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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

盛月 寿美 議員

質問分類

代表質問

質問日:

06/27/2018

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について                     
 (1) 新ビジョンの着実な推進                    
 (2) 県庁における女性活躍の推進                   
2 危機管理体制の充実について                   
 (1) 本県への来訪者に対する安全確保策の構築            
 (2) 避難所における要配慮者への配慮                 
3 清水港の将来像について                     
4 富士山静岡空港の自立経営について                
5 こども医療費助成について                    
6 社会的養護の必要な子どもの命を守る施策について         
7 性的少数者に対する支援について                 
8 ネットワークを利用した病理検査体制について           
9 企業における多様な人材の活躍促進について            
10 中小企業の事業承継支援について                 
11 県産品の海外での品種保護対策について              
12 食品ロス削減対策について                    
13 スポーツの振興と部活動のあり方について             
14 振り込め詐欺被害防止対策について  


平成三十年六月二十七日(水曜日)
午前十時三十分 開議 
○議長(渥美泰一君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第九十一号から第百十三号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により二十五番 盛月寿美君。
       (二十五番 盛月寿美君登壇 拍手)
○二十五番(盛月寿美君) おはようございます。質問に入る前に一言申し上げます。
 六月十八日に発生した大阪北部地震で亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 我が会派は、六月十九日に川勝知事と木苗教育長宛てにブロック塀などの総点検と早急な安全対策への取り組みを実施するよう緊急要望を行いました。二度と悲惨な事故が起こることがないように重要な要望と受けとめていただき、一日も早い安全確保のための確実な対策の実行をお願いいたします。
 それでは、公明党静岡県議団を代表して県政の直面する諸課題について知事、副知事、関係部局長及び教育長、教育部長並びに警察本部長に一括質問方式で質問いたします。
 今回の質問は、現在公明党で実施している防災・減災、子育て支援、介護、中小企業支援の四分野の全国百万人訪問調査運動を展開する中でいただいた現場の声を踏まえてお聞きするものがあります。
 最初に、知事の政治姿勢についてのうち、新ビジョンの着実な推進について伺います。
 本年三月に策定されました静岡県の新ビジョンは、我が会派の意見も取り入れていただき県民が明るい将来を展望できる静岡県を構築するための計画となったと考えております。新年度がスタートしいよいよ計画を実行に移す段階に入りましたが、現下の状況を見ると現実の厳しさを痛感しております。
 本年三月に総務省が発表した平成二十九年十月一日時点の推計人口によれば、本県は前年同期比で〇・三%の減となりました。特に十四歳以下の子供の数は過去最低を更新し続けており、少子高齢化に歯どめがかかっておりません。またDV相談・一時保護件数は年間二千件を超える水準で高どまりしており、警察から児童相談所への児童虐待通告件数も昨年は四百件を超え増加傾向が続いています。
 県内事業所における課長相当職に占める女性の割合は一割程度にとどまり、女性の社会進出はおくれているなど依然として多くの課題があると考えます。知事はこれまでも女性や若者、高齢者、障害のある方などあらゆる人々が活躍できる環境整備に尽力されておりますが、現下のこうした状況を踏まえてさらに取り組みを進める必要があるのではないでしょうか。
 そこで、知事は県民が明るい未来を展望し手を携えて将来の夢を実現できる地域づくりに向け、新ビジョンの推進にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、知事の政治姿勢についてのうち、県庁における女性活躍の推進について伺います。
 県職員の皆さんが、健康でそれぞれの能力を発揮しやりがいを持って働く静岡県庁であってもらいたい。そのことが県民サービスの向上に直結するからです。
 二〇一六年四月に施行された女性活躍推進法は、国や地方公共団体及び民間事業主のそれぞれの責務を定め女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進し、豊かで活力ある社会を実現することを目的としていますが多くの女性職員が出産や子育て、介護などと仕事の両立で悩みや不安を感じています。
 本県における女性職員の割合は、二〇一六年度は二九・六%、二〇一七年度は三〇・三%、二〇一八年度は三一・四%と増加しており、女性があらゆる分野で活躍できる環境づくりに取り組むことの重要性はさらに高まっています。私は静岡県全体の女性の社会進出、活躍促進にはまず県庁が率先して模範となる取り組みをしてほしいと期待しています。
 県では、管理職に占める女性職員の割合を二〇二一年度までに一五%という目標を掲げており、二〇一七年度は九・七%、二〇一八年度は一〇・七%となっています。厳しい進捗と感じますが課題を明確にして目標達成に向けた取り組みを進めていただきたいと思います。
 海外に目を向けると、スペインでは六月七日に新政権が誕生し十七人の閣僚のうち十一人が女性、国会議員の約四〇%が女性です。一概に比較できるものではないかもしれませんが明るい希望を感じる話題です。
 本県は、県の重点課題に迅速かつ的確に対応するため平成二十六年度から三名の副知事体制のもとで県政運営に当たっています。我が会派はこれまで副知事三名のうち一人は女性の登用を求めてきた経緯があります。なかなか実現しませんが根本的な要因、克服するべき課題を明確にしていくことが重要と考えます。
 立場が人を育てるという言葉があります。今後副知事への女性登用について検討するお考えがあるのかを含めて、県庁における女性活躍を進めあらゆる分野で女性が活躍できる静岡県にしていくための知事の御決意をお聞かせください。
 次に、危機管理体制の充実についてのうち、本県への来訪者に対する安全確保策の構築について伺います。
 高規格道路の充実拡充、清水港の大型クルーズ船の寄港数の拡大、富士山静岡空港の民営化など陸・海・空のネットワークの充実により、本県は今後国内外からさらに多くの方が訪れやすくなります。静岡県内で開催される高校総体やラグビーワールドカップ二〇一九、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックなどの大規模スポーツイベントに加えデスティネーションキャンペーン、伊豆半島の世界ジオパークの認定、富士山と韮山反射炉の世界遺産登録など魅力を国内外に発信することで静岡県を満喫しようとする多くの来訪者が期待されます。本県を訪れる方々に安心して過ごしていただくことがおもてなしの基本であり、そのためにはさらなる道路整備や環境整備、ユニバーサルデザインの推進などに積極的に取り組み、年齢や障害の有無にかかわらず訪れた全ての人にもう一度行ってみたいと思っていただく準備が必要です。
 観光客が、想定以上に狭い地域に密集した時や大きなイベントを行った時に災害が発生したことを想定し、何が起こり何が不足するのか、地域住民との共生が短期間とはいえ可能なのか、避難情報をどう入手するのか、帰宅までのケアを地域としてどのように行えるのかなどしっかり準備する必要があると考えます。
 そこで、県として交流人口の拡大に対応した安全確保策をどのように準備しているのか、また不足している施策をどのように認識し今後どのように取り組もうとしているのか、県の所見を伺います。
 次に、危機管理体制の充実についてのうち、避難所における要配慮者への配慮について伺います。
 阪神淡路大震災以降、災害による直接の死亡ではなく助かった命をつなぐことができない災害関連死が多く発生してしまいました。全死亡者数のうち災害関連死の占める割合は新潟中越地震で七六・五%、熊本地震では七六・〇%にも上りました。被災後の長期にわたる避難生活によるエコノミークラス症候群やストレスによる心身の不調、感染症などが要因と言われていますが、いずれも被害を受けた多くの方々は高齢者を初めとする要配慮者でした。また報道されないような事件に遭遇し自殺された若い女性もおりました。せっかく助かった命が避難生活での準備や対策不足で失われてしまうことほど残念なことはありません。助けられる命は全て救っていくことが絶対に必要です。
 要配慮者のための福祉サービス等が受けられる福祉避難所が用意されるには、開設まで少なくとも三日は必要となる上その施設数は整っておらず運用に関しても課題が多くあります。さらに福祉避難所を利用するほどではない、子供や妊産婦を初めとした女性に対しての避難所における対応も求められます。
 富士市では、一般の避難所として地域の福祉施設が要配慮者の受け入れができるよう福祉施設と行政で仕組みづくりに取り組んでいると聞いています。これまでも我が会派は子供や女性、高齢者、障害者など要配慮者に対応した避難対策の必要性を訴えてきました。今回のアンケート調査でも災害時要援護者の把握、連携や避難所における安全対策、防犯対策にさらに取り組むよう多くの方が声を寄せています。被災された方々に寄り添い災害関連死をなくすために発災直後の避難所において要配慮者に対してさらなる安全・安心確保の対策が必要と考えますが、今後の県の取り組みについて伺います。
 次に、清水港の将来像について伺います。
 清水港は、平成二十九年のコンテナ貨物取扱量が五十四万一千TEUを超えリーマンショック以降では最高、過去三番目の高水準を記録しました。新興津地区国際海上コンテナターミナルが本年六月に全面供用し、また来年度に予定される中部横断自動車道の全線開通により甲信地区からのアクセスが大幅に向上することで今後さらなる利用促進が期待されます。
 平成二十八年十月に新たに就航した清水港と大分港間を結ぶRORO船の定期航路は、本年三月にデイリー化するなど航路が拡大、拡充し、さらに五月からは苫小牧港、清水港、大阪港を結ぶ新たな航路も加わり北海道から東北、関東、関西、九州までRORO船による海上ルートが形成されることとなり、その結節点となる清水港の利便性はさらに向上することとなります。
 一方、クルーズ船の寄港数が急増し昨年は過去最高の三十八隻を数え、県は昨年十二月に公表した国際旅客船拠点形成計画に基づき、今後連携するクルーズ船社であるゲンティン香港とともに日の出埠頭にクルーズターミナルを整備し、またその背後には静岡市が海洋文化拠点施設整備を計画するなど、日の出地区を中心に今後ますます港のにぎわいづくりが進んでいきます。清水港は明治三十二年の開港から来年百二十年を迎えます。物流、産業面での利用が進みさきに述べたとおり近年はクルーズ船が寄港する港として大きな発展を遂げています。一方で市民が水と親しむ場が減り以前のように港に気軽に行けなくなってしまったという声も多く聞かれたり、物流、産業活動とにぎわいの空間が交錯していることでこれまでになかった新たな課題も見えてまいりました。
 将来に目を向ければ、物流業界では新しい技術の導入によりトラックの無人隊列走行の実証実験や自動運搬船の実現に向けた技術開発が進められており、大きな変化の予兆が感じられ清水港も変革の時を迎えていると考えます。港を取り巻く情勢が大きく変化している中、県は港湾管理者として清水港の将来像をどのように描いていくのか、方針を伺います。
 次に、富士山静岡空港の自立経営について伺います。
 来年四月から、富士山静岡空港の経営の中心を担う民間事業者として三菱地所株式会社と東京急行電鉄株式会社で構成するグループが選定されました。このグループからの提案では首都圏西部まで顧客ターゲットを拡大すること、航空路線数を十七路線に増加すること、空港利用者の利便性向上を図ることなどが示されております。こうした幅広い施策が確実に実行され空港が大きく発展していくことを期待しております。
 さらに、運営権制度導入による効率化も必要であり、長期にわたって民間事業者に経営を委ねることで開港以来続いている空港収支の赤字が解消され自立した経営が行われていくことが望ましいと考えます。今回の民間事業者からの提案においては、覚悟ある供給により需要を喚起し利益拡大を図ることで自立的経営を実現とされています。
 富士山静岡空港は、実質的に年間五億円の赤字を県の一般財源より穴埋めしていたのが現状ですが、完全民営化される来年四月以降は着陸料収入は空港会社の収益となり、県は空港の管理運営に県費は投入しないこととしています。民間の経営力が発揮されることでどこまで自立した空港に生まれ変わることができるのか、また自立経営に対し今後県はどのような役割を担うことになるのか伺います。
 次に、こども医療費助成について伺います。
 こども医療費助成制度の対象年齢を高校生まで拡大するとした川勝知事の選挙公約が早期に施策に反映され、子育て世帯への経済的支援による子育て環境の整備が進むことを評価しています。また静岡県市長会・町村会の共同声明を踏まえて市町との協議が行われたと聞いており、要望にしっかりと対応していくことを求めます。
 公明党静岡県議団としてもこれまでこども医療費助成の拡充を県に求めてきましたし、アンケート調査で子育て世代の方々にお話を伺うと子供の健康への不安を抱いている保護者が多くおられ、特に静岡市では医療費助成を高校生までにしてほしいというお声が多く聞かれました。政令市の意向は県との基本協定は中学三年生までのものとし、高校生を対象にする内容は別の制度として捉えていて負担増を理由に現行の中学生までとし高校生までの拡大に慎重な姿勢を示してきました。両市を合わせた人口は本県の人口の四割を占め、このままでは多くの市民、県民がこの施策の恩恵を受けられない状態になります。未来を担う子供たちの成長過程における支援に地域差が出る状態は望ましくありません。県として多くの県民、市民のためという視点を持ってどうしたらこの問題を解決できるのか政令市に対する補助のあり方について見直すべきと考えます。
 今後、両政令市から県に対し申し入れが行われるとお聞きしましたのでそれを踏まえてしっかり協議をしていただきたいと思います。静岡県の全ての子供が安心して暮らせる環境、子育てしやすい環境づくりのため政令市を含む全ての市町でこども医療費助成の拡大を早期に実施できるよう県として支援が必要であると考えます。
 そこで、県の補助対象外となっている政令市の高校生までのこども医療費助成の拡大に向けて県はどのように支援を行うのか伺います。
 次に、社会的養護の必要な子供の命を守る施策について伺います。
 目黒区の五歳の女子児童が虐待により死亡した事件は、児童相談所間、警察との連携強化で命が守れていたかもしれないと考えると本当に心が痛みます。政府もこの事件を受け関係閣僚会議を開き再発防止策の検討に入りました。
 昨年、全国の警察が虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告した十八歳未満の子供は前年比約二〇%増の六万五千四百三十一人、平成二十八年度、全国二百十カ所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は対前年比一八・七%増の十二万二千五百七十八件に上っております。平成二十九年度の本県の相談件数は昨年度から百二十八件減少したものの二千三百六十八件で依然として高い水準であり、社会的養護の必要な子供の数は増加の一途をたどっています。
 児童相談所の体制の強化充実、人員増と質の向上、警察との連携、保育所、学校、地域などとの連携などさまざまな面から見直す必要があります。特に市町は児童相談所とあわせて虐待の通告先であることから市町との連携は重要なものとなります。
 そこでまず、今回のような悲しい事件を二度と引き起こさないよう児童虐待を防ぐために児童相談所と市町の連携をどのように行っていくのか、県の所見を伺います。
 私は、虐待防止の体制整備とあわせて社会的養護の必要な児童の受け皿の体制整備が重要であると考えています。国際人権基準では社会的養護の必要な子供を施設に収容するのは最終手段と定められています。養育先については国は里親など家庭と同様の環境を原則とする方針を明確にし平成四十一年度までに里親への委託率を約三割にする目標を掲げていますが、全国平均で約一八%、本県の委託率は二六・七%となっています。児童相談所では急増する児童虐待の対応に追われ、里親の相談や支援は民間施設に委託している里親支援専門員が対応しており十分な受け皿が整っているとは言えない状況です。里親へ優先的に委託するという児童相談所職員の意識改革も必要ですし、里親会などと連携して里親をふやしていく努力や既に里親となっている方への支援体制を整備強化する必要があります。
 国は、里親支援を担当する職員の増員や専門職の育成は重要として体制を拡充する意向を示しています。県として、里親への理解を社会全体に広げ里親に特化した職員の配置などの体制強化を図るべきと考えますが、県の所見を伺います。
 里親になると悩みは多く、地域の皆さんの理解や学校における入学から卒業までの細々とした対応、必ず経験する家出やその際の警察とのやりとりなど自分の子供を育てる以上に悩みが尽きないとのことです。特に公の機関との対応で困るのが里親と里子の関係を証明することで、里親の登録証や措置決定通知はあるものの書類を日常持ち歩くことは少なく、いざというときに児童相談所と連携しつつも大変苦労されているとのことでした。
 そこで、里親と里子の関係を証明する里親手帳を交付してさまざまな場面で活用いただくことを提案いたしますが、県の所見を伺います。
 次に、性的少数者に対する支援について伺います。
 最近、メディア報道等で性的少数者やLGBTという言葉をよく見聞きするようになりました。LGBTとは同性や両性愛者、身体と心の性が一致しない人を初めとする性的少数者の総称の一つです。二〇一五年四月に全国の約七万人を対象として電通ダイバーシティ・ラボが行ったLGBT調査によりますと、LGBTを含む性的少数者に該当する人は全体の七・六%に上ると発表されました。これは十三人に一人が該当することとなります。同性カップルを結婚に相当する関係として認める自治体や、民間においても保険金の受取人に同性のパートナーを認める生命保険会社など社会の変化が見られこうした動きは今後も広がっていくものと思われます。
 性的少数者の方々はさまざまな悩みや生きづらさを抱えています。以前私がお話を聞いた当事者の方は、職場で打ち明けたことでかえってセクハラや嫌がらせを受けるようになり仕事をやめることになってしまいました。本県においてもLGBTの方々への支援を行う団体による活動や理解促進に向けた取り組みを始めている自治体もありますが、社会生活のさまざまな場面においていまだ偏見や好奇の目で見られたり職場で不当な取り扱いを受けるなど、性的少数者を取り巻く環境は依然として厳しいものがあると感じます。まずは理解が広がることが重要で相談窓口、支援窓口の設置、当事者支援のための専門機関・団体との連携などの支援に取り組むべきと考えます。
 神奈川県では、専門相談員の派遣や中小企業などで理解を深める研修会を開催するなど本年度から支援策を本格的に始めました。ホームページでも性的マイノリティに関する正しい理解をと掲載して啓発を行っています。本県においても多様性を認め合う社会を目指していく中で性的少数者の方々に対する差別の解消や支援に取り組むべきと考えますが、県の施策展開の中でどのように取り組まれていくのか今後の方針について伺います。
 次に、ネットワークを利用した病理検査体制について伺います。
 病理医は、人の細胞や組織を顕微鏡などで観察して病気の診断をする医師で臨床医のお目付役という意味合いでドクターズ・ドクターとも言われます。二〇一六年四月現在、日本の病理専門医数は二千二百九十二名です。対人口比で見た場合にはアメリカの五分の一、イギリスの三分の一という数であり少ない現状であることが理解できます。
 日本医師会が全国の五千五百四十の病院を対象に行った医師確保のための実態調査によると、不足する医師の第一位が病理医で不足率は七三・五%となっています。現在静岡県内で病理医が常勤している病院は一一%であり、本県においても将来的にますます病理医不足が深刻になると思われます。
 病理診断が正確に行えなかったり時間がかかってしまうと患者さんに対して正しいがん治療ができない、患者さんに精神的な不安を与えてしまうことになる、こうした病理医不足の弊害を緩和するために滋賀県ではさざなみ病理ネットを構築し運用しており、我が会派では五月二十三日に滋賀県立成人病センターを訪問しその取り組みについて調査をいたしました。
 さざなみ病理ネットは病理標本をデジタル化しインターネットを活用して検査を行うことにより、県全域における病理診断の迅速化が可能となり、病理医不在の病院にも従来よりも早く検査結果を届けられるようになったこと、情報の共有がスムーズになるため病理医の教育に役立てることができる、何よりも短期間で患者さんに診断結果を返すことができることなどが大きなメリットというお話を伺ってまいりました。
 本県においても、医師不足、医師の偏在など課題がありネットワークを利用した病理検査の体制が必要な地域があるのではないでしょうか。県は本県の病理医の現状をどう認識し課題解決にどのように取り組むのか、所見を伺います。
 次に、企業における多様な人材の活躍促進について伺います。
 生産年齢人口が減少する中、働く場において女性や障害のある方、高齢者など多様な人材が活躍できる社会となることが求められています。経済の活力を維持するためには、企業の生産性を高めるとともに長時間労働の是正や子育て、介護と仕事との両立がしやすい環境を整えるなど働き方を見直さなくてはなりません。さらには病気や不妊の治療を受けながらでも状況に応じ柔軟な働き方ができるよう支援していく必要があると考えます。働く意欲や能力のある人が働き続けられず離職することは、企業にとって損失であり人材の継続的な確保の観点から重要な課題です。テレワークの導入や不妊治療と仕事の両立支援などにより、誰もが働きやすい環境整備をさらに進めていくことが求められています。
 本県は、昨年八月からテレワークの一形態であるサテライトオフィスの試行を実施し県庁の働き方改革に取り組んでいますが、この成果と課題を民間に波及していくことも県の役割であると考えます。障害者の雇用にテレワークを活用する企業や自治体もふえています。また埼玉県ではテレワーク導入など働き方の見直しに取り組む中小企業への奨励金を支給しています。本県においてもこのような制度を創設して企業を支援していくべきと考えますが、所見を伺います。
 私は以前から不妊治療を理由に離職する女性が多いことに対し問題意識を持っており、両立できる環境整備の必要性を強く感じています。東京都は休暇などの不妊治療支援を整備する企業に対し最大四十万円を助成する制度を今年度から始めています。不妊治療と仕事の両立は大きな課題であり、国の統計では治療経験者の約九割が仕事との両立困難と回答していて、勤務先に対し不妊治療のための休暇制度創設を求める声が多く上がっています。
 そこで、県は多様な人材が活躍できる環境整備に向けて今後どのように取り組むのか伺います。
 次に、中小企業の事業承継支援について伺います。
 中小企業庁が昨年まとめた中小企業の事業承継に関する集中実施期間について(事業承継五ヶ年計画)では、今後五年間で三十万社以上の中小企業が経営者が七十歳になるにもかかわらず六割が後継者未定で、七十代の経営者でも事業承継に向けた準備を行っている経営者は半数にとどまる状況が明らかになりました。中小企業の事業承継は喫緊の課題であり、アンケート調査でも経営者の高齢化と事業承継、特に後継者問題について悩む声が多く聞かれます。業種や会社の規模などによって事情は異なりますが人材育成、次世代への技術継承は大きな課題です。
 私は数年前から事業承継、特に後継者不在の問題を議会で取り上げ支援の重要性を訴え取り組みを求めてまいりました。本県では全国で四番目に立ち上げた静岡県事業引継ぎ支援センターによる支援、平成二十八年度からは県の制度融資に事業承継支援資金を開設することで、事業承継に関し少しずつ成果があらわれ始めています。
 静岡県事業引継ぎ支援センターは、後継者人材バンクを全国で初めて設置するなど積極的に事業承継問題の解決に取り組んでいます。私の地元清水区の商店街の老舗である乾物屋さんがこのバンクの紹介で第三者の女性に事業を引き継いだ成功事例は全国的にも注目をされています。この女性経営者は商品パッケージのデザインを工夫したり、乾物を使ったスイーツを提供するカフェを開店するなど新しい発想で事業展開を行った結果、特に女性の関心が高まり中高年中心だった客層が若い世代に広がり売り上げが一・二五倍に伸びたそうです。
 中小企業庁の調査では、経営者が若返った企業は利益率や売上高が向上する傾向にあり事業承継を後押しする意義は大きいと言えます。後継者不在で悩む経営者と後を継ぎたいと意欲を持つ若い世代の方とのマッチングを進め、人材をどう生かすかという観点が重要ではないでしょうか。
 後継者育成にかかる期間は五年から十年とも言われますので、計画的な事業承継に企業が取り組めるよう待ったなしで取り組む必要があります。本県経済を支える中小企業の事業承継支援に県は今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、県産品の海外での品種保護対策について伺います。
 本県は、日本一高い富士山や日本一深い駿河湾を初めとする多様な風土、環境を生かし、お茶やミカン、イチゴ、花卉類、世界農業遺産に認定されたワサビなど生産される農林水産物の数は全国トップクラスを誇り、それぞれの産地を形成しながら質量ともに食材の王国であります。
 一方で、本県の農産品は国際化の進展により海外での需要の拡大も見られることから、国内市場のみならず海外への販路開拓など国内外のマーケットを見据えた取り組みが求められます。
 韓国平昌で開催された冬季オリンピックでカーリング女子代表がもぐもぐタイムで食べていた韓国産のイチゴは、日本のイチゴ品種が流出して現地で交配された品種と見られ、日本の農産品の輸出機会が損失していることが話題となりました。ちなみに二〇一二年以降五年間で、アジア向けの輸出で競合する韓国産イチゴだけで機会損失額は二百二十億円に上ると推計されています。国も二〇一六年度から開発元の農業試験場を抱える自治体などを対象に輸出先の国ごとに必要な品種登録手続の国費負担をスタートさせ、本年四月からは法的な対抗措置の必要性が高まり海外での無断栽培差しとめ請求の費用補助にも乗り出しました。本県農業の振興のため県が本県独自の品種を育成していくことは大変重要でありますが、あわせて本県農産品の輸出拡大に向けて海外での品種保護対策を講じていくことも必要であると考えます。
 そこで、農林技術研究所が育成している品種について海外での保護対策にどのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、食品ロス削減対策について伺います。
 我が国の平成二十七年度における年間の食品廃棄量は、食料消費全体の三割に当たる約二千八百四十二万トンです。このうち売れ残りや期限を超えた食品、食べ残しなど本来食べられたはずのいわゆる食品ロスは約六百四十六万トンとされております。これは世界食糧計画による世界全体の食料援助量の約二倍に相当します。家庭から発生する食品ロスの量はこのおよそ半分の約二百八十九万トンで、四人家族の世帯が毎年約六万円相当の食品を捨てていると見積もられています。
 食料の生産や輸送、廃棄に伴い資源やエネルギーの浪費につながる食品ロスを削減することはCO2を初めとする環境負荷の低減にも寄与することになります。
 二〇一五年に国連で採択された持続可能な開発目標――SDGsでは、十二番目の目標、持続可能な生産消費形態の確保で二〇三〇年までに世界全体の一人当たり食品廃棄物の半減を掲げております。国内でも政府が近く策定する循環型社会形成推進基本計画に家庭系食品ロス量について二〇三〇年度までに二〇〇〇年度の半分にする目標を盛り込む方向で、公明党も自治体に食品ロスの削減計画策定を努力義務として課すことを盛り込んだ法案の国会提出も検討しているところです。
 世界で大量に発生している食品ロスは、外見や鮮度への厳しい要求を満たすためにまだ食べられる食品が廃棄されたり賞味期限を少しでも過ぎれば食べられないと思い込むなど、消費者の行動と簡単に食料を捨てる習慣が根強く残っていることが大きな影響を及ぼしていると思われます。消費者の段階で廃棄を減らしていくには消費者の意識を変える息の長い取り組みが欠かせません。消費者の意識が変われば食品小売業、外食産業を初めとする事業者の行動変化にもつながるのではないでしょうか。
 全国に先駆けて食品ロス削減に向けた取り組みを進めてきた本県ですが、より一層の取り組みを今後どのように進めていくのかお伺いいたします。
 次に、スポーツの振興と部活動のあり方について伺います。
 高校野球県大会を来月に控え、先日組み合わせが決定しました。厳しい練習に耐え夢の実現に向けて戦う高校球児たちにエールを送り、貴重な青春の思い出をつくってくれることを願わずにはいられません。我々議員野球部も夏の大会に向けて頑張りましょう。
 県教育委員会は、昨年十一月部活動の現状を把握するため初めて大規模なアンケート調査を行いました。対象は全日制の公立高校八十七校、政令市を除く公立中学校百七十一校の全教員約九千人と抽出した生徒、保護者それぞれ約三千人です。集計の結果教員の八〇%以上が部活動は生徒の人格形成や社会性の育成に資するとして必要性を認め、生徒や保護者の九〇%以上も肯定的に捉えていることがわかったということです。
 一方で、運動部顧問の取り組みについて、「積極的に取り組んでいる」と答えた教員は四八・四%、「できる範囲で取り組む」が三八・九%、「気が進まないが何とか取り組む」が九・六%、そして「苦痛」と答えた教員は三・二%いて取り組み方に大きな温度差があることが浮き彫りになったと報告されています。
 この調査結果を踏まえて、県教育委員会は本年四月に静岡県部活動ガイドラインを示しました。この中では一日の活動時間、休養日などが設定されており例えば活動時間は中学で平日二時間程度、休日三時間程度、高校は平日三時間程度、休日四時間程度、休養日については中高ともに平日一日と週休日一日の週二日以上となっています。これはあくまで目安ということで強要するものではないということですが、スポーツ庁の方針や県のガイドラインをもとに県内の公立中学・高校は部活動のあり方を決定することを考えると極めて影響力のある指針と言えます。
 野球やサッカーなどのスポーツばかりでなく、吹奏楽部などチームで取り組む文化部活動にとっても練習時間は貴重です。国体で八位以内に入るという大きな目標を掲げる本県においては、常にジュニアアスリートを育成する必要があります。卓球の世界では十二歳までに基本を身につけておかないと選手としての将来はないと言われるそうです。結果を出すためには相応の準備が必要です。
 教員の多忙化解消ということも大切ですが、そのために試合に勝ちたい、大会で入賞したいという生徒の夢を犠牲にしてはなりません。またこのままでは公立学校からはアスリートは育たないという状況になりかねません。
 スポーツの振興と部活動のあり方について、教育委員会の所見を伺います。
 最後に、振り込め詐欺被害防止対策について伺います。
 県内では、依然として振り込め詐欺による被害が後を絶ちません。五月末現在、県内で発生した振り込め詐欺の被害は百八十三件で昨年の同時期より六件多く、被害額は約三千二百万円減少しているものの既に三億円を上回っている状況です。県警察では二〇一三年に全国に先駆けて運用を開始した預手プランによって二〇一七年までの約四年間に約十五億円の被害を防止したほか、その他の金融機関による未然防止と合わせると約二十一億円超の被害を未然に防止しています。しずおか関所作戦では迷惑・悪質電話防止装置によって犯罪グループから加入電話への連絡をシャットアウトする対策を呼びかけており、県内市町などでは機器の購入に補助金を出すところもふえています。
 こうした対策の成果が出ている一方で、最近では現金の振り込みや手渡しにかえて電子マネーを購入させたり、コンビニ窓口で指定された番号を伝えるだけで決済ができる収納代行システムを悪用したものが増加しています。電子マネーをだまし取る手口及び収納代行システムを悪用した手口の被害額は昨年一億五千百万円であり、今年は五月末で既に約一億円となっており昨年を上回るペースとなっています。
 こうした犯人グループの手口の変化に対応して警察がさまざまな対策を講じていることは承知していますが、依然として多くの被害が発生しています。県民の貴重な財産を守るため特に高齢者を狙い、しかも息子や孫の身を案じる家族の愛情を逆手にとる卑劣な振り込め詐欺は許すことはできません。撲滅に向けてさらなる対策の強化が求められます。
 そこで、現在の振り込め詐欺の被害状況と最近の振り込め詐欺の手口の特徴また刻々と変化する犯人の手口に対する県警の被害防止対策の状況について警察本部長に伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 盛月議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、新ビジョンの着実な推進についてであります。
 本年度からスタートした新ビジョンは、基本理念に富国有徳の美しい“ふじのくに”づくり、静岡県をドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点にするとうたっております。人口減少・超高齢社会にあっても県民の皆様の誰もが将来に明るい希望を持って努力をすれば人生の夢を実現し、日々の生活に幸せを感じ平穏無事に暮らすことのできる地域を目指すものであります。
 一方、議員御指摘のとおり本県は依然として人口減少、少子高齢化が進行しており、特に女性を初めとする若年層の転出超過は本県が直面する喫緊の課題であります。将来に向けて活力ある地域を維持していくためには次代を担う全ての子供が大切に育まれ、若い世代を初め女性、障害のある方、高齢者など多様な人材が生き生きと活躍できる社会を実現していくことが極めて重要であります。
 このため、新ビジョンでは八つの政策の一つに子供が健やかに学び育つ社会の形成を掲げております。保育所等の受け入れ枠の拡大に加え育児経験者による子育て家庭への声かけなど市町との連携を深め、安心して出産、子育てができる環境づくりを進めてまいります。また児童相談所の相談体制の強化や生活困窮世帯の学習支援、子ども食堂の担い手への支援等々全ての子供が大切にされる社会づくりに取り組んでまいります。
 さらに、誰もが活躍できる社会の実現を目指します。女性や高齢者が活躍できる職場環境を整備するダイバーシティー経営の導入促進や企業経営者を対象とした働き方改革導入セミナーの開催、女性管理職のネットワーク化による女性登用の促進、障害を理由とする差別の解消に向けたヘルプマークの普及など誰もが活躍しやすい環境の整備と働き方改革を推進いたします。
 県民の皆様一人一人の能力と意欲が発揮され将来に希望が持てるよう、「生まれてよし 老いてよし」、「生んでよし 育ててよし」、「学んでよし 働いてよし」、「住んでよし 訪れてよし」の理想郷の実現に全力で取り組みますので県民の皆様、県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 次に、県庁における女性活躍の推進についてであります。
 県庁における女性職員の活躍推進につきましては、女性職員が出産や育児により職場を離れざるを得ないこともあるため、その対応として仕事と家庭の両立支援をするのは言うまでもありません。また施策立案などさまざまな職務経験を積んでいただく機会を提供する必要もあると考えております。
 こうしたことから、本県では小学校就学後の育児を支援する子育て部分休業、出勤時間を選択できる時差勤務の導入、それ以外に子供連れでも利用できるサテライトオフィスを県内二カ所に設置いたしまして仕事と家庭の両立支援に向けた取り組みを行っております。またロールモデルとなる先輩職員が後輩の成長をサポートするメンター制度――メンターというのは恩師といいますかよき指導者という言葉でございますが――メンター制度を設置いたしまして職員の資質向上を図るための取り組みも進めているところであります。
 今後は、職員がライフサイクルに応じた働き方ができるよう時差勤務の選択肢を拡大いたします。サテライトオフィスの設置場所をふやす検討も始めております。働く時間と場所の一層の多様化を図ることが目的です。人事配置におきましても将来の管理職登用を見据え、若手・中堅職員に重点施策や全庁調整を担当するポストを経験してもらうなど女性職員の活躍を積極的に推進いたしまして、あらゆる分野で女性が活躍できる環境づくりにつなげていこうと考えております。
 副知事の女性の登用についてでありますが、本県ではこれまでお二人の女性副知事を登用し福祉、雇用の分野で力を発揮していただいた経験がございます。今後の選任に当たりましては県政における諸課題の状況を踏まえて女性の登用も常に念頭に置きながら幅広く検討させてください。
 次に、清水港の将来像についてであります。
 清水港は、東名や新東名などの道路網と結ばれた地理的な優位性を誇っております。この地理的優位性を生かし、ものづくり県静岡のものづくり産業や経済全体を支える海の玄関口として発展を遂げてまいりました。また世界文化遺産である霊峰富士を仰ぎ、世界で最も美しい湾クラブに認定された駿河湾に抱かれた日本三大美港の一つとして広く知られておりまして、昨年のクルーズ船の寄港隻数は東海地域では最多の三十八隻を記録したところでございます。
 このような中、パナマ運河の拡張等による船舶の大型化や海上輸送ルートの変化、物流産業における技術革新、クルーズ需要の一層の高まりなど海運、物流を取り巻く世界的な情勢が著しく変化しております。一方問題がないわけではありませんで、清水港ではRORO船の寄港に伴う荷役のふくそうや市民が海と親しみにくくなるなど新しい課題も発生しております。
 このため、県はおおむね二十年後の清水港の将来像となる長期構想を年度内に策定する予定です。策定に当たりましてはこれまでの延長線上ではなくて第四次産業革命と呼ばれるAIやIoTによる技術革新を見据えるものといたします。また去る四月に難波副知事の尽力で設立された清水みなとまちづくり公民連携協議会がございますが、この協議会が地域ぐるみで策定されるはずのグランドデザインと方向性を共有いたします。そして清水港の成長を描く計画としていこうと考えております。
 こうしたことから、港湾関係者に加えて新技術や観光などさまざまな分野の有識者の御意見を伺いトラックの自動運転、隊列走行などにも対応できる物流機能の高度化、クルーズ船に加えスーパーヨットの受け入れ環境の整備、県民の皆様が海や港を身近に感じることのできる快適で美しい水辺空間の創出、折戸湾内の再開発など推進すべき施策の方向性を検討いたします。
 県といたしましては、清水港の将来像をお示し申し上げ着実に実現していくことで清水港がものづくり県静岡を支える経済的物流機能に加え魅力にあふれる交流空間、県民の皆様のいこいの場としても日本を代表する国際拠点港湾としてさらに発展、飛躍を遂げるよう努めてまいります。
 なお、その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(渥美泰一君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 富士山静岡空港の自立経営についてお答えをいたします。
 県では、富士山静岡空港のさらなる発展を目指し公共施設等運営権制度の導入に向けた取り組みを進めており、優先交渉権者に選定をした三菱地所・東急電鉄グループからは航空路線の充実や空港内サービス向上など空港活性化に向けた積極的な提案をいただいているところです。
 運営権制度のもと、長期にわたって空港経営を運営権者に委ねることで民間の経営力や創意工夫が十分に発揮され旅客数の増加や商業施設の拡充などによる収益力の向上が期待されます。また県と指定管理者の業務を引き継いで一体的に運営することなどによる一層の業務効率化が期待されます。これにより空港の運営経費を運営権者が収入で賄うという自立した空港運営が行われることになるほか、空港のさらなる活性化が図られるものと考えております。
 また、県は運営権者を監督、評価する立場となることから、優先交渉権者の提案内容が確実に実行されるよう事業の実施状況を適切に点検、確認をしてまいります。さらに富士山静岡空港は県勢発展に不可欠の社会資本であります。空港運営の直接の収支だけではなくいわゆる内部経済効果と言われる県全体に対する経済効果は大変大きいものがあります。このため県といたしましては今後も交流人口の拡大や本県経済の発展に向け、観光、ビジネス、文化、教育、スポーツなどさまざまな分野における交流や地域づくりを県内経済界や市町、富士山静岡空港利用促進協議会等とともに協力して促進し空港の利用拡大とそれを生かした地域の活性化を図ってまいります。
 県といたしましては、これらの取り組みにより運営権者の自立経営を後押しするとともに、富士山静岡空港が首都圏空港の一翼を担う日本の空の玄関口として、また県内経済の発展に大きく貢献できる社会資本となり地域の活性化に貢献できるよう全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 金嶋危機管理部長。
       (危機管理部長 金嶋千明君登壇)
○危機管理部長(金嶋千明君) 危機管理体制の充実についてのうち、本県への来訪者に対する安全確保策の構築についてお答えいたします。
 来訪者の安全を確保するためには、災害時における適切な情報の提供が極めて重要であります。このため大きな被害が想定される地震・津波については避難の方法がわかりやすい内容となるように全国共通のデザインを用い、周辺の地図や英語等の外国語を併記した標識の普及を図っております。
 外国人観光客に対しては、県から被害状況や道路、交通などの情報をSNSを通じて外国語で提供するとともに、観光庁の外国人旅行者向けアプリ等に必要な情報を提供することとしております。また観光地における避難経路を示した地図の整備を促進するとともに、宿泊施設が外国人を円滑に避難誘導するための研修を実施しております。
 さらに、大規模災害時には外国人を含む観光客の帰宅困難が予想されるため避難施設への誘導、受け入れ方法などを定める市町の観光客災害対策計画の策定支援等を通じて帰宅支援策の充実を図ってまいります。
 県といたしましては、今後の交流人口の拡大を踏まえ市町や観光関係団体等との連携を図り、本県への来訪者に対する安全確保策の構築に取り組んでまいります。
 次に、避難所における要配慮者への配慮についてであります。
 災害時の避難所にはさまざまな事情を抱えた多くの方々が避難することが想定され、中でも避難生活が健康状態に大きく影響する高齢者、障害を持った方など要配慮者に対し生活しやすい環境の確保は大変重要なことと認識しております。このため県では、今年三月に作成した避難生活の手引と避難所運営マニュアルにおいて要配慮者のスペースを用意することや、必要な場合は医療や福祉の専門職の支援を受けながら良好な避難所環境を提供することを記載いたしました。このような取り組みにつきましては、議員から御紹介がありました富士市のほか全ての避難所で要配慮者向けのスペースを確保している三島市の事例もありますが、いまだ県内の一部市町にとどまっており他の市町に広めることが必要と考えております。
 県といたしましては、市町に対し自主防災組織等が中心となって避難所を運営する訓練の実施を引き続き促すとともに、緊急地震・津波対策等交付金を活用して間仕切りや段ボールベッドなどの備蓄促進を働きかけ避難所における要配慮者の生活環境の改善を支援してまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 池田健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池田和久君登壇)
○健康福祉部長(池田和久君) こども医療費助成についてお答えいたします。
 静岡市及び浜松市につきましては、政令市移行時の基本協定において県単独助成事業については原則として市が独自に実施することとしており、こども医療費助成については七年間の経過措置を設けた上で静岡市は平成二十四年度から、浜松市は平成二十六年度から市の単独事業として取り組んでいただいております。今般の制度改正は政令市を含む市長会・町村会から現行のこども医療費助成制度を十八歳まで拡充してほしいとの要望をいただいて行うものであることから、現行制度と同様政令市に対する県の支援は考えておりません。政令市につきましては県と同等の力を有していることから、県内の全ての高校生が医療費の支援を受けられるようにするためにも政令市の理解と協力を得られるよう努力してまいります。
 県と市町が一体となって全県でこども医療費の支援体制を整えることにより、県内どこでも安心して子育てができる「生んでよし 育ててよし」のふじのくにづくりに取り組んでまいります。
 次に、社会的養護の必要な子供の命を守る施策についてであります。
 児童虐待を防ぐための児童相談所と市町との連携につきましては、県では市町や警察署、教育委員会及び医療機関などから構成され全市町に設置済みの要保護児童対策地域協議会へ児童相談所の職員を派遣し、個別事案ごとに情報共有や対応方針の検討を行いきめ細やかな対応に努めております。また市町職員の専門性を高めるために児童相談所で行う子供への支援方針を決定する会議に参加していただくほか、虐待が疑われる場合には市町職員とともに家庭訪問を行うなど、市町と一体となって児童虐待の防止に引き続き取り組んでまいります。
 里親につきましては、制度の理解を深め里子の委託先をふやすため県では里親月間において講演会や里親啓発パネル展の開催などさまざまな普及啓発活動に取り組んでおります。また児童相談所の体制の強化として昨年度は児童福祉司を四名、今年度は五名の計九名増員しております。今後も計画的な増員を図り里親への相談体制の充実を図るとともに、職員に対し家庭的養育の推進の考え方や里親に対する養育技術に関する研修を行うなど職員の資質向上に努めてまいります。さらに社会福祉法人が設置する児童家庭支援センターに里親への専門的な知識を有する専任職員を配置するなどし、里親が直面する子育ての悩みや不安に適時適切に対応できるよう体制を強化いたしました。
 里親と里子の関係を証明する里親手帳の交付につきましては、里親と里子の関係の証明は里子の委託の状況を常に手帳に反映することが難しいことから、まずは里親登録証について関係団体の皆様の御意見を踏まえ利便性の高いものとなるよう検討してまいります。
 県といたしましては、子供の健全育成のため児童虐待の防止と里親制度の推進と充実に努め、全ての子供が希望を持って暮らせるふじのくにづくりに取り組んでまいります。
 次に、性的少数者に対する支援についてであります。
 LGBTと呼ばれる性的少数者の方々に対する理解を促進し偏見や差別をなくしていくことは、静岡県の新ビジョンにおける政策の柱の一つである誰もが理解し合える共生社会の実現に向けた重要な取り組みであると認識しております。県ではこれまで当事者や支援団体の方々を講師に招いて県や市町の職員や教職員、企業担当者等に向けた講演会や研修会を開催し性的少数者に対する理解の促進に努めてまいりました。さらに市町や学校等からの依頼により性的少数者をめぐる人権問題をテーマとした出前人権講座を今年度既に四回実施したところであります。
 県といたしましては、県人権啓発センターを拠点として性的少数者の方々に対する偏見や差別の解消を図るための啓発活動を着実に推進するとともに当事者に寄り添い、その悩みに的確に応えるための支援団体と連携した相談支援体制の充実を図ることにより性的少数者の方々が自分らしく生きることができる社会の構築に努めてまいります。
 次に、ネットワークを利用した病理検査体制についてであります。
 適切な治療と診断のためには病理診断を行う病理医が大きな役割を果たします。本県では平成二十八年十二月末時点で病理医の配置が必須となっているがん診療連携拠点病院を初め二十三施設において病理医五十二人が勤務しております。人口十万人当たりの病理医数は全国一・四九人に対し本県は一・四一人とほぼ同水準でありますが、病理専門医を目指す医師に対して三つの専門医研修プログラムや医学修学研修資金を用意するなど、専門医の取得後も県内に勤務するよう支援を行い病理医の確保に努めております。
 また、本県におきましても病理医が不足している病院があるため、御指摘のありました全県的なネットワークには至っていないものの、浜松医科大学附属病院等では他の病院からの依頼を受け遠隔システムによる手術中の迅速な診断を実施するなどの取り組みが行われております。
 県といたしましては、病理診断を初めとするICTを活用した病院間のネットワーク化を促進し質の高い医療が提供できるよう、関係の皆様の御意見を伺いながら医療機関相互の連携体制の構築を積極的に推進し県内どこでも必要な医療が受けられる体制整備を進めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 天野経済産業部長。
       (経済産業部長 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長(天野朗彦君) 企業における多様な人材の活躍促進についてお答えいたします。
 女性、高齢者、障害のある人など多様な人材が活躍できる環境をつくるためには育児や介護、病気や不妊の治療などにより時間や場所に制約がある人でも柔軟な働き方を選択し働き続けることができるよう、官民を拳げて働き方を見直していくことが重要であると認識しております。
 議員御指摘の例えば埼玉県の奨励金制度につきましては昨年度からテレワークなどに活用範囲を拡大したところと伺っております。一方国におきましてもテレワーク導入を初め企業が行う職場環境整備に対する助成金制度があるため、こうした制度の比較、検証を丁寧に行い本県企業の実情に応じたより実効性のある取り組みを研究してまいります。
 また、不妊治療と仕事との両立など多様な人材が活躍できる環境整備につきましては、経済団体と連携して企業の社内リーダーを養成する講座を今年度新たに開催し、企業の意識改革と主体的な取り組みを支援していくほか働く人がみずからの希望やライフスタイルに合わせた働き方を選択できるよう、テレワークや時間単位の有給休暇の取得などの導入を支援するアドバイザーの派遣事業を推進してまいります。さらに女性や高齢者などが活躍する企業の好事例を就労モデルとして広く発信し、多様な人材がそれぞれの能力を最大限に発揮し生き生きと働くことのできる環境を整備してまいります。
 次に、中小企業の事業承継支援についてであります。
 経営者の高齢化や後継者不足が深刻化する中、雇用の確保やすぐれた技術を継承するためには早い段階から事業承継の必要性について経営者の気づきを促すとともに、それぞれが抱える課題の解決を図り事業承継につなげていくことが重要であると認識しております。県はこれまでに事業承継支援資金で十八件、約六億四千万円の制度融資を行ったほか、昨年度は県、市町、商工団体、金融機関等で構成する事業承継ネットワークを構築いたしました。各機関が連携して全国でトップクラスとなる五千五百六十件の企業訪問を実施いたしまして、後継者の有無に関するアンケートを通じて事業承継の必要性について意識啓発に努めたところです。今年度も引き続き企業訪問を実施するとともに、昨年度に訪問した後継者不在の企業に対する個別支援に取り組んでまいります。また後継者不在に悩む経営者と若い世代とのマッチングが重要であると考え、全国初の試みとして都市から地方への人の流れをつくる地域おこし協力隊を後継者候補とする仕組みを構築してまいります。
 県といたしましては、事業引継ぎ支援センターを初めとする関係機関と密接に連携しながら経営者に寄り添ったきめ細かなサポートを実施いたしまして中小企業の円滑な事業承継を促進し、地域経済の活力維持に努めてまいります。
 次に、県産品の海外での品種保護対策についてであります。
 本県農業の優位性を確保し県産品の国内外への販路を拡大するためには、消費者の嗜好を踏まえた高品質な品種を育成するとともにこれらの品種が許可なく県外に流出することのないよう保護対策を講じることが重要であると考えております。このため農林技術研究所が育成した品種につきましては種苗法による品種登録を行い県が独占的に利用できる権利を確保するとともに、生産者への利用許諾に当たりましては生産地の県内限定や第三者への種苗の譲渡禁止などを徹底し品種の保護対策に努めております。
 また、県が育成した品種の海外流出防止対策として無断栽培に対する種苗の廃棄や栽培の差しとめ等の対抗措置がとれるよう海外での品種登録を進めております。具体的にはイチゴの新品種「きらぴ香」につきまして国の支援事業を活用し、昨年度イチゴ栽培が盛んな韓国、中国などにおきまして品種登録の申請を行い受理されたところであります。
 今後は、世界農業遺産認定を契機に海外で需要が拡大しているわさびの新品種「伊づま」やマーガレットの新品種につきましても登録を進めるなど海外での品種の保護対策に積極的に取り組み、本県農産品の国内外における競争力を強化して農業の振興に努めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 鈴木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 食品ロス削減対策についてお答えいたします。
 本県では、全国に先駆けて平成二十八年度から食品ロス削減のための事業に本格的に取り組んでまいりました。食品ロスを減らすためには県民一人一人が消費行動などにおいて無駄にしない意識を持つことが重要であるため、これまで外食店での食べ残しを減らすキャンペーンや家庭で食品ロス削減を実践する啓発事業などを行ってまいりました。本年度はさらにアプリの活用により、若年層への啓発強化を図るとともに食材を買い過ぎない、使い切るための取り組みも含んだ啓発資料を小学生がいる全家庭へ配布することとしております。
 昨年度行いました県民アンケートの結果では、賞味期限を確認し無駄にしない、食品を買い過ぎないなどの食品ロスの削減行動をとっていると回答した方が七割以上となっております。
 県といたしましては、市町担当者を対象とした食品ロス削減に向けたスキルアップ講座を実施するとともに、県民参加型啓発イベントを市町と共同で開催するほか外食店に料理の仕込み量や提供量の改善を促すことなどにより、食品ロスを発生させないライフスタイルやビジネススタイルの定着に向けて取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) スポーツの振興と部活動のあり方についてお答えいたします。
 本県では、運動部活動への登録率が高く中学生では七割、高校生では五割が入部し生徒の多くがやりがいを持って取り組んでおります。それゆえ部活動は人格形成や社会性の育成に資するものとして評価されております。
 全ての県立高校では運動部を設置しており、全国大会で上位入賞するチームや選手を輩出しております。県教育委員会では教員の指導力向上と合わせ、より高い水準や記録に挑戦したいとする生徒の希望をかなえるため外部指導者の活用にも積極的に取り組んでおります。
 一方、県が策定したガイドラインはスポーツ医科学の見地から適切な休養が練習の効果を上げ、けがのリスクを低下させることなどを踏まえ活動時間や休養日の目安を設けたものであります。各学校ではガイドラインを参考に活動計画をつくり実施しております。こうした取り組みが教員を初め指導者の効率的、効果的な指導に対する意識改革や指導内容の質的向上につながっているものと期待しております。
 県教育委員会といたしましては、今まで以上に効率的、効果的な部活動を実践することにより個人の能力を最大限に伸ばし将来のトップアスリートを育てるとともにスポーツの裾野を広げまさに本県のスポーツ振興に資する部活動となるよう取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 筋警察本部長。
       (警察本部長 筋 伊知朗君登壇)
○警察本部長(筋 伊知朗君) 振り込め詐欺被害防止対策についてお答えいたします。
 振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺の被害状況につきましては、本年六月二十五日時点の暫定値で被害件数二百八件、被害総額三億七千三百九十三万円であり昨年同期とほぼ同水準となっています。刑法犯認知件数が十五年連続で減少を続ける中、振り込め詐欺に関しては減少が見られず、また高齢者が被害者の約八割を占めていることから、県警察といたしましてはその対策を最重要課題の一つと位置づけて取り組んでおります。
 最近の振り込め詐欺では、近隣の駅や首都圏などに被害者をおびき出し現金を直接交付させる手口が目立っているほか、議員御指摘のとおり収納代行などコンビニエンスストアの決済サービスを悪用した犯行も増加傾向にあり、警察の対策をかいくぐるように手口は巧妙化していると言えます。
 こうした実態を踏まえ、県警察では昨年六月からしずおか関所作戦を展開し特殊詐欺の入り口である詐欺電話を遮断する機器の普及を図っておりますが、今後は子供や孫などの現役世代による取り組みを促進するなど社会全体で高齢者を守る機運の醸成を一層図ってまいります。
 また、県内金融機関の御協力のもと預手プランを引き続き実施するほか、キャッシュカードによる振り込みや引き出しを制限する対策では被害実態に合わせた対象年齢の変更など適用条件の見直しを働きかけてまいります。また電子マネーの仕組みを悪用した手口に対しては、コンビニエンスストアの従業員に対し利用客への声かけ訓練を実施するなど、変化する手口に即応した柔軟な対応により被害の防止に努めてまいります。
 県警察といたしましては、県民の皆様を振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺の被害から守るため関係機関、団体、企業との連携をさらに深めていくとともに組織の総力を挙げた対策を講じてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 盛月寿美君。
       (二十五番 盛月寿美君登壇)
○二十五番(盛月寿美君) 御答弁ありがとうございました。
 要望を一点と再質問を四点させていただきます。
 要望ですが、こども医療費助成についてですけれども県と政令市は同等ということで県からの助成は考えていないということできっぱりと答弁があったわけなんですけれども、ここはやはりわかるんですが、このこども医療費の高校生までの拡充と拡大というこの施策は本当に子育て支援策として重要な施策でありますし、川勝知事も本当に強い思いでこの子育て支援としてのこども医療費助成の拡大ということを掲げて取り組んでおられると思いますので、県内全ての人にこの施策が行き渡るようにしていくことが重要だと思いますので、今後の政令市からの申し入れをしっかりと聞いていただいて踏まえていただいて、協議をして政令市においても高校生までの拡充が実現するように県の支援をお願いをしたいと思います。よろしくお願いします。
 再質問は四点ですが、初めに避難所における要配慮者への配慮についてですがこのたび作成した避難所運営マニュアルの中で要配慮者のための場所を確保するということも入れたということで、これを既にもう進んでいる市町もあるよということだったんですけれども、このスペースを場所を確保すればいいというものではないと思うんですね。その場所が本当にそこでまた避難生活が安心して送れるようにするために必要な人のために、具体的にはベッドを用意したりとかエアコンの整備とかそういったところも必要になってくると思うんですが、今後そういうことに対してどんなふうに取り組んでいくのか伺いたいと思います。
 二点目は富士山静岡空港の自立経営についてですけれども、本当に今後富士山静岡空港が大きく育ってもらいたいなという私も希望を持っておりますけれども、今後県は監督する立場となるということで評価をしていくということなんですが、これからも県としては民間事業者に対してその評価したことを意見を言っていけるのかどうかというところをもう一度確認したいと思います。
 それから三つ目は社会的養護が必要な子供の命を守る施策についてですが、先ほど御答弁をいただきまして児童相談所の増員をしたということでありましたが、質、量ともにしっかり進めていただきたいと思うんですが、この中で職員に対して家庭的養護の考え方についてを職員のほうに伝えているという御答弁があったんですが、この考え方というところを明確にお聞きしたいと思うんですが、この考え方というのは養育先を優先順位として家庭と同様の環境に委託するというそういう考え方が明確に職員のほうに伝わっている、打ち出していただいているのかどうかということをお聞きしたいと思います。
 それから四つ目の再質問は事業承継支援についてですけれども、地域おこし協力隊と事業引継ぎ支援センターと連携をして私が先ほど申し上げました若い世代とのマッチングを進めていくということで全国初の取り組みをされるということでございますので、モデル事業として本県のこの成果がしっかりと出るような取り組みをお願いをしたいと思うんですが、地域おこし協力隊の皆さんというのはそもそも地域の外から来ていただいて地域の力を発揮するために協力してくださる、そして移住もしてくださるといいなという形で来ていただいている方々だと思うんですけれども、この地域おこし協力隊の人たちを後継者の候補としてこれからしていくということでありましたけれども、この後継者に、経営者に育成していくというところがすごく大きな課題になると思うんですけれども、この点についてまだこれから始まることですし、いろいろと事業引継ぎ支援センターのほうと協力し合ってやっていくと思うんですがぜひ成功してもらいたいものですから、この地域おこし協力隊を経営者として育成をしていくために今後どんなことを取り組んでいくのかということをもしお考えがありましたらお聞きしたいと思います。以上について答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 金嶋危機管理部長。
○危機管理部長(金嶋千明君) 避難所における要配慮者への配慮についての再質問についてお答えします。
 議員御指摘のとおり、避難所の場所の確保だけではなくて必要な備品、設備等に対してどのように取り組むかということでございます。
 先ほど答弁いたしましたけれども、緊急地震・津波対策等交付金を活用して間仕切り、段ボールベッド等々配慮が必要な方々の生活環境がよくなるような備品等については県のほうでも助成対象としております。ただ設備につきましては、それが実際に交付金の対象になるかどうかについては今後また検討はしていきたいと思っております。
 ただ、いずれにいたしましても避難所の運営訓練をやっている市や町がまだまだ少ない、そういう中でどのような備品等が要配慮者の生活環境の向上に資するものかということもまだまだ要望等も上がってきていないところもありますので、市町に対して今後も訓練を行う中でそのような何が必要かということも県のほうにぜひ情報を上げてもらうように働きかけていきたいと思います。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 林静岡県理事。
○静岡県理事(林 正尚君) 富士山静岡空港の自立経営についての再質問にお答えいたします。
 優先交渉権者からは、路線の拡充や利用者の倍増といった積極的な提案をいただいております。県といたしましてはこうした運営権者の提案が確実に実施されるよう、モニタリングするための組織体制を今後準備してまいります。運営権者の提案内容が確実に実施されるよう事業の実施状況を適切に点検、確認してまいりたいと存じます。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 池田健康福祉部長。
○健康福祉部長(池田和久君) 児童相談所の職員の家庭的養護の考え方に関する研修についてでございます。
 家庭での養護に欠ける児童が、温かい愛情と正しい理解を持った家庭において養育されることにより児童の健全な育成が図られるというこの里親制度の考え方を児童相談所の職員に徹底いたしまして、里親制度に子供を導くような方向で職員の研修を行っていきたいと考えております。以上でございます。
○議長(渥美泰一君) 天野経済産業部長。
○経済産業部長(天野朗彦君) 地域おこし協力隊員を経営者としてどのように育成していくかという点の再質問についてお答えいたします。
 この地域おこし協力隊との連携につきましては、中小企業庁、総務省とも連携いたしまして静岡県、静岡県事業承継ネットワーク及び静岡県事業引継ぎ支援センターがこの承継の一環として連携を模索して初めて取り組む試みでございます。これにつきましてはもともと地域おこし協力隊の皆さんというのは非常に地域づくりについて思いを持った方々、積極的な方でございます。そういった方々をぜひ次の後継者として何とか活用し育成していけないかという趣旨でございますが、当然我々ちょっと想定しているのが小さな企業ということを想定しておりまして、そのためにはまずそこの経営者とこの協力隊の皆様をいかにマッチングさせて、やはり経営能力というのはいきなりはつきませんので、その中で先生も御指摘されたようにやっぱり五年、十年とかかっていきますのでその中でまずはマッチングが大事なのかなというふうに思っておりまして、各機関と連携いたしましてそこら辺のところを一生懸命注力してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
○議長(渥美泰一君) 盛月寿美君。
       (二十五番 盛月寿美君登壇)
○二十五番(盛月寿美君) ありがとうございました。
 一点再々質問をさせていただきますが、社会的養護の必要な子供の受け皿の体制強化についてでございますけれども、先ほど御答弁いただきましたが、はっきりと県職員の共通の認識としてまずは里親さんなどの温かい家庭環境に委託をするということを最優先にするということをしっかりと明確にしていかなければいけないと思うんですけれども、研修を行っていくよ、こういう考え方だよというような少し何かはっきりそこが明確になっているのかどうかということがもう一度確認をさせていただきたいものですから、その点よろしくお願いいたします。以上について答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 池田健康福祉部長。
○健康福祉部長(池田和久君) 児童相談所の職員につきましては最優先に里親を考えるようにしていきたいと考えております。ただし一方で里親を育成していく、こういったものも大事でございますのでそちらのほうもあわせてやっていきたいと考えております。以上です。
○議長(渥美泰一君) これで盛月寿美君の質問は終わりました。(拍手)
 議事の都合により休憩します。
午前十一時五十八分 休憩   

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