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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

西原 明美 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/26/2019

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 静岡県文化プログラムの推進について
2 がん緩和ケアの推進について
3 県中西部地域におけるファルマバレープロジェクトの展開
 について
4 水素エネルギーの活用と水素社会の実現について
5 発達障害のある児童生徒に関する義務教育と高校教育の連
 携について
6 藤枝高田工業団地造成事業について


○議長(鈴木利幸君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百二十七号から第百五十号まで及び平成三十年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十二番 西原明美君。
       (十二番 西原明美君登壇 拍手)
○十二番(西原明美君) 皆様おはようございます。藤枝市選出の自民改革会議所属、西原明美でございます。
 県議一期生としてはや五カ月がたとうとしております。県の取り組む事業には成果や結果が求められるものや、その取り組みについて県民にもっと知っていただきたいものなどさまざまです。今回質問の機会をいただきましたのでそのような観点から通告に従い、一括質問方式で知事、副知事及び関係部局長並びに教育長、教育部長に当面する県政の諸課題六項目について伺います。
 まず初めに、静岡県文化プログラムの推進について伺います。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催まで一年を切りました。オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典であると同時に文化の祭典であるとも言われています。その理由はオリンピック憲章に、オリンピズムはスポーツを文化、教育と融合させ生き方の創造を探求するものとうたわれ、開催都市が文化プログラムを開催するように定められていることからです。
 八月十六日の静岡新聞で、静岡県文化プログラム推進委員会においてチーフオペレーティングディレクターを務める加藤種男氏は、芸術文化は経済に支えられてきたと思われているがいまや逆で経済の発展に不可欠な要素になっている、芸術文化の位置づけを見直すきっかけになると文化プログラムの意義を述べています。これまで文化プログラムの取り組みを知らなかった私ですが、この新聞記事をきっかけにどのようなものなのか大変興味を持ちました。調べていくと静岡県は全国に先駆け平成二十八年五月に推進委員会を立ち上げさまざまな取り組みをしてこられ、またラグビーワールドカップの開幕にあわせ今月は現代舞踊と音楽の祭典、大茶会など本県ならではのプログラムが実施されるなど大変すばらしい意義のある取り組みだと感じました。
 しかし、残念ながら県民にはその取り組みが広く知られていないのも事実です。このプログラムは県下の多くの地域で実施団体がさまざまな人々をターゲットに多彩に展開されており知ってもらうための工夫が必要であると思います。県民挙げての文化プログラムにするためには全年齢層に伝わりやすいインパクトあるテレビCMを初めパブリシティーの充実を図り、番組で取り上げていただくなどさまざまな露出をふやすことが必要だと思います。またスマホ時代だからこそメディアミックスを戦略的に使いほかとの差別化をする必要があります。
 例えば、さまざまな文化プログラムに参加していただいた方にその場でインスタなどのSNSに写真などを投稿してもらったり興味のあるイベントをフォローしていただくなど文化プログラムの取り組みを県民に広く知ってもらうためもっと広報に力をかけるべきだと考えます。
 本番の東京オリンピック開催まで三百と二日あります。そこでこれまでの文化プログラムの取り組み内容と県は二〇二〇年に向け今後どのように展開していくのか、また二〇二〇年以降どのようにレガシーにしていくのか伺います。
 次に、がん緩和ケアの推進について伺います。
 がんと診断された患者の生存率は一九九〇年後半から伸び続けています。この要因はがん治療の進歩や健診の普及などが貢献したとみられがんは決して不治の病ではなくなったと言えるものの、二〇一七年の全国におけるがん死亡者数は三十七万三千三百三十四人でうち静岡県におけるがん死亡者数は一万六百二十四人であり今なお死亡原因の第一位を占めています。
 がんにかかるとがん自体の症状のほかに痛み、倦怠感等のさまざまな身体的な症状や落ち込み、悲しみなどの精神的な苦痛を伴いますが、それは本人だけではなくその患者家族も同様の苦痛を伴うことになります。患者やその家族一人一人の身体や心などのさまざまな悩み、負担を和らげより豊かな人生を送れるよう支えていくことが重要であり、たとえ根本的に治すことができなくても日々の生活の質の向上を図るにはがんと診断されたときから行う身体的、精神的な苦痛を和らげるためのケアである緩和ケアが必要となります。
 国では、どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう全国にがん診療連携拠点病院を三百九十三カ所指定しており県内では十の病院が国から指定を受けています。しかし指定期間中であっても診療実績や医師、看護師等の人員配置など指定要件を満たしていない拠点病院が確認された一方で、指定要件を満たした上でさらに高度な医療機能を提供する拠点病院も確認されたことから、国は今年度より診療機能に応じて従来の拠点病院の中に特例型と高度型の分類を追加しました。その高度型の指定要件の一つに緩和ケアセンターの整備が設定され、高度型の指定を受けようとする拠点病院では地域でがんに伴う痛みなどにより入院が必要となる患者が発生した場合緊急入院による徹底した緩和治療が実施できる体制が整備されることになり、ますます緩和ケアの重要性が高まります。
 現在本県では百床弱の緩和ケア病棟が設けられており、県内拠点病院のうち東部地域では県立静岡がんセンター、西部地域では聖隷三方原病院に整備されています。終末期を迎えたがん患者の中には残された時間を緩和ケア病棟で過ごすことを希望される方もいることから地域格差などをなくし県内どこでもひとしく高度ながん医療を受けることができるように、中部地域においても終末期を迎えたがん患者が人生の最期を過ごせる緩和ケア病棟の整備が必要と考えます。
 そこで、がん患者やその患者家族に対し緩和ケアを推進するための県の取り組みについて伺います。
 次に、県中西部地域におけるファルマバレープロジェクトの展開について伺います。
 県は、東部地域を中心として医療健康産業の集積を図るファルマバレープロジェクトに取り組んでいます。先日中核拠点である静岡がんセンター、ファルマバレーセンターを訪問し山口総長からプロジェクトの概要を伺いました。世界一の健康長寿県の形成を基本理念として掲げ地域企業のすぐれた技術を生かして、患者さんのための医療の質の向上と医療健康産業の発展を目指すプロジェクトを全国に先駆け静岡県が取り組んでいることを知り大変感銘を受けました。またプロジェクトでは日本が直面する人生百年時代を見据えて、今年度から本格的に高齢者が豊かな老後を過ごしていくための新たな方向性である健康長寿・自立支援プロジェクトに取り組んでいるとのことであり、県東部地域のみならず県域全体にとっても大変ありがたいものと思っています。
 医療健康関連産業は本県の経済を支える重要な産業であり、プロジェクトの中心である県東部地域だけではなく県中西部地域にも、特に私の住んでいる藤枝市内にはツムラ、中外製薬、科研製薬、持田製薬、そして隣の焼津市にはアステラス製薬など大手製薬工場を含めて医薬品や医療機器関連企業が数多く立地しています。この先進的な取り組みを県中西部地域へ一層展開することで医療健康産業のさらなる活性化が図られると考えます。
 また、プロジェクトの成果を県内全域の医療現場や介護現場で活用することにより静岡県の医療・介護の質が向上しプロジェクトが掲げる世界一の健康長寿県の形成につながると考えます。
 そこで、ファルマバレープロジェクトにおいて県中西部地域での展開をどのように進めていくのか、県の所見を伺います。
 次に、水素エネルギーの活用と水素社会の実現について伺います。
 これまで我が国は、石炭、石油、天然ガスといった化石燃料を活用することにより経済成長を実現して先進国としての今日の地位を築いてまいりました。しかし化石燃料を活用する際に発生する温室効果ガスによる地球の温暖化がもたらすリスクは余りにも大きく温室効果ガスの発生抑制に取り組むことが先進国としての大きな責任となっています。また地球温暖化対策に加えエネルギーの自給率を上げていく観点からも化石燃料にかわる海外からの輸入に頼らないエネルギーの確保が重要であります。
 こうした課題を解決する切り札として、国は平成二十六年四月に策定したエネルギー基本計画において水素を将来的中心的な役割を担うエネルギーと位置づけ水素社会の実現に向けて活用促進策に取り組んでいるところであります。また本年六月に行われたG20ではG20として初めてエネルギー大臣と環境大臣が一堂に会する関係閣僚会合が開催されました。その前日にはG20IEA水素レポート発表イベントが軽井沢で開催されました。このレポートは日本政府から依頼を受けて作成されたIEA  国際エネルギー機関初の包括水素レポートであり水素の将来像として多様なエネルギー課題の解決策となること、あらゆるエネルギー源から製造できガスとして輸送し電気、化学原料、輸送燃料の多用途に使えること、再エネ電気を長期間貯蔵でき長距離の輸送が可能であることなどが挙げられています。もちろんコストやインフラ整備、規制の緩和など実用に向けての克服すべき課題も挙げられています。
 本県においての取り組みとして、水素社会実現のために必要なインフラである水素ステーションが現在稼働している浜松市と静岡市に加え御殿場市内で整備が進められていると伺っています。この整備により県内の東部、中部、西部に一カ所ずつ水素ステーションが整備されることとなり、県内における燃料電池自動車――FCVに対する水素供給体制が一歩前進したとも言えます。
 さらに、燃料電池車の動力源以外にも水素エネルギーの有効性が研究されてきています。例えば今回の台風十五号がもたらした千葉県での広範囲における大規模停電や我が静岡県においても昨年の台風二十四号により県内の広範囲が停電し復旧に最大六日間を要した地域もあったことなどから、こうした災害後の停電に対して燃料電池を搭載した車両は電源として活用が期待できます。
 そこで、水素社会の実現に向けまだまだ解決すべき課題があると想定されますが温暖化対策やエネルギーの自給率向上に加え災害時にも有効である水素エネルギーの活用について本県の取り組みを伺います。
 次に、発達障害のある児童生徒に関する義務教育と高校教育の連携について伺います。
 発達障害のある児童生徒については、今まで受けてきた各種の支援をまとめて記録することにより効果的な経過説明や継続的、一貫的なサポートが可能となるよう各市町においてサポートファイルを作成しています。県では平成二十八年十月に静岡県における今後の発達障害者支援のあり方を取りまとめており、その中で学校間の移行の際の情報引き継ぎの連携強化として教育支援計画やサポートファイルの活用が挙げられています。またそのほかにも情報を伝えても不利益をこうむらない状況の確保や保護者、本人が必要に応じて自発的に伝えられるような体制づくりについても記載されており、進学後においても学校間の情報引き継ぎなどにより継続的、一般的なサポートが可能となるよう方針が示されています。
 しかしながら、発達障害は見た目にはわかりにくく伝わりにくいため学習障害や自閉症、アスペルガー症候群などの十分な情報の引き継ぎが行われなかったことにより進学後にクラスメートに理解されず、また教師による十分なサポートを受けることができずに退学に至った方からの相談を受けたことがあります。発達障害のある児童生徒が不安を感じることなく教育を受けられるよう切れ目のない支援体制を構築するためには小中高等学校の各学校間の連携が重要であり、特に中学校と高等学校については学校設置者が異なることや入試を経る必要があることなどから学校間の連携が十分ではなく支援が途切れてしまう傾向にあり進学時の円滑な支援の引き継ぎに課題があると考えます。
 そこで、学校間の情報引き継ぎのため県教育委員会としてはこれまでどのような取り組みを行い、今後市町教育委員会とどのように連携してサポートファイルの活用などを含めた義務教育から高校教育までの一貫したサポート体制の構築を図っていくのか伺います。
 最後に、藤枝高田工業団地造成事業について伺います。
 人口減少社会を迎え地域間競争が激しさを増している中、市や町のまちづくり実現のためには地域の個性や資源を十分に生かしながら産業振興施策を積極的に推進し地域活力を維持向上させていくことが極めて重要であり、市町と連携して進める企業局の工業用地造成事業についてはそのための有効な手段の一つであると認識しております。
 藤枝市の高田地区において県企業局と私の地元である藤枝市が連携して取り組む藤枝高田工業団地造成事業についてでありますが、去る五月二十四日に私も出席しました安全祈願祭が開催されたところであり現在令和三年度中の引き渡しを目指し本格的に造成工事が進められています。この藤枝高田工業団地については市の買い取り保証により迅速な事業着手が可能となるセミ・オーダーメード方式の第一号として企業局が事業化したものであり、協定で県と市の役割分担を明確にしスピード感を持って事業を推進しているものと承知しております。既に全区画に対し県内の優良企業六社の進出が決定していることから、藤枝市では企業からの投資や新たな雇用の創出そして地域経済への波及効果に対して大いに期待しているところであり、私も地元選出の県議会議員としてまた市民の一人として県企業局と市がさらに連携を密にして取り組むことで進出企業に一日でも早い操業を開始していただきたいと願っているところであります。
 一方、ことし六月議会において企業局長から企業局が行う工業用地整備事業は環境や景観への配慮に加えまちづくりの一環として進めているとの答弁があったところでありますが、昨年十月に完成した富士山麓フロンティアパーク小山においては富士山を借景にした森にたたずむ工業団地をコンセプトとして整備が行われ、開発による環境変化を最小限に抑えるため早期に周辺と同様の環境を復元させることを目的としてその地域に本来的に生育する植物を植生する取り組みを行うなど環境や景観に配慮した産業基盤づくりを実践していたものと承知しております。
 当然のことながら、富士山麓フロンティアパーク小山に続く藤枝高田工業団地においても環境に十分な配慮をしながら事業を進めていくことが必要であります。また事業区域の周辺には小中高等学校や民家が存在することから、児童生徒や地域住民の交通安全への配慮についても県企業局は事業者として忘れてはなりません。
 そこで、藤枝高田工業団地造成事業についてまずは企業の早期操業という地元の期待に応えるため企業局がどのように取り組んでいるのかを伺うとともに、環境や景観さらに交通安全に対する配慮についての具体的な取り組み内容を伺います。どうぞ新人ですのでわかりやすく御答弁をいただければありがたいと思います。以上について答弁を求めます。(拍手)
○議長(鈴木利幸君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 西原議員にお答えいたします。
 西原議員におかれましては、新人ながら堂々とした御質問でまた県議会の中で数少ない女性議員のお一人と、しかも藤枝からは二人とも女性議員ということでこれが起爆剤といいますかきっかけになって議員の中に女性の活躍できる場がもっと広がることを願っております。
 さて、私のほうからは静岡県文化プログラムの推進についてお答えをいたします。
 本県では、他県に先駆けて平成二十八年に静岡県文化プログラム推進委員会を立ち上げました。そして、先行してプログラムを実施するなど来年のオリンピック・パラリンピックに向けて文化プログラムの機運の醸成に努めております。さかのぼりますと、先ほど議員の御紹介にありましたとおりオリンピック精神にスポーツと文化、これを支えるということがうたわれているわけであります。しかしながら、どちらかというとスポーツに偏したのがオリンピックのこれまでの姿でした。それを二〇一二年、平成二十四年のロンドンオリンピックのときに本格的に文化プログラムがイギリス全土で繰り広げられまして、その結果それが大変にイギリスという国を世界に紹介するのに役立ちかつ経済効果もあったということがございます。
 そうしたことを受けまして、その翌年に静岡県のほうから全国知事会にこれを提言いたしまして北は北海道から南は九州、沖縄に至るまで全県の御賛同を得て、またかつ国の政策にもなって文化プログラムというのが今全国で動いていると。本県ではそれが平成二十五年、二十六、二十七年と準備いたしましてようやく二十八年に推進委員会ができたということであります。
 先ほど経済と文化の関係について御紹介されましたけれども、もちろんあの文化が経済に役に立つということもあるわけですけれども基本的な考え方として文化というのはこれは言ってみれば藤枝のライフスタイル、藤枝的な生き方とウエー・オブ・ライフですね。全て、西原議員なら西原議員の御家族やまた御自身の生き方のために経済も政治もあると、言いかえますと政治も経済も私は文化のしもべであるという考えでおります。すなわち暮らしの立て方が充実すれば人は幸せになります。その幸せを支えるために人は働きかつこういう行政の仕事もしていると、こういう考えでやっているということであります。ただしここで言う文化プログラムはそういう暮らしそれ自体の生活文化というよりも、例えば藤枝の朝比奈の龍勢であるとかあるいは岡部の抹茶の文化であるとかあるいは文化会館でのさまざまなパフォーマンスであるとか、そうした日常生活の根っこの部分から見ると花の部分といいますかきれいな部分のことをどちらかというと指しておりますが、基本的な視点は人々の生活文化それ自体にあると、それをいかに充実させるかということが基本的な目的としてあるということでございます。
 さて、平成二十九年度には県内の各団体が実施する地域に根差した文化振興の取り組みにつきまして費用の助成や運営の助言などを行う支援制度を創設いたしました。今年度も十九の団体の事業を採択いたしました。また平成三十年七月には文化プログラムの認証制度を設けまして来年までに県内各地域で行う文化イベントを一千件認証するとの目標を立てて普及に努めた結果、今月八月末までに七百三十二件を認証したところであります。
 今年度展開する多彩な文化プログラムにつきましては、ブンプロ・プレフェスと、文化プログラムのプレフェスティバルと略してブンプロ・プレフェスと銘打ちましてホームページ上で実施時期や内容を紹介するとともに、この七月には静岡県文化プログラム二〇一九ガイドを作成し県内外で開催されるイベントや観光商談会等で配布するなど積極的にPRをしております。
 また、静岡県観光協会と連携いたしまして文化に興味のある県内外の観光客向けに本県の特色のある文化資源をめぐる複数のモデルコースを設定しまして、ホームページとかSNSによって情報を発信するなど文化プログラムへの誘客を図っているところです。二〇二〇年の本番に向けまして、本県ゆかりの郷土唱歌を参加者が中心となって心を合わせながら歌うプログラム、あるいは県民が俳優として参加する創作演劇など多くの県民の皆様が参加できる多彩なプログラムを県内各地で重層的に展開していく予定でおります。同時に、各種のメディアを通じて国内外に効果的な情報発信を行い文化プログラムの機運や期待感の一層の高揚が図られるように取り組んでまいります。
 オリンピック・パラリンピック終了後も県民が主体の文化活動が将来にわたって活発に展開されるように文化プログラムの展開で培うであろう文化芸術振興、そしてまたそれの支援、担い手の掘り起こし、地域のネットワークの形成、その仕組み、これをレガシーとして継承し本県の目指すいつでもどこでも多彩で魅力的な文化の花が咲き国内外から憧れを呼ぶふじのくに芸術回廊の実現に全力で取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○議長(鈴木利幸君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 県中西部地域におけるファルマバレープロジェクトの展開についてお答えをいたします。
 県立静岡がんセンターを核として医療城下町の形成を目指すファルマバレープロジェクトは、平成十四年の事業開始以来十七年にわたり地域の企業の医療健康分野への挑戦を積極的に支援してまいりました。これまでに約五十の中小企業が新たに薬事法の参入の壁を乗り越えて医療健康産業への参入を果たし百十五件の具体的な製品への事業化が実現をしております。
 本県の医薬品、医療機器合計生産金額は九年連続で全国一位であります。国からは総合特別区域の制度に基づく評価・調査検討会の中でふじのくに先端医療総合特区がライフイノベーション分野で全国一位の評価を得ました。このようにプロジェクトは着実に進展しております。
 本プロジェクトは、医療健康分野の研究開発から事業化に至るまでの一貫した支援体制と研究機関や大学、産業支援機関等とのネットワークを構築しております。これらを活用して県中西部地域でも事業を展開をしております。具体的には、中核支援機関のファルマバレーセンターが医療現場のニーズを把握し広く県内企業の持つ技術シーズを結びつけ患者、家族の視点に立ったものづくりを支援しております。また県立総合病院や聖隷三方原病院など県中西部の医療機関で医療従事者向けの展示会を開催し企業が開発した製品の普及を図っております。
 こうした取り組みを通じて、焼津市内の企業が創薬技術の開発を目指してファルマバレーセンターに入居する例や、県中部地域での中小企業四社が医療機器の共同受注を目指して協同組合を立ち上げる等の成果も出ております。
 さらに、今般新たな挑戦として我が国が直面する超高齢社会の課題克服に向け健康長寿・自立支援プロジェクトをスタートしました。高齢者の自立を支援する補助器具等の開発のほか、県立静岡がんセンターの臨床研究プロジェクトHOPEの遺伝子解析データを活用して老化現象の進行予測や予防に取り組んでまいります。
 県といたしましては、新たな局面を迎えるファルマバレープロジェクトの県内全域での事業展開をこれまで以上に進めその成果を地域に着実に還元していくことでプロジェクトの掲げる世界一の健康長寿県の形成を図ってまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 池田健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池田和久君登壇)
○健康福祉部長(池田和久君) がん緩和ケアの推進についてお答えいたします。
 静岡県がん対策推進計画では、緩和ケア病棟だけでなく一般病棟や在宅においてもがん患者とその家族の状況に応じて、がんと診断されたときからの悩みや負担に対する適切な緩和ケアをきめ細かく提供できる体制を整備し患者とその家族の生活の質の向上を図ることを目標としております。
 このため、県ではがん診療連携拠点病院や県医師会等と連携し、毎年診療所医師を含め全ての医療従事者を対象に緩和ケアに関する知識や技術を習得する緩和ケア研修会を開催し提供される緩和ケアの質に差が生じないよう努めております。また県立静岡がんセンターにおきましても、県内に勤務する看護師を対象とした緩和ケア研修会や在宅療養生活の支え手である介護職員を対象とした実践的な研修会を開催するなど緩和ケアに携わる医療従事者の人材育成を図っております。
 さらに、本年度から県と市町が協力して小児や若年成人の終末期がん患者に対しまして訪問介護等による居宅サービスやリクライニングベッドなど福祉用具等の費用を補助する制度を創設し在宅療養生活を支援しております。
 なお、中部地域の拠点病院におきましては病院内に緩和ケアセンターを設置し多職種のスタッフで構成される充実した緩和ケアチームにより専門的な緩和ケアを提供する高度型の拠点病院の指定を受けようとする動きがございます。
 県といたしましては、引き続き研修等を通じ医療従事者の人材育成を図ることで拠点病院等における緩和ケア提供体制を推進してまいります。また在宅療養を希望する患者に対しましては関係団体や訪問診療を担う医療機関等との連携を図りながら在宅緩和ケアを推進することで、県内全域で質の高い緩和ケアを提供できる体制整備に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 天野経済産業部長。
       (経済産業部長 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長(天野朗彦君) 水素エネルギーの活用と水素社会の実現についてお答えをいたします。
 水素エネルギーの利活用はエネルギー供給源の多様化や環境負荷の低減に大きく貢献するものであり、我が国では平成二十九年に水素基本戦略を策定し世界に先駆けて水素社会の実現に取り組んでおります。こうした中、本県におきましても将来の水素社会の形成を見据えた取り組みを官民が連携して推進をしているところであります。
 具体的には、まず水素ステーションの整備につきましては民間事業者により本年度新たに御殿場市に整備される計画であり、県では国と連携いたしましてこの支援を行ってまいります。浜松市、静岡市に次ぐ県内三カ所目の整備となりますが、水素ステーションは燃料電池車の普及に向けて不可欠なインフラ整備であり引き続きその充実に向けて取り組みを進めてまいります。
 また、官民で構成するふじのくにFCV普及促進協議会では燃料電池車や水素ステーションに係る最新動向や普及に向けた課題の整理などにつきまして情報の共有化を図っております。燃料電池車は災害時におきまして非常用電源としても有用でありますことから、本年七月に避難所となる体育館が停電したことを想定いたしまして燃料電池バスから電気を供給するデモンストレーションを掛川市と静岡市の県内二カ所で実施いたしました。参加者からは災害時に大変有効である、水素の実用性について理解を深めたなどの意見が寄せられ、今後さらに車両メーカーや危機管理部などと連携いたしましてその有用性の検証を進めてまいります。
 さらに、昨年設立いたしました創エネ・蓄エネ技術開発推進協議会におきまして木質バイオマス発電の過程において発生する水素ガスの有効利用などをテーマとした研究グループが立ち上がり、既に大学や民間企業がコンソーシアムを組織して共同研究に着手しております。
 県では、今後とも産学官連携のもと新たなイノベーションの創出につながる水素エネルギーの技術開発や実証事業を支援してまいります。水素エネルギーの普及には技術や経済性の面でまだまだ多くの課題がありますが、県といたしましては官民が連携したこうした取り組みを通じて将来の水素社会の実現に向けた環境整備を着実に進めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 発達障害のある児童生徒に関する義務教育と高校教育の連携についてお答えいたします。
 発達障害のある児童生徒が安心して学校生活を送るためには各学校における個別の教育的支援に加え、学校間の連携を密にし進学後も切れ目のない支援を受けられることが重要であります。県教育委員会では、平成二十八年度に中学校段階での個別の教育支援計画や指導計画を一部市町ではサポートファイルと呼ばれる情報について共有する各中学、高校に対し通知したほか、毎年度中学校の管理職や生徒指導担当者の研修会において生徒や保護者の理解を得た上で進学先に情報を提供するよう伝えております。また入学手続後受け入れ先の高校教員が中学校を訪問し生徒の中学校時代の様子や支援の状況等を把握するよう努めており、入学後も円滑に学校生活が送れるよう個別の教育支援計画等に基づく切れ目のない支援につなげております。
 しかしながら、情報提供が十分行われていないとの声もあり議員御指摘のような事例に基づきましては大変遺憾に感じております。提供されない理由としましては生徒や保護者の同意が得られないことのほか、生徒に不利益になるのではないかという一部教員の誤解や改善が見られる生徒については不要だと考えていることなどが挙げられます。
 このため、市町教育委員会と連携し中学校の管理職や進路指導教員に対し引き継ぎこそが支援のスタートであり生徒の安定した学校生活につながることを改めて伝えるとともに、現状改善が見られる生徒であっても環境変化に伴うリスクを踏まえて情報提供を行うよう徹底してまいります。
 県教育委員会といたしましては、発達障害のある生徒が進学により環境が変わっても安心して教育を受けられるよう義務教育と高校教育のより一層の連携を強めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 松下企業局長。
       (企業局長 松下育蔵君登壇)
○企業局長(松下育蔵君) 藤枝高田工業団地造成事業についてお答えいたします。
 企業局は、市町のまちづくりに呼応し最大の事業効果をもたらす新たな用地の供給を通じまして地域の振興やブランド化を実現するため常に最新の技術と手法を取り入れております。藤枝高田工業団地におきましても地域や企業の期待に応えるため、工区の分割による先行分譲や期間短縮効果が高い合筆手法の採用など早期の分譲に向け積極的に取り組んでおります。
 一方、周辺河川におきましては絶滅危惧種であるカワバタモロコが生息するなど豊かな自然環境とすぐれた水辺景観が残されていることから、企業局初の試みとして濁度浄化装置及びアルカリ中和装置を設置し場内にたまった雨水を浄化してから河川に放流するなど環境に優しく景観を損なわない産業基盤づくりを実践しております。また交通安全につきましても三年間でダンプ二万台の通行を計画しておりますことから、地元の要望に応えまして通学路などの安全確保のため隣接する生活道路の一部を半年間の長期にわたり継続して交通規制し歩行者や自転車の専用道とするなど安全対策に万全を期しております。
 企業局といたしましては、引き続き環境保全や景観形成そして地域住民の皆様の安全対策に十分配慮しながらまちづくりの早期実現のため市と一体となって事業を推進してまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 西原明美君。
       (十二番 西原明美君登壇)
○十二番(西原明美君) 御答弁をいただきましたので、私から要望三点と質問二点をさせていただきます。
 まず一点目、静岡県文化プログラムの推進について知事より大変御自身のお言葉で文化についての御答弁をいただきましたこと感謝申し上げます。
 私が申し上げたかったのはこの文化プログラムが知れば知るほどすばらしいものだということは理解できるんですが、まず知るに至るまでのなかなか広報が足りていないのではないかなということを感じましたので、このことについてはこちらから訴えるだけのセールスではなく魅力的なプログラムがあればこちらから積極的にセールスをし、認証制度を使ってこのロゴを使っていただくなどしてこの魅力そのものを高めていっていただきたいなと思っております。
 また、認証も先ほどの御答弁では七百三十二件ということで目標数値には達成していないところでありますけれども、市や町によってはその認証プログラムの件数も随分差があります。そういった意味では、市や町の協力を得ながらさらに東京オリンピック・パラリンピック本番に向けて今まで以上に盛り上げていただくように要望いたします。
 要望二点目ですが、四番目水素エネルギーの活用と水素社会の実現について。皆様御周知ではありますけれども、ニューヨークで開かれた国連気候行動サミットにおいて地球の温暖化対策に取り組まない大人たちへの抗議としてスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんの怒りの演説もありました。また昨日は水素エネルギーの利用拡大を議論する水素閣僚会議が都内で開催され、世界で数万台にとどまっている燃料電池車を使った車両を今後十年間で一千万台、水素ステーションを一万カ所にふやす世界目標を提案し参加したイギリスやオーストラリアなどの十カ国の閣僚により同意があったとのことです。温暖化対策としてのCO2を排出しない水素エネルギーの調査研究を進め、国の動向を探りながら県における水素ステーションを含め災害時の活用など積極的に取り組んでいただきたく要望いたします。
 要望の三点目、藤枝高田工業団地造成事業についてでございますが、先ほど御答弁いただきましたように市と協力をいただきながら進出企業の意向も踏まえながら令和三年度中とは言わず企業局の取り組みにおいて早期の操業ができるように要望いたします。
 それでは、質問に移らせていただきます。
 質問の一点目、二番目のがん緩和ケアの推進についてお伺いします。
 先ほど中部地域において高度型を受けようとする動きがあるということの御答弁をいただきました。差し支えがなければ現在の三病院、拠点病院三病院のうちどのような動きがあるのか具体的にお聞かせいただければと思います。またそれに対する県の具体的な支援をどのように考えているのか伺っておきます。
 二点目の質問、発達障害のある児童生徒に関する義務教育と高校教育の連携についてお伺いいたします。
 先ほど御答弁の中で情報の引き継ぎ、これがスタートでありまた連携に努めていくということの御答弁をいただきましたが、中にはその問題点がわかっているのになかなかそこが今現状として全てにおいて解決できていないという現状かと思います。実は兵庫県の教育委員会では課題解決のために独自の中学校から高等学校への確実な引き継ぎとして中学校・高等学校連携シートというものを県が作成をし、これまでの個別の教育支援計画や指導計画、サポートファイルにかかわらず、こういったものがつくられていなくてもこの連携シートというものを使って引き継ぎを行っていると。大事なことは県と市の引き継ぎ方法と効果的な配慮事項への共通理解と考えます。その点、静岡県独自のさらに一歩踏み込んだ取り組みについての考えをお伺いしたいと思います。以上です。
○議長(鈴木利幸君) 池田健康福祉部長。
○健康福祉部長(池田和久君) 国指定のがん診療連携拠点病院は中部に三病院ございます。県立総合病院、静岡市立静岡病院、それから藤枝市立総合病院の三つでございます。
 現在その構想中であるところにつきましては名前を出さないほうがいいかと思いますけれども、県といたしましては平成二十六年度からがん医療均てん化推進事業によりまして、この均てん化というのはがん医療に特有の言葉でございますけれどもどこでも同程度の治療が受けられるようにするということでございます。この均てん化推進事業によりまして拠点病院に対しまして病院の機能に応じた施設及び設備の整備に対する補助を行っております。
 緩和ケア病棟の整備につきましては具体的な内容をまだ全く伺っておりませんので何とも申し上げられませんけれども、今後病院の機能や地域における役割等を踏まえた支援策を総合的に検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木教育部長。
○教育部長(鈴木一吉君) 発達障害のある児童生徒に関する義務教育と高校教育の連携についてにかかわる再質問についてお答えをいたします。
 発達障害のある生徒に対しましては切れ目のない支援が重要であり、中学校、高校において支援計画やサポートファイルなどが引き継がれることが支援に欠かせないものと考えております。引き継ぎに関して大事なのは議員御指摘のとおり市町の引き継ぎ方法、いわば引き継ぎの仕組みづくりとそれから配慮事項の共通理解、いわばその仕組みを確実に運用する学校教員の意識だというふうに考えております。
 仕組みづくりに関しましては、議員から御紹介いただきました兵庫県の連携シートという例がありますけれども、兵庫県につきましては連携シート、これガイドライン、引き継ぎのガイドラインというものをつくりましてそのもとで連携シートというものを作成し引き継ぎを確実に行うということを求めております。このように兵庫県のようにガイドラインを作成するのも一つの方策かと思いますのでこれもあわせて検討してまいりたいと考えております。
 仕組みを確実に運用する学校教員の意識につきましては、先ほど答弁申し上げましたとおり管理職や生徒指導研修会の場でその仕組みが引き継ぎが支援のスタートだということを繰り返し伝えて確実に引き継ぎがなされるように今後努めてまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 西原明美君。
       (十二番 西原明美君登壇)
○十二番(西原明美君) 御答弁ありがとうございました。
 以降については要望とさせていただきます。
 がん緩和ケアの推進について、高度型を受けようとする病院名はお伺いできませんでしたが機能、設備等の支援の策があると伺っております。ぜひ県民が等しくその均てん化という言葉のとおりどこにいてもがんの治療が受けられるよう高度な医療が受けられるような形として、この中部地域にそういった高度型の病院、認定されるように期待したいところであります。それに関しては県の御支援をぜひよろしくお願いいたします。
 そして、発達障害のある児童生徒に関する義務教育と高等教育の連携について御答弁ありがとうございます。まずはガイドラインをつくらないとそういった連携指導はできないよということでそのまだ手前にあるということではありますけれども、仕組みを確実に動かす、この仕組みを確実に動かすことがなかなかできないので違う策という考え方もあろうかと思います。そういった意味では市町の教育委員会と連携をとりながら発達障害のある児童生徒の支援の迷子を出さないように誰一人取り残さないようしっかりと連携を図っていただき、今後とも御努力いただきたいと思います。以上をもちまして私の一般質問を終わります。ありがとうございます。(拍手)
○議長(鈴木利幸君) これで西原明美君の質問は終わりました。

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