者は赤い靴を履いていた女の子の像に気づかずバス停に直行してしまいます。あの有名な「赤い靴」の主人公岩崎きみはこの山の下、宮加三で生まれた薄幸の少女であります。
 話をもとに戻しましょう。もちろん私たちが目指すところは清水港の活性化だけではなく、この企画が本県全体の飛躍的発展への導火線になるものと考えるのであります。
 そこでお尋ねいたします。ただいま得々と述べたIR誘致を起爆剤とするこの我田引水の発想に対し、いま一度川勝知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、県立総合病院の今後の取り組みについてお伺いいたします。
 政策医療を担う公立病院の社会的役割は、少子高齢化が進む昨今いよいよ期待されるところ大であります。本県では県立病院機構が運営する総合病院、こころの医療センター、こども病院の三院がありますがそれぞれが確実に時代の要請に応えて今日に至っているのであります。
 県立こども病院は、先天性心臓疾患など世界クラスの実績を有するとともに厚生労働省から小児がん拠点病院と指定されたところであります。県立こころの医療センターもまた県内全域の精神科救急に二十四時間休みなく対応し、本県の精神科医療の中核的機関としてその役割を存分に果たしてまいりました。そして名実ともに県下第一級の病院として県民に信頼されている県立総合病院は、高度救命救急センターとしても県民の全幅の信頼の上でその役割を果たしてまいったところであります。
 その一方、特筆すべきは近年先天性難聴対策としてその医療に取り組んでいるところであります。すなわち先天性難聴児の早期発見に県、市町と連携し、乳幼児期の人工内耳の埋め込み手術についてはまさに我が国の先導的役割を担っているところであります。また先天性難聴児への治療と支援についても難聴児とその御家族の大きな支えとなっているところであります。難聴児の早期発見と人工内耳の埋め込み手術が全国に広まれば多くの子供たちが救われるはずであります。
 そうです。こうした総合病院のすばらしい取り組みに対して、この際さらに積極的に発信し確かな道しるべを提供しようではありませんか。御所見をお伺いいたします。
 また、今議会に県立病院機構の中期計画の認可にかかわる議案が提出されております。その中で県立三病院が新たに取り組むべき重点事項が掲げられておりますが、これらの挑戦的な取り組みに大いに期待しております。
 そこで、今後県立病院機構はどのように支援していこうとするのかお尋ねをするところであります。
 次に、教育長にお尋ねします。
 未熟ながら今月をもって喜寿を迎え、この一般質問の前に過ぎ越し日々を思い出しながら一人自問自答してきたところであります。議員諸氏にはいささか奇異な質問と思われるかもわかりませんが、近年の我が国の教育行政を思うにつけ私の脳裏に写る忘れがたい思い出があります。
 思えば二〇〇〇年、県議会の北米視察の最初の訪問地ボストンで私は不覚にも心筋梗塞を発症、同行した職員が手配した救急車によって病院に運ばれ幸い私の命は無事とどまることがあったのであります。全米屈指のベス・イスラエル病院での緊急手術、そして三週間に及ぶ療養は私にとっては実に貴重な体験を与えるものでした。
 当然のことながら、病室に備えられたテレビは四六時中英語で語りかけ、不勉強の私には当然のこと退屈な日々でありました。日本から応援に来た息子に日本語の図書をボストン市内に探し求めさせたところ、買ってきた本が何とあの難解な「福翁自伝」の解説書でありました。「福翁自伝」とは福沢諭吉の自叙伝でありますが読むに従って驚きと感動を覚え、さらに私の脳裏に刻みつけられた描写は福沢諭吉を初めとする緒方洪庵の適塾に学ぶ若者たちの学問への姿勢でありました。彼らは一夜として布団にくるまって寝たことはなく、ほとんどの若者たちは机にうっ伏したまま朝を迎えたと当時の塾生活を表現しております。
 もちろん、時代が人をつくり人が時代をつくってきたこととは申せ、現代の若者たちにたった一言時代が違うの簡単な言葉によって全てが淘汰されてしまうようなものではないでしょう。
 そこで教育長に、この適塾の狂気とも思える貧欲な向学心について、教育長はどのように評価されるのでしょうか。もちろんその時代と今日の環境の違いはありますが、教育長の感想をお尋ねいたします。
 以上で私の質問は終了しますが、先ほど岡本議員からもこの三月で県を退職される皆さんにお礼の言葉と激励を申し上げましたが、私からも自民改革会議を代表して感謝とともにお別れの言葉を申し上げます。
 日本人の平均寿命は八十歳をはるかに超え、我が国は世界最高の長寿国の一つであります。退職される皆様にとってはまた新たな人生が待ち明るい明日があります。精神的にも肉体的にもゆとりある皆様であれば職務を通じ培われた知識と見識のもとに実りのある人生をお築きください。そしてこれからも静岡県のさらなる発展に御尽力いただくとともに、御自身の人生が健康にして充実したものとなりますよう祈念申し上げる次第であります。本当に長い間御苦労さまでございました。
 最後に、副知事難波喬司さんにこの壇上からではありますが、過日私どもの勝手な思惑と期待が生んだ御心労に改めておわびを申し上げます。しかし副知事には先ほど述べたように、ゲンティン香港社が全国数ある港湾の中で私たち清水港を選ぶところとなった背景にあなたの御尽力があればこそと思うのであります。私たち静清地域のものにまさに明けの明星を見させていただいたと思っております。
 今になってつくづくと思うに、官僚として確かな人生を歩んできたあなたにとって私たちが期待した新たなる挑戦は決して、例えて言えばシェイクスピアの「ハムレット」の心境だったのではないでしょうか。
 「トゥ・ビー・オア・ノット・トゥ・ビー ザット・イズ・ザ・クエスチョン」
 およそきざな表現で失礼ではありますが、私の脳裏に浮かんだこの言葉こそ難波さんの正直な心の葛藤であったろうと思う次第です。本当に御迷惑をおかけしました。どうぞこれからも川勝県政のバックボーンとして御尽力くださること伏してお願い申し上げ私の質問とかえさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 本議会の質問の最後をトリを飾るにふさわしい天野進吾議員の名調子、聞きほれておりました。
 お聞きいたしますれば、昭和四十二年に二十五歳で市議会議員として政治家の道を歩まれ半世紀余にわたって一度たりとて夢を捨てることなく今日まで活躍されてこられました。特に二〇〇〇年、心筋梗塞で倒れられてもなお不死鳥のごとくよみがえって今日なおさらに夢を追い求めておられる姿に敬服いたします。御家族の皆様も大変だと思います。
 先ほど、自民改革会議を代表してこの三月をもって退職する県庁職員に対しまして心温まるねぎらいの言葉を賜り励ましの言葉をいただきましたこと、彼らにかわりまして厚く御礼を申し上げるものでございます。
 さて、天野進吾議員の三つの御質問のうち冒頭大分時間を割かれました日本平における統合型リゾート施設、いわゆるIRを含めた総合開発についての御質問にお答えいたします。
 このIRについて構想せられているところは、清水港と日本平この両方を結ぶところでございます。清水港も日本平もすばらしい場の力を持っているところであります。清水港は世界で最も美しい湾クラブに加盟した駿河湾の中心に位置し、国際旅客船の拠点として国内外の来訪者に感動を与えるみなとまちづくりが着実に進展しているところであります。また日本平では、富士見の最高の地として評価される夢テラスの開館によりまして日本を代表する景勝地としての魅力がより一層高まっております。
 こうした中、カジノ施設を含む統合型リゾート施設――IRにつきまして昨年七月にIR実施法が成立いたしました。現在国がパブリックコメントを実施しております施行令案によりまして、日本最大級の国際会議場と展示場、ホテルなど求められる巨大な集客機能が明らかになりつつあります。
 議員御提案のプランは、先ほどシンガポールにおけるゲンティン香港の施設におきましても五千億と言われましたが数千億円規模の投資が想定される我が国に例のない規模の施設でございます。と同時にこの地域の魅力をさらに高めようとするものであると理解しております。コートダジュールを凌駕する景観とディズニーランドを圧倒するアミューズメントの提供を実現し、国内外からの観光交流客の拡大と周辺地域の経済の活性化を目指すという、まことにでっかい夢のある構想であると感心してお聞きいたしました。
 このIR実施法におきましては、政令指定都市がIRの誘致主体として位置づけられております。目下のところ静岡市からはそのような動きは見られません。しかし県としてもできることがございます。日本平と清水港をどう結ぶかということでございますが、清水港に御来客になるお客様をまずはバスでしかるべきところにお連れ申し上げると。そこから、例えばかんきつ研究センターなどがその候補地ではございますがそこからロープウエーないしはモノレールを通して日本平の山頂にまで持っていくと。点を線にするということは今日この日本平夢テラスの混雑に照らしますとどうしてもやらねばならない仕事であると。この点をさらに面にしていくにはこれは相当の力が必要であります。
 一方、カジノ施設等の立地により新たな犯罪の発生とか治安の悪化、青少年の教育上の配慮、またギャンブル依存症などさまざまな負の影響も懸念されております。言うまでもなく地域の将来のあり方を決めるのはその地に暮らす住民の皆様であり、またリーダーの識見であります。住民の皆様の中でIRという極めて大規模な施設の立地がその地域性に最もかない、その持続的発展を阻害することのない適正なものであるかという点について十分に検証されなければなりません。
 世界遺産富士山を仰ぎ見、神話、歴史、文化に彩られた場の力を有する地域性とも調和した将来像について議論を尽くしていただかなければなりません。こうした地域での徹底的な議論を踏まえ政令指定都市である静岡市のIR誘致に向けた主体的な取り組みが進められねばなりません。その主体的な取り組みをする覚悟があるかどうかが問われております。
 こうして、その取り組みが進められる場合には県民の皆様の安全・安心を最優先にいたしまして、市と一体となって本県全体の飛躍的発展に向けた地域づくりについて前向きに検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
 大変失礼いたしました。三問のうち二問を私が回答申し上げます。
 次に、県立総合病院の今後の取り組みについてでございます。
 県立総合病院は、全国に先駆けて人工内耳の埋め込み手術を行うなど先天性難聴児の治療に早くから取り組み、平成二十二年度に県が設置した乳幼児聴覚支援センターと連携し難聴の早期発見と音声言語の獲得を目指す早期療育指導によって難聴児とその御家族を総合的に支援する体制を構築しております。この取り組みに対しまして厚生労働省からも都道府県における先駆的取り組みの好事例として高い御評価をいただいております。そのことから県といたしましても今後全国に発信し、多くの難聴児の支援につながるよう積極的に周知してまいります。
 さらに、県立総合病院のリサーチサポートセンターにおきましては脳の発達と聴覚に関する研究を進めています。近い将来その成果を県民の皆様にお届けできるものと確信しています。
 また、県立病院機構に対する支援についてでございますが、県立病院機構は独立行政法人の強みである迅速な意思決定や機動的な予算執行などを生かし県民の皆様に質の高い医療を提供するなど大きな成果を上げてきたところであります。来年度から始まります第三期中期計画におきましても、県の策定した中期目標を達成するためさらなる医療の充実を図り医師の派遣など地域医療確保のための中心的機能や災害時における医療救護活動の拠点機能を発揮することとしておりまして、県といたしましても積極的に支援をしてまいります。
 また、県立三病院は新たな課題にも取り組んでおります。県立総合病院における認知症患者の身体合併症などに対応できる精神科病棟の整備や高度救命救急センターの機能強化とともに、県立こころの医療センターと県立こども病院が連携して行う発達障害や小児から成人への移行期の精神疾患への対応などそれぞれの特性を生かした取り組みに大いに期待しております。
 県としましては、県立病院機構の各病院が本県医療の中核として県全体の地域医療の確保に大きな役割を果たし、将来にわたって県民の皆様に安心医療を提供し続ける我が国トップクラスの病院となれるように支えてまいります。
 その他の御質問につきましては、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(渥美泰一君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 「福翁自伝」に学ぶ教育姿勢についてお答えいたします。
 激動の開国の時代、世界の情報・知識を吸収しようと寝る間を惜しんで勉学に励んだ福沢諭吉を初めとした当時の適塾の若者たちの向学心には大いに驚嘆するとともに、現代において改めて学ぶことの意義と重要性が問われていると感じております。
 私は長く学問の世界、教育の世界に身を置いておりました。常に探究心を持ち食と健康、環境と健康をテーマに学生たちと学び続けました。学び続けることは人としての成長そのものであり、生きる力を育み未知の人生を切り開いていくことにつながるものであります。
 また、人生百年時代を迎える中AI、ICTの技術革新による超スマート社会が到来しようとしております。それゆえ現在の教育にかかわる立場におきましても一つ一つの学んだ知識を単独で、また時には組み合わせて子供たちがわかった、おもしろい、学ぶことの楽しさを実感し子供たちに夢を持たせることができる学校づくりを目指して教育環境を整備することが極めて重要であると考えております。
 「福翁自伝」には、どうしたら立身出世できるだろうか、どうしたらば金が手に入るだろうかなどにばかり心を引かれてあくせく勉強するということでは決して真の勉強はできないと述べられております。
 学びは、本県が目指す有徳の人づくりにつながるものであります。子供たちが霊峰富士山を眺めつつ高い志を持ち、あふれる向学心を持って学び続けられるよう学校現場とともに地域ぐるみ、社会総がかりで真の教育の実現に向けて全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 天野進吾君。
       (六十二番 天野進吾君登壇)
○六十二番(天野進吾君) 御答弁ありがとうございました。
 いよいよ終わりになりますけれども、実はこの数日間私もほとんど眠れぬ夜を過ごしてまいりました。人間、心は弱いものであります。何とか克己復礼しながら自分自身のこれからの行く末を考えながら生きてきた。そのために大変きょうは言葉の不明瞭さもあり、そしてお聞き苦しい点もあったと思います。御容赦をいただきたいと思います。
 そして最後に、本当に長い間議会の皆様方そして当局の皆様方、友好的なおつき合いをいただきありがとうございました。皆様方の御健勝を祈念して私の質疑とかえさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

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