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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

曳田 卓 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/20/2015

会派名:

ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 新たなメディアを活用した観光情報の発信について         
2 沼津市内浦重須地区の高台移転について              
3 災害時における個人からの支援物資の受け入れについて       
4 がん患者等の就労支援の充実強化について             
5 県内企業の定着促進について                   
6 選挙権の十八歳以上への引き下げに向けた主権者教育について                              
7 高齢者の運転免許証返納制度について


○副議長(伊藤育子君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、二十二番 曳田 卓君。
       (二十二番 曳田 卓君登壇 拍手)
○二十二番(曳田 卓君) 私はふじのくに県議団の所属議員として通告に従い、七項目について知事、関係部局長、教育長並びに警察本部長に対して一括質問方式でお伺いいたします。
 初めに、新たなメディアを活用した観光情報の発信についてであります。
 本県は伊豆半島、大井川流域、浜名湖などの自然景観、日本有数の温泉、豊富な食材を生かしたグルメなど多彩で魅力ある観光資源に恵まれております。
 昨年度は、富士山が世界文化遺産に、茶草場農法が世界農業遺産に登録され、さらに本年度は南アルプスがユネスコエコパークに登録されるなど明るい話題が続いているところです。来年度には韮山反射炉の世界文化遺産登録、伊豆半島の世界ジオパークの認定が期待されており、国内外から多くの観光客を誘客する千載一遇のチャンスであると考えております。
 近年、情報発信の手段は従来の新聞、雑誌、テレビ、ラジオに加えホームページ、ブログ、フェイスブック、LINEなど新たなメディアが普及し多様化が進んでいるところであります。
 平成二十六年版、総務省発表の情報通信白書によりますと平成二十五年度末のインターネット利用者数は一億四十四万人、人口普及率は八二・八%と普及が進んでおります。また民間の研究機関によりますとソーシャルネットワーキングサービス、いわゆるSNSの利用者も年々増加しており、平成二十六年度末で六千二十三万人に達し、インターネット利用人口に対する普及率は六〇・五%を占める見込みとなっております。
 私の地元沼津市に、中国に向けて伊豆地域の魅力をブログで発信している女性がいます。中国出身の彼女は県内の大学に留学中の二〇一〇年にブログを開設し、自分が実際に経験して感じた内容を掲載することにより多くの共感を得て、これまでに百七十万件を超えるアクセスがあったということです。この女性の例は中国に向けたものですが、国内においてもブログなどの新たなメディアの影響力が高まっている状況であると言えます。
 このような新たなメディアが台頭する中、本県の魅力ある観光資源を効果的に情報発信していくことが肝要と考えますが、県の所見をお伺いいたします。
 次に、沼津市内浦重須地区の高台移転について伺います。
 平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災から、はや四年目を迎えようとしております。本県においては東海地震説が唱えられてから四十年以上が経過し、その切迫性が高まっている上、近年では南海トラフ巨大地震など発生頻度は低いものの発生すれば津波などにより甚大な被害をもたらす地震も想定されており、安心・安全な社会づくりへの対応が求められています。
 そこで、県では被災後の復興を先取りする事前の復興により県全体の均衡ある発展を目指す、美しい景観や魅力を備えた地域づくりを進めることとしております。
 このような中、沼津市内浦重須地区では東日本大震災後、地域住民が高台への集団移転について検討を始め、地元における幾度にわたる勉強会と話し合いを経て、昨年三月に重須自治会及び重須の未来を拓く会より知事に対し高台移転に向けた方策検討の要望が出されたところであります。
 一方、地域の中では高台移転の賛否が分かれていることや地域のコミュニティーの維持ができなくなることに対する懸念の声も出ています。また移転先として地元が考えている場所においては現在農道の整備と畑地かんがいの整備を実施しており、地域の農業者は「寿太郎」ミカンの産地である本地域のさらなる発展を期待しているところであります。地域の将来への戦略を持たずに移転を進めた場合、優良農地の減少を招き産地の維持に大きな影響を与える恐れがあることから、農業振興と事前復興との両立を図っていくことが重要であると考えます。
 そこで、重須地区において優良農地を確保しつつ高台移転を進める取り組みを県はどのように進めていくのか伺います。
 次に、災害時における個人からの支援物資の受け入れについて伺います。
 災害時において、被災者の当座の食料、水等の物資は家庭などの備蓄品で賄えてもその後は行政による支援が頼りとなります。しかし大規模な災害においては物資の搬送先が広域にわたるため、被災者まで物資が十分届くとは言えない状況がしばしば発生します。
 東日本大震災においても同様なことが発生しました。このときマスコミの報道等で被災地において物資が不足していることを知った個人から、善意により多くの支援物資が提供されました。しかし個人から提供された支援物資は、一つの箱に食料、水だけでなく石けん、歯磨き、タオルなどの日常品や衣類など多種多様な物資が混在している場合が多かったため、一つ一つ箱をあけて中身の確認や仕分け等をしなければならないことから非常に手間がかかり、被災地の物資拠点に負担をかけることとなり、最終的に被災者に届くことなく処分されたものもあったと聞いています。
 私も、東日本大震災の際に不足していると思われる物資を車に積み被災地に行きました。しかし現地では避難所へ配送する手段がなく、逆に負担がかかるとのことで受け取っていただけなかった苦い経験をいたしました。個人からの提供された支援物資が、その思いとは裏腹に被災地に負担をかけることになるという問題は東日本大震災以前の災害でも知られており、本県ではこのような過去の事例を踏まえ災害時において個人からの支援物資は原則として受け取らない方針としております。これは考え方としてやむを得ないものと思われますが、被災した本県を心配する全国からの善意の気持ちを生かすことができないということは、まことに残念であります。
 他県の事例でありますが、インターネットの通信販売事業者と協定を結び、その事業者のホームページに各地の避難所から必要とする物資を登録してもらい、それを見た方が必要とされている物資を注文することで避難所に寄附のような形で送り届ける仕組みを構築しています。被災地に物資を送りたい方の全てがこの仕組みを利用するとは限りませんが、非常に有効な手段ではないかと思います。
 このような事例を参考にして、本県が被災した場合に個人からの善意を受け入れる方策を検討してもよいと思いますが、県の所見を伺います。
 次に、がん患者等の就労支援の充実強化についてであります。
 がんは、本県において昭和五十七年以降、長らく死亡原因の第一位であり、約三人に一人はがんで亡くなっている、県民にとって身近な病気です。また二十歳から六十歳の働く世代でがんに罹患する人の割合は三割を超え、家族を含めた生計の維持に大きな不安を抱えることになることから働く世代にとってがんは切実な問題となっております。
 一方で、近年のがん医療の進歩により、がんと診断されてからの五年相対生存率はほぼ六割、がんの種類によっては九割を超えており、がんに罹患しても仕事との両立が可能なケースがふえてきております。しかしながら現実は厳しく、厚生労働省の調査によりますとがん患者の三人に一人が依願退職や解雇によって仕事を失っているとされております。
 がんは命にかかわる重大な病気というイメージから、がんと診断された人の中には状況を深刻に受けとめてしまい、治療に専念するためにそれまでついていた職をみずからやめてしまう人も多いと聞いております。また一旦退職し、がん治療を終えたがん経験者が改めて就労を希望しても、勤務時間や出張の制限などの条件面での折り合いがつかずなかなか就職できないケースも少なくないと伺っております。
 このようなことから、がん患者が治療を受けながら仕事を続けることができることに加え、がん治療のために一旦退職したがん経験者が希望する仕事に再就職できるよう、がん患者等への就労に関する支援が必要と考えます。平成二十五年三月に策定された第二次の静岡県がん対策推進計画では、第一次の計画にはなかった、がん患者等の就労支援が新たに盛り込まれております。さらに昨年十二月に公布された静岡県がん対策推進条例にも、県はがん患者及びその家族に対し就労の支援に必要な施策を実施することが規定されております。
 そこで、このようながん患者等にとって厳しい就労の実態を踏まえ、今後県としてどのようにがん患者等の就労支援の充実強化を図っていくのか、県の所見を伺います。
 次に、県内企業の定着促進について伺います。
 最近の我が国の経済は緩やかな回復基調が続いているものの、人口減などの課題を抱える地方においては経済の好循環が十分には進展していない状況にあります。こうした中、地方経済の活性化を図るため、県内企業の事業活動を支援することにより事業の中断や県外流出を未然に防止し県内への定着促進を推進することが各自治体にとって大変重要な施策となっております。
 例えば岐阜県では、昨年九月に商工労働部内に企業コンシェルジュプロジェクトチームを設置し、県内企業を定期的に訪問しながら立地後のインフラ整備や雇用面などの要望を伺うとともに、国の補助金など行政側の各種施策を情報提供する取り組みを開始しており、県内企業と密接で良好な関係を築くことで企業の定着促進を図っているとのことです。このほか企業立地関係の補助金等で独自の制度の充実を図る県も見受けられるなど、企業の定着促進に向け各自治体ともに積極的に取り組んでおります。
 一方、本県においても、経済回復に向けた動きを確実なものとし次世代産業の創出を進めるため、昨年三月に官民が連携して静岡県産業成長戦略会議を立ち上げており、この中で企業誘致・定着の推進や事業用地の確保などの戦略テーマを設け、県内企業の定着促進に向けて企業訪問など精力的に活動していることは承知しております。しかしながら他の自治体でも企業立地環境の優位性を確保するためにさまざまな取り組みを行っている中、本県も県内企業が事業活動を今まで以上に活発に行っていけるよう本県の立地環境を踏まえた特徴ある対策を一層講じていく必要があると考えます。
 そこで、県内企業の定着促進に向けた本県の具体的な取り組みについて伺います。
 次に、選挙権の十八歳以上への引き下げに向けた主権者教育について伺います。
 昨年六月に憲法改正の手続を定めた改正国民投票法が参議院本会議で賛成多数で可決成立したことを受け、今国会において公職選挙法の改正案が提出され成立することが確実であるとの報道がありました。
 さて、最近の選挙を見ますと若者の政治離れが顕著であります。総務省が発表した、さきの第四十七回衆議院選挙の投票率は小選挙区が五二・六六%、比例代表で五二・六五%となりいずれも戦後最低を記録しました。年代別投票率の推移を見てみますと二十歳代の投票率が最も低い状況が続いており、これは第四十六回のデータになりますが、全体の五九・三二%に対し二十歳代の投票率はその約三分の二である三七・八九%でありました。
 本法案が成立し選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられることとなれば、二〇一六年夏の参議院選挙からの適用を目指すということですので、さらに約二百四十万人の未成年の若者が有権者に加わるということになります。そして十八歳以上に選挙権が与えられるということは高校三年生、あるいは高校卒業直後から国政選挙や地方選挙で投票できることになりますので、高等学校における主権者教育が大変重要になってまいります。若者の投票率を向上させるためにも高校生に対して政治に対する興味と関心を一層高める教育が大いに必要であることは言うまでもありません。
 県として、二年後に選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられることを前提として、おくれることのないよう高校生の主権者教育への対応をとるべきであると考えますが、教育長の所見を伺います。
 次に、高齢者の運転免許証返納制度について伺います。
 平成二十六年中に交通事故により亡くなられた方は全国で四千百十三人で、十四年連続で前年比を下回ったということであります。静岡県内でも交通事故の死者数は一昨年が百八十四人であったところ、昨年中では百四十三人と大幅に減少させることができました。これは警察を初め官民が協働して交通事故抑止対策に取り組んできた成果であると認識しているところであります。交通事故抑止について警察のさらなるリーダーシップを期待するものであります。
 一方で、全国的に高齢運転者が高速道路を逆走するなど認知症の影響と思われる事故の報道を見聞きすることが多くなりました。高齢化が進む社会においてはその対策が急務と思われます。こうした状況の中、警察が推進する高齢者の交通事故防止対策の一環として行われている運転免許証の返納制度についてお聞きいたします。
 御承知のとおり、この制度は高齢運転者が身体機能の低下等により交通事故の危険性を心配され運転免許証を返納したいという要望に応えるため、平成十年に法制化されスタートしたものであります。高齢者による交通事故防止対策としての趣旨は理解できますが、交通網が発達した大都市とは異なり東西南北に広い静岡県では、日常生活の場において運転免許証を持ち自家用自動車などに頼らざるを得ないという背景もあります。やはりこの制度を進めていくためには、他の交通手段の確保を初め各種優遇制度を拡大するなど自主的に返納しやすい環境づくりを推進していくことが必要であろうと考えます。
 そこで、本県における高齢者の運転免許証自主返納者数の現状と、自主返納し運転経歴証明書を取得した方が受けられる優遇制度をどのように整備促進しているのか、また高齢者の代替交通手段の確保は免許証自主返納を推進する警察としても課題の一つと思われますが、今後の取り組みについてどのように進めていくのか、警察本部長の所見を伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(伊藤育子君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 曳田議員にお答えいたします。
 沼津市の内浦重須地区の高台移転についてです。
 巨大地震などに備え、企業や住民などの避難地や移転先の確保など被災後の復興を先取りするいわゆる事前復興の考え方に基づき防災・減災と地域成長の両立を図ることは、本県全般にとって喫緊の課題であり、それは重須地区においても同じでございます。
 私どもは、津波による被害が想定されるこの重須地区におきまして農業生産基盤の整備を進める中で、命と生活とを守るという観点から避難路としても使える農道を優先的に整備するとともに、昨年十二月には高台移転用地の確保手法を地元の皆様に御提案申し上げました。この提案では農地の区画整理事業により優良な農地を整備するとともに、この住宅用地につきましては高台に移転する住民の経済的負担をなるべくかけないために定期借地権を活用する方策を具体的にお示ししたところであります。
 今後は、沼津市と連携しながら地域住民の皆様の御意見を十分に踏まえた上で当地区の高台移転についての計画づくりを進めてまいります。
 大規模災害への備えを最優先にしつつ、地域の特性を生かした農業振興を目指し「寿太郎」ミカンの産地の育成と安全・安心な家・庭一体のゆとりある住宅地の整備との両立を図り、高台移転による事前復興のモデルとなる農芸都市、ガーデンシティーの形成に努めてまいります。
 振り返りますと、この重須地区というのは東海地震説、これは一九七六年に出ましたので三十九年前ということでありますが、ほぼ四十年近い東海地震説を前提としてこれまで防災に努めてまいりましたが、この内浦地区は東海地震の想定でも津波が六・五メートルを超すということでありました。そうした中、東日本大震災が起こり、住民の方々は自治会として集会を持たれ八割の方々が高台に移転するとお決めになって、その後行政と連携をしてさまざまな相談をしながら進められた結果、地元のこともよく知らない北海道の学者がいろいろ難しい手続だとか制度を御説明をする中で結果的に地元は二分し、そして今日に至っているということでございます。
 まず、重須、西浦地区というのは美しい高台を持っている。その高台から見られる景色も最高で、この「寿太郎」ミカンの果樹園がございます。住民の方々が八割行きたいと思われたその原点に立ち返って、そこに移ることが大事だというふうに思っておりまして、そしてもしこれが実現いたしますと、日本における最初の、いわゆる日本が原点になってイギリスで実現しましたガーデンシティー、レッチワースとかウェルウィンと、それをはるかに抜くすばらしいガーデンシティーができるであろうと。これは土地を公共団体などによって取得をし、それを又貸しすることによって、またお住みになる方々が全体、組合として、自治会として共通の意思を持って動くことが大切です。そのためにはどうしてもこの先例を勉強するということが大切で、もちろん安全ということが大事なんですけれども、でき上がった新西浦、重須地区の景観が恐らく日本で最高の、いやひょっとすると世界でもまれに見る美しい景観の地域になり得るということでございまして、ぜひこの内浦地区の高台移転というものは、少し遅くなりましたけれども私どもも本腰を入れて地域の方たちとよく話し合いをしながら実現したいと考えているものでございます。
 次に、県内企業の定着促進についてでございます。
 本県の景気回復が本格化し、将来にわたって全国有数のものづくり県であり続けるためには、県内に立地している企業の活動を把握し、しっかりと支援していくことが重要です。そこで副知事を先頭に直接企業を訪問し、さまざまな意見を伺ってまいりました。こうした試みは県として初めてだったことのようで企業の方々から結果的に高い評価をいただいているところであります。
 そうした中で、経営者の皆様方から地震・津波などの自然災害に対する不安が最も強いということがわかりました。現実を見据えて合理的な判断をするということが不可欠な企業の経営者にしてからがそうです。
 一方私どもは、いわゆる南海トラフ巨大地震のような想定し得る最大の災害に対して最高の備えを持っている全国屈指の防災先進県であります。この事実を私どもは、具体的には地震・津波対策アクションプログラム二〇一三などがそうでございますし、これまで一九七九年以来二兆二千億円近くを投じましてやってきました防災の実績がございますが、こうしたものをPRしていくことが大切だと。つまり本県はどこで災害が起こるかわからない日本列島の中にあって最もこういうことに対して備えている県であるということを皆様方に知っていただくことと同時に、我々は内外に向けてPRしていくことが今求められていると思います。
 そこで、首都圏などの企業説明会での本県の防災対策の周知に加えまして現場で体験していただこうと。この一月には県内外の企業を対象に静岡モデルの防潮堤整備や沿岸部に立地する企業の防災対策を視察する会を開催いたしました。そうしますと参加企業の皆様からは、官民の先進事例を実感できたといった御意見を中心に頂戴したところであります。百聞は一見にしかずということで、これを風評を取り除く最高の方法だと。現場を見ていただくというのが一番いいと思っております。
 静岡県では、防災対策のみならず被災後の復興を先取りする事前の復興の考え方、これが先ほどの重須地区におけるものでございますし、現在浜松で進めております、山を崩しそれで防潮堤をつくり、その山のほうにおきましてはガーデンシティーをつくっていくと。このように両面を担った事前復興の方法でございますけれども、こうしたやり方を通して魅力ある地域づくりを進めているのだと。これを内陸のフロンティアを拓く取り組みとして実施しているということでございます。
 こうしたことをPRすると同時に、それが結果的に開発中の工業用地に具体的な企業の進出を促進するという、今兆候が顕在化しているという結果に結びついております。私どもは商工会議所と連携して県内に生産拠点を持つ大企業と情報交換会を開催し、また県幹部職員や企業立地促進支援員が地元市町の幹部職員とともに企業訪問を定期的にいたしまして、官民連携によってさまざまな取り組みを進めることで本県の取り組みをPRしつつ、同時に企業の皆様方との信頼関係を構築していこうと今進めているところであります。
 また、こうした機会における企業からの投資要望につきましては、新たに大企業、中堅企業を対象として創設する利子補給制度や雇用要件の緩和を行う補助制度を活用するなどきめ細やかに対応いたしまして県内への企業の定着を促進し、本県経済の活性化を図ってまいろうと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(伊藤育子君) 伊藤文化・観光部長。
       (文化・観光部長 伊藤秀治君登壇)
○文化・観光部長(伊藤秀治君) 新たなメディアを活用した観光情報の発信についてお答えいたします。
 個人旅行が主流となる中、多様化するニーズに応えるためには旅行者の関心が高い旬の食材や四季折々の自然、風景などその地ならではの魅力を個別、確実に届けることができるフェイスブックなどの新たなメディアの活用が有効であります。このため県のフェイスブックページ、「いいね!静岡 国民投票」を昨年の六月からリニューアルいたしまして、ほぼ毎日県政や観光の情報を発信する「いいねがあるある静岡県。」として運用し、毎月延べ十万人の皆様にごらんいただいております。内容や情報の出し方に工夫を加え、さらなる活用を図ってまいります。
 一方、海外においても、旅行を専門とする発信力の高い著名なブロガーを韓国、台湾から招聘し自主体験に基づいた本県の観光魅力をアピールしていただいております。海外からの旅行者に旅先での感動を外国人ならではの視点や感覚でリアルタイムにSNSで発信いただくことも効果がありますので、無料でつながるWiFi環境の整備を促進するなど今後とも多様な媒体による効果的な情報発信に努め、誘客の促進を図ってまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 岩田危機管理監。
       (危機管理監 岩田孝仁君登壇)
○危機管理監(岩田孝仁君) 災害時における個人からの支援物資の受け入れについてお答えいたします。
 大規模災害時に必要となる食糧、飲料水などの緊急物資については、特に災害初動期の人手が不足する中で大量の物資を効率的に配分する必要があることから、本県では協定を締結した事業者からの物資や、国や全国知事会などの公的支援により調達することとしております。個人からの支援物資は中身を一つ一つ確認する必要があるなど仕分けに手間を要する問題もあり、県の広域受援計画においては原則として受け入れない方針としております。
 しかしながら、避難生活が長期化するにつれて被災者のニーズも多様化し、例えば子供たちの文房具や身だしなみを整える化粧品のように公的な緊急物資だけでは対応しきれない要望も生じてまいります。被災地で一般車両が通行できるようになるなど一定の条件が整えば、個人の善意を受け入れることにより被災者のさまざまなニーズに対応することも可能と考えられますことから、御提案いただきました通信販売事業者の活用も含め各避難所に個人からの支援物資が直接届くような仕組みについて、市町の御意見を伺いながら検討してまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 宮城島健康福祉部長。
       (健康福祉部長 宮城島好史君登壇)
○健康福祉部長(宮城島好史君) がん患者等の就労支援の充実強化についてお答えいたします。
 本県において、がんに罹患しても社会に復帰する方やがんを治療しながら働いている方がふえており、治療と仕事を両立するための支援は大変重要であります。県ではがん患者とその家族を支援するため、静岡がんセンターを初め県内二十二病院においてがん相談支援センターを整備し、就労支援を初めさまざまな相談や支援を行っております。平成二十五年度からは静岡がんセンターにおいてハローワークの専門相談員によるがん患者の就労に関しての相談も行うなど、より効果的な就労支援に取り組んでおります。また静岡がんセンターでは、全国のがんセンターとしては初めてがんのリハビリテーションに積極的に取り組み、がん患者が円滑に社会復帰できるよう支援しております。
 昨年制定しました静岡県がん対策推進条例や静岡県がん対策推進計画におきましても、がん患者の就労支援を主要な取り組みとして位置づけることでがん患者の就労について事業者の理解を促進し、県民全体でがん患者の方々の就労を応援する機運を醸成しているところです。
 県といたしましては、引き続き誰もが適切ながん医療を受けられる体制の整備を初め、がん患者等の就労支援やピアサポートの体制などの拡充に努め、がんにかかっても安心して働くことができる社会の構築に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 選挙権の十八歳以上への引き下げに向けた主権者教育についてお答えいたします。
 選挙権年齢の十八歳以上への引き下げが予定されていることを受けまして、高等学校教育におきましては主権者としての自覚を持って社会に参画していく力を育む教育や、政治に対する興味関心を高める教育を充実させることが求められております。現在、各学校におきましては主として現代社会や政治・経済、総合的な学習の時間などの授業において、政治的教養や時事に関する知識を深め主権者となるための基本的知識を身につける教育を行っておりますが、今後予定される学習指導要領の全面改訂にも注視して選挙権年齢の引き下げに適切に対応してまいります。
 さらに、選挙権を行使するにはみずからが居住する地域の政策に興味関心を持つことが大切であることから、高校生の地域に対する理解を深め社会への参画意識を高めるため、キャリア教育や社会貢献活動の推進など地域とかかわり地域の課題に対応した教育活動にも積極的に取り組んでまいります。
 県教育委員会といたしましては、今後公職選挙法の改正を見据え高校生が政治への参加意識を高め選挙の重要性を十分に認識するよう、さまざまな視点から主権者教育の充実に努めてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 西川警察本部長。
       (警察本部長 西川直哉君登壇)
○警察本部長(西川直哉君) 高齢者の運転免許証返納制度についてお答えを申し上げます。
 初めに、高齢者の運転免許証自主返納者数の現状についてでありますが、本県では昨年九千十一人の高齢者が自主的に返納されたところであります。これは一昨年の六千四百六十五人から四割増加しておりまして、また高齢者免許人口の一・六%に当たる数でございます。
 次に、優遇制度をどのように整備促進しているかについてであります。
 現状ではこれまでに関係機関等の協力をいただきまして、平成十四年に全国に先駆けて乗り合いバスの割引定期券を発行する制度が導入され、平成二十三年からは県内全てのタクシー料金の一割引きが実施されているところであります。また市町では、運転経歴証明書交付手数料の助成や自発光式反射材の贈呈など自主返納支援事業が展開されているところであります。
 今後も、自主的に返納しやすい環境をつくるため関係機関等に対して協力依頼を図ってまいります。
 最後に、高齢者の代替交通手段の確保についてであります。
 御指摘のとおり山間地域を中心といたしまして、みずから運転する自家用車にかわる交通手段を確保することが難しいという状況にあります。このため、公共交通ネットワークを形成して高齢者の移動手段を確保することが運転に不安を有する高齢者が運転免許証を返納しやすい環境の整備や移動手段の選択肢の拡大につながり、交通事故の防止に寄与するものと認識しております。
 今後、警察といたしましても、地域公共交通の活性化施策に対しまして高齢者事故に関する情報を提供するなどして、高齢者の移動手段確保のため積極的に意見を述べ協力してまいる所存であります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 二十二番 曳田 卓君。
       (二十二番 曳田卓君登壇)
○二十二番(曳田 卓君) それぞれに御答弁いただき、ありがとうございました。要望を何点か、再質問を一点させていただきます。
 緊急時の物資につきましては、ぜひですね、本当に善意、本当に細かいところですけれども、やはり時間がたつにつれて女性の身だしなみとかですね、先ほど言われた答弁のものがございます。ぜひそういうことをひっくるめまして、先ほど話をしました他県の例も含めて、ぜひこれは前向きに検討していただきたい。
 それから、がん患者の就労の件ですけれども、実は私の知人がハローワークで現にその相談員を務めているんですね。やはりかなり深刻みたいです。ですからこれは先ほど部長がおっしゃったように、県を挙げて、県全体が温かい目でそういうがん患者の方々の就労を支援していくような体制をぜひとっていただきたいなと思います。これはよろしくお願いいたします。
 それから、知事からは企業定着促進について非常にさまざまな御答弁をいただき、ありがとうございました。やはりこれはですね、今静岡県が人口減ということに対して非常に敏感になっている中で非常に大事なことだと。やっぱり働く場があれば当然流出人口も減ってくわけですから、ぜひ知事答弁のとおり、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それから、教育の件でございますけれども、やはり先ほど教育長がおっしゃっている中でですね、これは明治大学の井田正道先生という方が、政治意識論という分野ですけれども、公教育の場で若者に対し、政策がいかに自分の生活に密接に関連しているかをきちんと教えるかがポイントだと言っております。ぜひ御答弁にあるように、本当に若者たちにきちっとした教育をしていっていただけたらと思います。
 免許証の件はありがとうございます。特に代替交通機関については、やはり本当にお年寄りの方々、代替交通機関があればどんどんやっぱり自主返納していくと思うんですよね。そういう意味では積極的にこれからの展開を要望したいと思います。
 一点再質問でございますが、重須の高台移転についてでございます。
 先ほど知事から、経済的負担を軽減する方策など地元の方々に具体的に提案したというお話がございました。昨年二月十九日に知事が現地に視察にお見えになりました。私も同行させていただいたんですが、そのときにやはり先ほど知事が申しましたように、イギリスのレッチワースの例を出されて三百坪ぐらいの敷地がいいと。いいというのはそのガーデンシティーの話をされました。
 実は、今二月ですから一月の後半ですかね。地元でちょっと県の説明会が、私もオブザーバーで参加させていただいたんですけれどもやっぱり若い方々が多かったですね。大体ほとんど十五人ぐらいだったですが若い方がお見えでした。その中で実は百坪ぐらいまでであれば若い方々も負担ができるという話であったんですけれども、県のほうから知事のお話しされた、その坪数も若干大きめの話がされたもので、今後それについてやはり地元の方々も非常にその辺のところが若干ちょっと気がかりなところがあるなということと、もう一点、実はこういう話がございました。風光明媚、海越しの富士山が非常にやっぱり見事なところなんですね。実は私、昨年、一期生で大連、浙江省に視察に行ったときに、現地の旅行社が本当に小さい旅行社なんですね。でもそこの旅行社の扉をあけて、ばんと見ると、まさしくそこの重須から見ている富士山の海越しの絵がばーっと、要するにそこにいらっしゃいよというこういうアピールなんですね。
 ですから本当に、実はミカン園といいますか、いわゆる海岸道路が走っているんですが、実は山のほうにもう一つミカンを搬送できる狭い道路が続いているんです。今回本当に県の英断で、とにかく農地に家が建つという方向性になったわけです。ですからそういう意味で非常に地元の期待も大きいんですが、先ほどのような問題もあります。
 もう一点は、実は地元の負担を軽くする意味で公共団体が買い上げるという話もございましたけれども、例えばこういう話もございました。いわゆるディベロッパーがですね、もう少し開発をしてもらって、例えば東京からだったら、例えば別荘地とは言いませんけど四百坪、五百坪でも買いたいという人は出てくるだろうと。そういうことをひっくるめて、やはり地元の方々もそこに一緒になってその地元の方々の負担が軽くなるような形での方策も必要じゃないかという議論もありました。
 そういうことを私ども、身近に見聞きしましたものですから、ぜひこういう地元住民の方にも声を傾けていって、何とかこれが知事がおっしゃったように実現できるような方向になっていったらと思いますので、ぜひそういう意味で、先ほどもちょっと大きさの問題ですね、それにつきまして知事の考え方をお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○副議長(伊藤育子君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 重須地区の高台移転についての再質問ありがとうございます。
 重須地区は平坦というよりも――ああ、ごめんなさい、高台ですね。長井崎中学校のところは地盤が緩いと。それより少し奥のところから、すっと台地がありますけど、それは坂になっていますから、したがって百坪とか二百坪とか言っても傾斜地であると。実質は百坪しか使えないとかということなんですけれども、やはり都会的な住まいの感覚というのにみんな支配されております。
 一方、先ほど別荘とおっしゃいましたが、別荘だと三百坪、四百坪というふうにおっしゃいましたけれども、日本は大体一千平米、つまり三百坪というところでみんな分譲しているわけです。ですからそうしたものを基準にするという器量が欲しいですね。
 ただ、経済的負担を若い人にかけるというのは、特にいわゆる金融資産だとか、あるいは遺産とかがないという若い世代のことを前提にして、その人たちが美しい景色のところで、しかも安全に生活できると。子供もそのことを喜んで、坂がありますからそのことで足腰も鍛えられるということもあってですね、プラスに考えていくという思考をとりたいと。
 そして今、過去、だんだんだんだんと意見が割れて結局動けなくなるというところから、今曳田議員がおっしゃっていただいたように前向きに検討するというふうになっていることを大変喜んでおりまして、この動きをですね、一体最終的に、それがどういう、その地域にとって将来世代に対して役に立っていき、かつ発信力を持つかという観点で徹底的に議論をしながら本当にモデルとなる、そういう風光明媚な、そうですね、できればカプリ島に皆さん行っていただいてですね、そこを抜くと。そうするともう世界一になります。抜けるという確信を私は持っておりまして、そうした、外を知ってみずからを知るということを通して、重須地区のいわゆる危ないから逃げるというんじゃなくて新天地を開くと。しかも身近で開けると。そして強制ではないということで尽力してまいりたいというふうに思っている次第でございます。以上でございます。ありがとうございました。
○副議長(伊藤育子君) これで曳田卓君の質問は終わりました。(拍手)

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