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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年12月静岡県議会定例会

平賀 高成 議員(日本共産党静岡県議会議員団)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:12/07/2016番目)
答 弁 者知事


○知事(川勝平太君) 平賀議員にお答えいたします。
 リニア中央新幹線の整備による環境への影響についてであります。
 平賀議員並びに日本共産党はリニア中央新幹線の整備、御反対の立場のようでありますが、私は賛成の立場であります。
 その理由の一つは、これが県に好影響を及ぼすということでございます。平成二十三年五月に交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会中央新幹線小委員会の最終報告が出ました。その中に東海道新幹線の輸送形態の転換と沿岸都市群の再発展といたしまして、現在「のぞみ」型が停車しない駅における東海道新幹線の利用機会を増加させるほか新駅の設置の可能性も生じ、東海道新幹線の利用者の利便性向上及び東海道新幹線沿線地域の活性化に寄与することが期待されると明確にうたわれているからであります。現在既存の新幹線は本県六駅ございますけれども「のぞみ」はとまりませんし、「ひかり」は一時間に二本、「こだま」も二本ということで多くの方々が不便をかこっておられるのは御承知のとおりであります。しかしリニア新幹線ができますとこのダイヤが変わりまして本県にメリットがあると、メリットを創出するべきであると明確にうたわれているからであります。
 しかしながら、議員御指摘の環境への影響ということに関しまして、特に水環境、流量が減少する、あるいは生態系に悪影響があるといったときには断固反対いたします。実際この既存の新幹線の新駅建設以外に静岡県に何のメリットもありません。
 先ほど平賀議員は、この南アルプスにつくられるトンネルにかかわる懸念を現在中部横断自動車道におけるこの工事の延期についてそれを例に出して言われました。なるほど議員の言われるように三十トンネル中十八トンネルで崩落、断面変形六トンネル、湧水発生五トンネル、重金属二十一トンネルというふうにこう並べられますと工事の延期は当然であるかのごとくに聞こえますけれども、しかしながら一つ一つ見ていくということが大切です。
 実際、ことしの二月十九日段階、私は現場を視察しておりまして、その中日本株式会社からはこうした懸念は何一つとして――社長も御一緒でした――表明されておりません。ところが七月十九日に樽峠トンネルにおきましてその切り羽の崩落が生じたと、七月十九日のことです。それから九月、十月に断面変形が生じたということでございました。樽峠は四千九百九十九メートルございましてその中部横断自動車道の中で最も長いものです。
 このトンネル、どのぐらいのものができ上がっているかといいますと山梨県側は二千三百七十二メートル全部でき上がってるんです。そして静岡県側は二千六百二十七メートルのうち二千二十一メートルができ上がってるんです。あとは六百七メートルしかないんです。その六百七メートルの中で断面変形が生じたところはもう直されています。そして六百七メートルのところでのその工事は、今までは月大体百メートル進むということでございましたけれどもこの壁面を強化する等々のことで工事の進捗がおくれます。どのぐらいできるかというと一月五十メートルなわけです。五十メートル――実質は五十二メートルというふうに計算上はされていますが、じゃあ六百七メートルを五十で割るとどうでしょうか。十二カ月です。ですから十一月三十日の段階で、つまり一週間ほど前の段階で六百七メートルしか残されていないんですね。これ五十メートルで掘れば、来年の十二月にはもうできてるんです。
 同じように、例えば森山トンネルには重金属となっていまして、これはこの間見に行きました。つい先週の金曜日のことです。この重金属の置き場も見てきました。そして重金属を運ぶそのトラックの台数も旧来一日二百台だったのをこれを二倍にするということになっておりまして昼夜兼行でこれをすると、処分は清水港から名古屋に運ぶということでこの問題もクリアされているわけです。ですから一つ一つやっていきますとクリアできる。
 ただですね、議員御指摘のとおりこの樽峠というのは八百メートルほどの標高です。そこでたまたまあと六百メートルのところでこうした崩落が起こったということだけで一年や二年の延期ということが言われている。しかしながら南アルプスというのはこれは三千メートルでありますから、しかも一年間に四ミリメートル隆起するという世界で最も動きの活発なところでございます。したがいましてこの予想をはるかに超える難工事というものを想定するべきです。
 例えば、飛騨トンネル、あと三百メートルのところで軟弱土質にぶち当たりまして、また物すごい湧水で、ついにトンネルボーリングマシンと――TBMと言われるものですね、直径十二メートルのものでざーっとくり抜いていって周りをコンクリートで固めていくものでありますが、それが押しつぶされてしまって出せなくなったんですね。そうしたことはそのときの土かぶりといいますか、そのトンネルから飛騨山脈のトンネルの上のところまで千メートルの土かぶりだったわけです。それがたまたま悪質な地質になるとそういうことも起こり得るわけですね。ましてやこれが水環境に与える影響というのは十分に想定されるべきで、大井川の水には静岡県下三百七十万のうち六人に一人が依存しているわけでありますから、ここにそうした悪影響が出たときは断固反対しなくてはならない。しかしそのことは中央新幹線――リニア新幹線に反対することと直結しません。別のルートをとればいいわけです。
 例えば長野県は松本空港があります。松本空港の下にリニア新幹線ができたらどうでしょうか。とても便利になりますね。そうしたことを提案しつつリニア新幹線は日本にとって必要であります。同時にですね、これを静岡県のためにも生かすと、また日本のためにも生かすと、そしてまた日本のこういうインフラは今、輸出産業にもなっております。ですから私は地質構造のわかっている関東ローム層からまず二〇二〇年まで掘り進めればよろしいというふうに言っておりまして、十分ほどで品川から甲府まで時速六百キロですから乗れるわけですね。こうしたことの効果というものを勘案しつつこの真ん中の南アルプスについては慎重であるべきだと。そしてもし悪影響が出れば断固先頭に立って反対するという覚悟でおります。
 ともあれ、静岡県自然環境保全条例に基づく県とJR東海との自然環境保全協定の締結や水資源にかかわる流量減少対策などを引き続き要請してまいりますし、もしものときには私も断固として態度を明確にしたいと思っております。
 今後も、静岡県中央新幹線対策本部等において調査結果を確認するとともに、必要に応じて今申しましたような意見を述べまして、関係市町とも連携し環境への影響を回避するよう断固たる決意を持ってJR東海に対して臨んでまいります。
 例えば隣の早川町などは、これは千載一遇のチャンスとして――早川町、御存じですか――国道五十二号線を真っすぐ上がりますと甲府に参りますが、その途中で身延のところから左に折れますと早川という川沿いにどんつきが奈良田というところです。そこから今度甲府に行こうと思うともとに戻らねばなりません。そこからトンネルを五十キロ掘れば、道を五十キロつくれば甲府にそのまま出られるんです。その工事をJR東海と県とが一緒にやります。その結果早川町はぐるっと回れるこのサークルの一環になるわけですね。そうしたような試みが全くなされないまま、我々に全くメリットのないままに工事が進められようとしていると。しかも一県に一駅ということがもともとうたわれていたにもかかわらず突然本県を通るということが発表され、しかも私は発表されたこの月に見に行きました。まさにその二軒小屋の真下のところです。そこを通るわけです。千五百メートルですね。そこのところを通るわけですから上は三千メートルです。ですからこの問題の深刻性というのは誰よりも認識しているつもりであります。
 なお、その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を申し上げます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

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