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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成24年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

良知 淳行 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/29/2012

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 少子化対策の推進について
2 老人福祉施設の設置基準の緩和について
3 企業誘致の推進について
4 最悪の事態を想定した津波対策について
5 津波対策のための住宅や工場の移転先用地の確保について
6 石脇川、高草川の豪雨災害対策アクションプランについて
7 教育の日の制定について
8 一貫教育の取り組みについて



    ○議長(植田 徹君) ただいまから会議を開きます。
     議事日程により、知事提出議案第一号から第九十号までを一括して議題とします。
     質疑及び一般質問を行います。
     通告により、十三番 良知淳行君。
           (十三番 良知淳行君登壇 拍手)
    ○十三番(良知淳行君) 皆さんおはようございます。私は自民改革会議所属の良知淳行です。焼津市から新しく選出いただいた議員でございます。どうかよろしくお願いいたします。
     通告に従いまして、知事及び関係部局長並びに教育長に、当面する県政の諸課題についてお伺いいたします。
     まず初めに、少子化対策の推進についてであります。
     本年一月に、国立社会保障・人口問題研究所が公表いたしました新たな日本の将来推計の人口によりますと、約五十年後の平成七十二年における日本の人口は、八千六百七十四万人と、現在の人口の約七割まで減少すると推計されております。人口の減少は地域の活力やコミュニティー機能の減退につながり、ひいては社会全体の閉塞感をも広げることにもなります。こうしたことから少子化対策は一刻の猶予もならない喫緊の課題といえます。
     少子化は、価値観の多様化や経済・雇用環境の変化などさまざまな要因が複雑に重なり合い、有効な対応策を見出すことが困難であることは承知しておりますが、世界に目を向けますと、経済的支援にあわせて仕事、子育てへの両立支援を強める施策を進めてきたフランスやスウェーデンでは、合計特殊出生率がおおむね二まで回復しております。
     一方、我が国においては、両国の状況などを参考に市町村を実施主体とする包括的、一元的なシステムの構築については検討を行っていると聞いておりますが、こうした状況の中、静岡県ならではの少子化対策を打ち出す必要があると思いますが、今後どのように進めていくか、所見についてお伺いいたします。
     次に、老人福祉施設の設置基準の緩和についてであります。
     地方分権改革を推進し地方自治体の自主性の強化の自由度の拡大を図るため、義務づけ・枠づけの見直しやこれに伴う条例制定権の拡充などを内容とする、いわゆる地域主権改革推進一括法が公布され地方の自己決定や自己責任の実現に向けた改革が進められています。
     老人福祉施設につきましては、これまで設備、運営に関する基準を厚生労働省が定めていましたが、一括法により老人福祉法などが改正され、厚生労働省が示す基準に基づき県や政令市などが条例で基準を定めることとなりました。
     こうした中、厚生労働省は、特別養護老人ホームの居室の定員の基準について、四人以下であった基準を一人に改正し、施設の個室化を推進する姿勢を示しましたが、自治体が十分参酌して地域の実情に応じて制定できる基準に位置づけられています。これまでも特別養護老人ホームにつきましては国の方針で個室化が推進されてきておりますが、現場のニーズはより低廉で同室者とコミュニケーションが図りやすい多床室のほうが多いとも言われ、県としてこういった要望に配慮して多床室の整備を認めているところでもあります。
     施設基準に関する条例は、平成二十四年度中に制定することとなりますが、現場のニーズを把握し地域の実情に応じた基準を定めていただくことが重要と考えます。
     そこで、現在の老人福祉の現場においてどのようなニーズがあり、またそれらを踏まえどのような施設基準を検討しているのか、所見をお伺いいたします。
     次に、企業誘致の推進についてであります。
     東京都の国際戦略総合特区として、アジアヘッドクォーター特区が採択されました。国内外資系の企業三千九十九社の四分の三が集中する東京都で、この円高や中国の経済発展で二〇〇五年から四百社が減っていることへの対応措置もあって、固定資産税、都市計画税の五カ年免除、不動産取得税免除、国と都の法人税の減免などを織り込んでいます。本社が集中する日本じゅうの富をかき集める勝ち組東京ならではの構想ですが、我が県はただ指をくわえているだけでよいのでしょうか。
     世界的な不景気に加え、震災や円高の影響等により本県の企業立地件数は減少しております。製造業を中心とする我が県は、景気や為替、原油など素材価格などの変化に強い産業構造の構築が課題となっておりますが、新産業の育成など取り組みが行われてきたものの、この厳しい経済環境では、日本企業の経営は国内立地そのものが脅かされております。さまざまな対策が急務となっております。企業誘致は、雇用が多く確保されることが税収に見合うという意味で重要になっており、これが交流、定住人口の拡大へとつながるものと考えています。県では、来年度から企業立地の補助制度を改正して成長分野や物流関係企業の誘致策を強化すると聞いておりますが、平成二十二年十二月議会の定例会におきましても、研究開発部門などの企業誘致する部門にも積極的に取り組むとの答弁がありましたが、今後どのように誘致の活動に取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。
     次に、最悪の事態を想定した津波対策についてであります。
     東日本大震災から一年がたちますが被災地を襲った巨大津波の猛威は、今も鮮烈な記憶として残っております。当時の映像が実際の出来事だと思うと恐ろしくてなりません。本県も東海地震の想定震源域上に位置しますので今回の大震災の模様は、東海地震発生後の本県の姿でもあると想像できます。特に私の地元の焼津のような沿岸部にとりましては、震度六弱以上の大きな揺れと巨大津波の両方に備えなければならないのであります。
     先般、県が隔年で実施している平成二十三年度の県民意識調査では、東海地震の場合、駿河湾から押し寄せてくる津波の時間について、地震発生から最短で五分以内と正しく理解している方は四一%にとどまっているとのことです。東海地震説が三十年以上もの間、繰り返し啓発されてきたはずですが、本県でも正しく認識している人は半数にも及ばないということが判明したわけであります。恐らく東日本大震災での津波到達時間を東海地震の場合に当てはめて誤認している人も多くいるのではないでしょうか。東日本の地震は、午後二時四十六分に発生したこともあり昼間の人々が活動している時間帯でした。もし地震が深夜に起きたのであれば、ほとんどの人が避難できず津波の犠牲になってしまった可能性があります。およそ二万人というけた外れの死者・行方不明者の人数には驚かされますが、地震発生の時間を考えると決して最悪の事態だとは言えないと思います。
     この現実を踏まえて考えますと、当然のように東海地震はいつ起きるかわかりません。季節、曜日、時刻、天気などさまざまな条件が重なり、もし地震が発生し真冬の深夜だとすると果たして五分で所定の場所に避難できるのでしょうか。万が一、防潮堤や防波堤を越える津波が短時間で押し寄せた場合は、ほとんどの人が避難できないと予想されます。県を初め行政や防災関係者はまず避難と啓発していますが、現実問題としてそう迅速に避難することは困難だと思います。しかしそうだからといって何も対策をしないわけにはいきません。津波浸水の危険性があり、避難対象となっている沿岸部の二十七万人もの県民の命がかかっているのです。
     そこで、県は今後策定する第四次地震被害想定の中でどういう地震発生条件を設定し被害想定を行うのか。危機管理の基本は最悪の事態を想定することだと言われておりますが、所見についてお伺いいたします。
     また、仮に真冬の深夜に東海地震が発生すると想定した場合には、それに備え県としてどのような津波対策を進めていくのか、あわせて所見をお伺いいたします。
     次に、津波対策のための住宅や工場の移転先用地の確保についてであります。
     東日本大震災以降、本県の沿岸部においては、津波避難ビルやタワー、堤防の整備など津波対策事業の実施による安全で安心して暮らせる地域づくりが求められております。私の地元の焼津市においても、いつ発生してもおかしくない地震・津波に対し、新たな津波避難ビル、タワーの確保など可能な対策を進めているところであります。
     また、沿岸部に位置する住民や企業などが安全で安心して暮らし活動できるよう内陸部でも比較的地盤の高い土地へ移転を希望する相談が多く寄せられている状況があります。第四次被害想定が策定されれば、さらに津波に対する各種の減災対策が必要となることが予想されますが、しかしこれらの地域の多くは農業振興地域であり、線引き市町においては市街化調整区域でもあるため、新たに住宅や工場用地としての土地利用を図ることが難しい状況にあります。このままでは沿岸部を抱える市町においては、人口のさらなる減少や産業の衰退が懸念され、都市としての機能が失われかねない状況にあります。
     こうした地域で郊外の高台に住宅地や工場用地を確保するためには、都市計画法や農地法等の関連する法律に基づき土地利用の見直しを図る必要があります。しかし都市計画法においては市街化区域の編入や地区計画制度等の活用において開発許可を受ける必要があり、さらに農地の転用に当たっては農業振興地域からの除外や農地法の許可が必要となるため、早急な移転は難しい状況となっております。
     そこで、津波対策として実施する住宅用地や工場・企業用地の確保に当たっては、農地制度上の規制緩和をお願いするとともに、都市計画上の線引き見直しなど各種の手法により早急に土地利用の見直しを図る必要があると考えますが、県はどのように対応していくのか、所見についてお伺いいたします。
     次に、石脇川、高草川の豪雨災害対策アクションプランについてであります。
     昨年は、東日本大震災に始まり、新潟・福島豪雨や紀伊半島における記録的な豪雨と全国各地で自然災害が猛威を振るった一年でありました。本県でも台風十二号、十五号と立て続けに山間部を中心とした豪雨に見舞われ、孤立集落の発生や多くの公共施設が被災し、早期復旧や着実な治水安全度の向上をお願いするところであります。一方近年多発している平地部でのゲリラ豪雨は昨年こそ顕著ではありませんでしたが、低地への雨水の集中、排水不良による家屋の浸水、特に床上浸水や道路冠水など日常生活に大きなダメージを与えており、地形的要因に起因する部分も多く被害地区が常襲化しており、その対策が急務となっております。そこで県では、流域の市町や関係機関と連携して豪雨災害対策アクションプランを策定し、緊急的な豪雨災害対策に取り組んでおります。
     私の住む焼津市の石脇川、高草川の流域も対象地区の一つとなっております。平成十五年、十六年と続けて甚大な浸水被害が発生しましたが、特に平成十六年六月三十日の豪雨時には、家屋浸水に加え、主要な幹線道路である国道百五十号が半日近く通行どめとなり地区内及び通過交通にも大きな支障を生じました。これらを重く受けとめ、県内の他地区に先駆け平成十九年度からアクションプランの実施に着手したものと理解しております。このアクションプランは、地域住民にも公表されておりますが、短期対策期間を五カ年とし平成十五年に被害をもたらした降雨と同規模の時間五十ミリメートルの降雨に対する浸水被害の解消と平成十六年に発生した国道百五十号の冠水による通行どめ時間を半減することを目標に掲げ、流域全体で総合的治水対策を進める計画となっております。
     そこで、短期対策期間が本年度で終了となりますが、アクションプランの進捗及び目標達成状況について所見をお伺いいたします。
     また、当地区の家屋の浸水被害の解消はもとより広域的に見ても国道百五十号の通行どめの解消が引き続き取り組むべき重要な課題と考えておりますが、そのために必要な対策や今後の取り組みについてあわせて所見をお伺いいたします。
     次に、教育の日の制定についてであります。
     平成二十三年三月に、静岡県教育振興基本計画「有徳の人」づくりアクションプランが策定されました。本計画が、人づくり二〇一〇プランや第二次静岡県生涯学習推進計画の後継計画として策定され、人づくり百年の計委員会が提言した意味ある人の理念を受け継ぎながら、理想の学校教育具現化委員会の提言を踏まえ、基本目標を、個人として自立し、人とかかわり合いながら、社会のために行動する「有徳の人」の育成としていることは、これまでの議会における教育長の答弁から理解しているところでございます。そのようないきさつから、現在の教育振興基本計画を着実に推進することがまさに本県教育の道筋であると言えます。
     特に、家庭・学校・地域・社会の教育力の向上を図り、市町教育委員会や各部局とも連携をしながら、社会総がかりによる「有徳の人」づくりに努めるという本計画の趣旨は、学校教育のみならず家庭や社会における教育力の底上げの必要性を示唆しているという点で大変に意義深いものであります。
     なぜならば、現代の社会で発生するさまざまな犯罪や企業業績を左右する社員の質など人間の活動はすべて教育の上に成り立ち、そのよし悪しが社会現象に反映されてくると言っても過言ではないからです。それゆえに教育は社会の基本であると思います。一方で教員の不祥事根絶の問題は前議会でも大きな問題となりましたが、教員の技術の伝承、少人数制の教育、理科教育の振興、児童生徒の確かな学力の育成など教育を取り巻く諸課題は大変多いのが現状であります。
     そこで、教育の立て直しが叫ばれる今こそ世間全体で教育を見つめ直す日を定め、年に一度、あるいは一定期間、教育への関心を高めみんなで集中的に議論する機会を設けてはどうでしょうか。例えば県全体、市町単位でのフォーラムや講演会の開催や地域ごとに住民が小中学校や高校の授業に参画する教員と話し合う機会を設ければ、子供たち、親、教員、そして地域にとっての教育を見つめ直すよい機会になると思います。
     そこで、教育の日制定に対する教育長の所見をお伺いいたします。
     最後に、一貫教育の取り組みについてであります。
     先ごろ、県内で小中一貫教育等の実施が報道されました。教員の効果的な運用や指導の連続性による効果をねらったものと聞いております。中学校区を基本に義務教育九カ年の一貫性に配慮した特色ある教育活動が展開され、今後さまざまな成果が報告されることを大いに期待するところであります。
     一方、中高一貫教育についてであります。従来の中学校、高等学校の制度に加えて、生徒や保護者が六年間の一貫した教育課程や学習環境のもと、学ぶ機会も選択できるようにすることにより中等教育の一層の多様化を推進し、生徒一人一人の個性をより重視した教育の実現を目指すために、平成十一年度から制度化されました。
     中高一貫教育の実施形態には、中等教育学校、併設型の中学校、高等学校、連携型の中学校、高等学校の三種があり、平成二十三年度現在、全国で四百二十校の実施校のうち約七割が併設型となっております。本県では、併設型については、平成十四年度に県立浜松西高等学校、平成十五年度に県立清水南高等学校、沼津市立沼津高等学校において、連携型については、平成十四年度に県立川根高等学校、平成十九年度に県立佐久間高等学校、平成二十年度に県立松崎高等学校において開始されました。去る一月には併設型の実施校において中等部の入試が行われましたが、志願倍率は、県立清水南高等学校中等部が一・四〇倍、県立浜松西高等学校中等部が三・三九倍、沼津市立沼津高等学校中等部が一・八〇倍であり、清水南と浜松西においては昨年度を上回る倍率となっております。中高一貫教育では、さまざまな効果が期待される上、卒業生の進路状況等も良好であることなどから、生徒や保護者からのニーズは高いと考えます。
     そこで、十年を経過した中高一貫教育の成果や課題について、どのように認識しておられるか、また今後の方向性についてどのように考えておられるか、教育長の所見をお伺いし、私の一般質問とさせていただきます。(拍手)
    ○議長(植田 徹君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 良知議員にお答えいたします。
     初めに、少子化対策の推進についてであります。
     議員が紹介なさいました国立の社会保障・人口問題研究所の推計に挑戦するのが、ふじのくに静岡県の少子化対策です。この一月に国立のこの研究所が出した推計には前提があります。女の方が、母親がですね、一生に何人子供を産むか。その前提が、このたびは一・三人余りということになっています。しかし前回は一・二人余りということだったんです。上がってるんですね。前は一・二人余りということで、もっと厳しい人口減少を予測しておりました。しかしこうしたことの後ろには人の意思があります。自分たちの子供を何人欲しいかと。子供が何人ぐらいいれば兄弟仲よく、また健やかに育つかという理想がありますから、そうしたものを取り込むということを通して、私は、この人間を統計数字の中で五十年後には八千七百万人になるということに挑戦していきたいと思います。
     静岡県では、この合計特殊出生率が全国の平均よりも高いのです。底を打ったのが二〇〇四年、一・三七でございました。しかしそれから六年たちました二年前の平成二十二年には一・五四に上がっています。このたびの国立の社会保障・人口問題研究所よりもはるかに、一・三と一・五でありますから〇・二ポイントぐらい高いわけですね。ただし人口が減らないために一定水準を保つためには、合計特殊出生率は二・〇七でなくちゃなりませんのでまだまだ不十分です。しかしながら私はこれをいかに二・〇七までに高めていくか。「富2(じ)3(さん)っ子」応援プロジェクトをしっかりと推進していくということでございます。
     少子化の進行による人口減少は、静岡県の活力の低下を招く深刻な深刻な問題であると受けとめておりまして、これに歯どめをかける手だてを総力を挙げて講ずる必要があると考えております。このため来年度当初予算におきましては、五つの極めて重要な重点分野というのを決めました。先ほどおっしゃった津波対策、あるいは雇用問題、それから内陸のフロンティア、それからエネルギー。これらにまさるとも劣らぬ重要分野が少子化だということで、我々は、少子化対策を企画立案から事業に至るまで一体的に実施するために組織改編を行いました。今まで三部局に分かれていたものを健康福祉部に一元化いたしてこども未来局を新設するということとともに、少子化対策を担当する部の理事を設けまして推進体制を整備いたします。
     そして具体的には、妊娠・出産支援のための健康づくりや相談体制の強化、こども医療費助成の拡充、待機児童解消に向けた保育所の緊急整備、結婚に向けた気運醸成のための若者交流支援など重点的な予算配分を図りました。
     今後も、市町や民間団体等と連携を図りながら、地域の特性や実情を踏まえた各種施策を効果的に進めてまいりたいと決意しております。そしてだれもが安心して希望する静岡県におきましては大体二、三人というのが統計で、社会調査で出ておりますので、そうした御両親が希望される、あるいは青年たちが希望している人数の子供が安心して産み育てられるような、そうした理想郷“ふじのくに”をつくってまいりたいと決意しております。
     続きまして、企業誘致の推進についてであります。
     本県におきましては、四月十四日に新東名高速道路が開通いたします。これに加えましてほかにも三遠南信自動車道、これは引佐から愛知県の新城市の鳳来峡まで十四キロが近日中に供用開始になります。さらに三遠南信のほかに、縦に本県を結ぶ中部横断自動車道であるとか伊豆縦貫自動車道とか、これらにつきまして本県が求めていた要望はほぼすべて中央政府のほうで通してくださいました。事業化が進展しております。こうした中で県内の陸上交通のネットワークが充実すると見込まれます。これを受けまして、国内外からの企業誘致を一層推進するために、企業立地にかかわる補助制度を拡充することにいたしました。
     成長が見込まれる産業分野がございます。例えば医薬品、医療機器、あるいは環境関連産業でございます。こうした企業の生み出す新製品、新技術等の研究開発を担う研究所について、設備投資に対する補助率を従来の七%から一〇%に引き上げました。また補助限度額を五億円から十億円に引き上げることにいたしました。また土地取得につきましても、補助対象経費を土地取得費の従来の十分の二から十分の三に引き上げました。さらに補助限度額を二億円から三億円に引き上げる改正を行います。さらに従来補助の対象にはなかった物流施設につきましても、物流施設が新東名の近辺に立地がなされると期待されますことから、新しく流通加工等を行う高度な物流施設を補助対象にいたします。
     これに加えまして、新東名百六十二キロメートルの周辺地域をふじのくにの新国土軸としてとらえまして、それが内陸の中山間部に位置しますからフロンティアであるということから、そこに成長分野や物流等の産業集積を進めてまいります。具体的には新東名インターチェンジ周辺地域における産業集積のモデルを策定いたしまして、市町の工業用地開発を支援しつつ特区制度の活用も視野に入れて企業進出の受け皿となる工業用地の確保を進めてまいります。
     特区制度の活用と言いましたが、東日本の復興につきましては、企業がその地域に進出しやすいようにいろいろな特区制度が設けられています。我々がそれを精査しましたところ、二十九ほどある特区制度のうち二十ほどが使えるということでございます。こうしたものは、本県において議員が御指摘のように極めて甚大な自然災害が襲来する可能性が高うございますのでそれのための防災、平時においては経済発展のために使われるように、そのために特区制度の活用もするということでございます。
     今後は、企業の訪問を強化しまして、また首都圏でも企業誘致セミナー等を開催いたしまして、このたび拡充いたしました産業支援策を丁寧に御説明申し上げる。また首都圏では余り知られておらないこの新東名開通による立地環境の優位性を積極的に情報発信してまいる所存です。加えまして企業などからの相談にワンストップ体制で迅速に対応するなど、市町とも連携いたしまして国内外からの、特に医療・医薬というのは国際的な広がりを持っておりますから、国内外からの企業誘致に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長(植田 徹君) 池谷健康福祉部長。
           (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
    ○健康福祉部長(池谷享士君) 老人福祉施設の設置基準の緩和についてお答えをいたします。
     特別養護老人ホームの居室定員につきましては、個人の尊厳やプライバシー保護の観点から、従来の四人以下から一人に関係法令が改正されたところであり、県といたしましても基本的には国に準じていくべきものと考えております。しかしながら四人部屋などの従来型は、入所者の経済的な負担が少ないこと、また入所希望者の大半が低所得者であることなどから、利用者はもとより市町や関係団体の皆様からは、従来型の整備を認めるべきであるとの意見が寄せられております。
     県といたしましては、依然として入所希望者が数多く存在する中で、希望者が一日も早く入所できるようにするためには、従来型の整備を認める余地を残すことも必要ではないかと考えています。
     現在、このような考え方をもとに、現場のニーズに対応したサービスが提供されるよう施設基準の検討を進めておりまして、今後静岡県社会福祉審議会の御意見、パブリックコメントなども踏まえまして年内には条例案を策定し議会にお諮りしてまいります。以上であります。
    ○議長(植田 徹君) 小林危機管理監。
           (危機管理監 小林佐登志君登壇)
    ○危機管理監(小林佐登志君) 最悪の事態を想定した津波対策についてお答えをいたします。
     平成十三年度に策定をいたしました第三次地震被害想定では、東海地震が単独で発生した場合の地震による揺れや津波により被害が最悪になると考えられる冬の午前五時に発生した場合のほか、数パターンの条件で被害を想定しております。
     新たに策定をいたします第四次地震被害想定につきましても、被害が最悪となる事態を想定して策定をすることとしております。具体的には東海・東南海・南海の三つの震源域で地震が同時に発生した場合、あるいは時間差を置いて発生した場合など幾つか想定されます発生パターンの中から、地震と津波による被害に分けまして、本県にとってそれぞれの被害が最悪となる条件を明らかにして想定をしてまいります。議員御指摘の真冬の深夜に東海地震が発生した場合を含め地震の揺れから県民の生命財産を守るため、これまで取り組んでまいりました住宅の耐震化や家具の固定、水や食料等の備蓄、防災資機材の整備などの地震対策を確実に進めてまいります。
     また、沿岸部にお住まいの方々の命を津波から守るためには、第三次地震被害想定を前提といたしましたこれまでの対策に加えまして、防潮堤のかさ上げ、避難タワーや人工高台などの新たな整備、夜間でも安全に避難できる避難路の整備などの津波対策を効果的に実施していく必要がございます。
     このため、第四次地震被害想定の策定作業と並行して、これまでの地震対策アクションプログラム二〇〇六を全面的に見直しまして、新たに目標年次や数値目標を定めました地震対策編と津波対策編とで構成しますふじのくにアクションプログラムを策定しまして、市町や防災関係機関などと連携してこのプログラムを推進してまいります。以上であります。
    ○議長(植田 徹君) 森山交通基盤部長。
           (交通基盤部長 森山誠二君登壇)
    ○交通基盤部長(森山誠二君) 津波対策のための住宅や工場の移転先用地の確保についてお答えいたします。
     沿岸部の津波危険地帯における減災・防災対策のための土地利用につきましては、土地が生活及び生産を行う上での共通の基盤となる限られた資源であることから、不可逆性など土地の持つ特性を踏まえ、総合的かつ計画的に行っていく必要があります。このため県といたしましては、住宅や工場の用地確保に当たりましては、都市基盤の整備の状況や都市機能の適正配置に配慮しつつ、集落周辺の未利用地や農業上の利用に支障のない農地に誘導することにより地域の実情を踏まえた計画的な土地利用を進めてまいります。とりわけ内陸部は、多様な発展の可能性を有していることから、農林業の生産と地域住民の生活との調和を基本とし、農地と都市計画に関する制度の運用方針を早急に定め、移転先用地の確保につきまして可能な限り柔軟に対応してまいります。
     また、手続の簡素化を図るため、土地利用制度を所管する関係機関との連携強化に努めるとともに、国に対しましてもそれぞれの地域の実情に即した土地利用調整の受け入れを働きかけてまいります。
     次に、石脇川、高草川の豪雨災害対策アクションプランについてであります。
     石脇川、高草川流域では、地形的要因等により豪雨時に頻発する浸水被害の解消、軽減を図るため、県及び焼津市の関係部局が連携しまして、河川改修や排水路、調整池の整備などから成ります総合的治水対策アクションプランを平成十九年度に策定し対策を推進しております。
     具体的には、石脇川とその支川の改修、高草川の新幹線交差部の改修及び上流部の堤防のかさ上げ、国道百五十号沿いの水路の拡幅などを実施し、これら対策工事の進捗により高草川の上流域における家屋浸水の解消や、国道百五十号の通行どめ時間の半減などの目標を今年度末までにおおむね達成できる見込みであります。
     今後は、引き続き石脇川の河川改修の進捗を図るとともに、下水道整備など関連事業との連携を進め、浜当目地区及び斎場会館周辺地区での浸水被害を早期に軽減できるよう努めてまいります。
     また、広域的にも重要な国道百五十号の冠水対策をさらに強化するため、高草川の東名高速道路付近の部分的な改修や調整池の設置などの効果的な対策について検討を進め、計画的に整備することにより災害に強い地域づくりに取り組んでまいります。以上であります。
    ○議長(植田 徹君) 安倍教育長。
           (教育長 安倍 徹君登壇)
    ○教育長(安倍 徹君) 教育の日の制定についてお答えいたします。
     全国の取り組み状況を見ますと、二十六の都道府県で教育の日が設けられており、その目的は、議員御指摘のとおり、県民や市民の教育への関心や理解を深めることが主なものであります。また教育の日の取り組みとしましては、教育講演会の開催や地域住民を対象とした学校開放、家庭教育について考えるフォーラム、文化・芸術活動の発表など地域の実態に応じて多様であり、県民全体で教育について改めて考える契機となっております。
     現在本県では、各学校において地域と連携した外部人材の活用、学校評議員からの意見の聴取、通学合宿の実施など県民の方々の教育力の積極的な活用等を推進しており、教育の日の活動に相当する取り組みを社会総がかりで日常的に広く実施していくことを目指しております。
     今後、本県における教育の日の制定につきましては、他県等における教育の日の設置の主体や取り組み内容の多様性、さらには県内の各学校、地域等で行われております取り組み状況を視野に入れながら、研究に努めてまいります。
     次に、一貫教育の取り組みについてであります。
     議員御指摘のとおり、本県の中高一貫教育につきましては平成十四年度の開始以来本年度で十年目を迎え、各学校では異年齢交流による人間性の伸長や六年間を見通したカリキュラム編成による学力の向上が図られております。さらに連携型におきましては地域と連携した特色ある取り組みの実施、併設型におきましては高校入試がないことから部活動のほか各種コンクールへの参加や資格試験等へも継続的に挑戦するなどさまざまな成果を上げております。
     一方、課題といたしましては、例えば併設型におきましては、各学年の規模が小さくなることによる活力の低下や人間関係の固定化などが指摘されており、浜松西高等学校におきましては、高校から入学する生徒の定員を一クラスから二クラスにふやすことなどにより中高一貫教育校の抱える課題への対応を図っております。
     県教育委員会といたしましては、現在中高一貫教育についての意識調査を生徒や保護者を対象に実施しており、その結果を踏まえるとともに、中高一貫教育制度に関する国の検討状況にも留意しながら今後の方向性について検討してまいります。以上であります。
    ○議長(植田 徹君) 十三番 良知君。
           (十三番 良知淳行君登壇)
    ○十三番(良知淳行君) 大変いろいろな御答弁をいただきまして本当にありがとうございました。
     まず私は、防災関係で、きょうも傍聴に見えている皆さん、毎日潮の香り、それと波の音を聞きながら海岸線沿いに生活されている皆さん方であります。そういった皆さんが、今回の三・一一のああいった映像を見まして非常に毎日が不安、時と場合によってはこのまま住んでいていいのかな、何とかこの地域を堤防をかさ上げしてもらうなり何らか守ってもらいたい。そんないろんな声もございまして、この中で先ほど知事のほうから、少子化対策の中でも触れました防災対策、本当にこういった生命財産をしっかり守ってもらうよう改めてこの場をお借りして御要望とさせていただきます。
     と同時に、先ほど教育長のほうから答弁がありましたけれども、昨日も知事のほうから、知事も教育の専門家でありますけれども、読書の話が出ました。静岡県は、非常に本を読む、読書をする県民じゃないよと、非常に低いよという話がありましたけれども、何かそういった一つの節の教育の日をもってですけれども、何か皆さんに教えていただきたい、また学ばせていただきたい。そういった思いがいま一度あってもいいんじゃないのかなというふうに思うところでもあります。
     私も調べさせていただきまして、全国四十七ある都道府県の中の二十六県が既に条例の制定をしているところですとかいろいろ数多くある中で、静岡県がなぜ制定されていないのかなというふうに、改めてちょっと首をかしげたところでもありますけれども、どうかその辺も含めましてきょうは御要望とさせていただきますけれども、よろしくお願いしたいと思います。終わります。(拍手)

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