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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

早川 育子 議員

質問分類

代表質問

質問日:

12/07/2018

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 外国人材の活用と共生社会の構築について
2 これからの地域外交について
3 平成三十一年度当初予算編成について
4 障がいのある人への支援について
(1) 県庁の雇用に対する取り組み
  ア 働く職場の環境整備
  イ 障がい者採用試験の受験案内
(2) 企業への就労支援
(3) 障がい者手帳のカード化
5 地域の防災訓練の運営支援について
6 海洋プラスチックごみ対策について
7 女性活躍の推進と静岡県史女性史編の編さんについて
8 富士山世界遺産センターの今後の展望について
9 認知症対策について
10 地域で支える切れ目ない子育て支援について
11 新成長産業の育成について
12 田子の浦港における地震・津波対策について
13 高校教育における通級制度の拡充について
14 警察犬の活用について


○議長(渥美泰一君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百三十四号から第百七十一号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、二十九番 早川育子君。
       (二十九番 早川育子君登壇 拍手)
○二十九番(早川育子君) おはようございます。不覚にも風邪を引きまして大変お聞き苦しい点を御容赦ください。私は公明党静岡県議団を代表し、当面する県政の諸課題について知事、副知事、並びに関係部局長、人事委員会事務局長、教育長、教育部長、警察本部長に一括質問方式で質問をいたします。
 初めに、 外国人材の活用と共生社会の構築について伺います。
 少子高齢、人口減少社会において生産人口の減少は大きな課題です。今年四月から六月にかけて公明党が実施した百万人アンケート調査で訪問した多くの企業から人材不足の課題が非常に深刻であると伺いました。この状況に対し国会では現在外国人労働者受け入れを拡大する入管難民法などの改正案をめぐり、また本日も大変な議論が交わされております。政府は制度導入を目指す二〇一九年度から五年目まで累計で介護業六万人、外食業五万三千人、建設業四万人など十四業種で最大三十四万五千百五十人を受け入れる見込み数を発表し現時点で五十八万六千四百人、五年後には百四十五万五千人の人手が不足するとしております。こうした現状はさまざまな議論を呼んでおりますが、実際外国人材の活用は喫緊の課題であります。私は単なる人手不足の手として外国人を受け入れるのではなく人として受け入れることが重要で、そのための準備は欠くことはできないと考えます。既に静岡県でも昨年末で八万五千九百九十八人の外国人の方が在留されております。グローバル化が進む中で各地で日本語教室や国際交流フェアなどが開催され交流が深められている一方で、文化の違いからごみ捨てや騒音などのトラブル対応に地域の役員の方が苦労されている御相談も伺います。以前介護施設に入居されている高齢者の方に外国人の方が介護現場で働くことについて質問したところ、ほとんどの方が抵抗はなく、むしろ英語を教えてもらえるかもしれない、外国で頑張っている姿を応援したいとの声が上がり大変驚いたことがありました。お互いに違いを認め合い共生する社会の実現は急務です。日本の言語や文化を理解していただくことは重要ですが、異なる文化を私たちも理解し交流していく場面もさらに必要だと考えます。
 そこで、今後増加することが想定される外国人材の活用と共生社会の構築について、県はどのように取り組むのか伺います。
 次に、これからの地域外交について伺います。
 これまで、本県の地域外交は三十六年の歴史を刻む中国浙江省のほか韓国忠清南道、モンゴル・ドルノゴビ県という行政間の交流のほか、東南アジアではタイ、泰日工業大学やインドネシア西ジャワ州との交流を進めています。本年四月に地域外交の基本方針の改訂を行い重点国・地域にインドを加えたところであり、それぞれ一定の成果を見ているところです。今回はタイとの交流促進の観点から質問を進めていきたいと考えます。
 タイと静岡のつながりは四百年以上前にさかのぼり、駿河の国で生まれ沼津城主のかごかきを務めた後朱印船でシャム――タイにわたり日本人町のドンとなった山田長政は、今でもタイで有名な日本人として知られています。十七世紀当時のアユタヤはヨーロッパに引けをとらない国際都市で世界中から五十カ国近い国の人々が移り住み、アユタヤ王朝を外国の脅威から守る傭兵として戦ったのが日本の侍であり、そのリーダーが長政でありました。このようなタイと静岡の歴史を見ても深いつながりがあることがわかります。本県企業のASEAN地域への進出も近年活発化しており、特にタイへは平成二十二年に百六の事業所進出が平成二十九年には百九十と倍増し、ASEANの中でも最も多くの企業が進出しています。平成二十二年にはタイとの交流促進に向けて富士山静岡空港とタイとの間で双方向のチャーター便を運航いたしましたが、平成二十二年の四月に二便、五月に二便運航した以降は平成二十六年に一便が運航されるにとどまっています。
 一方で、現在タイの国内において静岡のブームが起こっています。タイの飲料大手メーカーが宇治茶や八女茶、狭山茶でもなく静岡茶とネーミングした日本茶の飲料を販売して毎日のように宣伝販売を展開しております。このきっかけは民間の努力によって実現いたしましたが、静岡茶のブームをつくってくれていると言っても過言ではありません。静岡のお茶を売り込む絶好のチャンスでもあります。この機会を捉え、静岡とタイの交流を一層深めていく必要があるのではないかと考えます。これまでも県は観光や学生の交流事業などそれなりの交流を行っており、知事も本年一月にトッププロモーションでタイを訪問、さまざまな要人と会見されたと承知しています。
 そこで、こうしたこれまでの取り組みや成果を生かし、タイとの交流により積極的に取り組んでいく必要があると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、平成三十一年度当初予算編成について伺います。
 県内の景気動向は、東海財務局静岡財務事務所の発表によれば緩やかに回復しているものの海外経済の不確実性や労働力不足等による各種供給制約に留意する必要があるとされています。不透明さを抱える経済環境の中、本県財政は来年度の財政収支試算で二百四十五億円の財源不足が見込まれるなど決して楽観できる状況にはありません。将来にわたって安定的な財政運営を続けるためには既存事業の徹底した見直しはもとより歳入の確保にも引き続き取り組むなど行財政改革を着実に進めることが重要です。
 一方で、富国有徳の理想郷ふじのくにづくりの実現に向けスタートを切った新ビジョンは持続可能な社会を実現するため世界中で取り組むSDGsの実現でもあり、誰一人取り残さない社会を構築するため着実な施策の推進が望まれます。
 さらに、近年多発する自然災害から県民の生命と財産を守るため減災・防災対策の拡充や少子化対策の確実な推進、超高齢社会での健康寿命の延伸など待ったなしの課題が山積しております。私ども公明党静岡県議団ではこれまでも県が取り組んできた人づくりや子育て支援、医療・介護の充実、中小企業への支援など県民の安全・安心な生活に直結した施策をこれまで以上に強化し女性や若者、高齢者、障害のある方、外国人などあらゆる人々が将来に希望を持ち生き生きと暮らせる静岡県を構築していく必要があると考えます。
 そこで、県はこうした状況を踏まえ平成三十一年度当初予算編成にどのような方針で取り組んでいかれるのか伺います。
 次に、障害のある人への支援について四つの項目について伺います。
 初めに、県庁の雇用に対する取り組みのうち、働く職場の環境整備について伺います。
 本年の九月定例会の代表質問で、我が会派の田議員が県庁内における障害者雇用の水増し問題の今後の対応について質問したところ、今年度の障害者採用試験におきまして当初の採用予定数にとらわれず可能な限り積極採用に努めるとともに、障害者の職域拡大について全庁的に検討し正規職員のみならず非正規職員を含め障害者の雇用拡大に全力で取り組んでまいりますとの答弁がありました。また昨年の十二月定例会の代表質問で盛月議員が障害者雇用の枠を拡大すべきと質問し、今年度から障害者を対象とする採用試験に精神障害者が追加されました。
 そこで、今回の障害者雇用の水増し問題は今年度の採用試験の募集期間が終了した後に発覚しましたがその後の採用に向けた職域拡大など具体的にどのように進めてこられたのか、また採用後の準備として職員全体に対する障害に対する理解を求める啓発活動や実際の就業支援として職場内ジョブコーチの育成などをどのように進めていくのか伺います。
 次に、障害者採用試験の受験案内について伺います。
 障害者雇用率の問題を受けて、本年十月に財務省や国税庁などが障害者を対象に非常勤職員の求人を急遽行いました。その際に自力で通勤できることや介護者なしで業務が遂行できることを募集条件としたことについて、障害者団体から介助があれば通勤や仕事が可能な人を排除する障害者差別だとの抗議を受けこの条件を削除した旨の報道がありました。また報道機関の取材により、都道府県や政令市においても類似した条件が盛り込まれていることが明らかになり、本県においても人事委員会が行う障害者採用試験の受験案内に、家族等による送迎を含めた自力で通勤し、かつ介護者等、職員以外の人がかかわることなく、職務に当たっていただくという注意書きがされています。この注意書きについて障害者雇用の促進を図る観点から見直しを行うべきと考えますが、県の考えを伺います。
 次に、企業への就労支援について伺います。
 本年四月より、精神に障害のある方も法定雇用率の算定基準に加わり民間企業の法定雇用率が二・二%に変更となり雇用義務の範囲は従業員四十五・五人以上に広がりました。これを受け県では、昨年度より精神障害者雇用推進アドバイザーの配置や今年度より精神障害者職場環境アドバイザー配置事業を開始しております。こうした取り組みを県が推進する一方で民間企業では障害のある方を雇用するに当たり、人手不足の中障害のある方への対応まで手が回らないという理由で採用に至らないとかノウハウがなく受け入れができないなどの理由でなかなか進まないのが現状です。
 十月に会派で、積極的に障害者雇用に取り組んでいる日清紡ホールディングス株式会社を視察しました。水耕栽培でイチゴ生産に取り組んでおられましたが、感心したのは担当者の熱心できめ細かな対応でした。特に精神に障害のある方の場合、対人関係に支障があり個別に休憩するスペースの確保など工夫がなされておりました。さらに感動したことは、毎日簡単に行えるチェックリストを作成し早目に体調不良などを察知し対応することにより本人も自分を客観視でき、雇用する側も早目の対応でリスクを避けることができ双方にとってもメリットが大きく、担当者から他の企業でも展開できるのでぜひ活用してほしいとのお話がありました。私は静岡方式として各企業でも活用できるよう推進したらどうかと思いますが、県のお考えを伺います。
 また、一言に障害者といっても障害の度合いや特性により適性は違います。厚生労働省のQ&Aでも障害者に向いている仕事、向いていない仕事というものはありませんとあります。仕事の細分化や適材適所の配置により就労の可能性はまだまだ広げることができると考えますが、障害のある方の企業への就労支援について今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、障害者手帳のカード化について伺います。
 現在、紙製になっている身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳について本年十月二十四日国の社会保障審議会の障害者部会で耐久性が高く持ち運びしやすいカード型タイプの発行を可能とし、詳細を今後検討した上で省令を改正することを決定しました。これまでの従来型とカード型の発行の選択は自治体の判断に委ねられるとしています。また知的障害者の療育手帳については、現行制度でもカード化は可能で既に実施している自治体も存在します。私は身体障害者手帳を活用している方から、サービス利用時に提示するが半身麻痺があるため出し入れが困難でぼろぼろになってしまうとカード化について御相談を受けておりました。利用される方の立場に立ち、早期導入していただきたいと切に願います。手帳をカード化した場合、各自治体などで提供するサービスによっては押印するなど直接手帳に記載が必要でカード化になるとそのシステムをどうするかなど課題があることは承知しております。しかしICT化が進み、電子マネーでお財布が不要になる時代に紙ベースでその都度押印が必要というのは利用者視点からすると大変おくれているとしか言えません。社会保障制度の基本は申請主義ですが、窓口も異なりその都度申請しなくてはならず選択の自由という名のもとの不自由さは否めません。この際カード化を推進するとともに、利用するサービスが簡単に受けられる仕組みを市町とともに検討していただきたいと思います。
 そこで、障害者手帳のカード化とそれに伴う課題解決に向けた県の取り組みについて伺います。
 次に、地域の防災訓練の運営支援について伺います。
 毎年繰り返し行われている地域の防災訓練において、多くの自主防災組織が訓練内容に不安を感じながらも模索を続けて実施している現場の声を多く聞きます。十二月二日の地域防災の日に県下全域で防災訓練が行われましたが、同じような内容で実施せざるを得ない組織も多くあったと思います。訓練内容を決めることは難しく、どこのフェーズの訓練を行い何を獲得するのかを明確にして内容を絞り具体的な訓練を行わなければ防災・減災対策や避難計画の検証、避難所運営の問題点を発見することができず現実的な対応力の強化につながりません。また訓練のための訓練ではなく高齢者や障害のある方の実質的な訓練になるように配慮することも重要です。さらに地域の力である高校生、中学生、企業、医療福祉施設などとの共同による具体的な取り組みの訓練や避難所に行かずに自宅で過ごせる人や公民館など指定避難所以外の避難場所を含めた地域全域の訓練、避難所運営マニュアルを活用した訓練などを確実に行い、訓練そのものを失敗させないことを目指すのではなく獲得目標を明確にして失敗を恐れずに次につながる訓練を県下全域で行うべきです。より具体的に意義ある訓練を行うためには県がフェーズごとの訓練内容を提示し、その内容と課題がわかり次の訓練につなげることができるようにチェックシートを作成し、自主防災組織の模範的な訓練の実践例を各市町に出してもらい紹介するなど訓練全体のあり方を一冊にまとめた防災訓練運営ガイドとして自主防災組織に提供すべきと考えますが、県の所見を伺います。
 また、県は毎年行っている地域防災訓練の総括をしていると思いますが、課題をどう捉え次の訓練に生かすために市町や自主防災組織に何を発信してきたのか、その結果どのように訓練が改善されてきたのか、これまでの取り組みの成果と評価を伺います。
 次に、海洋プラスチックごみ対策について伺います。
 海洋に流出したプラスチックごみは、鯨やウミガメなどの海洋生物が誤って飲み込んで死に至るなど生態系に影響を与えるだけでなく、太平洋や日本近海でのプラスチックごみによる汚染状況を伝えるさまざまな報道がされるようになって世界的な課題として議論を呼んでおります。特に五ミリ以下の微細なプラスチックであるマイクロプラスチックごみは海水中の油に溶けやすい有害物質を吸着させる特徴を持っているため、食物連鎖の結果私たちが口にする魚などを通じて人への影響も懸念されているところであります。
 また、一口にマイクロプラスチックといっても私たちの身の回りのプラスチック製品が河川や海洋に流出することを防げばその発生を完全に防ぐことができるわけではなく、日常的に使っている洗顔石けんや歯磨き粉の研磨剤がその発生源になっている場合もあります。通常の下水道機能ではマイクロプラスチックを九九%適正に処理できると言われていますが、洪水などで下水があふれた場合はそのまま海に流されてしまうことになり、北極や南極でもマイクロプラスチックが観測されたとの報告もあるなどプラスチックごみによる海洋汚染は確実に地球規模で広がっています。このような状況からSDGsの目標の一つである二〇二五年までに海洋ごみや富栄養化を含む特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し大幅に削減することが挙げられております。
 また、G7ではカナダ及び欧州各国がプラスチック憲章を承認し安倍総理から日本が議長を務める来年のG20でもこれらの問題に取り組む意向であるとの発言がなされ、国としても本腰を入れて取り組むことになりました。私は富士山を背景とし五百キロを超える美しい海岸線が人々を魅了する海洋王国ふじのくにである本県こそ国の動きを待つのではなく、海洋プラスチックごみによる汚染の実態をまずは県民の皆さんと共有しできるところからの取り組みが求められると考えます。例えば海洋プラスチックごみゼロ宣言を行い、海の日を中心とした啓発活動やプラスチックごみ削減に取り組む企業や団体の顕彰など具体的によりスピード感を持って対応すべきと考えます。
 そこで、県として今後海洋プラスチックごみ対策をどのように進めていくのか伺います。
 次に、女性活躍の推進と静岡県史女性史編の編さんについて伺います。
 七月に富士市で行われた女性史交流の集いに参加し共鳴を受けました。講師の一橋大学特別研究委員の平井和子先生は、明治維新から起算して百五十年のことし、国は明治を女性が輝く時代の幕あけとして検証しようとしています、しかし明治は女性が輝く時代だったのでしょうかと語られました。帝国憲法、明治民法、戦前の男女別学教育などをジェンダーの視点で読み解くことによって近代が女性にもたらした光と影が浮き彫りになりました。静岡県の近代史にも詳しい平井先生は、果たして近代化の中で女性たちは本当に幸せになったのでしょうかと投げかけられました。また上野千鶴子さんとの共著「戦争と性暴力の比較史へ向けて」では静岡県で聞き取った女性の体験が掲載されていることを紹介され、こうした貴重な内容も含めて静岡県の女性史を残しておくべきだと強調されました。私の住んでいる富士市を初め三島市、静岡市では女性団体の皆さんが地道な活動を展開され各地の女性史を編さんしてくださっております。若い女性の皆さんと懇談する機会に女性の参政権は戦後成立したことや女性の置かれてきた社会的な立場やそれを開拓してこられた先輩方の活躍を紹介すると本当に驚かれました。またそうした事実を知ることにより現実の困難に立ち向かう勇気が与えられるので、もっと多くのことを知りたいとのお話をいただきました。私は女性が輝く時代を構築するためには、子育てや介護などの個人のライフステージに応じて働き続けることのできる柔軟な働き方の実現など女性の力が最大限発揮できるような環境の整備がまずは重要であると考えます。
 そこで、女性活躍の一層の促進に向けて県は今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 一方で、女性がこれまで置かれてきた歴史を知ることで先人の努力で現在があることを認識することが重要と考えます。静岡県には立派な静岡県史があります。ぜひこうした女性団体の活動を支えながら静岡県史女性史編を編さんすべきと考えますが、あわせて県のお考えを伺います。
 次に、富士山世界遺産センターの今後の展望について伺います。
 今月二十三日、富士山世界遺産センターは開館一周年を迎えます。オープン前からその全景の美しさにたくさんの期待が寄せられ、実際に一周年目にして既に来館者五十万人を突破し目標である三十万人を大きく上回ることができました。「守る」、「伝える」、「交わる」、「究める」の四つのコンセプトに従い模倣登山を楽しみながら展示や映像で学び、富士山の美しさや自然への畏敬の念を感じるすばらしい空間を体験でき、来館者から来てよかったとの感想をたくさんいただいていると伺っております。九月二十二日よりセンター初の本格的美術展覧会が開催され私も訪問させていただきました。徳川将軍家御用絵師筆頭の狩野伊川院栄信・晴川院養信親子に焦点を当て、富士山絵画の定型の成立と展開について検証する一部と江戸画壇の最盛期を富士越龍比較を通して検証する二部構成で、拝見すると国立美術館並みの展示であると大変感銘いたしました。
 また、富士山世界遺産センターは周辺博物館等が組織する富士山ネットワーク推進委員会に加入し情報交換や共有を図っていると伺っており、このような連携が周辺の活性化にもつながっていくことに期待を寄せております。一周年を迎えさらに所蔵している資料の活用や研究成果の発信などますます発展していくと思われますが、一方で二年目のジンクスと言われるような落ち込みも心配されます。一度訪れた方が再び訪れたいと思っていただけるような企画の展示が求められます。
 そこで、一周年を迎えた富士山世界遺産センターの今後の展望について、県の所見を伺います。
 次に、認知症対策について伺います。
 世界に例を見ない速度で高齢化が進む我が国において、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年には認知症高齢者が七百万人に達すると推計されております。認知症は誰もが発症する可能性があり、たとえ認知症と診断されても尊厳を持って生きることができる社会の実現とともに、本人の意向を尊重し家族にも寄り添う姿勢が求められます。またその対策は医療・介護だけでなく生活支援や地域づくり、教育や就労支援に至るまで多岐にわたっており、国では公明党が主導し認知症施策を総合的かつ計画的に推進する基本法制定に向けた準備を進めております。私も認知症対策については重要課題であると認識し議会質問を重ね、 県において認知症サポーターの養成や認知症コールセンターの設置、若年性認知症対策など幅広く対策を推進していただいてきたことは承知しております。さらに十月八日に行われました認知症の本人が語り合う全国の集いに参加させていただきとても感銘しました。認知症の御本人でなければ語れない心情を赤裸々に語り合うことは大変勇気が必要であっただろうと推測されますが、本人の思いを知ってほしい、より過ごしやすい地域にしてほしいという強い思いが伝わり、会場内に温かな空間が広がり感動的なひとときとなりました。こうした御本人同士が語り合う場が地域の中に存在することが重要であるとともに、地域全体が認知症に対する理解をさらに深めていく必要性を実感いたしました。そのために例えばこれまで養成された認知症サポーターをさらにステップアップさせてネットワーク化し、地域の推進役になっていただくことが重要だと考えます。また認知症サポーター養成講座を修了するといただけるオレンジリングは余り活用されていないのが実情です。認知症に理解を示しているということがわかる独自のマークを作成し、サポーター養成講座修了者だけでなく地域の中で理解ある店舗や職場に付与し活用していただくことも考えられます。あらゆる角度から認知症対策を加速化する必要があると強く思っております。
 そこで、今後総合的な認知症対策をどのように進めていくのか、県の取り組みを伺います。
 次に、地域で支える切れ目ない子育て支援について伺います。
 二月議会でも取り上げましたが、女性の健康は生涯を通じて女性ホルモンが影響し特に妊娠、出産は体の変化が激しい時期と言えます。産婦人科医によると産後鬱は子育ての負担が原因と考えられがちですが、さらに加えて言えば実は女性ホルモンが一気に下がり誰でもなり得る可能性があるとのことでした。昔は産後の肥立ちと言われ、出産を終えた女性は体が回復するまでの六から八週間の産褥期の間ゆっくり体力を回復するよう過ごしていました。
 本県では、市町が実施主体となって産後ケア事業が行われていますが県として市町に対してどのような支援を行っていくのか伺います。
 また、子育て世代が孤立することなく、地域全体で子育てを支援することが重要だと考えます。例えば我が会派が提案した子育て優待カードですが、理解ある企業や団体によりさまざまな応援をいただいておりますがより一層充実した内容になるよう働きかけてみてはいかがでしょうか。少子化が進む中で解決すべき課題は山積しておりますが、子育て中の母親が孤立しないよう地域全体で切れ目ない支援が必要だと考えますが、県の取り組みを伺います。
 次に、新成長産業の育成について伺います。
 静岡県は、これまでものづくりの県として研究、技術革新への支援を行い他県に類を見ない勢いで推進していると認識しております。先日ふじさんめっせで行われたCNF展示会には多くの来場者があり私も参加させていただきましたが、新たな展開に向け全国から関心が寄せられていることを改めて実感いたしました。特に樹脂との混合についての課題は県の工業技術支援センターと民間の研究機関とのさらなる連携により早期解決が期待されます。さらにCNFに加えこれまで県が取り組んできたフォトン、ファルマ、フーズに加えロボット、次世代自動車、新エネや環境、航空宇宙など成長分野への参入は企業にとり関心の高いところですが実際の商品開発に至るまでの工程は予算や人材そして時間もかかることから戦略的に県が取り組んでいくことが求められます。私の住む富士市では旭化成株式会社が研究部門を富士市に集約させているほか、日本製紙株式会社でもCNFの研究機関を東京から移転してきました。また裾野市にあるトヨタ自動車東日本株式会社でも工場は移転計画がありますが、研究機関はそのまま残す方向にあると伺っております。静岡がんセンターにはがん治療の先端医療研究が集約されております。こうした研究機関が存在するということは優秀な人材群が存在するということです。私はこれだけの研究機関が存在することをもっとアピールし、これまでの企業誘致に加え研究機関を集約し研究機関同士の連携を深めていくことで新たな静岡県の魅力を発信することが可能となり新成長産業の育成にもつながると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、田子の浦港における地震・津波対策について伺います。
 私の地元田子の浦港は、昭和三十六年の開港から今日まで富士市の経済を支えてきた重要な港であり、最近では富士山の世界遺産登録を契機に富士山の裾野まで望める港として、さらにGI認定となった田子の浦しらすやふじのくに田子の浦みなと公園の完成などを追い風に多くの魅力を備えた港として今後の発展に期待が寄せられております。
 一方で、近年多発する地震を初めとした自然災害への備えに関心が寄せられ、富士市が主体となって周辺地域住民や就業者の生命財産を守るため田子の浦港振興ビジョンを策定し防災対策に取り組んでおります。この対策ではレベルツー津波に対して田子の浦港の港湾施設である第三波除堤の機能強化を図ることで、津波の勢いを弱め被害を軽減させることとしています。このレベルワンを超える津波に対する安全度の向上を図る静岡モデルは市と県が協力して推進する必要があります。
 そこで、田子の浦港における静岡モデルの推進について今後県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、高校教育における通級制度の拡充について伺います。
 発達障害のある生徒、保護者の長年にわたる念願であった高校教育における通級制度が本年六月より県立静岡中央高校で開始となりました。私も委員会等でこの通級制度の必要性を訴えてきましたので展開を大いに期待しておりました。本年十月に会派で静岡中央高校にて実際の取り組み状況について視察し意見交換を行い愕然としました。静岡中央高校の通信教育に通っている生徒を対象に実施されておりますが、多くが不登校などの課題を抱えているため一人一人に向き合う教員の負担が余りにも大きいと感じました。また教室をパーティションで区切るなど工夫はされているものの、個別課題解決するためには個室が必要でハード面の課題もありました。 義務教育において特別支援教育を受けてきた生徒だけでなく、それ以上に高校進学とともに課題が噴出しより専門性の高いかかわりが求められる生徒の多さに大変驚きました。今後さらにニーズが高まることを考えると、教室などのハード面の整備に加えより専門知識を有した教員の配置など早急な対応が求められます。
 そこで、高校教育における通級制度の拡充について今後どのように進めていくのかお伺いいたします。
 最後に、警察犬の活用について警察本部長に伺います。
 昨年の二月定例会で、認知症にある行方不明の早期発見に向けた取り組みについて質問しましたが、今後も必要に応じて警察犬を活用し早期発見に努めるとの答弁をいただきました。本年十月末現在の警察犬の出動は犯罪捜査が五件減少しているのに比べて行方不明者の捜索が百十二件増加という大幅増の状況にあります。刑法犯認知件数が年々減少している中、犯罪捜査のための警察犬の出動は減少しているもののその減少分をはるかに上回る件数を行方不明者捜索が占めており、結果的に警察犬の出動件数は大きく増加しております。このように警察犬が今後も警察活動において重要な役割を担うことは間違いないと言えますが、実際のところ年々警察犬訓練者が高齢化しており、若い世代の訓練者がふえないことが問題となっています。
 本県の警察犬は、民間で飼育、訓練された犬を警察犬として嘱託する嘱託警察犬のみを運用していますが、警察犬の資質を審査する審査会への出場頭数は横ばいで警察犬の確保も困難になりつつあると伺っております。また警察犬の出動は犯罪捜査や行方不明者捜査にかかわらず昼夜を問わず要請されますが、訓練者の高齢化などもあり夜間の対応が困難なケースや現場到着までに相当の時間を要するケースも少なくありません。さらに犯罪捜査に従事する特性から当然犯罪者と対峙する可能性もあり、警察職員として稼働した経験のない民間人がそのような場面に遭遇することは大きな危険を伴うといえます。
 警察犬の活用について全国に目を向けると、警視庁と大阪府警は一〇〇%直轄犬で関東圏では群馬、千葉、神奈川、新潟、山梨、長野が直轄犬と嘱託犬の併用をしており埼玉県でも近日中に直轄犬の運用が開始される見込みとなっています。先日我が会派の前林議員が大阪府警の警察犬訓練センターを視察しましたが、警察犬訓練センターを設置するに当たっては犬の鳴き声やにおいの問題が非常に大きく、こうした問題がクリアできる郊外で交通アクセスのよい立地が求められるという説明を受けています。警察犬の活用の場が今後確実に広がることが見込まれる中さまざまな問題を抱えていること、また導入する方針が決定しても訓練センターの立地の問題など実際の導入には相当の時間を要することから今後の警察犬活用について具体的検討が必要な時期に来ていると考えられます。
 そこで、今後の警察犬の活用について、警察本部長の所見を伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 早川議員におかれまして、お風邪の中の代表質問ありがとうございました。一日も早い御回復をお祈りいたします。お大事に。
 それでは質問にお答えいたします。外国人材の活用と共生社会の構築についてであります。
 人口減少や高齢化が進展する社会におきまして地域の活力を維持するためには、外国人県民もひとしく県民でありともに暮らす生活者であるという視点に立ち、国籍や文化の違いを超えて誰にとっても暮らしやすく能力を発揮できる多文化共生の地域づくりが必要であります。早川議員は平成二十九年末までに本県に在住する外国人の数を八万五千九百九十八人と紹介されましたが、それから半年たちまして平成三十年六月末までで八万八千七百二十人になっています。半年間で二千七百人以上の増加ということであります。こうした状況下で本県ではふじのくに多文化共生推進基本計画を策定いたしまして多文化共生意識の定着やコミュニケーション支援、教育、医療など生活環境全般の充実を図っております。加えて外国人県民の就業、定着を支援するとともに、地域防災やコミュニティ活動への主体的な御参加を促し彼らが活躍できる場づくりにも取り組んでおります。
 具体的には、日本語の能力が十分でない外国人県民が安心して医療機関を受診できるよう医療通訳を養成、紹介する体制を整備いたしました。十月からは大規模災害発生時に多言語による災害関連情報の発信、市町が行う被災外国人住民の対応に必要な翻訳及び通訳支援を行うとともに、災害に関する相談に対応する体制を整えました。日本人県民と同じ情報を得ることができれば、外国人県民も地域の一員として役割を担うことができるものと期待しております。地域の一員であり、御一緒にふじのくにづくりをしていくという仲間であるという視点でございます。
 一方、日本人県民の異文化理解促進を図る取り組みといたしましては、県内大学に在学しているふじのくに留学生親善大使による交流活動や国際交流員が子供たちに母国の暮らしや文化を紹介する出前教室を実施しております。今後生涯学習センターや研修会などでの活動機会をふやすことにより幅広い世代に向けた取り組みを進めてまいります。
 現在、国におきましては新たな在留資格の創設が国会で審議されており、多言語での生活相談の対応を初めとする外国人受け入れ環境の整備に係る総合的な対応策につきましても検討が進められております。その中でも特に日本語教育の充実が柱となるべきであると考えております。いわば日本語の国際化を図るというそうした目標を持って、そうした自覚を持ってこの日本語を外国人の方々に普及していくという視点が大事ではないかと存じます。多くの方々は憧れて日本に来ております。日本語ができるという自信を持つとそれが御本人にとっても大きな誇りと自覚になり、また母国と日本とを結ぶこの大使といいますか草の根の大使としての自覚も高まるものであります。外国に生活をした人は誰もが不安を抱えます。言葉の不安、それから有事における病気とかさまざまなときの親切な対応というものは骨身にしみるものでありまして、したがってふじのくに静岡県がそのような態度をとることはこれはほかの国の方々にとっても外国人が今いる、そういう多民族共生の時代に入っておりますからモデルにもなると。
 私どもは、このいわば、だもんで弁といいますか静岡弁のことですが、それが標準語になってもいいんじゃないかとすら思っているわけでございます。県としましても国の動向を注視しながら新たに受け入れる外国人県民も単なる労働者として見るのではなく生活者としての視点を持ち、安心して学び、働き、暮らしていくための支援について取り組んでまいります。今後も異なる宗教、人種、民族の多様な生き方を認め合い誰もが努力すれば夢がかない差別されずに幸せを実感できる多文化共生社会の実現を目指してまいります。
 次に、平成三十一年度当初予算編成についてであります。
 新ビジョンの二年目となる平成三十一年度は、富国有徳の美しいふじのくにの人づくり・富づくりの早期実現を目指し近年頻発する大規模な自然災害への対応、待機児童の解消や県内企業の人手不足対策など本県が抱える喫緊の課題に対し的確に対応する施策を積極的に展開してまいります。議員におかれましてSDGsの誰一人取り残さないという理念を御紹介いただきましたけれども、私どもはどなたもかけがえない存在であるという理念に立っております。具体的にはハード・ソフト両面からの災害対応力の向上、医療・介護・保育分野の人材の確保・育成や社会健康医学研究による科学的知見を生かした健康寿命延伸のための施策の充実のほか、女性、高齢者の就業支援、本県経済の屋台骨である中小企業のICT導入による生産性の向上や事業承継に対する支援など県民の誰もが豊かで安全・安心な暮らしを実現できる取り組みに対し重点的に予算を配分してまいります。
 一方、来年度の財政収支試算では二百四十五億円の財源不足が見込まれております。将来にわたって安定的な財政運営を堅持していくためには、議員御指摘のとおり全庁を挙げた行財政改革への取り組みが不可欠であります。このためエビデンスに基づく政策評価を踏まえ事業のスクラップ・アンド・ビルドを行うなど徹底的な歳出の見直しを図るとともに、個人県民税を初めとする県税の徴収対策の強化や未利用財産の売却などによる歳入の確保にも取り組んでまいります。平成三十一年度当初予算の編成に当たりましては健全財政の枠組みを堅持しつつ、県民の誰もが生活の豊かさを実感し将来に希望を持って生き生きと暮らすことができる持続可能な社会の実現に向け全力で取り組んでまいります。
 次に、富士山世界遺産センターの今後の展望についてであります。
 富士山世界遺産センターは、富士山を「永く守る」、「楽しく伝える」、「広く交わる」、「深く究める」ための拠点であります。昨年十二月二十三日に開館して以来、国内外の多くの皆様に御来館をいただき今月一日には来館者数が五十万人を超えるなど本県を代表する施設となりました。県ではより多くの方々にセンターに来館していただけるよう開館前から県内外での積極的なPR活動に努めました。あわせて開館後は話題性のあるさまざまな企画を実施してまいりました。議員にもごらんいただきました初めての有料展示「富士山絵画の正統」では、所有者などの御協力をいただきましてふだんは見ることができない個人蔵の作品など江戸時代の価値の高い富士山絵画を展示し、二カ月間で何と一万四千人もの皆様が鑑賞され高い評価をいただいたところであります。こうしたさまざまな取り組みが当初の来館者数の目標を大きく上回る結果につながったものと考えております。
 今後は、議員御指摘のとおり一度訪れた方が再び訪れたいと思っていただけるような魅力ある企画の展開が求められます。そこで今月十五日からは、小山町と共同で実施してまいりました富士山須走口における巡礼路に関する調査研究の成果を展示するほか、来年一月一日には三階の常設展示「育む山」をリニューアルいたしまして富士山が育んださまざまな動植物を紹介してまいります。また来年五月の連休には徳川記念財団との共催により富士山と関係が深い徳川将軍のゆかりの品々を紹介する特別展を、夏には富士市の富士山かぐや姫ミュージアムとの共催による展示会を開催する予定です。さらに好評をいただきました江戸時代の富士山絵画展をシリーズ化するなど、調査研究成果や地域の関係機関との連携を基盤にして魅力的な企画を積極的に展開し、さまざまな媒体に取り上げていただくことで来館を促進してまいります。富士山の世界文化遺産としての価値をより多くの方々に理解していただけるよう、今後も調査研究を行いつつ富士山世界遺産センターが魅力ある施設として常に進化するように取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(渥美泰一君) 吉林副知事。
       (副知事 吉林章仁君登壇)
○副知事(吉林章仁君) 障害のある人への支援についてのうち、県庁の雇用に対する取り組みについてお答えをいたします。
 働く職場の環境整備についてでありますが、職域の拡大につきましては大型モニターの設置、聴覚障害者用電話機の設置、車椅子の動線確保など障害の特性に応じた配慮を行うことによりまして障害のある職員が幅広く能力を発揮できますよう職場づくりを進めております。また知的障害のある職員につきましては現在県庁内の資料印刷や発送準備、不要文書の廃棄等を集約して行いますワークステーションの業務に従事をしていただいております。三年前に比べまして処理件数の倍増が見込まれており業務が増加傾向にあります。このためワークステーションを年度内に現行の一カ所から二カ所に拡充することといたしまして、新たに非常勤職員二人の募集を開始しております。
 職員に対する啓発活動につきましては、職員研修の機会を通じまして障害のある職員やその上司から生の声を聞くなど障害のある方に対する職員の理解を深めるための取り組みを進めております。
 今後は、障害のある職員が配属された所属の職員に対しましてもジョブコーチに関する研修を受講させるなど職員が円滑に職場に適応できますよう職場環境の向上を進めてまいります。
 また、現在ワークステーションでは知的障害のある職員に対する業務の支援を行うため福祉施設などにおきまして指導経験のある職員をジョブコーチとして配置をしております。引き続きこうした専門的知識や経験を有する職員の活用を図ってまいります。
 今後とも、障害のある職員が十二分に能力を発揮できますよう障害の特性に応じた配慮を行い働きやすい職場環境の整備に努めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 増井地域外交監。
       (地域外交監 増井浩二君登壇)
○地域外交監(増井浩二君) これからの地域外交についてお答えをいたします。
 タイ国につきましては、本県と歴史的にも経済的にも大変つながりの深い地域と認識しており本年四月に改訂いたしました地域外交基本方針におきましても重点国・地域として位置づけ、観光分野や経済分野を中心に交流を進めております。昨年は日本とタイの修好百三十周年の節目の年でありましたことから本年一月に知事によるタイへのトッププロモーションを実施し、バンコクで開催されたジャパンエキスポ会場での観光情報や静岡茶の紹介を通じ本県の情報発信に努めてまいりました。また泰日工業大学との間で産業人材分野での協力に関する覚書を取り交わし、同大学の学生の人材育成と県内企業の人材確保につなげることといたしました。十月には本県企業のタイでの事業展開支援を目的にビジネス支援ネットワーク組織を立ち上げ、タイの投資環境に係る情報提供や現地に進出する県内企業間及び政府機関との関係強化を図ったところであります。あわせて一月に泰日工業大学との間で取り交わした覚書に基づき、県内企業へのビジネスインターンの受け入れやジョブフェアへの出展を通じ本県経済への活力の取り込みを進めてまいりたいと考えております。
 今後とも、観光や経済、人材交流の分野を中心に県民の皆様や県内企業が多くの恩恵を享受し実感できますように積極的に本県の地域外交を推進してまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 鈴木人事委員会事務局長。
       (人事委員会事務局長 鈴木茂樹君登壇)
○人事委員会事務局長(鈴木茂樹君) 障害のある人への支援についてのうち、県庁の雇用に対する取り組みについてお答えいたします。
 障害者採用試験の受験案内についてでありますが、障害のある方がその適性に応じた職業につきその能力を十分に発揮し地域で自立した職業生活を送ることができる社会を実現するために、県では本委員会が行う障害のある方を対象とした試験による採用や任命権者が個別に行う採用を通じて障害のある方の就労の場の提供を進めてまいりました。今回報道機関に取り上げられた受験案内の注意書きにつきましては採用する各任命権者と協議の上、家族の方々の支援などにより通勤可能な方の受験の機会を確保するとともに、職務におきましては守秘義務の観点から外部の方の介助が難しいことなどを考慮し設けたものであります。今後実施する試験におきましては障害のある方により多く受験していただけるよう、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく指針等を踏まえ適切な受験案内に改めてまいります。
 あわせて、採用後における職場環境の整備や援助を行う者の配置などの合理的配慮につきまして採用試験を実施する本委員会として各任命権者に対しまして適切な措置を働きかけてまいります。
 人事委員会といたしましては、今後とも障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会の実現に向けて各任命権者と連携して障害のある方の雇用促進に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 天野経済産業部長。
       (経済産業部長 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長(天野朗彦君) 障害のある人への支援についてのうち、企業への就労支援についてお答えいたします。
 障害のある方がその適性に応じた職につき地域で自立した生活を送ることができる共生社会づくりを進めることは、極めて重要な課題であると認識をしております。
 本年四月、障害者雇用の法定雇用率が引き上げられ精神障害のある方が雇用率の算定基礎に加わったところでありますが、近年仕事を求める精神障害のある方は急速に増加しております。しかしながら障害者職業総合センターの全国調査によれば、精神障害のある方の就職一年後の職場定着率は約五割と低く企業での就労を拡大していくためには定着に向けた一層きめ細かな支援が必要であります。
 議員御提案の精神障害のある方がみずからチェックリストに記入する方式につきましては、心身の変化を可視化することで御本人と企業双方が現在の状態を把握することができ、軽作業への一時的な配置転換や就労時間の変更などの配慮が可能となるなど離職防止につながる効果が期待できます。このため県では今後支援機関や専門家の御意見などを伺いながらこうした先進的な企業が取り組んでいる好事例につきまして広く普及、導入を図り、精神障害のある方の職場定着の促進に向けた取り組みを充実させてまいりたいと考えております。
 また、就労の可能性を広げるための仕事の細分化や適材適所の配置につきましては県下に十五人配置しております障害者雇用推進コーディネーターによる仕事の切り出しなどの提案や、就労後の職場定着を支援いたしますジョブコーチによる個々の適性を踏まえた業務選定へのアドバイスなどの取り組みを強化してまいります。
 加えて、コーディネーターとジョブコーチによる定期的な情報交換や企業への同行訪問、作業工程の工夫等について学ぶ研修会を開催するなど相互の連携とスキルの向上を図りより充実した支援ができるよう努めてまいります。
 県といたしましては、今後とも静岡労働局など関係機関と連携し一人でも多くの障害のある方が安定して仕事につくことができるよう、これまで以上にきめ細かな就労支援に取り組んでまいります。
 次に、新成長産業の育成についてであります。
急速な少子高齢化やAI、IoTなど科学技術の著しい進展は社会経済の様相を大きく変えようとしております。こうした中本県経済を持続的に成長させ発展させていくためには、産学官が連携して不断に新たなイノベーションを生み出していく仕組みづくりが不可欠であります。中でも大学や官民の研究機関などが連携し新結合による技術革新を次々と誕生させていく環境づくりや基盤整備は極めて重要であります。
 議員御指摘のとおり、本県には県立の試験研究機関のほか大学や国、民間などの有力な研究機関が数多く拠点を構えており、それらのさらなる連携により既存産業の高度化や新しい産業の創出につなげていく必要があります。このため県では新産業集積クラスターを初めとした産学官が集うプラットホームの充実に努めており、昨年八月には先端農業の技術開発拠点となるAOI−PARCを沼津市に開設いたしました。また現在新たな海洋バイオ産業の創出を目指しまして、研究開発、産業応用の拠点となるMaOI−PARCこれはマリン・オープン・イノベーション・パークの頭文字をとったものでありますが、この設置などを検討しているところであります。
 さらに、CNFにつきましては県立富士工業技術支援センターの機能を強化し寄附講座を設置しております静岡大学はもとより、東京大学や京都大学を初め日本製紙株式会社のCNF研究所など民間の研究機関との連携を一層促進して知の集積と研究開発機能の拠点化を図ってまいります。
 県といたしましては、こうした本県に拠点を置く高度な研究機関の存在やそれらと連携した各プロジェクトの取り組みなどにつきまして国際学会やフォーラム、企業の技術展示会などの場を活用してこれまで以上に情報発信に努め、国内外から広く研究者や研究機関の集積を図っていくことで先端技術開発の拠点形成を進め新たな成長産業の創出、育成を推進してまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 池田健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池田和久君登壇)
○健康福祉部長(池田和久君) 障害のある人への支援についてのうち、障害者手帳のカード化についてお答えいたします。
 身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳及び療育手帳は県や政令市等が発行し県内で約十八万人の方が所持しております。
 身体障害者手帳及び精神障害者保健福祉手帳につきましては、様式や記載内容、記載事項が関係省令に定められております。現在国において手帳型かカード型か当事者の選択とすることを基本に手帳に記載する内容や記載方法などカード化の検討が始まっておりますことから、この動向を注視し制度改正に速やかに対応できるようカード型の導入に向けて準備を進めてまいります。
 療育手帳につきましては、都道府県、政令市の規則等で様式や記載事項を定めております。山口県が既にカード型を導入しており当事者の三割程度がカード型を選択しておりますことから、手帳のカード化は携帯のしやすさや丈夫さなど利便性が向上するものと考えられます。
 一方、記載事項を変更するたびにカードの再発行が必要であることや小型化することで紛失のリスクが高まったとも聞いております。
 県といたしましては、国のカード化への対応を踏まえ他県の事例や取り組みを参考に三手帳合わせたカード型の導入に向けて政令市や関係機関、団体と十分協議し、対応を検討してまいります。
 次に、認知症対策であります。
 二〇二五年には、本県の六十五歳以上の方の五人に一人約二十三万人が認知症になると推計され誰もが認知症の本人あるいは介護者として認知症にかかわる可能性がある時代を迎えております。
 県では、ことし三月に策定いたしました静岡県長寿社会保健福祉計画において認知症にやさしい地域づくりを新たな柱として認知症の人とその家族への支援、状態に応じた適時適切な支援体制の構築、若年性認知症施策の推進の三つの施策を進めていくことといたしました。計画初年度の今年度から地域における認知症の早期発見、早期対応を図るための医療専門職等による出張相談や若年性認知症の方が就労継続するための企業向け出前講座などに取り組んでおります。
 ことし十月に開催いたしました認知症の本人が語り合う全国の集いin静岡には多くの方が参加され、本人による意見交換の声をまとめた「いっしょにつくろう!暮らしやすいまち宣言」が行われました。本県におきましても本人同士が暮らしやすい地域のあり方を一緒に話し合う本人ミーティングを市町等に普及するほか、御本人が自身の体験を踏まえて行う相談や交流活動を支援してまいります。
 また、認知症の方を温かく見守る認知症サポーターの養成人数は三十万人を超え認知症の方を支える輪が広がっております。サポーターの皆様には認知症の方の外出支援や困り事のお手伝いなど新たな役割を担っていただけるよう活躍の場を拡大してまいります。
 今後とも、認知症は誰にとっても身近なものであることを社会全体で理解し、認知症の方の意思が尊重され正しい理解や適切な支援のある社会の実現を目指して認知症対策を推進してまいります。
 次に、地域で支える切れ目ない子育て支援についてであります。
 出産後は、身体のダメージや気持ちが落ち込むといった心の不調に加え核家族化や地域のつながりの希薄化により周囲のサポートが受けづらい状況になっており、こうしたことが産後鬱のリスクを高める要因となっております。こうした状況に対応するため市町の子育て世代包括支援センターでは支援が必要な方に対して保健師による家庭訪問などを行っており、その中でさらに手厚い支援が必要な場合には産後ケア事業により産褥期の心と体のケアや沐浴、授乳などの育児サポートを行っております。
 県では、子育て世代包括支援センターの相談事業や産後ケア事業が円滑に実施されるよう保健師を対象とした研修の実施や産後鬱自己チェック表を作成し提供したところであり、センターの設置や産後ケア事業が未実施の市町に対しましては積極的な取り組みを働きかけ県内全ての市町において実施できるように支援をしてまいります。
 また、子育ての孤立感の解消を図り子育てを社会全体で応援する機運を醸成するため推進しておりますしずおか子育て優待カード事業は、応援サービスを提供する店舗と利用者の声に応えるサービスがふえるよう市町と連携し商工団体等に働きかけることとしております。
 県といたしましては、市町や医療機関、企業などと連携し妊産婦や母子が地域で孤立することなく安心して子供を産み育てられる環境づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 金嶋危機管理部長。
       (危機管理部長 金嶋千明君登壇)
○危機管理部長(金嶋千明君) 地域の防災訓練の運営支援についてお答えいたします。
 地域防災訓練は、自主防災組織における自助、共助の取り組みを強化するため昭和十九年の東南海地震にちなみ十二月の第一日曜日を地域防災の日と定め、毎年多くの県民の皆様が参加し実施しております。
 訓練の総括についてでありますが、近年災害が多発し避難所運営や共助の担い手確保が課題となっておりますことから、女性の視点を取り入れた避難所運営訓練の実施や中高生の訓練参加を促してきた結果徐々に定着してまいりました。また今年度の訓練では自家発電機等を活用した停電対応訓練、災害時用トイレの設置訓練、ヘリコプターを活用した孤立集落救援訓練など各自主防災組織が地域の実情を踏まえ実践的な訓練を実施いたしました。
 一方、一部の自主防災組織からは訓練の企画や運営方法がわからないなどの声も寄せられておりますことから訓練の優良事例をわかりやすく取りまとめ、県のホームページや自主防災新聞等を活用して積極的に情報発信してまいります。
 県といたしましては、これらの取り組みにより自助、共助の要である自主防災組織の強化を図ることで地域防災力の向上に努めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 鈴木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 海洋プラスチックごみ対策についてお答えいたします。
 本県では、これまで3Rにつながる分別回収の推進や監視、パトロールなどによる不法投棄防止対策のほか、地域住民の河川美化活動や市町が行う海岸漂着物の回収活動への支援など海洋プラスチックごみ対策に取り組んできたところであります。これらの取り組みはプラスチックごみの海洋への流出による地球規模の環境汚染に対する懸念を背景に国が先月示したプラスチック資源循環戦略案の具体的な取り組み内容に合致しておりますことから、これまで以上に推進してまいります。
 これに加え、プラスチックごみによる海洋汚染の現状や発生原因について広報することで理解を促し、県民の皆様に対しましてはエコバッグなどプラスチック代替品の一層の利用を働きかけてまいります。また事業者に対しましては廃プラスチックをリサイクルした建築資材などの使用をさらに促進するとともに、こん包時の発泡スチロールなど使い捨てプラスチックの使用を控える協力を要請してまいります。
 県といたしましては、国の戦略を見据えながらできることからスピード感を持って海洋プラスチックごみ対策を進めてまいります。
 次に、女性活躍の推進と静岡県史女性史編の編さんについてであります。
 女性が輝く時代を構築するためには、全ての女性が家庭、職場、地域等、多様な場面においてみずからの意思によって個性と能力を十分に発揮できる環境づくりが重要であると考えております。現在出産、育児等により離職せざるを得ない女性が少なくない状況にもありますことから、県では特に職業生活における女性活躍の推進に力を入れております。
 具体的には、延長保育を実施する保育所をふやすとともに早出や遅出、短時間勤務等ライフステージに応じて融通のきく勤務体系の導入や男性が家事、育児等へ参画しやすくなるような配慮を経営者層の方々に直接働きかけております。また管理職を目指す女性に対しましてはスキルの向上や異業種間のネットワークづくりの支援を行っております。
 県といたしましては、今後さらに就業環境の改善により女性の人材確保や離職防止につながった実例等を取りまとめ、女性の採用や管理職登用が少ない企業に向けて発信し改善の糸口にしていただくなど女性の力を最大限発揮できるような環境の整備に取り組んでまいります。
 また、議員から御提案のありました静岡県史女性史編の編さんにつきましては、静岡県史において今後編さん予定の社会・文化・教育編の中で女性を取り巻く環境の変化等について取り上げていくことを含めて予定しております。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 平野交通基盤部長。
       (交通基盤部長 平野忠幸君登壇)
○交通基盤部長(平野忠幸君) 田子の浦港における地震・津波対策についてお答えいたします。
 田子の浦港におけるレベルワンを超える津波への対策は、平成三十年三月に田子の浦港振興ビジョンが改訂され、レベルツー津波を完全に防ぐ従前の考え方から多重防御による減災に方針転換が図られました。新たな振興ビジョンではレベルツー津波に対して逃げる、備える、防ぐの三つを減災対策の柱とし、このうちの防ぐ対策では第三波除堤をレベルツー津波に対しても流失せず粘り強く機能を発揮できるように強化することにより田子の浦港に入ってくる津波の量を減らし、被害を最小限に抑えることとしております。
 本年度、富士市が第三波除堤のレベルツー津波に対する強度を調査しているところでありますが、今後の施設強化の実施に当たりましては県が港湾管理者として有する港湾土木の専門知識や港湾利用者との調整等のノウハウが必要となります。このため現在県は、来年度からの事業実施に向けて施設強化に関する技術的な協力の範囲や役割分担などにつきまして富士市と調整を進めているところであります。
 県といたしましては、富士市と共同して静岡モデルによる田子の浦港の津波対策を推進し多くの魅力により地域経済を発展させる安全で安心な港づくりに努めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 高校教育における通級制度の拡充についてお答えいたします。
 発達障害など特別な支援を必要とする生徒に対しましては切れ目のない支援が重要でありますことから、本年六月より静岡中央高校におきまして通級指導を開始したところであります。現在通信制の生徒三十四人について個別のニーズに対応した指導を行っております。
 実施に当たりましては、静岡大学の大塚玲教授とカウンセラーで構成される通級指導支援委員会の助言も受けパーティションを用いて教室を有効に使いながら個別指導と集団指導を組み合わせて行っております。その結果コミュニケーションがとれるようになるなどの成果が出ております。今後は、通信制とともに全日制、定時制における生徒への対応が必要となりますことから県内全域における通級指導の方策につきまして引き続き検討してまいります。
 さらに、通級指導に従事できる教員を育成し、増強するため静岡県健康福祉部と連携して研修を実施し、教員が専門的スキルを有する外部講師とチームティーチングを行い、指導経験を積み重ねることにより専門性を高めてまいります。
 高校における通級制度は始まったばかりであります。生徒の自立に向け教育が果たす役割は極めて大きいことから、今後とも特別な支援を必要とする生徒一人一人に寄り添った教育を実現できるよう積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 小嶋警察本部長。
       (警察本部長 小嶋典明君登壇)
○警察本部長(小嶋典明君) 警察犬の活用についてお答えいたします。
 初めに、本年の警察犬活用の現状についてでありますが、現在県警察では警察犬三十頭の所有者とその訓練者二十一名を静岡県警察嘱託警察犬及び訓練者として嘱託し警察犬の運用を行っております。
 警察犬の出動件数は、本年一月から十月末までに百八十七件でこのうちの約八割は行方不明者の捜索に関連するものでした。この間の効果事例としましては、犯罪捜査では被疑者の行動経路判明に結びついたものや行方不明者捜索では山中に倒れていた高齢者を無事に発見、保護したものがありました。
 次に、今後の警察犬の活用の考え方についてでありますが、現在嘱託警察犬訓練者の高齢化や警察犬頭数の減少傾向が見られる一方で認知症を起因とする行方不明者等の捜索件数が増加する傾向にあります。そのため警察犬訓練者の裾野を広げることや警察犬の行方不明者捜索能力の向上等を目的として、本年七月に警察犬訓練会を初めて開催いたしました。この訓練会には犬二十二頭とその訓練者十八名が参加し、工作物、車両、自生する木々等を活用して、現場に即した訓練を行いました。引き続き実際の出動を想定した訓練会を開催することにより現場で活躍できる警察犬の体制を整えていきたいと考えております。
 また、警察犬の出動要請件数の増加や凶悪事件への対応、東西に広い静岡県の地理的条件等を考慮すると将来的には直轄警察犬と嘱託警察犬の併用運用が望ましいと考えております。そのため県警察といたしましては、嘱託警察犬の運用継続とあわせ直轄警察犬の導入を視野に入れた検討を進めております。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 早川育子君。
       (二十九番 早川育子君登壇)
○二十九番(早川育子君) それぞれ御答弁いただきましてありがとうございます。
 また、知事におかれましては御心配をおかけいたしました。熱もなくインフルエンザではありませんので皆さん御安心ください。ただし手洗いとうがいは、ぜひ励行していただきたいと思います。
 二点要望と一点質問をしたいと思います。
 初めに要望ですが、女性活躍の推進と静岡県史女性史編の編さんについてであります。
 先ほどの御答弁の中で、これから社会また文化編の中で女性を取り巻く環境の変化という形で女性史を取り上げていただけるというお話でありましたが、人口の半分が女性でありこの静岡県の女性がさまざまな歴史を経てきたということは非常に重たい部分がありまして、その中の一部という扱いではなくぜひ女性史として編さんを検討いただきたいと思いますので、どうか御関係の皆様ともよく協議の上進めていただきたいと思います。
 二点目です。田子の浦港における地震・津波対策についてであります。
 静岡モデルとして県と市が共同してこれから進めていただくに当たりまして、人的また技術的な支援をいただけるということは非常にありがたいことですが、一方非常に心配されます財政的な支援、こちらはぜひ県だけでなく国にも私たちも要望しておりますが一体となって力を入れていただきたいと思います。といいますのもレベルワン対応については、既に富士市では早い時期から津波防潮堤は整備をされてきておりますのでそこはぜひ市の努力を評価していただいて、さらにここの田子の浦港は富士市だけでなく東海道の大動脈である陸路、これが寸断をしてしまうと後は空または海からの玄関口がないといけないという点では非常に大きな役割を果たすと期待をされておりますのでぜひここは県を挙げて力を、総力を挙げていただきたいと思います。
 再質問は、認知症対策についてであります。
 非常に、今後心配される認知症対策でありますが、総合的にこれまでも全国屈指の形で推進をしてきていただいていると評価いたしますが、先ほど質問の中で具体例を出しましたサポーターのネットワーク化、またさらにステップアップをすること、さらに認知症マークの推進などについて具体的に目に見える形で取り組んでいただきたいと思いますが、こちらのほうの取り組みについて今後どう展開していくか伺いたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 池田健康福祉部長。
○健康福祉部長(池田和久君) 認知症対策についての再質問にお答えいたします。
 認知症サポーターにつきましては、先ほど御回答しましたように今三十万人を超えているところでございますけども、確かに特に特別な役割はなくて、身近な方の認知症についての理解を深めるという役割にとどまっております。そういう意味ではこれをステップアップさせて、さらに上のサポーターというのも考えられるのではないかと考えております。
 それからもう一点、認知症サポーターのあかしであります全国共通のオレンジリングでございますけれどもそれとは別のマークの作成についてということでございますが、オレンジマークの活用も含めまして先行している他県の事例なども参考にいたしまして検討していきたいと考えております。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 早川育子君。
       (二十九番 早川育子君登壇)
○二十九番(早川育子君) 認知症対策について、再々質問いたします。
 三十万人の認知症サポーター養成というのは非常に大きな前進であると思います。それは大きな評価だと思うんですが実はこの名簿がないという、どなたが認知症サポーター養成講座を受けて理解をしていらっしゃるのかわかっていないというのが現状でなかろうかと思います。だもんで、ここで言いたいところはせっかくそうした人材を養成されているのであるならば、それをさらに活用できるような方策をということを訴えたいわけでございますので、この点について他県の先進事例を検討されるということでありますが、もし今他県のその先進事例、オレンジリングがありましたらお答えいただきたいと思います。以上について答弁求めます。
○議長(渥美泰一君) 池田健康福祉部長。
○健康福祉部長(池田和久君) ちょっと今手元には、認知症サポーターの高度化といいますかさらなる養成というものについての事例は手元にございません。
 議員御指摘のとおり、認知症サポーターにつきましては各市で養成したりしておりますので名簿というのはございません。今後ですね、ちょっと他県等を参考にしながら検討していきたいと思います。以上でございます。
○議長(渥美泰一君) これで早川育子君の質問は終わりました。(拍手)
 議事の都合により休憩します。

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