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本会議会議録

議会補足文書

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令和5年2月静岡県議会定例会
竹内 良訓(逢初川土石流災害検証・被災者支援特別委員会)委員長報告
発言日: 02/24/2023
会派名:


○議長(藪田宏行君) 次は、逢初川土石流災害検証・被災者支援特別委員会委員長 竹内良訓君。
       (五十一番 竹内良訓君登壇 拍手)
○五十一番(竹内良訓君) 逢初川土石流災害検証・被災者支援特別委員会の調査結果について御報告いたします。
 当委員会は、熱海市伊豆山地区の逢初川土石流災害に係る行政対応に関する事項を調査事項として九月の二十六日の委員会設置以降八回にわたり委員会を開催しました。この間関連する県の施策について執行部の説明を求め、また参考人として有識者や被災者支援に取り組む弁護士、実際に被災された避難生活を送っている方などから意見をお聞きし、提言に向けて議論を重ねてまいりました。以上の調査結果を踏まえ次の五点を提言いたします。
 一点目は、行政対応に関する再検証作業の実施であります。
 逢初川土石流災害に係る行政対応について、県は第三者委員会を設置しその妥当性について検証を行っておりますが、その検証方法は一部の法令に偏ったもので砂防法や森林法などの検証が不足しています。県が所管する各法令が適正に運用されていれば土石流災害は起きなかったのではないかといった観点からの検証がなされておらず、これでは県民や被災者の疑問に十分応えるものではないと考えます。
 そもそも県は、県民の安全を守るという観点から所管するあらゆる法令を駆使して対応すべきであったと考えます。しかしそれができていなかったのではないか。では県は何ができたのか、何をすべきだったのかを今回のような悲惨な事故が二度と起こらないようにするためにも改めて公正中立な立場から徹底的に検証すべきであると考えます。
 二点目は、関係組織間における連携であります。
 県は、法令適用の比例原則により土採取等規制条例や森林法による対応が可能な場合には私権、すなわち公的な地位や立場を離れた個人の制限のかかる砂防法等を適用すべきではないと主張していますが、少なくともそれは部局間で問題意識を共有し適用すべき法令を検討した上での話ではないかと考えます。
 一方で、県は危険性の認識がなかったとも主張していることから、一部の職員が危険性を主張していたにもかかわらず部局間で問題意識の共有がなされていなかったことは明らかであります。
 これを教訓とし問題がある案件や懸案事項について関係部局間で協議する場を定期的に設け情報の共有を徹底すべきであります。また現場の声に耳を傾けるとともに問題がある案件について報告しやすい雰囲気を醸成し、初動段階で適切に対応するといった職員の意識改革を図るべきであります。
 それに加え、今回の件では県、市ともに悪質な事業者の行為から県民、市民を守らなければならないという視点に欠けていたと言わざるを得ません。県と市が連携し情報を共有して問題案件に対応していくことはもちろんですが、全ての職員一人一人が県民、市民の奉仕者であるという原点に立ち帰る必要があります。そのために研修会を実施するなどして意識改革を図るべきだと考えます。
 三点目は、行政記録の在り方であります。
 危険性を認識していた職員の問題提起に対する議論の記録や県と市の協議記録などが不足しているという実態があります。そもそも公文書を作成しなかったのか廃棄したのかも定かではなく、それらが存在しないことで十分な検証ができないまま危険性の認識がなかったと安易に結論づけているのではないかという疑念があります。
 また、県の行政対応の妥当性を検証し県民や被災者に明らかにするために設置した第三者委員会の議論の記録を第三者機関によるものであって県によるものではないという理由から廃棄してしまうという行為には疑問を抱かざるを得ません。県民の知る権利を保障するという観点からも公文書の範囲、保存のルールを徹底し公文書の扱いなどに関しての研修会を実施するなど職員の意識改革をここでも図る取組を実施すべきであります。
 四点目は、復興に向けた被災者支援策であります。
 土石流災害による被災者の皆さんは、自らの責めによるものではないにもかかわらず生命や財産に甚大な被害を被りその心中は察するに余りあります。県と市は被災者一人一人に寄り添いそれぞれが抱える悩みや不安に耳を傾け、一日も早く元の生活に戻ることができるようできる限りの支援を行うべきです。
 具体的な支援制度としては被災された方の住宅支援や生活再建支援、中小企業に対する復旧のための助成制度、税金の減免措置などがありますが、適用できる期間、申請できる期間が制限されています。しかし現実的に考えた場合、被災された方々は被災地の復興状況を見極めないことには元の場所に戻るか否かの判断をすることは難しく、元の生活に戻るためには予測できない時間が必要となることでしょう。
 希望する全ての方が元の場所に戻り地域のコミュニティーが再構築され安定した生活を送ることができるようになって初めて真の意味での復旧と言えます。
 県は、各種支援制度の期間延長を国に要望するとともにそれが認められない場合には市と連携して支援を行うことを検討すべきであります。
 さらに、罹災証明の判定により公費での解体ができない家屋に対する解体費用の助成制度や、リフォーム費用の助成制度について検討すべきであります。それに加えて水産業や観光業など深刻な被害を受けた業種についても、必要な支援を継続して実施すべきであります。
 五点目は、大規模災害に備えた被災者支援体制の整備であります。
 今回の災害における被災者支援から学んだ経験を今後発生が予想される地震や津波などの大規模災害時の被災者支援に生かすべく、市や町と連携して必要な体制づくりに取り組むべきであります。
 具体的には、被災者支援に関する研修の実施により県及び市町職員の支援能力の向上を図るとともに、総合支援窓口を統括する役目を担う人材として支援のプロフェッショナルとなり得る職員を養成すべきであります。それに加え被災者支援においては弁護士や建築士、精神科医等の専門医による専門的知識や技能を有する団体による支援は欠かすことができません。それらの団体と連携し、発災直後から中長期にわたり継続して効果的な支援を行うことができるよう協力体制を構築すべきであります。
 また、オンラインによる相談体制の整備や災害時の人員不足に対応するためのAIチャットボットによる支援体制の提供システムを取り入れるなど、デジタル技術を活用した支援体制の構築を図るべきです。
 結びに、当委員会は以上の提言をもって付託された調査を終了することを全員一致をもって決定いたしました。これらの提言が今後の施策に反映され被災者の皆様が一日も早く元の安全で安心な生活に戻ることができるように、また今回のような悲惨な事故が二度と起こることがないように再発防止策に尽くされることを強く求めます。
 結びに、川勝知事、あなたが今すべきことは自らの保身ではなく県庁組織風土を守ることではありません。知事がやるべきことは県民の命と財産を守ることであります。そう改めて御提言を申し上げ私の委員長報告を終わります。(拍手)
○議長(藪田宏行君) 以上で特別委員長の報告は終わりました。
 特別委員長の報告に対し、質疑はありませんか。
       (「なし」と言う者あり)
○議長(藪田宏行君) 質疑はないものと認めます。
 お諮りします。
 特別委員会への付託事項の調査は、委員長の報告どおり終了することに御異議ありませんか。
       (「異議なし」と言う者あり)
○議長(藪田宏行君) 異議なしと認め、そのように決定しました。

○議長(藪田宏行君) 次会の議事日程を申し上げます。
 二月二十七日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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