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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

曳田 卓 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/22/2023

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 水素需要の拡大に向けた取組について
2 カーボンクレジットの創出に向けた取組について
3 県立美術館開館40周年に向けた取組について
4 沼津牛臥海岸における津波対策について
5 県民の声の令和5年度当初予算への反映について
6 教育行政について
 o 公教育への県民の期待
7 自転車利用者のヘルメット着用に向けた取組について


○副議長(和田篤夫君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、三十三番 曳田 卓君。
       (三十三番 曳田 卓君登壇 拍手)
○三十三番(曳田 卓君) 私は、ふじのくに県民クラブの所属議員として県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長教育部長及び警察本部長に一括質問方式にて質問をいたします。
 初めに、水素需要の拡大に向けた取組について伺います。
 エネルギーは、日常生活や社会活動を維持していくためには欠かせないものですが日本国内には資源が乏しく必要量の多くを海外に依存しているのが実情です。このためエネルギー価格は国際情勢に左右されやすくロシアのウクライナ侵攻を契機として電気料金やガソリン価格が急上昇し我々県民の生活や中小企業等の経営に大きな影響を与える事態となっています。
 一方で、昨年十月に国連環境計画が、各国において温暖化対策をさらに強化しなければ気温が今世紀末までに二・八度上昇する旨の報告書を発表するなど地球温暖化対策も待ったなしの状況です。県においてもふじのくにエネルギー総合戦略を策定し、二〇五〇年カーボンニュートラル社会の実現を目指し省エネや再生可能エネルギーの導入などの施策に取り組んでいると承知をしております。
 このような中、全てを海外からの輸入に頼ることなく確保できる上に使用するときに二酸化炭素を排出しない水素は次世代のエネルギーとして注目を集めています。水素は輸送や発電、産業といった多様な分野の脱炭素化に寄与するカーボンニュートラルに不可欠なエネルギー源であり、一昨年閣議決定された国のエネルギー基本計画でも二〇三〇年の電源構成に初めて位置づけられるなど社会実装の加速化が求められています。県内においても車両等に水素を充填するための水素ステーションの整備が各地で行われています。
 また、清水港や富士山麓周辺では民間企業が中心となり水素や再生可能エネルギーを活用した自立・分散型エネルギーシステムの構築が進められるなど水素の社会実装に向けた取組が少しずつ進んでいると聞いております。しかし新たなエネルギーであるがゆえに現時点では既存のエネルギーよりも割高であり需要をいかに拡大し価格を低減させていくか課題であると考えます。
 そこで、今後県内においてどのようにして水素需要を拡大し社会実装につなげていくのか、県の所見をお伺いをいたします。
 次に、カーボンクレジットの創出に向けた取組についてお伺いをいたします。
 知事は令和三年二月二〇五〇年までに脱炭素社会実現を目指すことを表明し、県では温室効果ガスを二〇三〇年までに四六・六%削減するという目標を達成するため官民を挙げて脱炭素化に取り組んでおります。多くの二酸化炭素を排出する産業分野において省エネの取組や再生可能エネルギー導入を積極的に進めていくことが重要であります。
 一方で、削減努力をしてもどうしても排出される温室効果ガスについて排出量に見合った削減活動に投資することなどにより埋め合わせるという考え方がカーボンオフセットであります。温室効果ガス削減目標を達成するためにはこの制度を併せて活用していくことが不可欠であると考えます。
 国は、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用などによる温室効果ガスの削減量や適正な森林管理による二酸化炭素の吸収量を売買可能なクレジットとして認証するJ―クレジット制度を平成二十五年度から立ち上げ、環境と経済の両立を目指し制度の活用を進めています。しかし環境意識の高まりによりクレジット購入ニーズは多いものの、認証のための費用負担や制度の認知不足などによりクレジットの創出が追いついておらず供給が不足しているのが実情です。
 また、事業者の関心が薄いことに加えて費用対効果に問題があり中小企業が単独で取り組む場合にはコスト回収が難しいという現状もあると伺っております。農業、森林、海洋、商工業などあらゆる産業分野においてカーボンクレジットの導入を促進していくためには、県としてそれぞれの産業分野における課題を認識し取組を促す施策を強化していく必要があると考えます。
 そこで、今後県内においてどのようにカーボンクレジットの創出促進に取り組んでいくのか、県の所見をお伺いいたします。
 次に、県立美術館開館四十周年に向けた取組についてお伺いをいたします。
 コロナ禍においては、文化芸術活動が制約され芸術家はもちろん楽しみを奪われた一般の人々にとっても苦しい日々が続きました。現在は移動や交流などの社会経済活動の制限が緩和され新型コロナウイルスとの共存の道が模索されており、音楽イベントや舞台、祭りなどを楽しむ機会も増えてまいりました。改めて文化芸術は日々の暮らしに活力と潤いを与えてくれるものであって、不要不急であるとして排除されてはならないものだと認識をしたところであります。
 このような中、令和八年に開館四十周年を迎える静岡県立美術館では、令和四年三月に令和四年度から令和八年度までの五か年計画が策定されました。計画では四十周年に向け、四十周年を記念する作品の収集とともに記念展の開催に向けて計画的な準備をしていくとされています。
 コロナ禍の影響やデジタル化の進行、戦争や自然災害による文化資源の逸失など美術館を取り巻く環境は変化し続けております。私は文化芸術には感動を呼ぶ力があると信じておりますが、文化芸術に寄せる人々の思いや期待は様々であろうと思います。またそれらの思いや期待は社会経済や各人が置かれた環境により影響を受けることから一定ではありません。
 現在は国を挙げて文化財の保存、活用に力を入れておりますが、明治維新後の神仏分離令による廃仏毀釈運動では歴史ある寺院の仏像、古文書、建造物などの破壊や海外流出が起き多くの貴重な資源が失われました。最近では令和七年春に県立美術館を開館する予定の鳥取県で収蔵品の収集をめぐり議論があったところです。私は、県立美術館の収蔵品収集や企画展には県が文化芸術にどのような姿勢で取り組むのかが表れるものと考えます。
 そこで、県は県立美術館開館四十周年を迎えるに当たり県の考えを周知し県民の皆様の理解を得ていく必要があると思いますが、どのような方針で作品を収集し企画展に向けた準備を行っていくのかお伺いをいたします。
 次に、沼津市沼津牛臥海岸における津波対策についてお伺いをいたします。
 今年に入り政府の地震調査委員会は南海トラフ巨大地震の二十年以内の発生確率を更新し六〇%程度としました。南海トラフ巨大地震が発生すると本県から宮崎県にかけての一部で震度七になる可能性があるほか、関東地方から九州地方にかけての太平洋岸沿岸の広い地域に十メートルを超える大津波が襲来することが想定されています。
 県が公表した第四次地震被害想定によれば沼津牛臥海岸に来襲するL1津波は既存の堤防を乗り越えてしまうことが判明したため、県においては地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に沼津牛臥海岸の津波対策を位置づけ平成二十六年度から既設の堤防や牛臥水門のかさ上げ工事に着手し現在まで続いております。いつ発生してもおかしくない巨大地震から住民の安全・安心を守るため沼津牛臥海岸の津波対策の一日も早い完成が望まれます。
 沼津牛臥海岸は、駿河湾に面した沼津港海岸の東の端から静浦漁港海岸の西の端に至る約一・三キロメートルの海岸で、海岸に面してほぼ中央には平成二十八年度に国の名勝に指定された旧沼津御用邸苑地を有する沼津御用邸記念公園、西には大地の成り立ちが分かる伊豆半島ジオパークのジオサイトとなっている牛臥山公園が立地しています。松林と砂浜が調和する優れた海岸景観を有し海水浴や魚釣りのほか堤防上のウオーキングなど市民や訪れる人々のレクリエーションの場、ふれあいの空間として親しまれております。
 隣接する沼津港海岸の津波対策工事は完了のめどが立っていることもあってか地元住民からは、沼津牛臥海岸の工事がずっと続いているため海岸を長期間利用できないことへの不満をよく聞きます。御用邸が建てれるほどの風光明媚な景観に配慮しながら工事が進められていると聞いておりますが、地元住民には何のためにどういった工事がいつまで行われる予定なのか御存じない方が多いように感じます。地元住民に対し正しい情報をしっかりと周知していただきたいと思います。
 地震・津波対策アクションプログラム二〇一三は今年度で終了し、来年度からは新たな計画に基づいて県内各地の津波対策を進めていくと聞いております。沼津牛臥海岸の津波対策について地元住民の要望も踏まえて早期に整備を進めていく必要がありますが、現在の状況と今後の方針についてお伺いをいたします。
 次に、県民の声の令和五年度当初予算への反映についてお伺いをいたします。
 当初予算編成に当たっては県内三十五市町をはじめ県内の様々な団体から多くの要望が寄せられます。その要望は団体等に所属する様々な県民の声を反映したものであります。
 一方で、県民の大多数は直接自分の要望を伝えることすらできません。しかしながらそれぞれの方が困難や苦しさを抱え少しでも不安が解消することを願っています。その思いを署名という形で託す方もいます。このように様々な手段により寄せられる県民の思いに対して県当局は真摯にその声を聞き実態を把握し予算対応の可否を検討する責務があります。
 大きな声は出せないけど、こうなったらいいなというか弱き声なき声に耳を澄まし拾い上げて県に伝えていくのが我々議員の仕事であります。このような声に県当局の皆さんも心して県政運営を進めるべきであります。声が大きく目立つものを優先するのではなく真に県民にとって大切なものを見極める目が当局にも必要です。
 また、県の行う事業には様々な形があります。華々しく立ち上げるイベントやマスコミに取り上げられる新規事業などもあれば、目立つことはなくても取組を継続することにより一歩一歩着実に成果を積み上げていく事業もあります。特に県民の意識改革を醸成するような取組はすぐに成果は出ませんが毎年少しずつ進化しながら地道に県民に働きかけることが重要です。世間の注目は華々しい新規事業に目が行きがちですが、県民にとって大切な地道な事業こそ確実に継続していけるよう配慮が必要だと感じます。
 コロナ禍以降の厳しい財政状況の中、県民から寄せられた要望を全て実現することが難しいことは誰もが承知しているところであります。また既存事業の見直しは不可欠ですが県民にとって大切な地道な事業の継続にも心を配る必要があります。限られた財源の中で県民の求める様々な施策、事業に対して県はどのような視点でその必要性を検討し当初予算を編成したのかについて説明する責任があると考えます。
 そこで、県は令和五年度当初予算編成に当たり県民の実態をどのように把握しその声なき声を集め予算編成に反映したのかについて、その見解をお伺いいたします。
 次に、教育行政についてのうち、公教育への県民の期待に関してお伺いをいたします。
 静岡県教育委員会は言うまでもなく県の公教育をつかさどる組織であります。静岡県の教育の中でも県立学校の教職員については全面的に県の責任において管理運営を行っています。
 一方で、小中学校の教職員は市町が勤務管理などについて権限があるものの、県が任命権者となっていることから県が責任を持って指導助言を行う必要があります。
 県内の公立小中学校等の児童生徒数は約二十六万九千人、県立の高校、特別支援学校で学ぶ生徒は約六万人です。県民は静岡の教育と聞いてすぐに思い浮かぶのは人数でいっても小中学校等の子供たちではないでしょうか。そして県民の期待も小中学校等の子供たちにしっかり学力をつけてほしい、運動も頑張って元気に過ごしてほしいという願いが強く感じられます。
 働く仲間で組織する連合静岡と静岡県教職員組合では、県内小中学校等に対する豊かな教育環境の整備を求める署名活動を繰り広げて二十年になります。毎年約二十二万筆に及ぶ趣旨に賛同する県民からの貴重な一筆一筆を集め県知事、県教育長に提出をしております。これまでの総数は何と四百四十七万筆を超え県民人口を上回るほどとなっており、県民の声なき声の集結であります。
 この署名の長年の成果として、県は静岡式三十五人学級の導入をはじめスクールサポートスタッフの配置など国に先駆けた施策を進めてきました。しかしながら学校現場の疲弊は増すばかりです。多様化する児童生徒、保護者への対応やクラスに数パーセントいると言われている特別に支援を要する子への配慮にも追われています。さらに進化するICTにも対応しなければなりません。一番大切な授業のための教材研究が勤務時間中にはとてもできない現状です。
 こういった状況がマスコミ等で報道されることもあり教員を志す若者が年々減少しています。魅力のない学校には人も集まりません。状況が今後も改善されないままでは質の良い教育を進めることができず子供たちへの影響がたいへん危惧されます。まさに静岡県の公教育の危機であると言っても過言ではありません。
 特に義務教育は静岡県の全ての子供たちを受け入れる場所です。貧困であろうと外国籍であろうと障害があろうとどんな子でもクラスの中では平等です。まさに誰一人取り残さない公教育の具現化の場となっているのです。
 そこで、教育長は就任されて一年を迎えようとしていますが静岡県の公教育に対する県民の期待についてどのように捉え課題解決を図ろうとしているのか伺います。また特に県内義務教育の現場で働く約一万二千人の教職員の任命権者として実態の課題解決についてどのような方策を取るのかお伺いをいたします。
 最後に、自転車利用者のヘルメット着用に向けた取組についてお伺いをいたします。
 今年四月から全ての自転車利用者にヘルメット着用を努力義務とする改正道路交通法が施行されます。これまで道路交通法では十三歳未満の児童にヘルメットを着用させることを保護者の努力義務としていたほか、静岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例では自転車通学の小中学生に対してヘルメットの着用を義務づけていましたが、今後は全ての世代が対象となるわけで努力義務とはいえ大きな対策の強化であります。こうした背景には自転車事故における頭部損傷リスクの高さがあります。
 県警察によれば、平成二十五年から令和四年の過去十年間の県内自転車事故死者の致命傷となった損傷部位のうち頭部の損傷は百七人と全体の約七割に上ります。またヘルメットを着用しないで自転車事故に遭った場合の致死率はヘルメット着用時の約三倍になるとの分析もあります。実際昨年自転車事故で亡くなられた八人のうちヘルメットを着用していたのは僅か一人で七人の方はヘルメット非着用であり、ヘルメットを着用していれば助かっていた方もいたのではという思いを抱かずにはいられません。
 このように自転車事故において大きな効果が期待できるヘルメットの着用ですが、現状ではヘルメットを着用して自転車で通学する中学生の姿はよく見かけるものの他の世代には浸透しているとは言い難い状況にあります。特に自転車事故全体の約二五%も占める高校生に対しては具体的な着用率向上方策を教育委員会等と一緒になって講じる必要があります。
 例えば、ヘルメットを高校で購入して貸し出しする、ヘルメットのサブスクリプションなどの導入について考え公立高校にモデル校を指定するなどの具体的な取組や、他県のようにヘルメットの着用義務の対象に高校生も含めるよう条例を改正する必要などについても議論していくべきと考えます。
 改正法の施行まで一か月余りとなっていますが、制度が変わるこのタイミングは幅広い世代にヘルメット着用を呼びかける大きなチャンスであると考え、県警察としてヘルメット着用率の効果的な向上にどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。以上、答弁を求めます。
○副議長(和田篤夫君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 曳田議員にお答えいたします。
 カーボンクレジットの創出に向けた取組についてであります。
 温室効果ガス削減量をクレジットとして認証し取引できるようにすることで環境と経済の両立を図るカーボンクレジット制度につきましては、県としても大いに注目しているところであります。
 これまで、榛南海域をモデルとして二酸化炭素吸収源となる藻場の面積計測手法を開発いたしまして、面積と二酸化炭素吸収量の精度を高めることでブルーカーボンの認証につなげていく取組を行ってまいりました。来年度は全ての産業分野にこうした二酸化炭素の削減量を明確にする取組を普及することによってカーボンクレジットへの登録数を増やすなど静岡県産のカーボンクレジット創出を図ってまいります。
 具体的には、農業分野では茶草場農法で栽培する茶園の炭素貯留量の多さに着目し茶園年間管理における二酸化炭素収支の算定などに取り組みます。森林分野では三次元点群データを活用して二酸化炭素吸収量を簡便に算定する手法により県営林のみならず林業経営体のクレジット認証を進めることといたします。今後クレジット制度の理解を深めた上で認証される二酸化炭素吸収量の増加を目指してまいります。
 また、今年度設置いたしました企業脱炭素化支援センターを活用してセミナー開催などによる脱炭素化の普及啓発をはじめ、省エネ支援員の派遣によるZEBなどの省エネ化の推進、温室効果ガス排出削減計画の作成の支援などを行うことにより中小企業におけるクレジット認証・登録を後押ししてまいります。
 こうした取組によりまして、現在需要側のニーズが高まっている中、不足する県内クレジットの絶対量を増やし将来的には県内で創出されたクレジットを県内の企業等のカーボンオフセットに利用する、言わば環境価値の地産地消につなげて環境と経済が両立した地域づくりを進めてまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(和田篤夫君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 県立美術館開館四十周年に向けた取組についてお答えいたします。
 県立美術館は、昭和六十一年の開館以来富士山をモチーフにした作品を含む山水・風景画を作品収集方針の中心としつつ現代美術や本県ゆかりの作家・作品、近代以降の彫刻作品など幅広い分野にわたるコレクションを形成するとともに、研究成果を生かした多彩な展覧会を開催しこれまで六百二十万人を超える観覧者をお迎えしてまいりました。昨年三月には開館四十周年に向けて五か年計画を策定し基本理念に、県立美術館は創造的で多様性に富んだ社会の実現のために存在すること、人々が多種多様な美術表現を体験し新たな価値と出会い考え理解し合う場を提供するとともに学校や地域社会との連携を積極的に目指すこと、活動の基盤としてコレクションを位置づけ成長させ未来へと伝えることなどを掲げ今後の実施方針を定めております。
 コレクションにつきましては、これまでの収集方針に基づき山水・風景画を中心に記念となる作品、長く美術館の顔として県民の皆様に愛されるような作品を計画的に収集してまいります。また企画展につきましては、四十年にわたって収集したコレクションを核に学芸員の自主企画による展覧会の充実を図り調査研究の成果を広く県民の皆様に還元してまいります。
 令和三年度の開館三十五周年事業では、多彩なコレクションにまつわるストーリーを学芸員の視点で解説しその魅力を紹介した企画展を開催いたしました。来館者アンケートでは収蔵品を深く掘り下げてみせたことに高い評価を頂いたところであります。四十周年記念事業では、多様性を重視した新しい切り口などさらに企画に工夫を加え現代を生きる人々の心の糧となるような周年事業にふさわしい展覧会を目指して準備を進めてまいります。
 近年のデジタル技術の進展などを背景に美術の表現や発表のスタイルが多様化する中で、アーカイブの構築などデジタルと本物と出会い五感で感じるリアルな体験の融合が改めて重視されるなど美術館に求められる役割も変化しております。今後も県民の皆様の様々な声、御意見を伺いながら県立美術館が多くの皆様に理解され愛され続ける存在となるよう節目となる四十周年に向けて取組を進めてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 増田経済産業部長。
○経済産業部長(増田始己君) 水素需要の拡大に向けた取組についてお答えいたします。
 水素エネルギーはクリーンなエネルギーとして幅広い産業分野での活用が期待され、昨年度策定したふじのくにエネルギー総合戦略におきましても水素エネルギーに関する理解促進や県内企業による関連産業への参入支援を通じ社会実装を進めることとしております。
 一方で、水素エネルギー普及のためには割高な価格が課題となっていることから当面水素を供給する施設を充実させるとともに、水素を利用したバスやトラックなどのモビリティーを普及させることで需要を拡大し価格を低減させていくことが有効であると考えております。
 県では、平成二十八年度から水素ステーションを整備する民間事業者に対して継続的に支援しており、現在県内五か所目のステーションが沼津市内に建設中であります。加えて来年度は水素を利用した燃料電池バスを導入する事業者に助成することとしております。
 水素エネルギーの活用はカーボンニュートラル社会の実現に欠かせないものであり、国や民間事業者などにおいて様々な取組が行われております。県におきましてもこうした動きに呼応し引き続きモビリティーを中心に需要の拡大に向けた取組を強力に進めてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 沼津牛臥海岸における津波対策についてお答えいたします。
 全体延長約一・三キロメートルの沼津牛臥海岸の津波対策は、静岡県地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に基づき現在の高さ六メートルの海岸堤防及び水門を最大で七・九メートルにかさ上げするもので、平成二十六年度から国の交付金事業を活用し工事を進めております。
 当海岸は地域の皆様のウオーキングや散策等の場としてにぎわっており、また沼津御用邸記念公園が隣接することから県内外からの観光客が富士山の眺望を楽しむ場としても利用されております。こうした海岸の利用状況を踏まえ施工中の安全確保と早期完成のため堤防利用を制限させていただきながらかさ上げ工事を進めております。
 事業の進捗状況につきましては、今年度末時点で約一・一キロメートルが完了し、今後は整備効果の早期発現のためまずは令和六年度までに堤防のかさ上げを完了させ、その後牛臥水門のかさ上げを行い令和八年度中の事業完了を目指してまいります。また整備に際しては引き続き地域の皆様や海岸利用者には事業の進捗状況や完成時期、迂回路等のきめ細かな情報を提供してまいります。
 県といたしましては、地域の要望も踏まえ事業の一日も早い完成に向けて次期津波対策アクションプログラムに当海岸を位置づけ引き続き必要な予算の確保に努め津波に強い安全で安心な地域づくりを推進してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 石川政策推進担当部長。
○政策推進担当部長(石川英寛君) 県民の声の令和五年度当初予算への反映についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、県民の皆様の声を丁寧に聞き施策に反映することは県民幸福度の最大化を目指す上で大変重要であると認識しております。県民のニーズは刻々と変化する現場にあります。現場に赴き直接声を伺い現場に即した施策を立案する現場主義を全庁で徹底し県民の皆様の様々な意見を把握するよう努めております。
 令和五年度当初予算編成におきましても現場に精通している各部局が市町や県内の各団体等の御意見をしっかりと把握しその上で財政担当部局としても各部局と予算調整を進めました。また県民の声を直接お聞きしている県議会の各会派の皆様からの御要望も十分に踏まえ可能な限り当初予算に反映したところであります。
 具体的には、県民の命を守る地震・津波対策や身近な道路や河川等の生活環境の整備、子供の安全対策、物価高騰対策、教育環境の整備など県民の安全・安心の確保や暮らしの支えとなる事業を重点的に選択いたしました。さらに将来的な本県の発展を見据えて脱炭素化やデジタル社会の形成に向けた予算なども盛り込んだところであります。
 厳しい財政状況の中ではありますが、様々な機会を捉えて県民の皆様の声を丁寧に把握し県民本意の予算編成を徹底することで誰一人取り残さない富国有徳の美しいふじのくにを実現してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 教育行政についてお答えいたします。
 公教育への県民の期待についてでありますが、全ての子供たちの健やかな成長を保障する公教育は本県教育の基本理念である誰一人取り残さない教育の実現の根幹をなすものであり、寄せられる期待とそれに応えるべき教育行政の責務は非常に大きいと認識しております。
 本県の学校教育を取り巻く環境は、議員御指摘のとおり様々な背景を持つ児童生徒、保護者への対応や特別な支援を要する児童生徒の増加、ICTの活用などにより多様化、複雑化しております。教育長に就任して以来、機会を捉えて小中学校へも足を運ぶ中で児童生徒の生き生きとした活動の後ろには教職員の時間や労力を惜しまない真摯な取組があることを実感した一方、コロナ禍の中で教職員に余裕がなく負担が増えていることもまた事実であります。
 このため、まずは学校における働き方改革として教員と事務職員の役割分担を見直す学校事務再編や校務のDX化を推進するとともに、業務改善の好事例を県内全校に周知し教職員のさらなる負担軽減を図ってまいります。あわせて多様な児童生徒に対応する教職員を支援するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門的な外部人材の拡充を図り教職員と共にチーム学校として活躍できる環境を整えてまいります。
 さらに、教職員配置につきましてゆとりを持って児童生徒へ対応できるよう、国に対して教職員定数の改善や学級編制基準の引下げを強く要望していくとともに、来年度は在籍者数が急増している特別支援学級について少人数教育を試行する実証研究を行いその成果等を基に引き続き検討してまいります。
 県教育委員会といたしましては、県民の皆様の期待に応えるため学校や市町教育委員会と連携して教職員の働きやすい環境を整えながら個に応じた支援を充実させ、全ての子供たちが幸せや生きがいを感じられるウエルビーイングの実現を図ってまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 大原警察本部長。
○警察本部長(大原光博君) 自転車利用者のヘルメット着用に向けた取組についてお答えいたします。
 自転車の交通死亡事故を抑止するためにはヘルメットの着用は不可欠であると認識しております。県警察では、着用を促す取組としまして頭部保護の重要性やヘルメットの被害軽減効果について理解していただくよう動画による広報や模擬実験を行う交通安全教室、県下一斉の街頭広報などを行っております。
 また、通学などで利用機会が多く自転車事故の四分の一を占める高校生に対する着用促進は大きな課題であります。したがいまして先般から教育委員会や知事部局など関係機関・団体とヘルメットの確保や交通安全教室の開催方法などについて協議を開始したところであり、そうした協議に基づいて具体的な取組方策をできるだけ早期に策定してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 曳田 卓君。
       (三十三番 曳田 卓君登壇)
○三十三番(曳田 卓君) それぞれに御答弁頂き、ありがとうございました。
 ぜひですね、答弁のとおりにまた各施策の実現に取り組んでいっていただきたいと。特に一番と二番いわゆる水素とカーボンクレジットこれまさにセットでございまして、先日もテレビ朝日の報道で南極大陸への随行のずっと番組見てまして、まさに南極の氷溶けてるんですよね。ああいうのを見ると本当に待ったなしという、やっぱり感じを覚えます。それから例えば北極の氷もそう、やっぱり溶けてるわけですよ。これ将来的にどうなるかっていったら水位が上がるから結局今の防潮堤の工事は間に合わない。もう実際そういうことが現実に起こっているわけですから、ぜひこれはそういうことを見据えて着実に進めていっていただきたいと思います。
 それから県立美術館の件でございますけれども、先ほど出野さんから頂きました。私質問の中でですね、感動という言葉使いましたけれども、いわゆるその感動という言葉はキーワードであろうと。やっぱり人間、何かこうはっとすばらしいなと、こういうものを見たときにいろんなやっぱり行動のパターンが出てくると思うんですね。
 ブリヂストン美術館というブリヂストンタイヤの石橋正二郎さんが創設した美術館ですね。これがですね、実はそこに碑が刻んであるんですね。そのときに、その碑にこう書いてあるんですね、世の人々の楽しみと幸福のために。人間はただ生まれてから死ぬまでそれだけじゃなくて楽しく幸せに暮らしそして生きがいを持つことも大切。そのために文化的な生活を送ることが大事であると。文化の発展が明るい社会をつくると。まさに名言だと思うんですがぜひですね、最近のちょっと県立美術館のいろんな企画展見てましてもなかなかこういう部分のところがちょっと欠けてるような気がしますんで、改めてその件については要望をいたします。
 そして、五番目のいわゆる予算の反映、県民の声ですね。これは先日も昨年十二月議会でですね、例の太陽光の林地開発許可の取消しの請願がございますけれども、もう一回それを見直してみますと要するに、私たち柿沢川流域の住民は大きな苦痛を感じています、ここに柿沢川に住まう者として地域住民の生命と財産を守る立場からと、こういう話をするわけですね。これは議会で当然採択したわけです。これはですね、やっぱり私が言っているように本当に県民の声なんですよ。ですからこれをただ法律がこうだからということで果たして解決していいものかどうか。私もその件については一生懸命なるだけ期待に添えるように頑張りたいと思いますけれども、ぜひ当局においても何のために法律があるのかそこを考えて事業を執行していっていただきたいと思います。よろしくお願いします。以上です。
○副議長(和田篤夫君) これで曳田卓君の質問は終わりました。(拍手)

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