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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成23年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小野 達也 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/29/2011

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 伊豆地域の道路網整備の推進について
2 がんの医療連携の推進について
3 伊豆半島ジオパーク構想の推進について
4 本県における六次産業化の推進について
5 新卒者の地域企業への就職支援について
6 静岡県教育振興基本計画の具体的な進め方について
7 国歌斉唱・国旗掲揚について



    ○議長(植田 徹君) これで大岡敏孝君の質問は終わりました。
     次に、十八番 小野達也君。
           (十八番 小野達也君登壇 拍手) 
    ○十八番(小野達也君) 私は自民改革会議に所属する小野達也ございます。
     質問の前に、去る三月十一日に発災いたしました東日本大震災におきまして被災された方々に心からお見舞い申し上げます。犠牲となられた方に哀悼の意を捧げ一日も早い復興を願うものであります。
     私は震災が起きた一週間後に福島県に赴き、避難所で私と向き合いながら涙を流し津波の状況を伝えてくれた南相馬市の方のお話をお聞きいたしました。それ以来、改めて生かされている命に感謝する思いに駆られ、四月十日に行われました統一地方選挙において四年の歳月はかかりながらも、県政の場に議員として復帰させていただきました今、私の持つ力の限り伊東市民代表として県民のお役に立つよう努めてまいります。
     川勝知事におかれましても、就任され今六月議会において丸二年となります。さまざまな政治、経済、社会情勢に対し議会と力を合わせ、県民の切なる思いを、初心に立ち公正公平な県政運営に当たっていただきますよう願います。
     それでは質問に入ります。
     初めに、伊豆地域の道路網整備の推進について伺います。
     新東名高速道路の完成が徐々に近づく中、平成二十一年度には東駿河湾環状道路が東名沼津インターチェンジから国道一号三島塚原インターチェンジまで約十キロメートルにわたって開通し、県東部の交通円滑化に大きな効果を示しております。こうした中、伊豆の主要な道路においては依然として行楽シーズンや通勤時間帯の渋滞が各所で発生し、異常気象時の通行規制や崩土等による通行どめも多く、救急医療施設への患者の搬送にも時間を要するなど地元住民が安全で安心して利用できる状況にはありません。さらにさきの東日本大震災の被災状況を見るにつけ、私の住む伊東市を初めとする伊豆東海岸や西海岸、そして南伊豆の海岸沿いの地域においては、一たび津波が来襲すれば命の道ともいえるこうした道路も壊滅的な被害を受けるのではないかと、大いに心配しているところであります。東日本大震災では発災後わずか一日で東北自動車道、国道四号の縦軸ルートにおける緊急車両の通行が可能になり、これに引き続いて三陸地区への横軸ルートを確保する、いわゆるくしの歯作戦が功を奏し、海岸沿いの被災地への迅速な救助活動と復旧活動、物資の輸送の確保につながりました。これは緊急輸送路としての役割を担う幹線道路がこの地域において着実に整備されてきたがゆえのたまものであると考えています。
     一方伊豆地域を見れば海岸沿いの道路が寸断された場合、伊豆半島の馬の背ともいえる伊豆縦貫自動車道を初め伊豆スカイラインや伊豆中央道など有料道路、そこから東西に延びる国道、県道などが重要な役割を担うこととなります。中でも伊豆縦貫自動車道については東駿河湾環状道路の供用済みの区間に続き現在事業中の区間の整備を推進するとともに、その先の下田市までの区間を一刻も早く完成させることが緊急輸送路の確保という点を含め、伊豆地域全体が抱える諸課題の抜本的な解決策であると考えます。去る六月八日には都内において伊豆縦貫自動車道整備促進、早期完成に向けた大会が三年ぶりに開催され、川勝知事を初め県選出国会議員や伊豆地域の市長、町長、関係者らが一堂に会し地域の実情や道路整備を望む切実な思いを強く訴えていただきました。このことにつきましては伊東市を初め各自治体も大変喜んでおります。
     そこで、伊豆縦貫自動車道の整備の見通し、あわせて伊豆地域における道路整備の今後の方針について県の所見を伺います。
     次に、がんの医療連携の推進についてであります。
     現在がんは死亡原因の一位を占め日本人の二人から三人に一人はがんになると言われ、高齢化を背景としたがん罹患数の増加も危惧されるところであります。このため国のがん対策基本法の施行、がん対策推進基本計画の策定を受け、本県では平成二十年三月に静岡県がん対策推進計画を策定し総合的ながん対策の推進の中で、がん診療の拠点病院等の設置により医療体制及び相談体制の整備が進められていると伺っております。しかしがんは不治の病ではなくなりつつあるものの依然として死亡率は高く、がんになることへの不安や家族への負担ははかり知れないものがあり、できることなら多くの県民は身近な病院で適切な医療が受けられるよう望んでいるところであります。ちなみに私の地元である伊東市の市民は、市の基幹病院である伊東市民病院でまずは検査を受け、がんを発見、診断され、ファーストオピニオンを受ける体制が整っておりますが、現在建設中で二年後に移転予定となっている新市民病院をもってしても放射線治療等がんの専門的な治療を受けるには他の医療圏にある拠点病院を受診することになります。
     そこで県は拠点病院以外の医療機関において、がん患者さんの状態に合った適切な医療を提供するため、がんの医療連携をどのように推進していくのか、伺います。
     次に、伊豆半島ジオパーク構想の推進について伺います。
     川勝知事の伊豆を一つにすることをキーワードに提唱された伊豆半島ジオパーク構想は、伊豆半島の七市六町の自治体を初め、観光や商工、教育の関係者、ガイド団体等で構成する推進協議会がことし三月二十八日に設立され、来年度の日本ジオパークネットワークの認定に向けて動き出したところであります。私も先日同僚議員六名で地元にある大室山を訪れ約四千年前の噴火でできた伊豆東部火山群で最大のスコリア丘の成り立ちを聞き、この伊豆半島ジオパーク構想が新たな観光振興に大変意義のあるものと認識を新たにしたところであります。ところで伊豆においては平成十二年に県、市町村、民間の協力により伊豆新世紀創造祭を開催いたしました。総事業費は五十二億円、来場者は一千八万人、その経済波及効果は一千三百億円と大変大きな効果があったものと記憶しています。私は伊豆半島のジオパーク認定については、今後伊豆が一体となり構想に基づく諸施策を積極的に推進し伊豆新世紀創造祭に匹敵する、またそれ以上の事業としていきたいと考えています。しかしながら地元住民のジオパークへの認知度はまだ低く、その即効性への疑問を感じる方々も少なくなく、今後は伊豆が一体となってジオパークの認定に向けて取り組んでいくという機運のさらなる醸成が必要であります。
     国内の先進ジオパークを見ますと北海道の洞爺湖有珠山や島原半島、霧島などは、直面する火山活動とそれに対する住民の取り組みや国、地域での研究、教育活動など地域一体となった活動の結果として、世界や日本ジオパークの認定につながっていると考えています。今日県内の観光産業が伊豆を中心に大変厳しい状況にあることをかんがみ、昨日の我が会派の大石代表の質問にも御答弁をいただいたところでありますが、観光振興策については今後のさらなる対策が必要であると考えています。このような意味においても今年度伊豆半島においては、来年度の日本ジオパークネットワークへの加盟に向けて正念場の年であり地域が一体となった活動が必要と考えますが、そこで県は認定に向けて本年度どのように施策を推進していくのか伺います。
     次に、本県における六次産業化への推進について伺います。
     本県では多様な風土を生かして多種、多彩かつ高品質な農林水産物が生産されており、私の地元である伊豆地域もキンメダイやワサビなど新鮮な海の幸、山の幸に恵まれております。私はこうした農林水産物をぜひ有効に活用し、地域産業の活性化に結びつけていくべきと考えております。私の地元にあるいとう漁協では、県の方針に基づき組合長、専務理事が先頭に立って合併の効率を高める取り組みを進めているところでありますが、経営面においても県の支援も得て県内小売業者と連携し、一昨年冬から水揚げした漁獲物を数時間以内にスーパーの店頭に並べる取り組みを始め、消費者から朝どりでおいしいなど高評価を受けています。従来は一般の流通過程に乗らずその価値が生かされてこなかった魚についても、漁業者と小売業者が連携して消費者に届ける取り組みによって浜に上がる魚の商品価値を高めることに結びつけることができました。
     また、農協が運営する農産物直売所、いわゆるファーマーズマーケットは新鮮で顔の見える販売形態が消費者に大いに歓迎され、その数、販売額ともに増加しています。例えば伊東市にあるあいら伊豆農協が運営するいで湯っこ市場では年間の売上高三億円に達していると伺っています。これらはまさに六次産業化の取り組みであり、農林漁業者等の収入を大きく向上させるものであります。
     国も地域で生産された農林水産物等を活用して新たな付加価値を生み出す六次産業化の取り組みを推進し、農林漁業の振興等に寄与することを目的とした、いわゆる六次産業化法を平成二十三年三月一日に施行させさまざまな支援に取り組み始めました。
     本県では六次産業化の推進を図るため、国に先駆けて昨年度から農林事務所や水産技術研究所への相談窓口の設置やセミナーの開催などを展開しておりますが、多くの成功事例を創出し地域産業を活性化させるため、さらに積極的に取り組んでいくべきと考えています。
     そこで、県は今年度どのように施策を推進していくのか伺います。
     次に、新卒者の地域企業への就職支援について伺います。
     この春卒業した県内大学生の就職活動の結果は三月末の就職内定率が八六・九%と統計のある平成六年度以降で二番目に低い結果となり、超氷河期と言われるほどの厳しいものでした。今年度の就職活動の実態も東日本大震災の後、流通の停滞や東部地区の計画停電など県内経済への影響は大きく採用計画を見直す企業もあることから、内定率の回復への期待は大変厳しいものとなっております。しかしながら大手の民間就職支援機関の調査では、昨年度の就職活動における大学生の求人倍率は全国で一・二八倍、今年度もわずかに下がったものの一・二三倍であり一倍を超えています。従業員規模別に見ますと、従業員五千人以上の大企業では〇・四九倍に対して従業員三百人未満の企業では実に三・三五倍と志願学生より求人のほうがずっと多くなっています。全体では一倍を超える求人倍率なのに就職内定率が低迷するのは、学生の意向と企業側の人材の需要との間にミスマッチが生じていることが原因と思われます。学生の少しでも規模の大きな名のある企業を選択したい気持ちもわかりますが、こうした企業は競争が激しく優秀な学生であっても試験に落ち続ける間に疲れて意欲を失ってしまうとの実態も聞きます。
     一方で、地域に根づいて規模は小さいながらも努力を重ねている、いわゆる地域企業の方々のお話を聞きますと元気な新卒者を採用して会社の将来を担う人材へと育成したいがなかなか新卒者が来てくれないとの声もあります。県内には中小の規模で業界有数の最先端の技術や安定した売り上げを誇る優良企業が多くあります。また私の地元伊東市には零細でも職人的なすばらしい技術を持っている事業所もありますし、県内各地域の地場産業の分野では後継者となる新卒者が欲しいと考えている企業も多いものと考えます。こうした企業は実際に仕事をしてみれば大企業よりもずっとやりがいを感じられる企業であっても、学生の認知度が低いために人材が確保できないということは、学生、企業双方にとって大変残念なことであります。
     そこで、こうした就職のミスマッチを解消するためには行政から学生に働きかけて、いわゆる地域企業に学生の目を向けさせ地域企業の情報発信を支援する施策が必要であると考えますが、県としてどのように取り組んでいくか伺います。
     次に、静岡県教育振興基本計画の具体的な進め方について伺います。
     東日本大震災というかつてないほどの大規模災害に遭遇した現在にあって、これまで以上に人のため社会のために行動する人が求められています。そんな中この三月に策定された静岡県教育振興基本計画「有徳の人」づくりアクションプランは、静岡県総合計画富国有徳の理想像≠モじのくにのグランドデザインの基本理念の一つに掲げられている、≠モじのくにの徳のある人材の育成を共有する形で、「有徳の人」の育成を基本目標に掲げており、これからの静岡県を支える人づくりにおいて意義のあるものであると考えております。またこの計画は縦の接続と横の連携ではぐくむという施策展開の基本的な考えのもと、主な取り組みや平成二十五年度までの当面する三年間の年次計画等を示しながら、県、県教育委員会が進める人づくりの方向性や施策をわかりやすくまとめています。これから計画を推進するに当たっては、家庭、学校、地域、職場を初めさまざまな場面における横の連携がとても重要であると考えます。
     私は、現在ボーイスカウト伊東第三団育成会の副会長を務めており、さまざまな体験活動を通し大人から子供へ知識や技術の伝承が行われる中で、子供が成長するのを目の当たりにし、とても喜ばしく感じています。また少子化の影響もあってボーイスカウトで活動する子供の数は昔に比べ減ってはいるものの、他の地域との交流に加えさまざまな団体と連携して活動する中で、まさに横の連携により子供だけでなく大人も成長し続けているのは昔も今も変わらないのであります。今、縦割り行政の弊害が指摘され横の連携が求められています。そこで連携の対象とその内容を常に明確にしていかなければならないと考えます。その上でこの計画を推進するに当たり、家庭、学校、地域、職場を初めさまざまな関係機関等も含めた横の連携のもと社会総がかりで取り組む教育施策の推進とその進行管理が大きなかぎとなるのではないでしょうか。
     そこで、静岡県教育振興基本計画の「有徳の人」づくりアクションプランの推進については、教育長はどのようにお考えを持って臨むつもりなのか、具体的な進め方も含めて伺います。
     最後に、国歌斉唱、国旗掲揚について伺います。
     去る六月三日、大阪府において公立学校の教職員が入学式や卒業式といった学校行事の際に「君が代」を起立して斉唱する、そのことを義務づける全国初の条例が可決成立いたしました。条例化の是非についてはさまざまな意見のあるところでありますが、連日新聞やテレビ等でも大きく報道されこの問題に人々が大きな関心を持っていることが改めて明らかになったところです。私は国歌や国旗を敬う気持ちは本来子供たちにとって純粋なものであると感じています。私自身、伊東市のサッカー協会の会長として日ごろサッカーに打ち込む子供たちと接してきました。昨年はワールドカップイヤーであり、日本代表を応援する子供たちが純粋にワールドカップの会場に流れる「君が代」に感動し自然に日の丸を振って応援する姿を見てきましたが、こうした気持ちはごく自然なことだと思います。彼らの中には家庭で深夜に「日の丸を持ってテレビ観戦をした」とか「日の丸が一番美しいと思う」と話してくれる子供がいます。オリンピックやワールドカップなどのたびに沸き上がるこうした国民の意識を見ても国歌、国旗に対して尊重し大切に思う気持ちを持っているのは私だけではなく、だれもが思うものと信じています。
     そこで、国歌斉唱、国旗掲揚に対する本県教育現場での指導の基本方針を伺って私の質問を終わります。
    ○議長(植田 徹君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 小野達也議員にお答えをいたします。
     初めに、伊豆地域の道路網整備の推進についてであります。
     伊豆縦貫自動車道は、豊かな自然環境や環境資源に恵まれた伊豆地域の発展に大きく寄与することは疑いありません。それにも増して高度医療施設への緊急搬送時間を短縮することができます。そして災害時における地域の孤立を防止することにもなるでしょう。言いかえますとこれは命の道でございます。そうした観点から伊豆地域の重要な交通基盤としてこの整備を進めているものでございます。私自身、伊豆縦貫自動車道建設促進期成同盟会の会長として、この伊豆縦貫自動車道については特別の思い入れがございます。
     このうち東駿河湾環状道路につきましては、沼津の岡宮インターチェンジから三島塚原インターチェンジまでの十キロメートルの区間におきましては供用が既に開始されています。この三島塚原のインターチェンジから函南の塚本のインターチェンジまでの間、これが平成二十五年度には、すなわち再来年度には伊豆中央道と直結いたしまして修善寺までつながります。
     天城北道路につきましては、未供用区間でございます大平のインターチェンジから仮称ですけれども天城湯ヶ島インターチェンジまでの区間におきまして、今年度国がトンネル工事に着手することになっています。
     河津下田道路につきましては、U期区間における環境影響評価の手続きが七月に完了する予定です。先般大畠国土交通大臣に直接お目にかかりまして、この区間について来年度の新規事業化を要望いたしましたが大変感触はようございました。
     また、今後の伊豆地域の道路整備のために外部有識者から成る検討会を八月にも立ち上げるつもりでいます。効果的で効率的な道路整備の手法、そしてなかなか難しいわけですが財源の確保なども検討していこうと思っております。その中で県道路公社の有効活用もしてまいりたいと思っております。
     先ほど森山交通基盤部長が必ずしも得意分野でないところでやや官僚的な答弁をいたしましたけれども、しかし森山交通基盤部長は私が直接に国交省に入りまして国交省の事務次官に匹敵する人物としてとってきた道路族のエリートでございまして、そして本県におきまして伊豆縦貫自動車道を最初に立ち上げる会をつくり上げたときのトップになっていただきました谷口さんが、そのときの事務次官です。彼は最初の任務地が沼津の所長であり、そして新婚旅行もそこであったという人であり、またいわゆる旧建設省の道路のトップクラスの人たちと連携をして伊豆縦貫自動車道の一日も早い完成を期しているところでございます。
     これを小野先生は、くしの歯作戦とのかかわりで言われました。くしの歯作戦というのは、このたび東日本大震災において東北地方整備局がとった作戦です。北上川に並行して走っている国道四号と、そして三陸縦貫道国道四十五号をくしの歯のように結ぶという作戦でございます。前提には国道四号と四十五号があるということなんです。伊豆半島には百三十五号と百三十六号、これがいわば端っこにありまして、真ん中の国道四号ないし東北自動車道に当たるのが伊豆縦貫自動車道であって、この背骨に当たるところ――小野議員は馬の背と言われましたが――この背骨に当たる一番のところができていないと、くしの歯作戦すらできないということを大畠大臣に強く申し上げまして理解をしていただいたということで、私はよい感触を得たというふうに思っているわけでございます。そうしたこととあわせまして私どもは住む人にも訪れる人にも快適で魅力的な地域の創造を目指し、国と連携をしながら引き続き伊豆縦貫自動車道を基軸とした伊豆地域の道路網整備の推進に努めてまいる所存でございます。
     私は伊豆東部には百数十回出かけております、公務として既に。思い入れも相当強うございまして、特に伊豆地域における交通網の整備が不十分であるということは行くたびに実感しているところでございます。
     次に、本県における六次産業化の推進についてであります。
     いわゆる農林水産業という一次産業、ものづくりが中心の二次産業、そしてサービス業中心の三次産業。この一次産業、二次産業、三次産業を足せば一足す二足す三で六になる。あるいは掛け合わせても一掛ける二掛ける三で六次になりますので、このようなすべての産業がサプライチェーン、あるいは消費者まで含んだ全体として地産地消で循環するような、そういう地域をつくり上げたいというのが六次産業化でございます。そしてそれをできる根拠は本県におきましては、一次産業が林業も、伊東のような漁業中心のところも、そして豊かな畑、田畑がございます。そうした一次産業があり二次産業においては世界ブランドを持った企業がございます。三次産業は非常に堅実な金融業、そしてまた全国でトップのホテル・旅館等宿泊施設は四千以上ございまして東京よりも多いわけでございます。そうしたものを持って、かつお茶の文化のもてなしがあるということで、すべてがそろっているので、これを合わせると非常に強くなるということで六次産業化というものは十分に現実味があるということでございます。
     例えば伊豆の東海岸地域で取り組まれている県内の総菜メーカーが、かつては肥料用でございましたカタクチイワシを南蛮漬けにして県内スーパーで販売されると。この取り組みによって漁業者の手取り収入がキログラム当たり二十円であったのが八十円に、つまり四倍になったというふうに聞いております。あるいは議員から御紹介がございました水揚げされた魚介類を当日中に県内のスーパーで販売する取り組みをなさったところ、鮮度がよいということで漁業者の手取り収入が一・三倍から一・八倍程度に上昇したということでございます。
     今まで東京に送っている――これは野菜もそうですけれども大田の市場に送っているということが当たり前であったのを組み合わせを変えてみることを通して、CO2の削減にも、つまり環境にもいいし輸送費も削減できますしそして手取りもいいし、そしておいしい、収入も上がるということで、この六次産業化というのは我々はぜひ進めたいというふうに思っているわけです。
     県では商工会議所や商工会と連携をいたしまして、農商工等連携事業計画の策定を支援しております。またしずおか産業創造機構を通じて農林漁業者等の行う農商工連携の取り組みに対する助成を行ってまいりました。これらに加えまして昨年度からは、すべての農林事務所と水産技術研究所に六次産業化支援相談窓口を設置いたしました。そしてそうしたところを通してセミナーの開催や専門家を交えた個別相談、連携先の紹介などを通じて、六次産業化に意欲のある事業者に対して積極的に支援を行っています。さらに今年度は売れる商品づくりを進めるためにものづくりとともにものづかいがあわせて大切である、あるいはこれは両者区別するべきではないというぐらいものを大切に使う、県内のものを使おうという運動を起こして消費者やバイヤーによる試作品の評価会を新しく開催するとともに、全国から量販店やレストランチェーンなどを招いた大規模な商談会も開催いたしまして、商品開発から販路開拓まで総合的な支援を行うことにより六次産業化を行っていく。新しい原料、新しい生産組織、新しい生産方法、そして新しい商品、新しい市場、こうしたものがこの組み合わせを通してできるということでございます。今後とも本県の持つ豊かな地域資源を最大限に活用した六次産業化を進めてまいります。
     多くの成功事例を創出いたしまして、食と農を軸に新しい産業を興すことによって雇用の創出、地域経済の活性化を図ってまいりたい。食材の王国というのは客観的事実です。二百十九品目ある。これは全都道府県で日本一です。これを使って食の都にする。そのためにこの間、食と食育全国フェアをやりました。このような食の都をつくることは同時に人が来ると。来たときに例えば伊豆半島ですと伊東から少し下れば河津になる。河津桜が咲いている。河津桜を見に来た人は必ず食事をされますから桜だけではないということでございます。そこが大切です。しかもそれは二月という寒いときに、雪に閉ざされているときに来たときに「君知るやころは如月東伊豆河津桜の花の盛りよ」。如月に河津桜がピンクの花を咲かせると信じられないとして皆見に来るんです。そうすると反対側の西海岸に行く。弥生にあの桜もちに使われる桜葉が松崎で大島桜の葉っぱを使ってつくられている。あんまりぎざぎざしてない。「君知るやころは弥生の松崎に大島桜の花の白さを」と。弥生につくられている。それをすっと上がっていくと恋人岬。恋人岬で愛を確かめるのもさることながら、やっぱりおなかも減りますから。そうしたことが大切で、そこで「わだつみの風清らかに吹きわたり恋人岬に鐘の音わたる」と。このようなきれいなイメージとともにしっかりとおなかも膨らませていただいて、もしものときには、どこにでも行けるような交通網というものができ上がっているということが大切で、伊豆半島を一つにしてこれをジオパーク。それは一つの方法ですがほかにもいろいろな方法がございます。そうしたこととして特に伊東は今ジオパークの中心でもございますし、また今申し上げました食ということにおいてもいろいろな試みがされている。最近では伊東八景というようなものもつくられました。そうしたことでこうした運動が行政の枠を越えて伊豆が一つになるように、ぜひ御協力を賜りたいと存じます。
     なお、その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁申し上げます。
    ○議長(植田 徹君) 池谷健康福祉部長。
           (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
    ○健康福祉部長(池谷享士君) がんの医療連携の推進についてお答えをいたします。
     本県ではがん医療の中心的な役割を担う十九のがん診療連携拠点病院等に加え、これらの拠点病院がない二次医療圏には伊東市民病院を初めとする三病院にがん相談支援センターを設置して、県民がどこでも高度で専門的ながん治療や相談が受けられる体制の整備を進めてきたところでございます。また地域の医療機関を対象とした静岡がんセンターによるがん看護の研修や県訪問看護ステーション協議会による在宅の終末期看護の研修を実施し、地域におけるがん医療の質の向上にも努めているところでございます。これらに加えまして拠点病院と患者、地域の医療機関が検査や投薬等の計画を共有する地域連携クリティカルパス――治療計画書のことでございますが――この活用を本年八月末を目途に県内全域で進めることにより、患者には治療全体の流れを目に見える形にするとともに、拠点病院と地域の医療機関の連携強化を図ることとしております。
     今後とも、県民がなるべく身近な医療機関で安心してがん治療を受けられるよう、拠点病院や地域の医療機関の協力をいただきながら、がんの医療連携の推進を図ってまいります。以上であります。
    ○議長(植田 徹君) 出野文化・観光部長。
           (文化・観光部長 出野 勉君登壇)
    ○文化・観光部長(出野 勉君) 伊豆半島ジオパーク構想の推進についてお答えいたします。
     県では本年三月に策定いたしましたふじのくに観光アクションプランの中で、この構想を世界に誇れる観光ブランドの創出のための重要な施策として位置づけております。伊豆半島ジオパーク推進協議会では本年四月に伊東市に事務局を設置するとともに、地質専門員を配置し日本ジオパークネットワークへの加盟に向け推進体制を整えたところであります。来年度認定を目指しております日本ジオパークネットワークの加盟審査では、ジオサイトをめぐるツアーの実施状況が重要なかぎを握ります。見どころを説明するジオツアーガイドの養成講座を昨日からスタートいたしました。九月末までの三カ月にわたり実施いたしますけれども、予想をはるかに上回る四十七名の参加をいただいております。今年度は活動の中心となるガイドのリーダーを養成し、来年度からの二年間で初級、中級のガイドの養成を計画的に進めていく予定であります。またジオツアーを造成するに当たっては、コースの設定に合わせてジオサイトの成り立ちなどを説明する解説板等の整備が必要であり、現在地質専門員が中心となりまして整備計画案を策定しているところでございます。今後整備を行う市町と協議を進めながら、ガイドの養成とあわせ年内にはジオツアーの実施に結びつけていく予定であります。さらに伊豆総合高校が実施している市民向け講座などの地域交流や小学生を対象に行っているガイドツアーの取り組みが、日本ジオパーク委員会の委員からも世界レベルだと賞賛されました。ことしからは近隣の松崎高校や下田高校南伊豆分校にもジオパークを学習する動きが広がっております。こうした高校生の活動が地元の機運を盛り上げていくものと大いに期待しているところであります。
     県では来年四月の日本ジオパークネットワーク加盟申請に向け、協議会と連携して地域住民を対象とした勉強会を各地で開催し、なお一層の意識の醸成に努めてまいります。協議会と地域が一体となって各種事業を円滑に進められるよう引き続き積極的に支援してまいります。以上であります。
    ○議長(植田 徹君) 吉林経済産業部長。
           (経済産業部長 吉林章仁君登壇)
    ○経済産業部長(吉林章仁君) 新卒者の地域企業への就職支援についてお答えいたします。
     大学生の就職内定率が低迷する一方で、地域企業からは優秀な人材を確保したいとの切実な声が数多くあります。このため県といたしましては、企業の規模にかかわらず県内経済を支える企業は地域企業として一体的にとらえ、学生の関心を高めることに重点を置いて新卒者の就職支援に取り組んでいるところであります。具体的には学生向けの県内地域企業見学会の参加企業を昨年度の七十社から八十一社に拡大いたしますとともに、本年度からは県内大学に出向き学生にかわり企業見学の予約を行うなど学生が参加しやすい環境を整えてまいります。また今年度初めて首都圏の学生を対象に七月には東京で県内の成長企業を紹介する合同企業説明会を、八月には東部、中部、西部の三地域で地域企業を見学する一泊二日のバスツアーを開催いたします。さらに現在約千二百社の地域企業情報を掲載しております県の就職情報サイトの掲載企業数の増加を図ってまいりたいと考えております。
     今後とも地域企業の魅力を積極的に発信いたしますとともに、学生向けの就職面接会を年四回から九回に大幅に増加するなど学生と企業のマッチングの強化に努めまして、人材を求める地域企業が一人でも多くの優秀な学生を確保できますよう積極的に取り組んでまいります。以上であります。
    ○議長(植田 徹君) 安倍教育長。
           (教育長 安倍 徹君登壇)
    ○教育長(安倍 徹君) 静岡県教育振興基本計画の具体的な進め方についてお答えいたします。
     静岡県教育振興基本計画「有徳の人」づくりアクションプランを実効性のあるものとして推進していくためには、議員御指摘のとおり横の連携が肝要であると考えております。県教育委員会といたしましては、自治会や老人会、子供会等、地域の方々が相互に協力し地域防災訓練を初め小学生が共同生活をする通学合宿や高校生を中心とした社会貢献活動などを通して、子供の生活体験の拡大や責任感、協調性、規範意識等の育成に向け、家庭、学校、地域等が一体となった横の連携による人づくりを推進してまいります。また学校等に加え市町教育委員会や教育関係機関へ本計画の冊子を配布しその周知と活用促進を図っておりますが、連携をより確かなものとするためすべての市町教育委員会を訪問し本計画にかかわる市町の取り組み状況や重点施策、課題等について意見交換を行っているところであります。計画の進行管理につきましては、今後教育委員会及び知事部局、警察本部で構成いたします静岡県生涯学習推進本部におきまして成果指標等を定期的に把握し広く県民に公表するとともに、PDCAサイクルに基づき成果と課題を踏まえ施策の見直し改善等を行ってまいります。
     次に、国歌斉唱、国旗掲揚についてであります。
     議員御指摘のとおり、オリンピックやワールドカップなどで見られる日本を応援する子供たちの国旗や国歌を敬う気持ちは純粋なものであり、その気持ちが日本人としての自覚と、日本ひいては他の国々を大切にしていこうという意識にもつながるものと考えております。学校における国旗及び国歌に関する指導につきましては学習指導要領に基づいて実施されております。具体的には社会科におきましては我が国の国旗、国歌の意義を理解し、諸外国の国旗、国歌も含めこれを尊重する態度を身につけることができるよう指導しております。また音楽科では国歌「君が代」を指導し、さらに入学式や卒業式などにおきまして国旗を掲揚し国歌を斉唱するよう指導しております。
     県教育委員会といたしましては、今後とも国歌斉唱及び国旗掲揚につきまして、学習指導要領に基づいた指導が学校で行われるよう努めてまいります。以上であります。
    ○議長(植田 徹君) 小野達也君。
           (十八番 小野達也君登壇)
    ○十八番(小野達也君) 伊豆地域の道路網整備の推進について、いろいろと御答弁いただきましてありがとうございました。
     三月十日までの状況とそれ以降の状況では大分お考えも変わっているかと思います。私も同僚議員と五月九日岩手県に行ってまいりました。拠点である遠野市、そこからいろいろなところを回りましたけれども、一番印象に残りましたのは山田町の町長、川勝知事にお会いして「大変いろいろな意味で御心配いただいた、感謝をしている」ということでありました。一方で担当する防災監のお話が大変印象的でありました。その方は通信が寸断されたその日、有線電話――一般的な電話機も使えない、そして携帯電話等の無線が使えない。その中で県との通信がとれなくなった。そして道路もふさがれてしまっている中で県との連絡をとったのは、ある一市民が歩いて山を越えて朝の二時過ぎにやっと連絡がとれたという話でありました。
     そういうことも含めますといかに道路の整備も、議員先輩方、さまざまいろんな要望を受けると思いますが、やはり道路行政というのは一番多いわけでありまして知事の下にはたくさんの職員がいますが、伊東も出先機関で熱海土木事務所というのが管轄しておりますが、私たちが要望しても、いろいろなことはよくわかるが最後には知事もおっしゃったように財政的にという返事が返ってきます。そういう中で、ぜひ三月十日まで、そして現在、今のお考えの違い、そういったものも具体的にちょっとお話をいただきたいと思います。
     伊東のことを申すようですが、横軸になる伊東大仁線、そしてまた中大見八幡野線、こういったものを今事業しておりますし伊東川奈八幡野線というのが従来あるんですが、工事もとまっていて富戸地区では大変困っている。そんなことも考えますと観光地であるがゆえに工事中のままで置いておいていいのかなという箇所もあります。いろんな意味で具体的な事例は知らなくて結構ですが、震災後の心境の変化、そういうものを含めましてその一点だけお答えいただければと思います。以上であります。
    ○議長(植田 徹君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 三・一一後、伊豆縦貫自動車道についての心境の変化があったかという御質問でございます。
     伊豆縦貫自動車道の必要性については全く変わりません。ただ東日本の大震災におきまして私どもが遠野市に拠点を定め、地図上におきましては花巻から遠野を経て遠野から釜石に入る、釜石から大槌町、山田町に入れると、さらに南に下がれば大船渡、陸前高田に行けるというのは地図上で私は皆さんにお見せして遠野に決めたわけであります。そして実際上、三月十九日に先遣隊が大槌町、山田町に二十日には入っています。私自身が入ったのは二十六日でございます。そのとき通った道路は二百八十三号です。花巻から四、五十キロ東にある遠野、遠野から釜石に至る道路です。この道路は私は当たり前に通ったのですが、その後わかったことがあります。それはその道路の一部が地震でやられまして、それを修復したという、それがなければ入れなかったということです。遠野は行かれた方は御承知のようにあそこは自衛隊の集結基地にもなっています。彼らが入るにもその道路を通らねばなりません。この道路をだれが修復したかといいますと東北地方整備局です。この東北地方整備局が地震、大津波の直後に、あるいは津波の直前に既にヘリコプターを飛ばしてそして上空からの情報を得て啓開チームというものをつくって、民間業者と既に契約をされているそのチームを即座に組んでそして瓦れきの除去をしたんです。これで丸一両日で、実質上一日でこの瓦れきの除去とか修復について応急措置をしたんです。これは国交省でございました。
     私は八・一一のときに初めて自動車道の重要性に気づきました。伊豆半島です。それは八・一一ですからお盆の休みの前ですね。ですからこれはひょっとすると伊豆半島は道路が通れないかもしれないということで、いろいろなお客様のキャンセルが生じ始めたときに気づいたのは国交省の中部地方整備局がその当日に入ってすべての道路をチェックしたんですね。このことが思い出されまして国交省との連携抜きにこれはできないと。全国知事会は御承知のように国の出先機関の原則廃止を強く訴えている。その中心人物が今の会長です。国と地方の協議機関を設けること自体を自己目的にされている。国の出先機関としての最たるものは県なんです。みずからの存在についてこういう広域のときに何ができるかと。今回大失敗をしました。実際上何にもできなかった。初動態勢ができたのは七日後ですよ。我々は、七十二時間以内にしなくちゃいけないということを常に言い聞かせております。それを実際にやったのは国交省です。国の出先機関です。
     ですから私は、三・一一以降、この事実を知った後には明確に府県の廃止ということと同時に、国の出先機関の原則廃止に原則反対ということを強く言いまして、石原慎太郎と激論になったほどです。あの方は国のお役人が嫌いらしいですね。私はそうした敵をつくるということではなくて、国家と都道府県がお互いに協力をし合わないと、けんかをするようでは百害あって一利なしということでございます。
     ですから心境の変化があったとすれば、国交省との関係をさらに強めると。特に国の出先機関との連携をさらに深めていくと。これは信頼関係です。みんなそれぞれ人がやっていますのでそういう信頼関係を深めねばならないと。そのことを通して伊豆半島の生命・安全、そして平時においては観光の振興を図れるということでございます。そうしたことが心境の変化といえば変化でございます。
    ○議長(植田 徹君) これで小野達也君の質問は終わりました。
     以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

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