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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

大石 哲司 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/02/2023

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 静岡県水循環保全条例に基づく届出制度の運用について
2 子どもの尊厳を守るための取組について
(1)就学前児童への虐待防止対策
(2)教育現場でのいじめ対策
3 人口減少社会に対応した取組について
(1)社会インフラの老朽化対策
(2)公共建築物の全体最適化に向けた取組
4 安間川上流域の治水対策について
5 野生鳥獣の捕獲体制の充実について


○議長(中沢公彦君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、三十一番 大石哲司君。
       (三十一番 大石哲司君登壇 拍手)
○三十一番(大石哲司君) 皆さんこんにちは。
 浜松東区の大石です。
 私は、ふじのくに県民クラブの所属議員として当面する県政の諸課題につきまして通告に従い知事、副知事、関係部局長並びに教育長、教育部長に一括質問方式でお伺いいたします。
 初めに、静岡県水循環保全条例に基づく届出制度の運用について伺います。
 我が国では、水循環に関する施策を総合的に推進し経済社会の健全な発展と国民生活の安定向上に寄与することを目的として水循環基本法を平成二十六年七月に施行しています。県では、この水循環基本法の理念を踏まえ、近年の気候変動や開発行為等の社会活動など様々な要因が水循環を変化させ洪水、渇水、生態系への影響等の問題が顕著となっていることから健全な水循環を保全するため令和四年七月に静岡県水循環保全条例を施行いたしました。水源地域における外国資本による土地の買い占めや太陽光発電施設等の開発事業による水環境への影響による不安を感じるとの声を聞くこともあり、私は県民の貴重な財産である水資源を守り将来にわたってその恵みを享受できるようこの条例を効果的に運用し健全な水循環の保全を包括的に推進していく必要があると考えています。
 この条例では、水源の保全のために特に適正な土地利用の確保を図る必要がある水源保全地域内での土地取引や開発行為を行おうとする際に届出を求める制度が十月二日、本日から運用が開始されています。水源保全地域としては地域森林計画の対象となる民有林を指定したとのことでありますが、これは県全体の面積の約五二%の面積に当たると聞いています。このように広い地域において届出制度をしっかりと運用し適正な土地利用を確保していくことが、健全な水循環の保全を図るためにはとても重要なことと考えています。
 そこで、県は届出制度を運用する中で、土地取引については届出により得られた情報をどのように活用するのか、また開発行為についてはどのような行為に対して指導を行い是正を求めていくのか伺います。
 あわせて、届出制度について県民の皆様にしっかりと周知を図るとともに届出が過度な負担にならないような工夫が必要と考えますが、県の取組について伺います。
 次に、子供の尊厳を守るための取組についてのうち、就学前児童への虐待防止対策について伺います。
 少子高齢化による家族形態の変化や地域コミュニティーのつながりの希薄化に加えコロナ禍による生活スタイルの変化など子育て家庭を取り巻く環境は大きく変化している中、眉をひそめたくなるような悲惨な虐待事件が後を絶ちません。去る九月七日に公表された全国の児童相談所において昨年度中に児童虐待の相談を受け対応した件数は二十一万九千百七十件と一九九〇年度に統計を開始してから三十二年連続で増加しています。本県の児童虐待対応件数については三千七百八件で前年度から件数は横ばいとなっていますが高い状況で推移しています。
 児童虐待の中でとりわけ深刻なのが小学校入学前の子供への虐待であり、本県では四二・七%を占めている状況にあります。就学前の子供は、身体や言語能力が未熟なことから自分から周囲に助けを求めることも虐待の場から逃げ出すことも困難です。また保育所や幼稚園等に通園していない家庭内でのみ育児を受けている子供については、周囲の目がなかなか行き届かないためどうしても発見が遅れてしまうことにより重大な結果に至るリスクが指摘されています。
 児童虐待は、たとえ生命に関わる重大な事件に至らない場合であっても子供の健やかな成長に計り知れない影響を与えますので虐待の防止は社会全体で取り組むべき重要な課題と考えています。
 そこで、全ての子供の尊厳が守られる社会の実現に向けて県は就学前の児童への虐待防止のためにどのように取り組んでいるのか伺います。
 次に、教育現場でのいじめ対策について伺います。
 滋賀県大津市の男子中学生がいじめを苦にして自殺したことをきっかけに制定されたいじめ防止対策推進法が成立して十年が経過いたしました。昨年十月に県教育委員会が公表した県内の小中学校における令和三年度のいじめの認知件数は一万九千九百十七件で、この法律が制定されいじめが現在の定義になって以降最も多い件数となっています。これは、いじめを早い段階から積極的に認知している結果として肯定的に捉えることができますが、その一方で学校及び所管の教育委員会内の教員を中心としたメンバーで構成された組織では、子供からいじめの被害の訴えがあっても、いじめた側の子供も一緒に対処する中で迅速かつ適切な対応ができるのか疑問を感じています。
 また、学校や教育委員会以外でも例えばいのちの電話など孤独と不安に悩む人々の対話を通じた支援が行われていますが、相談員の不足などにより十分な対応が難しい場合もあると聞いています。さらにこのいのちの電話をはじめ国や県、市や町でも様々な相談窓口が設けられていますが子供たちに十分浸透しているとは思えません。
 こうした中で、いじめの被害を受けた子供に迅速かつ適切に対応できるようにするためにはICTなどの活用も考慮していただければと考えています。少子化により児童生徒数が減少し学年が一クラスしかない場合、いじめを受けている子供は学校内ではずっといじめている側と一緒のクラスにいなければなりません。いじめを受けている子供は今このときも苦しんでいます。子供たちのSOSの声を漏らさず早期に発見し関係者が迅速かつ適切に対応することができれば、いじめは大きな問題になる前に必ず止められると考えています。
 そこで、子供一人一人の尊厳が守られる環境を築いていくため県教育委員会としていじめ対策の取組状況と今後どのように推進していくのかを伺います。
 次に、人口減少社会に対応した取組についてのうち、社会インフラの老朽化対策について伺います。
 近年頻発化、激甚化する台風、豪雨などの自然災害により道路や河川の堤防が崩壊するなど社会インフラが被害を受けることで地域住民の生活等に大きな影響を与える事例も増えており、過去に天竜川に架かる原田橋が落橋して長期間の迂回を余儀なくされるなど中山間地域の生命線とも言える社会インフラの重要性を改めて実感させられました。
 一方で、社会インフラの多くは高度経済成長期に集中的に建設され現在急速に老朽化が進んでおり健全に使うための維持管理や更新に係る費用が増大することが見込まれています。県が管理する約三千三百の橋梁においても建設後五十年を経過した橋梁の割合は現在は五割ですが、二十年後には約八割へと大幅に増加することから本県でも健全性が損なわれる施設が急激に増加することが懸念されます。
 国においては地震や津波、台風などの自然災害に強い国づくりを目指す新たな国土強靱化基本計画を本年七月に閣議決定し、自然災害への対策に加えて重点的にインフラ施設の老朽化対策に取り組むこととしており、将来に向けて社会インフラの重要性が再認識されたものと考えています。
 本県においても、社会インフラの老朽化対策への取組として定期的な点検を実施し施設ごとのメンテナンスサイクルの構築に着手していると聞いています。しかし昨今急激に進行する人口減少社会において経済規模の縮小による税収の減や建設分野の担い手不足も相まって、社会インフラの老朽化対策に支障を及ぼすことが懸念されることから施設を健全に長く使い続けるための取組を継続的かつ効率的に一層推進していくことが求められています。
 そこで、県民の安全・安心の確保や社会経済活動の基盤となる社会インフラの老朽化対策に今後どのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、公共建築物の全体最適化に向けた取組について伺います。
 公共建築物は、行政サービスを提供するための拠点であり地域社会の中心として住民生活を支える上で重要な基盤です。これまで全国の自治体では、人口の増加や高度経済成長等の社会経済的な変化に対応するため多くの公共建築物を整備してきました。県立高校を含む教育施設、県営住宅、警察署など県が保有する多種多様な公共建築物の延床面積自体は平成十七年にピークを迎え、これ以降減少傾向に転じていますが、昭和の時代に建設された多くの公共建築物が一般的に老朽化の目安と言われている築三十年を経過してきており、老朽化施設の割合が全体の六割を超えているとのことです。
 公共建築物については、今後自治体の財政負担が厳しさを増すことが見込まれることから限られた財源の中で安全で快適な施設環境を確保すべく計画的な取組が重要となります。そのため国のインフラ長寿命化基本計画において全国の自治体に対し策定の要請があった公共施設等総合管理計画として位置づけられるふじのくに公共資産最適管理基本方針を平成二十七年二月に策定するなど計画的な取組を進めていると聞いています。
 人口減少社会において着実に取組を進めるためには、浜松市が昨年五月に公表した老朽化した勤労会館を廃止しその機能を勤労青少年ホームへ統合しようとする事例のように、県民から必要とされる機能、役割を維持しつつ複合化や転用などダウンサイジングを進め延べ床面積の総量の削減に取り組むことが重要です。また公共建築物の老朽化は全国共通の課題であり県と市町で共有される課題も多いため、施設の共同利用や空きスペースの有効活用など情報共有をしながら県内自治体が保有する公共建築物の全体最適化を目指すべきであると考えています。
 そこで、県では県が所有する公共建築物について現状をどのように認識し県内の公共建築物の全体最適化に向けて今後どのように進めていくのか伺います。
 次に、安間川上流域の治水対策について伺います。
 浜松市の東部を流れる安間川では、ハード対策が進んでいない上流部において短時間に大雨が降ると住居の浸水や道路冠水が頻繁に発生し地域住民の生活に大きな支障を来しています。最近では大雨特別警報や線状降水帯という言葉が頻繁に聞かれるように雨の降り方は尋常ではありませんので、水害のリスクはますます高まっている中で住民は不安が増大し一日も早く効果的な治水対策が講じられ被害の軽減が図られることを切に望んでいます。
 私が令和三年二月定例会において安間川上流部の治水対策について質問したところ、万斛橋周辺において橋梁の架け替えを含む河道の整備により出水時の水位を下げる効果が見込め、また上流域にある雨水貯留施設の整備について調整を進めこれらの検討結果を水災害対策プランに反映させるとの御答弁を当時の交通基盤部長から頂きました。
 御答弁のとおり、県と市が設置した浜松市流域治水対策推進協議会において令和四年五月に天竜川水系安間川水災害対策プランを策定し流域のあらゆる関係者が浸水被害の実態や原因等について認識を共有しながら短期的、長期的な浸水被害対策に取り組もうとしていますが、治水対策の根幹である河道改修や雨水貯留施設の整備など実効性のあるハード対策をより早期に強力に推進していただくことこそが、地域住民が長い間強く望んできたことではないかと考えています。
 そこで、安間川上流部のハード対策について今後どのように進めていくのか、県の所見を伺います。また安間川上流部で治水上のボトルネックとなっている万斛橋の架け替えに向けた検討状況についても併せて伺います。
 次に、野生鳥獣の捕獲体制の充実について伺います。
 本県は、手つかずの豊かな自然環境が残る南アルプスから日本一深い駿河湾まで様々な生物が育まれ、つながり合う生物多様性が確保されており、自然と人が互いに共生する環境下にあります。近年、ニホンジカやイノシシなど野生鳥獣の個体数は減少傾向にありますが生息域が拡大することで自然植生など生態系への影響も著しく、昨年度の本県農林業の被害額が二億六千万余りに上るなど深刻な状況となっていることから、農林業をはじめ地域の関係者から野生鳥獣の捕獲に対するニーズが高まっています。
 野生鳥獣の捕獲は平坦な農地や里山のみならず急峻な地形の奥山などにおいても行われており、狩猟者自身が転倒したり滑落するなどの事故だけでなく過去には狩猟とは関係のない一般人を巻き込む死亡事故も発生するなど危険が伴う作業であると言えます。現在捕獲作業は社会貢献として始めた有志の狩猟者に大きく依存していますが事故発生のリスクが危惧されており、安全管理に関する知識やノウハウの取得など事故防止につながる取組が不可欠です。さらに狩猟者の高齢化が進む中で狩猟技術の伝承はもとより近い将来における捕獲の担い手不足が懸念されています。
 先日私は、ニホンジカ捕獲現場を調査する機会を頂き地元猟友会から鹿が移動した際の痕跡の探し方やくくりわなの設置方法などの説明を受けたほか県が推進しているドローンを活用した効果的な捕獲の取組を実際に現場で視察いたしました。長年にわたって県の鳥獣行政を推進することの大切さを間近に感じるとともに、狩猟者が常日頃からふるさとである地域の豊かな自然環境を守る姿に感銘を受け、現場で奮闘する狩猟者の思いを何とか次世代につなぎたいと強く思った次第です。
 そこで、今後生態系への影響や農林業の被害を軽減し生物多様性を確保するためには高齢化が進む狩猟者に代わり安全かつ効果的に捕獲が実施できる新たな担い手の育成・確保や現場における捕獲技術の向上など野生鳥獣の捕獲体制の充実が必要と考えますが、県の取組についてお伺いいたします。以上、答弁を求めます。
○議長(中沢公彦君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 大石哲司議員にお答えいたします。
 人口減少社会に対応した取組についてのうち、社会インフラの老朽化対策についてであります。
 道路や河川などの社会インフラは、建設から長期間本県の地域経済の発展を支えるとともに、風雨に耐え県民の生命や財産を守り続けてまいりました。東海道の大動脈を支えてきた富士川橋は定期的な点検と補修を重ねながら来年建設から一世紀を迎えます。こうした既存の社会インフラを適切に管理し絶え間なく注意を払い安全を確保することが我々の重要な責務であると考えております。
 これまで県では、平成二十四年度に社会資本長寿命化行動方針を取りまとめました。それに基づき事後保全型管理から予防保全型管理へと軸足を移した中長期管理計画を策定いたしまして着実に補修等を実施してまいりました。しかし高度経済成長期に一斉に建設された社会インフラが大更新時代を迎えている中、老朽化対策をさらに効率的に行わなければなりません。コストの縮減や実施時期の平準化はもとより今後はDXの積極的な活用が不可欠であります。
 具体的に申し上げれば、点検や補修工事において本県の誇る三次元点群データを活用したAIによる点検データの分析などにより、これまでの経験に頼っていた手法を見直しまして劣化状況のより迅速な把握、点検日数の短縮など効率化と省力化を実現してまいります。これらの取組をより効果的に進めるために本年度中に時代の変化に対応した新たな行動方針を策定し将来に向けた持続可能なインフラメンテナンスに取り組んでまいります。
 県といたしましては、社会インフラを確実に次世代に引き継ぎ本県のインフラ文化として育むことができるように計画的な取組を進め安全で安心なふじのくにづくりに努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(中沢公彦君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 子供の尊厳を守るための取組についてのうち、就学前児童への虐待防止対策についてお答えいたします。
 核家族化、地域のつながりの希薄化等により社会全体で弱い立場の人やその家族を支える機能が見逃され子供を抱える家庭において子育ての孤立感や負担感が高まっております。このような中、特に就学する前の児童については家庭内の様子が周囲の目に触れにくく子育ての支援が届かないことで虐待に至ってしまうことが見受けられます。そのような状況の防止のためには、その兆候を早期に発見することが必要であります。
 このため県では、まず乳幼児検診や親子教室などの機会を通じて就学前児童の家庭の状況を把握します。その上で市町の職員に対して具体的な事例を基に効果的な支援方法について話し合う実践的な研修を実施するなど相談支援技術の向上に取り組んでいるところです。地域で活動する民生委員・児童委員に対しましても児童虐待に焦点を当てた研修を実施し児童虐待防止の意識をこれまで以上に高めていただきます。そして虐待の兆候を把握した際には速やかに市町の相談窓口や児童相談所に通告していただくよう働きかけております。
 また、昨年十二月には市町が主体となり出産前から全ての妊婦、子育て家庭に寄り添う伴走型相談支援が開始されております。県としては、実施主体である市町に対し国と連携して予算的な助成を行うとともに、特に不安や悩みを抱える妊産婦については情報を共有している児童相談所が必要に応じて面接相談や医療機関への同行支援を行っています。
 さらに、昨年度から県立こども病院に医療機関向けの虐待相談窓口を設け、子供の診療の際に虐待が疑われる事案については子供への対応方法や児童相談所への通告等を各医療機関に協力を求めております。今年度からは他県の先進事例等を参考に県立こども病院を中核とした虐待の早期発見に向けた県内の医療機関ネットワーク構築を目指してまいります。
 県といたしましては、市町や地域、医療機関等との連携を深め一丸となって就学前児童虐待を防止し全ての子供が健やかに成長できる社会の実現に努めてまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 高畑くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(高畑英治君) 静岡県水循環保全条例に基づく届出制度の運用についてお答えいたします。
 静岡県水循環保全条例では、水源保全地域内における土地取引及び開発行為について契約締結や着手の二か月前までの届出を求めています。土地取引では買主や土地利用の目的等の情報が把握できます。情報を早期に関係部局が共有し市町からも意見を求め、必要がある場合には早い段階からの指導や開発行為を見据えた準備に活用してまいります。
 開発行為につきましては、これまで他法令で適正な土地利用のための規制がされていなかった小規模な開発行為について健全な水循環を保全するための措置計画等の届出が行われます。開発行為による水循環への影響を確認し河川の汚濁や土砂流出に対する保全措置が十分でない場合や地下水の大量取水による水源等への影響のおそれがある場合などには市町の意見も踏まえ指導等を行ってまいります。
 この制度を円滑に運用開始できるよう関係団体への個別の説明を行うとともに、事業者に向けた説明会を複数回開催したほか、ホームページや県民だより、関係団体の会報などを活用して周知に努めてまいりました。
 また、届出の負担を軽減するよう書類の簡素化に配慮し、届出書の記入方法などについて分かりやすく解説した手引書を用意いたしました。届出の方法は郵送や電子申請も可能としております。
 県といたしましては、届出制度を適切に運用することにより水源保全地域における適正な土地利用を確保し健全な水循環の保全を図ってまいります。
 次に、野生鳥獣の捕獲体制の充実についてであります。
 狩猟者の高齢化が進む中、県では新たな捕獲の担い手を確保するため、県内の大学生を対象に狩猟の意義や捕獲後の利活用などを学ぶ講座を開催し若年層の関心を高め狩猟免許の取得につながる取組を進めております。経験の浅い狩猟者に対しては研修などによりきめ細かな支援を行い担い手の育成を図ってまいります。あわせて捕獲等を行う団体やグループの安全管理体制の構築や専門的な技能、知識の習得を支援することにより管理捕獲を受託できる認定鳥獣捕獲等事業者の増加を促進し担い手の拡充を進めてまいります。
 また、捕獲技術の向上、継承のため狩猟者の経験や技能に応じた研修を行い鳥獣の痕跡の探し方やわなの設置場所の選び方、安全かつ効率的な射撃技術等の習得を支援いたします。森林・林業研究センターで開発した人工餌場を用いたわな猟の普及や生息場所を把握するためのドローンの活用など新たな技術の導入も進めてまいります。
 県といたしましては、担い手の確保・育成や捕獲技術の向上、新技術の活用を市町や県猟友会等と連携して着実に進め野生鳥獣の捕獲体制の充実に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 子供の尊厳を守るための取組についてのうち、教育現場でのいじめ対策についてお答えいたします。
 いじめへの対応につきましては、未然防止はもとより早期に発見した上、被害に遭った児童生徒に寄り添いながら迅速かつ適切に対応していくことが重要であります。このため各学校では、いじめの早期発見に向けて、児童生徒が発する兆候を見逃さないための見守り、定期的ないじめアンケートや個別面談等に取り組むとともに、ネット上のいじめにも対応するよう不適切な書き込みを監視するネットパトロールを実施しております。
 また、いじめに苦しむ児童生徒や保護者の支援のため学校にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家を活用した相談体制を整備するとともに、学校外の相談先として二十四時間子供SOSダイヤルや県の健康福祉部と連携したLINE相談などを実施し早期対応を図っております。
 教員及び学校の対応能力の強化も重要であり、これまでのいじめに対する認知や組織的対応力の向上を図る研修に加え、今年度新たに各学校の実情に即した対応方法を学ぶ実践的な研修も開始いたします。
 今後より多くの子供のSOSを受け止め支援につなげていくためには議員御指摘のとおりICTの活用も有効と考えております。どこに相談すればよいか分からない子供が相談窓口にアクセスしやすくなるよう一人一台配備された端末で困り事等を入力することにより適切な相談窓口を表示できるシステムの構築に取り組むほか、教員が児童生徒の心の変化を含めた健康状況等を把握しやすくするためのICTツールの活用を市町教育委員会と連携し推進してまいります。
 県教育委員会といたしましては、こうした取組を通じ一人一人がかけがえのない存在である子供の尊厳が守られる環境づくりに向けて、いじめ対策の推進に一層取り組んでまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 京極経営管理部長。
○経営管理部長(京極仁志君) 人口減少社会に対応した取組についてのうち、公共建築物の全体最適化に向けた取組についてお答えいたします。
 県では、将来の行政ニーズや維持管理経費の見通し等を踏まえますと県有施設総量の適切な管理が重要であることから、ふじのくに公共資産最適管理基本方針におきまして令和元年度から三十一年度までの三十年間で総延床面積を一五%削減することを目標に最適化に努めております。
 例えば、県動物管理指導センターの移設に当たりましては民間に移管する富士見学園の跡地を転用し、活用しない建物を解体するなど削減に取り組んでおり、今後も建て替えのタイミングを活用して集約化、転用等のダウンサイジングや余剰施設の取壊し等を進めてまいります。
 また、県全体での最適管理も重要でありますので県と市町が連携して行政課題を検討する行政経営研究会に発足時からファシリティマネジメント部会を設置し市町の計画や未利用財産に関する情報を共有するとともに、施設利用における連携を進めているところであります。
 既に県の富士総合庁舎の富士市への一部貸付け、湖西市の施設への西部健康福祉センター浜名分庁舎の機能移転など連携事例が現れており、今後も引き続き施設情報の共有や施設の共同利用などを推進し県内公共建築物の全体最適化に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 勝又交通基盤部長。
○交通基盤部長(勝又泰宏君) 安間川上流域の治水対策についてお答えいたします。
 安間川では、浸水被害が頻発していた中流域の安全性を早期に向上させるため河川整備計画に基づき遊水地を先行して整備し平成三十年から供用を開始しております。現在は下流域の東海道新幹線橋梁付近から上流に向けて河川改修を進めております。
 一方、近年浸水被害が頻発している上流域につきましては、河川整備計画を変更し万斛橋を含む区間を整備対象に加えて河川改修を加速させてまいります。また流域対策については昨年五月に策定した安間川水災害対策プランに基づき関係者と連携し雨水貯留浸透施設の整備などの流出抑制対策も進めてまいります。
 万斛橋の架け替えにつきましては、下流域への流出増の影響を抑えるため事前に実施が必要な下流側の対策などの検討を進めております。今後も万斛橋の管理者である浜松市と連携し早期の実施に向けて取り組んでまいります。
 県といたしましては、安間川上流域における効果的な河川改修を着実に実施するとともに、浜松市や流域住民等と連携した流域治水を推進し安全で安心して暮らせる地域づくりに努めてまいります。以上であります。
○議長(中沢公彦君) 大石哲司君。
       (三十一番 大石哲司君登壇)
○三十一番(大石哲司君) それぞれに御答弁頂きましてありがとうございます。
 若干の要望を申し上げます。
 県西部浜松市内に県立浜北森林公園がございまして、週末になると、それこそ老若男女、自然の中を散策したり、ジョギングされていますが、公園の中でイノシシに遭遇すると人間が逃げ込む柵があるんですね。御答弁頂いたように狩猟者が若返って捕獲技術が向上するとイノシシや鹿の捕獲がさらに進むことは喜ばしいことですが、捕獲される野生鳥獣にもきっと親、兄弟、家族、連れ合いがいると思います。捕獲した野生鳥獣を命の恵みとしてジビエ料理に食用することはもちろん、ペットフードや動物園の肉食獣の餌など余すところなく有効活用していただけるよう要望いたします。
 次に、安間川の上流域の治水対策です。
 まず言っておきたいのがこの万斛橋、橋と言ってもこれ、コンクリートの箱を並べただけで、これがくせ者でしてね。砂時計のくびれをイメージしてもらうと分かるんですが、私にはくびれはないですけれども。あの砂時計のくびれ。天気予報で大雨予報が出されると地域の人たちは土のうを確保して車を高台に避難させて洪水に備えます。
 でもこれで終わりではないんですね。お父さんが飲み会から帰ってくると言うと、また高台の車で迎えに行かなくちゃいけない。子供が塾から帰るときもそうです。辺り一面、どこが川か、どこが道路か、田んぼの稲も泥水をかぶって息苦しそうです。地域に住む人たちの御自宅がぽつんぽつんと泥水の上に浮かんだ島のように見えます。
 大雨が峠が過ぎると、私はこの万斛橋の上に立ち安間川を眼下に見下ろしながら松尾芭蕉の句を思い浮かべます。皆さんも御存じだと思いますが、奥の細道の「五月雨を集めて早し最上川」、最上川は日本三大急流の一つです。五月の雨、五月雨を集めて川幅いっぱいに勢いよく流れる様を詠んだ句です。
 この地域は笠井地区と言いまして、江戸時代から活躍した俳人、俳句の作成者ですね。俳人、政治家でもあった松島十湖の生誕地。今でも地域には六十九の句碑が、石に俳句を刻んだ句碑が残っています。代表的な俳句としては「はま松は出世城なり初松魚」、浜松の人ならほとんどの人が知っていると思います。松島十湖が今現在に生まれていて安間川のほとりで俳句を詠むとどうなります。五月雨は秋雨になって、秋雨を集めて困りし安間川。これでは困ると思います。文字どおりです。
 東区ではこれまで俳句の里づくりということで全国から俳句を募集してきました。最優秀には十湖賞を差し上げている。一月からこの東区というのは中央区に変わりますが、歴史と文化の漂う地域づくりをしていこうという気風は残ると思います。安間川が気持ちよく流れていく川のほとりで俳句でも詠むか、こんな気持ちになれるようなロマンあふれる情景をつくっていただけるように切に要望いたしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(中沢公彦君) これで大石哲司君の質問は終わりました。(拍手)

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