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本会議会議録

議会補足文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用




平成27年3月静岡県議会臨時会
中澤 通訓討論
発言日: 03/27/2015
会派名: 富士の会


○議長(多家一彦君) 次に、七十番 中澤通訓君。
       (七十番 中澤通訓君登壇 拍手)
○七十番(中澤通訓君) 第八十七号議案「静岡県教育長の任命について」の採決に当たり、会派富士の会を代表して賛成討論をいたします。
 本議案は、新年度の四月から施行される新しい教育委員会制度に伴い単にこれまでの教育委員の選任の同意を求めるものではなく、教育委員会の全体の責任者である教育委員長を兼務する実務責任者の教育長を選任するという制度の大変革の人事案件であります。
 この議案を審議した総務委員会審議は、まさに異例のものでありました。私はこうしたことが二度とあってはならないこととして、自身の反省を含め振り返ってみたいと思います。
 安倍教育長の辞任表明に伴って始まった新教育長の選任でありました。
 これまでの制度では、知事と教育委員とは情報交換は可能であっても教育制度の内容、実務について知事の考え方を強く反映するものではなく、双方に中途半端な思いがあった感があったのではないかと推測されました。
 一昨年の学力テスト問題に端を発し、県民の税金を使って行われた学力テストの結果は公表すべきと知事が発言してもすぐに公表がされず、制度上の問題を理解されない県民からは県のトップの考え方に反応できない教育委員会へのバッシングが強くあったと思われます。結果として一部の公表があり、その後教育委員会は多方面からの検討、努力によって最下位脱出となったことは喜びとするところでありました。
 この間、文部科学省とのあつれきもありましたが、このほど制度改革がなされ今日に至ったことになります。
 四月からの新制度がと言われましたが、それまでの教育長の任期中は経過措置として現行制度の継続も可能とされておりましたところ、安倍教育長の四月から可能にとの英断によって今回の人事案へと進んできたことになります。
 さて、三月二日、三日の総務委員会審査によって審議を尽くされて全員一致して同意すべきものと決定とされていたところ、その後溝口教育委員会委員長から竹内総務委員長に対して、木氏の教育長への同意は審議内容に重大な欠落があり疑義があるとのメール送信がなされ、一部新聞報道もあり、一事不再議の原則をあえて覆し再審査となった次第です。
 そもそも、一事不再議は法律によるものではないが、一たび決定した事項を同一会期内に再審査することは議会の権威の失墜を招くことを初め不秩序の連鎖など弊害が多く、国、地方を問わず遵守すべきものとされてきたものであります。
 特段の新たな理由ということで今回の再審査となりましたが、そもそも特段の理由とは一体何であったのか、私は大きな疑問を持っております。委員会審議では秘密会なのでそこでの発言内容は公表されないものとなっており詳細は不明でありますが、教育委員会における溝口委員長の発言をもとに述べてみます。
 まず、溝口氏は木氏の経歴について匿名の投書があり、それに基づいて過去の経歴を調べて知事にその旨を伝えたとのことであります。この投書についてでありますが、委員会での審査でどこまで質疑があったのか不明であります。また総務委員、メディアの人に伺っても溝口氏からの伝聞だけで誰ひとり現物を見た人がおりません。溝口氏以外に現物を見た人があるというなら名乗りを上げてほしいものと思います。
 本当に投書から始まったことなのでしょうか。溝口氏しか知らないというのは不自然だとの指摘もあります。全ては溝口氏のこの発言から始まったことでありますので、溝口氏の責任においてすぐにでもこれを公表すべきであると思われます。
 次に、溝口氏は教育委員長としての立場を利用しながらも、他の委員には事前に知らせることもなく単独行動をとったことに大いなる疑問を持ったものであります。総務委員長に伝えメディアにも取り上げられてから定例の委員会の席上、理解を求めたとありますが、正攻法とはとても思えない行為と思われます。
 御本人は正義の味方と自負されてのことかは不明ですが、自分だけが正義だとの意識が私には強く感じられます。木氏のある部分を捉えて、そのことの審議がなされていないのはおかしい、問題提起であって本人の資格等には口を挟むものではないと述べながら、その論調は必ずしも公平なものとは言えないと私には思えてなりません。
 委員会の再審査の結果は賛成少数で否決され、本日の本会議を迎えております。この結果いかんによって木氏の去就が決まるわけでありますが、溝口氏の去就は聞こえてきません。県議会始まって以来の今回のてんまつの発端であった溝口氏の言動であり、事の責任についてどのようにされるのか大いなる興味を持つものであります。
 竹内委員長が秘密会を宣言し、秘密会における議員の責任を説明したのにもかかわらず、みずからが木氏のプライバシーについてメディアに話をされたことは言語道断であります。本来ならば懲罰特別委員会設置により、そこでの対応を本議会はすべきものと私は考えております。何ゆえか。それは今回の委員長の行動に対して静岡県議会が何の行動もしないとしたならば、今後静岡県議会において秘密会の開催は不可能となるおそれがあるからです。参考人招致をしても秘密会の約束事が守られず、そのペナルティーもなしでは信用力はゼロになるからであります。
 懲罰特別委員会設置は議員定数の八分の一以上の発議によるもので、賛同者がいなければ設置は不可能です。
 今回は、さきの議運で委員長の不信任案が上程されるとの表明があり、本会議において委員長の弁明がなされるものと思っていましたところ、昨日議長宛ての委員長辞任願が提出され受理されたとのことでした。不信任案の審議もなく本人の弁明も聞くことができなくなり、私は不満です。
 休会中の辞任願の提出であり、通常は会議を招集する間もないから議長が受理し許可をすることが通例ですが、翌日には臨時会が招集されていることであり、この理由はないと思われます。緊急性もありません。
 伝え聞くには本人は大いに反省しており、その究極の結論が委員長辞任との話も伝わってきました。そこまでの結論を出しているなら不信任案の採択を粛々と受け弁明をされて、その上での辞任は考えられなかったのかと思います。
 私は、今回の委員長の言動には大いなる疑義を持っておりますが、日ごろから政治家竹内良訓氏には今後の将来を大いに期待している一人でもあります。政治活動を続けていけば楽しいことばかりではなく時にはつらいことにも直面します。不信任案の対象にされることはその最たるものと言えるでしょう。
 今振り返ってみれば、私も似たような体験を何回かしてきました。よくぞあの修羅場をくぐり抜けられたものだと今は懐かしさも感じることもあります。こうしたことの積み重ねが政治経験ではその後の活動に大切なことと思われます。
 竹内氏が今回はこれらの体験できるチャンスを事前に避けてしまわれたことは、大変残念に思います。今後長く政治活動を続けられると思いますが、困難を避けるのではなく真正面から捉えていく行動をと期待します。
 「人生最大の栄光は一度も転ばないことではなく、転ぶたびに立ち上がることにある」。黒人のための人権活動によって長い獄中生活を送りながらも信念を曲げず、やがて南アフリカ共和国大統領となりノーベル平和賞受賞者のネルソン・マンデラ氏の言葉を、あえて竹内氏に贈ります。
 今回の参考人招致で、当事者の木氏が公開の場で行いたいと申し出たにもかかわらず溝口氏のときは秘密会としたのは、委員会の運営上、不公平ではなかったかとの疑問もあります。いずれにしましても異常な委員会だったと私は思います。
 新制度が始まる四月は目前であります。そのスタート時において委員長不在はどうしても避けなければならないことであります。
 私は、十年以上前になりますが、木氏が県立大学に在籍中に社会人聴講生として二年間、東アジアの現代史という木先生の講座に在籍しておりました。文化大革命前後の中国に着目し研究されていた講義は、当時中国からの情報が少なかった時代でありましたが、的確かつ詳細に講義されていた姿に大いに感銘を受けたものであります。
 木氏のこれまでの豊富な体験、留学生への思いやりなど時にメディアに登場しての活躍、活動は頼もしいものと思っていた折の人事案件でした。
 人格高潔で見識、識見豊かな、誰からも信頼の置けるオールマイティーの人が、そうすぐに見つかるわけはありません。人それぞれの何かの欠点はあっても、その欠点を補える豊かな発想力、物事に動じないバイタリティー、時期を見分ける判断力などを考えられた上で知事は木桂藏氏が最適任として提案されたと理解しております。ましてや今回の制度改正では、これまで及ばなかった教育長の罷免についても可能となっておるわけであります。
 議場におられる多くの議員の御理解を賜り、教育長人事に賛成の同意をお願い申し上げ、討論といたします。(拍手)

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