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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成24年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

柏木 健 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/17/2012

会派名:

無所属


質疑・質問事項:

1 県内市町の将来像について
2 県民投票条例修正案の再提出について
3 県立高校について
 (1) 転学制度の弾力化
 (2) スーパーサイエンスハイスクールに係る県独自の取り組み
4 教育委員会制度について
5 家庭医養成プログラムについて


○議長(小楠和男君) これで中澤通訓君の質問は終わりました。
 次に、二十七番 柏木 健君。
       (二十七番 柏木 健君登壇 拍手)
○二十七番(柏木 健君) それでは、静岡維新の会として知事及び関係部局長、教育委員長、教育長に質問いたします。
 質問に入る前に、昨日の総選挙におきまして確かに自民党の圧勝ということで終わったわけですけれども、県内の比例代表の数値を見てみると自民党さんが二八・六一%ということで最大の得票数ですけれども、その次に日本維新の会が二一・八四%ということで、第三極と呼ばれた勢力への期待が大きいなと改めて感じるのと身が引き締まる思いでございます。
 それでは質問にまいります。
 最初に、県内市町の将来像についてお伺いします。
 国の地域主権改革においては、義務づけ・枠づけの見直しや基礎自治体への権限移譲を内容とする第一次、第二次の地域主権推進一括法が成立するとともに、人口二百万人以上の指定都市または地域に特別区を設置できる大都市地域における特別区の設置に関する法律が成立するなど一定の進捗がなされているものと認識しております。また大都市制度については、国の地方制度調査会を初め全国各地においてそのあり方について議論が展開されているところであります。今後の地域主権改革の進展によっては将来の国の姿の議論が展開されると思いますが、知事は、将来の国の形を森の州、野の州、山の州、海の州と名づけた四つの州にしていく構想を提言されております。県は広域行政の方向に行くほうと基礎自治体の方向へ行くほうと二極分化するであろう、そして県は徐々に発展的に解消されていくと九月の県議会定例会でも答弁がございました。
 本県の基礎自治体の状況を見ますと、静岡市、浜松市が政令市へ移行し自立的な都市経営を進めており、その他の市町も合併を経てまとまった市町はある程度の行政基盤の強化がなされたものと考えております。しかし県内には東部、伊豆地域を初めとして小規模な市町がまだあり、そうした市町は将来的にも安定した行政運営を行っていけるのか見通しがたいものと考えております。私は今後道州制の議論は避けて通れないと思いますし、そうした方向へ向かうべきであると考えております。しかし将来の道州制の導入まで視野に入れた場合小規模な基礎自治体をどうしていくのが望ましいのか、市町のあり方について伺います。
 例えば、石川前知事は政令県構想を唱えておりまして、市町に関しては三つの政令指定都市と広域連合というそのような方向を唱えておられました。また橋下大阪市長は、大阪都構想ということで、大阪都と三十万人規模の基礎自治体ということを唱えております。そういう意味で知事の見解を伺いたいと思います。
 次に、県民投票条例修正案の再提出について伺います。
 さきの九月県議会では、十八万一千五百六十一筆の直接請求による浜岡原発の再稼働の是非を問う県民投票条例案が提出され、知事が住民投票の実施に賛意を示されたにもかかわらず、条例原案、修正案ともに否決されました。その後私のところには、署名をされた多くの皆様から、「知事と県議会は条例案の法制度上の不備の議論に終始し、入り口論で門前払いをしてしまった」、「県民が浜岡原発の再稼働の是非を問う機会が奪われた」、「今後はどこで意見を表明すればよいのか」など知事と議会への不信や不満の声が数多く寄せられました。また大阪市、東京都に続いて全国で三例目とはいえ、他の自治体とは異なり原子力発電所の立地県で住民投票条例案が提出され、県民の意識の高さが示されたと全国的に注目されていたのにもかかわらず議論が深まらなかったことについては、議会人として大変残念に思います。
 しかし、その後も十一月十二日には県議会の否決後も県民投票条例の制定を求める活動を継続しているネットワーク県民投票の皆様が、十二月議会開会に間に合うようにと一千三百八十八人分の署名を添えて、住民投票に賛意を示された知事宛てに改めて十二月県議会において知事から住民投票条例案を再提出するように要望されております。また静岡県に続き同じく原子力発電所の立地県である新潟県においても住民投票条例の制定を求める署名活動が行われ、必要な法定署名数を超える見込みであり、今月中にも県へ提出される状況と聞いております。
 このように、九月議会の後も事態は決着したわけではありません。浜岡原子力発電所の再稼働の是非についてみずからの意思を反映させたいという県民の希望はその後も変わっておらず、むしろ高まっているとさえ思います。知事は、十八万の署名の重さに加えその後も住民投票条例の制定を願う県民の声が集まってきている事実を直視し、その声に耳を傾け、住民投票で直接民意を聞くことに賛意を示した以上、その実現に向けて具体的に行動を起こすべきであると考えます。
 そこで伺いますが、今十二月議会には条例案の再提案はされておりません。知事はどのような理由で再提案をされなかったのか伺います。
 また、さきの九月議会において原案の問題点を指摘し修正案が作成の過程で法制度上の問題は解消されたとするならば、あとは知事の判断で条例案の提出は可能であると考えます。今後においても知事からの再提案はないのか、あわせてお考えをお伺いします。
 なお、昨日の総選挙におきまして原発県民投票静岡の代表であられた鈴木望代表が代議士となられました。これから浜岡原発の是非の議論がより進むことを願っておられます。知事からは鈴木代表――今は鈴木代議士と呼んだほうがいいのか――鈴木代議士への叱咤激励を多くいただきましてありがとうございましたということでした。
 次に、県立高校についてのうち、初めに転学制度の弾力化についてお伺いします。
 静岡県において公立高等学校の果たしてきた役割は非常に大きなものがあり、大学進学を目指す普通高校から職業教育を主とする専門高校や多様な進路希望に対応する総合学科高校、さらには多様な背景を持つ生徒を教育する定時制、通信制高校に至るまで、静岡県の人づくりに多大なる貢献をされてきたと認識しております。その公立高等学校に入学するための入学者選抜制度は、前期後期制から現在の一回のみの選抜に変わり、ことしで六年目になります。私は、入学者選抜制度が現在の形に変わる前の平成十五年の十二月議会で、当時の教育長に前期後期制による高等学校入学者選抜制度の評価と改善点について質問させていただきましたが、いずれにしても高等学校入学者選抜は中学三年を対象に行われることから、ある意味では中学三年生の段階での学力や進路希望が、高校を含めその後の人生に大きな影響を及ぼすと言っても過言ではないでしょう。しかしながら中には高校に入ってからその高校の雰囲気になじめないとか、進学面でもう少し自分を鍛えてくれそうな高校で新たに学びたいとか、普通高校に入学したがやはり専門高校で学びたいというように、進学すべき高校の選択を誤ったと自覚する生徒もいるのではないでしょうか。思春期の子供たちは心身ともに日々成長しています。中学時代に興味がなかったことでも高校入学後に興味を持たれたり、高校入学後に新たに学習した教科・科目で知的好奇心が刺激され、より専門的に学びたいと思うこともあるかもしれません。また中学時代とは異なる人生設計を描くこともあると思います。高校生にとって中学三年生の時点での進路選択が全ての場合において適切だったとは必ずしも言えないと思います。だからこそ高校選択の誤りを高校入学後においても修正できるシステムや高校入学後に新たに芽生えた知的好奇心や学習意欲に対応できるシステムがあれば救われ、持てる能力をさらに伸ばして、ひいては人生の可能性を広げることができる生徒がいるのではないかと思います。
 そこで、静岡県独自の転学制度をつくり弾力化を図るべきと考えます。当然学校教育法等の規定はありますし、そもそも高校教育は各学校が編成する教育課程によって行われるため、異なる学科間はもとより同一学科間でも転学することは容易でないことは承知しておりますが、できる範囲での最大限の検討をお願いしたいと考えますが、教育長の見解を伺います。
 次に、スーパーサイエンスハイスクールについて伺います。
 スーパーサイエンスハイスクールは、未来を担う科学技術系人材を育てることを狙いとし、文部科学省が先進的な科学技術及び理数教育を実施する高等学校を指定する取り組みで、平成十四年から開始されました。現在全国では百七十八校が指定され、本県の県立高校では、磐田南高等学校が平成十五年度から、清水東高等学校が平成十六年度から、私立では静岡北高等学校が平成十九年度から指定を受けております。先日は磐田南高校に知事が来ていただいたということでありがとうございました。意欲や才能のある生徒の科学的能力や技術をさらに伸ばし、科学的思考力、判断力、表現力を培っていくスーパーサイエンスハイスクールの取り組みは、科学技術立国を目指す我が国にとっては大変有効な取り組みと言えます。磐田南高等学校や清水東高等学校において、先進的な自然科学研究者となる人材、課題解決能力や国際性を兼ね備え科学により社会に貢献できる人材の育成を目指して、英語によるプレゼンテーションを学ぶ学校独自の科目の開設、アメリカの姉妹校との相互訪問による交流、理数科生徒による課題研究と自然科学系部活動の充実、国際科学オリンピックへの挑戦、研究成果の地域小中学校への普及等を行っており、卒業生の大学への進路状況や高等学校入学者選抜制度における志願状況にもよい影響が出ていると伺っております。
 さらに、スーパーサイエンスハイスクールの波及効果として、県教育委員会では両校の先進的な取り組みを参考にして理科や数学に興味関心を持つ県立高等学校の生徒を対象とするニュートン・プロジェクト推進事業を実施しています。これは、大学における研究体験や先端研究施設の訪問、伊豆半島ジオパークの地形観察、小中学生を対象とした科学教室の開催等を行うものであり、本県の理数教育の推進に大変役立っております。このようにスーパーサイエンスハイスクールは大きな成果を上げ他校への波及効果も認められていることから、理数教育に限らず他の分野においても国あるいは県が研究校を指定することによって成果を上げることが可能ではないかと思います。
 そこで、本県高等学校の研究校指定において理数教育以外の分野で成果を上げているものがあれば御説明願います。またスーパーサイエンスハイスクールの文系版に相当するスーパー文系など県独自として展開する予定があればお伺いします。
 次に、教育委員会制度について伺います。
 県では、平成二十四年六月十六日と九月八日に、教育行政のあり方検討会を開催したと伺っております。このあり方検討会におきましては、「教育行政の責任の所在を明確化」、「実効性のある学校経営の仕組みと教育現場への支援」、「教育行政の閉鎖性の検証と改善策」を検討テーマに現行の法律の範囲内において可能な検討、提言を行い、見直しを図っていくとのことであります。
 しかしながら、教育委員会制度については多くの専門家や政治家から形骸化、名誉職化が指摘され、中には教育委員会の独立はかえって責任の不明確さが増しているという意見もあります。さきの選挙でも各政党のマニフェストにおきましても、地方教育行政を見直し現行の教育委員会制度を見直す、教育委員会の責任体制の確立と教育行政の権限のあり方の検討、地方分権を受けて自治体の教育政策決定や教育行政運営において首長や議会の役割が高まる中、常勤の教育長を教育委員会の責任者とするなど国と地方の間や地方教育行政における権限と責任のあり方について抜本的な改革を行う、教育委員会制度を廃止し首長に権限と責任を持たせ第三者機関で監視する、教育行政制度について自治体の選択制とするなど、現行の制度について批判的な政策を訴えているものもあります。
 そこで、現在の教育委員会制度についてどのように認識し課題意識を持っておられるのか、県教育委員会の代表でおられる教育委員長に率直な意見をお伺いします。
 最後に、家庭医養成プログラムについて伺います。
 高齢化の進展や医療の高度化、専門化が進み、必要な医師数はますます増加し、医師不足が地域の大きな課題となっております。このため県では医師の確保を最重要課題に位置づけ、ふじのくに地域医療支援センターの設置及び運営や医学修学研修資金の貸与などさまざまな取り組みを進めております。その結果県内の医師数は徐々ではありますが増加しております。
 しかしながら、人口十万人当たり医師数は、平成二十二年十二月末時点で全国平均二百十九人に対して本県は百八十二・八人、全国順位四十位と依然として厳しい状況が続いております。また県内八つの医療圏に目を移しますと西部が全国平均を上回る医師数を擁する一方で、私の地元である中東遠においては百二十三・四人と県内平均をも大きく下回っており、同じ県内であっても圏域間の格差が顕著になっております。
 このような状況が続いている当医療圏において、県では平成二十一年度に五年間を期限とする中東遠地域医療再生計画を策定し、医療資源の少ない当該圏域における医療提供体制の整備を目的として来年五月に開院予定の中東遠総合医療センターに脳・心臓血管内治療センターを整備し、昨年度に磐田市立総合病院にはがん治療のリニアックを増設するなど中核をなす公的病院の機能分担と連携の強化を図るとともに、医師の確保、特に研修医の確保を目指し、プライマリーケアができる医師の育成に向けた家庭医養成プログラムの構築、運営に取り組んでおります。このプログラムの構築に当たっては県外から指導医を招聘するなど研修体制を整え、平成二十二年度から研修医の養成をスタートし、現在多くの研修医が勤務しておいでになります。研修医の皆さんは指導医のもとで内科、外科、小児科、産婦人科などさまざまな分野の診療能力を備えた医師を目指し、研修や治療に取り組まれ、地域の医療体制の充実に多大なる貢献をしていただいております。要するに家庭医のプログラムに研修医が来るということで、そこにおいて医師数が増すということですね。それがやっぱり非常に中東遠圏域において医師数をふやすということに貢献をしていると思います。
 これまでの大学の医局から医師の派遣を受けるという従来のスタイルとは異なり、魅力ある研修医体制により研修医の確保に高い効果を上げているこの取り組みは、難しいとされる医師確保対策の一つの方向性を示していると感じるわけですが、県ではこの点をどのように評価をしているのか、またこのプログラムの成果を今後の対策にどのように生かしていくのかお伺いします。以上、一般質問といたします。
○議長(小楠和男君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 柏木議員にお答えいたします。
 初めに、県内市町の将来像についてです。
 住民に身近な行政は住民に身近な市町が自立的に担うべきであるというのが基本的な考え方です。静岡県では、これまで行財政基盤の充実を目指した市町村の合併を推進する、あるいは事務権限の積極的な移譲をする、こうした取り組みによって県内市町の自治能力の向上のための取り組みをしてまいりました。
 一方、今後地域主権改革がさらに進展するものと見込まれますし、道州制の導入も視野に入ってまいりました。そうした状況下で基礎自治体たる市町は地域における行政の中心的な役割を果たさなければなりませんで、高度化する行政事務に対応できるようにさらなる能力の向上が求められています。特に小規模な市町がある賀茂地域、あるいは伊豆半島全体、あるいは東部、さらに志太榛原、中東遠などでございますけれども、そうした市町におきましては限られた財源と組織を十分に活用できるようさらなる行財政改革に取り組まれる必要があります。
 また、機関等を共同設置していただくという試みも必要でしょう。そして広域連合など近隣市町との広域連携方策を構築していただくことも大切です。さらに自主的な合併について検討を行ってくださることも大切です。基礎自治体として必要な行政サービスを将来にわたって安定的に提供できる自立的な行政対策を確立するために、こうしたことが必要でございます。
 県としましては、こうした方向に向けた取り組みを円滑に進めるよう、そして市町の自立性が高まるように広域連携などについての助言、さらには県職員の派遣などを考えておりまして、広域連携を通じてかえってそれぞれの地域のアイデンティティーといいますか一体感が醸成されるものと期待しております。道州制になりますと、広域行政を担うところと基礎自治体との間におきまして基礎自治体が他の地域について知らないというようなことが起こりかねません。そうした中で静岡県下で静岡県全体の広域について通暁している職員が県庁内におりますので、県庁職員のこうした広域連携にかかわる市町の構築への役割は小さくないものがあるというふうに考えておりまして、私は県庁職員に市町に対する目をもっと本格的に向けるように指示しているところでございます。
 次に、県民投票条例修正案の再提出についてであります。
 浜岡原子力発電所につきましては安全性の確保が大前提です。安全性が確保されない限り再稼働はありません。このことは再三申し上げてきたところです。現在の浜岡原子力発電所を取り巻く環境を見ますと、第一に津波対策工事が継続中です。第二にオフサイトセンターの移転が完了しておりません。第三に使用済み核燃料の持って行き場がありません。第四に処理方法がまだ確立されておりません。こうしたことが解決されなければ安全性が確保されているとは言いがたいのであります。さらにこのたび原子力規制委員会が発足をいたしまして、今後規制委員会のほうで策定される新しい安全基準もクリアする必要があります。現時点では安全性に関しての科学的な判断材料が整っていないというふうに言わざるを得ません。県民投票条例を実施するには市町の協力が現行の制度では不可欠です。その制度的枠組みが担保されていないので、私は強力に国に改善を求めているところでございます。浜岡原子力発電所の再稼働の是非につきましては、このような課題が解決され判断ができる環境が整った段階で行っても遅くはないというふうに考えております。なお直接請求というのは間接民主制を補完し住民自治を図るための重要な手段であります。県民投票条例の制定につきましては、現在超党派で浜岡原子力発電所を中心にした原発問題を考える議員連盟が県議の先生方の間で立ち上がると承知しておりますけれども、この県議会においてつくられました修正案もその中でもんでいただきまして、むしろ主体性を持って県議の皆様から御提案いただいて、県議会で御審議いただくということのほうに意義があるのではないかと考えております。私はそれを可能にする環境整備に邁進したいというふうに考えております。
 なお、その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長及び教育委員長から御答弁を申し上げます。
○議長(小楠和男君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 県立高校についてのうち、初めに転学制度の弾力化についてお答えいたします。
 高等学校におきましては、入学者選抜を行い各学校の基準により入学者を決定していること、また各学校が編成した教育課程に基づき計画的、継続的に教育することを前提にしていることから、生徒が転学するためには転居や学校不適応等の理由が必要となっております。さらに転学するに当たっては学校間で十分連絡をとり、新たに在籍しようとする学校が生徒にとって適切であるのか、また教科・科目の履修、単位修得等に問題がないかなどさまざまな観点から検討をしております。議員御指摘のように、高等学校入学後生徒の希望する進路や学習内容が変わることもありますが、在籍する学校においては生徒一人一人の進路実現を目指した学習指導が行われているものと考えております。
 県教育委員会といたしましては、転学を希望する生徒に対し、その理由が適当と判断できるときは指導の連続性に配慮しつつ弾力的に転学の機会を与えるよう引き続き学校を指導してまいります。
 次に、スーパーサイエンスハイスクールに係る県独自の取り組みについてであります。
 スーパーサイエンスハイスクールに指定されております磐田南高等学校及び清水東高等学校の取り組みは、当該校で成果を上げているだけではなく、本県の事業であるニュートン・プロジェクト推進事業の模範となっており、他校への波及効果をもたらすなど本県の理数教育推進に大きく貢献しております。現在県独自の研究指定事業としましては、農業関係高等学校と小中学校等が連携して取り組む大地に学ぶ農業体験推進事業や、新しい学習指導要領の趣旨を踏まえ基礎基本を定着するための特色ある教育課程を研究する教育課程等編成研究事業を実施するなど、理数教育以外の分野においても他校の参考となる実践や研究を推進しております。また議員から御提案のありましたスーパーサイエンスハイスクールの文系分野版に相当する取り組みにつきましては、グローバル化などの社会の変化や県民のニーズ等を踏まえ、例えば国際社会に飛躍できる有為な人材の育成を図るための効果的な教育課程についての研究など今後検討してまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 橋教育委員会委員長。
       (教育委員会委員長 橋尚子君登壇)
○教育委員会委員長(橋尚子君) 教育委員会制度についてお答えいたします。
 教育委員会制度は、保護者を教育委員に含めるなど時代の変遷とともに改正されてきており、今後も時代に合った制度改正が行われていくものと考えております。現在本県におきましても教育行政のあり方検討会の中で議論されており、教育長と教育委員長との責任の明確化、非常勤による教育委員の職責の果たし方などにつきまして、課題であると認識しております。私は県民の一人として、また母親として、実際に子供たちを育てている親の気持ちを教育行政に反映していくということを自分の使命と感じて教育委員をお受けいたしました。就任当時は月一回の定例会の開催でしたが、平成二十一年からは月二回にふやし、各委員のそれぞれの専門的なお立場やこれまでの経験を踏まえて活発な議論を行っており、また移動教育委員会や教育委員訪問などを通して現場の状況把握に努めておるところでございます。
 私ども教育委員は、未来を担う全ての子供たちに対して公平に充実した教育を行うとともに、県民一人一人の豊かな生活を送るための学習やスポーツ活動の機会を提供するという観点に立ち、それぞれが委員としての強い自覚と使命感を持って職務に取り組んでおりますし、これからも取り組んでまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 池谷健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
○健康福祉部長(池谷享士君) 家庭医養成プログラムについてお答えをいたします。
 地域に密着し世代を超えて家族全員を対象に幅広く診療、予防、健康相談などに携わることができる家庭医の養成につきましては、大変大きな期待を寄せています。本県にとって最重要課題の一つであります安心医療の確保を進めるためには、県外から多くの若手医師を確保することが不可欠であります。平成二十二年度にプログラムを開始してからこの地域で新たに十九人の医師が確保されるとともに、地域医療体制の補完、支援も図られ、その両面で目に見える成果が出ています。このプログラムは日本の家庭医療を牽引する医師を県外から迎え、さらに家庭医の先進国である米国から指導医を招聘するなど充実した指導体制を整えるとともに、研修及び診療の活動拠点となる家庭医療センターの設置や米国ミシガン大学との交流研修などほかでは見られない特色を持つものであります。
 県といたしましては、引き続き家庭医養成プログラムを支援していくとともに、この成功事例に学び、現在県内各地域で複数の病院が連携して進めている専門医研修ネットワークプログラムの一層の充実を図ることにより静岡県を全国にアピールし、医師の確保と地域医療の充実に努めてまいります。以上であります。
○議長(小楠和男君) 二十七番 柏木 健君。
       (二十七番 柏木 健君登壇)
○二十七番(柏木 健君) それでは再質問をさせていただきます。
 まず、一点目の県内市町の将来像についてなんですけれども、知事の考えられる広域連合、広域連携というのがどういう姿なのかなと。もう少し詳しくどういう形で広域連合、広域連携をしていくのかというのをちょっとお伺いできればと思います。
 あと、その広域連合、広域連携、合併という話が出ていたんですけれども、その助言とか県の職員を派遣するという話が出ていたんですけれども、それについては知事としてこれから積極的にやられていくのか、そうではなくて地域のことは地域ということで各市町にお任せしていくのか、その辺について県としてどのくらいの積極性で取り組んでいかれる思いがあるのかなと。その点についてお伺いしたいと思います。
 あと、県民投票条例の再提案なんですけれども、先ほどの知事の答弁をお伺いしていると、知事としては今判断材料がまだ整っていないけれども県民投票すること自体は自分は賛成であると。しかしながら住民投票自体に制度的な問題があるので、それを国に働きかけて自分はいくと。それだから議会として提案していただきたいと。そういう解釈でいいのかどうか。自分としては提案をする――当然議会も提案できますし知事も提案できます――それについて、自分としては知事としての提案はなく議会に任せるというそういう解釈でいいのか。その点についてお伺いしたいと思います。
 あと、教育委員長にお伺いしたいんですけれども、相当な勢いで教育委員会制度が今どうなのかという議論が進んでおります。私が思うに、知事とか我々議員は選挙で選ばれていますので、当然失敗があれば落とされますし、県民の負託を受けているわけですね。しかしながら教育委員長も教育長も当然選挙で選ばれているわけじゃないですし、やめさせられることも――知事も我々もリコールがあるんですけれども――皆さんはないですよね。そういう意味で、制度が今本当にいいのかなということを思っています。
 そこで、ちょっとお伺いしたいのは、教育委員会は知事部局から独立していることについて、例えば政治的圧力を受けないとかそういうことがあったと思うんですけれども、今の時点でどういうメリットがあるのか。教育委員会が知事のもとから独立していることについてどういうメリットがあるとお考えなのか。それをお伺いしたいと思います、それは当然いろんな考え方はあると思うんですけれども、これだけ形骸化ということがあり方検討会でも出ているわけです。そういう意味でぜひその辺についてお伺いしたいと思います。以上です。
○議長(小楠和男君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 柏木議員の再質問のうち、市町の将来像について二つ御質問がございました。
 一つは、将来像をどのように具体的に描いているかということですが、県内には政令市が二つございます。それぞれ八十万、七十万という立派な市で、今の政令市よりもさらに自立性の高い特別自治市というのを目指され、私も支援をしているのは御案内のとおりです。それと比べた場合に、その間にあります志太榛原、中東遠、さらに静岡市の東にございます東部とそして伊豆半島というそれぞれを構成している三十三の市町というのは、実力が政令市と比べると劣るということになります。したがってこのバランスをとるためには、伊豆半島全域、東部全域、そして志太榛原全域といったようなものをおのずと構想することになると存じております。そうしたところでの広域連携が望ましいと考えているわけです。
 二つ目の人材派遣についてですけれども積極的に行っております。求められたときには、これは例えば副市長さんをと。あるいは、その他もろもろ市町の役に立つ事柄は、我々は各地方の地域政策局を通じてでもでございますけれども、私自身もそちらのほうに出向いてできる限りお手伝いするというふうにしております。目下のところは、権限移譲において全国一ということになっておりますけれども、遠い将来府県制というものの存立が論議されるときには、そのときには市町に力がつけられるように人材がすぐ派遣できるような関係をつくり上げていきたいと思っているわけでございます。
 再質問のうち、住民投票に係る条例でございますけれども、この条例の原案は不備であるがために全会一致で否決されました。そして修正案が否決された理由の一つは、それが原案と比べて懸隔があり過ぎる、違いがあり過ぎる。そのために十六万余の県民が署名したのは原案についてであって、したがってこれは修正案では十六万余の方々の意思を反映することにはならないということも一つの理由として否決されたということでございます。
 しかしながら、一方で私は原案の問題点を本県のできる限りの力を出しましてこの県議会の先生方に御提出申し上げ、その結果修正案を御提出賜りました。これについては賛否が分かれました。その賛否の理由の一つが先ほどの否決の理由であったということでございます。これはいわば出発点に立ったのだと思っております。私も議会も条例案を出すことができると。しかし条例案を出すについてはいわゆる浜岡原子力発電所それ自体の状況がございます。それからまたこうした条例案を実施するに当たっての国の制度上の問題がございます。両方を勘案した上で、さてどちらが出すかといった場合にこれはそれぞれ出す主体的な条件がございますので、それを勘案した場合にせっかくつくられたものを私がいわば横取りするという形であるよりは、むしろ県議会のほうから出されたほうが県議会の手柄になるというふうには思っております。
 いずれにしましても、これは手続上の問題でありまして、直接民主主義と間接民主主義とが相補完するべきであるということにつきましては、この主権在民の日本の制度におきまして異議はないものと判断しております。浜岡原子力発電所の問題は今回の選挙ででも原発問題として大きく取り上げられたところでございますので、これについて県民の意見を吸い上げるという道は閉ざすべきではないというふうに考えているところでございます。以上でございます。
○議長(小楠和男君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇) 
○教育長(安倍 徹君) 教育委員会制度が独立していることのメリットでありますけれども、これは時代の変化が非常に激しい中で、教育界もそういう変化を的確に踏まえながら、さらには先ほどもありましたように知事部局との連携を密にしながら進めていかなければいけないかなと思いますけれども、何よりもやはりそれは政治的な中立性を保ちながら次代の子供を育てていくというそういうどっしりした対応をしていかなければいけないということが、独立した教育行政機関であるその最大のメリットであるというふうに考えております。以上であります。
○議長(小楠和男君) これで柏木健君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 十二月十八日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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静岡県議会事務局議事課

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