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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

渡瀬 典幸 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/30/2022

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 地域の課題解決に向けた農地付空き家の活用について
2 アドバンス・ケア・プランニングの推進について
3 建設物価高騰の影響を踏まえた来年度予算編成における対応について
4 県土強靱化に向けた道路のり面の防災対策について
5 森町袋井インター通り線の整備について
6 温室メロンの生産振興について
7 スポーツコミッションモデル事業の取組について


○議長(藪田宏行君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、三十六番 渡瀬典幸君。
       (三十六番 渡瀬典幸君登壇 拍手)
○三十六番(渡瀬典幸君) 私は、自民改革会議所属議員として通告に従い県政の諸課題について知事、副知事及び関係部局長に対し一括質問方式にて伺います。
 初めに、地域の課題解決に向けた農地付空き家の活用について伺います。
 我が国は人口減少と少子高齢化が進行し、本県においても地域社会の担い手の減少や市場規模が縮小するなど地域経済にも影響を及ぼしております。住民生活に関しては世帯規模と住宅規模のミスマッチが発生しており、さらにコロナ禍でライフスタイルや働き方が一気に多様化しました。
 国が今年七月に発表した新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査によると、東京圏在住者で地方移住に何らかの関心があると回答した人は全体の三四%に上り、これは新型コロナが国内で初めて流行する前の二〇一九年十二月に比べると一〇%近く増加しております。
 地方移住に関心がある人はその理由として豊かな自然環境を挙げる人が多く、こうした中には自然との親和性の高い農業をやってみたいという意欲を持つ人も増えていると聞きます。一方地域に目を向けますと集落の衰退に伴って空き家が増えていますが、こうした中には宅地に隣接した小規模な農地を所有していても後継者不足や高齢化等によりやむを得ず農地、宅地を手放そうとするケースもあります。宅地に隣接する農地は狭くても移住者に新たなライフスタイルの提供が可能になるとともに、地域にとっても農を通じた新たな力になっていくことが期待されます。
 こうした状況を踏まえますと、農業に関心のある移住者を呼び込み就農に近づけていく取組が必要であり、移住地域を選択するための情報提供に加え農地付空き家を活用する取組は移住希望者のニーズに合致し住宅と農地の確保の課題解決にも有効であるため移住や空き家、農業振興等を担当する県や市町の担当部署はもとより不動産業界、農業委員会や農協といった農業関係者などの連携の下、進める必要があると考えます。
 折しも、これまで不動産取引において永年懸案の一つとなっていた農地取得時の下限面積要件が来年度撤廃される動きもあります。本県の移住・定住者の促進、空き家の解消、農地の有効活用といった地域課題の解決に向け農業に関心のある移住希望者と農地付空き家の所有者双方の需要をうまくマッチングさせる取組や移住先での農業の開始を支援する取組が今こそ必要だと考えますが、今後の対策について伺います。
 次に、アドバンス・ケア・プランニングの推進について伺います。
 我が国は超高齢化社会に突入し、この先に迎えるものは多死社会であると言われています。そのような中、現在も多くの方が人生の最期は住み慣れた自宅で迎えたいと希望されていますが、令和二年の厚生労働省の人口動態統計によると県内で実際に自宅で最期を迎えられた方は一六・四%となっており、本人の希望と現状に相違があります。こうした希望をかなえるためにどのような要素が必要となるでしょうか。
 一つ目は家族の理解と協力です。その時を迎えるまで生活全般に対する家族の理解と協力は欠かせません。
 二つ目はみとりまでの生活を支える在宅医療・介護の充実です。地域において医療と介護に携わる関係者が、患者の状況に合わせて連携しながら本人を支援する体制を整えることで本人や家族の不安を取り除くことが可能となります。
 そして三つ目として重要なことは、本人が望む人生の最期の過ごし方を明らかにし家族ばかりでなく医療・介護も含め周囲の関係者全員で共有しておくことではないでしょうか。
 このような本人の意思決定を支援するためのプロセスがアドバンス・ケア・プランニング、いわゆるACPです。県では昨年三月に外部有識者の会議から人生百年時代における自分らしい晩年そして末期のためにという提言を受けており、今年度から始まった静岡県の新ビジョンでもACPの普及に取り組むことが明記されております。
 県内で高齢化が進む中、自宅で最期を迎えることを希望する方も今後さらに増加することが見込まれます。在宅でのみとりが進むためには在宅医療の提供体制を充実させていくことも必要ですが、併せて人生の最期に備えてACPを行うことが県民に広く行き渡るよう普及を徹底させるべきではないでしょうか。自らが望む最期を迎えることができることは人の尊厳としても最も重要なことです。
 そこで、アドバンス・ケア・プランニングを推進するため普及促進などについてどのように取り組むか、県の所見を伺います。
 次に、建設物価高騰の影響を踏まえた来年度予算編成における対応について伺います。
 様々な物の値段が急激に上昇しています。この秋までには二万品目以上のものが販売価格を引き上げるとのことであり、県民へ影響が拡大をしております。これらを受け当局から本定例会に物価高騰対策に関連する補正予算が提案されているところです。
 さて、この物価高騰は建設物価にも影響を及ぼしており、建材として使用されている鉄鋼や木材価格はこの一年で二割以上上昇しております。これだけの上昇となると県財政に与える影響も看過できるものではなくなってまいります。
 県では、学校や警察署などの建築に係るもののほか道路や河川、砂防、港湾、土地改良など様々な事業を行っております。建物の建築の例を挙げれば現在設計を進めている新県立中央図書館は全体事業費が百八十億円とされておりますが、単純に物価上昇率を掛ければ優に二百億円を超えていくことになります。二十億円以上財政負担が増えるということになります。
 また、道路整備や河川改修などの国の補助金を活用した一般公共事業等については国の予算総額が増えない限り物価上昇分を考慮すると実質的な事業費が小さくなってしまいます。つまり道路の舗装をしようとしても、これまでは同額の予算で五百メートルできたものが単価のアップにより四百メートルしかできなくなってしまうわけであります。事業効果が下がってしまうことが大変危惧されます。
 これらの道路整備や河川改修などは県民の安全・安心に直結する事業であり、物価高騰の中にあってもしっかりと必要な予算を確保すべきと考えます。来月に入れば、例年であれば来年度の予算編成方針が示されることとなります。
 そこで、来年度当初予算編成において建設物価高騰の影響を踏まえどのように対応していくのか伺います。
 次に、県土強靱化に向けた道路のり面の防災対策について伺います。
 近年、予測困難な異常気象による災害が激甚化、頻発化しており、全国各地で甚大な被害が発生しています。今年八月には東北、北陸地方において低気圧に伴う前線が停滞し、加えて線状降水帯が発生したため記録的な大雨となった影響を受けのり面崩壊や土砂崩れ等による道路の被害が数多く発生しました。さらに県内でも九月二日に浜松市浜北で一時間に百十八ミリ、磐田市付近で百二十ミリの豪雨を観測し、特に浜松市では一時約十七万世帯四十一万人を対象に緊急安全確保の避難情報が発令されたほか先週九月二十三日、二十四日には台風十五号による影響で静岡市駿河区など県内五地点で二十四時間雨量が観測史上最大となり県中部、西部地区を中心に土砂崩れや道路の冠水、住宅への浸水などの甚大な被害が発生しました。
 こうした近年の異常気象に伴う災害の脅威を目の当たりにするたびに、事前防災により激甚化する自然災害からも県民の生命と財産を守るため改めて県土強靱化の必要性を感じずにはいられません。特に道路については平時には県民の日常生活を支え有事には救急救命、復旧・復興のために必要な人、物、情報の移動を支える重要なインフラであり、まさに今回の台風においても県民生活の生命線である道路上の土砂流出に伴う分断により集落の孤立化や電力復旧の遅れが発生しました。
 その一方で、県内の道路には雨量が基準に達した場合自動的に通行止めとなる事前通行規制区間が設定されているなど、土砂崩れや落石等の災害が発生するおそれがある箇所が多数存在することから必要な対策を進めさらに災害に強く信頼性の高いものとしなければなりません。
 これまで、県は静岡県地震・津波対策アクションプログラム二〇一三において道路のり面の防災対策を位置づけ整備を進めてきました。対策の着手から間もなく十年が経過しますが、今後も大規模自然災害の発生が予想される中、雨の影響を受けやすい道路のり面の防災対策の進が気がかりであります。
 そこで、県土強靱化に向けた道路のり面の防災対策について、これまでの取組状況と今後の対応について伺います。
 次に、森町袋井インター通り線の整備について伺います。
 本年四月に開通十周年を迎えた新東名高速道路は、東名高速道路とともにダブルネットワークを形成しております。袋井市や森町では東名の袋井インターに加え二〇一二年に新東名の森掛川インター、二〇一四年に遠州森町スマートインターが供用を開始し目的地に応じて利用するインターを選ぶことが可能となりました。この充実した東西軸を活用し地域発展につなげるには東名と新東名を南北に結ぶ道路が大変重要となってまいります。
 現状の南北軸は県道の袋井春野線、浜北袋井線となりますが、これらの路線には住宅地を通過しているものの歩道が整備されていない区間や急勾配の箇所があることから安全性、走行性において十分であるとは言えません。こうした現状を踏まえると森町袋井インター通り線が果たす役割は重要であり、今後この道路が完成すれば東名、新東名のダブルネットワークを生かした交通の利便性が格段に向上するためさらなる企業誘致や防災力の向上などにもつながるものと考えます。
 地元企業からは、インター通り線が整備されれば新東名へのアクセスがより便利になる、関東への移動時間が短縮されトラックの燃費も向上するため生産効率が上がるといった話も数多く聞かれ地元の期待は非常に大きいと感じております。
 これまで、袋井市、森町、両市町の議会や商工会議所などから成る森町袋井インター通り線建設促進期成同盟会は本道路の実現に向け経済活性化、地域の安全・安心の向上など期待される効果の検証や沿道の土地利用の可能性について調査を進めてまいりました。私はその成果を踏まえ県に対し事業実施を働きかけてまいりましたが、太田川を渡河する約二・三キロメートル区間についてはいまだ事業化には至っておりません。
 そこで、中遠地域の都市間連携、産業振興、防災力の向上に不可欠である当該区間の早期事業化に取り組むべきと考えますが、県の所見と今後の対応について伺います。
 次に、温室メロンの生産振興について伺います。
 静岡県の温室メロンは、国内はもとより海外からも高い評価を受ける本県を代表する最高峰の農芸品であります。これは生産者が永年培い伝承してきた技術を礎に一本の木から一果しか収穫しないこだわりの栽培手法により確立されたまさにたくみの技により生み出されたものであります。
 一方で、この品質を背景にこれまで築き上げてきた市場を確保し続けるには年間を通じて一定数の生産個数を維持する必要があり、そのためには高品質な温室メロンを栽培するためのスリークォーター型ガラス温室の活用は欠かせず、静岡県温室農業協同組合からは産地の活性化に向けた支援要請も出されております。このスリークォーター型ガラス温室は冬でも多くの太陽光を取り入れることができるよう南向き面が広くなっており、加えて一般的なフィルム素材のハウスとは異なり天井面にガラス素材を使用しております。これは光を好むメロンにとって光の透過率がより高いガラス素材が高品質なメロン生産にとって不可欠なためであるからです。
 しかしながら、このガラスも劣化や傷等により光透過率が落ちます。透過率の落ちたガラス温室を使い続けることはメロンの品質や生産効率にも悪影響を与えることにつながります。そのためおおむね三十年に一度取替えが必要となりますが、その際には一棟当たり百八十万円程度の費用がかかり、複数棟を所有する地元生産者からは全ての温室ガラスを取り替えるには多額の経費を要することから支援を望む声が数多く上がっております。
 令和四年二月定例会の我が会派の鈴木利幸県議の質問において、昨年度従来の助成制度を充実し一棟のスリークォーター型ガラス温室の新設をしたとのことでした。生産者の実情を踏まえると建て替えやガラスの取替え等の改修にも対応できる制度の検討が必要ではないかと考えます。
 そこで、本県の農芸品である温室メロンのブランドを維持し産地のさらなる活性化を図るためにも生産者の声と向き合いこれに対応した支援が必要と考えますが、県の所見と今後の対応について伺います。
 最後に、スポーツコミッションモデル事業の取組について伺います。
 本県では、二〇一九年にアジア初となるラグビーワールドカップ二〇一九、昨年は東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技と二つの大規模国際スポーツ大会が開催されました。東京二〇二〇オリパラ大会自転車競技ではコロナ禍の中、全国で唯一決勝戦を有観客で行い、多くの人々の目の前で繰り広げられる熱戦が県民の皆様に大きな感動と興奮をもたらしました。こうした大規模国際スポーツ大会の本県開催の成果を一過性のものとしないため、かつてない県民の皆様のスポーツへの関心の高まりを地域の活性化に生かしていく必要があります。
 県では、本年一月にスポーツ局内にスポーツコミッション推進本部を設置しラグビーワールドカップ、東京二〇二〇オリパラ大会のレガシーを途切れることなく継承し大会や合宿誘致などスポーツを通じた地域づくりに取り組んでいるとのことです。両大会の競技会場である小笠山総合運動公園やサイクルスポーツセンターを拠点とした二つのモデル事業ということで、私の地元小笠山総合運動公園の周辺地域では大変期待をしております。
 ただ、今年度から始めたばかりの取組であるためいま一つ地元における盛り上がりが感じられず、また市町や観光協会、スポーツ協会など地域全体の連帯感にもまだまだ課題があると感じております。大会や合宿誘致をはじめスポーツ全般を地域でマネジメントしていくためには地域の連携は不可欠であり、全国的にはこうした取組の中からプロバスケチームの地元誘致につなげた事例もあると聞きます。
 そこで、官民が一丸となってスポーツを核とした地域づくりを県全体に広げていくためにも先駆的なモデルとして県が率先して大会レガシーを活用した地域活性化の取組を進めることを期待しておりますけれども、現在のモデル事業の取組状況と今後の展開について伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 渡瀬議員にお答えいたします。
 地域の課題解決に向けた農地付空き家の活用についてであります。
 コロナ禍を契機に暮らし方や働き方が見直されており、自然豊かな生活環境への関心が高まっております。こうした動向を捉え空き家や小規模農地を活用しながら、都市圏にお住まいで農業への関心の高い方々を本県への移住につなげていくことが重要であると考えています。
 そこで、県では増え続けている空き家を有効活用し首都圏では困難な広い空き家への住み替えを促進させるためふじのくに空き家バンクを創設いたしまして今月からサイトの運営を開始いたしました。加えて無料の建物状況調査や移転費用の助成により空き家バンクの活用と移住の促進を図っているところです。今後は農地付空き家を提供できる所有者や就農希望の移住希望者に対する空き家バンクの活用を強化いたします。農地法改正により農地取得のハードルが下がることも見込まれますので、農業関係団体や市町の農業関係部門に協力を働きかけることなどによりまして移住希望者の選択肢を増やしてニーズに応えていきたいと考えています。
 また、県ではこれまでも移住検討者向けに複数のテーマを設定し移住セミナーを実施してまいりましたが、就農をテーマにした回には多くの方の参加があり関心の高さがうかがえます。こうしたセミナーや新規就農希望者に対する相談会も活用いたしまして、本県で農業に親しみながら暮らす魅力や本県での暮らしのイメージを分かりやすく紹介してまいります。
 さらに、移住者が自らのスタイルに合った農業を着実にスタートできるように就農段階に応じた支援をしてまいります。具体的には農業振興公社に設置した農業経営・就農支援センターによる相談対応やJAグループと連携した営農講座の開催、また本格的な就農を目指すようになった際には就農計画策定への支援などを行ってまいります。
 本県の恵まれた自然環境や温暖な気候、大都市との近接性などのメリットを生かし生活空間が豊かで広くなる農のある暮らしを実現し生活と自然が調和したデジタルガーデンシティの形成を目指してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○議長(藪田宏行君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) アドバンス・ケア・プランニングの推進についてお答えいたします。
 自らが望む人生の最終段階における医療やケアの方針を関係者で共有するACP  アドバンス・ケア・プランニングは個人を尊び本人が幸せを実感する上で大変重要であります。
 県では、令和三年三月に人生の最終段階における医療・ケアの在り方に関する検討会から受けた提言を基に広くACPを理解していただくため県民向けセミナーの開催や県民だより、県ホームページの掲載などの取組を通じて普及啓発に努めてまいりました。また県医師会等と連携し、人生の最終段階に関わりの深いかかりつけ医やケアマネジャー等に対してACPに関する専門的な知識を深めたり本人や家族への適切な働きかけのタイミングや接し方を学ぶ実践的な研修にも取り組んでおります。さらに国に対して本人の意思を表明した書面の法的な効力を高める措置などを要望しているところであります。
 今後は、エンディングノートの作成などに実際に取り組んでいる市町と連携するとともに、引き続き医療や介護などの関係団体と協働して医療やケアに関する本人の希望がかなえられる環境づくりを進めるためACPの周知や研修の強化を図ってまいります。
 県民の皆様が住み慣れた地域で最期まで安心して暮らし続けられ自らが望む人生を送る、こういったことができますようACPの普及に向け今後も積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 石川政策推進担当部長。
○政策推進担当部長(石川英寛君) 建設物価高騰の影響を踏まえた来年度予算編成における対応についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、学校や警察、道路、河川等の整備は県民の生命財産を守り暮らしを支える上で不可欠な要素であり、建設物価が高騰する中におきましても計画的に実施する必要があります。
 このため、来年度の当初予算編成におきましてはさらなる財源の確保やコストの縮減を徹底するなど物価高騰に的確に対応してまいります。道路や河川の整備などは、投資的経費の約六割を占める国庫補助事業につきましては実質的に事業量が減少することのないよう国に対して全国知事会などのあらゆる機会を捉えて建設資材等の高騰分の増額を要望し必要な国の予算を確保してまいります。
 また、県におきましても、建設事業等について必要となる機能は確保しつつ工法の見直しや仕様の簡素化などにより事業費を圧縮するとともに、事業の財源に交付税措置率の高い有利な県債を活用するなど将来的な財政負担の軽減にも努めてまいります。
 厳しい財政状況の下、これから来年度の当初予算編成に向けた作業が本格化いたします。こうした取組を通じまして、物価高騰の中にあっても県民の安全・安心な暮らしを守るために必要な予算をしっかりと確保してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 県土強靱化に向けた道路のり面の防災対策についてお答えいたします。
 近年、全国的に土砂崩れ等の自然災害が激甚化、頻発化していることから地域の孤立化を防ぎ安全な移動が可能となる災害に強い道路の必要性が増しております。
 県が管理する道路で対策が必要な総数は千百四十五か所あり、継続してのり枠工や落石防護工などの道路のり面の防災対策に取り組んできております。そのうちアクションプログラムでは緊急輸送路上の事前通行規制区間において対策が必要な百八十七か所を優先的に進めることとし、今年度末までに約八割に当たる百四十五か所が完了する見込みであります。残る箇所についても防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策の予算を積極的に活用し早期の完了を目指してまいります。残る九百五十八か所につきましては、昨年度末時点の完了は約三割の二百九十か所であることから緊急自然災害防止対策事業債等を活用し着実に対策を進めております。
 また、未対策の箇所につきましては、道路パトロールにおける変状の監視や毎年箇所ごとに実施する亀裂の有無などの点検により道路利用者の安全確保に努めております。加えて三次元点群データを用いたのり面の状況把握とドローンによる変状の確認など効率的、効果的な点検手法についても研究を進めてまいります。
 県といたしましては、今回の台風十五号をはじめ自然災害が激甚化する中、計画的に道路のり面の防災対策を推進することで信頼性の高い道路ネットワークの確保に努め県民の皆様の命を守り安全・安心につながる地域づくりに取り組んでまいります。
 次に、森町袋井インター通り線の整備についてであります。
 森町袋井インター通り線は、新東名森掛川インターチェンジから東名袋井インターチェンジを経由し袋井市新池に至る十四・一キロメートルの都市計画道路であり、中遠地域の産業振興や観光交流の促進に寄与する路線であります。このうち十・六キロメートルが概成し、現在未供用の二区間のうち森町円田地内の一・二キロメートルを県が事業化しております。
 未事業化区間である県道山梨敷地停車場線から市道山科深見線までの二・三キロメートルにつきましては、平成三十年度から県と袋井市、森町による勉強会において事業主体や整備方針等について協議を重ね昨年度末に三者が連携して整備を行う方針を決定いたしました。本年度この方針に基づき市町との協議を進めた結果、三者の役割分担として八月に県が中央の太田川を渡河する大規模橋梁を含む〇・九キロメートル区間、森町が北側〇・五キロメートル区間、袋井市が南側の〇・九キロメートル区間を整備することで合意に至ったところであります。今後早期事業化に向け三者により整備主体や今後の維持管理についての覚書を締結するとともに、測量や地質調査などの必要な調査検討を進めてまいります。
 県といたしましては、新東名、東名、国道一号を結ぶ南北軸として重要な役割を担う森町袋井インター通り線について引き続き袋井市、森町と連携して全線供用に向けた取組を推進し中遠地域における交流拡大や安全・安心の確保に努めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) 温室メロンの生産振興についてお答えいたします。
 本県の温室メロンは、卓越した品質を誇り国内外の市場から高い評価を受けるなど本県を代表する農芸品であります。一方産地では高齢化による担い手の減少等により年々生産量が減少しており、産地の活性化が喫緊の課題となっております。
 このため、県は本年六月から産地を支える生産者との意見交換を集中的に進めております。この中でお伺いした現場の声を踏まえ生産力の維持や優れたたくみの技の継承、後継者が就農しやすい環境づくりの観点から総合的に支援を行ってまいります。特に高品質で安定的な生産を確保するためには老朽化した温室の建て替えや施設機能の強化を図る最適な改修等を行うことが有効であると考えております。具体的には光の透過率が低下したガラスの交換や耐候性が劣化した構造材の補強など生産者のニーズに適切に対応できるよう必要な支援策の検討を進めてまいります。
 県といたしましては、世界に誇る高品質な温室メロンの生産拡大を支援し次代を担う産地の活性化に取り組んでまいります。
○議長(藪田宏行君) 京極スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(京極仁志君) スポーツコミッションモデル事業の取組についてお答えいたします。
 本県では、大規模国際スポーツ大会の開催により培ったノウハウをスポーツを通じた地域づくりに生かすため本年一月に設置した県スポーツコミッション推進本部の下、日本サイクルスポーツセンターと小笠山総合運動公園を拠点とする二つのモデル事業を推進しております。
 サイクルスポーツでは競技団体や市町、観光団体などと連携して大規模大会の誘致に取り組んでおります。来月には国際大会ジャパン・マウンテンバイク・カップの開催を予定しており、これらの大会を通じてサイクルスポーツの聖地としての伊豆の魅力をPRしてまいります。
 ラグビーワールドカップにより注目されたエコパを拠点とするモデル事業では周辺の大学、医療機関、プロスポーツチーム等と一体となって大会や合宿の誘致を進めております。特に合宿誘致におきましては同時期に多くのチームが合宿できる環境が重要であることから、先進地である長野県菅平高原の事例も参考にエコパを核に県内の他の合宿地との連携を進めることで合宿拠点としての魅力を高め交流の拡大や地域のにぎわい創出につなげてまいります。
 県といたしましては、二つのモデル事業を着実に推進するとともに、その成果を県内に展開することで県全域でスポーツを通じた地域の活性化を促進しスポーツの聖地静岡の実現を目指してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 渡瀬典幸君。
       (三十六番 渡瀬典幸君登壇)
○三十六番(渡瀬典幸君) 御答弁ありがとうございました。
 大変うれしい答弁を頂きまして、ありがとうございます。
 特に森袋井インター通り線でございますけれども、やっと現実味が出たということで大変うれしく思います。覚書を結んでいただけるということでございますけれども、スピード感を持って着手に向けて進めていただければと思いますのでよろしくお願いいたします。
 県土強靱化に向けた道路のり面でございますけれども、今はまだ本当に十五号の影響が残って復旧工事も真っただ中と思います。全力を注いで県として対応していただいていると思いますけれども、今回、もうこれまで施したものを上回るような大きな被害がございます。この県土強靱化、時間もお金もかかると思いますけれども、本当に早急に今のこの復旧を先にやっていただくと同時にですね、県土強靱化にも強力なるお力添えを頂ければと思いますのでこれも要望といたします。
 もう一つ、最後の要望になりますけれども、農地付空き家の活用でございますけれども、これちっちゃい農地がついている住宅が田舎といいますか僕の袋井でも結構あるんですけれども、もうそのちっちゃな農地の扱いが大変なことになっております。これせっかくこの農地法が改正されるということでこの農地付きの住宅が購入できるというようになっていくような感じもしておりますので、ぜひともこの農地の所有権移転までしっかりやっていただくことが肝になると思いますので本当にこの部局を横断した中できめ細やかな考えを皆さんでやっていただいてですね、必ずこの所有権、農地まで所有権移転できないと全く意味のないものになってしまいますので、そこをきめ細やかな対応をぜひともお願い申し上げ、要望させていただき質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(藪田宏行君) これで渡瀬典幸君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 十月三日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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静岡県議会事務局議事課

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