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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年9月静岡県議会定例会

藤曲 敬宏 議員(自民改革会議)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:09/25/2020番目)
答 弁 者知事


○議長(山田 誠君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 藤曲議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、コロナ対応における市町との連携についてであります。
 県民の命を守る危機管理は本県における最重要施策であります。新型コロナウイルス感染症につきましてはその時々の県内及び全国、とりわけ近隣都県の感染状況、人々の移動、経済活動等々地域の実情を踏まえ適時適切に判断してまいりました。
 休業要請につきましては、感染拡大が顕著な近隣都県から県内への感染拡大を防止するため県による県内一律の休業要請と市町による地域の実情に即した飲食店などへの休業要請の二段構えの取組といたしました。このような取組は全国にも例が少ないものであります。本県の地域特性を踏まえますと適切なものであったと考えております。
 海水浴場につきましては、宿泊等の観光業への影響など地域によって事情が異なっております。また海水浴場は市町等が関係団体と連携して開設することなども踏まえまして県内一律の対応ではなく地域の実情に応じ地域ごとに対応することが重要であると考えておりますし、その当時も考えておりました。
 しかしながら、休業要請や海水浴場の開設など市町との連携が必要な取組につきましては県内一律の対応が望ましいなど異なる意見があることは承知しております。それらの様々な意見を参考にしながら、より連携を強化し適時適切な対策を講じていくことが極めて重要なのであります。
 このため、八月二十一日に開催されました県市長会主催のウェブ会議におきまして感染拡大防止に向けた取組について各市長と意見交換を行い、要望の多かった感染者情報の公表内容の見直し等につきまして迅速に対応したところです。
 今後とも、行政経営研究会などの場を活用いたしまして意見交換を行いつつ、緊急の対応が求められるときには直ちに市長会また町村会との意見の交換をする場を設けるなど連携強化と対応力の向上を進めてまいります。
 私は、リーダーシップとは人々の力を引き出すことであると考えております。言い換えますと自主性を尊重するということです。
 四月十七日、私は緊急要請の中で市町の自主性を尊重すると申しました。そして二十二日に市長会、町村会は緊急要請を私のほうに持ってこられました。十七日は金曜日です。二十二日まで中四日です。土日を挟み実質月曜と火曜日です。そして市長会の会長は議員の地元の熱海、町村会の会長は東伊豆町の太田長八さんです。したがって首都圏との関わりで極めて重要な局面にいらっしゃることは分かっておりました。
 例えば熱海市と藤枝市、あるいは東伊豆町と森町では全然事情が異なります。そうした中で自主性を尊重すると言ったのであっという間に実質二日で市長会、町村会は要請をまとめられたのです。それに応じて、私はその要請に応じた形で県の施策を決定いたしました。したがいまして、これは俺に黙ってついて来いというのではなくて皆さんの自主性を尊重すると、そして出てきた決定と私の決定と、これによりまして市長会と町村会並びに県は言わば決定が協働でなされたものですから極めてうまく機能したということでございます。
 こうした中で、市長会と町村会との協力があったからこそ今往来の多い静岡県の中で、もちろん感染者は多くなっておりますけれども、しかし全国と比べますと極めて優れた結果を残しているということでこれはリーダーシップというよりも県民全ての、そしてまた県の市長会、町村会の現場の実情に応じたことで市民、町民のために何をなすべきかを考えているのが市長さん、町長さんでなくてはなりません。そうした現場主義と私の現場主義が相乗効果を発揮した結果であるというふうに思っております。
 そうしたことから、常に市町や地域の実情をしっかり見定めまして現場主義を実践し、全体の方針決定と現場の実情に応じた柔軟かつ適時適切な判断に努めて市町と連携し新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでおるところであり、かけがえのない県民の命を守ってまいります。
 次に、リニア中央新幹線整備における私の政治判断についてであります。
 私は国土審議会委員を二十年余りも務めました。またリニア中央新幹線には長く関わってまいりました。そしてリニア中央新幹線整備の意義は十分に認識している一人であります。現在も推進するべきであるという考えに変わりはありません。
 一方、環境影響評価準備書の中で大井川流域の住民の皆様にとりまして生活や経済活動に欠かせない命の水がございます。それが毎秒二トン失われることを――ルート決定がなされた二〇一一年春のことですけれども――それからしばらくして初めて知った次第であります。命の水を確保し、かつ大井川の水に大きく依存されている地域住民の暮らし、また経済を守るということとともに、この大井川の源泉でありユネスコエコパークに登録され世界に誇る貴重な自然環境、言わば人類の共有財産になっている南アルプスを保全することは私の責務であります。
 平成二十六年三月に、環境影響評価準備書に関する知事意見におきましてトンネル湧水の全量を大井川水系に戻すということを求めました。これは私一人の判断ではなくて地域住民並びに県、英知を集めた意見書であります。貴重な水資源の賦存量の一部であるトンネル湧水の全量戻しは、利水者をはじめとする流域県民の皆様の切実な思いです。このためそれ以降も全量戻しを求め続けてまいりましたが、回答がないまま四年半もの時が空費されました。そして平成三十年十月、ようやくJR東海がトンネル湧水の全量を大井川水系に戻すと表明したところであります。
 これを受けて、県では地質構造・水資源専門部会及び生物多様性専門部会を設けJR東海との対話を開始いたしました。しかしながら昨年八月のJR東海と本県の専門部会委員との意見交換会におきましてJR東海が先進坑がつながるまでの工事期間中、山梨、長野両県へのトンネル湧水が流出し一定期間は水が戻せないことを明らかにし県民一同、私も含めまして驚きました。
 トンネル湧水の全量を大井川水系に戻すことは対話を開始した前提であります。JR東海には守るべき責務がございます。大井川流域住民の皆様は、全量戻しが約束どおり実施されたとしても工事によってどのようなリスクが生じる可能性があり、そのリスク回避に向けてどのような対策をとるのか事業者であるJR東海からの分かりやすい説明と確実な実行を求めておられるのであります。
 議員が御指摘された水は一滴も譲れないということが、なぜ国やJR東海を敵に回すことになるのでしょうか。年間百五十日近く節水を行わなければならないのが現状です。水利用に苦労されている流域市町の皆様にとっては当然の主張であります。流域住民の生活に最低限度必要な水量を確保するというのは、昨年も節水対策を余儀なくされている大井川の水がさらに減少してよいと議員はお考えになっているのですか。もしそのようなお考えであれば私は残念です。
 現在、国土交通省の有識者会議におきまして引き続き対話を要する事項四十七項目のうち水資源に関する議論が行われています。今後有識者会議におきましてリニア中央新幹線整備と大井川の水資源及びユネスコエコパークに登録されている南アルプスの自然環境の保全の両立が科学的に確証された際には、それを基に県の専門部会におきまして全面公開の下でJR東海との対話を進めます。そこで大井川流域市町、利水関係者をはじめ県民の皆様の御理解を得るということが問題解決の着地点であるという考えです。
 県といたしましても、問題解決に向け地元の思いを理解した姿勢と分かりやすい説明をJR東海に求め続け、国土交通省へはJR東海への適切な御指導を頂きたいと思っております。これは合意事項の重要項目の一つとして国土交通省が約束をしたことでもあります。
 このため、先月十三日には国土交通省に静岡県の考察なる一文を提出いたしましてJR東海に対して一般の方が理解できるような説明をするよう改めて御指導をお願いしたところであります。
 リニア中央新幹線整備と大井川の水資源、ユネスコエコパークに登録されている世界に誇る南アルプスの自然環境の保全、これらの両立に向けまして引き続き県議会の皆様の御支援、御協力を頂きながら県民の皆様の不安が払拭されるように全力で取り組んでまいります。
 次に、森の力再生事業ともりづくり県民税の今後についてであります。
 県は、平成十八年度から森林が持つ山地災害の防止や水源の涵養といった公益的機能を持続的に発揮させるため、県民及び企業の皆様にもりづくり県民税を御負担頂き荒廃森林の再生を進めているところであります。また森林環境譲与税の創設後は市町による地域の実情に応じた森林整備も始まりました。県と市町は、それぞれの役割分担を明確にした上で連携協力しながら森林整備を進めているところであります。
 これまで森の力再生事業は順調に進んでおります。第二期計画の中間地点に当たる本年度末には、当初の計画面積の五〇%に相当する約五千六百ヘクタールの整備が予定どおり完了する見込みであります。整備が済んだ箇所では森林内に光が差し込みまして、下草や広葉樹が芽生えるなど森の力の回復が着実に進んでおります。また本年二月に開催した外部有識者等から成る森の力再生事業評価委員会からも、第二期計画のこれまでの成果につきまして当該事業が荒廃森林の解消に効果が高いという評価を頂いております。引き続き計画に基づく事業を推進するべきであるという提言を頂いたところであります。
 このように本事業が着実に成果を上げる一方、議員御指摘のとおり近年各地で集中豪雨の頻発により山地災害のリスクが高まっておりまして、残りの荒廃森林の整備を速やかに完了させることが求められております。
 このため、県といたしましてはその財源としてもりづくり県民税の延長を県民及び企業の皆様に引き続きお願いする必要があると考えております。
 この点に関しまして、本年六月から県民の皆様を対象としたアンケート調査やタウンミーティングを実施いたしました。それとともに県内の市長、町長さん、また経済団体等を訪問いたしまして森の力再生事業に対する評価や今後の荒廃森林の再生についての御意見を伺ってまいりました。
 その結果、県民の皆様や市長さん、町長さん等々から薄暗く怖かった山が明るくなった、荒廃森林はまだ残っているので事業の継続が必要である、事業と税の県民理解を一層図るべきであるといった声が寄せられました。またおおむね九割の皆様から事業の成果について評価できるという御意見と、今後の事業継続と税の負担について御理解を頂いたところであります。
 また、治山をしっかりするということは漁場を守ることでもあります。最近は集中豪雨などによって漁場が荒らされております。そこに材木が流れ込んだりしていると。これは森と海とが関係している、森は海の恋人である、海はまた森の恋人であるということが文字どおり我々の目の前で示されているということでございます。
 こうしたことを総合的に勘案いたしまして、もりづくり県民税の延長に係る条例改正を十二月県議会でお諮りし、来年四月以降も県民の皆様の御理解を賜りながら森の力再生事業に取り組んでまいりたいという考えでございます。
 次に、観光産業の早期回復に向けた取組状況についてであります。
 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、県内観光産業は依然として大変厳しい経営環境に置かれています。このため感染拡大防止策と社会経済活動の両立を図りながら、観光需要の喚起を通じて地域経済を活性化することが重要です。
 県では、観光客が安心して旅行を楽しんでいただけますように感染防止対策を実践する観光関係者等への支援を進めております。そうした中、六月以降国に先駆けてマイクロツーリズムと言われる県内観光促進キャンペーンを第一弾、第二弾と順次展開してまいりました。本県に加え感染状況が落ち着いている山梨県とまずバイ・ふじのくに、そして今、長野、新潟も踏まえましてバイ・山の洲(くに)というようにして順次展開してきたわけでございます。こうして、こうした方たちを対象に宿泊割引事業では延べ四万四千件を超える御利用を頂きました。また同時開催した、県内観光施設を巡り周遊を促進するデジタルカードラリーの参加者数は九千三百人に上りました。こうして市町や観光関係団体等と連携し感染防止対策を踏まえた上で需要回復に最大限取り組んでいるところであります。
 本年五月には、観光庁統計における県内の延べ宿泊客数が前年同期比で一九%まで落ち込んでおりましたが、二か月後の七月には本県宿泊割引事業を運営するインターネット宿泊予約サイト二社を通じた県内延べ宿泊客数が前年同期比七二%まで回復したと。一九%から七二%まで二か月で回復したということでございますが、全県を挙げての取組が一定程度効果を発揮したものと考えております。
 一方、県内の主要な観光施設等の七月の入込客数は前年同月比で六割程度にとどまっております。こうしたことのほか団体旅行の動きが低調であることを踏まえまして、県内観光産業のさらなる回復を図るため県では十月一日から東京都を含む全国を対象とした第三弾の観光促進キャンペーンを展開いたします。バイ・ふじのくにがホップ、バイ・山の洲(くに)がステップ、今回がジャンプであります。
 このキャンペーンでは宿泊割引の対象件数を前回を上回る六万件に拡大して実施するほか、観光施設を巡るデジタルカードラリーに加えまして新たに体験型観光施設等の利用料への助成を開始いたします。さらに教育旅行や団体旅行を促進するための支援制度を新たに創設いたします。また国のゴー・トゥー・トラベル事業との相乗効果を図りながら県内宿泊と周遊を促す取組をより一層強化してまいります。
 県といたしましては、受入れ施設と旅行者の双方の感染防止対策を徹底した上で四季折々の美しい景観、歴史文化、多彩な食材など世界クラスの本県の観光資源を生かした独自の取組を展開するとともに、総合経済対策であるフジノミクス、目下のところは個人消費の喚起に力点を置いておりますが、このフジノミクスにより地域経済交流圏の形成を目指す取組などを通じてこれまで以上に観光需要を喚起することにより一日も早い観光産業の本格回復を実現するべく全力で取り組んでまいります。
 次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック開催に向けた新たな出発についてであります。
 本県では、オリンピック開会日の七月二十三日からパラリンピック閉会日の九月五日までの間を東京二〇二〇大会に向けた新たな出発期間と位置づけまして開催機運を再び高めるとともに、新型コロナウイルス感染症への対応を念頭に、延期による準備期間をチャンスと捉えまして大会成功に向けた新たなるスタートを切るための取組を実施してまいりました。
 この期間中に、自転車競技の会場となる伊豆半島や東部地域におきまして新しい生活様式を取り入れたサイクリングウェブスタンプラリーを実施いたしました。県内外から約一千人もの方々に御参加頂き自転車競技への関心や大会の認知度を高めたところでございます。
 また八月八日には、伊豆ベロドロームにおきまして森喜朗大会組織委員会会長、橋本聖子東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣、伊豆半島や東部地域の各市長さん、町長さん及びボランティアの皆様などに御参加を頂きまして、トラックレース代表内定選手の激励会を開催いたしました。選手やコーチから大会本番に向けた強い意気込みを伺い、開催準備に携わる我々といたしましては改めまして大会の成功に向け万全の体制で取り組む決意を新たにしたところであります。
 安全・安心な大会運営につきましては、消毒の徹底、ソーシャルディスタンスの確保等々新型コロナウイルス感染症対策の着実な実施が不可欠であります。国や大会組織委員会と連携し万全の安全対策を講じて大会運営に当たってまいります。
 開催機運の再醸成につきましては、今後ロードレースやマウンテンバイクなどにつきましても自転車競技代表内定選手の激励会を開催する予定でございます。そのほかSNSや様々なメディアを活用した情報発信にも努めましてさらなる機運醸成に取り組んでまいります。
 観戦客のおもてなしにつきましては、都市ボランティアの皆様に対しまして感染症対策に関する新しい研修を実施いたします。それとともに必要に応じて追加募集も行います。また地域の観光団体等と連携し多言語対応や案内看板の設置等、受入れ環境の整備を推進するなど選手や観戦客の皆様へのおもてなしの充実に向けた取組を着実に進めてまいります。
 本県において開催されるオリンピック・パラリンピック自転車競技が大成功を収める、それこそが世界がコロナウイルスに打ち勝ったあかしになると考えております。
 県といたしましては、こうした強い決意の下で新たな出発を機に大会成功に向けた準備を加速してまいります。
 なお、その他の御質問につきましては副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。

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