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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成31年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

江間 治人 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/21/2019

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 多様な働き方の推進について
(1) 中小企業の取り組みへの支援
(2) 県庁の今後の取り組み
2 外国人県民に対する日本語教育の充実について
3 ゲーム障害、ネット依存者への対応について
4 スマート農業の推進について
5 豪雨災害に備えた河川整備の取り組みについて


○議長(渥美泰一君) これで、宮城也寸志君の質問は終わりました。
 次に、十一番 江間治人君。
       (十一番 江間治人君登壇 拍手)
○十一番(江間治人君) 私は、自民改革会議の所属議員として県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に一括質問方式にて質問いたします。
 不覚にも喉を痛めてしまい美声が、もとい、もともとかれている声がさらにかすれてしまいましたが、この声がすてきと言われたこともありますのできょうは森進一風にやらせていただきたいというふうに思います。
 今回も地元の皆さんが傍聴に来ていただきました。実は息子たちも初めてきょう応援に来てくれましたので、ずっこけないように頑張りたいと思います。
 初めに、多様な働き方の推進について雇用する側であります企業及び県庁と雇用される側、従業員や県職員の双方の立場から、県の取り組みをお伺いします。
 私が先日伺ってお話を聞かせていただいた磐田市にありますコーケン工業株式会社を紹介します。この会社は昭和四十六年創立のパイプ加工メーカーとして成長発展してきました。現在では従業員約二百七十名、昨年の決算は過去最高益を計上したと伺いました。二〇一七年三月に都内で開催された第七回日本でいちばん大切にしたい会社大賞で中小企業庁長官賞を授与され、またしずおかの元気な企業として登録されています。
 何といっても驚くべきは、九十歳代一名、八十歳代六名の正規社員を含め従業員の約三〇%が高齢者という幅広い年齢の社員に支えられているということです。うそではありません。作業現場を見せてもらいました。九十歳の社員さんがこん包作業を立ち仕事でフルタイムだそうです。三十年ほど前のバブルのころ募集をしても全く人が集まらず深刻な人手不足で頭を悩ませていたときに、わらをもつかむ気持ちで採用した高齢の方々が想像以上に戦力となり皆がそれぞれの役割を担って、今では高齢の社員たちは十代や障害のある社員たちを孫のように面倒見てくれる頼りになる存在のようです。
 この会社には、人を区別するという概念が全く存在しませんでした。私は今年度多様な働き方推進特別委員会に所属し県当局経済産業部、経営管理部、健康福祉部、教育委員会からの取り組み状況を聞き、また県内企業、各団体のさまざまな取り組みや御意見を伺いました。特にお仏壇のやまきさんの営業スタイルの改革のお話は印象深いものでした。残業時間の多い社員と残業をほとんどせず家で家族と過ごす時間を持つ社員の営業成績は、残業をしない社員の方が大変よかったようです。理由を伺うと仏壇は家族で相談して購入する場合が多いので同じ目線で話をするためには家族と過ごす時間が大切であり、長時間勤務の美徳を排除し業務業績の分析から生産性を高めた結果であるともおっしゃいました。
 先進地視察では、大阪市にありますコニカミノルタジャパン株式会社関西支社のオフィスを見学してきました。紙と場所にしばられないをテーマにフリーアドレスやフレックス勤務、保管文書ゼロ、テレワークなどによりいつでもどこでも誰でも働ける環境づくりを実現しています。
 人生百歳時代といわれ高齢者の就労が増加する時代、また子育てや介護などと仕事を両立することを望む人たちのライフステージに応じた新しい価値観にわくわくするような多様多彩な働き方を推進するために県の取り組みに期待するところであります。
 そこでまず、中小企業の取り組みへの支援について伺います。
 コーケン工業のように当たり前の職場環境として既に取り組んでいる企業もありますが、多くの産業、特に中小企業においては人材不足が深刻化し長時間労働が課題となっています。将来的に生産年齢人口の増加が見込めない中で企業は多様な働き方の推進によって魅力ある企業になることで優秀な人材の確保につながる業績もアップする、そのような意識を企業経営者は持つべきだと考えます。また働く人も育児や介護、体力低下や病気治療などと仕事を両立しおのおのの人生設計の実現に向け自分に合った働き方を選択できるよう、多様な働き方ができる職場にみずから変えていくという意識を持つべきです。
 そこで、県は中小企業における多様な働き方の推進についてどのように経営者や働く人の意識改革を図り企業の取り組みを支援していくのか伺います。
 次に、県庁の今後の取り組みについて伺います。
 県庁では、これまでもひとり一改革運動や全庁を挙げた事業業務の見直しに取り組んできています。さらに生産性の高い行政経営を図るためには業務の見直しだけでなく職員自身の働き方を見直すことが重要であり、効率的に働くことができる執務スペースを確保するとともにコミュニケーションがとりやすい職場環境への改善が必要であります。また育児や介護に対応する職員の増加も予想される中で誰もがその能力を最大限発揮できるように、働く場所に縛られない柔軟な職場環境の整備にも積極的に取り組むべきと考えます。
 先日、県庁内でモデルケースとして昨年十月から実施されているオフィス改革、東館六階地域振興局を見学してまいりました。地域振興課においてはフリーアドレスへの思い切ったレイアウトの変更がなされ、コミュニケーションやモチベーションのアップにつながることを実感しました。市町行財政課は業務内容からフリーアドレスとはいきませんでしたが班長中心の緊密な距離感を保つレイアウトがなされていました。このように県庁における多様な働き方の推進にはマネジメントする立場にある管理職と部下の双方の意識改革と思い切った職場環境の改善が必要と考えますが、県庁のオフィス改善を含めた今後の多様な働き方の推進についての取り組みをお伺いします。
 次に、外国人県民に対する日本語教育の充実について伺います。
 静岡県の外国人居住者は四年連続で増加し、磐田市に居住する外国人の人数は約七千七百人、人口の四・六%、浜松市、静岡市に次いで三番目に多いまちとなっています。県西部は外国人就労者が多く企業もさまざまな努力をしています。これも磐田市にあります平野ビニール工業株式会社、ここは社員数百四十四名中八十八名、約六割強が外国人労働者です。経営者の平野社長は若いころブラジルにサッカー留学しサンパウロFCに所属し、ブラジル人たちとの交流から外国人との共生社会に大変理解のある方で、外国人従業員の雇用の安定と生産性の向上を図るためにさまざまな努力をされています。地域活動に参加を促し夏祭り等の行事や清掃美化活動、防災訓練等に積極的に参加しています。またイベントいわた大名行列では、女性の外国人従業員が和装かつらをかぶり着物を着て参加しています。仕事だけではなく日本の文化や習慣を教え生活に楽しみを与えています。
 また、仕事においても普段の生活においても欠かせない日本語教育については一般社団法人グローバル人財サポート浜松の堀先生を講師に招き企業内で通じる日本語の教育を実施しています。技能実習生はまだ自国での日本語教育を受けて来日しますが、今後労働者として日本に住む外国人が全く話せないまま生活していくことに企業としても地域社会としても大きな不安と懸念を持つと平野社長さんはおっしゃっていました。
 多くの企業が外国人労働者の対応に努力されていますが、いまだに取り組みに消極的な企業もあります。労働者不足を補うために、今後外国人労働者及びその家族なども含め外国人県民の急激な増加が見込まれる中で企業はもとより地域、NPO、国際交流協会や行政機関のサポートが重要となります。外国人県民が孤立することなく仕事や生活、学校教育等において共生社会を実現するためにも県は外国人県民に対する日本語教育の充実についてどのように取り組むかお伺いします。
 次に、ゲーム障害、ネット依存者への対応について伺います。
 「たった五年でこれだけ深刻化しているとは」全国で九十三万人の中高生がネット依存の疑いがあるという推計を昨年八月三十一日発表したときの会見で、厚生労働省研究班の調査メンバーで依存症対策の全国拠点機関である国立病院機構久里浜医療センターの樋口進院長は、未来を担う子供たちに適切な対策が今なされなければならないと危機感をあらわにしました。同センターはネット依存外来を開設し、現在では年間約千五百人が受診しており約七割が未成年と言われています。
 スマホの普及が低年齢化している昨今、スマホ教育の一環として県及び市町の教育委員会も対策を進めなければいけませんが依存症と診断された後の通常の生活に戻るための対策も重要であると考えます。
 そもそも、ネット依存症というのは本来病気なのかと考えている人、そんなものは気合いで治せると勘違いしている大人も多いのかと考えます。しかしアルコール依存症やギャンブル依存症が医学的に精神疾患と認定されていることを考えると、気合いで治せとは言えないのが現実であります。
 一方ゲームに夢中になる若者の中には、みずからがゲーム障害との認識がない人も多くいます。自分が精神疾患と診断されて初めて、病気とは思わなかった、ゲームをなるべくやめたほうがいいのかなという意識が芽生える若者もいるようです。
 昨年六月にWHOがICD――国際疾病分類の改訂でゲーム障害を精神疾患に位置づける方針を示したところであり、厚生労働省は改訂を日本の医療現場に反映するためにさらに実態調査を進めていく必要があります。これらを踏まえ県はゲーム障害やネット依存症に対してどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、スマート農業の推進について伺います。
 東海道本線袋井駅と磐田駅の間で来年三月に開通予定の新駅の名前が、今月六日に発表されましたが御存じでしょうか。駅名は御厨と決まりました。御厨とは神様の台所という意味があるようで、駅周辺にはおいしい食事とおいしいお酒がいただける店がたくさん集まることを期待しています。私の家から歩いて十分です。
 おいしい食事やお酒をいただくには、静岡県の米や農芸品の安定的な生産が欠かせません。しかし農業においては今日担い手の減少や高齢化の進行等により労働力不足が課題となっています。さらには農業の現場の状況を見てみますと、機械化が難しく手作業に頼らざるを得ない作業や農機の操縦、果樹の剪定作業など豊富な農業経験のある熟練者でなければできない作業が多く省力化が難しい状況にあります。今後農作物の生産基盤をどう強化するかが課題となっています。
 国は、これらの課題を解決し、農業を成長産業にすべくロボット、AI、IoT等の先端技術を農業現場で活用するスマート農業を強力に推進しています。つまり少人数でも高品質かつ高い生産性を実現するための技術を利用する農業への転換です。
 昨年、北海道大学農学部において開発された無人トラクターがタブレットで遠隔操作される様子を見てきました。農場の広さや公道の走行における規制等解決すべき点はありますが、実用化が間近であると感じさせられました。またメガロボットファームを運営するカーム角山株式会社は、約四百二十頭の乳牛を自動搾乳ロボットを導入し二十四時間搾乳、室温、バイオガスプラント等をパソコンで一元管理していました。
 さらに、岐阜県にある農場では牛の体温の変化を感知し、出産の時期の予測、安全な分娩のための監視をしていると聞いています。
 一方、大規模な生産現場に限らずドローンは導入コストが低く上空から撮影した画像を解析することで農作物の生育状況を診断し、狙いを定めた局所的な肥料・農薬散布等の農作業への応用が期待されているところであり、農業で効率的な活用が可能となるよう安全性等を考慮しながら規制緩和の検討も進められているところです。
 さらに、気象状況、地図データ、農作物の生育予測などこれまで別々のシステムで管理されてきたさまざまな情報を一元的に集約する、いわゆる農業版ビッグデータを農業経営に活用する環境も整いつつあります。
 磐田市においてもスマートアグリカルチャー磐田によるトマト、パプリカなど多くの野菜が生産、出荷されています。また農林大学校から移行する専門職大学の教育カリキュラムにおいてもスマート農業分野は欠かせません。
 県においては、既に先端技術の開発、応用による農業の生産性向上に取り組んでいますが農業現場へのスマート農業の導入を加速的に進めるべきであると考えます。またその際には本県農業の実情を踏まえ本県に合った技術を導入することや、農業者だけでなく機械メーカー、IT企業、試験研究機関等も含めた農業を取り巻く関係者が一つになって課題解決に取り組むことが大切であると考えますが、県は今後スマート農業をどのように推進していくのか伺います。
 最後に、豪雨災害に備えた河川整備の取り組みについて伺います。
 昨年は、全国各地で甚大な被害をもたらす自然災害が発生し多くのとうとい命と財産が失われました。自然災害の威力は衰えることを知らず、特に全ての地域で起こり得る豪雨災害においては河川整備は喫緊の課題であります。新しい時代における安全・安心な地域社会の実現のためには国、県、市町は力を合わせてインフラ整備に取り組まなければいけないと考えます。
 地元の磐田市にも太田川、ぼう僧川を初め多数の県の管理する中小河川が流れ全国で頻発する豪雨災害を目の当たりにし、実施中の河川整備の加速化やしゅんせつ等の維持管理の徹底など流域の住民からの要望が多く上がっています。
 昨年の暮れのある寒い日、地元自治会の役員さん、市会議員さん、袋井土木事務所職員と私で空っ風の吹く今之浦川堤防を現場確認しながら河川整備の打ち合わせをしました。何年も前からの要望でなかなか進まない状況でありましたが、当日は雑木雑草の伐採等を実施してくれるとその場で回答をいただき当局側においても危機感を持って豪雨災害対策を進めていると感じたところです。
 昨年七月の西日本豪雨災害を受け、我が会派ではハード・ソフト対策のさらなる充実強化について知事に緊急要望を行うなど、九月補正で河床掘削等の豪雨災害対策予算十億一千万円を確保し県内各地域で対策を進めています。またこのほど国から防災・減災、国土強靱化のため三カ年で緊急対策を実施する方針が示されその足がかりとして本年二月に総額一兆円強の第二次補正予算が計上されることとなりました。これを受けて二月議会において大規模な補正予算を計上していただきました。さらに平成二十九年から平成三十年に実施した豪雨災害等緊急対策事業の後継事業として次期緊急対策事業の新設も我が会派の要望を受け来年度予算案に盛り込まれています。
 そこで、この補正予算におけるその内容と緊急性を踏まえ次期緊急事業の対策など今後の豪雨災害に備えた河川整備の取り組みについてお伺いいたします。以上、答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 江間議員におかれましては、喉を痛められておられましてどうぞお大事になさってください。しゃがれ声なので美声とは言いかねますが味のあるお声でいい御質問をたくさんいただきましてありがとうございました。
 私は、その中でスマート農業の推進についての御質問にお答えいたします。
 農業の担い手の減少や高齢化の進行などに伴い労働力の確保が課題となっておりますが、そうした中いわゆる第四次産業革命と呼ばれる科学技術が進展しております。スマート農業というのはこの第四次産業革命の中身をなす先端の技術と既存の農業技術とを組み合わせるということでございます。ICT、AI――アーティフィシャル・インテリジェンス、人工知能、ロボットなど先端技術を活用した省力化、高品質化、高付加価値化を実現するのがスマート農業でその技術が次々と開発されているのが現状であります。
 これを受けまして、県ではAOI―PARCを拠点としつつ研究開発を進めております。その一方でこうしたスマート農業技術に関する実証フィールドを設けまして収益力の強化につながる効果を検証し、本県の実情に合った生産技術体系を早期に現場へ普及させていく所存であります。
 例えば、県内の水田では基盤整備による大区画化や大型機械の導入などによりまして作業の省力化が進んでおります。一方水の管理にはこれまで多くの時間を費やしておりました。このため中遠地域に約七十五ヘクタールの水田実証フィールドを設け国の試験研究機関や企業とコンソーシアムを組みまして、ICTを活用した自動給水栓の遠隔操作による水管理システムの実証試験を行いまして実用化を目指しているところであります。
 また、別の事例といたしまして牧之原地域の茶園を実証フィールドとしまして生産者とJA、農機メーカーと連携しリモートセンシングによる小区画で分散した茶園の管理作業の効率化を図るとともに、新しく芽を吹きました新芽のAI解析技術の活用による生葉の収穫適期を判断するなどデータを活用した茶の生産管理技術を確立してまいります。
 さらに、将来のスマート農業を担う人材の育成も重要です。農業高校では作業者の視点を追従できるアイカメラでメロンの栽培技術を見える化する学習教材を開発しております。生徒さんも作業に加わって農業情報科学の活用を学んでいるところであります。また二〇二〇年、来年四月開学予定の専門職大学におきましてもスマート農業に関するカリキュラムを充実してまいります。
 日本は瑞穂の国でございます。登呂の遺跡があったころから品種の改良、土壌の改良、農機具の開発、不断に農業をベースにして発展をしてきた国であります。こうした中に今スマートと言われるような新しい技術体系が登場しまして、これを農業に取り込むということで挑戦に値することであると思っております。
 県といたしましては、産学官が幅広く連携する仕組みを構築しまして本県の農業の実情に合ったスマート農業の導入を積極的に進め本県農業の成長産業化を推進してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○議長(渥美泰一君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 豪雨災害に備えた河川整備の取り組みについてお答えをいたします。
 本県では、昨年七月の西日本豪雨災害の発生を踏まえ九月補正予算により県内四十八河川におきまして堆積土砂の排除等の緊急対策を進めているところであります。加えて激甚災害が各地で頻発している状況から、全国一斉に実施した緊急点検の結果に基づきさらなる対策として防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策を今年度から進めてまいります。
 本議会でお諮りしている補正予算では、洪水氾濫による著しい被害が生じるおそれのある磐田市を流れる太田川ほか四十六河川におきまして、洪水の流下を阻害する堆積土砂の撤去や河川内に繁茂している樹木の伐採など直ちに効果の発現が期待できる対策を速やかに実施してまいります。また県独自事業として平成三十一年度からの二カ年事業として創設する災害等予防保全緊急対策事業では、緊急輸送路や災害拠点施設等に浸水被害を及ぼす危険性のある河川におきまして河道の拡幅や堤防のかさ上げ工事等を実施するとともに、老朽化の著しい施設につきまして緊急度の高い箇所から護岸や堤防の補修などの長寿命化対策を実施してまいります。
 県といたしましては、国土強靱化のための緊急対策及び災害等予防保全緊急対策の着実な実施により洪水に対する安全性の早期向上に努めるとともに、引き続き計画的な河川整備を進め何よりも大切な県民の皆様の生命と財産を守る豪雨災害に強い安全・安心なふじのくにづくりに取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 天野経済産業部長。
       (経済産業部長 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長(天野朗彦君) 多様な働き方の推進についてのうち、中小企業の取り組みへの支援についてお答えをいたします。
 少子高齢化の進展や健康寿命が延伸する中、本県の経済社会が持続的な発展をしていくためには新技術の活用やワークライフバランスの促進等により、女性や高齢者が自分に合った仕事を長く続けていくことのできる多様な働き方を実現していくことが極めて重要であります。現在中小企業におきましては人材不足が深刻化し、長時間労働が課題となっております。
 こうした中、議員に御紹介いただきました先進的な企業群のように経営者が女性や高齢者などのダイバーシティー経営を推進することで女性の視点、高齢者の視点を生かしたイノベーションや働き手のモチベーション向上などの効果につながる可能性がございます。また女性や高齢者が働きやすくその能力が十二分に発揮できる環境を整備することで、人材の確保とともに業績がさらに向上する効果も期待できます。
 このため、県では女性や高齢者のライフスタイルに応じた働き方ができる職場づくりを進めるため経営者の意識改革を促すセミナーや職場での推進役となるリーダーを養成する講座などを開催し、経営者と働く人の意識の改革を図り双方が一体となって多様な働き方を実現する取り組みを支援しているところであります。
 また、子育てや介護などと両立できる柔軟な働き方ができるよう企業に対しテレワークや時間単位の有給休暇導入などを支援するアドバイザーの派遣や、実際に女性や高齢者が活躍している事例を紹介し多様な働き方をみずから選択できる環境づくりを支援しております。
 県といたしましては、企業と働く人がともに働き方を見直し誰もが生き生きと働き続けることができるよう多様な働き方の実現に向けた中小企業の主体的な取り組みに対する支援をこれまで以上に充実させてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 杉山経営管理部長。
       (経営管理部長 杉山行由君登壇)
○経営管理部長(杉山行由君) 多様な働き方の推進についてのうち、県庁の今後の取り組みについてお答えいたします。
 県では仕事に働きがいを、生活に生きがいを感じられる組織風土の実現を目指して業務の見直し・効率化や働く場所と時間の多様化、職員の健康増進に向けた取り組みなどさまざまな働き方改革に取り組んでおります。その一つとして昨年十月から経営管理部地域振興局におきまして紙文書の削減や机、椅子等の更新、レイアウトの見直しなど職場環境の改善に取り組んでまいりました。改善に当たり年功序列による座席配置にこだわらず職員一人一人が働きやすい職場環境の実現に向けて管理職も含めた職員全員で議論し取り組んだことにより、職員の間に仕事を効率的に行う意識が高まったところであります。
 また、席を固定化しないフリーアドレスや班長を中心とした座席の配置など職員間の対話を重視した新しい職場環境の特性を生かし、効率的な業務執行とともに情報の共有化、議論の活性化を通じより適切な政策判断が可能となってまいりました。
 今後は、地域振興局での成果を踏まえ業務内容や職員数などを考慮しながら他の部局への展開を積極的に進めてまいります。あわせて職員が一層柔軟に働くことができるよう、未設置の総合庁舎へのサテライトオフィスの拡大や自宅から庁内情報ネットワークに接続する仕組みの構築など在宅勤務ができる環境の整備を進めてまいります。
 県といたしましては、働く場所の改善や多様化を通じて仕事を効率化するとともに職員が能力を最大限発揮できる職場づくりを進めることで行政の生産性を一層向上させ、県民サービスの向上に努めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 増井地域外交監。
       (地域外交監 増井浩二君登壇)
○地域外交監(増井浩二君) 外国人県民に対する日本語教育の充実についてお答えをいたします。
 外国人県民の皆様が孤立することなく地域の一員として暮らしていくためには、生活者として必要な日本語を習得できる教育環境の整備が重要であります。県内には自治体が中心となり地域における日本語教育の体制を整備し成果を上げている例もありますが、多くの自治体におきましては市町、国際交流協会、任意団体等、事業主体もさまざまでありまたその運営者の多くはボランティアであるため規模や対象者、教育の水準が異なっているのが現状であります。
 今後、外国人県民の増加が見込まれますことから県内全域で日本語教育の機会の拡充と水準の向上を図る体制の構築が必要となります。そのためにはまず現在、地域においてどのように日本語教育が実施されているのかを把握する必要があります。
 このため、来年度は市町、国際交流協会、地域日本語教室、学校、企業等の日本語教育を実施する機関や外国人県民を対象に地域における日本語教育の実施状況、学習ニーズなどの実態を調査をいたします。この結果を踏まえ日本語教育実施機関の役割分担を明確にし連携体制の構築を盛り込んだ方針を策定するとともに、関係機関による推進組織の立ち上げ指導者及び支援者の養成のほかコーディネーターの設置等、地域日本語教育を推進する具体的な計画を策定してまいります。
 これらの取り組みを着実に進め、県内全域におきまして希望する全ての外国人県民の方々に日本語学習の機会を提供できる体制を整備することにより、誰もが安心して暮らし活躍できる地域づくりを進めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 池田健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池田和久君登壇)
○健康福祉部長(池田和久君) ゲーム障害、ネット依存者への対応についてお答えいたします。
 ゲーム障害、ネット依存は新しい疾病であり症状や判断基準、具体的影響等の情報が少ないため本人や御家族が依存症であるという認識を持ちにくく、また専門医療機関が少ないため必要な支援が受けられることが困難になっている状況であります。このため県では新たにゲーム障害、ネット依存がどのような疾病であるかなどの県民への周知や予防及び治療につなげるための早期発見、早期対応に要する経費を本議会にお諮りしているところであります。
 具体的にはゲーム障害、ネット依存を知っていただくための簡易版のチェックリストを掲載した啓発リーフレットを作成いたしまして、県教育委員会と連携して中高生や保護者及び教員に配布し病気の特徴、予防や回復の方法、家族の対応の仕方などについて周知してまいります。また県教育委員会では中高生二千人を対象にスクリーニングテストを行い状況を把握するとともに、ネット依存傾向にある生徒に対し自然体験活動を取り入れた回復プログラムを試行的に実施し効果を検証することとしております。
 これらにより、依存症の疑いがあると判断された中高生等につきましては依存症に詳しい医師を配置した医療機関と連携いたしまして、本人と御家族を対象とする相談会の開催と回復を目指すためのプログラムを実施し医療的な支援を行ってまいります。
 県といたしましては、ゲーム障害、ネット依存は健康への支障だけでなく日常生活や対人関係に深刻な影響を及ぼしますことから県内の教育機関、医療機関と連携しましてゲーム障害、ネット依存にならないための体制を構築し青少年の健全な育成に努めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 江間治人君。
       (十一番 江間治人君登壇)
○十一番(江間治人君) 御答弁ありがとうございました。
 それでは、要望を一点と再質問を二点お願いしたいと思います。
 まず要望ですが、多様な働き方の推進についてのうちの中小企業への取り組みについてであります。
 今回、この特別委員会に所属しまして本当に私は勉強になったなというふうに思いました。野澤委員長を初め委員の皆さんには本当に心より感謝を申し上げたいなと思いますし、また今後も私個人としてもこの件については勉強してまいりたいなというふうに思います。
 先ほどちょっと紹介させていただきましたコーケン工業さんというところのエピソードをもう一つ、ちょっと紹介させてもらいたいと思いますが、ある八十歳の誕生日を迎える前日に、私は明日で八十歳になる、みんなの足手まといになりそうだからもうやめたほうがいいと思うがというふうに社長さんに申し出たところ、何をばかなこと言うんだ、あんたはこの会社に必要な人じゃないか、あんたがいなくなったら会社が困る、必要なくなったときはちゃんとそう言うから、俺が要らんと言うまで誰が何と言おうとここで頑張って働いてくれというふうに、現会長さんでありますが村松会長さんがおっしゃったというエピソードがございます。そしてこの会社は百歳の社員がいる会社を目標にしているというふうに言っています。
 このように、社員を大切にする会社は確実に利益を出し成長していくと思います。新時代の多様な働き方の推進は雇用する側と働く側の働き方についての価値の共有だと思います。生産性を求める者と自分に合った働き方を望む者の対話が重要だと思います。
 そして、先ほどの御答弁にありましたようにセミナー、リーダー養成等を行っているということでございますが、このような先進事例の会社を数多く紹介していただくような、そういうふうなセミナー等になっていただければというふうに思います。お願いいたします。
 そして再質問でございます。
 多様な働き方推進のうちの県庁の取り組みについてです。
 私が見学させていただいたところは非常に画期的な環境だと思いますが、まさにこの行政という職種上リスクを伴う改革だというふうに思います。また抵抗勢力も困難な作業もたくさんあると思いますが、ここの点を今後どのように他部局に広げていくのか具体的なターゲットになっている部局等がありましたら教えてもらえればというふうに思います。
 そしてもう一つ外国人県民の日本語教育の推進でありますが、先ほどの御答弁で地域の実態把握ということでございましたが、私がちょっと例に出させていただいた日本語教育の推進におきましては企業の中でというふうに例を挙げさせていただきました。企業というのは日常会話とは違う業務上のワードがたくさん出てくるということで、ここを損なうとやはり外国人の皆さんの県民が住みにくくなるというふうに社長さんもおっしゃっておりましたので、この企業に向けての実態調査あるいは方向性の検討についてどのように取り組むかお伺いしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 杉山経営管理部長。
○経営管理部長(杉山行由君) 働き方改革のうちのオフィス改革の再質問についてお答えいたします。
 今回の地域振興局の改革につきましては抵抗勢力も確かに幾つか散見されるわけでございますけれども、一方で高い関心を持っていただいている部局も数多くあります。ですので来年度展開していくに当たっては本庁、出先を問わずやる気のある所属からの手挙げ方式でやっていきたいというふうに考えています。
 その際、文書の削減とかスペース、レイアウトの変更によってスペースの有効活用という視点からすると恐らく四十人から五十人程度のある程度の規模でやれるところがいいなと。もう一つはフリーアドレスにつきましては組織の枠を超えて自由活発な議論を通じて進行等を進めていく、そういうセクションが比較的なじみやすいなということがわかってまいりました。
 そういう視点に立って手挙げ方式によって来年度は数カ所程度を展開していきたいというふうに考えております。以上です。
○議長(渥美泰一君) 増井地域外交監。
○地域外交監(増井浩二君) 企業に対しての実態調査についてどのように取り組むかということについてお答えをいたします。
 企業によりまして企業内の日本語教室、あるところないところとあるかと思いますけれども、まだ案の段階でございますが現在考えていることは外国人従業者がどの程度働いていらっしゃるのか、あとは出身国あるいは在留資格がどうなのか、日本語能力がどのようなものなのか、あるいは日本語の指導者がいるのか、そのようなものを聞き取りをしまして課題や要望についてお伺いをしていきたいというふうに思っています。
 実際、今も日本語をどのように従業員に学習させていいのかわからない、あるいは日本語を実際に教えてくれる人がいない、見つからないというようなそういうような要望が企業から寄せられている場合もございますので実態調査の中で把握いたしました日本語指導者、そうしたものを企業のほうに紹介するなどのそうした支援をとっていきたいなというふうに思っております。
 実際、調査をして調査が終わってからいろいろ対策をとるのではなくて、その調査をする、実施する中で県として早急に実施すべきことがあるようでございましたらば、関係部局と情報を共有いたしまして対応していきたいというふうに考えております。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 江間治人君。
       (十一番 江間治人君登壇)
○十一番(江間治人君) 御答弁ありがとうございました。
 では、要望を二点お願いします。
 まず、オフィス改革ですが議員控室がなかなか一番難しいのかなというふうに思います。また壁がたくさんあるというふうに思いますが、ぜひ人事異動等で部局、移ったときがチャンスだと思いますのでこういうのを利用して頑張っていただきたいと思います。
 そして、日本語教育につきましては企業の外国人との接点がやはり一番高いのではないかなというふうに思います。これは経済産業部とのかかわりもあるかもしれませんが職場を日本語の教育の推進、企業の職場を推進の起点としていただければありがたいなというふうに思います。以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(渥美泰一君) これで、江間治人君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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