• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成24年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

藤田 寛 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/28/2012

会派名:

民主党・ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 税外未収金の縮減対策について
2 県税の徴収対策の強化について
(1) 個人県民税の特別徴収義務者の指定推進策
(2) 法人関係税事務の政令市との連携
3 今後の核燃料税の課税と原発周辺対策事業について
4 県有財産の利活用と新エネルギーの導入促進について



    ○議長(小楠和男君) ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、六十九番 藤田 寛君。
           (六十九番 藤田 寛君登壇 拍手)
    ○六十九番(藤田 寛君) 思い起こしますと、平成十二年度当初予算の編成に当たり県が財政危機宣言を発してから、早いもので十年以上の歳月が経過をいたしました。
     その後、県は新公共経営の理念のもと行財政改革を推進をしてきたわけですが、税金などを財源として行政サービスを展開する歳出面では、PDCAサイクルによる不断の事業見直しを行う仕組みが確立をされ、歳出のスリム化に大きな成果を上げてきたと私は評価をしています。一方歳入面では、歳出に対する歳入の不足分であるいわゆる財源不足額が毎年度数百億円単位で発生していることが示すように、歳入の確保にはまだまだ努力を要する余地が残されているように思えてなりません。
     そこで、私は民主党・ふじのくに県議団の一員として、以下歳入の確保に焦点を絞りながら知事及び関係部局長に質問をいたします。
     第一は、税外未収金の縮減対策についてであります。
     本県では、平成十九年度決算から新しい公会計制度を導入したことにより県税収入以外の未収債権の実態が明らかとなり、平成二十三年度末の累計未収金は約三十六億円にも上っております。これは五年前に比べ約二倍という状況であり、歳入を確保する上でゆゆしき事態と言わなければなりません。
     これに対し、県では行財政改革大綱に基づき全庁的な組織を設置をして適正な債権管理のためのマニュアルを策定をし、二十三年度からは縮減目標を設定して取り組みの強化を図っているとのことであります。
     ところで、地方公共団体が有する債権には、法律や条例といった公法に基づく公債権と一般的な契約などにより発生する私法上の私債権の二種類があるようであります。そこでそうした観点に立って本県の未収金の内訳を見ますと、私債権の占める割合は件数ベースで八三%、金額ベースでは八八%にも及ぶのであります。先述した債権管理マニュアルでは、徴収コストの面からこうした私債権の債権放棄の検討が方針化をされているわけですが、いずれにしても税外未収金を縮減する上で最大のポイントは私債権対策に尽きるのではないでしょうか。
     また、滞納繰越分の縮減に努めるとともに、現年度における未収金の発生の防止も重要であります。二十三年度末の未収金約三十六億円のうち経済産業部所管分は二十二億円ほどであり、うち十五億円ほどは中小企業を対象とした高度化資金の貸付金における二十三年度の新規滞納の発生分となっているのであります。
     そして、公債権においては県が強制徴収できる債権とできない債権があるわけですけれども、交通基盤部所管分の道路や河川や港湾などの使用料、占用料を初めとした強制徴収可能な公債権の未収金は三億五千万円ほどとなっております。こうした債権に対する財産調査や差し押さえなどの適正で迅速な対応も、未収金の縮減を図る上で欠くことができないと思うのであります。
     公債権に関し、さらにもう一点、新規の滞納の発生を抑止するという意味では延滞金の徴収制度も効果が期待をされるところであります。
     本県では、既に平成元年に関係条例が施行されているわけですが、他の都道府県の延滞金の利率が軒並み一五%ほどなのに、本県のみが七%の低率にとどめおいているのはいかにも合点がいきませんし、抑止効果が発現しているのか疑問の念に駆られるところであります。延滞金徴収の目的が滞納の抑止と期限内納付者との公平性の確保にあるとするならば、改善の余地があると思うのであります。
     以上、四点にわたり税外未収金の縮減を図る上での課題を指摘をさせていただきましたが、今後の実効性ある取り組みについての御見解を伺うものであります。
     次は、県税の徴収対策の強化についてであります。
     二十三年度決算における本県の県税収入は約四千億円であり、歳入予算全体の三五%ほどを占めています。そして県税収入のうち最大の税目の個人県民税が約一千三百億円、次に大きい法人二税は約九百億円であり、この二つの基幹税目だけで県税収入全体の五六%ほどを占める歳入構造になっているのであります。つまり健全財政を維持するために安定した歳入を確保するには、何よりもこの二つの基幹税目における徴収対策が決め手となるのであります。
     そこで、まずは個人県民税に関して伺います。
     納税者にとって、自分たちが暮らす自治体の徴収実績を客観的に見ることができる指標の一つが収入率でありその全国順位ですが、本県の個人県民税は現在三年連続で最下位という不名誉な状況が続いています。その結果二十三年度末の収入未済額は約百四十二億円となり、県税全体の収入未済額の八割強を占めるに至っているのであります。こうした収入率の危機的な状況は、税収減という直接的な影響にとどまらず大多数の納税者に税に対する不信感を抱かせ、ひいては県への信用失墜にもつながりかねない点をまずもって指摘をしておかなければなりません。
     県では、このような状況を打開するため、現在個人県民税の賦課徴収事務を行う全市町と対策本部会議を立ち上げ、本年七月には収入率などの数値目標を設定して徴収対策を本格化させているのであります。
     その取り組み内容を概観すると、過年度分として既にある滞納繰越分の縮減と現年課税分における新たな滞納繰越分の発生の抑止、この二つに大別ができるわけですが、後者の対策として特別徴収義務者の指定の徹底が最も有効な手だてと言えるのであります。
     そもそも事業主には、国税である所得税の源泉徴収と同様に特別徴収義務者としての指定を受けた場合には、従業員の個人住民税を毎月給与から天引きして納入する制度が地方税法で義務づけをされているわけですが、罰則規定がないためか、本県での昨年度までの同制度に基づく納入実績は給与所得者の七割程度にとどまっているのであります。
     こうしたことから、県では昨年度は下田賀茂地区、今年度からは県下全市町での特別徴収義務者の指定を徹底する取り組みを開始をいたしました。しかし現実問題として未指定の事業所との直接的な対応を担うのは市町であって、県は言うなれば旗振り役に過ぎないのであり、県みずからも主体的に実施できる方策を講ずることによって指定の徹底を主導すべきではないかと思うのであります。
     例えば、県の事業に関与する場合には、特別徴収を行う事業所であることを必須要件としたらいかがでしょうか。本年九月時点での公共工事における競争入札参加資格を有する業者は約三千社あり、中小企業向けの制度融資を利用している企業は約三万社に上っております。こうした事業所は少なくとも県の事業の実施と密接な関係にある以上、地方税法の遵守を求めることは当然であると言っても過言ではありません。
     待ったなしの危機的な状況にある個人県民税を初めとした個人住民税の収入率の向上を図る上で、特別徴収義務者の指定を徹底するため県はどのような主体的な取り組みをお考えなのかをお尋ねするものであります。
     県税の徴収対策の強化に関する二点目は、法人関係税事務の政令市との連携についてであります。
     御記憶の議員の皆さんもいらっしゃるかと思いますが、平成十七年一月県は地方税の賦課徴収を一元化するという画期的な構想を発表されました。県と市町が一体となった組織を立ち上げ地方税の税務事務を一元化することにより、県税、市町村税の申告と納税が共通の窓口で可能となるワンストップサービスの実現など納税者の利便性が向上する。そして税務職員の削減や徴税コストの縮減、さらには収入率の向上により年間最大四百億円の税務事務効率化の効果が期待できる。この二点が平成十七年当時の一元化のメリットとして提案をされたのでありました。
     しかし、この構想は、その後当初平成二十年代初頭の設立とされていた一元化の受け皿となる広域連合は立ち消えとなり、滞納整理を専門とする広域連合の設立にとどまったのでした。
     また、税務職員数や徴税コストの最近の動向を見ると、合併効果が発現しているのか市町では減じているものの、県では職員数、コストともに増加傾向にあることも付言をしておかなければなりません。
     では、なぜこのすばらしい構想は半ば頓挫をしてしまったのか。私にはその原因が県税と市町村税の全てを当初段階から一元化の対象としたこと、さらには当時の四十二に上る市町村全てを同列に位置づけたことにあったのではないかと思えてならないのであります。
     しかし、この構想をお蔵入りさせてはならないと私は考えます。なぜなら平成十九年度の国から地方への税源移譲も視野に入れていたこの構想の根底には、県と市町との税務事務における連携や協働といった理念が据えられているのであって、その有用性は今後ますます高まると確信するからであります。
     ただし、一元化という難事業は、一足飛びにそして一まとめにして実現を図れるものではありません。連携や協働が比較的容易な税目から、さらには市町の受け入れ体制などにも配慮をしながら段階的な取り組みを重ねることによって、構想の目指す姿への到達を図るべきではないかと思うのであります。
     そこで、連携可能な税目として考えられるのは法人関係税であります。県は法人県民税と法人事業税を、市町は法人市町村民税をそれぞれ賦課徴収しているわけですが、当然のことながら課税先は同一の法人なのであります。つまり法人側は二通の申告書を受け取るわけであり、こうした税務事務を県と市町が連携して実施できれば双方にとって効率化が図られ、二重行政の解消にもつながるものと思われます。またせめて一カ所で申告書の受け付けや証明書の発行が可能となるよう窓口の統合なども考慮されてしかるべきでありましょうし、県と市町の重複滞納事案に対しては合同で財産調査や差し押さえなどの滞納整理を行えば、より効率的で効果的な取り組みが期待できるのではないでしょうか。
     そして、こうした法人関係税に関する取り組みは当面政令市を対象とすることが適切だと思います。なぜなら静岡、浜松両市が法人市民税を賦課徴収している法人の全体に占める割合は事業所数及び調定額ベースともに四四%ほどであり、実効性が期待できるからであります。また静岡、浜松両財務事務所の管轄区域が両市とほぼ同一といった面も好都合と言えるのではないでしょうか。
     地方税一元化構想の発表から間もなく八年が経過をしようとしていますが、この構想の基本理念とも言える税務事務における県と市町との連携や協働を推進する上で、法人関係税事務の政令市との今後の連携方針について伺うものであります。
     次は、核燃料税の課税と原発周辺対策事業についてであります。
     本県では、昭和五十五年に法定外普通税として核燃料税を創設して以降この税収を有効に活用をしてきました。その内容は原発周辺地域の安全対策はもとよりのこと、生活基盤整備のための生業安定対策、そして避難用道路整備などの民生安定対策などであります。
     現在、こうした原発周辺対策事業は平成二十二年度から二十六年度までを期間とする第七期計画のもとで進められています。御承知のとおり浜岡原発は昨年五月以降政府の停止要請により全面停止の状態が続いていますが、たとえ運転停止の状態にあっても安全対策に係る事業などは遺漏なく実施をされなければなりません。
     ところで、五年間にわたる第七期計画の財政需要の総額は約四百十億円ですが、その財源内訳を見ると国費などが約百四十六億円、県費が二百六十四億円となっているのであります。そして県費約二百六十四億円のほぼ三分の二に相当する百六十九億円は、中部電力からの核燃料税の納税分を見込んでいるのであります。しかしこの核燃料税は計画初年度である平成二十二年度が約九億円、二十三年度が約二億円の実納税額にとどまっており、二十四年度――本年度は運転停止の状態にあることから、当初予算への計上を見送った結果五年計画における納税見込み額約百六十九億円に対し、三年間で約十一億円の税収しか得られていないという極めて厳しい現実に直面をしているのであります。
     核燃料税を貴重な自主財源とする他の原発立地十二道県でもこうした運転停止による税収上の打撃を受けているわけですが、福井県を初めとする三県では既に国の同意のもとで核燃料の挿入に対する課税と原子炉の熱出力に応じた課税の併用方式に変更することによって、停止中でも一定の税収を確保している先行事例も見られるのであります。
     こうした中、本県では第七期の課税期間は残すところ二カ年のみとなりましたが、不足する財源の確保、そして周辺地域での安全対策事業の執行に懸念を抱かざるを得ないのであります。
     そこで、今後考えられる方策としては、新たな県債の発行や一般財源の投入による補填、そして全体事業量の見直しや事業の先送りなどによる進度調整などが挙げられるわけですが、計画された事業をどのように進められるのか、核燃料税の課税方式のあり方とともに御見解を伺うものであります。
     最後の質問は、県有財産の利活用と新エネルギーの導入促進についてであります。
     県有財産は県民の貴重な財産であり、現在県では本年度を最終年度とする県有財産の売却計画及び利活用計画を推進し、歳入の確保に結びつけています。そこでその実績額を見ると、売却計画では見込み額の約七二%に相当する八十五億円の成果を上げ、利活用計画では自動販売機の空きスペースへの設置に伴う貸付料などで約二億円の収入を確保しています。
     ところで、売却計画は各年度別の売却見込み額を設定をし、なおかつその後の状況変化を反映させるため毎年計画の見直しが図られてきたのに対し、利活用計画では当初から収入額としての目標数値が設定されておらず、また見直しも行われることなく推移をしてきた点は、PDCAの見地に立って申し上げれば進行管理という面で物足りなさを感じるところであります。加えて利活用の手法として最も期待された定期借地権の設定などによる貸し付けでは、ほとんど成果を得ることができませんでした。昨年三月策定の行財政改革大綱でも同様の取り組みが位置づけをされている以上、計画の進行管理とともに、あらゆる手法を総動員した取り組みが求められているのであります。
     例えば、知事が力説をされている新エネルギーの導入促進とリンクをさせ、県有建築物や売却困難な未利用財産などを民間事業者に有償で貸し付けて太陽光発電の一層の導入促進を図る方策などは、新たな歳入の確保と一石二鳥でもあり、実効性が期待できるのではないでしょうか。
     本年七月に開始された再生エネルギーの全量固定価格買い取り制度により、民間事業者の太陽光発電事業への投資意欲は旺盛化しており、今議会にも関連補正予算案が提出されています。また県では既にメガソーラーの適地となる土地の情報バンクを設置して情報提供を行っています。つまり民間事業者の太陽光発電の適地を求める需要は十分に存在するのであって、こうした状況下にあって県は手をこまねいている必要はなく、積極的に手持ちの商品を市場に提供し貸付料を得ることにより歳入の確保につなげたらいかがでしょうか。既に神奈川県では県立高校や福祉施設、県営住宅等の屋上を事業者に貸し出すことによって、年間約五百万円の歳入増が見込まれています。また浜松市では未利用市有地にメガソーラーの設置を行う事業者に対し、年額四百万円を下限に貸し付ける計画を進めているようであります。こうした先進事例における新たな収入額はまだまだ少額とも言えますが、新エネルギーの導入促進という政策目的とリンクさせることにより相乗効果が期待できるものと思われます。
     今後、新エネルギーの導入促進と関連づけた県有財産の利活用方針を明確に定め、その上で利活用計画を見直す必要もあると考えるところですが、御見解をお伺いをして私の質問といたします。
     御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ○議長(小楠和男君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 藤田議員にお答えいたします。
     初めに、今後の核燃料税の課税と原発周辺対策事業についてであります。
     この事案につきましては、藤田議員が正確に現状把握をされておりますので、それを確認する形になります。
     昭和五十五年に核燃料税が導入され、この核燃料税は環境放射線監視、温排水影響調査、漁港や漁場の整備、非常時の避難路の整備など、原子力安全対策、生業安定対策、民生安定対策等こうした形に使われておりまして、周辺地域の安全と振興に大きく寄与してまいりました。現在浜岡原子力発電所の運転は停止しております。しかし放射線の監視業務あるいは起こり得るべき原子力災害に対する備えは怠ることができませんので、核燃料税の有無にかかわらずこれらは着実に実施されねばなりません。
     なお、核燃料税の課税方式につきまして、昨年度から今年度にかけて課税期間の更新を迎えた福井県、青森県及び石川県の三県が、核燃料の価格に課税する価格割というものに加えまして原子炉の熱出力に応じて課税する出力割を新たに導入なさいました。私どもの核燃料の課税期間は平成二十六年度までとなっております。現在はその課税期間の途中であるということで、今後とも原発立地県、特に福井県、石川県等のこうした出力割の方式など、これが本県においても活用できるかどうか、こうしたことを踏まえまして課税のあり方を早急に検討してまいります。
     次に、県有財産の利活用と新エネルギーの導入促進についてであります。
     未利用の県有地につきましては、静岡県行財政改革の大綱の中で歳入確保の方策として未利用財産の売却促進が位置づけられております。そこで県有財産の売却計画及び利活用計画に基づきまして、積極的に売却を推進してまいりました。
     その結果、平成二十年から申し上げますれば、計画に対してどれくらい売却できたかという達成率ですけれども、平成二十年には六一%、平成二十一年には八八%、平成二十二年には二〇〇%、平成二十三年には一〇七%というように計画を上回る実績を上げてまいりまして、この平成二十四年、まだ終わっておりませんけれども、それを足しますれば八十五億円の実績を上げております。一方売却が困難で長期にわたり未利用の状態が見込まれる土地につきましては、日照環境など太陽光発電用地に適した諸条件について調査いたしまして、適地があれば去る七月に開設いたしましたふじのくにメガソーラー情報バンクに掲載することにより、県内外の事業者に積極的に情報発信してまいります。
     県有施設の屋根の貸し出しについて御提言いただきましてありがとうございました。現在の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の買い取り期間は二十年間ということになっております。この二十年間というのを前提にした場合には、この間に老朽化に伴う建てかえあるいは改修等が制限されます。そのことに加えまして、建物の耐震性への影響、雨漏りの発生など施設本来の行政目的に支障を来すことがないように慎重に判断をするという必要がございます。
     現在、本県におきましては貸し出しは一年ごとに更新をするということになっておるわけです。しかしこうした課題が解決できれば、歳入確保につなげにくい屋根の有効活用ができるとともに、民間活用で太陽光発電の導入が促進されまして一挙両得も期待されます。神奈川県の場合は使用許可は二十五年以内というふうになっております。そうした建物を選ぶということもこれからしていかねばならないかと存じます。
     藤田議員の御提案も踏まえまして、来年度から県有財産の売却計画及び利活用計画を見直しを始めまして、厳しい財政状況の中で少しでも歳入確保につながるように努めてまいりたいと思います。
     本県の財政状況につきまして正確な御理解をいただいて、かつそれなりの建設的な御提言も賜りましてありがとうございます。
     その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げます。
    ○議長(小楠和男君) 土屋経営管理部長。
           (経営管理部長 土屋優行君登壇)
    ○経営管理部長(土屋優行君) 税外未収金の縮減対策についてお答えいたします。
     県では、公平性の確保、歳入の確保等の観点から未収金対策に取り組んでおり、昨年七月に税外収入債権管理調整会議の第一回目を開催し、全庁的な未収金の把握、縮減目標の設定などを行うことといたしました。さらに本年三月には債権管理マニュアルを作成し、今年度は昨年度を上回る目標を設定するなど各部局における未収金縮減に向けた取り組みを強化しているというところであります。
     平成二十三年度は、縮減目標額を達成することはできましたが、税外未収金のうち金額ベースで約九割を占めている藤田議員も御指摘の私債権におきまして、中小企業を対象とした高度化資金の貸付金で約十五億円の未収金が新たに発生したことなどによりまして、残念ながら年度末の未収金は増加いたしました。
     未収金を縮減するためには、議員御指摘のとおり滞納繰越分だけではなくて新規発生分の早期回収にも取り組む必要があります。例えば道路占用料を初めとする強制徴収が可能な公債権につきましては、本年三月につくりました債権マニュアルに基づきまして財産調査や差し押さえを行うなど債権の種類に応じた早期の回収策を講ずるとともに、長期間滞納し回収困難と認められる債権につきましては、各部局の判断において整理を進めてまいります。
     延滞金の率につきましては、法律等で定められているものを除き地方税法で定める納付期限から一カ月以内の延滞金の率と同じ年率七・三%に設定しておりますが、期限内納付者との負担の公平性の確保、期限内納付の促進、他の都道府県の状況などを総合的に勘案しながら、改正に向けた検討をしてまいりたいと思ってございます。
     大変厳しい財政状況の中で、議員御指摘の点も踏まえまして負担の公平性の視点から積極的な債権の回収に努め、税外未収金の一層の縮減に努めてまいります。
     次に、県税の徴収対策の強化についてのうち、まず個人県民税の特別徴収義務者の指定推進策についてであります。
     個人住民税の徴収対策につきましては、これまでも県と市町との職員の人事交流や県による直接徴収などに取り組んでまいりましたが、収入率の大幅な改善には至っておりません。
     このため、県内全市町と一体となって本年二月に徴収対策本部会議を立ち上げ、現年課税分早期徴収、それと滞納繰越分の整理の両面から対策を進めております。このうち現年課税分の対策としましては、市町が指定を行います特別徴収義務者の指定の推進に取り組むこととしまして、県では市町との役割分担を踏まえ新聞や県民だよりへの広告掲載、県内主要駅でのポスター掲出などの広報に加え事業者団体へのリーフレットや手引による説明など制度の普及にこれまで努めてまいりました。こうした指定の推進につきましては、対象とする事業所の規模などの違いはございますけれども、平成二十年度から香川県が取り組みを開始して以降山梨県、高知県、岐阜県でも取り組まれており、法令遵守の観点からも今後全国に広がっていくものと考えております。
     平成二十四年度の本県の特別徴収義務者は、実際に指定の事務を担当していただいている市町の努力によりますけれども、前年度と比べ三四%増加しております。その結果納税義務のある給与所得者のうち特別徴収の割合は、人数では二十三年度の七二%から八三%へ、また税額では八二%から九一%に大幅に増加しているという状況でございます。
     県としましては、今後も引き続き市町と連携してさらなる特別徴収義務者の指定の推進に努めるとともに、全市町での取り組みの初年度であります本年度の実績を踏まえた上で、議員御提案の特別徴収を行う事業所であることを県の事業に関与する場合の要件とするということなどについても、必要性について判断をしていきたいと思ってございます。
     次に、法人関係税事務の政令市との連携についてであります。
     県税と市町村税の賦課徴収に係る事務全般を共同で一元的に処理しようとする地方税一元化構想につきましては、市町との協議の結果、まず市町の喫緊の課題である徴収困難事案等の滞納整理から着手することといたしました。平成二十年一月に全国で初めて全市町と県が参加して地方税の滞納整理を行う広域連合としまして、静岡地方税滞納整理機構を設立したところであります。業務を開始いたしました平成二十年四月から昨年度までの四年間で三千九百三件の滞納事案を処理し、三十億円を徴収したところであります。さらに移管予告による自主納付等の百三億円を含めますと百三十三億円の成果を上げております。
     この設立後、静岡市、浜松市を含む全市町と共同実施できる業務等について検討を行いました。そうしたところ、市町から要望のあった軽自動車税関係税の申告書の処理、あるいは課税研修などの事務を平成二十二年度から広域連合の事務として一元化したところであります。これら課税事務の一元化の検討の過程で法人県民税、法人事業税と法人市町村民税につきまして検討をしたところですけれども、電算システム構築費の負担などの課題がありまして、直ちに広域連合の事務として一元化することには至りませんでした。
     しかしながら、議員御指摘のとおり納税者の利便向上を図るということもまた一つ重要なことでございますので、法人関係税における政令市と県との連携につきまして、改めて静岡市、浜松市と相談しながら検討してまいりたいと思ってございます。以上であります。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp