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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和3年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

藪田 宏行 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/03/2021

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種について
2 磯焼けの現状と対応について
3 開港五十周年を迎えた御前崎港の将来展望について
4 国道百五十号の整備について
5 持続可能な部活動と教員の多忙化解消について


○副議長(良知淳行君) 次に、 五十三番 藪田宏行君。
        (五十三番 藪田宏行君登壇 拍手)
○五十三番(藪田宏行君) 引き続いて、私も自民改革会議の所属議員として県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に一括質問方式にて質問をいたします。
 初めに、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種について伺います。
 その前に、新型コロナウイルス感染症の犠牲になられた多くの皆様に心からお悔やみ申し上げます。また新型コロナウイルスに感染した皆様にも衷心よりお見舞いを申し上げますとともに、新型コロナウイルス感染症に起因するあらゆる医療や福祉そして関係事業に日夜努力をされている皆様に衷心より敬意と感謝を申し上げます。
 それでは質問に戻ります。
 新型コロナウイルス感染症につきましては、世界的な拡大が進み全世界の感染者数の累計は現在世界人口の約一・五%の一億一千万人を超え、死者数も二百五十万人を超える状況にあります。国内におきましても第三波とも言われている昨年秋からの再拡大が続き感染者累計は四十三万人を超え、死者数も約八千人に上っております。二月七日までの期間、また延長した期間の緊急事態宣言の効果も見られ新規感染者数は減少傾向を見せているものの、いまだはっきり終息に向かっているとは言えない状況が続いております。
 本県においては、昨年二月二十八日に初めての陽性者が確認され早一年が経過いたしました。この間、県民の皆様は生活様式を見直し社会活動を自粛するなど大変な思いをしてきました。また経済活動における影響も深刻さを増しており、飲食業や観光業をはじめ様々な業種において廃業や営業中止を余儀なくされ、また多くの事業者が存続の危機に現在も直面しています。
 こうした状況を正常化するのは新型コロナウイルス感染症の終息が第一だと思いますが、さきの緊急事態宣言下の状況を見ても分かるとおり個人個人の感染防止対策に頼ることだけでは限界があります。
 そこで、新型コロナウイルスワクチンには多くの期待が寄せられております。ただ期待の一方、海外においては接種した後に激しいアレルギー反応を示した事例や死亡した事例があるとの報道もありました。いずれもワクチン接種との因果関係は明らかにはなっておりませんが、不安を感じている方もいらっしゃると聞いております。またワクチンの中にはメッセンジャーRNAワクチンという初めて実用化されたものもあると報じられていますが、私にはそれがどんなものかまだよく分かりません。その特性を十分理解している人は多くはないと思いますし、きっと不安の一つになっているのではないでしょうか。そしてワクチンはできるだけ多くの方が接種しないと感染終息に向けた効果が出ないとも言われております。いかに早く多くの方に接種してもらうかがこの先を左右する重要な点になると考えます。
 ワクチン接種は二月十四日に承認され、県内でも二月十九日より医療従事者などに対して接種が始まりましたが、ワクチンに関する情報提供や万が一副反応が生じた際の対応など一般の県民には必要な情報が十分に伝わっていないように感じます。
 そこで、安心してワクチンを接種してもらうよう県民の不安の解消に向けて県は国や市町と連携してどのように対応していくか伺います。
 次に、磯焼けの現状と対応についてお尋ねいたします。
 沿岸海域において海藻が繁茂するいわゆる藻場は、多くの魚介類の産卵場あるいは保育場となるほかサガラメやテングサなどの食用海藻やアワビなどの漁場でもあるなど本県の水産業にとって極めて重要な役割を果たしています。さらに近年では地球温暖化の原因となる二酸化炭素を吸収する性質、いわゆるブルーカーボンとしての役割も注目されています。
 一例を挙げれば、杉の林が一年間に吸収する二酸化炭素の量は一ヘクタール当たり三・五トンですがカジメの藻場ではその二倍に当たる七トンを吸収するとも言われています。このように重要な藻場ではありますがその面積は全国的に減少しております。
 国の調査では、一九七八年、昭和五十三年に全国で二十万八千ヘクタールあった藻場は二〇一六年、平成二十八年には十二万六千ヘクタールとなり約四十年で四割減少したとのことです。その後も減少し続けているのが現状だと思います。
 藻場が季節的あるいは経年変化の許容範囲を超えて著しく衰退あるいは消失する現象は磯焼けと呼ばれ、本県でも榛南地域や伊豆地域などで発生しています。榛南地域では一九八五年、昭和六十年頃から磯焼けが始まり、二〇〇〇年、平成十二年頃にカジメやサガラメが全滅しアワビの漁獲量も極端に減少しました。また伊豆地域においても近年磯焼けが進行しており、アワビやテングサ、ヒジキなどの漁獲量が減少しているとお聞きしています。ちなみに本県のアワビの漁獲額は一九八九年、平成元年から一九九三年、平成五年までは年平均約五億円でしたが、二〇一四年、平成二十六年から二〇一八年、平成三十年にかけては年平均約一億八千万円まで約三分の一に減少しているとのことであります。
 これらの対策として、榛南地域では県が二〇〇一年、平成十三年度から二〇一〇年、平成二十二年度までカジメの藻場の造成に取り組まれましたほか地元の漁業者も海藻を食べる魚、主にアイゴの駆除などの藻場保全活動を進めた結果ほぼ全滅していたカジメ藻場が二〇一八年、平成三十年には八百七十ヘクタールまで回復しアワビ漁の本格的な復活を期待できるまでに持ち直しつつあります。地域の特産物の一つであるサガラメはまだ回復していませんが、 榛南地域でのこれらの取組は藻場回復の優良事例として全国的にも知られているとお聞きしております。
 磯焼け対策が簡単でないことは私も十分に承知しておりますが、これらの取組が功を奏して伊豆地域、榛南地域をはじめ本県沿岸の漁業資源の回復につながればよいがと考えております。
 こうした中で、県は磯焼けの現状をどのように捉えさらなる回復に向けて今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、開港五十周年を迎えた御前崎港の将来展望について伺います。
 駿河湾の湾口部に位置する御前崎港は、港が整備される以前のずっと昔から付近を航行する船舶の避難港として利用されており、八十五年前の一九三六年、昭和十一年に避難港に指定され一九四八年、昭和二十三年から整備工事が進む中、一九五一年、昭和二十六年には港湾法に基づく地方港湾に指定されました。その後一九七五年、昭和五十年には重要港湾指定をされました。その間、一九七一年、昭和四十六年には県下で清水港、田子の浦港に続いて三番目となる関税法による開港指定を受け今日まで国内外との交易を通じて発展してまいりました。
 港としての整備の進展を受け一九九一年、平成三年からRORO船による東京から九州を結ぶ国内定期航路の開設、一九九七年、平成九年にはホンダの完成自動車の輸出が開始され、続いて直ちにスズキの自動車輸出が今日も続けられております。本県西部で生まれ活躍する、まさに日本有数の自動車関連産業等を支える物流拠点として大きな役割を担ってきたところであります。
 さらに、二〇〇四年、平成十六年にコンテナクレーンを備えた女岩地区国際物流ターミナルが供用開始し待望の外港定期コンテナ船航路が開設。現在は東南アジアを中心とした海外に加え、内航船によるフィーダー輸送により東京や横浜港等を介して世界各港に向けた物流を展開しております。
 一方で、御前崎港はにぎわいの創出という面でも地元と共に取り組まれており、二〇一五年、平成二十七年には海水浴場であるマリンパーク御前崎などの周辺施設がみなとオアシス御前崎として認定、登録され地域住民の交流や観光の拠点として地域の活性化に貢献しています。また二〇一九年、令和元年に地元待望のクルーズ船が初寄港したことは地域のさらなる活性化につながる可能性を秘めていると考えています。
 このように、避難港から始まった御前崎港は背後地の発展とともに地元御前崎市、牧之原市をはじめとした本県中西部の産業、経済に大いに寄与してきたと認識しており、将来にわたりその役割は大いに期待されているところであります。
 そこでお伺いしますが、我が国の港湾を取り巻く情勢が大きく変化している中で、本県中西部の産業、経済活動を支える御前崎港の将来展望に向けて県はどのような方向性を持って取り組んでいくのかお答えください。
 次に、国道百五十号の整備について伺います。
 国道百五十号は、静岡市を起点とし志太榛原地域や中東遠地域を通過し浜松市に至る県中西部沿岸地域を東西に結ぶ唯一の幹線道路で一九六五年、昭和四十年に国道に昇格しました。当路線は県内における地域経済活動の基幹道路として重要な役割を担う路線であるとともに第一次緊急輸送路にも指定されており、切迫する大規模地震や頻発、激甚化する自然災害や浜岡原発の原子力災害等の発生時には避難先への迅速な避難経路としての役割も果たすこととなります。
 県では、近年志太榛原地域において慢性的に発生していた交通渋滞を解消するため国道百五十号のバイパス整備を集中的に進め二〇一九年、平成三十一年までに焼津市から牧之原市に至るバイパス区間約十三キロメートルが暫定供用しており、供用後には現道部における交通渋滞の緩和や交通事故の減少とともに、周辺地域への企業進出が増加するなど大きな整備効果が現れております。
 一方、中東遠地域は開港五十年を迎える重要港湾御前崎港や沿道各市の工業団地をはじめとする産業拠点や御前崎マリンパークをはじめとした海洋性レクリエーション拠点等が立地するなどさらなる発展の可能性を秘めた注目すべき地域の一つであります。中でも御前崎港は大型岸壁等の施設整備が進み物流、産業開発の拠点として機能強化が図られており、ますます当地域の重要度が高まっております。
 このような中、当地域においても二〇一九年、令和元年九月の遠州大橋の無料化に伴い通勤時間帯を中心に慢性的に発生していた掛塚橋周辺の交通渋滞は緩和されております。しかしながら当地域の命綱である国道百五十号は御前崎港と静岡市、浜松市の両市をつなぎ当地域のみならず県中西部の産業、経済を支える重要な道路であり、人や物の流れをさらに活発化させ地域の発展を遂げるためにもまだまだ急ぎ整備を進める必要があります。
 現在、県は御前崎市から掛川市方面へ四車線化事業を進め磐田市においても袋井市方面へ新設バイパス事業を進めていることは承知しておりますが、地域住民からは市内外を問わず早期完成を求める声が非常に多く聞かれ、さらなる整備促進を図る必要があると考えます。
 そこで、現在御前崎市及び磐田市で進めている国道百五十号の道路整備の進状況と掛川市区間の今後の整備見通しについて伺います。
 次に、持続可能な部活動と教員の多忙化解消について伺います。
 県立高校で働く多くの先生は、スポーツ、文化、芸術活動等の部活動の指導に熱心に取り組み地域活動にも積極的に貢献している方も多くいらっしゃいます。今や年末の風物詩となった市町対抗駅伝において高校運動部の顧問を務める池新田高校のある先生もその一人で、我が郷土御前崎市チームの監督として最近指導していただいてまいりました。
 御前崎チームは、二〇〇四年、平成十六年の合併以来十五年間ほどずっと最下位近くの成績にとどまっていました。御前崎市は人口約三万人と小さな市ではありますが、過去多くのスポーツ選手を輩出してきました。さきのリオデジャネイロオリンピックでも地元御前崎市出身の飯塚選手がリレーで銀メダル、パラリンピックでは岡村選手がマラソンで銅メダルに輝きました。また二〇〇六年、平成十八年、第八十二回箱根駅伝に出場し九区区間賞で優勝メンバーとなり現在は拓殖大学の駅伝監督を務めている山下琢郎さんもいらっしゃいます。剣道や野球も盛んで、プロ野球では元巨人軍の新浦壽夫選手、元ヤクルトの奥柿幸雄選手、元広島の長島清幸選手など何人か活躍し現在も選手と指導者が四人ほど在籍しています。
 このようにスポーツが本当に盛んな市としては、市町対抗駅伝の成績は寂しい、情けないとの声も聞かれておりました。そうした中、その先生に監督として指導をお願いしたところ監督を先頭に選手、コーチや関係者が一丸となって努力を続け昨年十二月の市町対抗駅伝では三十七チーム中十五位と御前崎市としては過去にない好成績を上げ、市の部で敢闘賞を受賞することができました。解散式で市長からはサブを含め選手の皆様の健闘をたたえるとともに、あわせて監督はじめ関係者へ敬意と感謝を込めて涙を浮かべながらの感激した御挨拶がありました。
 その後、私は今回の躍進のきっかけは何だったのか私なりに考えてみたところ、その先生が日々の業務でお忙しい中スポーツを通しての地域振興のためにと時間をつくり、常に明るく情熱を持って子供から大人までよくまとめ丁寧に指導に当たってくださったことが最も大きな要因の一つだと思い当たりました。スポーツそして文化芸術等優れた部活動指導者の存在は部活や地域で活動する子供たちや住民にとって頼りになるものであり、地域にもたらす影響も大変大きいと感じております。また部活動は生徒に対する教育的効果が高いと感じていますが、県では子供の発育や発達状況を考慮して二〇一八年、平成三十年に部活動ガイドラインを策定して各校が適切な部活動の実施体制を整えるよう仕組みを構築してきました。
 現在教員の多忙化が課題となっていますが、私は教員の負担を軽減しつつもその貴重な指導力をぜひとも地域でも発揮していただきたいものと考えています。
 そこで、教員の業務がますます増えている中、教員の負担軽減を図りつつ運動部活動を適切に継続していくために県教育委員会としてどのように取り組んでいくのか伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(良知淳行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 藪田議員にお答えいたします。
 藪田議員の選挙区といいますか、ふるさとの御前崎市は最近住民投票を市議会の議決を経て実施されまして、その議決を受けて市長さんが市民の代表として行動されているということなど民度が非常に高い市であるという、そういう認識を私は持っております。
 今日は幾つかお答えしたいのでありますが、一般質問においては知事は一つということでございますので、私としてはこのたび開港五十周年を迎えた御前崎港の将来展望についてお答えをさせていただきます。
 世界で最も美しい湾クラブに加盟する駿河湾のまさに玄関口、入り口に位置する御前崎港はこれまでの取組によりRORO船やコンテナ船の定期航路開設、完成自動車の輸出など県中西部の産業や経済を支える海の玄関口として発展を遂げてまいりました。その発展の歴史につきましては先ほど藪田県議が簡潔にまとめられたとおりでございます。
 この御前崎港の中では、環境負荷が小さいバイオマス発電所の建設が間もなく開始され令和五年からは発電燃料の輸入が予定されており、取扱い貨物量の増加が期待されているところであります。
 また、港のにぎわいづくりも進み令和元年にクルーズ船――御紹介頂きましたが――「ぱしふぃっくびいなす」が初寄港し地域の活性化にも寄与しております。
 このように、御前崎港は経済社会情勢の変化に対応し港自身もこれまで変化してきたようにまた変化していくことが必要であります。今後の経済社会情勢の変化といたしましては脱炭素社会の進展、トラックドライバーの不足等によるモーダルシフト、また自動化の進展、日本と東南アジア諸国との貨物量の増加などの大きな変化を考慮する必要があります。
 このような状況を踏まえ、将来を展望した今後の方向性といたしましては富をつくる産業を支え脱炭素社会に貢献する物流の観点から、東南アジア方面のコンテナ船定期航路や環境負荷低減と省力化に優れたRORO船定期航路の維持、拡大を目指してまいります。
 また、次世代を見据えた環境の観点からゼロカーボンシティ宣言をなさいました御前崎市並びに牧之原市と連携し御前崎港の脱炭素化を目指してまいります。
 さらに、国内外の人々との交流の観点からクルーズ船の誘致による寄港の拡大を図るとともに、みなとオアシスの活動等を通じて人々が海の豊かさに触れながら集い楽しむ場を創造してまいります。
 私どもといたしましては、開港五十周年というめでたい節目を迎える御前崎港が駿河湾越しに霊峰富士を仰ぎ見、交通ネットワークに恵まれた立地条件を生かして時代の変化に適応して変化し発展する港として新たな歴史を重ねていけるように国、御前崎市、牧之原市等の関係者と共に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○副議長(良知淳行君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種についてお答えいたします。
 新型コロナウイルスワクチンにつきましては、国において製薬会社から申請されたデータを審査し有効性と安全性を確認の上で承認したものと考えております。 加えまして、国では先行的に接種を開始した約二万人の医療従事者を対象として接種後一定期間に生じた発熱、頭痛など様々な副反応の頻度などを調べ公表することとしております。
 県におきましては、公表された情報を迅速に分かりやすく県民の皆様に提供してまいります。
 なお、ワクチン接種によりまれに発生する激しいアレルギー反応につきましては接種後最低十五分は経過観察を行うこととしており、万が一発生した場合でも速やかに対処できるよう治療に必要な薬剤や救急搬送先の医療機関を確保しております。
 また、県と市町はワクチン接種に連携して対応することにしており、県では接種体制の整備などについて市町に助言するとともに、副反応など市町では対応が難しいワクチン接種に関する専門的な相談に丁寧にお答えするコールセンターを開設いたします。さらに副反応を疑う症状が発生した場合に備え必要に応じて専門的な医療機関を受診できる体制を整えてまいります。
 県といたしましては、国や市町と引き続き緊密に連携し、県民の皆様に対するワクチンに関する迅速で分かりやすい情報提供と県、市町で行う丁寧な相談対応に加え必要な医療体制を確保することにより県民の皆様のワクチン接種に関する不安解消を図ってまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(志村信明君) 磯焼けの現状と対応についてお答えいたします。
 磯焼けは、水温の上昇や濁り等の海洋環境の変化、海藻を餌にする食害魚の増加等様々な原因により藻場が衰退する現象で、議員御指摘のとおり本県でも榛南地域や伊豆地域などで発生し水揚げの減少等大きな影響が出ております。藻場は食用海藻の供給や魚介類の生育の場として重要な役割を果たしており、県といたしましてもその再生は本県水産業の振興にとって大変重要な課題であると認識しております。
 このうち、榛南地域では県はカジメ藻場の再生を目指し平成十六年度から二十二年度まで沿岸漁場整備開発事業によりカジメの苗をつけたコンクリートブロックを合計二千基余り海底に設置いたしました。また平成八年度から現在に至るまで漁業者の藻場保全活動に対する支援も行っております。その結果、榛南地域のカジメ藻場は再生に向かい、これを餌とするアワビの漁業の復活も視野に入りつつあります。
 一方、食用となる特産物のサガラメにつきましては磯焼けが回復していないため、県では長年の研究成果を踏まえ今年度から本格的な実証試験としてサガラメの苗をつけた生分解性プラスチック基盤を約千基海底に設置し生育状況のモニタリングを行っております。
 伊豆地域におきましては、平成十年代以降カジメ藻場の減少傾向が続いているほか近年食用となるヒジキ、テングサの減少も顕著になり、今後さらなる衰退が懸念されております。このため県では漁業者による食害魚や雑海藻の駆除などの活動を支援しているほか、今年度からはヒジキやテングサの増殖に向けて種苗移植方法の検討や栄養塩類のモニタリング調査などを開始したところであり、来年度もこれらの取組を継続してまいります。
 県といたしましては、漁業者をはじめ地元の市町と共にこうした取組を着実に進め県内水産資源の保全、回復に不可欠である藻場の再生に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 長繩交通基盤部長。
○交通基盤部長(長繩知行君) 国道百五十号の整備についてお答えいたします。
 国道百五十号は、国道一号と共に本県中西部の東西軸を形成し産業経済を支える延長百二十九キロメートルの幹線道路であり、県では現在御前崎市内での四車線化事業及び磐田市内でのバイパス事業を進めております。
 御前崎市内での四車線化事業につきましては、昨年六月に供用を開始した〇・五キロメートルを含めこれまでに計画延長十キロメートルのうち八・五キロメートルを供用しております。残る掛川市境までの一・五キロメートルにつきましては、今年度中に調査設計を完了させ来年度から用地取得を進めるとともに工事に着手し二〇二五年頃の供用を目指してまいります。
 磐田市内のバイパス事業につきましては、現在一・三キロメートル区間の整備を進めており、来年度は僧川をまたぐ橋梁の工事に着手し二〇二五年頃の供用を目指してまいります。
 また、事業化していない掛川市区間につきましては、昨年国が指定した重要物流道路の区間に含まれたことも踏まえ御前崎市内の四車線化事業の完了後切れ目なく工事着手することを目指し効果的な整備の進め方の検討や掛川市との調整等を進めてまいります。
 県といたしましては、引き続き関係市や関係団体等と連携して国に働きかけるなど必要な予算の確保に努めるとともに、効果的で効率的な整備により国道百五十号の機能強化を早期に図り中東遠地域のさらなる発展に貢献してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 長澤教育部長。
○教育部長(長澤由哉君) 持続可能な部活動と教員の多忙化解消についてお答えいたします。
 学校教育の一環である部活動は、スポーツや文化の技能等の向上のみならず生徒の生きる力を育成し豊かな学校生活を実現させるものであります。また生徒の活躍が学校や地域に活力をもたらすことから、これまで指導者として教員が大きく関わってまいりました。
 県教育委員会では、少子化が進展する中、生徒にとって望ましい部活動の環境を構築する観点から平成三十年四月に部活動ガイドラインを策定し合理的で効率的・効果的な部活動の推進とともに、外部指導者を活用してより高度な指導を求める生徒への対応や教員の時間的、精神的な負担の軽減に努めてきたところであります。
 こうした中、文部科学省は学校の働き方改革を踏まえた部活動改革推進の第一歩として、令和五年度以降休日の部活動を段階的に地域移行するため来年度から二年間で全国を対象に実践研究を行うこととしております。本県におきましても掛川市の中学校で実施する予定となっており、その成果や課題について市町教育委員会と情報共有を図ってまいります。
 県教育委員会といたしましては、今後も地域と連携しながら部活動指導員などの外部指導者を有効に活用して教員の負担軽減を図るとともに、指導者の資質向上に向けた講習会を開催するなど運動部活動に従事する教員を支援しながら持続可能な部活動を推進してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 五十三番 藪田宏行君。
       (五十三番 藪田宏行君登壇)
○五十三番(藪田宏行君) 御答弁ありがとうございました。
 二点、要望させていただきます。
 道路のほうは今もお話ありましたとおり大変重要な道路ですので一刻も早く整備、完成できますようによろしくお願いいたします。
 また、御前崎港については江戸時代に江戸の商人があの地へ港を造ったらどうだと発案したのが最初だそうですが、地元としては明治の二年ですか、初代静岡県知事になる関口隆吉さんにね、港の整備をお願いしてから今日まで本当に地元の市民の港として官民挙げて頑張ってまいりました。そしてその間に国や県も本当に一生懸命協力していただいて県営港としてやっていただいているわけでありますが、まだまだ今お話ありましたように課題もありますので、今後とも発展できますように御尽力をお願いをして私の質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(良知淳行君) これで藪田宏行君の質問は終わりました。(拍手)
 議事の都合により休憩します。

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