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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

土屋 源由 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/02/2018

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 伊豆地域における林業振興について            
2 伊豆地域の医療提供体制について              
3 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック後の伊豆半島
の道路網の整備について                      
4 物品の適正な調達について                 
5 県立静岡がんセンターにおけるがんゲノム医療の取り組み
について                             
6 県立高校における魅力ある学校づくりについて        
7 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを見据えた交
通対策について      


○副議長(山田 誠君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第一号から第八十六号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十三番 土屋源由君。
       (十三番 土屋源由君登壇 拍手)
○十三番(土屋源由君) おはようございます。私は自民改革会議所属議員として、当面する県の諸課題に対し知事、副知事、関係部局長、教育長並びに警察本部長に一括質問方式で伺います。
 最初に、伊豆地域における林業振興について伺います。
 静岡県では、豊富にある山間地の木材を生かして林業を成長産業に押し上げる取り組みを行い平成二十八年は木材生産量四十一・五万立方メートル、間伐材は三十万立方メートル、主伐材は林地開発を含め約十二万立方メートルを生産しており、目標の五十万立方メートルに向けた事業を推進しています。
 先日、東部のある中学校の新築現場を視察したとき施工会社から県産材の木材を教室の壁や廊下などさまざまな場所に使っているとの説明があったので尋ねました。静岡県内のどこで育った木ですか、伊豆や箱根が近いからそこから持ってきているのですかと聞くと、多分違うと思いますよ、でも県産材だからと返事がありました。林業振興として、県産材とはこれでいいのかなと少し疑問に思いました。
 確かに、天竜地域では江戸時代から民間による植林が行われ古くから天竜林業としてその名を全国にはせています。もしその木を使っているなら天竜材と言ったほうが聞こえはよくないのかなと思いますし、それも県産材をアピールしていることになります。
 伊豆半島は、徳川幕府の天領で森林が国有林として保護されてきたことは承知をしています。しかし全てが国有林ではなく、戦後の復興期に薪炭材として伐採された民有林では拡大造林として杉、ヒノキの森林が造成されました。その時期から考えれば利用可能な五十年生以上の森林に育っているはずです。
 私は、平成二十六年二月の本議会で伊豆地域の森林保全について質問しました。その後伊豆地域では森の力再生事業や森林整備事業により道路沿いを初めとして森林が整備されていると感じています。しかし木材生産はあくまでも曲がりがあって合板や集成材に使われるB材としてであり、真っすぐで柱材などに使え伊豆のブランドになり得るA材ではありません。現状では伊豆半島の木材がB材の価値しかないことになってしまいます。これでは林業に積極的に取り組もうと考える人はいません。
 県では、林業の成長産業化に向けた取り組みとして低コスト主伐・再造林促進事業を推進していくと聞いていますが、伊豆地域をどのような体制をとって進めていくのか伺います。また地域にとって魅力のある天竜地域に匹敵する林業振興をしていく必要があると思いますが、県の所見を伺います。
 次に、伊豆地域の医療提供体制について伺います。
 静岡県では、人口十万人に対して医療施設従事医師が二百・八人で全国で四十位と、三年前に質問したときと順位は変わっていません。医師確保、看護師確保は喫緊の課題として積極的に対応していくと答えていただいたように記憶していますが現状は同じです。特に伊豆地域は中部、西部地域に比べて大規模病院が少なく、主に中規模病院と診療所が地域医療を担っています。
 そうした中、私が一番心配しているのは地域の医療機関の慢性的な医師不足だけではありません。地域医療を支える医師自身の高齢化であります。伊豆半島では予想される津波被害を初め台風や地震等で陸の孤島となる地域でもあります。そんなとき一番頼りになるのは地域のお医者さんです。五年後、十年後を考えると元気な若い医師の確保は待ったなしと言えます。最近は自治医科大学卒業医師が少しふえているものの、ふじのくにバーチャルメディカルカレッジ運営事業では対応できていないのが伊豆地域です。
 静岡県の医療施設従事医師の年齢構成を調べると、平成二十六年度のデータでは病院従事医師の平均年齢は四十三・六歳に対し診療所従事医師の平均年齢は五十九・四歳となっており、病院と診療所の数値は全国的な傾向であり全国平均と大きな違いはありません。しかし県内の医師全般の平均年齢を見ると西部が四十七・九歳、中部が四十八・四歳、東部が五十一・〇歳で伊豆半島では五十一・五歳、賀茂圏域は五十七・三歳です。違いが顕著なのは医師の六十五歳以上の割合です。特に診療所従事医師の割合が伊豆半島では三七・三%、賀茂圏域では四一・七%となっていて伊豆半島全体では七十歳以上の医師が百十一人も活躍をされています。
 ちなみに、順天堂大学静岡病院のある伊豆の国市の病院従事医師の平均年齢は三十八・六歳となっています。診療所に地域医療の大役を担ってもらうには荷が重過ぎませんか。県もさまざまな対策をとりながら医療提供体制の整備に努力していることは理解しますが、医者のいない地域に住みたいと思う人はいません。そのためにも一人でも多くの若手医師が伊豆地域で勤務し、長く働いてもらえるような取り組みが必要であると考えます。
 県では、医師の確保や地域偏在対策を進めていく中でどのように伊豆地域に若手医師を確保していくのか所見を伺います。
 次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック後の伊豆半島の道路網の整備について伺います。
 先日、韓国の平昌で開催された冬季オリンピックは我が国でも大きな盛り上がりを見せ、熱気冷めやらぬうちに無事終了しました。最初はメダルがとれずハラハラしましたが、日本人選手の大活躍は私たちの記憶に新しいところであります。
 次は、いよいよ二年後に迫った東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックであります。伊豆地域では自転車競技が開催されることから、地域や関係者が一致団結し大会を成功に導かなければなりません。現在県が進めているアクセス道路の整備も大会開催におくれることのないように確実に進めてくれるものと確信しています。
 一方で、オリンピック・パラリンピックが終了した後の伊豆半島の道路網の整備はどうなるか気になるところです。現在伊豆縦貫自動車道の天城北道路では平成三十年度の開通に向け急ピッチで工事が進んでおり、河津下田道路ではトンネル工事に着手すると聞いています。天城峠を越える区間は本年一月にルート帯が決定するなど全線開通に向けた期待が膨らんでいますが、いつになったら全線開通するのかは誰も予想ができません。伊豆半島は伊豆縦貫自動車道を骨格として道路網の整備を進めることは当然のことであり、整備事業の進捗に合わせて取りつけ道路やインター付近の国・県道の整備などを遅滞することなく連携して進めることが必要です。誰もが一日も早い全線開通を願っています。
 しかし、急峻な地形条件により道路整備がおくれている伊豆半島では道路網の強化は防災上大きな意義を持つとともに、東駿河湾環状道路の開通後の観光交流客数の伸びが示すように観光を中心とした地域経済に大きなストック効果をもたらすことから、基幹道路のさらなる整備も必要と考えます。また自転車の聖地を確実に伊豆半島に定着させる環境整備。さらに地域のさまざまな魅力を生かすことや地域住民の生活道路の整備等も間違いなく必要であります。
 そこで、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック後の伊豆半島の道路網の整備についてどのように考え進めていくのか、県の所見を伺います。
 次に、物品の適正な調達について伺います。
 県行政に必要な物品はその量も膨大であり、物品購入に係る件数、金額ともに莫大であると聞いています。ちなみに本庁分として購入したボールペンの数は約三千本、コピー用紙は六千二百万枚、また物品調達の大きな物に公用車がありますが、県有自動車は知事部局及び教育委員会で平成二十九年四月には千百七十台を所有しており、毎年更新の車を数十台購入していると聞いています。その代金は県民から預かった税金により賄われるものであることから、地方自治法や県の財産規則などに基づいた公平で公正な事務手続により調達される必要があります。また件数や金額が膨大であるがゆえに効率的な事務処理が求められ、さらに購入契約が地元企業の育成、振興などに与える影響も大きいものと認識しています。
 県が発注する物品購入契約では均等な参加機会の付与、手続の適正さ、さらには事務の効率化を確保することが求められていることは今述べたとおりですが、過去には不適正な物品調達について監査等で指摘を受けたこともあると聞いています。しっかり襟を正し厳正に臨んでいるとは思いますが、なお一層の努力をお願いいたします。
 最近では、一人一台が常識となったパソコンやコピー機など行政運営でさまざまな物品が使用されています。時代の変化により行政運営で必要とされる物品も劇的に変化し、新たなニーズにも対応していかなければなりません。これらの契約や管理は縁の下の力持ち的な存在ではありますが、非常に重要な役割と考えます。
 そこで、県民から信頼される県政運営を推進する上で物品購入に際して求められている要請である公平性、公正性、効率性にこたえるために県としてどのような取り組みを行っているのか伺います。
 次に、県立静岡がんセンターにおけるがんゲノム医療の取り組みについて伺います。
 がんは一九八一年より国民の死因の第一位を占めています。その対策に県は県立静岡がんセンターを新設し県民に対する医療の確保に取り組んできています。このがんへの対策を強化するため国の基本方針であるがん対策推進基本計画が策定されてから十年がたち、平成二十九年十月にがん予防、がん医療の充実、がんとの共生を三本柱とした国の第三期がん対策推進基本計画が策定されました。このがん医療の充実の中に新たにがんゲノム医療を推進していくことが定められており、この言葉が最近新聞報道等でよく目にするようになってきました。
 人間の基本的な体のつくりは同じですが、顔や体つき、髪の毛の色などそれぞれ違いがあります。この違いをつくり出しているのが体をつくり出す細胞の中にある約二万個の遺伝子であり、その全ての遺伝情報をゲノムといいます。がんは細胞の遺伝子異常が起き、その結果細胞が異常にふえた病態です。がん細胞のゲノムを調べることでどの遺伝子に異常があるかを特定し、それに適した薬剤や治療方法を選択することががんゲノム医療であると聞いています。がんゲノム医療は患者個々のがん細胞の特徴に合った抗がん剤を使用することで副作用が少なく、より効果が高い治療ができるようになることが期待されることから、そうした治療を多くの県民が受けられるよう県として積極的に取り組んでいく必要があります。
 このため、県においても第三次静岡県がん対策推進計画の策定を進めており、計画案ではがんゲノム医療を県立静岡がんセンター中心に進めていくとのことでありました。がんセンターではがんの個別化医療の推進のための臨床研究、プロジェクトHOPEといった最先端の遺伝子研究プロジェクトを全国に先駆けて実施していると承知していますが、この研究成果を一人でも多くの県民が享受できることが重要です。
 そこで、県立静岡がんセンターにおける取り組みの成果を今後どのようにして県民に還元していくのか伺います。
 次に、県立高校における魅力ある学校づくりについて伺います。
 県の教育委員会では、昨年十一月にふじのくに魅力ある学校づくり推進計画案を公表しました。生徒の意識や価値観が多様化する中、生徒一人一人が個性的な生き方を追求し自己実現が可能となるよう県立高校の特色化を図っていくことを目指しています。現在は国際化、情報化などの急速な進展により社会構造が大きく変化していく中で新たな価値を創造していく力を育てることが求められています。文部科学省では社会で自立的に活動していくために必要な学力の三要素、具体的には知識、技能だけでなく思考力、判断力、表現力などをバランスよく育むことが必要として高校教育、大学教育及びそれらをつなぐ大学入試を改革する高大接続改革が進められています。
 こうした中、先般教育委員会の新たな取り組みが新聞で報道されました。新聞記事では「県立高学科新設調査へ」、「大学共通テストで対策費」の見出しで魅力ある学校づくり推進事業が取り上げられており、知事が推進している技芸を磨く実学の奨励に加え知性を高める学習の充実、グローバル教育の推進により県立高校の魅力をさらに高めていくとしています。
 県立高校の学科の分布を見ると普通科が六十校、専門学科等が四十校に設置されており、実学の奨励は専門学科で実践できます。しかし最も多い普通科の特色や個性化の取り組みがどのような形で出せるのでしょうか。推進事業には進学重点、学力向上、学力進展の学校づくりが示されています。このどこに特色化や魅力化を強調できる取り組みが取り入れられるのか、新聞記事からではよくわかりません。また生徒が行きたいと思える魅力ある学校にするため、誰がいつどこでどのようにその伝統ある学校の姿を決めるのでしょうか。このことが一番大切なことだと思います。
 県立高校では、これまでも新構想高校や総合学科の整備、専門高校等における学科の改善、充実に加え部活動や地域貢献活動などを通して特色や魅力を高めてきたと承知していますが、多様化する生徒や社会のニーズに応えるためには今以上に県立高校のさらなる特色化、魅力化を図っていく必要があると考えます。
 そこで、県教育委員会では魅力ある学校づくり推進事業において県立高校の特色化、魅力化に具体的にどのように取り組んでいくのか、教育長の所見を伺います。
 最後に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを見据えた交通対策について伺います。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの自転車競技が、伊豆市の伊豆ベロドロームで開催されます。競技は平成三十二年七月下旬から八月上旬、パラリンピックは八月下旬に開催される日程は皆様も御存じのことと思います。また先日の新聞報道等では富士スピードウェイをゴールとするロードレースの輪郭も見えてきており、新たな対応が必要となってきました。
 県警察では、大会開催に向け大会組織委員会で正式に決定していない選手村やロードレースのコースなど不確定要素の多い中、警備対策や交通対策も計画を立て準備を進めていくことになり万全の対策を練って本番に備えていかなければなりません。大会成功の前提となる安全・安心の確保の任に当たる県警察ではさまざまな取り組みを推進されていると承知しています。発生が危惧されるテロへの対策は最重要であり、地域住民の不安要素の一つでもあり、引き続き安全・安心のための取り組みをお願いいたします。
 さて、昨年実施した大会開催時期に合わせた交通量調査結果では八月は観光客の来訪のピークであり、観光客の八割が自動車を利用しており通常期より約一割も多くなります。東駿河湾環状道路や伊豆中央道はふだんの休日でも渋滞が発生しており、生活道路の脇道では移動が困難なときさえあります。住民の協力はお願いするにしても、観光客に対する渋滞のイメージダウンは回避しなければなりません。
 前回のリオ五輪視察報告では、専用レーンの設置、許可車以外の乗り入れ禁止措置が行われましたが周辺道路で渋滞が発生しており、交通渋滞の情報提供、通勤通学の交通量の縮減の取り組みもあったと聞きます。東京オリンピックといっても伊豆地域は遠隔地の開催であり、そこまで対応ができるとは思えません。
 そこで大会開催に伴う交通対策ですが、競技の開催時期は慢性的な渋滞が発生する夏の行楽期に当たり、これに加え多数の関係者、観客が開催エリアに集中することになります。それらの輸送を安全かつ円滑に行うことはもちろんですが、一般交通や地域の日常生活に与える影響を最小限に抑えることが大きな課題であることは誰が考えても想像がつきます。
 県警察では、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据えどのように交通対策を進めていかれるのか警察本部長に伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(山田 誠君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 土屋議員にお答えいたします。
 伊豆地域における林業振興についてであります。
 県は、県産材の需要と供給を一体的に創造するふじのくに森林・林業再生プロジェクトや荒廃森林を再生する森の力再生事業に取り組んでまいりました。この結果特に伊豆地域におきましては林業に新規参入する事業体がふえております。また利用間伐を主体とした木材生産が活発になっています。平成二十八年の生産量は伊豆半島におきまして五万立方メートルまで増加いたしました。これは五年前の平成二十三年と比較しますと五倍もの生産量となるものであります。ちなみに五年前、全県下における生産量に占める伊豆地域の割合は四%でありましたけれども、平成二十八年度で一三%に上りました。三倍以上に伸びております。
 来年度は、新規事業として意欲のある林業事業体と連携し作業道の整備と高性能林業機械による効率的な集材、成長の早いエリートツリー苗木の導入などを組み合わせて行う、いわゆる低コスト主伐・再造林を全県下で促進することにしております。伊豆地域では伊豆市と南伊豆町の二カ所に実証林を設置いたします。有識者による検証委員会で生産性の分析やコスト把握を行います。その上で地域の林業事業体を対象とした講習会を開催いたしまして、生産性向上に向けた改善や下刈りを含めた再造林コストの明示などにより収益性を示し林業事業体の意欲を喚起することで低コスト主伐・再造林を伊豆地域全体に広げてまいります。
 さらに、伊豆産材のブランド化を進めるために市町や森林組合とともに伊豆半島森林認証ネットワークを設立いたしまして持続可能性に配慮した世界基準の森林認証、いわゆるFSCの拡大に取り組んでおります。この三月には伊豆地域で新たに約千六百ヘクタールの認証を取得する見込みであります。FSC認証であります。これを契機に森林認証の拡大と認証材の安定供給に一層取り組み、地域にとって魅力のある森林並びに林業を目指してまいります。
 また、伊豆地域のA材は今全体で三割ほどでございますけれども、このA材を製材する六社が共同受注ネットワーク、木ザIzuの名称を持つ団体を設立なさいました。製品の販路を拡大する体制が整ったわけでございます。その結果本年度の東部特別支援学校体育館での受注につながりました。今後は“ふじのくに”公共建築物等木使い推進プランに基づいた公共建築物での率先的利用を足がかりに民間の非住宅分野へと伊豆産材の利用を拡大してまいります。
 県としましては、これらの取り組みを通じて伐って使って植えて育てるという方針のもと森林資源の循環利用による林業の成長産業化を促進し、地域の林業・木材関係者と一体となって伊豆地域の林業振興を図ってまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(山田 誠君) 土屋副知事。
       (副知事 土屋優行君登壇)
○副知事(土屋優行君) 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック後の伊豆半島の道路網の整備についてお答えいたします。
 伊豆半島地域は、世界レベルの魅力あふれる自然と特色ある歴史・文化に恵まれ温泉や豊かな食材などの多彩な地域資源を有する地域であります。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催を契機としてさらなる発展が期待され、住む人も訪れる人も愛着と魅力を感じ活発な交流がにぎわいを生み出す地域の実現が求められております。
 伊豆半島地域の魅力を高め観光交流のさらなる拡大と地域の活性化につなげるためには、伊豆縦貫自動車道とそのアクセス道路を中心に半島外周道路も含めました道路ネットワークの構築が不可欠であります。また地域の皆様の安全・安心で快適な生活の充実を図るためには、身近な道路の整備を確実に進めていくことが重要であります。
 このため、県では伊豆縦貫自動車道河津下田道路の早期開通や天城峠を越える区間の早期事業着手等を国に強力に働きかけますとともに、昨年度策定いたしました伊豆半島の道路網整備実施計画に基づき今後のおおむね十年間において国道四百十四号須原拡幅や国道百三十六号吉佐美バイパス等十二路線二十一カ所の道路の整備を計画的に進めてまいります。
 また、身近な道路の整備につきましても狭隘区間の解消、防災対策、子供たちの命を守る通学路の交通安全対策に加えまして自転車の聖地を伊豆半島に定着させるため自転車走行環境の改善を図る舗装補修など地域の交通課題を解決する取り組みを着実に実施し安全で快適な道路環境の確保に努めてまいります。
 県といたしましては、伊豆半島地域の発展と地域の皆様の豊かな暮らしの実現に向け、国や関係市町と連携し東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック以降も引き続き安全・安心の基盤となる道路網整備に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 伊豆地域の医療提供体制についてお答えいたします。
 本県では、医学修学研修資金貸与制度を中心としたさまざまな医師確保施策の取り組みにより平成二十六年から平成二十八年の二年間で二百十九名の医師が増加し医師数では全国十一位となっております。しかしながら人口十万人当たりの全国順位は四十位であり、引き続き医師の確保には全力を挙げて取り組む必要があります。
 県では、伊豆地域の医師の偏在対策といたしまして自治医科大学卒業医師の重点的な配置や医療施設整備の助成など地域医療体制の充実に取り組んでおります。今後多くの若手医師が伊豆地域を初めとする県内各地域で勤務していただくためには、地域において医療に関する知識や技能の向上を図ることができるようにすることや診療に過度な負担が生じないようにすることなどの業務環境の改善に取り組むことが重要であります。
 そのため、県では来年度から地域や診療科ごとに必要とされる医師数などについて調査を行い、地域における指導医の確保や専門医取得のための研修プログラムの策定など地域におきましても医師としての専門性を高める仕組みを構築し若手医師にとってもやりがいを持って働ける環境を整えてまいります。
 また、ICTを活用したシステムによる医療や介護などに係る情報の共有や入院から在宅医療まで円滑に療養を続けるためのガイドラインを作成いたしました。このガイドラインの活用などにより医療や介護など多職種の効率的な連携を促してまいります。さらに地域の医師会とも相互に協力しながら、医師の負担を軽減する医療提供体制を構築するなど医師が地域で安心して働くことのできる環境としてまいります。
 県といたしましては、今後も医学修学資金利用者を各地域に効果的に配置していくほか医師の業務環境を整えることで伊豆地域を初めとした医師不足地域における若手医師の確保に積極的に取り組み、県内のどこでも必要な医療サービスが受けられる体制を確保してまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 杉山出納局長。
       (出納局長 杉山行由君登壇)
○出納局長(杉山行由君) 物品の適正な調達についてお答えいたします。
 契約の公平性確保のためには、均等な契約手続への参加の機会を確保する必要がありますが、物品購入に際しては一般競争入札に加えて入札対象外の契約であっても誰でも自由に見積もり合わせに参加できるオープンカウンター方式を取り入れております。この方式では発注内容を県のホームページ上で公開しており、来庁しなくても参加できる仕組みであります。
 次に公正性につきましては、物品の納入時に複数の職員で確認することや年度内納品の徹底を図るなど適正な会計処理に万全を期しております。また正確な知識を習得できるよう各種研修会を開催するとともに、物品事務検査を実施し適切な業務遂行のための助言指導を行っております。
 さらに、契約事務の効率性の確保についてでありますが、消耗品や公用車など大半の物品を出納局で一括して契約することにより事務の効率化を図っております。また文房具を一括管理するサプライセンターを県庁に設置しており、これも所属の事務手続の簡素化と消耗品管理の効率化に寄与するものとなっております。
 今後とも、公平公正かつ効率的な物品調達を進めるとともに、来年度には物品調達事務の要点を動画で解説するDVDを作成し視覚に訴える研修を行うなど職員の育成を通じて厳正、的確な事務処理を確保してまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 小櫻がんセンター局長。
       (がんセンター局長 小櫻充久君登壇)
○がんセンター局長(小櫻充久君) 県立静岡がんセンターにおけるがんゲノム医療の取り組みについてお答えいたします。
 静岡がんセンターでは、平成二十六年一月から手術で取り出したがん組織や血液などの検体から遺伝子の変異及びたんぱく質や代謝産物の変化等の解析を行い、新しいがん診断治療法の開発につなげる臨床研究プロジェクトHOPEに取り組んでおります。第一次研究期間の三年間に約三千症例の解析を終えたところ六から七割でがんの原因となる遺伝子の変異が判明し、そのうち一から二割のがんには有効な薬剤が見つかり治療に役立てることができております。
 しかしながら、原因となる遺伝子が判明しない、また有効な薬剤が見つからないという症例も多いことから、個々のがん患者さんに最適な医療を提供できるよう診断薬や治療薬の開発などに貢献すべく、現在がんセンター研究所と民間企業との共同研究を進めるとともに研究成果の実施に向けての仕組みづくりについても検討しているところであります。
 国は、第三期がん対策推進基本計画におきましてがん医療充実のためがんゲノム医療を推進することとしておりまして、先月国立がん研究センター中央病院など全国十一の病院をがんゲノム医療中核拠点病院に指定いたしました。
 静岡がんセンターにおきましても、これらの中核拠点病院と連携いたしまして、がんに関係する診療上重要な遺伝子の変異などを一度に解析いたします遺伝子パネル検査を先進医療として今後県民に提供していきたいというふうに考えております。
 この先進医療とは将来的な保険適用に向けた評価をするための医療でありますけれども、この先進医療を県民に提供していくため来年度から静岡がんセンターにゲノム医療推進室と遺伝カウンセリング室を設置いたします。特に遺伝カウンセリング室ではこれまで行っていた臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラーによるがん遺伝外来を拡充強化いたしまして、遺伝子検査結果に基づいて患者さんはもとより家族を含めたがんのリスク評価を行い、早期の診断と治療に向けたさまざまな助言や正しい知識と情報を提供してまいります。これにより遺伝性腫瘍――親から子へ遺伝する腫瘍でありますが――この遺伝性腫瘍に対する診療及び相談体制のさらなる強化を図ってまいります。
 今後も、ファルマバレープロジェクトの一環としてプロジェクトHOPEを推進しがんゲノム医療のさらなる進展を図ることで県民への最先端のがん医療の提供に努めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 県立高校における魅力ある学校づくりについてお答えいたします。
 高校は、中学生が将来の進路を決める分岐点の一つであり生きる道を見つける大切な学びの場でありますことから、各高校が育てたい生徒像を明確にし教育活動の全体を通してその実現に向けて努力することが極めて重要であります。このような生徒一人一人の能力や適性を最大限に伸ばす教育内容を提供し続けることは、学校の特色化と魅力化の発現につながるものであると考えております。
 本議会にお諮りしております魅力ある学校づくり推進事業におきましては、実学系の高校において民間熟練技能者の積極的な活用や専門的な資格取得の支援を図るほか社会のニーズを踏まえスポーツ科、演劇科など新たな学科等の設置の研究を進め技芸を磨く実学の奨励に取り組んでまいります。また普通科の高校におきましては生徒の特性や進路希望が多様化しておりますことから、一人一人が望む進路を実現することが大きな課題であります。このため高大接続改革に向け探求的なスキルを持つ大学との連携や地域との協働による課題解決型学習の実践のほか、ICTを活用した学習習慣の確立に向けた取り組みなど知性を高める学習の充実を図ってまいります。
 さらに、グローバル人材を育成するため海外の姉妹校とのオンライン交流や四技能の向上のためのイングリッシュキャンプの実施を通して国際感覚とコミュニケーション能力を養うほか、国際バカロレアの教育プログラムの導入に向け研究を進めてまいります。
 県教育委員会といたしましては、生徒や社会のニーズ、地域の実情等を踏まえ文武芸それぞれの分野で個人の能力を伸ばす教育の実現を目指し魅力ある学校づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 筋警察本部長。
       (警察本部長 筋 伊知朗君登壇)
○警察本部長(筋 伊知朗君) 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えた交通対策についてお答えいたします。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に際しては、多数の選手、大会関係者及び観客の輸送が安全かつ円滑に行われることが重要であり、これに加え議員御指摘のとおり夏の行楽期における交通渋滞が懸念される中、一般交通に与える影響を抑えることも重要な課題であります。こうしたことから県警察の果たすべき役割は極めて重いものと認識しております。
 現状においては、選手、大会関係者が宿泊する分村などの場所やロードレースにおけるルートがいまだ公表されていないことから、想定される輸送ルート及び競技会場周辺を中心とした交通総量抑制対策や交通規制の実施等について組織委員会や関係機関等の意見を聞きながら検討を進めているところであります。
 その一方で、交通安全施設については時間をかけて計画的に整備していく必要があることから、これら経費の一部は平成三十年度予算に計上しているところであります。
 具体的には、交通事故や交通渋滞を把握するための交通流監視カメラや車両感知器、障害者等の利用を踏まえた音響式信号機、信号灯器のLED化などであり、これらについて計画的に整備してまいります。
 県警察といたしましては、引き続き組織委員会や関係機関等と緊密な連携を図り必要な交通対策を推進してまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 土屋源由君。
       (十三番 土屋源由君登壇)
○十三番(土屋源由君) それぞれ答弁ありがとうございました。
 私からは再質問二点、要望二点お願いいたします。
 一つ目の要望でありますが、伊豆地域の医療提供体制について要望があります。
 というのは先ほど、七十歳以上の伊豆半島のお医者さん百十一人と言いましたけれども、これは診療所のお医者さんです。全体の病院に勤めているというか病院で働いている先生も入れると百六十一人が伊豆半島で七十歳以上と、これは平成二十六年ですよ。県全体では六百八十三人が七十歳以上ということで、約四分の一が伊豆半島で七十歳以上ということになります。それも平成二十六年ですから今は七十四歳以上ということになります。皆さん元気だとしての話ですけれども、これから五年、十年たつという話になるとその先生方も八十歳を超えることになってしまうんです。この数字の、何て言うんですか、期間が短過ぎるという中で八十歳になってしまうという、八十歳だからだめだという意味じゃないんですけれども、そういう状況があるというのをよく考えていただかないと若手の先生の必要性というものが皆さんに通じないのかなというふうに思いますので、その辺をぜひ考えていただいてこれから若手の先生が伊豆半島に、伊豆地域に勤めていただけるようにぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
 二点目の要望ですが、県立静岡がんセンターにおけるがんゲノム医療の取り組みについてでありますが、がんゲノム医療、説明を聞きましたけれどもよくわかりません。ただ最先端の医療で県民のためにさまざまな治療方法を検討していただいていると、先端医療について頑張っていただいているというふうに思っていますのでできるだけ、がんで亡くなる方一番ですからその対策にぜひ頑張って取り組んでいただきたいというのが二点目の要望であります。
 それでは、再質問をさせていただきます。
 再質問は林業振興について。先ほど知事からさまざまな数字の、伊豆半島における取り組みが紹介されました。その中で一つ思ったのは、森があれば木は確かにあります。ただその持ち主がどうなのかというのが一番、そのうまく利用できないところのネックになってしまうんじゃないかなというふうに思います。というのは私自身五十年ほど前に父と一緒に、孫のというか父から見れば孫のこいのぼりを立てるために杉の木を一本、山を一個か二個通り過ぎてうちが、じいさんが植えた木だよというのを取りに行きました。ただもう、そこの場所がどこか私自身がわかっていません。というのは多分そういう方々が、植えられてから年代がかわっていく中でその地域にせっかくその先代というか先々代が植えた森林を、孫のためにと思って植えたものが持ち主がわからない。また逆に言うと受け取っている側もわからないという状況の中では森林をうまく活用できないんじゃないかなと。
 こういう対策については、市や町が当然その持ち主については調べていかなきゃならないのかもしれませんけれども、県についてもその対策はどのように考えているかというのを再質問させていただきます。
 二点目の再質問ですが、伊豆半島の道路網の整備についてであります。
 今、副知事から外周道路も含めてという形でオリンピック後にも整備を進めていかなきゃいけないと。副知事もおっしゃったように、伊豆半島というのはちょうど今オリンピックをやろうとしているのがど真ん中です。ですから縦貫道が基本というような形で整備がいっているように見えてしようがないんで、そうではなくて外周も含めてしっかりと整備が進めていかなければ伊豆半島のよさが生かせないんじゃないかなというふうに思いますので、その辺外周と言ったらおかしいですけれども周りについてちょっと必要性の、道路を整備する必要性が薄いんじゃないかなというふうに感じてしまうんですがその辺についてどのように考えているか答弁を求めます。以上、答弁を求めます。
○副議長(山田 誠君) 吉田農林水産戦略監。
○農林水産戦略監(吉田 茂君) 再質問ありがとうございます。
 伊豆地域における林業振興についての再質問にお答えをいたします。
 昨年度森林法が改正されまして、市町におきましては平成三十一年四月の公表に向けて地番ごとの森林所有者名などを台帳化する林地台帳の整備が義務づけられました。議員御指摘のとおり、市町におかれて今、一生懸命やっていただいているというふうに考えてございます。
 県では、現在市町に森林情報システム――県が持っていますが――これを市町版として配布をしておりまして樹種や林齢などの森林情報を市町と県が共有するという仕組みになってございます。これを、この森林情報システムに林地台帳の管理システムを追加するということで今月から市町への配布を始めますので、市町におかれてその林地台帳のシステムに所有者名などのデータ、あるいは地図の整備を追加するということで連携しながらここのところの把握したものの公表に向けての準備を進めていきたいというふうに考えております。以上でございます。
○副議長(山田 誠君) 鈴木交通基盤部長。
○交通基盤部長(鈴木克英君) オリンピック・パラリンピック後の伊豆半島の道路網の整備についての再質問についてお答えいたします。
 国道百三十五号や国道百三十六号など伊豆半島の外周道路につきましては、当然のことながら道路ネットワークを構築する上で重要な道路だと認識しております。昨年度策定いたしました伊豆半島の道路網整備実施計画におきましても、今後おおむね十年間で四路線、四カ所の道路整備を計画的に進めていくということとしております。
 伊豆半島では、急峻な山々が海岸に迫る地形によりまして狭隘区間や防災対策が必要な箇所が点在しておりますので引き続き外周道路につきましても道路環境の整備を着実に進めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 土屋源由君。
       (十三番 土屋源由君登壇)
○十三番(土屋源由君) ありがとうございました。
 最後に意見を一言、言わせていただきます。
 林業振興についても、やはり道路が整備をされていて初めてうまく活用できるのかなというふうに思いますので道路整備も含め、また林業が伊豆地域にしっかりと根づくようにぜひともよろしくお願いいたします。以上で終わります。(拍手)

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