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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

藤曲 敬宏 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/29/2016

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:


1 大規模スポーツイベントに向けた観光への取り組みについて
 (1) 外国人誘客対策
 (2) クルーズ船等の誘致
2 芸妓文化の振興について
3 在宅医療の提供体制の充実について
4 生涯活躍のまち(日本版CCRC)構想について
5 森林技術者の育成確保について
6 高校生の政治的活動等への対応について



○議長(鈴木洋佑君) これで野田治久君の質問は終わりました。
 次に、七番 藤曲敬宏君。
       (七番 藤曲敬宏君登壇 拍手)
○七番(藤曲敬宏君) 自民改革会議の藤曲敬宏です。ただいまより通告に従い、知事、関係部局長及び教育長に分割質問方式で県政の諸課題についてお伺いいたします。
 先ほどお話がありましたように、本日は伊豆選出の議員が四人中三人が続きます。伊豆の日として総力戦でお聞きしますのでよろしくお願いいたします。
 まず初めに、大規模スポーツイベントに向けた観光への取り組みについてのうち、外国人誘客対策についてお伺いいたします。
 いよいよブラジルのリオで開催されます第三十一回オリンピックの開幕が間近に迫ってきました。日本中が四年に一度のスポーツの祭典を心待ちにしているところであります。そして次回の二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックにおいては伊豆市の伊豆ベロドロームが自転車競技の会場の一つとして、またその前年には袋井市のエコパスタジアムでラグビーワールドカップが開催されます。
 前回のラグビーワールドカップ・イングランド大会では、四十四日間の開催期間中海外から四十六万六千人の来訪がありました。経済波及効果も約二十二億三百万ポンド以上、日本円に換算すると四千億円以上になったと言われています。また東京オリンピック・パラリンピックについては、経済波及効果を約三兆円、観光客は五百五万人に上ると試算する民間調査機関もあります。
 県では、これまで富士山静岡空港の就航先である東アジアを中心にインバウンド対策を進めてまいりましたが、新たな市場、客層の開拓も必要ではないでしょうか。
 ラグビーワールドカップ二〇一九、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催期間中には、世界各国から大会関係者、各国選手団、海外メディア、観戦客など多くの外国人の来日が見込まれておりこうした方々に本県に足を運んでいただき本県の魅力を知っていただく絶好のチャンスであると考えます。
 そこで、県はこのような大規模スポーツイベントを生かして外国人誘客対策にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、クルーズ船等の誘致について伺います。
 これまで、本県を訪れる観光客は、富士山静岡空港を初め主に東名、新東名高速道路といった高規格幹線道路や東海道本線、東海道新幹線などの鉄道を利用してきましたが最近では国内外を問わずクルーズ船を利用し船旅を楽しみながら清水港や田子の浦港、熱海港、下田港など静岡の各港に入港するケースが徐々に増加しつつあります。
 最も積極的にクルーズ船の誘致活動を行っている清水港では、本年度は過去最多だった前年度の十四隻をさらに更新する十八隻が入港する見通しとのことです。昨年十月に中国人客二千人を乗せたクルーズ船の入港時には五十台のバスに分かれて観光や静岡市内へ買い物ツアーを行った実績もあり、今後も世界遺産の富士山などを目当てにした訪日外国人の増加が見込まれ経済波及効果に期待が持たれます。
 国土交通省によると、平成二十七年度のクルーズ人口は、国内では約二十二万人でここ数年二十万人台を推移していますが海外からの観光客では中国発着のクルーズ船による寄港の急増を背景に二〇一五年にクルーズ船で国内に入国した外国人旅行客数は前年比二・七倍の百十一万六千人に上っています。さらにラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックの開催期間中にはこうした大型クルーズ船だけではなくプライベート使用のヨットやクルーザーなど海外富裕層までもが本県の港湾に寄港すると予想できます。
 こうした状況の中、さらなる県内港湾へのクルーズ船誘致などにより国内外の観光客を取り込む必要があると考えますが、今後のクルーズ船の誘致やヨット、クルーザーなどビジター船の受け入れについて具体的にどのように取り組んでいくのかお伺いします。
 次に、芸妓文化の振興について伺います。
 静岡県は、地勢上東西交通の要衝にあり古くから東西文化の交流点であり、東海道を中心にヒト、モノ、文化が交わってきました。また伊豆半島は東京の奥座敷として多くの文人墨客に愛された場所であり、日本の伝統文化として私の住む熱海を初め静岡や清水、富士、伊東、下田、伊豆長岡、修善寺といった県内各地で芸妓文化が育まれてきました。
 しかし、時代の流れとともにこうした芸妓文化を継承することは厳しくなり現在ではほんの一握りの芸妓さんしか残っておりません。最盛期で旧静岡市に約三百人、旧清水市に約百五十人もの芸妓衆が活躍していましたが現在では十名も残っておりません。同様に伊豆長岡や伊東でもそれぞれ二十数名、下田と稲取は合わせても十数名になってしまいました。修善寺に至っては残念ながら一人もいなくなってしまったそうです。
 全国でも屈指の芸者街である熱海市におきましても例外ではなく、最盛期には千人以上いたといわれる芸妓衆もここ数年で二百人規模になり現在では辛うじて百人を維持するのがやっとという危機的な状況であります。
 芸妓の世界は、稽古やしきたりも厳しく一人前の芸妓に育つまでには時間もお金もかかり若手の育成も簡単ではありません。芸妓文化を守ろうと熱海の芸妓衆もお座敷に出るだけではなく毎日のように日本舞踊や三味線、太鼓などの芸に磨きをかけるとともに、毎週末には芸妓見番にて華の舞を披露し多くの観光客に芸妓の魅力を広く伝えてくれています。芸妓文化には失われつつある日本の伝統美やしきたりが残っており日本を訪れる多くの海外観光客もこうした日本の伝統文化を求めて訪れてきております。
 さて、京都市では、こうした芸妓文化を守ろうと現行の法令上文化財としての指定登録が困難な無形文化遺産もあることから無形遺産を守る独自の制度として平成二十六年三月に京都をつなぐ無形文化遺産を創設し、食文化や着物文化などと並び伝統技芸によりおもてなしをする花街文化を選定し京都ブランドのイメージアップや魅力の発信が図られております。
 また、新しい国の観光ビジョンにおいても文化財の観光資源としての開花を挙げ、保存優先から一体的な活用に転換することとしており、地域の伝統文化のプレゼンスは大いに高まっています。
 二〇一九年のラグビーワールドカップや二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、おもてなしとしての日本文化の真髄や日本人の精神性を広く静岡から世界に発信していく上でも芸妓文化の保護と振興が必要であると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、在宅医療の提供体制の充実について伺います。
 日本における高齢化社会の現実は、地域包括ケアシステムの構築が追いつかないスピードで進んでいます。静岡県も例外ではなく医師不足、看護師不足、介護士不足が叫ばれる中、在宅医療、在宅介護における地域の中核機関となる郡市医師会、地域包括支援センターなどの機能連携がさらに求められています。
 そんな中で、去る五月二十六日の新聞に奈良県において高齢者が退院後も自宅で適切なケアを受けられるように医療と介護の連携に必要な退院調整ルールづくりを進めているとの記事が目にとまりました。策定するルールでは、病院からケアマネジャーに対する高齢患者の入院時の連絡やケアマネジャーから病院に患者の情報の提供の実施に加え介護保険の適用が必要と判断される入院患者についての基準などきめ細かいルールを定めます。その際に市町や地域包括支援センターが拠点となってルールづくりに加わるというものです。奈良県は、そのためのノウハウの提供や補助金を支出する方向で対象市町と調整しているとのことです。
 これは、退院後の医療と介護連携の一例ですが、同様に高齢者の場合急性期医療を終えた後は慢性期医療となり完治しなくても入院期間が一定期間を過ぎると在宅医療に移行し引き続き治療が求められるケースがふえてきております。
 静岡県でも、こうした課題に対し今後さらに医療と介護の連携を密にした在宅医療の提供の充実が求められますが、そのための環境整備に向けたこれまでの取り組みと今後どのように取り組んでいくのか、県医師会、郡市医師会、各市町などの関係機関の取り組みに対する支援のあり方とともに伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(鈴木洋佑君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 野田議員に引き続きまして伊豆出身の第二弾、藤曲議員の御質問をいただきました。傍聴席にはあでやかな美しいお着物を召した方がいらして、議場はまさに伊豆一色といった感じでございます。
 御質問いただきました中で、まず大規模スポーツイベントに向けた観光への取り組みについて、外国人誘客対策についての藤曲議員の御質問にお答えいたします。
 二〇一九年のラグビーワールドカップ日本大会、そして二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会に訪れる外国の方々を本県に呼び込み、周遊、滞在していただくためには、目的地としての静岡県の魅力の向上、その魅力の認知度の拡大と来訪しやすい環境整備が重要であると考えております。
 ラグビー、必ずしも認知度が高かったというわけではありませんが、先週日本がロンドン大会で負けたスコットランドのチームが全日本とテストマッチをするということで日本におけるラグビーワールドカップの開幕スタジアムになる味の素スタジアムに行ってまいりました。そこには既にロンドンにおけるワールドカップのファンゾーンを生かした形でのファンゾーンが設けられ本県からもブースが出されていわばその前哨戦を見た感じでありますが、静岡県におきましてもこの七月三十日午後五時半から五郎丸歩選手が今度移籍することになりますトゥーロンとヤマハ発動機ジュビロが対戦し清宮監督は勝ちにいくと言っております。まだ若干の空席がございますのでそうしたことを通して機運を醸成していくことも大切であると存じます。
 県といたしましては、東京オリンピック・パラリンピックに向けまして文化プログラムの提供ができますよう観光事業者や市町等と連携した仕組みづくりを進め、とりわけラグビーワールドカップ二〇一九日本大会におきましては試合の間隔が一週間程度と長くなります。日本はスコットランドに負けましたがあれは三日後でした。しかし後のほかのチームとは十日、九日と間を置いて試合をし見事に勝ったわけでございます。したがって滞在が長いということは、その長い滞在のお客様をどのようにもてなすかというそういう知恵を求められるわけであります。
 また、本県には世界遺産富士山を初めとする本県の世界レベルの観光資源を前面に打ち出した広報活動を展開いたしますが、それとともに東京発着の県内周遊ルートの開発や目的志向性の強いツアー商品の造成、オプショナルツアー取り扱い旅行会社等の販売チャンネルの開拓などに取り組むことによりまして誘客促進を図ってまいります。
 さらに、増加が予想される個人観光客に対しましては、県内を快適、安全に周遊していただくために交通事業者等と連携したフリー切符や高速道路の周遊パスなどの二次交通の整備に取り組むとともに、ICTを活用したスマートフォン等による情報提供などの受け入れ環境整備の検討を進めているところであります。
 加えて、大規模スポーツイベントに合わせて本県を訪れることが予想される世界各国のメディアの皆様には、本県ならではの食を初め歴史・文化、産業など静岡県の多彩な魅力を体感いただき世界に向けてふじのくに静岡の魅力をPRしていただけるよう積極的に取り組んでまいります。
 次に、クルーズ船等の誘致についてであります。
 本県のクルーズ船誘致は、平成二年に民間企業、県及び当時の清水市で設立された清水港客船誘致委員会により取り組んでまいりました。委員会による活動や世界的なクルーズ人気を反映して昨年度の本県へのクルーズ船寄港回数は、議員御指摘のとおり過去最多の十八回となり約一万九千人の方が来静された次第でございます。今年度はその過去最多をさらに上回る二十三回の寄港が予定されております。
 東京湾や伊勢湾には五十メートルを超す船ですと入れないような橋などの障害物がありますために静岡県はその意味で極めて有利であります。特に九州から上がってくるときには瀬戸内海も橋がございまして通れませんので四国沖を来られます。そうすると長い船旅で疲れておられますのでこの駿河湾に富士山を望む湾に入ってこられるとなりますと最高のおもてなしになるということで、この数はさらにふえるものと見込んでおります。
 クルーズ船で来静される観光客は交流人口の拡大をもたらします。それとともに地域経済の活性化に貢献いたします。そうしたことから県内各地でクルーズ船誘致の動きが活発になり本年二月には伊豆の下田港客船誘致協議会が設立されました。活動を始められたところでございます。
 県では、こうしたクルーズ船寄港数のさらなる増加を目指し、また船の寄港がより大きな経済波及効果をもたらすように乗客、船会社及び見学客の行動や嗜好を分析した上で本年度を目途に誘致戦略を策定する予定です。そこでは古い町並みや地域文化など海外からのお客様が魅力を感じる新たな資源とその土地ならではの食などを組み合わせたモデルコースの造成による寄港地観光の充実、船内で消費する地元食材等の購入に向けての働きかけ、見学客が岸壁等で地域の特産品を楽しむことができる仕組みづくり等と全県を挙げた誘致活動に取り組んでまいります。
 特に、クルーズ船の誘致につきましては、市町など関係者による誘致の母体となる組織の設立と活動を支援いたします。それとともにこれらの組織をまとめる協議会を設置いたします。これらの措置をとることによりまして船会社へのアプローチ方法や歓迎行事の開催方法などの情報を皆さんと御共有賜り効果的な誘致活動が進められるものと期待しているところであります。
 さらに、ヨットやクルーザーなど目的地を訪れ滞在しながら楽しむいわゆるビジター船につきましても地域の活性化に資することから、公共岸壁の活用のみならず民間マリーナへの受け入れを促進するためビジターの方の意向を把握した上で利用できる係留施設や空き状況、周辺の観光施設などの情報をホームページ等で発信するなどして検討いたします。
 県としましては、富士山を初めとする本県の魅力ある世界レベルの観光資源、加盟を目指している世界で最も美しい湾クラブの持つブランド力を生かしまして、官民協働により海からの観光誘客に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) 芸妓文化の振興についてお答えいたします。
 本県は、伊豆半島を初めとするすぐれた温泉地を有しております。その温泉文化に彩りを添えるのが芸妓の方々の存在であり、芸妓衆が披露する優美で華麗な踊り、三味線や太鼓の演奏は我が県が誇る伝統芸能と認識しております。
 このため県では、芸妓を初めとする多彩な歴史、伝統文化を情報誌「アトリエふじのくに」等を活用して情報発信するとともに、旅行会社の観光商談会やファムトリップ等において観光資源としてPRするなど効果的な誘客プロモーションに努めております。また子ども観光大使認定講座の中に芸妓文化の紹介と芸妓体験を盛り込み、次代を担う子供たちの日本の伝統芸能への理解と継承にも努めております。
 さらに、県観光協会内に設置予定の静岡ツーリズムビューロー――仮称――が運営する外国人旅行者用ワンストップ窓口において芸妓文化を活用した体験型旅行商品のPRを行うとともに、東京オリンピック・パラリンピック文化プログラムを県内各地域で展開する中で芸妓文化を初めとする伝統文化を国内外に情報発信しその価値を訪日外国人にもわかりやすく伝えてまいります。
 芸妓文化を着物や和食と並ぶ大人の粋なおもてなし文化として引き続きその活用と発信に取り組み、本県の文化や観光の振興につなげてまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 在宅医療の提供体制の充実についてお答えいたします。
 地域包括ケアシステムを構築するには、医療や介護のほかにさまざまな生活支援サービスを適切に提供する体制を一体的に整備することが必要となります。その中でも在宅医療の提供体制を地域において充実していくことが重要であります。
 県では、県医師会と連携して静岡県在宅医療推進センターを設置し関係機関が患者情報を共有するための静岡県版在宅医療連携ネットワークシステムの開発や、医師や看護師などの多職種が参加する在宅ケアの研修会を開催して在宅医療に携わる医療者の育成を行うなど地域の方が必要なときに適切な在宅サービスを受けられる体制づくりに努めております。
 また、在宅医療の需要の増大への対応として郡市医師会に訪問看護師などを在宅医療推進員として配置し地域の医療資源の把握や多くの開業医の在宅医療への参入を促すなど地域における在宅医療の提供体制の充実に取り組んでいるところでございます。
 今後も、市町を初め県医師会や郡市医師会などの関係機関との連携を一層強め、介護の分野も含む新たなネットワークシステムの開発や在宅医療と介護とをつなぐ相談員の養成研修を行うなど介護との連携が行き届いた在宅医療の提供に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 藤曲敬宏君。
       (七番 藤曲敬宏君登壇)
○七番(藤曲敬宏君) 御答弁ありがとうございました。
 それでは、要望を一点、再質問を二点させていただきます。
 まず、芸妓文化に対する振興についての要望でありますけれども、今幾つかの観光的な視点についての支援策、具体的なものをいただきましたけれども、さらにもう一歩踏み込んで今先ほど説明をしましたけれども先進事例として京都であるとかですね、京都市では先ほど言ったように無形文化遺産認定、そしてさらにはですね、平成八年に既に公益財団法人京都伝統芸伎振興財団を設立して行政はもちろんなんですけれども京都市民とを挙げて支援体制が整っています。
 現在、静岡県内では静岡市それから静岡商工会議所が連携して静岡市内に限定して芸妓文化の継承保存を目的とした静岡伝統芸能振興会これを平成二十四年四月に立ち上げましたが、まだ県を挙げて広域のですね、支援体制はまだまだというふうに思います。一刻も早く官民連携の支援体制の確立を検討していただきたいというふうに思います。
 先ほども申しましたけれども県内に残された芸妓文化はですね、今無形文化遺産として守っていかないと伝統文化というものは担い手がいなくなった瞬間に消えてしまいます。ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
 きょうは、このために熱海からも芸妓置屋連合組合の西川組合長ほか芸妓の皆さんも傍聴に駆けつけてくださいました。川勝知事におかれましては毎年新年の挨拶でですね、熱海市は芸妓衆とともに知事室を訪れていますので誰よりも御理解いただけるものと信じております。
 京都市にできて静岡県にできないということは、知事のメンツにおいてないと思いますので、失われつつある芸妓文化を残すためにもぜひ川勝知事、くれぐれも前向きな取り組みをお願いしたいと思います。
 次に、再質問を二点いたします。
 一点目は、大規模スポーツイベントに向けた観光への取り組みとして、クルーズ船の誘致に関してですけれども、答弁の中で誘致協議会の設置を検討中ということですけれども今現在下田それから清水港にはそれぞれの協議会が既にあります。これからこういうものも一緒になって多分行っていくと思うのですけれどもその辺の母体となる構成団体はどういうふうにしていくのか。また発足の時期をいつごろと考えているのか伺います。
 二点目は、在宅医療の提供体制の充実に関してです。
 先ほど答弁の中で、介護の分野も含め新たなるネットワークシステムの開発を行いまた進めてということで伺いましたけれども、地域包括ケアシステムを構築する上で患者情報それから施設情報の共有は非常に重要なツールだと認識しております。実施主体は静岡県医師会ですけれども、これまでにこのシステム構築や運用にですね、どれだけの補助金が投入され、現在利用施設数それからユーザー数がどの程度までふえているのかお伺いいたします。以上、お伺いします。
○議長(鈴木洋佑君) 村松交通基盤部長。
○交通基盤部長(村松 篤君) 協議会の母体、それから時期についての再質問についてお答えいたします。
 協議会につきましては、先進事例の情報交換や専門家による勉強会などを開催して各地の組織の誘致活動を支援していく目的で設置したいというふうに思っております。
 母体の構成につきましては、そのようなことを踏まえて今後これからすぐに詰めていきたいというふうに思っておりますし、時期につきましてもいろんな調整をしましてできるだけ早くつくってこのようなものがうまく動いていくようにしたいと思っております。以上でございます。
○議長(鈴木洋佑君) 山口健康福祉部長。
○健康福祉部長(山口重則君) 医療のシステムについてお答えいたします。
 静岡県版在宅医療連携ネットワークシステムにつきましては、今までかかりました補助額は三億三千三百二十一万円になっております。今年度はシステムに係る経費が三千五百七十万、また運営費に係る経費は千九百七十万、こちらのほうは助成が三分の二として県医師会とはしっかり連携しながらこのシステムの開発、運営について取り組んでいるところでございます。
 現在、このシステムのユーザーは二十七年度末でまず訪問看護ステーションや薬局等の四百八十二施設におきまして千五百三十七名の方がユーザーとして利用しております。以上でございます。
○議長(鈴木洋佑君) 藤曲敬宏君。
       (七番 藤曲敬宏君登壇)
○七番(藤曲敬宏君) 再質問に対する答弁ありがとうございました。
 在宅医療について、一点要望しておきます。
 今、ネットワークシステム構築から徐々に拡大しつつあるということですけれども、これまではですね、国からの再生基金とか静岡県地域医療介護総合確保基金からの支援で成り立っていたのですけれども今後現在の利用施設数、ユーザー数で利用者負担を求めていくとかなりの大きな負担になってくることが予想されています。
 このネットワークシステム、大規模災害時における患者、利用者の情報の保護が可能になるということで災害時にも利用できるということで今後ユーザー数の拡充を求めていきたいと思います。また円滑に運用されるためにはしばらくはですね、県の継続的な財政支援が必要と考えますのでぜひ積極的に検討していただきますように要望いたします。
 次の質問に移ります。
 生涯活躍のまち――日本版CCRC構想について伺います。
 内閣府の資料によれば、生涯活躍のまち――日本版CCRC構想とは、東京圏を初めとする地域の中高年齢者が地方に移り住み地域の住民と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、医療や介護が必要になった場合には継続的なケアを受けられるような地域づくりを目指すというものであります。
 私は、これまでも日本版CCRC構想に注目しておりこれを人口減少対策と地域の活性化にうまく活用できないものかと考えておりました。
 昨年七月に県議会本会議で初めてこの場に登壇した際私は、日本版CCRCの話題に触れながら伊豆地域への移住・定住策について県の所見を質問しましたが、その際知事から静岡県は暖かく食べ物もおいしい、ケアさえそろっていればCCRC構想の先駆モデルとして伊豆半島でできるのではないかというような答弁をいただき私もまさに共感したところであります。
 伊豆半島は、自然環境を初め交通アクセスなどの点においても魅力的であり、首都圏を初めとする全国各地域から伊豆半島地域に移住を希望する活動的な高齢者いわゆるアクティブシニアと呼ばれる方々とコミュニティーを築き上げることも十分可能な地域であると思っています。
 一方で、課題があることも重々承知しております。高齢者が増加することで介護や医療などの自治体負担の増加や地域の活力の低下などが懸念され地方の衰退を加速することになりかねないといった意見もあるのも承知しております。
 県では、伊豆半島地域をモデルとして市町等と連携しながら日本版CCRC構想を活用した地域活性化の可能性や戦略について検討を開始したということですが、本年度具体的にどのように取り組んでいくのか、また今後日本版CCRC構想をどのように進めていくのかお伺いします。
 次に、森林技術者の育成確保について伺います。
 県では、県内各地で充実した森林資源を活用し県産材の需要と供給の一体的な創造を図るふじのくに森林・林業再生プロジェクトが展開されています。平成二十四年度から始まったこのプロジェクトでは、県産材の加工施設の整備が進んだり将来にわたる安心・安全な林産物を一定価格で安定供給する取り組みが行われ林業が盛んな天竜地域や新たなる林業地域となった富士地域等では一定の効果があらわれています。
 一方、伊豆地域は、林業に携わる民間企業の数が少なく森林組合のない市町もあります。後継者不足に悩みを抱える中山間地域では、山林に手入れをしたくても人手がない上に間伐をして木を売りたくてもどこに頼んだらよいのかわからないといった声も聞いております。また木材価格の低迷もあり施業すれば赤字になることが心配されるため放置される森林が増加し農作物等に被害を及ぼす鳥獣の温床になったり、表土の流出などによって土砂災害の危険性の高まりが危惧されております。このように地域によっては安全で効率的な木材生産ができる森林技術者が不足しており、課題の一つであると考えます。
 そのような中、全国的には平成二十年ごろから地域の山は地域で守るという動きが四国の一部などで見られるようになりNPO法人土佐の森・救援隊などにより地域の山を地元の人が施業するという自伐型林業が登場しました。さらに自伐型林業の活動を通じて地域活性化を目指した就業創出、移住促進、観光振興といった新しいローカルビジネスが広がり始めています。
 総面積の約三分の二を森林が占めている熱海市においても、地域資源である市有林の有効活用と若者の就労創出、移住促進を狙いに自伐型林業の支援に着手しました。今年四月にはNPO法人自伐型林業推進協会の協力を受け自伐型林業フォーラムin熱海を開催し、熱海で新たに林業をやってみたいと思う人、農業や観光業の副業としてやってみたい人などを対象に誰もができる持続可能な山林管理と収益を上げる自立自営の林業の取り組みが紹介されたところであります。私もフォーラムを聴講し、林業が観光と組み合わさることで地域の活力を生み出し首都圏などからの若者の移住の受け皿にもなり得ると期待したところであります。
 そこで、県では森林技術者の確保などの課題を抱える静岡県の林業の今後のあり方を考えていく上でこうした自伐型林業という新たな動きをどう捉え、ふじのくに森林・林業再生プロジェクトを全県的に展開する上で森林技術者の育成確保にどのように取り組んでいくのか伺います。
 最後に、高校生の政治的活動の対応について伺います。
 六月十九日に十八歳へ選挙年齢を引き下げる公職選挙法の改正が施行され、このたびの参議院選挙から高校三年生の一部の生徒がいよいよ投票をすることとなりました。さらに今後も自治体の首長や議員の選挙にも投票することになります。
 高校生への政治的教養の教育については、教育基本法第十四条で教育上尊重されなければならないとされています。また高校では政治的教養の教育を行うに当たっては特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他の政治的活動をしてはならないとされており、高校の教育において政治的中立は保たれているものと信じております。
 しかし、今後高校生の一部は、憲法の思想信条の自由に保障される一選挙民ともなり政党の支持や候補者の選挙活動において投票活動を働きかける対象ともなります。また高校生本人には政治に興味がなくても周囲の支持者たちから声がかかることも当然考えられます。
 こうした中で、最近高校生の学校外での政治的活動の参加について高校生に届け出を義務づけした他県の対応の是非が新聞等で何度か報道されていました。静岡県教育委員会の対応は、届け出を必要としないと聞いておりますが高校生の選挙活動や政治的活動の参加については主権者としての権利と高校生の教育的配慮の間で今後も論議となることと思われます。
 そこで、県教育委員会として高校生の選挙活動、政治活動に対して今後どのような方針で対応するのかお伺いします。以上について答弁を求めます。
○議長(鈴木洋佑君) 森政策企画部長。
○政策企画部長(森 貴志君) 生涯活躍のまち――日本版CCRC構想についてお答えいたします。
 伊豆半島地域は、人口減少や高齢化が進行する一方、首都圏の中高年齢者の移住希望地として高い人気を得ております。こうした方々の移住・定住を地域の活性化につなげるため、伊豆地域内の十五市町や産業、福祉、金融など幅広い関係者で構成する伊豆半島生涯活躍のまちづくり検討会議を今月十四日に設置したところであります。
 第一回会議では、中高年齢者の移住を雇用の創出や税収の増など地域の発展に結びつけていく取り組みが必要であるとの意見や地域住民と交流しながら健康でアクティブな生活を送ることで医療費の抑制が図られるなどの意見がありました。
 今後は、こうした意見を踏まえ地域特性に応じたエリア単位の検討会や移住・定住、産業振興など分野別検討会を開催し移住者の消費による経済効果、医療・介護費用への影響など詳細な分析や具体的なまちづくりのあり方について議論を深め、十月を目途に伊豆半島地域生涯活躍のまちづくりビジョンを取りまとめてまいります。
 県といたしましては、このビジョンを踏まえ、まずは伊豆半島地域で市町の広域連携による先進的なモデルの構築を促進し全県への普及を図ってまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 若原農林水産戦略監。
○農林水産戦略監(若原幸雄君) 森林技術者の育成確保についてお答えいたします。
 県は、ふじのくに森林・林業再生プロジェクトを進める森林技術者の大半が林業事業体に雇用されておりますことから、静岡県森林組合連合会などと連携いたしまして林業事業体を対象とした林業作業に必要な技術・技能を習得する研修、新規就業相談会の開催などを進めてまいりまして安全かつ効率的に木材が生産できる森林技術者の育成確保に努めてまいりました。
 他方、こうした林業事業体が少ない市町におきましては、森の力再生事業、昨年度まで十年間にわたりまして第一期を進めまして、昨年度ですね、県民の皆様の御理解、御支持をいただきまして議会で第二期を本年度からお認めいただきましたけれども、こちらの事業の実施を通じまして異業種、異分野からの企業・団体の新規参入の動き、こうしたものが生まれてきておると認識しております。
 熱海市が取り組みをされております自伐型林業でございますけれども、観光業など多様な産業との連携を進めていくという点におきましては非常に先駆的な取り組みかと思いますけれどもこうした異業種、異分野からの参入を図ってまいると、こういう点におきましては先ほど御紹介いたしました森の力再生事業などで蓄積されました県内の知見なども生かしていける、そういった可能性も大いにあるのではないかというふうに考えているところでございます。
 県といたしましては、引き続き新規参入者にも十分に配慮いたしました労働安全講習でございますとか技術研修会の開催などを通じまして森林技術者の育成確保を図りますとともに、市町とも連携いたしまして森林・林業の再生に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 高校生の政治的活動等への対応についてお答えいたします。
 県教育委員会では、このたびの参議院議員選挙において初めて十八歳の高校生が有権者となることから、昨年度から文部科学省が作成した副教材を活用した授業や選挙管理委員会と連携した出前講座等により高校生に対する政治的教養教育に努めてまいりました。
 また、政治的活動等への対応につきましては、本年三月に全ての県立学校に対応指針を通知し教育活動の場を利用した活動の禁止、学校の構内での活動や違法、暴力的な活動の禁止または制限など機会ごとに分けて政治的活動等を整理し指導の方針や校則の改正などを指示してまいりました。
 特に、構外において放課後や休日等に行う政治的活動については、有権者としての高校生の意思を尊重し各学校には届け出を必要としないことを通知し家庭の理解のもとで生徒がみずから判断して行うこととしております。このため各学校では、家庭に対しても生徒の政治的関心を理解し政治的教養を育むことへの協力を依頼しております。
 県教育委員会といたしましては、今後とも家庭や地域と連携して高校生の政治的活動等を見守るとともに、生徒の政治的活動等に関し実際に起きたさまざまな事例を検討し今後の指導に生かしていくなど高校生が有権者として適切に行動できるよう主権者教育に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 藤曲敬宏君。
       (七番 藤曲敬宏君登壇)
○七番(藤曲敬宏君) 答弁ありがとうございました。
 それでは、二点要望をさせていただきます。
 一点目は、生涯活躍のまち――日本版CCRC構想についてです。
 熱海の実例を言いますけれども、平成二十二年以降五年間の熱海市の人口動態の状況ですけれども静岡県と同様に二十代から四十代を中心に年間約千八百人前後が転出しております。同時に五十代から七十代を中心にした約二千人の転入者があります。社会動態におきましては平均百人前後の転入増が続いております。今後首都圏の居住環境を考えますと同様に伊豆エリア全体においてシルバー層の移住が増加することが予想されます。そういう面で伊豆半島における取り組みというものは、移住促進に力を入れるといったですね、日本版CCRCという概念ではなくみずから移住を求めてくるシルバー層を受け入れてしっかりとした理想的なシルバータウンをつくっていくことだというふうに考えます。その点のキーワードが生涯活躍のまちづくりであり地域による生きがいづくり、社会参加だというふうに思います。
 鳥取県の南部町では、全国に先駆けて地域による見守りシステムであるヘルパー制度や介護予防を補完する統合医療の取り組みなど地域包括ケアシステムを医療と介護の専門家ばかりではなくて住民が協働してつくり上げるモデルケースを構築しています。ぜひこうした実践を参考にして伊豆半島全体を生涯活躍のまちにできるような視点でですね、ぜひ横のつながりを、連携をいかにしていくかという点にですね、ぜひ力を入れて、この辺は比較だけではなくて地域包括ケアシステムと連携してくると思うのですけれどもそういった形で構想をつくっていただきたいというふうに思います。
 二点目の要望は、高校生の政治的活動への対応についてですけれども、現在まさに参議院の選挙中であるということで富士宮市では投票所の立会人に高校生が積極的に参加していると月曜日の新聞にも掲載されておりましたが、実際県内でも高校三年生を中心にさまざまな形で今政治活動にも触れているはずだと思います。学校側も生徒もまだまだ手探りな部分が多々あると思います。学校現場におきましては教師側の研修プログラムを確立してほしい点、それから教育委員会におきましては今回の参議院選が終わった以降調査研究をぜひしていただきまして学校に対する聞き取り調査といったさまざまな部分でそういったものをして、できる範囲でこの次に生かしていくような形で行っていただきたいというふうに思います。以上、要望といたします。(拍手)
○議長(鈴木洋佑君) これで藤曲敬宏君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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