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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 啓嗣 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/11/2019

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 遠州灘海浜公園(篠原地区)基本計画の策定について
2 浜名湖の漁獲回復及び資源保護について
3 三方原用水の整備状況と今後の計画について
4 CSF(豚コレラ)等の特定家畜伝染病に関する防疫訓練
 の状況について
5 災害から命を守るための自助、共助の推進について
6 本県における多様な能力を持つ優秀な人材の確保について


○議長(鈴木利幸君) 開議に先立ち、御報告いたします。
 本日は、説明者として鈴木人事委員会事務局長が出席しておりますので御承知おき願います。 
○議長(鈴木利幸君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百五十二号から第百八十六号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十番 鈴木啓嗣君。
       (十番 鈴木啓嗣君登壇 拍手)
○十番(鈴木啓嗣君) 皆様おはようございます。本会議場で初めての質問に立ちます浜松市西区選出の鈴木啓嗣でございます。
 多くの先人、先輩方が静岡県に対する熱い思いを語られたこの場所、私も今こうしてこの場所に立てますことに大変な栄誉と、そして責任を感じております。私の目指す議員の姿、今はまだはるか遠く今の私にはまだその後ろ姿も見えないところではありますが、その目標に向かい日々の歩みをとめることなく一歩一歩その目標に向かって進んでまいりたいとそのように思っております。
 それでは、私鈴木啓嗣は自民改革会議の所属議員として当面する県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長及び人事委員会事務局長に一括質問方式にて質問いたします。
 初めに、遠州灘海浜公園篠原地区基本計画の策定について伺います。
 遠州灘海浜公園は面積約六百七十ヘクタールが都市計画決定をされており、これまでに県市合わせて約六十四ヘクタールが開設されています。開設地区は多くの県民市民にとって憩いの場として親しまれていますが、現時点の開設面積はいまだに全体面積の約一〇%と低い状況にあります。
 このような中、本年九月には浜松市長から知事に篠原地区において県西部地域の拠点となる野球場などスポーツ施設の設置を主体とする公園整備の早期事業化の要望が出されたところです。
 県は、この篠原地区の公園基本計画を策定するに当たり本年七月中旬から十月中旬までの約三カ月間をかけ、より多くの皆様に御利用いただける公園となるよう本公園内に整備するスポーツ施設等についてさまざまな手法により約三千百人の県民の方々と二十四のスポーツ関係団体、野球、ソフトボール団体三百五十三チームから御意見をいただいたと聞いております。このように御意見を伺うことはこれまで幾度も知事が御答弁されている、広く会議を興し万機公論に決す、その基本姿勢が反映されているものと認識しています。今後ともさまざまな段階において丁寧に対応していただくことが、多くの皆様に愛され御利用いただける公園の実現につながっていくものと考えます。
 そこで、遠州灘海浜公園篠原地区に整備する施設等について県民の皆様やスポーツ関係者の皆様からどのような御意見があったのか伺います。またそれらの御意見を受け、今後県としてどのように基本計画を策定していくのかあわせて伺います。
 次に、浜名湖の漁獲回復及び資源保護について伺います。
 近年、浜名湖の主要な漁獲物であるアサリやクルマエビなどの水揚げ量が減少しています。特に全国第四位の漁獲量を誇るアサリにつきましては平成二十七年には三千四百三十七トンあった漁獲量が平成二十八年には千九百一トン、二十九年には九百六十八トン、三十年には千七百九十八トンとここ数年不漁が続いており、本年も十月までで七百五十九トンにとどまっている状況です。また漁獲量の減少はアサリにとどまらず多くの魚種で確認され、地元の漁業者には大きな打撃となっています。また平成二十五年、二十八年及び二十九年にはアサリの不漁により浜名漁協の弁天島遊船組合が瀬渡しによる潮干狩りを中止、三十年には限定的に再開しましたが本年は再び中止になり漁業のみならず観光業にも影響を及ぼしている状況です。
 これまで、地元の漁業関係者を中心にさまざまな取り組みがなされ浜名湖の漁獲回復及び資源保護の努力が続けられています。また不漁の原因につきましても水質や環境の変化などさまざま取りざたされていますが、いずれも科学的裏づけによる原因究明ができていない状況です。この状態を改善するには科学的裏づけによる原因の究明と継続的な取り組みが必要であると考えます。
 そこで、浜名湖における不漁の原因として県が把握している要因はどのようなものがあるか伺います。またその要因にどう対応し浜名湖の漁獲回復及び資源保護につなげていくのか、今後の継続的な取り組みを含め県の考えを伺います。
 次に、三方原用水の整備状況と今後の計画について伺います。
 三方原用水は浜松市の産業と生活を支える重要な社会基盤であり、平成二十七年度から国営かんがい排水事業三方原用水二期地区として更新事業が着手されました。国営事業では幹線用水路の改修等が行われており、これに附帯して支線用水路の改修が県営事業で行われています。国と県の一体となった用水整備により農業に欠かせない水が今後も安定的に供給されることとなり、事業の意義は大変大きいものであります。
 こうした中、今年度は国営事業着手から五年目となり予定工期の折り返し地点となります。地元では地域農業のさらなる飛躍のため計画通りの完成を望んでおり、事業の進捗状況を常に気にかけているところであります。
 一方、農業を取り巻く環境が変化する中、ハウス栽培の増加などにより水利用の状況も大きく変化しています。そのため利水者からは季節や気候にかかわらず安定的な水利用ができるよう適切な水量の確保が強く望まれており、計画から半世紀以上が経過した今、水利用状況の変化への対応が必要であるものと考えます。
 また、県では安心・安全な地域づくりを目指し各所でさまざまな災害対策がとられていますが、三方原用水の末端施設については耐震化などの災害対策がとられていないのが現状です。地震により末端施設が破損した場合、漏水による周辺地域への被害が心配されるため施設の耐震化が急務であると考えます。またファームポンド、圧力タンク、ポンプ、末端配管、給水栓などの末端施設は長期の使用により老朽化が進み改修の必要があるものと考えますが、その改修費用は高額となるため維持管理の範囲での対応が非常に厳しい状況です。地元農家からは県に対策を望む声が聞かれ、末端施設への総合的な対応が課題であると認識しています。
 さらに、末端施設を管理する土地改良区や水利組合では非農家の増加、農地の集約などにより構成員が減少し管理体制の維持が難しい地域がふえています。農業を取り巻く環境が変化する中この状況はさらに進んでいくものと思われ、新たな維持管理体制の構築が必要であると考えます。
 そこで、国営及び附帯県営事業の進捗状況について伺うとともに、水利用状況の変化への対応そして今後の末端施設の耐震化及び老朽化対策と維持管理体制のあり方について、県の所見を伺います。
 次に、CSF――豚コレラ等の特定家畜伝染病に関する防疫訓練の状況について伺います。
 国内では、平成三十年九月九日岐阜県の養豚場において平成四年以来二十六年ぶりとなるCSF、いわゆる豚コレラの発生が確認され、その後国内各地の養豚場や屠畜場、野生イノシシなどから感染が確認されています。県内でも本年十月十八日藤枝市内で発見された死亡野生イノシシのCSF――豚コレラの感染が確認されたことに始まり、これまでに各地で二十一例の感染が確認されています。
 このように、県境から深く入った地域でCSFウイルスが確認されたことは大変深刻な状況であり、県内養豚場で感染が確認された場合その規模によっては一度に数千頭を処分しなければならず、迅速で的確な対応がとれるよう十分に準備をしておく必要があります。また二次感染防止の観点から全ての対応に緊急を要しますので、想定外の事態による作業の中断は避けなければいけません。
 そのため、実際に養豚場などで感染が発生した際の想定外を一つでも減らすようさまざまな事態を想定した訓練を重ねることが必要であり、その訓練の中で浮かんだ課題を確実に解決しておくことも重要です。
 そこで、これまでのCSF――豚コレラ等の特定家畜伝染病を想定した防疫訓練の実施状況と今後の訓練実施予定を伺うとともに、訓練の中で浮かんだ課題はどのようなものがあり、それらの課題は現在どのように解決されているのか伺います。
 次に、災害から命を守るための自助、共助の推進について伺います。
 本県は防災先進県として地震・津波対策を重点的に進めておりますが、大型台風が日本列島を襲い各地で甚大な被害をもたらした昨今の状況を踏まえますと豪雨災害についても危機感を持って万全な備えを進める必要があるものと考えます。
 国は、平成三十年七月豪雨を踏まえ平成三十一年三月に避難勧告等に関するガイドラインの一部改訂を行いました。それはこれまでの行政主導の取り組みを改善することにより防災対策を強化するという方向性を根本的に見直し、住民がみずからの命はみずからが守るという意識を持ってみずからの判断で避難行動をとり行政はそれを全力で支援する、そういった住民主体の取り組み強化により防災意識の高い社会を構築していこうという考え方によるものです。
 改訂で拡充された具体的な取り組みといたしまして、みずからの命はみずからが守る意識の徹底、災害リスクと住民のとるべき避難行動の理解促進、地域における防災力の強化、要配慮者の避難の実効性の確保が示されています。ですがこれまで国内で発生した豪雨災害に目を向けますと、こうした取り組みが地域に浸透されず避難のおくれや危険な場所に近づいたことにより犠牲となった方々が多数おられることからも、改めて県民一人一人の意識改革が必要であると考えます。
 こうした中、本年の台風十九号で河川の堤防が決壊した宮城県大郷町の中粕川地区では過去の被災経験を踏まえ自主防災組織が手づくりの防災マップを各家庭に配布したり地域で防災訓練を繰り返してきたことにより、多くの住宅が浸水したものの一人の犠牲者も出さなかったという事例が報道されました。このような住民主体の取り組みを各地で広げていく必要があるものと考えます。
 そこで、災害から命を守るため県民がみずからの命はみずからが守るという自助の意識と、地域を守るため自主防災組織を中心に皆で地域を守ろうという共助の意識を一層高めていくべきと考えますが、県の今後の取り組みについて伺います。
 最後に、本県における多様な能力を持つ優秀な人材の確保について伺います。
 人口減少を初めとした社会経済環境の大きな変化の中、地域行政の課題はますます複雑、高度化しています。こうした時代の中、質の高い行政サービスを維持させるためには本県職員として多様で有為な人材を着実に確保することが非常に重要だと考えます。
 一方で、現在の就職市場を見ますと民間企業は多様な採用活動を展開し、学生側においても進路選択の早期化や職業選択の多様化が進み公務員採用試験の応募者が全国的に減少している状況です。本県においても大学卒業程度の採用試験の応募倍率は十年前には十倍を超えていましたが、本年においては四・六倍と半分以下に低下していると聞いています。
 そこで、十年間で半減している応募倍率について県はどのように評価し対応しているのか、考えられている要因を含めお聞かせください。
 また、県では「三十歳になったら静岡県!」をキャッチフレーズに県外に住む若者の静岡県での新たなチャレンジを応援していますが、その活動と連携した県職員採用に関する取り組みについてあわせて伺います。
 さらに、多様な能力を持つ優秀な人材を本県職員として着実に確保するため今後人事委員会としてどのような姿勢で臨んでいくのか伺います。以上につきまして答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 鈴木啓嗣議員におかれましては、現在静岡県が直面しているさまざまな事例の問題につきましてよく勉強されまして立派に質問をなさいましたこと、御同慶の至りであります。
 この議会は、明治九年に静岡県が誕生いたしまして以来百年余りの歴史、伝統を刻んできました。そこには立派な先人、先輩が出ております。あなたの御尊父は謙虚な人柄ながら議長、副議長もお務めになられた方であります。背中を追いかけるということでございますけれども、御尊父にもまさるとも劣らぬ議員になられますように御期待申し上げます。
 さて、私は御質問の中で遠州灘海浜公園篠原地区基本計画の策定についての御質問にお答えいたします。
 県では、新ビジョン富国有徳の美しいふじのくにの人づくり・富づくりにおきましてスポーツの聖地づくりを掲げております。総合公園として県内最大の遠州灘海浜公園におきましては、スポーツの拠点機能の強化と自然環境の学習の場としてふさわしい公園運営に取り組んでいるところであります。
 基本計画の策定に当たりましては、多くの方々に利用され愛される公園となるよう本公園に整備する野球場及びその他の整備が望まれるスポーツ・レクリエーション施設、緑地広場など緑の空間のあり方につきましてさまざまな方法により幅広く県民の皆様の御意見をお聞きしたところであります。まさに県議が引用されました明治元年に制定されました五箇条の御誓文の第一条、広く会議を興し万機公論に決すというのは、これが静岡県の引き継ぐべき重要な姿勢であると存じます。
 皆様からいただきました代表的な御意見といたしましては、整備が望まれる施設としまして屋内運動場、アスレチック施設、ボルダリング施設、また緑の空間のあり方としましてはデイキャンプ場やカフェなど伸び伸びとゆっくりとした時間を過ごすことのできる空間が欲しいとの御意見がありました。またスポーツ関係団体からは新しい野球場の必要性、ビーチスポーツの活動拠点の整備などを求める声のほか駐車場の確保につきまして特に多くの御意見を頂戴しました。
 野球場の規模に関しましては二万五千人規模から一千人規模までさまざまであり、複数のサブグラウンドを備えたボールパーク化を提案する団体もありました。
 今回頂戴した御意見を踏まえ、野球場の規模やサブグラウンドの設置その他スポーツ・レクリエーション施設の種類や配置を変えた複数の公園プランを作成いたしまして、それぞれにつきまして建設費や想定利用者数、経済波及効果等を算出した上で県議会にもお示しを申し上げ、改めて御意見を伺った上で基本計画の案となるプランを一つ選定いたします。
 県といたしましては、引き続き広く会議を興し万機公論に決すべしの姿勢に立ちこれからも県民の皆様に情報をお伝えし、県議会の皆様に対しましては特に丁寧に御説明を申し上げながら御意見を拝聴し新しいスポーツの拠点となる公園の基本計画を策定してまいります。
 その他の御質問につきましては副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○議長(鈴木利幸君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 災害から命を守るための自助、共助の推進についてお答えをいたします。
 近年頻発化、激甚化する豪雨災害など大規模な災害から県民の皆様の命を守るためには自助、共助、公助が連携して取り組むことが必要です。特に発災時には住民みずからが身の安全を確保し要配慮者への支援や避難所運営を行うなど自助、共助の取り組みが重要です。
 県では、県民だより等各種広報媒体や防災出前講座などにより県民の皆様への意識啓発を行っておりますが、本年二月の県民アンケート調査では洪水、土砂災害に関するハザードマップを認知している方は約四割にとどまっております。このためみずからの命はみずから守るという自助の意識の向上に向け今後なお一層の啓発が必要と考えております。
 具体的には、県民の皆様に災害を自分のこととして認識していただくため狩野川台風など本県を襲った災害の記録映像を活用した出前講座の開催や市町と連携し住民一人一人が地域の災害リスクを踏まえて作成するマイ・タイムラインの普及を図ってまいります。
 また、県が開発いたしました総合防災アプリ「静岡県防災」は緊急防災情報をリアルタイムで配信するとともに県内各地のハザードマップを簡単に確認することができます。さらに台風が接近したときなど事前の備えや適切な行動を呼びかけるメッセージを随時配信しております。現在約九万人が利用しておりますが、緊急時の情報収集と迅速な避難行動に有効なことからあらゆる機会を捉えてさらなる普及を目指してまいります。
 一方、共助の担い手である自主防災組織におきましては役員から「どのような訓練が効果的かわからない」などの声が寄せられております。このため新たに地域の災害リスクに応じた訓練の企画や実施に向けて助言を行う仕組み等について市町と連携して検討してまいります。また少子高齢化が進む中で地域の防災力を維持していくためには次代の担い手となる若年層への防災啓発も重要なことから、学生を対象とした防災人材の育成についても取り組んでまいります。
 県といたしましては、台風や豪雨に伴う大規模な災害が多発しておりますことから、自助、共助の取り組みを強化し県民の皆様が将来にわたって安心していただけるよう災害に強いふじのくにづくりに努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 志村農林水産担当部長。
       (農林水産担当部長 志村信明君登壇)
○農林水産担当部長(志村信明君) 浜名湖の漁獲回復及び資源保護についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、近年浜名湖の魚介類の漁獲量はアサリを初めとして多くの魚種で減少しております。要因につきましてはさまざまな点が指摘されておりますが、そのうち生物的な要因としましては天敵による食害が挙げられます。具体的には、アサリにつきましてはツメタガイやクロダイによる捕食が全体として増加していることが推察されます。
 また、環境的な要因といたしましては遠州灘と接続する今切口の海底が潮流により侵食されて深くなり海水の流入量が増大して浜名湖の塩分濃度が高くなったことや、潮流が速くなって湖底の砂が流されふ化したばかりのアサリやクルマエビ等の生育する場所が減少していることが推察されます。さらに一時的な要因として、平成二十七年は大雨による塩分濃度の低下などの影響も考えられます。
 このように、浜名湖における不漁につきましてはそれぞれの原因が複雑に絡み合って完全には解明されていないことから、県ではさらなる原因究明を進めるとともに対応可能な対策を継続的に実施していくことが重要であると考えております。
 このため、浜名湖の環境調査につきましては従来から行っている公共用水域水質測定等の調査に加え生物の生育に必要な浜名湖内の窒素やリンの状況についての詳細な調査を緊急に開始したところでございます。また資源の回復に向けましては、漁業者が取り組んでいるアサリを食害動物から保護する活動や竹杭の設置により潮流を抑制する活動等に対して技術的な支援を行うとともに経費を助成しております。さらに浜名湖の奥に大量に発生するアサリの稚貝を保護活用しアサリ資源の増大につなげていく研究を始めたところであります。
 県といたしましては、今後もこれらの対策を継続的に実施し浜名湖の漁獲回復と資源保護につながるよう取り組んでまいります。
 次に、三方原用水の整備状況と今後の計画についてであります。
 全国屈指の野菜や花卉類の産地である三方原地域の農業が今後とも持続的に発展していくためには、老朽化した三方原用水の更新と今後の水需要にも対応した施設機能の強化を図ることで安定的な用水供給を確保することが必要であると考えております。このため秋葉ダムからの幹線用水路につきましては、国営事業により老朽化対策と耐震化に加え多様な水需要に対応できる五カ所の調整池の整備を進めております。
 今年度末時点の事業費ベースの進捗は計画の五二%に対しまして四〇%でありますが、主要工事である導水幹線水路のバイパス工事が始まったことから今後は順調に進むものと見込まれます。
 県といたしましては、一層の事業進捗が図られるよう引き続き国に対して働きかけてまいります。
 幹線用水路から分水してかんがい工区まで送水する支線用水路につきましても、県営事業により順次事業化を進めており、今年度までに全体計画十七地区のうち七地区で事業に着手しパイプラインの更新により用水の安定供給や管理の省力化などに取り組んでいるところであります。またかんがい工区内の各圃場まで送水する末端施設につきましては地元要望を踏まえましてこれまでに圧力タンクの老朽化等の調査を進めており、来年度からは揚水ポンプ等の施設に関しましても調査に着手いたします。
 これらの調査結果と施設栽培の増加や栽培品目の多様化に伴う水利用の変化等を総合的に検証しながら適切な施設規模による更新整備の事業化を推進してまいります。さらに末端施設の維持管理体制につきましては、地域住民の皆様などの参画による用水路の補修や管理に補助する国の多面的機能支払交付金制度を積極的に活用しながら充実を図り施設を管理する土地改良区や水利組合の負担軽減に努めてまいります。
 県といたしましては、今後とも国や浜松市、土地改良区と連携し三方原用水の老朽化対策と耐震化を計画的に進めるとともに、今後の水利用の見直しを踏まえた末端施設の更新や維持管理体制の強化を図り本地域の農業の持続的な発展に努めてまいります。
 次に、CSF等の特定家畜伝染病に関する防疫訓練の状況についてであります。
 CSFや鳥インフルエンザ等の特定家畜伝染病につきましては、農場で発生させないよう予防対策を万全に行うことが重要であります。しかしながら、万が一発生した場合には家畜伝染病予防法及び家畜伝染病防疫指針に基づき発生の確定後原則殺処分の場合には二十四時間以内、焼却、埋却は七十二時間以内に完了させるため防疫作業に従事する職員は各作業を迅速かつ着実に実施する必要があります。
 このため、県は平成二十六年度から市町、JA、防疫作業の協定締結団体などの参加を得て特定家畜伝染病の発生を想定した防疫演習を実施しております。毎年度テーマを定めて処分した家畜や家禽のトラックへの積載や輸送、埋却などの実践的な訓練を行っており、今年度は中部地域で防疫従事者の健康調査と輸送の訓練を実施いたしました。また現地対策本部となる各地域局におきましても担当業務のイメージトレーニングや防護服の脱着、鶏の捕獲などのきめ細かな訓練を実施し防疫作業の習熟に努めております。
 防疫演習の予定につきましては、今後の特定家畜伝染病の発生状況なども考慮いたしまして来年度は東部地域におきましてより実践的な訓練を行ってまいります。またこれまでの訓練の中で、防疫従事者の作業内容の理解不足に加え埋却のために掘削した穴の周囲で行う作業の安全確保などが課題として明確になりました。このため従事者の作業内容を説明するDVDや埋却作業における転落防止の設置など安全対策を盛り込んだ作業マニュアルを作成し、協定締結団体や農林事務所に配布して防疫従事者の理解促進や作業の安全性の確保を図っております。
 県といたしましては、今後とも市町、JA、協定締結団体等と連携しさまざまな事態を想定した訓練を重ね万全の防疫体制を整えてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木人事委員会事務局長。
       (人事委員会事務局長 鈴木茂樹君登壇)
○人事委員会事務局長(鈴木茂樹君) 本県における多様な能力を持つ優秀な人材の確保についてお答えいたします。
 本県の大学卒業程度の採用試験において最近十年間で応募倍率が半減していることにつきましては、この間の民間企業の採用意欲の拡大に伴い公務員全体の志望者数が減少していることが主な要因であると分析しております。
 このため、人事委員会では県行政に関心を寄せ本県職員を目指す多くの受験者を確保する取り組みが重要であるという認識のもと、県庁のさまざまな部門を巡回して大学生等に県行政の現場を体感してもらう県庁・仕事スタディーツアーや静岡、東京、名古屋、京都で本県職員の仕事を紹介する公務員フォーラムの開催などの取り組みを進めてまいりました。また採用試験制度におきましては、多様な能力を持つ幅広い人材の応募を促すため平成二十七年度から行政職の採用試験について法律、経済などの専門試験を課さない募集区分の導入や東京での試験の実施に取り組んでまいりました。さらに今年度、民間職務経験者などによる応募者数の増加を図るため多くの職種で受験年齢の上限を引き上げたところでございます。
 なお、東京での試験の実施や受験年齢の上限の引き上げは本県が推進する「三十歳になったら静岡県!」との連携を考慮した取り組みであります。
 人事委員会といたしましては、今後とも富国有徳の美しいふじのくにづくりを担う多様で優秀な人材を確保するために各任命権者と連携しながら本県職員の仕事のやりがいや魅力についての情報発信の充実を図るとともに、採用試験制度の不断の改善に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 十番 鈴木啓嗣君。
       (十番 鈴木啓嗣君登壇)
○十番(鈴木啓嗣君) 御答弁ありがとうございました。
 それでは、ここで要望を三点、再質問を二点申し上げます。
 要望の一点目は遠州灘海浜公園篠原地区基本計画の策定についてでございます。
 現在、県はさまざまな災害対策に取り組まれ防災先進県静岡として地域の安心・安全、これを県内外に強く発信しております。こうした活動を推し進める上で防潮堤により津波対策がなされた篠原地区に施設を整備することは県としても大きな意義があるものと考えます。また今後示される公園基本計画は遠州灘海浜公園の基本構想を実現する上で大変重要なものになります。いただいた御意見を反映していただきまして、公園が多くの皆様に愛されそして御利用いただける施設となるよう各段階において今後も情報公開、そして関係各所への説明など一つ一つ丁寧に御対応いただきまして計画策定に向け着実に進めていただきますよう要望させていただきます。
 要望の二点目は、三方原用水整備状況と今後の計画について要望させていただきます。
 浜松市の農業は、三方原用水が整備されたことによりまして大きな力を得て県を代表する一大農業地帯へと成長することができました。その結果農業算出額は常に国内上位でありまして、農業はこの浜松にとって地元主要産業の一つになっております。そして現在地域農業のさらなる飛躍を目指して三方原用水は国と県により用水路の更新工事が進められていますが、その一方で施設の老朽化ですね、長い年月が経過し農業を取り巻く環境が大きく変化した今、解決が望まれるさまざまな課題が浮き彫りとなっておりますのでその課題を地元の努力のみで解決することは大変困難な状況でもあります。地域農業のさらなる発展のためにきめ細かい県の対応を要望させていただきます。
 要望の三点目、災害から命を守るための自助、共助の推進についてであります。
 国や県の災害対策の方向性と県民の皆様の意識の間で乖離がございますと、どのような災害対策をいたしましてもやはりその効果は低減してしまいます。何よりも大切な県民の命、その一つ一つをしっかりと守るためにも今後もさまざまな場面で多くの県民の皆様に自助、共助の意識、これを周知、啓発していただくよう要望させていただきます。
 それでは、再質問を二点申し上げます。
 初めに、浜名湖の漁獲回復及び資源保護についての再質問です。
 御答弁いただきましたとおり、この課題に対しまして県としてもさまざまな御検討をいただいているところではございますが、やはり浜名湖の目に見える状況変化、これは地元地域の方々が一番詳しく把握されていらっしゃると思います。不漁の要因分析と今後の対応を検討する上で地元から御意見を伺うことが重要であると考えますが、地元地域からの御意見聴取に関し今後予定されている取り組みがありましたら、もし決まっておればどのような時期にどのような手法で実施されるのか、ありましたらお聞かせください。
 次に、CSF――豚コレラ等の特定家畜伝染病に関する防疫訓練の実施の状況ですね。これについての再質問です。
 御答弁の中で協定締結団体、これは民間組織と考えるわけですが合同訓練が実施されて協定締結されているとありましたが、やはり特定家畜伝染病が発生した場合にはその処置に土壌の掘削、死亡獣畜の移動等民間組織の協力が必要不可欠なものと考えますので協力体制を構築し緊急対応の準備をすることは大変重要なものであると考えます。
 そこで、現在協定締結状況につきましてどういった組織と協定が締結されているのか。そしてそれらの組織は緊急対応時にこの緊急対応の現場の中で活動するようになるかと思うのですが特定家畜伝染病の危険やリスク、これを十分に理解しておく必要があるものと考えます。
 現在協定を締結しているそういった組織にどのように特定家畜伝染病に関する知識を習得していただいているのか伺います。以上につきまして答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(志村信明君) それでは、浜名湖の漁獲回復及び資源回復についての再質問についてまずお答えいたします。
 地元地域からの意見聴取に対してという御質問でございました。
 県ではこれまで、水産試験場の浜名湖分場の普及指導員あるいは研究員がふだんから漁業者と連携を密にして情報交換をしております。また浜名湖漁協等の会合に出席してアドバイスを行ったり、また意見交換をさせていただいております。
 また、直近におきましては来年一月から三月にかけましてアサリの漁業者全員を対象とした講習会等も予定されておりますので、そういった場で意見交換をしていくということで進めてまいりたいと思います。
 いずれにしましても、今後も継続して漁業者の皆様の声を丁寧に聞きながら施策に反映していきたいと思っております。
 次に、特定伝染病に関する防疫訓練の実施についての再質問でございまして、どのような組織、団体と協定を締結しているか、またどのようなその知識の習得に努める研修をしているかというような御質問だったと思います。
 まず、協定している団体につきましては処分家畜の埋却処分等に必要な、いわゆる建設機械やオペレーターを手配していただく静岡県建設業協会を初め各地域の建設業協会の皆様、あるいは防疫作業員の輸送に必要なバス等の手配をしていただくということで静岡県バス協会様、あるいはいわゆるいろんな資機材を提供していただくということで日本建設機械レンタル協会静岡支部様等々約二十の団体と協定を結んでおります。そうした皆様に、やはり皆様もその協会等の中で研修を行っているところでございますが、特に例えば袋井建設業協会さんで行う研修、協会員の皆さんの研修会におきましては家畜保健所のほうから講師を派遣いたしましてそのCSF、例えばことしの場合はCSFの応用研修というのも行いまして、そのCSFの発生時の、そのいろんな危険なことですとか注意しなければいけないこと、そういった情報等について講義のような形で研修をさせていただいております。以上でございます。
○議長(鈴木利幸君) 十番 鈴木啓嗣君。
       (十番 鈴木啓嗣君登壇)
○十番(鈴木啓嗣君) 御答弁ありがとうございます。
 ここで要望を二点申し上げます。
 一点目は、浜名湖の漁獲回復及び資源保護についての要望です。
 浜名湖は古くから地域の暮らしをさまざまな形で支えてきました。その恵みが損なわれた場合、やはり漁業者のみならず水産加工業、養殖業、観光業などさまざまな影響が地域社会に打撃となってかかってきます。ですので現状を的確に把握いただきまして、そして科学的裏づけに基づいた早期の対応、こういった状態をやはり長く放置しておきますとその回復には本当に長い時間がかかる、それから本当にもう取り返しのつかない状況になるということもございますのでできるだけ早い対応を、そしてまた継続的な取り組みを要望させていただきます。
 二点目は、CSF――豚コレラ等の特定家畜伝染病に関する防疫訓練の状況についての要望です。
 これまで特定家畜伝染病の発生経験がない静岡県です。こういったように発生しない状況を維持していくこと、これが一番重要ではありますがやはり自然を介し感染が拡大するもの、これを人の力で全て防ぎ切るということは不可能だと考えますので、ただ二次感染、これにつきましてはいろんな工夫それから処置、そういったもので防ぐことができると考えますので今後とも定期的な訓練の実施によりまして経験を積み重ねていただき、そういった協力組織との体制も合わせ常にブラッシュアップされた状態でどのような状況でも迅速、的確に対応できる体制の維持を要望させていただきまして私の質問を終わります。御答弁ありがとうございました。(拍手)

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