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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

良知 駿一 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/01/2022

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 デジタル施策の推進について
(1)ふじのくにDX推進計画
(2)県が取得した3次元点群データの更新
(3)スクールDX推進事業
2 リカレント教育の推進について
3 地域における家庭教育支援について
4 天竜浜名湖鉄道の利用促進について


○副議長(竹内良訓君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、三番 良知駿一君。
       (三番 良知駿一君登壇 拍手)
○三番(良知駿一君) 私は、ふじのくに県民クラブの所属議員として県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に一括質問方式にて質問いたします。
 去る令和二年の第二百三回国会の菅前首相の所信表明演説においてデジタル庁の設置が表明され、令和三年の第二百五回国会の岸田首相の所信表明演説においてはデジタル田園都市国家構想が表明されました。この構想は地方からデジタルの実装を進め地方と都市の差を縮め都市の活力と地方のゆとりの両方を享受できる国家の実現を目指したものです。
 本県においても、次期総合計画ではデジタル社会の形成を一つの柱とし、この構想に呼応する形でデジタルガーデンシティを実現する地として率先して取り組む姿勢を示しました。国・地方一丸となってデジタルの恩恵を享受できる社会の実現を目指していただきたいと思っております。
 そのような期待を込めつつ、最初にデジタル施策の推進についてのうち、ふじのくにDX推進計画について伺います。
 行政と住民をつなぐデジタルデバイスとしてスマートフォンが着目されておりますが、スマートフォンが誕生する前のデジタルデバイスの花形といえばPC  パソコンでした。PCは一九九〇年代前半から本格的に普及し始め一九九五年にはテレビの報道などにも取り上げられたウインドウズ95が発売、インターネットへの接続が浸透し始めました。
 日本においては二〇〇〇年に情報通信技術戦略本部が設置され、IT基本法が制定されて以降e―Japan戦略をはじめとした様々な国家戦略等を掲げインフラ整備、ICT利活用やデータ利活用の推進等を通じてデジタル化を推進してきました。しかしながら、デジタル化の重要性は分かりつつも本格的なデジタル化への動きにはなってこなかったと言わざるを得ません。
 ところが、二〇一九年末頃全世界でコロナ禍に陥り人との接触を避ける流れの中デジタル化の動きが加速しました。デジタル化を進めるという観点では、このようなある種の強制力を持った流れはチャンスと言えます。そして近年はデジタル化をさらに発展させたDX  デジタルトランスフォーメーションの概念が台頭し、行政においてもその概念に基づいた取組が不可欠となってきました。
 DXとは、二〇〇四年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した
「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させる」という概念です。経済産業省のDX推進ガイドラインでは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応しデータとデジタル技術を活用して顧客や社会のニーズを基に製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し競争上の優位性を確立すること」と定義されています。デジタル化と厳密に区別することは難しいですがDXは業務プロセスそのものを変化させてしまうことであり、DXの入り口段階がデジタル化であると考えてよいと思っております。
 私は今まで、委員会等で行政のDXにはUI、UXが重要であると指摘、提言してまいりました。UIとはユーザーインターフェースの略であり、ユーザーとコンピューターの境のことです。具体的にはキーボード、マウス、ディスプレーなどの操作機器やソフトウエアのデザインや入力フォームの位置といった画面設計などシステムの操作方法を指します。UXとはユーザーエクスペリエンスの略であり、ユーザーがシステムを通じて得られた体験のことを言います。優れたUIは高評価のUXとなります。
 つまり、ウェブサイトを通じて何らかの行政手続を行う際にそのサイトがどの順序でどこをクリックし何を入力すればよいか一目で分かる設計となっていればそのサイトは高い評価となり、多くの人に使われることにつながります。行政はシステムが住民やほかの組織からどのように使われるか意識して設計する必要があります。使いにくい道具は使われなくなるということは明らかです。
 県は、平成二十九年度に策定した静岡県高度情報化基本計画に続くふじのくにDX推進計画を三月末に策定すると聞いておりますが、以上の観点を踏まえこの計画においてUI、UXをどのように位置づけどのようにDXに取り組むのか伺います。
 次に、デジタル施策の推進についてのうち、県が取得した三次元点群データの更新について伺います。
 昨年七月に、熱海市伊豆山で発生した土石流災害において災害の規模を推定するために用いられたことにより三次元点群データの存在はより認知されるようになりました。私は県議一年目に建設委員会に配属されたときから本データの有用性に着目しており、昨年六月にはラジオに私と共に担当の職員の方にも一緒に御出演頂いてデータの紹介をしていただきました。
 三次元点群データの有用性はどこにあるのか、私は大きく二つの点で有用性を見いだしています。
 一点目は、このデータが誰もがインターネット等を通じて容易に取得、加工、編集、再配布等ができるよう幾つかのルールに適合する形で公開されたオープンデータであるということです。
 二点目は、このデータは分かりやすく言えば一つの点が緯度、経度、標高の座標値とコンピューター上で色を表す数値で構成されており、その点が複数あるという単純な構成であるという点です。データが単純な構成であるということは余分なデータを持たず応用しやすいことと言えます。これはオープンデータが満たさなければならない機械判読に適した形になっているというルールに適合につながり、伊豆山の土石流災害ではこれらの有用性が発揮されました。
 このように、三次元点群データはオープンデータであったため被災直後に民間企業によって取得されたデータとの比較ができ、単純な構成であったため被災前後の被災地の座標の差分から土砂の流出先や量などを短時間で導き出すことができたのです。
 さて、県は三次元点群データを被災状況の把握だけでなく自動運転による過疎地域への公共交通、社会インフラへの老朽化などの課題に対応するため仮想空間の中に県土を再現するバーチャルシズオカの構築に活用するとしています。今年度中に県全域のデータを取得すると聞いておりますが、データは一度取得すればよいというものではなく用途によっては都度直近のデータが必要となる可能性があります。現在までの取得状況を鑑みるとデータの更新には時間や費用など大きなコストがかかると予想されます。
 県は、バーチャルシズオカの運用に向けて今後三次元点群データの更新をどのように行っていくのか伺います。
 次に、デジタル施策の推進についてのうち、スクールDX推進事業について伺います。
 DXは様々な分野で進められており、学校現場においてもそれは例外ではありません。学校現場のDXの観点としてまずは授業のDX、大きく解釈すると教職員―生徒間、生徒―生徒間のDXがまず思い浮かびます。この点におけるDXへの取組では国のGIGAスクール構想が挙げられます。この構想は一人一台端末によってデジタルを効果的に活用するものです。
 二点目として、学校から家庭への諸連絡、家庭から学校への欠席、遅刻の連絡等家庭―学校間のDXも挙げられます。近年ではメールや専用プラットフォームなどを活用して連絡を行っているケースが多いと聞いております。
 三点目として、教職員の事務的な業務、授業の準備等学校内のDXが挙げられます。
 教職員は多忙であることが知られております。昨年ツイッター上において文部科学省は教師のバトンプロジェクトを展開し教職員のやりがいを現役の教職員に紹介してもらう取組を行いましたが、この取組は逆効果となり教職員の業務が過酷であるというありのままの実態をツイートされ炎上しました。また最近全国的に教職員が不足しているという報道がありましたが、やはり多忙であることが大きく起因しているようです。教職員の業務量削減は急務であり、いかにして教職員がする必要のない業務を削減、自動化するかということが課題であります。
 四点目として、教職員の指導を介さないDXもあります。
 例えば、アダプティブ・ラーニング  適応型学習と言われるAIを活用した学習です。これは従来どおり全員が同じカリキュラムを学ぶのではなく生徒一人一人の理解度や弱点に応じた学習プログラムを提供するものです。アダプティブ・ラーニングを行うためには学習データを蓄積する必要があり、そのデータベースを情報セキュリティーに配慮してどのように設計していくかも課題だと思われます。
 県は、令和四年度当初予算案に七千八百二十万円のスクールDX推進事業費を上げていますが、課題の多い学校現場のDXをどのような手段で進めていくか、所見を伺います。
 次に、リカレント教育の推進について伺います。
 日本においてリカレント教育とは趣味や生きがいのために学ぶいわゆる生涯学習とは異なり、大学等教育機関を卒業し既に一度社会に出た人がスキルアップやキャリアアップまたは再就職を目的に職業上必要な知識・技術を習得するために大学等教育機関で学び直すことを指します。
 日本は長寿命化により働く期間が長期化し、時代の流れにより終身雇用制度が当たり前ではなくなり転職も一般的なものとなり再度新しい知識・技術を習得する機会が必要となってきています。またデジタル技術の進化そしてコロナ禍という状況も手伝いいわゆるデジタル人材の要求が高くなっており、企業としても社員にデジタルに関するスキルを習得してもらいたいという希望があるようです。
 県が実施した有効回収数約二千の令和二年度リカレント教育ニーズ調査によると、リカレント教育の認知度について企業の五九・六%、県民の七八・二%が「名前も聞いたことがない」と回答しており、現在の取組状況については企業の八二・九%、県民の八九%が「現在取り組んでおらず、今後も取り組む予定はない」と回答するなど現状の県民の関心は低いと言えます。
 しかしながら、県のリカレント教育プログラムについて企業には「受講させるか」、県民には「受講するか」という問いに対しては企業の三五・七%、県民の三二・三%が受講させる、受講したいと回答しており、特に県民の十から五十代の現役世代においては過半数近くが「受講したい」と回答するなど現状の関心の低さから見るとニーズは高いのではないかと推測できます。
 リカレント教育で学ばせたい、学びたい分野について多かったものは、企業の回答では情報・IT系の五三・七%が最も高く経済・金融・経営の四〇・七%と続きました。県民の回答では語学の三八・一%が最も高く情報・IT系の三五・四%が続いています。
 このような中、昨年八月県内の産学官の関係者によるリカレント教育の推進に向けた検討会議が発足し二〇二二年度中に県独自のモデルプログラムを整備すると聞いていますが、今後県のリカレント教育をどのように推進していくのか、方向性について伺います。
 次に、地域における家庭教育支援について伺います。
 私事ではございますが昨年九月に初子が産まれました。コロナ禍での誕生であったため親戚などに直接会い相談に乗ってもらう機会に限りがありながらも夫婦でインターネット等を活用し試行錯誤しながら育児に励んでいます。そしてそれは私たちだけではなく多くの保護者が同じ状況であります。
 教育基本法には「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する」とありますが、核家族化や少子化、保護者のライフスタイルや価値観の変化など子育てを取り巻く環境が大きく変化する中、これまで祖父母や地域の人たちと共に行われてきた子供の教育もスタイルが変わり今では多くの保護者が一人で悩みを抱えながら子育てを行っている現状があります。
 保護者が誰にも相談できず孤立することが虐待死やネグレクトなどの要因の一つとなり、痛ましい事例も発生しています。このため子供たちが健やかに成長できるよう社会全体で保護者の孤立を防ぐ家庭教育支援を行っていく必要があると感じています。
 県教育委員会では、これまでも家庭教育支援員の養成や家庭教育のためのワークシート  つながるシートを活用した講座を開催するなど様々な取組を進めていると伺っておりますが、新型コロナウイルス感染症対策によりそれまで行ってきた地域の活動に制限がかかったりPTA活動も縮小されたりなど人とのつながりに制約がかけられてしまうという社会情勢を踏まえその時々に合った柔軟な対応が必要だと考えます。
 そこで、県教育委員会として今後どのように家庭教育支援を進めていくのか、所見を伺います。
 最後に、天竜浜名湖鉄道の利用促進について伺います。
 新型コロナウイルスの感染が県内で初めて確認されてから二年が経過しました。今年に入り感染の第六波が到来し、いまだ収束の見通しがたたず今後の先行きも不透明であることから多くの業種において影響が一段と懸念されます。これは天浜線においても例外ではありません。
 天浜線は、旧二俣線を引き継ぎ県及び周辺市町などが運営する第三セクターとなり昭和六十二年三月に地域鉄道として再スタートしてから今年で三十五年の節目を迎えます。この間少子高齢化の進展やマイカーの普及などにより輸送人員は平成二年度の二百三十四万人のピーク時から令和二年度には百十五万人と半分以下にまで減少し、それとともに旅客運賃収入も減少してきたと聞いております。
 地域の重要な足として朝夕の通勤・通学時間帯は一時間に二、三本、昼間は一時間に一本の列車が運行されていますが、このまま利用者が減り続けると現在の運行本数を維持できなくなりさらに利用者が減少するという負のスパイラルに陥ることが危惧されます。
 こうした状況を打開するために天浜線ではこれまで神社仏閣の御朱印にヒントを得た鉄印帳の販売やテレビ、雑誌、SNSを利用した積極的な広報による周知を行い、また昨年は人気アニメのゆるキャンやシン・エヴァンゲリオン劇場版の舞台となったことを契機とした利用者の拡大に努めてこられました。
 エヴァンゲリオンは私が中学生のときにブームとなったアニメであり、二十五年の時を超えて天浜線の駅舎が取り上げられ劇場版となったこと、そしてラッピング車両になったことは個人的に感慨深いものがあります。現社長になってからも副駅名のネーミングライツスポンサーの募集、クラウドファンディングによる老朽化した施設の改修費用の捻出など新たな旅客外収入の獲得にも非常に努力をされておりますが、やはり鉄道経営は利用促進により旅客収入を増やすことが基本であると考えます。
 この利用促進のための取組は経営を担っている天竜浜名湖鉄道が主体的に行っていくものと承知しておりますが、その中で県はどのように支援していくのか伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(竹内良訓君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 良知駿一議員におかれましてはお子様がお生まれになった由、おめでとうございます。いい子に育つようにお祈り申し上げます。
 良知議員は、ICT、デジタル技術の御専門家としてその質問に関わって新しい知見もいろいろ教えていただきましてありがとうございました。私はそれらではなく、一番最後の天竜浜名湖鉄道の利用促進についての御質問にお答えをいたします。
 天竜浜名湖鉄道は沿線住民の皆様の日常生活の足であり、コロナ禍におきましても年間約二十九億円の地域経済効果をもたらすなど地域になくてはならない宝物であります。しかしながら長期化する新型コロナウイルス感染症の影響に伴い利用者数が減少し経営状況が悪化しておりますことから、県では沿線市町と共に追加支援を行うこととし本議会にお諮りをしているところでございます。
 天竜浜名湖鉄道、県、沿線市町で構成する天竜浜名湖線市町会議では利用者獲得のための様々な取組を進めております。これまで実施しました中には議員御指摘のとおり、アニメエヴァンゲリオンのラッピング列車の運行やフィンランドの人気アパレルブランドであるマリメッコで装飾したスローライフトレインの運行などでは日本全国から多くの皆様に天浜線を御利用頂くことができました。
 今後は、こうした取組に加えコロナ禍で直接来訪できない県内外の皆様にも興味を持っていただけるようバーチャル画像による転車台や扇形の扇形車庫を訪れる疑似体験ができるサイトを新設いたします。それとともにコロナ収束後を見据えて新たな旅行商品を企画し広く情報発信してまいります。また天浜線を将来にわたり守り育てていただけるように引き続き沿線にお住まいの小学校低学のお子様に一日無料切符の配付を行い、家族と御一緒に利用していただくことにより地域で天浜線を支える意識の醸成を図ってまいります。
 先月一月十六日、三ケ日町のJAみっかびの南側の大駐車場で天浜線マルシェが行われまして私もそこに参りまして、この沿線の地場産品などをPRかつ販売されて大変なにぎわいでございました。この多くの来場者があって大変好評を博したところでございます。今後開催する天浜線マルシェでは今回のような地元だけではなくてもともと予定されておりました  山梨県、長野県からもお越しになる予定だったんですけれどもあのときは感染症でできなかったわけですが  これから山梨県や長野県などからの出店も見込まれておりまして、本県が推進するバイ・山の洲くにと連携していくことで利用者の拡大と地域の活性化につなげてまいろうと思っております。
 日本の原風景を走る天浜線でございます。地域の皆様にいつまでも愛され、さらには情報発信やイベント開催を通して全国からの観光客にも楽しんでいただけるよう引き続き沿線市町と連携し利用促進に努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(竹内良訓君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) リカレント教育の推進についてお答えいたします。
 これからの社会はSociety5.0の進展、労働雇用環境の変化など社会経済構造の在り方が根本から変わり、あわせて社会人に求められるスキルも急激に変化していくことが想定されております。県では社会人を対象とした学び直し、キャリアアップを図る新たな仕組みを構築するため私を座長とするリカレント教育検討会議を昨年八月に立ち上げたところであります。
 リカレント教育に対するニーズは高いものの認知度は低いという現状を踏まえますと、まずは県が中心となってモデルプログラムの検討と構築を進め関係者の意識醸成を図りながら全県的な展開につなげていくことが有効であるというふうに考えております。検討会議には教育を提供していただく大学関係者に加え経済団体の代表や企業関係者にも参画頂き、産業界が求める人材像と必要とされる教育プログラムについて議論を重ねております。
 具体的には、社会経済情勢のさらなる変化が見込まれる二〇三〇年を見据えデジタル化や脱炭素化を見据えたICTや環境の知見が必要、社会経済情勢の変化にも柔軟に対応できる構想力や発想力などを高めることが重要、DXを推進する人材不足が懸念される中小企業へのアプローチが必要等々プログラム策定に向けた貴重な御意見を頂いております。また県民の皆様への学び直しへの関心を実践につなげていくためには働きながら無理なく継続的に学ぶことができる受講環境を整えていくことも重要であります。コロナ禍で急速に普及したデジタル技術を活用するなど地理的、時間的な制約を超える工夫が必要であると御意見も頂いております。
 今月十日には、第三回目となる検討会議を開催しこれまでの検討会議の議論も踏まえ目指すべきリカレント教育の方向性を取りまとめてまいります。来年度には大学の教員や企業等の実務者から成る作業部会を設置し、企業規模や受講者の職位などのターゲットに応じた教育内容の具体的な検討を進め令和五年度のプログラム提供に向けた取組を進めてまいります。
 今後の急激な社会変革を見据え県内産業の持続的な成長を担う人材を育成するため、学び直しと就業が両立する環境の整備に向け産学官一体の取組をスピード感を持って進めてまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 山口デジタル戦略担当部長。
○デジタル戦略担当部長(山口武史君) デジタル施策の推進のうち、ふじのくにDX推進計画についてお答えします。
 県では、現在策定中のふじのくにDX推進計画において誰にも優しく、誰もが便利に、安全・安心、そして豊かにを基本理念に掲げデジタル技術の活用により本県全体に恩恵をもたらすDXの方向性を定めております。
 理念の誰もが便利にでは、デジタル化の利便性を実感できる機会の創出として誰にも分かりやすい仕組みの構築を掲げております。また計画におけるデジタル化の推進に必要なデバイド対策として利用者視点でのUI、UXの改善を挙げております。
 今年度、デジタル戦略顧問団から意見を頂き電子申請サービスをより操作しやすいものに更新したところであります。また来年度の県ホームページの改修に向け部局横断のグループを設け、広報アドバイザーの意見を頂きながら見やすさや検索のしやすさの向上を図るためトップページのデザインやサイト構成の見直しの検討を始めております。
 県といたしましては、専門家の知見を活用するとともに民間企業における先進事例なども参考とし、さらには利用者となる県民の皆様の御意見も取り入れ誰もが便利に使えるサービスの提供を常に意識したDXを推進してまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 和田交通基盤部長。
○交通基盤部長(和田直隆君) デジタル施策の推進についてのうち、県が取得した三次元点群データの更新についてお答えいたします。
 県では、令和元年度に伊豆地域及び東部地域から三次元点群データの取得を開始し今年度末には県土のほぼ全域についてデータの取得を完了いたします。また取得した点群データは仮想空間上に再現した県土  バーチャルシズオカとして公開しております。
 熱海市伊豆山における土石流災害の初動対応では、公開された点群データを産学官が連携して解析することにより被災の状況や規模を速やかに把握することができその有効性が確認されました。またこの取組を契機として国や東京都においても点群データを取得する動きが見られるなど全国的な広がりを見せております。現在県が実施する公共工事では工事後に地形の点群データを取得しデータを更新しております。
 一方で、点群データは自動運転用地図としても利用されるため安全な走行に必要となる最新のデータが求められます。また災害時に活用するためには定期的な更新により被災前の状態を把握しておくことが必要となります。データの更新は本県だけでなく全国的な課題であり、国土全体のデータ取得や更新が進むよう国に働きかけを行ってまいります。
 県といたしましては、安全・安心な県民生活の実現や都市活動の高度化に大きな役割を果たす三次元点群データが適切に更新されさらなる活用が進むよう積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) デジタル施策の推進についてのうち、スクールDX推進事業についてお答えいたします。
 これまで、県立学校では教員と生徒の間でグーグルクラスルームなどを活用した学習履歴を管理するラーニングマネジメントシステムをはじめ家庭と学校の間の連絡・情報共有、学校内の業務においてDXにつながるサービスやシステムを試験的に導入してまいりました。
 また、令和四年度から導入される教科情報Tに向けて県立高校十一校においてアダプティブ・ラーニングに対応した教材を活用しクラウド上のデータベースに生徒の学習計画や履歴、理解度などの情報を蓄積させAIによって効果的な学習を提案していく実証研究を行っているところであります。こうした取組をさらに加速するため既存の成績管理システム等と国が開発しているラーニングマネジメントシステムとの連動をはじめ学習指導や校務、働き方の改革を一体的に進めるプラットフォームの在り方について検討を進めるため本議会でお諮りしている令和四年度当初予算案にスクールDX推進事業費を盛り込んだところであります。
 また、DXの最前線となる県立学校が令和四年度から始まるBYODに基づく一人一台体制による学習指導へとスムーズに移行できるようGIGAスクール運営支援センターを設置するとともに、総合教育センターを中心に研修等を通じて教員のICT活用指導力の向上を図ってまいります。
 県教育委員会といたしましては、GIGAスクール構想を契機に大きな潮流となっているこの機を捉えて情報セキュリティーに十分配慮しながら学校現場のDXを強力に推進し、教育における新たな価値の創造に努めてまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 長澤教育部長。
○教育部長(長澤由哉君) 地域における家庭教育支援についてお答えいたします。
 家庭教育は全ての教育の原点であり、子供たちの健やかな成長に向けて時代に対応した保護者の学びを社会全体で支援していくことが必要であります。
 このため、実態調査により家庭のニーズや子育てを取り巻く環境変化を把握するとともに、有識者や家庭教育支援員等の御意見を伺った上で保護者同士のつながりや学びの機会を提供し孤立化を防ぎ悩みや不安の軽減を図る取組を進めております。
 具体的には、交流型の家庭教育講座で使用するつながるシートについてより身近で共感の得られるテーマや内容への改定を行うほか、学校行事の縮小やコロナ禍により園や学校で保護者の集まる機会が減少していることから今後ズームなど自宅からでも気軽に参加できるオンラインでの家庭教育講座の開催も支援してまいります。
 さらに、新たにパパママ寺子屋事業として市町の保健・福祉機関や民生・児童委員などとの連携を図り公民館や福祉施設、企業など地域の中で保護者が共に学びつながりを感じられる場づくりを進めてまいります。
 県教育委員会といたしましては、今後とも市町や関係機関と協力し社会総がかりで保護者に寄り添い様々な学びの機会を届ける家庭教育支援をより一層推進してまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 良知駿一君。
       (三番 良知駿一君登壇)
○三番(良知駿一君) それぞれ御答弁頂きましてありがとうございました。
 知事におかれましては、お祝いのお言葉を頂戴しまして誠にありがとうございます。
 さて、一点まず意見要望を申し上げます。
 スクールDX推進事業についてであります。
 先ほどの御答弁でもプラットフォームのお話がありましたけれども、私が聞いているところでも校務に関連するシステム等がですね、市町の教育委員会や学校ですかね、それぞれの事情に合わせたものを導入しているというふうに伺っておりますが、そのデジタル化の基本はやはりプラットフォームの統一というところなのでその特段な事情が本当にあるかどうか、そういったところをちょっと精査していただいてできる限り統一されたプラットフォームを導入していくというところに努めていただきたいというふうに思います。
 一点、再質問をさせていただきます。
 ふじのくにDX推進計画について質問します。
 先ほどの御答弁の中でも、推進計画の中でUI、UXの重要性というところに触れられたというところで、今までのそのデジタル化の流れの中でデジタル化というのは要求された機能がどのように実装されてそのシステムを人間がどう使うかというところでシステムが上にあって下に人がいるというような流れだったんですけれども、昨今のDXの流れで言うと人のその行動の原理原則に基づいてシステムをどう実装していくかと。人が上に立ってシステムが下にあるというその逆の流れになっていくというところがあるのかなというふうに思っておりまして、先ほど御答弁の中でもありましたデジタル戦略顧問団の中に、顧問の先生方どういったところが専門なのかというところを私もチェックをいたしましてそれぞれ専門ではデータベースであるとか教育工学とかありますけれども、人の視点からシステムをどう見ているかと、そういった例えば人間工学であるとか認知工学の立場を専門としている先生というか顧問の民間の方でも結構なんですけれどもいないというところで、この人間の立場に立ったDXを進めていく中でちょっとなかなかこの体制では厳しいのかなというふうに思っておりますが、この計画を推進するに当たってどういう体制で今後進めていくのか聞かせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○副議長(竹内良訓君) 山口デジタル戦略担当部長。
○デジタル戦略担当部長(山口武史君) 再質問のUI、UXを取り入れた施策の推進ということに関して、どういう知見を持った方々を取り入れながらやっていくのかということに対してお答えいたします。
 現在、デジタル顧問団の顧問は大学や企業に所属している方、七名います。専門分野は先生が言われたとおり多岐にわたっておりまして、経営情報システムや産業システム、防災情報システムなど多岐にわたっています。そのうち三菱総合研究所の村上顧問はユニバーサルデザインを専門分野としておりますので、UIにとってそういうユニバーサルデザインという視点から必要な御助言は頂けると思っております。
 また、小西顧問は静岡大学の情報学部の副学部長でありまして、就任当初から小西顧問の人脈を通じて様々な分野の専門家を紹介していただけるという体制を取っています。確かに七人おりますが、様々な分野でありますがそういう分野じゃないところの知見というのも活用するときに小西先生の人脈をお願いしているというところでございます。
 現在県ではホームページの改修をやっているわけですが、その改修に向けてはインターネットサービスプロバイダーの代表でウェブアクセシビリティーが専門の清家広報アドバイザーなどの御意見も頂いております。
 県といたしましては利用者からの意見をしっかり聞くという姿勢はもちろんです。デジタル顧問団や広報アドバイザーなどの専門家に加えてそれらの方々の人脈もフルに活用してですね、そういう体制を取ることで常に利用者目線に立ったUI、UXを取り入れたデジタル施策の推進を図ってまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) これで良知駿一君の質問は終わりました。(拍手)

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