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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

蓮池 章平 議員

質問分類

代表質問

質問日:

02/19/2015

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について                     
   地方創生に対応した県の取り組み                
2 平成二十七年度当初予算編成について               
3 平成二十六年度国の補正予算への対応について           
  地域消費喚起型事業                      
4 ファルマバレープロジェクトにおける地域の産業振興について                               
5 中小企業の人材確保策について                
6 生物多様性地域戦略の策定について                
7 県の防災・減災対策について                   
  (1) 津波からの避難                        
  (2) 昭和五十六年以降の木造住宅の耐震化              
8 がん対策の推進について                     
  (1) がん対策                           
  (2) がん教育                           
9 産み、育てやすい環境整備について                
  (1) 妊娠から子育て期までの支援                  
  (2) 不妊治療の支援充実                      
10 県の障がい者支援について                    
  (1) 障がい児へのサービスの充実                  
  (2) 障がいのある方の就労支援                   
11 外国人観光客の受け入れ体制の整備について            
12 沼津市のまちづくりについて                   
  (1) 沼津駅周辺総合整備事業                    
  (2) 沼津市西部地域における道路整備                
13 本県女性職員の活躍について                   
14 教育行政について                        
 (1) 少子化に対応した活力ある学校づくり              
  (2) 児童生徒の体力、運動能力向上                 
15 人身安全関連犯罪及びサイバー犯罪への適切な対応につい
        て                           


○副議長(伊藤育子君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第一号から第八十六号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、三十番 蓮池章平君。
       (三十番 蓮池章平君登壇 拍手)
○三十番(蓮池章平君) 私は公明党県議団を代表して知事並びに関係部局長、教育長、警察本部長に一括質問方式で、通告に従い県政の諸課題について質問をいたします。
 初めに、知事の政治姿勢について、地方創生に対応した県の取り組みについて伺います。
 国は、直面する人口減少・超高齢化という問題を克服し地方創生を実現するため、日本の人口の現状と将来の姿を示し今後目指すべき将来の方向を提示するまち・ひと・しごと創生長期ビジョンと、これを実現するためのまち・ひと・しごと創生総合戦略を昨年十二月二十七日に閣議決定いたしました。東京一極集中の是正、若い世代の就労、結婚、子育ての希望の実現、地域の特性に即した地域課題の解決の三つの基本的視点から、平成二十七年度を初年度とする今後五年間の政策目標や長期ビジョンを踏まえ都道府県及び市町とともに総合戦略を平成二十七年度中に策定することとなりました。
 国が示している先進的な事例の中でも、地方居住の本格推進として都市農村交流メニューでは観光、教育、福祉、農業等の各分野における連携プロジェクトの推進が示され、本県にとっても都市からの移住推進を図る上で重要な視点であります。また既に医学の分野で実施している奨学金を活用した大学生の地方定着の促進として静岡新産業集積クラスター構想の基盤強化を目的に、光、食品、医療の各分野の学位や資格を取得する大学生に無利子の奨学金優先枠を設ける静岡県人口減少対策・就職支援基金の創設なども検討に値するメニューであると考えます。
 また、全国の先進的な事例を見ましても、基礎自治体単位での施策に加え広域的な施策展開で地方創生に取り組む例など県の役割はより重要性を増してくるのではないかと考えます。県下市町と連携した総合戦略策定体制の整備が重要であります。
 平成二十六年の人口移動報告で、本県の転出超過が二年連続ワースト二位となったことに相当な危機感を持ち、戦略の策定に着手していかなければなりません。戦略策定における市町との連携強化に対する知事の考えを伺います。
 さらに、総合戦略策定の各段階における議会のかかわりも非常に重要であります。総合戦略の策定段階における議会の参画など議会のかかわりについてはどのように考えているのか伺います。
 次に、平成二十七年度当初予算編成についてであります。
 平成二十七年度の予算編成については、昨年十月の編成要領において、富国有徳の理想郷ふじのくにの早期実現を目指し後期アクションプランを着実に推進するほか、健全財政を堅持するため県債残高の抑制、当初予算編成後に活用可能な基金三百億円を確保することを基本としてスタートをいたしました。またその際に見込まれていた財源不足を解消するためまず基金を活用し、なお残る財源不足百億円については部局による事業見直しと、さらなる歳入の確保、歳出の見直しにより解消することとされております。
 そこで、当初予算編成で生じた財源不足の解消にどのように取り組んだのか伺います。
 また、当初予算編成に当たっては地震・津波対策の着実な推進、人口減少社会に立ち向かうための少子化対策や雇用政策、さらには経済再生のための産業成長戦略など県民の安心・安全に加え、夢の持てる調和のとれた活気ある社会の実現を求め、公明党県議団として六テーマに分け六十二項目の重点要望、百七十六項目にわたり知事に要望したところであります。知事は我が会派の要望を平成二十七年度の予算にどのように反映されたのか伺います。
 平成二十六年度、国の補正予算への対応について伺います。
 国は、一月九日に経済対策を柱とする総額三・五兆円の平成二十六年度の補正予算を閣議決定いたしました。生活者や中小企業への支援で一・二兆円、地方活性化で六千億円、災害復旧、危機への対応などで一・七兆円の規模で、景気回復の実感を家計や中小企業、地方へ届けることを目的に消費喚起、地方創生型の予算となりました。特に地域消費喚起・生活支援交付金については、市町においては域内消費喚起を目的としたプレミアムつき商品券の発行事業などを行い、都道府県は域外消費喚起を目的とした事業を行うこととしております。この交付金を活用して、本県は地方消費喚起型事業としてふるさと名産品の割引販売や旅行商品の割引販売に二十五億一千百万円を計上したところです。
 今回の国の補正は、緊急経済対策の意味合いが非常に強いことからその効果が地域に大きく広がるようスピード感を持って取り組む必要があります。また今回の消費喚起策の効果についてもしっかり検証し、次の景気対策へとつなげていく必要があると考えています。補正予算への対応について所見を伺います。
 次に、ファルマバレープロジェクトにおける地域の産業振興について伺います。
 本県が取り組む新産業集積クラスターは、まさに地方創生のモデルとして注目されております。東部地域において医薬品・医療機器産業の集積を目指し展開されているファルマバレープロジェクトにつきましては、静岡県が医薬品、医療機器の生産金額としては全国一位となっているものの、県東部の経済を牽引するかといえばその実感はないように感じています。ベッドサイドのニーズに応えるものづくりを目指して、がんセンターと連携して開発から販路開拓まで支援する事業の構築に取り組み、既に七十二件の医薬品、医療機器等の開発実績があります。
 一方で、企業が医療機器の製品化を進めていく際には開発ニーズの検証、医療機器づくりに関する法規制への対応、製造手順の検討、販売方法やルートの確保などさまざまな取り組みを経る必要があり解決しなくてはならない課題も数多くあります。医療分野に参入する企業の経営者の皆様にお話を伺うと、医療産業分野の難しさはあるものの、会社の命運をかけて並々ならぬ決意で取り組んでおられ、その姿勢に改めて支援する県の本気度が問われていることを痛感をいたします。
 医療機器の開発の流れを確認すると、開発する製品により違いはありますが、比較的高度な製品では臨床現場からのニーズの収集に始まり市場、技術、製造、知財、法規制への対応の検討、販路調査を経て開発に着手し、生物学的安全性の確認と続き、JIS法などに基づく評価試験、または医療従事者による臨床試験を終えた後にようやく認証機関への申請または独立行政法人医薬品医療機器総合機構、いわゆるPMDAへの承認申請ができる運びとなります。その申請が認められて初めて市場投入となる息の長い事業とも言えます。
 そこで、以下二点について県の考えを伺います。
 既にファルマバレープロジェクトの成果として医療現場からの声をもとに、さまざまなすぐれた製品が生み出されておりますが、販路に苦慮するものが多く全国への販路展開へと十分につながっておりません。そのため、まずは県立病院を含む県内の病院において開発された医療機器等を積極的に使用する、医療分野における地産地消の取り組みを行うべきと考えますがいかがでありましょうか。
 また、製品化の過程で必要となる試験機関での試験には試験費用として百万円を超える場合もあり、正式な試験等を依頼する前段階で試験等に対する的確なアドバイスや、製品の試作段階などで簡便に試験を繰り返せる体制があれば、高額な試験機関での試験を何度も繰り返す必要がなくなり時間的にも経費面でも格段の削減が可能となり、企業への大きな支援につながります。医療機器の大手メーカーで製品開発に携わった経験豊富な人材を活用して、製品開発のさまざまな段階において助言を行える人材確保も必要な支援と考えます。
 売れる製品を開発するための新たな支援体制の構築について県の積極的な姿勢を望みますが、県の所見を伺います。
 中小企業の人材確保策について伺います。
 地方創生には中小企業の再生が不可欠であり、そのためには優秀な人材の確保が鍵となります。特に本県は高校卒業後に首都圏に進学する若者が多く、新卒者に対する面接会の開催や就職相談、県内企業に関する情報提供などの就職支援を行っていると承知をしております。
 最近の大学生等の就職活動事情は、インターネットサイトから企業に直接エントリーして連絡先や志望動機などを送りネットを通じて企業と直接連携をとることが主流となっているようであります。多くの学生は民間大手の就活サイトを利用して就職活動を行っておりますが、サイトに掲載されない企業の情報を得ることは難しく、出身地に戻り就職したいという学生と地元企業とのマッチングには大きな課題があります。
 秋田県では進学で年間四千から五千人の若者が県外へ転出し、その後Uターン就職するのは二割で、残りの八割が県外で就職している実情の中、地元企業への就職を促進するため県独自で就職活動サイトを開設し県内企業の人材確保に取り組んでおります。民間大手の就活サイトは掲載するだけで百万円以上かかるため、採用する人数が少ない地元の中小企業には手が出ない状況です。こうしたことから、秋田県では若者の流出を食いとめ採用したくとも情報を届けることができない企業を後押しするために新たなサイトを立ち上げ、県内企業に対して無料で企業情報掲載の場を提供するとともに、学生がネットを通じて企業に直接応募できるようにしたとのことです。
 本県においても、このような先進事例を参考としつつ優秀な若者が県内に戻ってくるための環境整備が必要と考えます。中小企業の優秀な人材確保策について、県の所見を伺います。
 生物多様性地域戦略の策定について伺います。
 これまで二度、この壇上で野生生物の保護、絶滅危惧種について問題の提起を行い県の取り組みを伺いました。生物多様性の上に成り立つこの地球上に今何が起こっているのか、全ての人間が関心を持つべき課題であります。以前、地球の生態系の健康状態は人間の体でいえば病状はかなり深刻に進行しており、このままの状態が続けば危篤に陥る危機に瀕していると指摘をいたしましたが、その後の状況はさらに悪化の一途をたどり続けています。人間は生物多様性の恩恵の上に生きていることを再確認するとともに、地球のあらゆる生命が人間のために存在しているわけではないということを知らなければなりません。
 さて、国の生物多様性基本法に基づく生物多様性地域戦略の策定は、生物多様性の重要性と理念の普及を図るほか県、市町、県民、事業者などの取り組みを推進、社会経済活動と自然が調和する県土づくりを目標としております。戦略の中身については今後詰めていかれるかと思いますが、本県において平成十六年三月にレッドデータブックを策定して以降、レッドリストの見直しやリストに登録した希少動植物の状況把握はどのようになっているのかその進捗を伺うとともに、今回の戦略策定における方向性と策定後、県民参加を促し具体的な行動への啓発をどのように進めていくのか伺います。
 次に、県の防災・減災対策について伺います。
 本年の一月の十七日、阪神・淡路大震災から二十年、直下型の地震に多くの建物が倒壊し建物や家具の下敷きとなって多くの命が奪われました。四年前の三月十一日の東日本大震災では震源が陸地から遠かったため家屋の倒壊による死者はほとんどありませんでしたが、想定外の大津波でとうとい数多くの人命が失われました。本県に想定される東海地震、南海トラフの巨大地震は、この阪神・淡路の地震と東日本大震災が同時に来襲する、直下型で揺れが大きく短時間で津波が襲い来る地震であります。
 そこで、まず津波からの避難について伺います。
 先日、海岸線を走っていて、もし今地震が来たらどこへ逃げ上がれば助かるかと気にかかりました。本県は長い海岸線を持ち、津波の来襲から身を守るためにはいち早く高台への避難が重要です。各市町では海抜表示が海岸周辺地域を中心に掲示されるようになりましたが、観光客などの土地カンのない方を高いところへ避難誘導するための工夫がさらに必要であります。浸水域の表示や高いところへ誘導する方向の指示、また高台への誘導についても、誘導マップやナビシステムによる誘導など今後さらに研究検討が必要と考えますが、沿岸部における避難誘導対策についての所見を伺います。
 また、命の分岐点は津波の来襲前に逃げることができるかにかかっているとも言えます。避難場所となる公共建築物の耐震化も重要であります。小中学校では九九・五%となっているものの、市町が所有する公共建築物の耐震化は市町にばらつきが見られます。防災拠点となる公共施設の耐震化状況では十一の市町が一〇〇%に達しておりますが八〇%以下の市町もあり、県として市町を支援し耐震化を迅速に進めていくべきと考えます。公共建築物の耐震化促進のための対応を伺います。
 次に、昭和五十六年以降の木造住宅の耐震化についてであります。
 昭和五十六年以前の木造住宅を対象として、「TOUKAI―0」は事業が始まって以来十四年経過し、この間、耐震診断件数は昨年十二月末現在で七万三千百十三戸、耐震補強実施件数は実に一万八千四百六十四戸に及んでおります。今後も対象の各戸に対して個別に訪問、情報提供し耐震化を図っていくべきでありますが、一方、五十六年以降の木造住宅は壁の量はそれまでの約一・四倍になるなど耐震性の向上が図られており、東海地震が発生しても倒壊のおそれはないとされておりますが、阪神・淡路の大震災、新潟中越沖地震など強い揺れにより五十六年以降の木造住宅の被害も報告されていることから、建築基準法の改定以降ということだけで安心を求めることができないことが指摘をされております。既に昭和五十六年から三十年以上が経過し住宅の老朽化が進んできており、来るべき大震災に耐えることができるかの判断をする必要があるのではないかと考えます。
 そこで、昭和五十六年以降の木造住宅についても耐震診断の補助制度を創設し、想定される東海、南海トラフの巨大地震に備えるべきと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、がん対策の推進について伺います。
 昨年十二月二十五日、議員提案による静岡県がん対策推進条例が制定されました。制定に御協力をいただきました関係各位に改めて御礼申し上げるとともに、県民の疾病による死亡の最大原因となっているがん対策がこの条例をもとに大きく前進することを期待しております。
 本条例には、県の責務として国、市町、保健医療関係者、がん経験者及びその家族等により構成される民間団体と連携を図りつつ、がん対策を策定、実施するとしております。特にがんの予防、禁煙・受動喫煙防止、がんの早期発見、質の高い医療の提供、がん患者及びその家族に対する支援ではセカンドオピニオンやピアサポート、就労支援などを規定し、がん登録の推進、研究の推進、県民運動の推進なども規定したところであります。特に公明党県議団としても受動喫煙防止の取り組みについては田県議が質問し要望でも強く求めてまいりましたが、十分な対策が行われている状況ではありません。また検診受診率の向上策についても抜本的な対策が求められているのではないでしょうか。
 そこで、県として制定された本条例に基づき、がん対策をどのように推進していくのか伺います。
 次に、がん教育について伺います。
 本条例には、教育関係者の役割として児童生徒のがんに対する正しい知識の習得を規定しております。国のがん対策基本計画の中にもがん教育が位置づけられ、学齢期におけるがんに対する正しい知識を得ることの重要性が明記されました。がん対策推進条例を制定する際に、がん経験者の患者団体の皆様から、ぜひとも教育の現場で児童生徒に直接がん経験者として話をする機会を得たいとの強い要望があったところであります。
 児童生徒の保護者は、働き盛りの年齢層で、がん検診受診の対象となっております。児童生徒ががんのことを知り検診の重要性を学んで、子供が親に検診を勧めることで検診受診率の向上につなげる効果もあります。また生涯にわたる健康管理の意識を醸成し成人期での検診率の向上につなげるがん教育に対する取り組みについて、教育長の所見を伺います。
 次に、産み、育てやすい環境整備について伺います。
 初めに、妊娠から子育て期までの支援について伺います。
 県の総合計画に示されている合計特殊出生率の目標値二を達成していくためには、産みやすく育てやすい環境の整備が何より重要であります。平成二十六年度の県民意識調査においても、二十歳から四十九歳の結婚している男女が望む理想の子供の数は二人が四八・五%、三人が四〇・二%、四人以上が四・二%となっており、誰もが希望する人数の子供を持つことができるような取り組みを進める必要があります。
 これまでも、公明党として子供の医療費の助成や妊婦健診の無料化、不妊治療費の助成、不育症対策、待機児童の解消など子育て世代の皆様からの声を受けて提案し続けてまいりました。特に妊娠期から子育て期にわたるまでの支援につきましては、昨年の十二月議会で我が会派の盛月議員が提案した、フィンランドのネウボラをモデルとした医療機関、市町の保健センター、児童相談所といったさまざまな機関が縦割りで行っている支援をワンストップで行う子育て世代包括支援センターが、来年度は全国で百五十カ所設置される予定です。県下各地域においても早急な体制整備が望まれます。
 そこで、県の妊娠から子育て期までの支援について考えを伺います。
 次に、不妊治療の支援充実についてであります。
 本県における特定不妊治療助成申請件数は、この十年間で八倍に増加していることを見ても不妊治療に対する期待と同時に必要としている人が多くなっております。治療費は人工授精で一回二万円から三万数千円、体外受精で同じく一回十数万円から六十万円とされています。さらに顕微授精は体外受精に五万円から十五万円の上乗せが必要であり、子供を望む多くの方々が高額な治療費を払いながら、経済面だけではなく精神的な苦痛も多い中で現在も治療を受けておられます。また所得の少ない世帯の方からは、全額負担してくれる市町へ引っ越して治療を受けたいとの声も出ている状況があります。
 このような状況を十分認識した上で、収入面はもとより幅の広い支援が期待されております。最近では男性の不妊治療も増加してきており、これまでの支援に加えて男性に対する不妊治療費の助成に対する支援が求められております。県の不妊治療に対する支援の充実について伺います。
 次に、県の障害者支援について伺います。
 初めに、障害児へのサービスの充実についてであります。
 国の社会保障改革の議論から出てきた障害福祉サービス事業所の報酬引き下げ議論に懸念がありましたが、プラス・マイナス・ゼロの決定となったことに安堵したものの障害のある方への支援のあり方をもう一度考え直す視点から、以下質問をいたします。
 平成二十四年六月二十七日に障害者総合支援法が公布され、目的規定において自立という表現にかわり、基本的人権を享有する個人としての尊厳と明記をされました。私はこれまで障害の発見から相談、療育、生活支援、就労支援に至るまで一貫した支援の必要性を訴えてまいりました。特に幼児期から学齢期に至る支援は、社会性を身につける観点から非常に重要な時期であります。
 学齢期の児童を支援する児童の放課後等デイサービス事業所は、最近急に数を増しておりますが、支援するサービス事業所の増加は喜ぶべきであると評価をしておりますけれども、一方、増加する現場を見ると疑問を抱くことが数多くあります。放課後等デイサービスに参入する民間の企業の間では、ビジネス、もうかる商売として新規参入を促す事例も散見されるからであります。新規参入セミナーの案内チラシには、一事業者当たりの売り上げが月額二百四十万円見込め営業利益は百万円前後確保が見込める低リスク、高収益のモデル事業として宣伝をされております。県として事業所のサービス内容の検証が必要ではないかと思います。
 また、一部の市町の今後の方向性にも懸念があります。放課後等デイサービスなど法定サービスと並行して地域の特性や利用者の状況に応じて柔軟な事業形態で計画的に実施する地域生活支援事業を、財政的な理由で縮小する方向にある市町が出てきております。療育、社会性を身につける観点から、デイサービスや行動援護のみだけでなく移動支援や見守り支援など地域生活支援事業によるサービスの充実強化を図るべきと考えます。事業所が提供するサービスの内容や市町の障害福祉に対する取り組み姿勢について、県の現状の課題認識と今後の対応について伺います。
 次に、障害のある方の就労支援についてであります。
 全国の自治体や地域においては、障害のある方の就労支援については先進的な取り組みを行い成果へと結びついている事例が数多くあります。九州、西日本の就労移行支援事業所のネットワークや、川崎市ではイベントやスポーツの大会などの一般のスタッフやボランティアと一緒に就労体験の場を提供するなどの事業を行っております。
 昨年六月、埼玉県において画期的な取り組みが始まりました。発達障害者の就労を支援する拠点を開設し就労相談、能力評価、就労訓練、就職活動、職場定着と一貫した支援を始めました。これまで社会に出る段階での支援は、全般的なものや地域との仲介や助言などの後方支援にとどまっており、埼玉県のような就労に特化した支援は全国にも例がありません。
 本県においても、乳幼児期の早期発見、就学時期の診断、相談、療育、生活支援、社会生活の適応訓練など成長期に合わせた支援を行っておりますが、就労という点についてはいまだに不十分ではないかと感じております。障害のある方への就労支援について、県の所見を伺います。
 次に、外国人観光客の受け入れ体制の整備について伺います。
 昨年二月の議会で、外国人観光客の誘致促進について市町、関係機関と連携した取り組みについて伺いました。本年は富士山に続き韮山の反射炉が世界遺産に、伊豆半島ジオパークも世界ジオパークに認定されることが期待されます。政府も二〇二〇年の東京オリンピックの年には、昨年一千三百万人を超える訪日外国人観光客を二千万人にふやすことを目指して観光立国実現に向けたアクション・プログラム二〇一四を進めております。全国各地域で外国人観光客の受け入れ争奪合戦が繰り広げられることが想定されます。ホームページの多言語化を図る民間宿泊施設では、既に外国人観光客の受け入れ実績が大きく伸びているとの報道もありました。
 外国人観光客の受け入れを図るためには、さまざまな課題の解決と準備が必要であり、言語、表示、食事、通訳、海外のクレジットカードの利用拡大や無料公衆LAN、WiFi環境の整備、空港における入国管理、税関等の体制整備、免税店の拡充やクルーズ船の受け入れ環境の整備など多くの面での対応が求められております。また外国人と一口に言っても国民性や関心事も異なることから、外国人観光客の受け入れは細かいところに至るまで数多くの課題があります。
 県として、課題解決のため民間事業者とも連携してどのように受け入れ体制を整えていくのか伺います。
 次に、沼津市のまちづくりについて伺います。
 初めに、沼津駅周辺総合整備事業についてであります。
 沼津のまちづくりについて、沼津駅北口のコンベンション施設「プラサ ヴェルデ」の開設を含む沼津駅周辺総合整備事業、沼津港の振興ビジョンの策定、沼川新放水路の建設等々、県と市が連携して進めてまいりました。しかしながら沼津市におけるまちづくりの計画については、いま一つ歩みの遅さを感じております。
 総務省が公表している住民基本台帳人口移動報告では、平成二十六年の人口移動のうち転出者が転入者を上回る転出超過は東部の中心都市である沼津市が全国市町村の中でワースト七位という大変ショッキングな結果も発表されました。このような実情を踏まえ将来に向けて住みよい沼津市とするためには、集約された都市のコンパクト化が必要であると考えます。
 人口の自然減と社会減に対しては、官民が一体となっての取り組みが必要となっており、直面する人口減少を克服するため、国はまち・ひと・しごと創生ビジョンと創生総合戦略を閣議決定し、地方みずからが考え地方の自立につながる都市のコンパクト化など地方の特性を踏まえた地方版総合戦略の策定を求めております。
 平成二十七年度は、活力ある地域づくりが始動する地方創生元年にしなくてはなりません。これまで本事業については数多くの方の理解と御協力、官民挙げて熱い思いの火を消さずに進めてまいりました。
 産業の振興や雇用の創出、安全・安心な地域づくりの観点からも、都市のコンパクト化に必要な土地を生み出す鉄道高架事業を含む沼津駅周辺総合整備事業を積極的に推進していく必要があると考えますが、本事業に関する知事の考えを伺います。
 次に、沼津市西部地域における道路整備についてであります。
 沼津市のまちづくりは、沼津駅周辺のみならず西部地域の原地区においても、沼川新放水路の整備による治水対策や原駅前広場、周辺道路の拡幅整備、災害活動拠点施設の整備など安心・安全を実感できる市民協働のまちづくりが進められております。加えて沼津市と中日本高速道路株式会社により平成二十七年度に東名愛鷹スマートインターチェンジや、平成二十八年度に新東名駿河湾沼津スマートインターチェンジの設置が予定されており、地域振興の新たな拠点として期待されております。
 主要な幹線道路として国道一号沼津バイパスがあるものの、慢性的な渋滞が発生していることに加え交通量の増加によるさらなる周辺道路の渋滞が懸念されているところであります。現在計画されている東駿河湾環状道路の西区間の整備を初め当該地域の道路ネットワークの強化が非常に重要であると考えます。今週月曜日に川勝知事が太田国土交通大臣に西区間の事業推進を求めていただいたことは大きな弾みとなります。改めて知事には御礼を申し上げる次第であります。
 そこで、沼津市西部地域における道路整備について、県の取り組みを伺います。
 次に、本県女性職員の活躍について伺います。
 地方創生の鍵は、女性や若者が生き生きと社会参加し活躍できるようになることであると考えます。仕事と家庭の両立支援とともに、あらゆる分野における意思決定の過程に女性が参画することを通じて女性が持てる力を最大限発揮することが重要であります。公明党はこれまでも、女性参画を最大限後押しする観点からこの議場でさまざまな提案をしてまいりましたが、残念ながら総務省の調べによれば本県における女性の活躍割合は働く人に占める女性の割合が全国三十三位、管理職に占める女性の割合は四十五位、起業家に占める女性の割合は三十七位といずれも低迷しております。
 また、本県の行財政改革大綱に掲げられた平成三十年四月に女性の管理職登用の目標一〇%も、政府の掲げる平成三十二年までに女性管理職の割合を三〇%にする目標から見ると、はるかに低い目標と言わざるを得ません。女性が男性に比べて働きづらい環境を変える近道として管理職の登用目標の上方修正をすべきと考えます。
 これまで公明党が指摘してきた危機管理や警察など、今まで登用がほとんどされていなかった部門においても女性が積極的に登用され職場が多様性に富むことは政策の多様性につながるのではないかと考えています。女性を過度に優遇することへの反対意見や、登用された女性も苦労があると思いますが、いつも開拓者は苦労がつきものであります。知事の管理職登用に対する目標の上方修正について考えを伺います。
 また、多様な働き方を進める観点から県の仕事の棚卸しを行い、テレワークなど自宅でできる仕事を休業中の職員が仕事ができる環境をつくることも一考に値すると考えます。また育児・介護休業を取得する職員に対して、子育て貢献期間や社会貢献期間として人事面で評価する仕組みなど新しい発想で多様な働き方を生み出していく必要があると考えます。
 本県女性職員の多様な働き方など活躍向上への取り組みについて所見を伺います。
 次に、教育行政についてのうち、少子化に対応した活力ある学校づくりについて伺います。
 文部科学省が六十年ぶりに公立小中学校の適正規模、適正配置等に関する手引書を示しました。多様な考えに触れ、認め合い、協力し合い、切磋琢磨することを通じて一人一人の資質や能力を伸ばしていくという学校の特質を踏まえ、一定の集団規模が確保されていることが望ましいとされています。
 しかしながら、三十年後には十四歳以下の子供の数が現在の三分の二まで減少し小中学校が極端に小規模化、教育環境に大きな影響が出るとして、統廃合の必要の度合いを小学校で四段階、中学校で五段階に分けて示しました。通学基準の見直しのほか、地域住民、保護者の意向を反映しながら市町の教育委員会が主体となって議論が進められることになります。本県においても平成二十六年度の六学級以下の小学校は百四十九校、三学級以下の中学校は三十校あり、今後ふえていくことが予想されております。
 一方、都道府県の教育委員会の指導助言、援助のあり方として、手引を参考として域内の実態を十分に踏まえて検討会議を設置して、ガイドラインの整備や教育振興基本計画の中に学校規模の適正化の推進や統合困難な小規模校の振興を位置づけることなども示されております。さらにカリキュラム開発や財政面、人事面での支援についても求められました。統合困難な小規模校への支援の充実については、教員の複数校への併任や採用、人事配置における地域枠など工夫例なども示されております。また手引書には触れられておりませんが、特別支援学級の配置についても考慮しなければならず同時に検討が必要と考えます。
 教育委員会として、今回示された手引についてどのように対応していくのか伺います。
 次に、児童生徒の体力、運動能力の向上について伺います。
 全国学力調査に続き、昨年十一月に文部科学省は小五と中二の全員を対象とした全国体力テストの結果を公表いたしました。小五の男子のボール投げが静岡県は全国最下位と新聞の一面に見出しが躍りましたが、全種目の総合点は対象の小五と中二の男女とも全国平均を上回っており、また学力テスト同様、高校生の体力テストの結果はほとんど全ての項目で全国平均を上回る結果からすれば一喜一憂する結果ではないと考えますが、同時に行われた運動習慣等調査の結果から、幼児期に体を動かす遊びをしていた子供は体力、運動能力が高い傾向にあるとの結果にも注目する必要があります。
 幼児期から成長段階における運動能力の向上は、大人になってからの健康にも影響を与え、基礎的な運動能力を身につけておくことは長い人生にも重要な要素と言われております。各都道府県においてもさまざまな方法で体力向上の取り組みが実施されており、先進的な事例や効果の高い取り組みについて研究し取り入れていく努力が必要であると考えます。
 福井県の小五男女は、六回連続一位とずば抜けた成果を残しており、その取り組みを見るとザ・チャレンジとして継続して持久走や縄跳び運動により体力の向上を図っております。また東京都では、葛飾区が取り入れているコーディネーショントレーニングと言われる、運動の発生の順番に沿って脳と体に刺激を与え運動学習能力を高める効果のあるトレーニング方法を、全公立小学校二千四百校が導入を開始したとのことであります。
 本県の児童生徒の体力、運動能力向上についてどのような取り組みをしていくのか、教育長の所見を伺います。
 最後に、人身安全関連犯罪及びサイバー犯罪への適切な対応について伺います。
 本県の犯罪状況は、刑法犯の認知件数は過去十年間で半減し、県民の治安は県警察により大きく改善をしており改めて日ごろの努力に感謝申し上げます。特殊詐欺の被害額は全国で昨年一年間、過去最高の五百五十九億円に上り、高齢者の被害が目立つオレオレ詐欺が百七十五億円、金融商品詐欺が百九十五億円、還付金詐欺が二十億円の三類型で三百九十億円、全体の七割を占めるなどの傾向が見られます。本県の先進的な取り組みである、預金小切手で多額の引き出しによる犯罪防止は一定の効果を上げているとはいえ、いまだに高齢者の被害は後を絶たず県警のさらなる取り組みを強く要望するものであります。
 さて、最近の治安情勢で課題と考えられるものとして人身安全関連犯罪とサイバー犯罪への対応ということが挙げられます。DVやストーカー等の生活安全相談の受理件数は増加傾向にあるとともに、企業や行政機関を狙ったサイバー攻撃、インターネットバンキング対象の不正送金など複雑、巧妙化しております。DV、ストーカーなどから、さらなる重大な犯罪に発展することを未然に防止するとともに、スピード感のある対応ができる警察であることが求められております。
 そこで、県警として今後、人身安全関連事案及びサイバー犯罪に対応するための組織体制の強化、人材配置などをどのように考えておられるか、県警察本部長の所見を伺います。以上、答弁を求めます。(拍手)
○副議長(伊藤育子君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 蓮池議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてであります。
 地方創生に対応した県の取り組みについてでありますが、去る十二月二十七日に国が閣議決定をされましたまち・ひと・しごと創生総合戦略を踏まえまして、県と全ての市町は平成二十七年度内に地方版総合戦略を策定する必要がございます。策定に当たりましては県と市町との連携体制を強化することが重要です。そこで来年度、五つの圏域単位で管内市町の皆様と地域会議を立ち上げます。地域内の産業界、教育界、金融機関、労働団体、若者、女性など幅広い皆様方に御参画をいただき、圏域ごとの課題や特色を踏まえた施策の方向性を明らかにすることで各市町が迅速に総合戦略を策定できるように支援をしてまいります。
 また、議員御指摘のとおり、基礎自治体の単位での施策に加えて広域的な取り組みにより効果の向上が図られる施策もございます。それゆえ地域会議の場を通じて、県としても広域観光や移住・定住対策などの分野における市町間の連携を促進いたします。さらに県の総合戦略につきましては県議会の皆様と県とが車の両輪となりまして推進することが重要ですから、策定に当たりましてはその進捗状況を随時県議会の皆様方に御報告をいたします。またあわせて各会派の皆様からの御提言、常任委員会での御審議もいただき検討を進めて、本年秋をめどに成案を得てまいりたいと考えています。
 県議会の皆様、県民会議や地域会議の皆様から幅広く御意見を賜り、県民の英知を結集し、人口減少を克服し持続的な地域成長を可能とする総合戦略を策定してまいりたいと考えておりますので、引き続き御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 次に、平成二十七年度当初予算編成についてであります。
 まず、財源不足の解消に向けた取り組みです。
 当初予算の編成に当たりましては、行政的経費の効率化や投資的経費の重点化による歳出のスリム化と未利用財産の売却などによる歳入の確保に努めまして百五十六億円の財源を捻出することができました。また二十六年度の財政運営におきまして県税収入の増加、事業の効率的な執行による不用残などがございまして、活用可能な基金の積み増しができまして当初予算編成における財源に充当し財源不足額を解消したということでございます。
 公明党県議団の御要望への対応につきましては、御要望を真摯に受けとめ、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの総仕上げに向け後期アクションプランに定める八つの重点項目について積極的に施策を展開する予算として編成いたしました。以下、御要望の六つのテーマに沿って御説明を申し上げます。
 まず、要望の一つ目、安全・安心社会に向けてでありますが、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に基づき中小企業が経営する旅館・ホテルの耐震補強のための助成制度を充実し、建築物の耐震化を進めます。また道路整備や河川改修、信号機の設置など県民の皆様に身近な生活環境整備事業を前年度から二十億円増額いたしまして計二百七十億円を計上するほか、近年多発する集中豪雨に対応して緊急的な河川整備と土砂災害対策を実施いたします。
 二つ目の夢あふれる社会に向けてにつきましては、ひとり親家庭の経済的負担を軽減するためランドセルなどの購入費用を助成します。またいじめ・不登校対策として小中学校、高等学校へのスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置を拡充いたします。
 三つ目の要望項目、健康長寿社会に向けてにつきましては、地域医療介護総合確保基金を活用し医療・介護従事者の確保と養成、介護施設の整備などを着実に実施いたします。また県立静岡がんセンターや県医師会等と連携し、がん医療体制の機能強化を図るほか、難病患者の医療費助成の対象を拡大いたします。
 四つ目、活気あふれる社会へにつきましては、二〇一六年に日本で開催されるサミット及び関係閣僚会合の本県誘致を浜松市、静岡市と協働して強力に推進しているところでございます。また高校生や大学生など若者に対する就職支援や民間からの御提案による雇用創出に取り組んでまいります。そのほか伊豆地域や浜名湖周辺地域など魅力ある観光地づくりも進めてまいります。
 五つ目の調和のとれた社会へにつきましては、自然エネルギーの利活用を推進するために小水力、バイオマス等の利活用施設設備の導入に対する助成制度を創設いたします。また富士山の環境保全では山小屋トイレの新技術の調査、山梨県と連携しての外来植物調査、また外来植物の除去活動を実施いたします。
 六つ目の行財政改革への取り組みにつきましては、徹底した歳出のスリム化と歳入確保により平成二十八年度以降に活用可能な基金を三百五十五億円確保いたしますとともに、通常債の残高を二十六年度、二十七年度の二年間で約一千億円縮減することができました。また県有建築物の長寿命化を進めるため、計画保全の考え方を導入した指針を策定するなど引き続きファシリティマネジメントを推進いたします。
 来年度はこれらの取り組みを加速いたしまして、総力を挙げて富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの総仕上げを進めてまいります。
 次に、がん対策の推進についてのうち、がん対策自体についてであります。
 県では、がん対策として全国でもトップクラスの医療水準を誇る静岡がんセンターを初めがん診療連携拠点病院及びこれに準ずる県地域がん診療連携推進病院である十八病院を中心に、がん診療提供体制の整備を進めてまいりました。今年度からは、がん診療連携拠点病院等の機能強化のための施設及び設備整備の助成制度を創設し、本県のがん医療のさらなる充実を図ります。
 また、県ではがん対策を一層推進するため静岡県がん対策推進条例を制定し、誰もが適切ながん医療を受けられる医療体制の整備を初めがん検診受診率の向上や生活習慣の改善など、がんの克服と生活の質の向上に取り組むこととしております。条例では全国に先駆けて取り組んでおります、がん患者の口腔ケアや社会復帰のためのリハビリテーションの推進など他県では例を見ない特徴的な取り組みを定めており、がん患者の療養環境の向上やがん医療の充実をもって図ります。
 受動喫煙防止につきましては、県内の全小学五年生へのたばこによるがんへの影響等を掲載した下敷きを配付する、また飲食店、娯楽施設などの公共的な施設での禁煙や分煙の取り組みの支援などを行ってまいりました。下敷きはお父さんに見せればいいと、お兄さんに見せればいいというようなことでございます。そうしたことを通して小学生にも受動喫煙防止の自覚を持っていただこうというわけでございます。
 今後は、本条例に基づき受動喫煙の防止に関する普及啓発や市町及び事業者の受動喫煙防止対策への支援などに取り組み、がん対策の視点から受動喫煙防止の徹底を図ることとしております。
 がん検診受診率の向上につきましては、がん検診と特定健診の同時実施や企業等と連携した講演会などにより受診促進に努めております。今後は特に受診率が低い、女性特有のがんの受診率の向上、四〇%以上はあるのでありますけれども五〇%を目標にしているわけでございます。それに向けての向上や、市町と医療機関に対するがん検診に関する技術的講習会の内容を充実するなど条例に基づいた新たな取り組みを行い受診率を高め、がんの早期発見に努めます。
 県といたしましては、今後も総合的ながん対策を推進することにより条例が目指す県民の皆様が生涯にわたって健やかに安心して暮らせるふじのくにづくりを進めてまいります。
 次に、沼津市のまちづくりについてのうち、沼津駅周辺総合整備事業についてであります。
 沼津市が県東部地域における拠点都市として求心力を持ち続けるためには、地域の特性を生かした魅力にあふれ暮らしやすいまちづくりが重要です。沼津駅周辺総合整備事業は駅の南北の一体化を図ること、また利用可能な新たな土地を創出することなどまちづくりを進めるためのものです。しかし、何よりも大切なことは沼津の明るい未来のために関係者がアクションを起こすことであります。
 私が知事に就任しまして一期目は有識者会議を開き、また後半にはPI委員会を開催し十分に議論をいたしました。そのまたPIからの報告書をいただきまして明けた昨年一月、二月に関係者にお目にかかり、また五月には待避線のみの原地区への移転を認める御案も頂戴した次第でございます。このような積極的な、何をするべきかという未来に向けての案を出してそれを実行することが大切であるということであります。みずからも参加してまちづくりを進めていこうと思っていただく気持ちが大切であります。そのような気持ちが動きますとそれに向けての行動ができますので、行動が起こりますとお金が動きます。言いかえますと投資ができます。投資は仕事をつくりますし、また人が集まりその仕事と人がさらにまちの活力を高めるという好循環を生むことができます。幸いなことに、議員御指摘のとおり沼津では東部コンベンション施設「プラサ ヴェルデ」が昨年七月にグランドオープンいたしました。大変なにぎわいであります。デザインもいい、そして人が来たくなるようなそういう機能を持っているからであります。そしてまちに、この面におきましては活気がまた活力が戻りつつあるというふうに認識しております。
 今必要なのは、このような動きを継続し好循環を生み出していくことでございます。このようなことから先日広く市民の皆様を対象にした説明会を開催し、本事業を含む沼津の新しいまちづくりを皆様と御一緒に進めていこうと呼びかけたところであります。現在県では沼津市とともに、本事業により新たに生み出される土地や現貨物駅跡地を活用した沼津駅周辺のまちづくりと原地区のまちづくりについて素案づくりを進めております。素案の素案と言ってもいいかもしれませんけれども、県としましては市民の方々の御意見も踏まえて貨物駅の跡地にはサッカー場などが有力候補に挙がっております。また原地区におきましては、桃源郷とも言われておりますがガーデンシティー、グリーンヴィレッジという構想も出てきているわけでございます。そうした中で私自身も行動を起こしましてJR貨物の会長、社長とお目にかかり、待避線として今の非効率的な貨物を効率的なE&S方式でつくると、そして待避線ながら、しかし有事の際には貨物を必要な方々にお運びできるような機能を備えておくということでそういう行動に向けた指針も出ております。
 こうした素案をもとに、広く意見を交換しながらまちの将来像を地域の方々と共有し、新しいまちづくりへの期待と機運とやる気を高めまして社会総がかりで沼津のまちづくりを進めていきたいと考えております。県一丸となりまして沼津市とともに、これまでにいただいた大変たくさんの意見を心に刻みながら関係者の御理解と御協力と譲り合いの精神をもって沼津駅周辺総合整備事業の円滑な推進に努めてまいります。
 次に、沼津市西部地域における道路整備についてであります。
 沼津市西部地域は市立病院や多くの事業所が立地し、沼津市の医療や産業の中心的な地域であります。しかし高速道路へのアクセスや東西交通を担う主要な幹線道路である国道一号の慢性的な渋滞が生じており、それを避ける車両の地域内道路への流入といった課題が生じています。このため本地域における東名、新東名のスマートインターチェンジ整備やこれに伴う国道一号からのアクセス道路の整備を沼津市が進めており、また地域交通を担う県道三島富士線のバイパス整備を井出地内や西椎路地内など三カ所において県と市が分担して進めているところでございます。
 さらに、伊豆縦貫自動車道と接続し国道一号の抜本的な渋滞解消が期待される東駿河湾環状道路の西側七キロ余りのところにつきまして、先般国に働きかけることができました。公明党の大口議員、さらに勝俣議員も御同行くださり、私を団長といたしまして沼津市長、函南町長、伊豆の国市長、伊豆市長、そして富士市の副市長が一緒になりまして太田大臣に直接お話しし要望を申し上げて、快くかつ真摯に耳を傾けていただいたのは感謝にたえないところであります。特に西側、原町の方向に向けての一号線との東駿河湾環状道路の連結につきましては、富士市が沼津市よりも人口が多いということから富士市の代表も来ているということについて、富士市の人口が浜松、静岡に次いで県下三位であるということでこの道路の重要性を認識していただいたというのも、大変、一を言えば十をわかる大臣であるというふうに私は認識しておりまして、そういう大臣が今、東海出身ということもあって本県について地理感覚も含めた理解をいただいているというのは大変ありがたいことであるというふうに思っているところであります。
 県といたしましては、本地域のさらなる発展のため国や沼津市などの関係機関と連携して引き続き道路ネットワークの強化に努めてまいります。なおその際に、東駿河湾環状道路のみならず品川―甲府間の二〇二〇年までのリニア新幹線の開通ができるならば、甲府から既に二年余りで中部横断自動車道も清水までつながりますし、また身延線もございますし、二〇二〇年までには富士山静岡空港新駅もできていると。そうしますとそれが有事の際に役に立つだけではなく、オリンピックにお越しになる方々におきましては日本の技術と美しい世界遺産と、さらにまた既存の新幹線と、さらに日本の小さいながらも輝く空の玄関口を味わっていただけるということに対しても御理解をいただきまして、夢のある計画であるという御感想をいただきました。御紹介申し上げました。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(伊藤育子君) 土屋経済産業部長。
       (経済産業部長 土屋優行君登壇)
○経済産業部長(土屋優行君) 平成二十六年度国の補正予算への対応についてお答えいたします。
 地域消費喚起型事業についてであります。
 今月九日に日本銀行静岡支店が発表いたしました最近の静岡県金融経済の動向によりますと、県内の景気は緩やかな回復の動きが足踏みをしている、個人消費は全体として足踏みしていると報告されており、県内景気の回復を確かなものとするため個人消費の回復が極めて重要なことであると認識しております。このため国が緊急経済対策として創設いたしました地域住民生活等緊急支援のための交付金を積極的に活用して、広く域内外から需要を獲得するために必要な予算案を本議会にお諮りしているところであります。
 具体的には、県がしずおか食セレクションなどをふじのくに名産品として指定し消費者がインターネット等で割引価格で購入できるようにするほか、ウエブ宿泊サイトや旅行会社の店頭で家康公四百年祭記念などのツアー商品等を割引購入できるようにしてまいります。
 事業の実施に当たりましては、名産品の指定や旅行商品の造成、販売チャネルの選定などを速やかに行い効果的な消費喚起に結びつけるとともに、事業効果を検証するため利用者アンケートの実施、あるいはサイトの購入状況の分析等行いまして新商品開発や新規顧客獲得等につなげてまいりたいと考えております。
 次に、ファルマバレープロジェクトにおける地域の産業振興についてであります。
 地域企業が開発した医療機器等の販路開拓に当たりましては、納入実績づくりが重要であります。このため、これまでに県立総合病院での開発製品の説明会の開催や医療機関へのサンプル提供に対する助成、静岡がんセンターでの積極的な購入などを行っており、今後も県内医療機関での使用促進を積極的に働きかけてまいります。
 また、医療機器の製品化に当たりましてはファルマバレーセンターのコーディネーターによる医療現場のニーズと企業シーズとのマッチング、試作品や開発に対する支援事業の実施、薬事申請に関する相談会の開催などによりニーズの探索から市場投入までのさまざまな支援を行っております。
 今後、ファルマバレーセンターを新拠点施設に移転し支援体制を強化するとともに、センターが中心となり、施設に入居するテルモ株式会社、薬事を専門とするコンサルタント等から地域企業が開発手法や薬事申請等に関する助言を受けられる仕組みを構築いたします。また検査機器を有する県工業技術研究所や沼津工業高等専門学校等との連携を強化し、開発製品の効率的な試作や改良が行えるように支援をしてまいります。このような取り組みにより地域企業への支援を強化し、売れる製品の開発を加速させ地域産業の振興を推進してまいります。
 次に、中小企業の人材確保策についてであります。
 本県には、安定した経営基盤と革新性を兼ね備えた中小企業が多数立地し、県内経済を支えております。こうした県内企業のすばらしさを知ってもらうため、就職支援サイトしずおか就職ネットを開設し企業情報を掲載するほか就職面接会等のイベント情報をメール配信しておりますが、登録企業数や学生数が伸び悩むなどの課題を抱えております。このため今年度新たに大学等へ進学する高校三年生全員に登録を働きかけ入学直後から県内の最新話題スポットやイベント等の情報を継続的に発信することで、生まれ育った静岡に対する郷土愛を育むとともに、保護者の皆様の登録もあわせて働きかけ将来の県内就職につなげてまいります。
 議員御提案の学生がネット上で企業の求人に応募できる仕組みにつきましては、このサイトの魅力を高めることにつながりますので、記載情報などにつきまして経済団体や大学等の御意見を伺いながら対応してまいりたいと考えております。
 さらに、来年度は静岡U・Iターン就職サポートセンターにおける就職面接会や就活セミナー等の取り組みを充実強化するとともに、学生が県内企業の仕事や魅力に直接触れることも重要でありますことから企業見学会なども積極的に開催してまいります。
 県といたしましては、一人でも多くのすぐれた人材が県内企業で活躍し人口減少社会においても本県経済が継続的、持続的に発展できるよう中小企業の人材確保を全力で支援してまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 池谷くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 池谷 廣君登壇)
○くらし・環境部長(池谷 廣君) 生物多様性地域戦略の策定についてお答えいたします。
 県では、平成十六年のレッドデータブックの策定を踏まえ平成二十二年に希少野生動植物保護条例を制定、これまでに絶滅が危惧される五百四十三種について生息状況を調査するとともに、特に保護を必要とする種として八種を指定しその捕獲や採取を規制する措置を講じてまいりましたが、依然として野生生物を取り巻く環境は厳しい状況にあります。
 自然環境と調和した社会の持続的な発展を実現するためには、その前提となる生物多様性の保全に関する基本原則や関連施策の方向性を示す生物多様性地域戦略が不可欠であることから、本年度戦略の策定に着手するとともに、その基礎的な資料ともなるレッドデータブックの改訂にも取りかかったところであります。
 戦略の策定に当たりましては、県内外の有識者の知見を結集し科学的視点に立って進める必要があることから我が国を代表する生物学者に監修を依頼するとともに、ふじのくに地球環境史ミュージアムとも連携しながら調査検討を進めてまいります。
 さらに、この地域戦略に基づきNPOや自然愛好家など多様な主体の連携協働による希少種の保護、生息環境の維持や復元などの多彩な取り組みが展開されるよう、策定段階から検討委員会や懇話会などの機会を活用して広く県民の皆様の参加も求めてまいります。
 次に、県の防災・減災対策についてのうち、昭和五十六年以降の木造住宅の耐震化についてであります。
 住宅の維持管理や立地環境等にもよりますが、昭和五十六年以降の新耐震基準で建築された木造住宅でも築後三十年を経過すると経年劣化により耐震性の低下が懸念されるとの意見もあります。県では昨年度、昭和五十六年以降の木造住宅の耐震性能について調査を行ったところ、これらの住宅は壁量の増加により耐震性は向上しているが壁の配置バランスが悪い、あるいは筋交い等の接合金物が不十分な場合、またシロアリ被害等により構造耐力が低下しているような場合には耐震性能が低くなることがあるとの結果が出ております。
 住宅の耐震化につきましては、まずは国の調査結果から約二十万戸と推計される、より倒壊の危険性の高い昭和五十六年以前の木造住宅の耐震化の促進にこれまで以上に全力を挙げて対応してまいります。その上で昭和五十六年以降の木造住宅については、まずは老朽化の進行や接合金物の施工ぐあいなど状況把握が難しい部位の確認方法や劣化の評価などについて、国の検討状況や学識経験者等の意見も踏まえながら引き続き研究を進めるとともに、耐震診断への支援の可否についても検討してまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 岩田危機管理監。
       (危機管理監 岩田孝仁君登壇)
○危機管理監(岩田孝仁君) 県の防災・減災対策についてのうち、津波からの避難についてお答えいたします。
 県では、東日本大震災の教訓を踏まえ住民や観光客が津波から的確に避難できるよう海抜や避難場所の方向、外国語表記などをわかりやすく表示した津波避難標識例を平成二十三年八月に市町に示し、設置の充実を図ってきました。こうした取り組みにより昨年四月には津波避難標識は震災前の約五倍の一万五千六百二十五カ所に増加いたしました。
 このような中、津波浸水域や避難場所までの距離を示す標識が足りないとの指摘や、昨年九月には国が津波避難誘導標識をJIS規格として定めたことから県の標識例をこの規格などに沿って見直しを進めており、沿岸市町に対して緊急地震・津波対策交付金も活用し、よりわかりやすい標識の設置に向けた取り組み支援に努めてまいります。
 また、現在県と民間企業で構成する協議会において津波警報や周辺の避難所などの情報をカーナビやスマートフォンから提供するシステムを開発しており、昨年十二月に静岡市内において行った実証実験によりその有効性が確認され、今後は関係機関とともに早期の実用化を目指してまいります。
 防災拠点となる市町の公共建築物の耐震化についてでありますが、現在耐震性が劣る建築物は全体の六・四%であります。県といたしましては災害応急対策の拠点となる市町庁舎や消防署の早急な耐震化を求めており、例えば津波浸水想定区域内にある古い下田市役所は建てかえ移転が進められることとなりました。さらに学校、公民館など避難所として活用が求められる施設の耐震化についても市町の相談に応じながら国や県の支援制度の活用を促し、早急な耐震化を図ってまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) がん対策の推進についてのうち、がん教育についてお答えいたします。
 これまで本県では、児童生徒が授業の中でがんの予防には健康的な生活習慣の確立が、早期発見、早期治療には健康診断が重要であることなどを学習しており、今後は静岡県がん対策推進条例にもありますように、がんそのものの理解やがん患者に対する認識を深める教育についてもあわせて行っていく必要があると考えております。
 このようなことを踏まえ、今年度、生徒にがんに対する正しい知識を習得させることや関係機関等との連携のあり方を検討するため、県立高等学校をモデル校に指定し実践研究を行っております。具体的には静岡がんセンターの協力による教職員研修、大学教授とがん患者会代表者による講演会や研究授業等を行いました。これらの実践を通して生徒はがんをより現実的な問題として捉え、家族のために何ができるのかについて話し合ったりするなどがんに対する理解が深まり、がん検診を積極的に捉えるなど命の大切さや自分の生き方を考える態度が育成されております。
 県教育委員会といたしましては、健康福祉部や関係機関との連携をさらに進めながら実践内容を研修会等で取り上げるなど成果を県内に広め、引き続きがん教育の推進に努めてまいります。
 次に、教育行政についてのうち、少子化に対応した活力ある学校づくりについてであります。
 本県では、学校統合により過去五年間で小学校二十二校、中学校一校が減っております。統計によりますと今後児童生徒数は毎年三千人程度減少する見込みとなっており、学校統合の具体的な検討に入っている市町もあると承知しております。少子化に伴い各地域が抱える課題や実情はさまざまであり、活力ある学校づくりを進めるためには子供や保護者、地域住民と丁寧な議論を行った上で学校統合によって生じるメリット、デメリットなどを総合的に勘案する必要があります。また特別な支援を必要とする子供たちにとっては集団での学びや施設設備、通学距離などの視点からの検討も大切であると考えております。
 県教育委員会といたしましては、議員から御紹介のありました、文部科学省が本年一月に策定をいたしました公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引を踏まえ市町教育委員会に対し全国各地の先進的な統合事例を紹介したり、統合前後の教育活動が円滑に行われるよう人的支援を講じたりするなど活力ある学校づくりのための指導助言、援助を行ってまいります。
 次に、児童生徒の体力、運動能力向上についてであります。
 今年度における本県の全国体力調査の結果は、調査項目の八二%で全国平均を上回っており全体としては高い水準にありますが、投げる能力を含めたバランスのよい体力の向上が課題となっております。そのために幼児期からの取り組みが必要であることから県スポーツ推進計画でも重要な課題と位置づけており、運動好きな子供を育てるための親子運動遊びプログラムや、小学生を対象にした体力アップコンテストしずおかを実施することにより子供の運動機会の拡大等を図っております。また今月、市町教育委員会指導主事研修会を開催し全国体力調査の分析結果を説明するとともに、来年度に向けて効果的な学習の仕方など具体的な取り組みについて各学校への指導を依頼したところであります。
 今後は、年度内に体力向上推進委員会を新たに設置し、他県の取り組みや先導的事例等の情報を収集して体力向上のためのより効果的な方策を検討するとともに、スポーツ推進審議会への諮問事項として取り上げていくなど生涯を通じて継続的にスポーツや運動に親しみ、健康で活力ある児童生徒の育成に努めてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 宮城島健康福祉部長。
       (健康福祉部長 宮城島好史君登壇)
○健康福祉部長(宮城島好史君) 産み、育てやすい環境整備についてのうち、妊娠から子育て期までの支援についてお答えいたします。
 少子化の進行に歯どめをかけるためには、子供を産み子育てしやすい環境を整備していくことが必要であり、妊娠から出産や子育てまでの切れ目のない支援に取り組んでいくことが重要であります。このため市町において、妊婦と乳幼児の健診や新生児への訪問などにより母子の健康状況の確認や妊産婦の不安の軽減を図っているほか、産前産後のケアについては県が助産師会に委託し、妊産婦を対象にした体調管理や母子間の愛着の形成の講習会を県内各地で開催するなど妊娠から出産、子育てをする方々を支援しております。
 また、産み育てやすい環境を充実させるため、来年度から県内四市町において子育て世代包括支援センターを設置し、母子保健コーディネーターの配置など妊産婦の状況に応じた個別の支援計画に基づく産前産後のケアなどを実施する予定であります。
 県では、事業費の一部を助成するほか、特に複雑な問題を抱える家庭の支援について助言や協力を行うなど市町の円滑な事業の実施に向け支援することとしております。
 今後とも、市町との連携を密にし各地域に合った妊娠から子育て期への施策を支援し、安心して子供を産み育てていく環境の整備に取り組んでまいります。
 次に、不妊治療の支援充実についてであります。
 二人から三人という県民の皆様の理想の子供の数をかなえるためには、妊娠と出産に関する正しい知識や健康づくりについての啓発などに加え経済的な負担が大きい不妊治療に対する支援が重要です。県では不妊・不育専門相談センターにおいて専門相談を行っているほか体外受精や顕微授精といった高額な特定不妊治療への助成を実施してまいりました。人工授精治療に対しても今年度から助成制度を創設し、県内全ての市町で不妊治療の支援が受けられるようにいたしました。
 また、不妊の原因の半数が男性にあるという実情を踏まえ、新たに男性不妊治療のうちこれまで医療保険が適用されていなかった外科的手術にも助成を行うことといたしました。この制度が全ての市町で導入されるよう今後強く働きかけてまいります。これにより全ての不妊治療において助成や保険適用が可能となるなど、子供を希望するが不妊に悩む夫婦への力強い支援を行うことができました。
 県といたしましては、合計特殊出生率二を目指し子供を産み育てやすい環境整備に努め、「生んでよし 育ててよし」のふじのくにづくりに取り組んでまいります。
 次に、県の障害者支援についてのうち、障害児へのサービスの充実についてであります。
 放課後等デイサービスについて、国では障害児支援施策の検証の結果、事業所の支援内容に差があることから、サービスの一定の質を担保するためのガイドラインの策定を進めております。県では児童発達支援管理責任者の養成研修の充実や事業者への実地指導の強化を図り、放課後等デイサービスの質の向上に努めているところです。今後は国のガイドラインを踏まえ市町とともに事業者に対し活動のあり方や職員の役割などについて事業所指導を行い、適正な運営と十分なサービスの提供がなされるよう取り組んでまいります。
 地域生活支援事業につきましては、市町や事業者等から成る協議会において各地域が必要とするサービスが適切に提供され、地域格差が生じないよう助言を行うなどサービスの質の向上と充実強化に努めております。また実績に見合う財源が十分に措置されていない現状から、市町が地域の実情に応じた事業を安定して行えるよう市町とも連携して引き続き国庫補助金などの財源の確保に努めてまいります。
 今後とも、市町を初め関係団体や事業者などと連携を密にして、障害を持つ児童の健全な発達の支援に取り組んでまいります。
 次に、障害のある方の就労支援についてであります。
 障害のある方が地域で自分らしく生き生きと暮らすためには、一人一人が職を持ち経済的な安定を確保することが重要であります。県では障害者働く幸せ創出センターを設置し、障害のある方を対象にした就労相談のほか企業に対し障害のある方の受け入れ体制についての助言など求人開拓からマッチングまで一貫した働きかけを行い、一人でも多くの方が就労できるよう雇用の創出を図っています。また知的障害のある方がホームヘルパーの資格を取得するための講習の開催や就労支援施設の職員を対象とする研修を充実させ、個々の障害の特性に合わせた就労訓練ができるようにするなど就職しやすい環境を整えております。障害のある方が就職後も安定して働けるよう、県内八カ所にある障害者就業・生活支援センターにおいて職場や家庭を訪問して就業及び生活の両面から支援しております。
 今後も、相談から就労訓練や就職、そして定着まで一人一人に合ったきめ細やかな就労支援の取り組みにより、障害のある方が自立し身近な地域で豊かに安心して暮らせるよう努めてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 伊藤文化・観光部長。
       (文化・観光部長 伊藤秀治君登壇)
○文化・観光部長(伊藤秀治君) 外国人観光客の受け入れ体制の整備についてお答えいたします。
 訪日外国人旅行者二千万人に向けては、外国人観光客が旅行中に感じる不便や不安等を解消し満足度を一層高めることが重要であります。とりわけ無料でつながるWiFi環境やコミュニケーションにつきましては多くの外国人の方が旅行中困った項目として挙げており、対応が急がれております。
 このため、県では宿泊施設や観光施設等で利用できる多言語事例集のDVDや指差し会話集の作成配布、看板、案内標識の多言語化等を進めるとともに、通信事業者等との共同による無料WiFi環境の整備や、静岡県タクシー協会と連携した乗務員への外国人受け入れ研修の開催などに民間事業者と連携して取り組んでおります。
 今後は、外国人観光案内所の充実や観光地において市町等が行うWiFi環境整備を促進するとともに、移動に便利な周遊券の造成に向けた鉄道事業者との調整やホテルのフロント等で外国人客と通訳を直接電話回線で結んでサポートするコールセンターの開設に向けた研究を進めてまいります。
 こうした活動を通して、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催を見据え外国人観光客が安心して快適に本県を旅行していただける受け入れ体制の充実に努めてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 下山経営管理部長。
       (経営管理部長 下山晃司君登壇)
○経営管理部長(下山晃司君) 本県女性職員の活躍についてお答えいたします。
 職員を管理職へ登用するに当たっては、男女の区別なく十分なトレーニングを積んで管理職員としての能力と経験を備えさせた上で登用することが、組織にとってもまた本人にとっても重要であります。このため本県では職員の仕事に対する意欲や意向を尊重した計画的なキャリア形成や役職段階に応じた研修の実施等により、人材育成に積極的に取り組んでまいりました。特に出産や子育てで職場を離れる女性職員には育児休業制度を充実し、育児休業者への復帰支援研修や女性職員ステップアップ研修などを実施するとともに、家庭と仕事を両立しやすい人事管理に努めてきたところであります。
 こうした取り組みの成果として、海外駐在員や危機管理部門などにも女性職員の活躍の場が広がり、主体的なキャリアプランを持って仕事に取り組む中堅女性職員が多く育っております。加えて五十歳代における女性職員の割合が一一%にとどまるのに対して四十歳代では二七%を占めることを踏まえますと、今後さらに高い目標を掲げて女性登用を進めていく環境が整ってきたと認識しております。
 また、仕事と子育てを両立しやすい勤務環境の実現のため早出遅出勤務制度や育児短時間勤務制度などを導入するとともに、県庁内一時預かり保育施設ふじさんっこクラブの整備などを通じ職員が家庭生活の状況に応じて多様な働き方を選択できるよう努めてまいりました。
 今後は、テレワークを初めとした働く時間と場所を柔軟にする取り組みなど働き方を思い切って見直してみるとともに、職場におけるワーク・ライフ・バランスの取り組みを管理職員の人事評価に反映するなど働き方に対する従来の価値観や意識の変革に努め、女性職員の活躍を支援してまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 西川警察本部長。
       (警察本部長 西川直哉君登壇)
○警察本部長(西川直哉君) 人身安全関連犯罪及びサイバー犯罪への適切な対応についてお答えを申し上げます。
 人身安全関連犯罪につきましては、あらゆる行政手段や捜査を尽くして深刻な事態を未然に防ぐことが最も重要であります。そのためには刑事や生活安全部門といった部門間の壁を超えた強力な執行力と関係行政機関等との協働が不可欠であると考えております。
 このような中、県警では昨年春の組織改編におきまして警察本部の生活安全企画課及び捜査第一課をそれぞれ増強いたしました。また刑事部参事官を司令塔として生活安全部門と刑事部門が一元的に対処することができる体制を整備いたしました。また被害者の保護、加害者の迅速な身柄確保等に的確に対応するため警察署の生活安全課、刑事課の捜査員をそれぞれ増強したところでございます。
 さらに、今春の組織改編では地方警察官の増員を受けまして、その趣旨を踏まえた体制の強化を行うべく人身安全関連事案に専門的に対処する課の新設に向けまして現在検討を進めているところであります。
 サイバー犯罪につきましては、平成二十三年度に生活安全部にサイバー犯罪対策室を設置いたしました。サイバー犯罪の専門的な捜査能力を有した捜査員を配置、以降増員による体制強化を図ってきたところでございます。
 さらに、第一線におきましてサイバー犯罪に立ち向かう捜査員の知識、技能の充実を図るために専門枠を設けた採用を行っているほか、サイバー犯罪捜査検定を実施するなど個々の警察官のサイバー犯罪捜査力の向上にも努めているところでございます。
 今後も、深刻化が予想されるサイバー犯罪から県民を守るため専門的知識を有する捜査員の育成などに努めていく所存であります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 三十番 蓮池章平君。
       (三十番 蓮池章平君登壇)
○三十番(蓮池章平君) 要望二点と再質問を三点させていただきます。
 まず要望でありますが、今回は全般的に市町と連携という観点から、例えば総合戦略それから補正予算、公共建築物の耐震化、障害者福祉、沼津のまちづくりも含めて県の職員の皆さんと話をしていると、県と市町というのは対等な立場ということでなかなか指導という立場にはない。これはわかります。ただ現在静岡県が置かれている危機感というのは、転出超過が二年連続二位と非常に厳しい状況になっている。そういう意味で熱い思いというかですね、県の熱い思いを伝えることはできる。そしてまた進んでいる市や町はその熱い思いを共有して、さらに高めることができる。そういう意味でぜひ県と市町、市町といっても県の中ですから、そういう連携についてはさらに深めていただきたいというふうに思います。
 私、人口減少対策の有識者会議の提言の冒頭に非常に心に強く残る言葉がございました。これはフランスの哲学者アラン、悲観は気分に属し、楽観は意志に属する、こういう言葉を述べられていました。つまり強い意志があれば希望の未来が開けるんだと、こういうように私はとりましたので、ぜひ知事を先頭に県庁全職員が強い意志を持って、この危機に立ち向かっていただくようお願いを申し上げる次第でございます。
 それから警察本部長には人身安全関連犯罪、DV、ストーカー、被害者に寄り添った丁寧な対応をぜひお願いをしたいと思います。
 それから再質問でありますが、一点目はファルマバレーのプロジェクトでありますが、医療分野における地産地消ということは申し上げました。経済産業部長から御答弁いただいたんですが、受ける側の県立三病院は独法でもありますし健康福祉部長がなかなか答えづらいかなと思いますので、こういうプロジェクトで出てきたこういう製品を県が挙げてこれをもっともっと育てていくんだと。こういう観点から、まずは県立三病院これで使おうということを明確なメッセージを、できれば知事から御決断をいただければというふうに思いますがいかがでしょうか。
 それから、障害児へのサービスの充実についてであります。これは国のガイドラインを今つくっているということでございますが、これは国のガイドラインに沿って進めていくということは大事なことでありますが、やはり県が今現場で、市や町でどういうことが起こっているんだということがわからなければ、ガイドラインを示されたまま、ただそれをやればいいということじゃなくて、私は非常に今この動きは危機的な状況になるという、少しそういう危機感を持っているんです。ぜひ今、例えば市や町が今後、来年度等どういう方向で動いているのか。まず県がそれをきちっと調査をすべきじゃないかというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。
 それから三点目は、女性職員の活用についてでありますが、これは以前もこの壇上で知事からも答弁がありましたが、なかなか五十代、十数%しかない中で難しいことはわかりますが、ある意味では先ほども質問の中でも申し上げましたが女性が男性に比べて非常に働きづらい環境にあると。だけどこれを変えていくには、目標値を明確にしてこれに向けて進めていくというのが近道だというふうに思っておりますし、抜てきというのがあってもいいんじゃないかなというふうに思うんですね。静岡県が女性が本当に活躍できる場だという情報発信というですかね、女性が活躍できる、そういうことを応援していく県であると、そういうことも含めてやっていく数値の見直しについて再度伺います。
○副議長(伊藤育子君) 土屋経済産業部長。
○経済産業部長(土屋優行君) 再質問についてお答えいたします。
 今、議員御提案の県立の三病院について、ファルマバレープロジェクトの成果品を使わないかということでございます。
 これにつきまして、ファルマバレーのほうのプロジェクトの今までの進め方もなかなか遅くて、平成二十五年――一昨年ですけれども二十五年八月に初めて県立総合病院の中でこのプロジェクトの成果、製品についての説明を差し上げました。その結果、県立総合病院の中でボックスフォルダーという製品を買っていただいたという実績もございます。こういうものにつきまして、この三病院につきましてはさらに今までの取り組みについて御説明申し上げて、これについての採用を図ってまいりたいと思ってございます。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 宮城島健康福祉部長。
○健康福祉部長(宮城島好史君) 再質問についてお答えいたします。
 健康福祉部といたしましても、ファルマバレープロジェクトの推進役の一員でございますので、県立三病院のファルマバレーで開発された製品の採用等につきましては、健康福祉部のほうからも県立三病院のほうにぜひ利用していただけるように働きかけてまいりたいと思います。
 次に、障害者サービスの現状について、特に放課後等デイサービスについての現状でございますけれども、平成二十四年に三十三だった施設が平成二十六年四月、この二年間の間に三十三から百十三、八十ふえております。そのふえている内容について大変、議員御指摘のとおりばらつきがある。いろいろな、必ずしも障害児のためではなくて通りきりの学習支援になったり、そういったサービス内容について問題があるものが含まれているのではないかという意識は県のほうも強く持っております。そういった観点から実情をきちんと把握し国のガイドラインも今年度末にはできるというふうなことですので、県のほうからもこの指導についてきちんと乗り出していきたいと思います。
 また、市町のほうで障害者サービスが適切に行われるような財源措置についても市町と一体となって国に働きかけ、また市町のサービスにばらつきが生じないように県のほうからも指導してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(伊藤育子君) 下山経営管理部長。
○経営管理部長(下山晃司君) 本県女性職員の活用についての再質問にお答えをいたします。
 先ほども申し上げましたが、管理職員に登用する際には十分な訓練をし、力を備えた方を登用していくということが本人の幸せでもあろうかと思います。そういう中にありまして現在の五十歳代の女性職員ですが、採用の時点から女性が少なかったということ、あるいは育児休業制度も平成四年になって初めて対象になる、あるいは平成十一年までは十時以降女性が仕事につけないと、そういった厳しい環境の中を通って今活躍をしていただいております。個々の職員は非常に研さんをしているというふうに考えておりますので、個別の人事異動に際して思い切った登用を考えていきたいと思います。
 ただ一方で、目標値につきましては現在、五十歳代の女性職員が一一%ということでありまして目標値の改定については難しかろうと思います。ただこの後、四十代が二七%、それから三十代、二十代になりますと四〇%以上ということでありまして、この女性職員をきちっと育てていきたいとこのように考えております。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) これで蓮池章平君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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