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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 節子 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/28/2022

会派名:

日本共産党静岡県議会議員団


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
 o 日米地位協定の改定
2 ジェンダー平等視点からの女性支援策について
(1)第5次DV防止基本計画
(2)性暴力被害者に対する相談支援体制の充実
3 リニア中央新幹線事業の発生土処理の安全確保について
4 少人数学級推進について


○副議長(竹内良訓君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、一番 鈴木節子君。
       (一番 鈴木節子君登壇)
○一番(鈴木節子君) 日本共産党の鈴木節子です。
 質問に先立ち、一言申し上げます。
 ロシアによるウクライナ侵略は、罪もない一般市民が犠牲になりました。ウクライナの主権と領土を侵し国連憲章、国際法を踏みにじる侵略行為であり断固糾弾します。直ちに軍事行動をやめ撤退させることを強く求めます。
 また、核兵器禁止条約が成立され人類が核兵器のない世界を目指している中で、ロシアが核保有大国であることを誇示し威嚇することは決して許されることではありません。
 通告に従い、知事、副知事並びに関係部局長、教育長、教育部長に当面する県政の諸課題について一括質問方式で質問いたします。
 まず初めに、知事の政治姿勢について、日米地位協定の改定に関してお伺いします。
 コロナ感染症の第六波を受け、最初にまん延防止等重点措置が実施された沖縄県、山口県の市中感染は海外から赴任した米軍人等に起因すると思われ大きな衝撃が走りました。米軍が基地を経由して日本国内に入国する際の検疫はフリーパスで少なくとも昨年九月から十二月二十五日まで入国前の検査が行われず、この期間に入国した米兵が感染を基地外に広げた結果を招いたことは明らかです。
 一方で、日本から諸外国への移動に際しては出国前の検査を義務づけている異常な姿が浮き彫りになりました。本県も加盟する米軍基地を抱える十五都道府県でつくる渉外知事会は昨年十二月二十八日、感染症の水際対策に関する緊急要請を行いました。その後米軍は検査を入国前後三段階で行うこととし我が国と同様の行動制限も取られるようになりましたが、キャンプ富士においても米軍関係者と日本人従業員含め陽性者は五十三人に広がり、感染の状況の詳細が把握できない事態に地元住民は大変不安な日々を過ごしました。
 渉外知事会は、二〇二〇年にもコロナ感染症拡大に対し在日米軍基地におけるコロナ感染症の発生状況やアメリカ側の感染対策を公表するよう要請しましたが事態は進展しているとは言えません。検疫については日米地位協定の第九条に関する合意があり、米軍は基地から日本に入国した際、出入国に関する国内法適用から除外され米軍が責任を負うこととされています。
 一方、オーストラリア、フィリピン、ドイツ、イタリア等では国内法適用や検疫に関与できる仕組みを整えています。この背景には日米安保条約があると思われます。このようにゆがんだ対米関係から脱却し主権国家として、せめてほかの米同盟国並みに地位協定の改定を迫る動きが日弁連などから広がりました。
 二〇一八年、全国知事会は日米地位協定の抜本的見直しを求める提言を全会一致で採択しました。画期的な出来事です。内容は日米地位協定を抜本的に見直し航空法や環境法令等国内法を米軍に適用させ自治体職員の基地内立入りを保障するなど、地方自治体が住民生活を守る権限の保障など独立国として当然の要求です。
 これに対し、政府は運用改善のみに固執し抜本的見直しはなく、いまだに全国知事会の要求は実現しているとは言えません。国民の命、暮らしが脅かされる不当な関係から主権国家として国民の暮らしと安全、平和を守るために日米地位協定の抜本的改定が今こそ求められています。
 知事は、今回の問題を受けて、キャンプ富士での感染の実態が把握できないなど日米地位協定の問題が顕在化したと認識しており最終的には撤廃するところまで見越しながら改定を求めていくことが大事との旨の発言をされました。日米地位協定締結から六十二年が経過し情勢は大きく変動しています。日米地位協定の見直しを求める意見書は本県を含め九道県議会、二百二十一市町村議会、合計二百三十議会から上がっており機運は広がっています。
 そこで、質問いたします。
 知事も様々なお考えがあると思います。改めて今後に向けた日米地位協定の改定について、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、ジェンダー平等視点からの女性支援策について伺います。
 コロナ禍の下、非正規雇用女性の解雇、自殺の増加、DV被害増加など女性の生きづらさが顕著になっています。
 昨年二月、静岡県男女共同参画推進本部・本部委員会は県庁を挙げてコロナ禍の女性を支援する、笑顔になるまで寄り添いたいとのメッセージを掲げオール県庁で取組を推進すると発信しました。この意気込みを大いに期待してきましたが、ジェンダー平等の視点からさらに的確で実効力ある施策を求め質問いたします。
 一九九三年、国連総会が女性に対する暴力撤廃宣言を採択しました。女性に対する暴力は男女間の力関係が歴史的に不均衡だったことを明らかにするものである、女性を男性に比べて従属的な地位に追いやるための社会的な仕組みとして最も決定的なものの一つだとしています。レイプやDVなど女性に対する暴力は単なる個人間のトラブルではなく、ジェンダー不平等の社会構造そのものに原因があります。だからこそ政治が女性に対する暴力の根絶を明確に掲げ具体策を示し取り組む必要があります。
 女性への暴力根絶を求め、二つの項目について質問いたします。
 まず、第五次DV防止基本計画について質問します。
 DV防止で取り組むべき課題はDV被害者や子供のケア、専門スタッフの養成・研修の充実、虐待や貧困などの困難を抱える若年女性への支援強化策、一時保護施設や児童相談所の体制を強化し安定した継続的な支援など山積しています。本県はDVのない社会づくりとDV被害者の自立を目指して二〇〇六年DV防止基本計画を策定し、第四次基本計画を、今年度で終了することから来年度からの第五次基本計画を策定しています。
 コロナ禍の下、外出自粛要請の下でのストレスから密室でのDV被害が増加し、二〇二〇年度のDV相談件数は全国で十九万件を超え前年度比一・六倍となりました。殴る、蹴るといった身体的暴力だけではなく無言や無視などの精神的DV、生活費を渡さないなど経済的暴力も深刻です。
 本県のDV相談件数も年々増加し二〇二〇年度には三千五百十六件と過去最多となり、社会情勢の変化により課題も顕在化してきました。コロナ禍で加害者の在宅時間が増え被害者が外部に助けを求めにくくなっていると考えられます。こうした方が相談にたどり着けないまま深刻化してしまうことがあってはならず対策が必要です。
 また、現在はDV被害者が加害者の下から離れることを被害者支援の基本としているため子供がいる場合の離婚後の生活の不安などから自立できない被害者も少なくなく、従来の延長線上にとどまらない対策が求められています。またDVと児童虐待が同時に発生しているケースも多くあり、対策の強化が必要です。
 質問に当たり、これらの現状と課題を踏まえ、第五次DV防止基本計画に新たに盛り込まれるポイントと計画遂行に当たる決意を伺います。
 続いて、性暴力被害者に対する相談支援体制の充実について質問します。
 性暴力は人間の尊厳を侵害し人格を否定する重大な犯罪です。しかし多くの被害者が相談するのが恥ずかしいとか自分さえ我慢すればなどどこにも誰にも相談できず警察、病院、支援センターにもつながることができずにいます。心身に深刻なダメージを受け異性に対する恐怖心を持つなど日常生活にも支障を来します。被害者が早期に支援につながることはその後の被害回復、生活再建にとって極めて重要です。
 そうした中、女性たちも立ち上がり性被害根絶に向けてフラワーデモを開催しメッセージを発信し始め県内でもこの取組が広がっています。社会全体に性暴力は加害者が悪い、被害者は悪くないというメッセージを発信し、十分な支援を受けられる体制づくりとともに性暴力を許さない社会づくりも必要な局面に来ています。
 本県は、二〇一八年七月性暴力被害者支援センター  愛称SORAを開設し昨年秋までに三千百件を超える相談に携わってきました。一人一人に支援の手が届くよう、より相談しやすい体制整備に向け支援を必要とする人につなげる努力を広げてきたと伺っています。この影にはスタッフの熱意に支えられている側面もあり、相談員の資質向上と継承、人員増員などさらなる体制強化が求められています。
 質問に当たり、開設後三年間相談体制を拡充させてきましたが、取組の成果や課題を見据え被害者に寄り添った支援をどのように展開していくのか伺います。
 次に、リニア中央新幹線事業の発生土処理の安全確保についてお伺いします。
 昨年の熱海市で発生した土石流災害は、盛土崩壊が生命、暮らしに及ぼす危険性と規制の必要性を痛感する出来事となりました。リニア工事に伴う発生土が適切に処理、管理されるのか県民にとって大きな関心事となっています。
 今議会は有識者会議による大井川水資源問題に関する中間報告が示された直後の議会です。南アルプストンネル工事による発生土処理方法について専門部会の評価は、水資源利用の観点からの検討であり土石流の原因となる観点からの検討がなされていないとか発生土置場の構造等について配慮すべきであるなどと指摘しています。県も、問題はどのようにして適切に処理、管理を継続するのかでありこの点について議論が不十分である、流域をはじめとする県民が理解できる説明となっていないと厳しい見解を国土交通省に送付しています。
 発生土には、大規模盛土による土石流災害の危険性と自然由来の重金属等が流出し下流域に大きな影響を及ぼすという二つの問題があります。昨年の熱海市の大規模土石流は大雨により約五万立米の土砂が崩落し甚大な被害を及ぼしました。リニア中央新幹線のトンネル工事等は品川から名古屋間だけでも約五千六百八十万立米の膨大な建設残土が発生します。
 大井川上流部の燕沢付近に長さ六百メートル、幅三百メートル、高さ七十メートル規模、総量約三百六十万立米の残土処理が計画されています。燕沢付近は容易に崩壊を引き起こす極めて不安定な地盤であり、大規模災害が起これば大惨事を招きかねません。気候変動により豪雨、台風が激甚化、頻繁化しており、以前のままの残土処理計画では安全確保は不十分です。また有害な重金属類を含む発生土の処理方法についても十分な議論はなされてはいません。
 県は、盛土の長期安定性、自然由来の重金属等を含む発生土の処理について検討がまだ十分ではないとの認識を示しています。県は国に対し土砂等の適正処理の推進に向け新たな法制度の整備を要望しました。国も盛土の安全対策を強化する法改正はできる限り早期であることが望ましいと早期施行を目指しています。
 有識者会議がこれまで一年八か月にわたり議論を続けてきましたが、熱海の土石流災害が発生する以前での議論のスタートでしたので大規模な崩落の危険への対策や安全確保策は正面からの議論の対象ではありませんでした。改めて発生土の大規模な崩落対策、長期にわたる適正処理方法を議論する必要があります。盛土の長期安定性と重金属類を含む発生土処理は徹底した安全確保と県民合意が大前提であり、現状では県民の疑念は払拭されてはいません。
 質問に当たり、今後徹底してこの問題を議論する必要がありますが、国、JR東海に対してどのように対処していくのか、所見を伺います。
 最後に、少人数学級推進について質問します。
 子供たちを取り巻く状況はコロナ禍の下で運動会や修学旅行など行事の中止、部活動休止、黙って食べる給食などにより友人関係が構築しにくい上、速いテンポで進む授業、家庭の経済力による学力格差等学校が楽しくない場になってしまいました。コロナ感染拡大は教育現場でも子供たちに深刻な影を落としています。教師も分散登校、オンラインや対面授業への対応、消毒、検温など感染防止策、子供の心のケアと、より長時間労働、過密化しています。
 文科省が、全国で二千五百五十八人の教師が不足していると深刻な実態を発表しました。この背景には過労死ラインを超える異常な長時間労働による離職、休職者の増加や教員の非正規化があります。
 本県は、四月当初の時点で小学校十七人、中学校九人、高等学校二人、特別支援学校十七人の計四十五人が欠員です。教師の長時間、過密労働の解消に向けスクール・ポート・スタッフの時間数拡大、ICT支援員配置等ありますが本質的な解決策は日々成長する児童生徒それぞれの状況に沿ってきめ細かく接し指導する教職員を増員し少人数学級をさらに推進させることだと考えます。
 政府がようやく二〇二一年度から五年かけて小学校全学年での三十五人学級の実施を決定しました。教育現場の格差と貧困、発達障害の顕在化が進む下、一歩前進と言えますがまださらなる対策が求められています。学校休業後、遅れを取り戻すために速いスピードで授業が進められ授業に追いつけない子供の不登校の増加やストレスを抱え学校に行きたくないと感じている子供が三割に及ぶという調査もあります。感染症対策とともに全ての子供の学びを保障し、ストレスや悩みを抱える子供と丁寧に関わる手厚い教育は子供の尊厳や多様性を支える基本的な教育条件です。
 本県は、二〇〇九年度から静岡式三十五人学級に着手し二〇一七年度から段階的に一学級二十五人の下限人数を撤廃し、小中学校全学年で三十五人以下学級編制が実現し大きな教育効果を生み出しています。教育委員会がまとめた調査によりますと、教員が増えたことで深い教材研究が可能となりきめ細かな指導・支援が可能となった、一人一人の学習状況を適切に見取り評価することで定着度合いやつまずきを把握することができた、教員の精神的負担が緩和された、生徒が積極的、意欲的に授業に取り組めるようになったなどよいことずくめです。さらなる少人数学級推進は多くの県民の願いでもあります。
 しかし、少人数学級推進について県教委は、将来的に児童生徒数の減少が見込まれるとか、現在でも小中学校とも三十人前後の学級数が実現しているとか、教員増員による新たな財政負担は避けたいなど後ろ向きの姿勢と言わざるを得ません。他県では三十人学級を実施し始めており、正規の教職員増員で教師集団を構築し集団の力できめ細かく子供に寄り添う教育は時代の要請です。
 そこで質問します。
 これまでの静岡式三十五人学級の効果を踏まえ、この実績を生かしさらに発展させるためどのように取り組んでゆくのか、方針を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(竹内良訓君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 鈴木節子議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてであります。
 日米地位協定の改定についてでありますが、昨年十二月以降全国の在日米軍の基地におきまして新型コロナウイルスの感染が広がりました。
 このため、本県を含む在日米軍の基地のある十五都道府県で構成する渉外知事会で国に対し在日米軍の感染防止対策や水際対策について緊急要請を行いました。その後キャンプ富士でも集団感染が発生したため御殿場市、裾野市、小山町及び地権者団体と合同で国とキャンプ富士に対し感染拡大防止対策の徹底を求める申入れを行ったところであります。
 今回、全国の在日米軍の基地におきまして地元自治体に感染症の発生状況や措置状況等に関する情報が十分に提供されず、キャンプ富士においても同様の状況で周辺の住民の皆様に不安を与えました。また議員御指摘のとおり、本来我が国と同様に入国前の検査などの水際対策が行われるべきところが在日米軍においては行われていなかったことも判明いたしました。
 岸田総理は、一月六日の記者会見におきましてこの問題に対して、協定の改定ではなく日米間で意思疎通を図って現実的、具体的に対応すると述べられました。しかしこのような事態が発生した背景には在日米軍には検疫に関する国内法が適用されないという日米地位協定の問題があると考えております。
 議員御指摘のとおりドイツ、イタリアは戦前日本と三国同盟を結んだ枢軸国でありました。このドイツやイタリアでも地位協定を改定し米軍を対象に検疫を行っている例もあります。
 私は、この日米地位協定は日本が幕末に欧米列強の砲艦外交の圧力の前に結んだ不平等条約に匹敵すると思います。不平等条約は御案内のように治外法権と関税自主権、これを奪されたことということでありますが、治外法権は明治二十七年には撤廃されております。したがって幕末から四十年もたたぬうちに治外法権はなくなったわけであります。関税自主権については一九一一年に日本はそれを取り戻しました。坂の上の雲を求めた日本の明治人の気骨を感じるものです。
 日米安保条約、これは戦前の日英同盟に比べられるものではないでしょうか。一九〇二年にロシアの脅威を前提に日英同盟が結ばれました。しかしこれは日本にとっては従属的なものでした。しかし二度の改定を経て最後は日英完全に対等の同盟になったものであります。
 こうした歴史に照らしますと、今回の事態を契機として在日米軍におきましても国内法を適用し我が国と同等の感染対策が取られるように日米地位協定の改定を行う必要があると考えております。
 日米地位協定の改定につきましては、これまで渉外知事会や全国知事会などで国に求めてきたところであります。また先月には記者会見や全国知事会におきまして私から日米地位協定の改定の必要性について発言したところであり、今後も渉外知事会や全国知事会などを通じ国に対して日米地位協定の抜本的な改定を求めてまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○副議長(竹内良訓君) 難波副知事。
○副知事(難波喬司君) リニア中央新幹線事業の発生土処理の安全確保についてお答えをいたします。
 南アルプストンネル工事静岡工区における三百七十万立方メートルに及ぶ大量の建設発生土の処理につきましては、議員御指摘のとおり大規模盛土の長期安定性と自然由来の重金属を含む対策土処理の安全性に関して大きな懸念があると認識をしております。
 まず、大規模盛土の長期安定性への懸念は南アルプスの脆弱な地質・地形や降雨の状況と三百七十万立方メートルという規模、これらを十分考慮した設計であるかということが大事です。
 令和元年には、台風十九号の影響で盛土予定地付近に燕沢の上部から崩壊した土砂が流出し林道を破壊しました。このため大規模盛土自体の安定性への懸念だけではなく、周辺の山体の斜面の崩壊による大規模盛土からの土砂流出や盛土崩壊を想定した設計であるかという懸念があります。JR東海は燕沢の直下ではないという説明をしておりますが、より詳細な検討が必要であるというふうに考えております。
 また、自然由来の重金属等を含む対策土処理の安全性についての懸念は土壌汚染対策法の基準値を超える有害物質を大井川上流部の水源地に永久に残置したままにするというところにあります。JR東海は二重の遮水シートにより重金属等を封じ込める計画としていますが、シートの損傷等による流出が起きた場合には水質や土壌の汚染が広がり周辺の生態系や下流の水利用に影響を及ぼすおそれがあります。仮に流出しないとしても流出しているのではないかという不安や風評被害が発生する懸念もあります。
 国の有識者会議が昨年十二月に取りまとめた中間報告では、JR東海が示す発生土処理計画に関して継続的かつ具体的な処理方法の検討に当たっては今後地権者や県をはじめとした関係者とJR東海で協議を行うべきであるものと考えるとして県とJR東海の対話に委ねられました。
 このため、まず事業者であるJR東海には流域住民をはじめとする県民の皆様が当然抱く懸念を十分認識していただきたいと思います。その上で県といたしましては再開する県地質構造・水資源専門部会においてJR東海と徹底的に対話を行い、南アルプストンネル工事の発生土処理の安全性を確認をしてまいります。
 また国に対しましては、盛土による災害から国民の生命、身体及び財産を守る立場でありますので、国はそういう立場でありますので、国に対しましては県民の皆様が納得できる発生土の処理方策を早期に示すようJR東海を強く指導していただくことを要請をしてまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 石田健康福祉部長。
○健康福祉部長(石田 貴君) ジェンダー平等視点からの女性支援策についてのうち、第五次DV防止基本計画についてお答えいたします。
 県では、第五次DV防止基本計画の策定に当たり現状と課題を踏まえた新たな取組を盛り込むこととしております。
 まず、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で加害者の在宅時間が増え面接や電話による相談が難しい被害者を支援するため声を出さないで相談できるウェブチャット相談の利用を促すなど、ICTの活用等多様な手段による広報、啓発、相談の推進に取り組んでまいります。
 次に、従来から行われている加害者から逃げることを前提とした支援は就業継続を困難にするなど被害者が支援を受けることをためらう原因になるとも言われておりますことから、逃げないことを希望する被害者に対しては加害者教育プログラムの利用を案内するなど被害者の希望や状況に応じた支援に取り組んでまいります。
 また、DVと児童虐待は同じ家庭内において同時に発生している事案が多いことから、DV対応部門と児童虐待対応部門の合同研修会を行い情報共有や相互理解を図るなどDV対応と児童虐待対応の連携強化に取り組んでまいります。DVは犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であるばかりでなく、個人の尊厳を害し男女平等の実現の妨げとなるものであります。
 県といたしましては、DVは決して許さないという強い決意の下、現在策定中の次期計画に基づき施策を着実に推進することでDVのない社会づくりと被害者の自立を図り誰一人取り残さない社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) ジェンダー平等視点からの女性支援策についてのうち、性暴力被害者に対する相談支援体制の充実についてお答えいたします。
 性暴力被害者支援センターSORAは二十四時間体制で相談に対応しており、医療支援を行う協力病院を開設当初の三か所から六か所に拡充したほか、被害者がより相談しやすくなるようにインターネットによるチャット相談を導入するなど支援体制を充実してまいりました。相談件数は令和三年三月に一か月当たり最多の百五十五件となり開設から本年一月末までに延べ三千五百十六件、医療機関や警察署等に付き添う同行支援は百五十七件となるなど地域における被害者支援の中核的な組織として重要な役割を果たしてきたと認識しております。
 しかしながら、内閣府が令和二年度に実施した調査では性暴力の被害者の約六割はどこにも相談していないと回答していることや学校等で相談があった際に対応に戸惑うこともあると報告されていることから、被害の潜在化防止と相談支援体制の充実が課題となっております。
 このため、被害の潜在化防止については高校、大学、専修学校に入学した全生徒へSORAの案内カードを配付し相談窓口の周知を図るとともに、県民の皆様に対して性暴力被害者への理解や配慮を促すための公開講座の継続や多くの方が集まる商業施設などで電子看板を利用した広報を行うなど啓発活動を強化してまいります。
 相談支援体制の充実については、児童生徒に身近な学校や福祉の現場にある相談窓口で被害を打ち明けられた際に被害者を受け止め専門的な支援が必要な場合にSORAに確実につながるように今年度新たに開催した支援者養成研修会を拡大して実施するほか、身近な場所で受診できるように協力病院の拡充に努めてまいります。
 県といたしましては、引き続き関係機関と連携しながら性暴力被害者一人一人に寄り添った支援ができるよう努めてまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 長澤教育部長。
○教育部長(長澤由哉君) 少人数学級推進についてお答えいたします。
 静岡式三十五人学級編制の実現により教員が児童生徒への理解を深めきめ細かな指導が可能となり、学習面では基礎学力の定着、学習意欲の向上、生活面ではクラスの一員であるという意識や自己有用感の向上などの成果が報告されております。また全国に先駆けて本県が単独で実施したことが国による小学校の学級編制基準の見直しにつながったものと受け止めております。
 一方で、中学校の学級編制基準についてはいまだ三十五人への見直しがされていないこともあり、本県が独自に少人数学級編制をさらに進める場合には大幅な学級数増につながり必要な教員や教室の確保、それに伴う経費の増大などが課題となってまいります。また学校教育を取り巻く状況として特別支援教育の充実や外国人児童生徒への支援など喫緊に対応すべき課題があります。
 このため、まずはこうした課題への支援を進め、学級編制につきましては引き続き県単独措置による静岡式三十五人学級編制を維持しつつ国に対し中学校の学級編制基準の引下げを要望してまいります。あわせて保護者、学校、市町教育委員会等の意見を伺いながら児童生徒の発達段階や学校の実態に応じた学級規模等について研究し小中学校におけるきめ細かな学習指導や生活指導の実現に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 鈴木節子君。
       (一番 鈴木節子君登壇)
○一番(鈴木節子君) 知事をはじめ丁寧な御答弁ありがとうございました。
 では、要望を三点と再質問を一点させていただきます。
 まず要望ですけれども、日米地位協定の改定については知事から丁寧な所見、それから今後に向けてどう対応していくのかとかなり踏み込んだ答弁を頂きました。大変心強く思っております。それと日米安保条約にも踏み込んで問題点も指摘をしていただきましたのでしっかりと私も受け止められると思いますが、今後に向けてはやはり課題は国内法を米軍に適用させることだと、これが必要だという知事の御答弁そのとおりでございますので、この改定が実現するまで粘り強く取り組まれるように要望をいたします。
 それと二点目の要望については、性暴力被害者支援とDVの被害防止についてまとめて要望させていただきますが、ここの部署は両方とも男女共同参画推進本部の下で総合的に施策が推進されています。女性でなければ体験し得ない苦しみや悔しさ、不合理な女性への偏見など解決には女性目線から本音で議論されることが不可欠です。女性の声を反映させるためには女性から幅広く意見を募るなどより実効力ある施策を求めます。名称も男女共同参画推進本部ではなく、今風の名称でジェンダー平等推進本部に改名し現代社会に応じた親しみやすい名称とすべきではないでしょうか。問題提起をいたします。
 要望のもう一点は、リニアの建設工事に伴う発生土の安全確保策についてです。
 副知事からかなり決意のある答弁も頂きました。やはりこの盛土、それと重金属類を含むというこの二つの問題は静岡県民にとっては大きな関心事です。避けて通ることはできませんけれども、国に向けてどのように迫っていくのかということでは盛土による災害から住民の命を守ると、そのために納得できる計画を早期に示すよう国から指導せよとそういうお答えも頂きましたので、ここは国に対してはきちっと国がやるまで県としては主張をしていただきたいと思います。私が要望しなくても当然やっていただくと私は信じております。
 では、最後に質問をします。
 少人数学級の推進についてです。
 まだ国の施策は小学校までしか三十五人学級は今計画がありませんが、国の中学校での少人数学級の必要性は国会でも答弁はしています。ですので義務教育はせめてやれと、あとプラス高校にもそれを広げていく必要もありますが、県の先ほどの答弁を聞きますとその少人数学級を実現するためには教員を増やさなければならない、大幅な学級数の増員が必要だ、これには経費がかかると。それとまず特別支援学級や外国人の対応に、喫緊に迫った課題をまず優先すべきだというお答えがありましたがそれではなぜ、静岡県は先年から実施しています静岡式三十五人学級に、実施に踏み込みました。そのときの熱意はいまだに持ち続けていらっしゃると思うんです。少人数学級によって効果はたくさん教育委員会も認めていらっしゃいますので、やはりその必要性そしてコロナの下で子供たちの心の叫びがあります。学校が楽しくないと、こんな子供たちをそのまま次の社会に巣立たせてしまう、次の次学年に進学させてしまうことに私は大変心が痛みます。今こそ少人数学級が本当に保護者や子供さんや教師からも求められておりますのでその熱意を、やはり必要性を認めているのであればそのあれこれいろんな理由を言うのでなくてそれに報いた課題とか方向性、もう一度お示し頂きたいと思います。以上、再質問です。
○副議長(竹内良訓君) 長澤教育部長。
○教育部長(長澤由哉君) 少人数学級推進についての再質問についてお答えをいたします。
 先ほど御答弁申し上げましたように、私どもとしてもその三十五人学級編制の効果というのは非常にあるということは認識をしております。その上でいろいろな課題がございますのでまずは来年度ですね、有識者それから学校関係者等々によります学級規模についての研究会を立ち上げてそこでよく議論をしてもらおうと思っております。全くその今後の少人数学級を否定しているということではございませんので、効果それから課題を含めてきちんと研究していきたいと思います。以上でございます。
○副議長(竹内良訓君) これで鈴木節子君の質問は終わりました。

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