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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

大池 幸男 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/25/2015

会派名:

ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 空港周辺市町に対する新たな地域振興策への期待について      
2 新幹線空港新駅の設置について                  
3 茶の都の拠点について                      
4 航空機産業の育成支援について                  
5 オリーブの生産振興について                   
6 大井川鉄道の利用促進について                  
7 農業用水を利用した小水力発電の導入促進について         
8 県立島田高校の移転について


○議長(多家一彦君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、三十五番 大池幸男君。
       (三十五番 大池幸男君登壇 拍手)
○三十五番(大池幸男君) 私はふじのくに県議団の所属議員といたしまして通告に従いまして、知事並びに関係部局長、そして教育長に一括質問方式で伺います。
 初めに、空港周辺市町に対する新たな地域振興策への期待についてであります。
 これまでの隣接地域振興事業費助成制度では、空港の建設に伴い航空機の騒音の発生や居住環境や自然環境の変化などによりさまざまな影響が予想されたため、これらの影響を軽減し空港と地域の調和ある発展を図ることを目的として地域の道路の改良、河川の改修、集会所の建設や農業基盤整備などに活用されたと認識をしております。制度創設から二十年が過ぎましたが、空港周辺地域の振興は今まで以上に必要であると私は考えております。県の総合計画においても、空港周辺地域は自然空間と空港等の都市空間が調和する空港ティーガーデンシティとして一体感のある地域づくりを促進していくとされております。
 こうした中、県が来年度から新たに創設する空港隣接地域賑わい空間創生事業は、従来から対象としている生活基盤整備事業などに加え、空港の利活用促進に資する集客施設や空港周辺ににぎわいを創生する施設の整備や空港ティーガーデンシティ構想を具現化するための整備事業なども含めて対象とすると伺っております。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催や空港の防災拠点化構想、さらには新幹線新駅の設置の動きもある中、今後地域振興策の一端を担う新たな助成制度には大いに期待をしております。
 そこで、新たな地域振興策に対する県の御所見を伺います。
 次に、新幹線空港新駅の設置についてであります。
 富士山静岡空港の開港から五年余りが経過いたしました。県では昨年策定した総合計画後期アクションプランにおいて、平成二十九年度に年間利用者を七十万人とする目標を掲げております。富士山静岡空港を世界水準の魅力的な空港に育て多くの方々に利用していただくためには、新規路線の開設や空港運用時間の延長などさまざまな取り組みを継続して進めていくことも必要でありますが、空港利用者の利便性を飛躍的に高める新幹線新駅の早期設置も県の重要な施策として積極的に進めていかなければならないと考えております。しかしながらこれまでも本会議の場で取り上げられてきたとおり、肝心かなめの事業者であるJR東海が輸送能力の低下や採算性などを理由に新駅設置に否定的な見解を崩しておりません。
 このような中、県は九月補正予算において新幹線新駅関連施設の検討を開始したほか、来年度以降のさらなる取り組みに向け組織体制の強化を図るなど早期設置に向けた県の取り組みを大いに評価をしておるところでございます。さらに先日行われました富士山静岡空港と地域開発をすすめる会の新春会員交流会の席で、川勝知事は改めて二〇二〇年に新幹線新駅の供用開始を目指すと力強い決意を述べられ、地元としても新駅の実現に大いに期待を持ったところでございます。今後地方創生に向けた取り組みが全国レベルで加速していく中、新幹線新駅が実現すれば空港周辺地域には空港や新駅を核とした、まさに地方創生のモデルとして県が提唱する空港ティーガーデンシティとしての魅力的な地域づくりが進んでいくものと思います。
そこで、JR東海との協議を含め実現に向けたさらなる取り組みを期待しておりますが、早期設置に向け県は今後どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
 次に、茶の都の拠点について伺います。
 本県は、古くからお茶の産地として発展してまいりました。明治維新後は牧之原台地を中心に茶の生産が拡大し日本一の茶産地となりました。茶は本県にとって農業だけでなく地域経済を担う重要な品目となっております。しかし近年、生活様式の多様化などにより国内の茶の消費は減退しており、総務省が行っている家計調査でも緑茶の一世帯当たりの年間購入額はこの十年間で六千百円から四千三百円へと減少しております。都市別データでは全国の都道府県庁所在地と政令市のうち静岡市と浜松市の緑茶購入額は一位と二位と高い位置にありますが、やはり減少傾向にあります。
 茶は、単なる飲み物ではなく高い精神性を持った文化と結びついており、また健康に寄与する機能を有しております。今後お茶の需要を拡大していくためにはこのようなお茶にかかわるさまざまな情報を発信していくことが重要ではないでしょうか。県は昨年十一月に茶の都しずおか推進会議の有識者から島田市お茶の郷を県が運営し活用することが最適との意見を受け、今後島田市お茶の郷を取得し拠点として位置づけていくこととしております。
 島田市お茶の郷は、世界各国のお茶を紹介した博物館、本格的な茶室及び日本庭園を備える総合的な施設であります。年間約十七万人の来場者もございます。この施設を世界に冠たるお茶の拠点としてお茶に関する情報発信をしていくことが望ましいと考えますが、県がお茶の郷を拠点として位置づけた理由と、今後どのような施設としてどのような機能を発揮させていく計画なのかお伺いをいたします。
 次に、航空機産業の育成支援について伺います。
 現在、世界の航空機産業は約二十五兆円の規模の市場でありますが、二十年後には現在の約二倍となる約三万七千機の旅客機の需要が見込まれております。今後の成長が大いに期待される産業であります。日本では昨年十月、三菱航空機が開発を進めている国産初の小型ジェット機MRJの試験飛行用の実機が初公開されました。MRJは、かつて国家プロジェクトとして開発されたプロペラ機YS11以来半世紀ぶりの国産旅客機であり、日本の航空機ファンにとっては特に感慨深く期待も大きいものであります。このMRJについては既にANAやJALなどが導入を決定しており、三菱航空機の発表によれば日本や北米などの航空会社からこれまでに四百機を超える受注が入っているとのことであります。
 航空機は自動車の約百倍とも言われる三百万点もの部品で構成され、関連産業の裾野も広いことから大変魅力的な分野でありますが、一方で極めて高い安全性への対応が求められるなど高度な技術を必要とする分野であります。昨年十月、三菱航空機の江川会長の講演を拝聴いたしましたが、日本のものづくりの真価は他国がまねできない、すぐれた技術を結集した製品づくりであり、その端的な事例として航空機産業を挙げられておりました。まさに新たな成長産業として航空機産業の育成が必要だと実感をしたところであります。
 また、昨年県議会産業委員会では、航空機部品の共同受注体の設立を目指す企業を視察をさせていただきました。溶接や切削の個々の企業の技術を持ち寄って、共同体として単工程ではなく部品、ユニット単位で受注を目指していくとのことでございました。既に県におきましては航空機産業を成長分野の一つとして位置づけ、このような地域企業の取り組みを支援していると承知しております。
 ものづくり県である本県は、高い技術を有するさまざまな分野の企業が立地しており、また航空機の開発時に必要となる試験飛行には欠かすことのできない空港も整備されております。こうした地の利を生かしてさらなる航空機産業の育成に取り組むべきと考えますが、今後具体的にどのような支援に取り組んでいくのかお伺いをいたします。
 次に、オリーブの生産振興についてであります。
 県議会産業委員会の視察で昨年十月に福岡県を訪問し、創業支援や六次産業化などの先進事例を調査をさせていただきました。その中で、オリーブの生産振興に取り組む一般社団法人九州オリーブ普及協会と久山町オリーブ農園の二つの取り組みを調査してまいりました。
 オリーブ普及協会は、九州を東洋一のオリーブアイランドにをスローガンに苗木の選定、栽培指導、商品化や販売のアドバイスなどを一体的に行い、九州各地で栽培普及に取り組んでおり、発足後五年という短期間で面積を十三倍に拡大しておりました。協会員である生産者団体が収穫した果実は協会の関連会社で加工し、生産団体が販売しておりました。また加工量の増加に伴い新たな加工機を増設したほか、生産団体で販売し切れない製品につきましては関連会社で販売を始めるなど着実に取り組みが広がっているという印象を持ってまいりました。
 また、久山町では食からの健康づくりを目的にオリーブの試験栽培に取り組んでおり、将来的には高齢者の就労の場の創出につなげ地域の活性化を目指すと聞いております。産業の成長とあわせて町民の健康づくりの一環として取り組んでおり、オリーブが地域産業の創出とともに住民生活の向上にも寄与する可能性を持った作物であると実感したところであります。
 今回の調査により、オリーブは水はけがよければ比較的栽培場所を選ばないことや加工施設の整備が茶業ほどかからないこと、生産から加工販売まで一体的に取り組むことができ利益が生まれることなどがわかりました。本県の農業の主力である茶業と作業形態が共通するところがあり茶を補完する作物としても有望であることから、近年私の地元でございます島田においてもオリーブを導入する動きがあり、その可能性を感じております。
 そこで、本県におけるオリーブの栽培の現状と今後の生産振興について、県の所見をお伺いいたします。
 次に、大井川鉄道の利用促進についてであります。
 大井川鉄道は、沿線住民の日常生活の足として、また奥大井地区への観光など地域の振興やまちづくりに欠かせない交通手段であります。しかし沿線地域の少子高齢化に伴う人口減少、さらに東日本大震災を契機とした個人観光客及び団体バスツアー客の大幅な減少により収益性が著しく悪化し、厳しい経営環境に置かれたため、昨年のダイヤ改正において新たな収支改善策として列車の運行本数を上下線とも大幅に減便したところであります。これに対して沿線住民からは、日常生活の足として、また観光客の利便性の確保などのため減便の回復を求める要望が上げられております。
 このような中、昨年七月から十月に期間限定で実施されました、リアルきかんしゃトーマスの運行により沿線地域は多くの観光客でにぎわい、SL列車の乗車人数も増加していると伺っております。また南アルプスがユネスコエコパークに登録されたことから奥大井地域への交通手段である大井川鉄道の役割もますます重要なものとなってきていると思われます。こうした鉄道を活用した交流人口の拡大を契機とし、引き続き観光も含めた利用者の増加により地域の活性化を図ることが列車の運行本数の減便を回復させ、利便性の高い鉄道となることにつながっていくと考えております。
 そこで、地域の公共交通を維持する観点から大井川鉄道の利用促進策についてどのように考えるか、県の所見を伺います。
 次に、農業用水を利用した小水力発電の導入促進についてであります。
 県のふじのくに新エネルギー等導入倍増プランの進捗状況によりますと、平成二十五年度末までの県内の新エネルギーの導入率は七・八%で、太陽光発電の急速な拡大により新エネルギーの導入が全体としては着実に推移しているところでありますが、エネルギー別に見ますと小水力発電の導入拡大がおくれている状況も明らかになっております。
 本県が有する豊かな自然資源を生かし小規模分散型のエネルギー体系への構築を図るためには、さまざまなエネルギーの導入が重要であり、とりわけ本県の豊富な水資源を利用した農業用水路での小水力発電は天候に左右されにくく年間を通じて安定した発電が可能であることから、さらに導入の拡大が必要であると私は考えております。こうした中、行政による小水力発電の導入は私の地元であります島田市の伊太において、国営事業により県内初となります農業用水を利用した小水力発電所が一昨年建設され運用が開始されております。また同じ大井川用水では現在、県営事業により三カ所の小水力発電所の建設が進んでおります。一方で幾つかの県内企業等がさまざまな工夫を凝らし製品化を目指した実証実験を行っているものの、事業化までは至っておりません。
 農業用水を利用した小水力発電は、民間企業や地域での施設導入の取り組みが進むことによりその裾野が広がり、新たな地域産業の育成や、さらには地域振興につながると考えております。そのため豊かな水量を有する農業用水のポテンシャルを十分に生かした民間や地域での小水力発電の導入促進が重要と考えておりますが、今後の県の取り組みについて伺います。
 次に、県立島田高校の移転についてであります。
 島田高校は大正八年、島田実科高等学校として開校し、昭和二十三年に新制島田高等学校創立に伴い男女共学化した九十年を超える歴史を持つ学校であります。希望・友情・努力を校訓とし、二万一千人の卒業生は地域のリーダーとして活躍しております。現役の生徒も陸上部の女子は二年連続県で優勝し全国高等学校駅伝競走大会に出場をしております。また男子は県で二位になるほどの近年目覚ましい活躍をしております。また学校の場所が大井川の土手に近いことから、地域の人々からは土手高の愛称で親しまれている学校でもあります。そのような島田高校では昭和の終わりから平成の初めごろは千人を超える生徒が学んでおりましたが、しかしながら全国的な少子化の波には逆らえず現在は七百人程度の高校生の学びやになっております。また校舎も昭和四十年代半ばに建設された建物で老朽化が進んでいる感がございます。最近は学校を訪れるたびに昔のイメージがなくなってきておりまして、大変残念に感じております。
 そのような状況の中で、島田駅の南にある工場が五年ほどをめどに売却を考えているという話があります。この工場は敷地が一万五千坪ほどで、駅から歩いて三分ほどの至便な場所にあります。島田市民からは、その跡に何ができるのか心配している声も聞こえてまいります。マンションができるのは困ると言う市民もいらっしゃいます。せっかくの広大な土地でございますので市の再整備にも重要な土地になると考えておりますが、まちをどのように整備していくというのは市が考えることではございますが、今のところ島田市として利活用の計画を持っているという情報は聞いておりません。
 そこで、この土地に島田高校を移転整備してはどうでしょうか。老朽化した校舎の解消や生徒の通学条件の改善となることに加え地域の町並みの再整備にもつながり、駅周辺も高校生の往来にてにぎわいを増すことになると思います。
 老朽化した島田高校を島田駅近くへ整備することに対しまして、教育長の所見をお伺いをいたします。以上、答弁を求めます。(拍手)
○議長(多家一彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 大池議員にお答えいたします。
 新幹線空港新駅の設置についてであります。
 この件に関連しまして、昨年三月二十八日、中央防災会議が南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に基づき南海トラフ地震防災対策推進基本計画を御決定になりました。そこに富士山静岡空港が、災害時に国等の広域応援の拠点となる大規模な広域防災拠点として資料の中に示されたわけでございます。
 それから四カ月後、昨年七月に国交省の首都圏空港機能強化技術検討小委員会が中間取りまとめをされまして、そこに「富士山静岡空港は東京都心から約百七十キロメートルと距離が離れているものの、空港利用者全体の約一割が東京・神奈川方面に向かう旅行者であると推測されるとの静岡県実施の調査結果もあり、首都圏の航空需要の一部の受け皿となるポテンシャルを有している」というふうにうたわれているわけでございます。
 こうしたことで、静岡県といたしましては新幹線空港新駅の設置に踏み切るということでございます。それは富士山静岡空港のアクセス強化につながるだけではありませんで、富士山静岡空港が首都圏空港の補完機能を果たすということと同時に防災拠点としての機能の向上に大きく寄与するからであります。本県はもとより国家的見地からも重要な社会的基盤であるという認識に立って、その実現に向けて積極的に取り組む必要があります。
 目標年次は二〇二〇年であります。何となればその年に東京オリンピック・パラリンピックが開催され航空需要の増加が見込まれるからであります。現在、空港ターミナルビルと駅舎を結ぶ連絡通路や駅前広場の概略検討を進めているところであります。来年度はこうした新駅の技術的な検討を深めていくため測量及び地質調査を行うとともに、トンネル工学や地盤工学、鉄道工学の有識者から成る技術検討委員会を開催する経費を本議会にお諮りしているところであり、この委員会からの技術的な御助言を賜って新駅の位置や構造を県みずから検討することとしております。こうした新駅の技術的な検討結果に加え空港や新駅を核とした、ふじのくにの玄関口にふさわしいティーガーデンシティとしてのまちづくりの将来像を事業者であるJR東海に示し、早期の新駅実現に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。
 この設置に向けた動きに対しましては、オリンピックの組織委員長であります森元総理閣下の御助言、さらにまた太田国交大臣の御理解というのがあったことを感謝を持って申し添えるものであります。
 次に、茶の都の拠点についてであります。
 本県は、茶の生産量及び流通量ともに日本一であります。加えて茶に関連する歴史、文化、景観などすぐれた資源が多数あります。日本各地に茶どころがありますけれども、茶どころの中の茶どころ、まさに茶の都であります。その地位を確固とするために、昨年度ふじのくに茶の都しずおか構想を策定し、その中で文化、学術、産業、観光の中心となる拠点が必要であるとの方向性が打ち出されました。
 今年度、静岡文化芸術大学の熊倉学長を会長とする推進会議におきまして、茶の都づくりの具体的な推進計画の策定とともに拠点づくりについて検討をしていただきました。この中で県を代表する茶産地である牧之原台地に立地し、貴重な所蔵品や価値の高い茶室、庭園を有している島田市お茶の郷を拠点としていくことが最も望ましいという御意見をいただいたところであります。この意見を踏まえ島田市お茶の郷を取得するための予算を本議会にお諮りしております。
 今後は、有識者からも御助言を賜りながら景観を踏まえたデザインにも配慮し、この施設の再整備や運営に関する計画を策定し歴史文化の展示や体験を一層充実させるとともに、新商品や新技術に関する情報発信などの茶産業への活用、お茶の持つ健康への効用など学術情報の発信に努めてまいります。さらに周辺施設と連携しながら、茶畑のある美しい風景の中でお茶を楽しむことのできるグリーンティーツーリズムなど観光にも活用してまいります。
 県といたしましては、この施設が世界から着目されるとともに、地域の方々や茶業に携わる皆様にとって誇りとなり、人々が集い、にぎわいのある、「山は富士 お茶は静岡 日本一」にふさわしい茶の都の拠点となるよう取り組んでまいります。
 これを国際的に発信するために、本県が友好関係を持っております浙江省の省都杭州は、中国における茶都として自他ともに許されているところでございます。そことあわせて御一緒に茶都としてのユネスコへの登録を目指したいと。これは既に向こうの要人には伝えておりますけれども、今度の夏の訪中の際にもう少しこれが具体化できるかどうか探ってみます。
 同時に、お茶は食と不可分です。特にこの茶の都づくりについて御指導賜っております熊倉先生は、お茶の権威であると同時に食文化の権威であり、その結果和食のユネスコ文化遺産への登録に御尽力を賜ったということでございますので、茶の都は同時に食の都と合わさって初めて相乗効果を発するというふうに考えております。さらにまた、伝統的な茶の湯であるとか和食というのは数寄屋づくりでいただくのが似合います。また数寄屋づくりというのは今建築においてまだ準備段階だと存じますけれども、これもまたユネスコの無形文化遺産になる可能性を有しているものであります。
 そうした、本県がお茶、食、和風建築、こうしたものを一気に楽しんでいただき、また見学できるというものとして、この茶の都づくりを進めていくということでございます。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(多家一彦君) 服部静岡県理事。
       (静岡県理事 服部真樹君登壇)
○静岡県理事(服部真樹君) 空港周辺市町に対する新たな地域振興策への期待についてお答えいたします。
 富士山静岡空港は、県民の皆様の交流を促進する社会資本であるとともに、多くの人々が集い、にぎわう地域の拠点施設であり、安全・安心の確保はもとよりラグビーワールドカップや東京オリンピック等の開催に向け今後ますます高まる訪日需要も踏まえ、空港を生かして魅力あふれる地域づくりを進めることも重要と考えております。
 そこで、現在の空港隣接地域振興事業費助成制度を見直し、地域振興やにぎわいづくりの拠点となる空港を生かした地域のまちづくりへの支援を主眼とする空港隣接地域賑わい空間創生事業費制度を新たに設けることといたしました。この制度では地元市町の地域振興事業への支援に加え空港ティーガーデンシティ構想の具現化や、ふじのくに茶の都しずおか構想の推進、新幹線新駅の設置を踏まえた空港周辺の一体的な整備などにも活用できるよう対象事業の拡大を図り、地元市町による地域づくりにも寄与するものとしたところであります。
 県といたしましては、地元市町に対し可能な限り前倒しによる事業執行を促すなどスピード感を持った事業進捗を図り、事業の効果が早期に目に見える形となるよう努めてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 土屋経済産業部長。
       (経済産業部長 土屋優行君登壇)
○経済産業部長(土屋優行君) 航空機産業の育成支援についてお答えいたします。
 県では、航空機産業への県内企業の参入を図るため、高度な加工技術を有する人材の育成、品質保証認証の取得への助成、航空機メーカーとのマッチングや展示会出展などの支援に取り組んでおります。今年度は愛知、岐阜、三重地域におけるアジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区の区域拡大を申請し、県内企業七社が指定されたところであります。
 近年、我が国の航空機メーカーは一貫生産による高品質、低価格な航空部品の継続的な供給を求めております。これに対し県内では航空機産業への参入を目指すグループSOLAEが熱処理等の特殊工程を専門とする企業をメンバーに加え、SOLANETプロジェクトとして一貫生産が可能な共同受注体の法人化を進めております。
 県といたしましても、生産・品質管理システムの整備や特殊工程の人材育成などの助成制度を創設し、地域企業のものづくり力の強化に向けて共同受注体の生産体制の高度化を支援いたします。さらに成長産業分野の事業化推進助成を拡充するとともに、航空宇宙コーディネーターを活用して航空機メーカーのニーズを踏まえた技術的課題の解決や製品開発などの支援を行うほか、積極的な受注交渉による販路拡大を図るなど県内の航空機産業の育成を強力に推進してまいります。
 次に、オリーブの生産振興についてであります。
 近年、健康志向の高まりや嗜好の変化に伴いオリーブオイルの需要は急速に伸びておりますが、そのほとんどを輸入に頼っており国内生産はわずかで、古くからの産地である香川県のほか九州で栽培面積が増加しております。一方、県内でもオリーブ栽培への関心が高まっており、議員に御紹介いただきました島田市や静岡市など各地でお茶やミカンなどからの転換作目として導入され、昨年五月の県の調査によりますと十八カ所、約六・七ヘクタールで栽培されており大半が平成二十四年以降に植栽されたものとなっております。
 オリーブにつきましては、隔年結果性――年ごとの生産量にばらつきがあります。隔年結果性や防除が困難な害虫の発生などから生産が不安定なことが大きな課題でありますけれども、栽培には比較的手間がかからず収穫時期が秋冬期であることから茶の補完作物の一つとしても期待されます。
 県といたしましては、今後県内各地に導入されたオリーブの栽培状況の調査やオリーブ生産に取り組んでいる生産者同士の情報交換会の開催により生産や加工に関する課題を把握し、オリーブ栽培の経済性や本県の気候に合った生産性の高い品種の選定について検討を進めてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 大井川鉄道の利用促進についてお答えいたします。
 大井川鉄道は、地域住民の生活交通や観光振興など地域の活性化に大きな役割を果たしてまいりましたが、利用者の減少などにより厳しい経営環境に置かれており、鉄道の存続には会社の経営努力に任せるだけでなく国、県による車両運行の安全性向上に対する支援とともに、沿線市町、住民の皆様の鉄道を支える強い思いと利活用のための取り組みが不可欠であります。
 このため、昨年三月に沿線市町である島田市と川根本町が主体となり国、県、沿線住民代表等を構成員とする地域公共交通としての大井川鉄道の存続と地域活性化に関する協議会を設立し、鉄道を活用した地域活性化策などに取り組んでいるところであります。具体的にはSLフェスタの開催やスタンプラリーなど両市町による利活用促進事業を実施しているほか、昨年九月に設立された大井川流域鉄道サポーターズクラブによる鉄道を活用した沿線の魅力の発信など沿線住民の皆様により鉄道を支える活動も広がっております。
 県といたしましては、引き続き鉄道施設の安全対策に対する支援を行うとともに、大井川鉄道、沿線市町、関係団体等と連携し沿線や奥大井の観光振興策などを進め、地域の重要な公共交通を担う大井川鉄道の利用促進に取り組んでまいります。
 次に、農業用水を利用した小水力発電の導入促進についてであります。
 県ではこれまで、民間や地域による小水力発電の導入を促進するため、企業やNPO、行政等で構成する協議会を設立し、農業水利施設を活用した小水力発電に関するガイドラインの策定やセミナーの開催などに取り組んでまいりました。こうした取り組みにより県内四カ所において実証試験が行われるなど導入に向けた取り組みが活発化しております。しかしながら小規模で低コストの発電機器が開発されていないことや農業用水路における水利権の取得や施設の改築等の手続に専門的な知識を要することなどにより、本格的な実用化には至っていない状況にあります。
 このため県では、民間企業が行う研究開発に対する助成や実証試験が可能な農業用水路に関する情報の提供、手続を円滑に進めるためのサポート体制の充実などの支援を行うとともに、市町と連携し民間企業や自治会等を対象として防犯灯や農業施設の電源等への小水力発電の活用などの普及啓発に取り組み、利用拡大を図ってまいります。
 県といたしましては、今後も豊かな水量を有する農業用水のポテンシャルを生かした小水力発電の導入が県内各地で進められるよう積極的に支援し、農山村地域におけるエネルギーの地産地消の実現に努めてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 県立島田高校の移転についてお答えいたします。
 県立島田高校は、昭和十年に現在の島田市稲荷に移転し、大井川沿いの恵まれた教育環境のもと地域の方々に親しまれ長く歴史を刻んできており、これまで多くの卒業生を輩出してこられました。県立高校の校舎につきましては、建築後四十年を経過したものが全体の半数を超えており老朽校舎への対応は喫緊の課題であることから、計画的に対策を実施していくための経費を平成二十七年度当初予算でお諮りしているところであります。議員から御提案のありました島田駅南側の工場用地の利活用につきましては地域のまちづくりにかかわることであり、島田市が主体となって検討されるものであると承知しております。
 県立高校の施設整備につきましては、今後も生徒数の減少、社会情勢の変化とともに、地域の実情などを総合的に勘案し検討をしてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 三十五番 大池幸男君。
       (三十五番 大池幸男君登壇)
○三十五番(大池幸男君) 要望をさせていただきます。二点。
 一点目は、新幹線新駅の件でございますけれど、私が十八年前に島田の市議会に当選した当時、この駅を誘致したいという活動をしました。市全体がかなり盛り上がった活動でございましたが、JR東海が全く話に応ぜず、その話は終わったものでありました。しかし川勝知事が御就任されて以来、静岡空港のこの地に新幹線の駅をという活動をしていただきまして、できそうな雰囲気を私たちは本当に感じるような時期になりました。ことしのお正月に地域の皆さんを集めた会合でも、先ほどお話ししましたように知事から力強いお言葉をいただきまして、地域の将来が本当に見えるような夢を持たせていただいております。
 これを確実にできるために、じゃ、私たち地域の者たちは何をすればいいんだと、そういう声を私は地域の行政や、そして地域の産業界の方たちからいただいております。ただ勝手な要望活動等をしたら足を引っ張る可能性もあるという思いの中で、ぜひ知事におかれましては、この時、この手法で私を応援して地元のほうで盛り上げていただきたいという時が来ましたらぜひ一声かけていただければ、空港周辺地域の住民、地域一丸となって知事の新駅実現への活動を支援をさせていただきたいという思いをまずお伝えしたいと思います。
 次に、大井川鉄道への支援の話でございますけれど、昨年大井川鉄道が非常に経営的に大変になりまして、島田市、そして川根本町、県に対して支援要請がありました。民間の企業でございますので直接的な支援というのはなかなか難しいということで、安全施設に対する法的に許される支援はありましたけど経営的支援はできませんでした。たまたま昨年の秋にトーマスの運行がございまして、若干経営的には救われた面がありますけど、長期的に見ますとこの大井川鉄道の経営というものは非常に難しいし、これが経営的に成り立たない時期がまた来ると私は思います。
 そういう面でいろんな、県としても、先ほどいろんなメニューを提示していただきましたけれど、やはり経営の、収益の柱となるような事業を一つ加えていかないといけないと。それなら大井川流域には大きな木材、大量の木材、今から下げていくという物流。そしてダムの堆積土砂の排除、これも物流。リニア中央新幹線の資材を上げていくというそのような仕事があるわけですね。ぜひ県として大井川鉄道に対して新たな収益が上がる事業としてリーダーシップをとって事業をしていただけるような、そんな配慮をしていただくことを要望いたしまして質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

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