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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

木内 満 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/07/2022

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 静岡県の医師不足と医師の偏在解消に向けた取組について
(1)医師の偏在解消に向けた取組
(2)高校生の医学部進学者数向上に向けた取組
  ア 県立高校における医学進学コースの設置
  イ 私立高校における医学進学支援策
2 静岡県の家畜防疫体制について
3 国道469号の整備について
4 都市計画道路田中青木線静岡県整備区間について
5 多様な学びの確保について


○副議長(和田篤夫君) 次に、十七番 木内 満君。
       (十七番 木内 満君登壇 拍手)
○十七番(木内 満君) それでは、知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に一括質問方式で伺います。
 初めに、静岡県の医師不足と医師の偏在解消に向けた取組についてのうち、医師の偏在解消に向けた取組について伺います。
 本県の人口十万人当たりの医師数は令和二年度時点で二百十九・四人と平成二十六年度時点の百九十三・九人と比較して絶対数の増加は見られるものの、他都道府県との比較では四十位前後という状況は変わりません。また東部、中部、西部で比較すると中部の二百二十三・八人、西部の二百三十・九人に対し東部は二百五・〇人と東部地域で相対的に医師が不足している状況は完全に定着しています。二次医療圏別には特に賀茂と富士で医師不足が顕著であり、改善も見られないのが現状です。
 静岡県は、医師不足解消と医師の偏在解消を目的としてふじのくにバーチャルメディカルカレッジという仮想医科大学を運営し静岡県医学修学研修資金制度をはじめとする事業を通じて医師不足と医師の偏在解消に取り組んでいますが、これらの諸施策が医師の偏在解消に十分寄与できているかといえば現時点では偏在解消には十分な効果が出ているとは言い難い状況です。
 令和四年度現在、静岡県医学修学研修資金制度の返還免除勤務期間中の医師は県内に三百三十八名、うち東部で勤務している医師は六十二名、割合にして一八%にとどまっています。現行の医師確保計画の基準年となる平成三十年度時点と比較すると、当時は東部で勤務する医師は医師二十五名と絶対数でいえば倍増以上の状態にありますが割合では平成三十年時点が一五%と僅か三ポイントしか改善できていません。奨学金を受給したからといって医師に勤務地を強制することはできないことは当然ですが、本事業の趣旨から考えれば、医師の偏在解消に十分に寄与していない状況がこれ以上続くようであれば静岡県医学修学研修資金制度の在り方を含め大幅に見直すべき時期に来ているのではないかとも考えます。またそもそも東部地域の病院が医師から選ばれる病院になるよう魅力向上や働きやすさの向上を具体的に県が支援していかない限り本質的な医師の偏在解消にはつながりません。
 これらを踏まえ伺います。静岡県医学修学研修資金制度被貸与者の勤務地の地域偏在解消に向け、医師の偏在解消という目的に照らし今後同制度の運用をどのように改善し地域偏在の解消を行っていくのかお答えください。
 また、東部地域の病院が医師から選ばれやすくなるよう魅力の向上や働きやすさの向上に向けどのように取り組んでいくのかお答えください。
 次に、静岡県の医師不足と医師の偏在解消に向けた取組のうち、高校生の医学部進学者数向上に向けた取組のうち、県立高校における医学進学コースの設置について伺います。
 医師偏在とは別に、医師確保の根本的な問題として人口規模に対する医学部医学科進学者が少ない本県の状況があります。県内高校卒業生の医学部医学科進学状況を見ると平成二十三年度から令和二年度にかけておおむね百五十人から二百人程度で推移しています。そこで静岡県の人口規模から想定される医学部医学科進学者数と実際の進学者数を比較しますと令和二年度は想定二百六十八人に対し百九十七人、平成二十九年度は想定二百七十三人に対し百五十三人が進学しており、年度によっては百人以上の差が出ている現状があります。
 医師不足の割合が全国で二番目に高い茨城県では、平成三十一年度入学生からを対象として県立学校五校で医学コースを設置し医師を志す若者の医学部進学の夢を応援し将来の茨城県の医療を担う医師養成を図っているところです。茨城県知事も言っておりますが県内出身者は大学卒業後に県内で働く可能性が高いと思われます。当然です。静岡県も同様に県内高校から医学部医学科へ入学する若者を増やすべきと考えます。
 こうした中、静岡県教育委員会では新しい時代に対応した魅力ある高等学校を実現するため新時代を開く高校教育推進事業を実施していますが、その中でオンリーワン・ハイスクール事業のイノベーション・ハイスクールU類に指定した沼津東、静岡、浜松北の三校において医療人材育成に向けたカリキュラム研究を実施しているところであり今後が期待されます。しかしながらこれらの三校がある地区は人口十万人当たりの医師数がいずれも県平均を上回っており、医師が少ない地域における県立高校でこそこの事業を実施していくべきではないでしょうか。
 これらのことを踏まえ県立高校における医学進学コースの設置を推進していくべきと考えますが、オンリーワン・ハイスクールの取組の成果とその成果を今後どのように生かしていくのか、医学進学コース設置の可能性と具体的取組内容をどのように検討しているか、医師の偏在解消という観点を踏まえどの地域で今後医学進学コースの設置を検討していくのかについて答弁を求めます。
 次に、静岡県の医師不足と医師の偏在解消に向けた取組のうち、高校生の医学部進学者数向上に向けた取組のうち、私立高校における医学進学支援策について伺います。
 茨城県では県立高校への医学コース設置と並行して私立高校での医学進学支援策を実施しました。当初は過去三年の進学実績に応じ一人十万円の補助金を出していました。現在は医学部進学者数を点数化し経常費助成の加算に組み込んでいるようです。公立高校での取組と並行して私立高校での取組に対しても県が明確な支援姿勢を見せることで、静岡県を挙げて高校生の医学部医学科進学者数の増加に取り組んでいることが明確になることで機運醸成にもつながります。また中高一貫教育など公立高校より多様性のある教育を実践する私立高校には医学部医学科進学者数の増加を牽引するポテンシャルがあると言えます。
 私立高校は、建学の精神に基づきそれぞれ独自の人材育成目標の下、多様な教育を行っていますので一律に医学部医学科進学者数の増加という政策目標を共有するわけにはまいりませんが、地域に貢献できる人材を育成するという点においては静岡県の長年にわたる課題である医師不足の解消という目標に共に取り組むことは決して私立高校の建学の精神を害するものではないと考えます。
 これらを踏まえると、現状の私立学校経常費助成に加算分の別枠を新設し医学部医学科進学者数増加等の本県の課題について取り組む私立学校に対し助成を行うことは本県の医師不足の解消という観点から有効な取組であると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、静岡県の家畜防疫体制について伺います。
 私の地元富士宮地域は静岡県内最大の畜産地域です。乳用牛、肉用牛、豚、採卵鶏、ブロイラーなどいずれも県内トップクラスの飼養数を誇ります。
 一大産地であるがゆえにその最大のリスクは家畜伝染病です。近年国内で発生している家畜伝染病としては豚熱と高病原性鳥インフルエンザが大きな問題となっています。豚熱では平成三十年に岐阜県で発生して以降これまで全国で八十五例発生し三十五万頭を超える豚が殺処分されています。最近では感染防止のために豚へのワクチン接種を行っている農場においても発生が継続しています。また今シーズンの高病原性鳥インフルエンザの発生件数と処分羽数は既に昨シーズンを超え、過去一番発生が確認された令和二年度シーズンを超えるペースで継続しています。
 さらに、今月五日には愛知県豊橋市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜が確認されたと発表がありました。この養鶏場では約三十一万羽が殺処分とのことです。愛知県内の養鶏場での発生は平成二十三年以来十一年ぶりとのことですが、豊橋市は静岡県のすぐ隣であり静岡県内での発生も懸念されるところです。
 これらの状況を踏まえ、豚熱と鳥インフルエンザそれぞれについて静岡県の置かれた状況をどのように評価しているのか、また発生防止と万が一発生した場合の対応のそれぞれについて県の対策をどのように講じているのか、所見を伺います。
 次に、国道四百六十九号の整備について伺います。
 国道四百六十九号は富士山南麓を東西につなぐ道路であり、観光や経済活動における本道路の役割は非常に高くなっております。近年本道路の周辺では富士山フロント工業団地の造成や新東名高速道路新御殿場インターチェンジの開通、中部横断自動車道の静岡県―山梨県区間の全線開通など土地開発や道路整備が進んでおり、本路線に対する期待はさらに高まっております。また広域的な役割だけでなく地域にとっては日常生活を支える生活道路の一部であり、身近で欠かせない道路でもあります。しかしながら依然として狭な箇所が存在しており、さらなる改善が望まれております。
 このような声に対し県は本道路の整備を進めており、本年度から通過する四市全てで道路改良事業に着手をしています。私の地元富士宮市においては平成三十一年二月議会で国道四百六十九号の精進川以西の整備を質問したところ、精進川区間については道路線形の検討を行っていく、桜峠区間については一・五車線的整備の方針との答弁がありました。あれから三年以上が経過し精進川区間については検討が完了していることと思いますが、精進川区間の整備の進状況について伺います。
 また、桜峠区間については長期的に一・五車線的整備という方針との答弁でしたが、近年台風の激甚化により富士宮市芝川地域の富士川沿いの県道が冠水により通行止めになることが多くあり富士川沿いの集落が一時的に孤立するなど、地域にとって国道四百六十九号が防災面でも非常に重要な道路となっております。現時点でもすれ違い困難箇所も多く日常的に交通に困難を来す箇所も多く、早急な部分改良を求める声は数多く寄せられています。将来的な整備方針のいかんに関わらず今できる整備は一日も早く着手していただきたいと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、都市計画道路田中青木線静岡県整備区間について伺います。
 私が住む富士宮市は、富士山の世界遺産への登録やB級グルメの富士宮やきそばなどで全国的な知名度が上がったことから近年来訪者が増加しております。また昨年八月に中部横断自動車道が全線開通したことで市を取り巻く広域的な道路ネットワークの整備が進み、他県から当市へのアクセス性がさらに向上したことで来訪者のさらなる増加が期待されております。
 一方で、町なかに目を向けてみますと中心市街地には市立病院や大規模ショッピングセンター等の市民の生活に欠かすことのできない生活利便施設が立地しているほか、富士山本宮浅間大社や富士山世界遺産センターなどの観光施設もあることから地域内の交通のみならず観光目的の交通が年々増加し休日やイベント時には度々渋滞が発生しております。このような状況を改善する役割を担う道路が都市計画道路田中青木線であります。
 田中青木線は富士宮市街地西側の南北軸を担う路線であるとともに、富士宮市中心部を囲む環状道路の一部を形成する重要な道路でもあります。しかしながらJR西富士宮駅西側の一部区間が未整備であるため環状道路としての機能が発揮されておらず町なかの渋滞が解消されていないことから地元は一日も早い開通を待ち望んでいます。
 私は、平成三十年二月県議会において都市計画道路田中青木線の県整備区間の見通しについて質問し県当局からは都市計画の変更後速やかに事業着手するとの答弁を頂きました。当地域の日常生活にも支障を来すような渋滞を解消するためには当路線を早急に整備していくことが不可欠であります。
 そこで、都市計画道路田中青木線静岡県整備区間について整備の進状況と今後の整備スケジュールについて伺います。
 最後に、多様な学びの確保について伺います。
 令和三年度の本県における不登校児童生徒の状況が十月に公表され、児童生徒合わせて八千三十人と九年連続で過去最多を更新しました。割合では小学生で一・四六%、中学生になると五・八六%もの児童生徒が不登校の状態にあります。学年別の新規不登校児童生徒数が全学年で令和二年度を上回っていることから来年度も不登校児童生徒総数が過去最多をさらに更新する可能性は高いと言えます。
 不登校は学校に行けない子供側の問題と捉えていた時代がありましたが、現代では一部の子供を来られないようにしている学校側の問題と捉え対応することが求められています。しかしながら不登校の要因に関する調査では大きく学校に係る状況、家庭に係る状況、本人に係る状況の分類で要因を調査していますが要因の分類そのものがおかしいとすら言えます。最も回答数の多い本人に係る状況に分類される無気力・不安を生み出している学校側の要因にもしっかりフォーカスしていくべきかと思います。
 また、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、いわゆる教育機会確保法の理念実現のため全ての子供が取り残されることなく学べる環境づくりに取り組んでいただきたいと切に願います。
 先日、不登校の子供を持つ保護者や不登校の子供の支援活動を行う方々と意見交換をする機会がありました。保護者の皆さんから聞いた話で印象に残ったことは、不登校の児童生徒に関して学校とのやり取りで非常に疲弊しているということでした。具体的には学校現場が不登校児童生徒への支援メニュー等をしっかり理解していない、学校への復帰ありきの支援策しか存在しないといった声や、例えば給食に関して日常的に給食を食べないのであれば学校に登校するときにはお弁当を必ず持参してほしいと求められ不登校児童生徒本人が一人だけお弁当になるなら行きたくないとなってしまうケースなどについても伺いました。
 そもそも、児童生徒や保護者と学校の関係は力関係で言えば非常に学校が強く個別の要望をきめ細かに伝えることは困難な現状があります。また保護者側も学校現場の多忙さを感じ我が子の状況を伝えることに時間を取ってもらうことをちゅうちょしてしまうことも多いと聞きます。こうしたディスコミュニケーションから学校と児童生徒及び保護者との間に距離が生まれてしまうことが不登校が長期化してしまうことの大きな要因となっていると感じました。
 学校現場で取り得る支援策も現場には共有されていないことが多く教育機会確保法の精神が学校の現場に行き渡っていない現状があります。またそうした児童生徒の受皿となるフリースクールやホームスクーリングに対しては公的な支援はほとんど存在していません。
 そこで三点伺います。
 一点目です。神奈川県の多様な学びプロジェクトが公開した学校への依頼文フォーマットというものがあります。これは不登校当事者の保護者六百三十名以上が学校とのやり取りで困ったこと等を持ち寄って作成したものであり、フォーマットに記載された内容に答えていくことで学校に対し適切に不登校児童生徒に対する要望を伝えられるものになっており、多忙な学校現場にも配慮して作成されたものです。これらを基に静岡県の学校現場の実情にも配慮した保護者と学校の間の情報共有のためのフォーマットを静岡県教育委員会のお墨つきで提供されれば多くの不登校の児童生徒と保護者が勇気づけられ双方の信頼関係の構築につながると考えますが、県の所見を伺います。
 二点目です。学校以外の支援制度との連携方法、フリースクールやホームスクーリングとの連携方法、細かいところでは学校給食や学用品の取扱いなど不登校の児童生徒に対する支援や対応方針について学校現場で一つ一つ判断することは大きな現場の負担になると同時に不適切な対応が学校に対する信頼感を損ねる結果につながります。不登校の児童生徒への支援に関するガイドラインや支援マニュアル等を静岡県教育委員会でつくるべきと考えますが、県の所見を伺います。
 三点目です。フリースクールやホームスクーリング等の民間支援も教育委員会が所管すべき領域であると考えますが、現時点で静岡県教育委員会は民間の主体とどのような協力体制を講じているか、また今後どのような協力体制を講じていくのかお答えください。
 また、教育機会確保法の精神に照らせば教育予算の中からそうした民間の取組についても公的な支援を行っていくべきと考えますが、県の所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(和田篤夫君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 木内議員にお答えいたします。
 静岡県の医師不足と医師の偏在解消に向けた取組についてのうち、医師の偏在解消に向けた取組についてであります。
 医師確保対策は県政の最重要課題の一つであるという認識を知事就任以来持っております。平成二十六年度にふじのくにバーチャルメディカルカレッジを創設いたしました。このカレッジにより全国最多となる毎年百二十人の医学修学研修資金の新規貸与を行い県内の医師の増加及び偏在解消に向けた取組を進めてまいりました。令和二年度からは医学修学研修資金の貸与期間を原則六年間とする制度改正を行い、また全国最大規模である六十五人の地域枠入学者等を対象に卒業後九年間のうち少なくとも四年間を富士圏域や賀茂圏域などの医師少数区域での勤務を義務づけているところであります。これら地域枠医師は令和八年度から勤務が始まります。以降毎年約六十人ずつ増加することが見込まれます。
 さらに、各地域の医師偏在の状況と地域枠の学生や医師の希望等を勘案しつつ、就業先について調整や支援を行うキャリアコーディネーターを今年度から新たに九人配置したところであります。
 学生につきましては、来年度から地域医療に関する実習や講義などを通じて医師少数区域の医療に対する関心を醸成しお一人でも多くの医師ができるだけ早期に医師少数区域の医療の担い手となるよう取り組んでまいります。
 また、東部地域の病院の魅力の向上につきましては医療機器や施設整備への支援を行います。それとともに東部地域の病院による専門医資格取得のための研修プログラムの整備を行います。またふじのくにバーチャルメディカルカレッジガイドブックや動画配信などによりまして富士宮市立病院や沼津市立病院など各病院の魅力を医学生等に対し積極的に発信してまいります。
 働きやすさの向上につきましては、医師の事前指示に基づき一定の医療行為を行う特定看護師の養成のほか  これはがんセンターでなさってくださっておりますが  それのほか診断書等の文書作成補助などを行う医師事務作業補助者の資質向上など医師を支える人材の確保に対しても支援を行ってまいります。
 地域医療の担い手である医師の確保と偏在解消は、安心して暮らせる医療の充実のため今後も全力で取り組んでまいりたい覚悟であります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(和田篤夫君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 静岡県の家畜防疫体制についてお答えいたします。
 豚熱や高病原性鳥インフルエンザなどの特定家畜伝染病が県内で発生した場合、畜産をはじめとする県内経済に甚大な被害が及ぶことから発生防止に最優先で取り組むとともに、万が一発生した場合には迅速な対応により被害を最小限にとどめることが極めて重要と考えております。
 県内の特定家畜伝染病の状況といたしましては、豚熱は令和元年十月からこれまでに県内二十五市町で感染した野生イノシシが確認され年間を通じて県内に広く拡散しております。また鳥インフルエンザは本年九月に神奈川県で感染した野鳥が確認されており、議員御指摘の今月の愛知県での感染状況から県内にも侵入している可能性があると考えており、現時点ではいずれも農場での発生リスクが非常に高い状況にあると認識しております。
 このため、発生予防対策といたしましては家畜保健衛生所が全ての農場を巡回し進入する車両の消毒や野生動物の侵入防止対策を指導するとともに、国内で発生した際全農家に対して迅速に注意喚起を図っているところです。さらに豚熱の予防として猟友会による野生イノシシの捕獲強化や生息地域での経口ワクチンの散布、全ての豚へのワクチン接種を推進します。また鳥インフルエンザの予防として農場での定期的なウイルスと抗体の検査を実施するなど、引き続き危機感を持って対策を強化してまいります。
 また、万が一発生した場合直ちに知事を本部長とする対策本部を立ち上げ原則殺処分を二十四時間以内、焼却あるいは埋却を七十二時間以内に行うなど蔓延防止対策として緊急的な措置を講じることとしております。
 県といたしましては、平時から初動に必要な防疫資材を備蓄するとともに、防疫措置に必要な専門的ノウハウを有し防疫作業の協力協定を結んでいる建設業協会などの関係団体と連携しながら発生予防対策と蔓延防止対策に万全を期してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 静岡県の医師不足と医師の偏在解消に向けた取組についてのうち、高校生の医学部進学者数向上に向けた取組についてお答えいたします。
 県立高校における医学進学コースの設置についてでありますが、新型コロナウイルス感染症が大きな社会変化をもたらし医療の重要性が再確認される中、社会のニーズに応える学校づくりを進め医療に興味、関心を持つ生徒を増やすとともに、医師など医療に携わりたいと思う生徒の学びを支援することはさらに重要になると認識しております。
 昨年度始めたオンリーワン・ハイスクール事業のうち医療人材育成に向けたカリキュラム研究では医療人材不足解消の視点も持ちながら生徒が医療への興味、関心、理解を深め医学部進学が実現できるよう支援を行っており、生徒側の視点に重きを置いて事業を展開しております。
 広域的に生徒を受け入れている沼津東高校、静岡高校、浜松北高校をモデル校に指定し医師や医大生との交流、医療現場の見学等を通じて心構えや倫理観の涵養を図ったり、また医学系予備校と連携し医学部進学向けの講義や小論文・面接支援を行っております。各校の進は異なりますが、例えば沼津東高校の医学科進学セミナー参加者は昨年の生徒のみ三十一人から今年は生徒六十一人、保護者十七人と大幅に増え、静岡高校の医療機関訪問後のアンケートでは医師を志す気持ちが高まった生徒の割合が八六%に上るなど効果が見られます。
 御指摘頂いた医学コースの設置については、オンリーワン・ハイスクール事業を行う三校でこれまでの取組を検証しながら可能性を検討してまいります。また医師の地域的偏在解消に着目した具体的な取組は現在は行っておりませんが、学科やコースの検討において地域ニーズは重要であることから医師が少ない富士、中東遠地域等においても地域の実情や生徒のニーズなどを考慮しながら前向きに検討いたします。
 県教育委員会といたしましては、医師など医療の道を目指す若者の夢を後押しし医療分野における本県の課題解決に貢献してまいります。
 次に、多様な学びの確保についてであります。
 県教育委員会では、平成二十八年のいわゆる教育機会確保法の施行以降法の理念等の周知を図ってまいりました。各学校では理念に沿った不登校支援が浸透しつつありますが対応にはばらつきがあり、一人一人に応じたきめ細かな支援が全ての学校で行われることが必要となります。
 よりよい支援に向けては、まずは不登校児童生徒の保護者と学校のコミュニケーションを円滑にすることが重要です。議員御紹介の事例を参考に保護者が出欠席の連絡方法や給食の希望等を伝える際の様式を早々に作成し市町教育委員会や学校、保護者へ周知してまいります。あわせて学校が児童生徒を支援する際の様々な事案で参考にできるガイドラインにつきましても、個々の児童生徒への対応が画一的とならないよう注意しながらつくり上げ学校に示してまいります。
 また、いわゆるフリースクールなど民間施設等につきましては不登校児童生徒への支援を進める上で同じ目標を共有するパートナーとして公的にその取組を支援していく必要があると認識しています。現在民間施設等と県教育委員会、市町教育委員会、学校等との協力関係を強化していくよう協議会の立ち上げを準備しており、既に幾つかの施設を訪問し学びの様子や課題認識を伺っております。協議会においては先進的な地域の取組を参考にし民間施設等や家庭で学ぶ不登校児童生徒に必要な具体的な連携や支援の在り方などを取りまとめ施策へとつなげてまいります。
 加えて、教育機会の確保に係る施策は国と地方自治体が協力して実施すべきものでありますことから本県での検討を踏まえて必要な措置が講じられるよう国に対して働きかけてまいります。
 県教育委員会といたしましては、保護者と学校、民間施設などが連携し不登校児童生徒によりよい支援を行える体制づくりを進めることを通して誰一人取り残すことのない多様な学びを確保してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 京極スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(京極仁志君) 静岡県の医師不足と医師の偏在解消に向けた取組についてのうち、高校生の医学部進学者数向上に向けた取組についてお答えいたします。
 私立高校における医学進学支援策についてでありますが、私立高等学校は独自の建学の精神に基づく教育活動を展開し本県の高校教育の重要な役割を担っております。進学指導におきましても生徒一人一人の希望に応えるコースの設置や個別サポートの実施など学校ごとに特色ある指導が実践されております。
 医学部への進学につきましては、各学校の方針に応じて医師を志す生徒の意欲を高めるための先端医療に関する講座の開設や医学部受験の専門塾と提携したプログラムの提供などのほか私立学校経常費助成の加算対象である補習授業におきまして医学部の受験科目に対応した授業などが行われており、こうした中で近年県内私立高校からの医学部進学者は増加傾向で推移しているところであります。
 御提案頂きました経常費助成加算分の別枠新設につきましては、現状を踏まえ医療、福祉、デジタル人材など今後求められる人材の育成という視点から私学関係者の皆様の御意見も伺いながら総合的に検討してまいります。
 今後とも、本県の将来を支える人材育成を担う私学ならではの個性的で魅力ある教育を支援してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 国道四百六十九号の整備についてお答えいたします。
 国道四百六十九号は御殿場市を起点とし裾野市、富士市、富士宮市を経由して山梨県南部町に至る幹線道路であり、富士山南麓地域の交流や経済活動に重要な役割を担っている道路であります。
 富士宮市精進川地区約二・八キロメートルにつきましては、令和二年度に事業に着手し特に狭で見通しが悪い県道清水富士宮線との交差点から南側約一・二キロメートルを優先整備区間として用地調査を進めてきたところであります。年度内には用地の取得に着手し取得したところから順次工事を進めてまいります。
 精進川地区西側の桜峠区間約五キロメートルにつきましては、すれ違いが困難な箇所が多く地形も厳しいことから地元の意見を聞きながら事業効果が早期に発現できる局所的な改良を進めていくこととし、既存の道路用地を活用した待避所の整備や支障木の伐採による曲線部の見通しの確保などに来年度から着手してまいります。
 県といたしましては、地域住民の日常生活を支え災害時には孤立のおそれがある富士宮市芝川地域へ通じる県道の代替路となる本路線の信頼性をさらに高めるため、引き続き効果的、効率的な道路整備に努めてまいります。
 次に、都市計画道路田中青木線静岡県整備区間についてであります。
 田中青木線は、富士宮市の町なかの渋滞の緩和と交通の円滑化を図るため中心市街地に流入する通過交通を抑制することなどを目的とした環状道路の一部となる幹線道路であります。全体延長四キロメートルのうち約三キロメートルが既に完成し、残る西富士宮駅付近約一キロメートル区間の二車線道路の新設につきましては富士宮市と分担し県は県道三沢富士宮線から北側のJR身延線をまたぐ橋梁を含む〇・三キロメートル区間について整備を進めております。令和二年度の事業認可取得後地権者の皆様に御協力を頂きながら用地取得を進めており、今年度末には面積ベースで約四割を取得できる見込みであります。
 あわせて、現在JR身延線をまたぐ橋梁の詳細設計に必要な地質調査を実施しております。また今後のスケジュールにつきましては、引き続き用地取得を推進するとともに鉄道事業者などとの協議を精力的に行い令和六年度までに橋梁の詳細設計を完了し令和七年度の工事着手を目指してまいります。
 県といたしましては、富士宮市中心市街地の交通課題の解消と良好な市街地の形成に向け市と連携して都市計画道路田中青木線の整備を着実に推進してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 十七番 木内 満君。
       (十七番 木内 満君登壇)
○十七番(木内 満君) それぞれ御答弁ありがとうございました。
 若干の意見を申し上げさせていただきたいと思っています。
 まず、家畜防疫についてであります。
 私の地元富士宮市においては家畜防疫、非常に重要な課題と言えます。今回御答弁の中ではまずは発生防止に全力を挙げていただくこと、その上で万が一発生した場合の対処、そして蔓延防止にしっかりと取り組んでいただけるという御答弁ではありましたが、発生する前から考えることとしてはさらに万が一発生した場合のもう一点としてその地域の農産物の風評被害の防止について、そしてその後の事業継続の支援についてという二点についてもできれば前もっての御検討を頂きたいということを意見として申し上げさせていただきたいと思っています。
 また、豚熱に関する影響は非常に長期間に及んでおりまして、以前も質問させていただきましたが種豚農家さんにおいては結局地方に疎開をさせ続けている現状がまだあります。豚の精子の出荷等に関してはですね、制限地域からの出荷は、制限されていない地域へは非常に難しいということで当初岩手まで疎開した先が北海道まで豚を疎開させて、万が一のことがあってはならないということで多大なコストをかけて続けておられます。そういう方もいらっしゃいます。そういうことも念頭に置いて、引き続き家畜防疫には真剣に取り組んでいただけるようお願いを申し上げます。
 医学進学コースの設置について前向きな御答弁を頂いたと思っております。特に私の地元富士地域はファルマバレー構想でいうところのいわゆる医薬品、医療品の生産額の中心がまさに富士、富士宮  富士地域になります。そういったことからも医学進学コースの設置には大きなシナジーも得られるものがあると思っておりますので、ぜひそういったことも念頭に置いていただいて前向きな御検討をお願いしたいと思っています。
 最後に、多様な学びの確保について申し上げます。
 今回、多様な学びの確保ということで私長々と取上げをさせていただきました。直前に当事者の方とお話をした際にですね、私もかつて不登校ぎみであった時代のことを思い出しました。小学校の一時期、学校に行きたくないと言って特に理由も言わず親には頭が痛いとだけ言って学校に行かなかった時期がありました。ではその原因が何だったのかということ、当時の私に説明させようとしても恐らく不可能であったと思います。子供はそれが、自分が学校に行きたくない原因が何であるかということについて明確に言語化できるケースのほうが少ないと思っています。
 今、文科省の定めたフォーマットでもあるのでそれに従って調査しているだけといえばそうかもしれませんが、不登校の要因調査においては申し上げたとおり結局のところ本人の無気力という要因が一番多いデータになっていますが、恐らくその多くは子供がきちんと言語化できないということだと思っています。その要因を踏み込んで調べていけるような体制をどうつくっていくかということが大事だと思っています。
 不登校の子供の支援については、決してそれは市の教育委員会の仕事だというふうにならずに県教育委員会が市町の取組をリードしていくようなことをぜひともお願いをしたいと思っています。
 今回、学校とのやり取りのフォーマット、そしてガイドライン等については前向きに御検討頂けるということで御答弁を頂きましたが、改めて不登校の要因によく深く踏み込んでいって現状を把握していただき知事のいうところの現場主義でぜひしっかりと要因を把握していただき、そしてできればなるべく早く財政支援を少しでもいいので始めていただきたいということをお願い申し上げて私の質問といたします。以上です。(拍手)
○副議長(和田篤夫君) これで木内満君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 十二月八日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

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