ここから本文です。
令和5年9月静岡県議会定例会
意見書案の提出及び採決 【 採決 】 発言日: 10/13/2023 会派名: |
○議長(中沢公彦君) 報告します。書記に朗読させます。
(書 記 朗 読)
令和5年10月13日
静岡県議会議長 中 沢 公 彦 様
議 員 加 畑 毅 中 田 次 城 藤 曲 敬 宏 野 田 治 久
土 屋 源 由 岩 田 徹 也 伊 丹 雅 治 宮 沢 正 美
坪 内 秀 樹 加 藤 祐 喜 鳥 澤 由 克 勝 俣 昇
和 田 篤 夫 蓮 池 章 平 杉 山 盛 雄 曳 田 卓
鈴 木 澄 美 植 田 徹 伴 卓 早 川 育 子
四 本 康 久 木 内 満 天 野 一 山 本 彰 彦
天 野 多美子 小長井 由 雄 遠 藤 行 洋 相 坂 摂 治
杉 山 淳 牧 野 正 史 佐 地 茂 人 望 月 香世子
盛 月 寿 美 松 井 優 介 良 知 淳 行 塚 本 大
西 原 明 美 佐 野 愛 子 落 合 愼 悟 大 石 健 司
桜 井 勝 郎 河原崎 聖 河原ア 全 赤 堀 慎 吾
増 田 享 大 小 沼 秀 朗 伊 藤 謙 一 伊 藤 和 子
川 崎 和 子 沢 田 智 文 江 間 治 人 竹 内 良 訓
鈴 木 唯記子 杉 本 好 重 田 中 照 彦 中 沢 公 彦
大 石 哲 司 鈴 木 啓 嗣 田 口 章 飯 田 末 夫
山 本 隆 久 良 知 駿 一 鈴 木 利 幸 阿 部 卓 也
市 川 秀 之 中 谷 多加二 田 内 浩 之
意見書案の提出について
下記意見書案を別紙のとおり提出する。
記
1 アスベスト対策の拡充を求める意見書
1 ゲノム編集技術応用食品の表示等を含めた消費者への情報提供の在り方について検討を求める意見書
1 森林資源の循環利用の推進を求める意見書
1 エネルギーの安定確保と脱炭素化の推進に向けた取組の強化を求める意見書
1 硬膜外自家血注入療法に対する適正な診療上の評価を求める意見書
1 台湾のCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への加入に向けた支援を求める意見書
令和5年7月12日
衆議院議長総務大臣国土交通大臣
参議院議長財務大臣環境大臣 あて
内閣総理大臣厚生労働大臣
静岡県議会議長 中 沢 公 彦
アスベスト対策の拡充を求める意見書(案)
国は、石綿含有建材の除去作業などに伴うアスベストの飛散防止対策を徹底するため、大気汚染防止法などの関連法令を改正し、令和3年4月から段階的に対策を強化している。
令和3年4月には、全ての石綿含有建材が規制対象になるとともに、建築物等の解体・改修工事を実施する際、事前に行うアスベスト含有調査の方法が法定化されたほか、令和4年4月からは、一定規模以上の建築物等に係る当該事前調査の結果を都道府県等へ報告することが義務付けられた。
アスベストの調査・除去費用については、工事価格に転嫁され建築物所有者が負担することが前提であるが、法規制の強化や調査・除去費用を建築物所有者が負担することに関して、多くの国民が認識しているとは言い難い。
建築物所有者の理解が得られず、調査・除去費用を完全に工事価格に転嫁することができなければ、解体・改修工事業者の負担が増し、負担を避けるために無届けや違法工事が横行するおそれがあり、結果として国民や工事従事者の健康被害につながることが懸念される。
今後、平成18年9月のアスベスト全面禁止以前に建てられた建築物等の老朽化に伴う解体・改修工事の増加も見込まれるため、早急な対応が必要である。
よって国においては、アスベストの健康被害を国全体の課題と捉え、アスベスト対策の一層の拡充を図るため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
記
1 国民に対し、アスベストの健康被害やアスベストに係る法規制の趣旨及びその重要性について、周知を徹底すること。
2 アスベストの含有調査及び除去等に関する補助制度である国土交通省の「住宅・建築物安全ストック形成事業(住宅・建築物アスベスト改修事業)」について、より多くの建築物等が補助を受けられるようレベル1建材のみならず、レベル2・レベル3建材まで補助対象とすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和5年10月13日
衆議院議長総務大臣内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)
参議院議長厚生労働大臣 あて
内閣総理大臣農林水産大臣
静岡県議会議長 中 沢 公 彦
ゲノム編集技術応用食品の表示等を含めた消費者への情報提供の在り方について検討を求める意見書(案)
ゲノム編集とは、生物が持つゲノム上の特定部位を切断して、その後突然変異させ、生物の性質を変化させる技術であり、健康維持を目指した食品の開発や効率的な農作物の栽培などを目的とした品種改良に活用されつつあり、地球温暖化、食料自給率の低下、食料安全保障などの課題や、多様なニーズへの対応の可能性が期待されている。
世界的にもゲノム編集技術は新しい技術であるため、EUをはじめ世界各国で規制に関する法令等の見直しは進んでいない状況であり、国によって対応は様々である。
我が国においては、ゲノム編集技術応用食品のうち遺伝子組換え食品に該当しないものは、食品安全委員会における安全性審査を不要とし、食品表示基準についても表示対象外としている。その理由として国は、外来遺伝子等が残存しないものについては、自然界または従来の品種改良で起こり得る変化の範囲内であり、科学的に判別不能であること、また、現状、国内外においてゲノム編集技術応用食品に係る取引記録等の書類による情報伝達体制が不十分であることを挙げ、科学的・社会的検証が困難であるとしている。
現在、遺伝子組換え食品に該当しないゲノム編集技術応用食品は、流通等に先立って国への事前相談を行うこととされ、届出をした上で公表されている。しかし、届出には法的強制力がない上、ゲノム編集技術応用食品が網羅されて公表されているかは不明である。
このような中、消費者からはゲノム編集技術応用食品及びそれを原材料とする加工食品に対し、健康や環境面での懸念のほか、利用するか否か自らが選択できるよう、その表示を求める声が上がっている。
よって国においては、消費者の自主的かつ合理的な選択の機会を確保するため、引き続き知見の集約などに努め、ゲノム編集技術に関する理解醸成を進めるとともに、ゲノム編集技術応用食品及びそれを原材料とする加工食品の表示等を含めた消費者への情報提供の在り方について、さらなる検討を行うよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
令和5年10月13日
衆議院議長総務大臣環境大臣
参議院議長財務大臣 あて
内閣総理大臣農林水産大臣
静岡県議会議長 中 沢 公 彦
森林資源の循環利用の推進を求める意見書(案)
我が国の森林は国土の約7割を占め世界有数の森林国であり、その森林の約6割が天然林等で約4割がスギやヒノキなどの人工林となっており、人工林のうち約7割が木材として利用可能な樹齢40年を迎え、今まさに森林資源は充実した状況となっている。
一方で、国産木材価格の長期低迷を背景に、伐採や伐採後の苗木を植える再造林は進んでおらず、手入れが行き届かない森林は、荒廃が進み土砂災害の防止や水源の涵養、二酸化炭素吸収による地球温暖化の抑制など多岐にわたる公益的機能が十分に発揮されない状況にある。加えて、今般の円安やロシアによるウクライナ侵略など木材需要の不透明さが増している中、経済安定保障の観点からも海外情勢の影響を受けにくい木材の需給構造を早期に構築することが求められている。
そのためにも、人工林が本格的な利用期を迎えた今「伐る、使う、植える、育てる」といった森林資源の循環利用を確立し、多様で健全な森林の整備及び保全の推進、効率的かつ安定的な林業経営に向けた施策を推進していく必要がある。
よって国においては、現下の厳しい経済情勢等を踏まえ、森林資源の循環利用を推進するため、次の事項について特段の措置を講ずるよう強く要望する。
記
1 荒廃山地の復旧対策をはじめ山腹崩壊・流木・土石流対策等の治山対策、間伐の着実な実施、主伐後の再造林及び林道等の路網整備等の森林整備の継続的な実施、並びに木材利用の拡大に必要な予算を十分に確保すること。
2 主伐後の再造林について、苗木の安定供給に取り組むとともに、エリートツリーや広葉樹等の多様な樹種への植え替え及び花粉発生源対策に配慮した施策を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和5年10月13日
衆議院議長総務大臣環境大臣 環境大臣
参議院議長財務大臣GX実行推進担当大臣 あて
内閣総理大臣経済産業大臣経済安全保障担当大臣
静岡県議会議長 中 沢 公 彦
エネルギーの安定確保と脱炭素化の推進に向けた取組の強化を求める意見書(案)
我が国は、エネルギー資源の輸入依存度が極めて高い状況にあり、ロシアのウクライナ侵略等による世界的なエネルギー資源に関する混乱によって、国民生活や企業活動に大きな影響が生じている。加えて、今後も世界経済の成長が見込まれ、資源の獲得競争は一層激しくなることも予想されている。
こうした状況の中で、エネルギー資源の安定的な確保は我が国の安全保障に大きく影響することから、過度な海外依存から脱却し、再生可能エネルギーなどによって国内自給率を引き上げていくとともに、世界的課題であるカーボンニュートラル実現への取組を着実に推進することが重要である。
よって国においては、下記の事項に積極的に取り組むよう強く要望する。
記
1 家庭・業務部門での脱炭素化を推進するため、住宅・建築物への太陽光発電設備の導入に対する支援を充実させるとともに、省エネルギー化や省エネ家電のより一層の普及支援などの省エネルギー対策を強化すること。
2 企業が脱炭素化を実現するために行う設備投資などについて、企業のニーズを踏まえた適切な支援を行うこと。特に、中小企業・小規模事業者が省エネルギー化への取組と再生可能エネルギーの導入を実践できるよう、省エネ設備や自家発電設備の導入などに関する支援を充実させること。
3 洋上風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギーの導入拡大に向けた施策を強力に推進するとともに、地域間融通の促進に向けた送電網の強化や、大型蓄電池の開発促進を着実に図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和5年10月13日
衆議院議長内閣総理大臣財務大臣
参議院議長総務大臣厚生労働大臣 あて
静岡県議会議長 中 沢 公 彦
硬膜外自家血注入療法に対する適正な診療上の評価を求める意見書(案)
交通事故やスポーツ外傷等、身体に強い衝撃を受けたことなどが原因で発症する脳脊髄液漏出症(減少症)の様々な症状によって苦しんでいる患者の状況が、全国から数多く報告されたことを受け、山形大学を中心に関連8学会が参加し、厚生労働省による病態の解明が進んだ。その結果、平成28年4月から、治療法として硬膜外自家血注入療法が保険適用となり、それまで高額な自費診療での治療を必要としていた方が、保険診療のもとに治療を受けられるようになった。
その後の研究により、脳脊髄液の漏出部位は1か所とは限らず、頸椎や胸椎、仙椎等でも起こることが報告されており、硬膜外自家血注入療法を安全かつ確実に行うためには、X線透視下で漏出部位を確認しながら治療を行う必要がある。しかし、現状の診療上の評価に、X線透視下で治療を行うことが要件として含まれておらず、診療報酬の面から、安全性の高い治療ができない状況となっている。
また、脳脊髄液漏出症の患者の中には、硬膜外自家血注入療法の保険適用(J007-2)の要件に掲げられている「起立性頭痛を有する患者に係るもの」という条件が当てはまらない方が10%程度いるとの公的な研究報告がある。実際に医療現場では混乱が生じており、保険適用要件について見直す必要がある。
よって国においては、以上の現状を踏まえ、下記の事項について適切な措置を講ずるよう強く要望する。
記
1 硬膜外自家血注入療法において、漏出部位を確認しながら安全に治療を行うため、X線透視下で治療を行うことを要件とするよう、診療報酬を改定すること。
2 脳脊髄液漏出症の症状として、起立性頭痛を伴わない場合も診療報酬算定の要件として認めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和5年10月13日
衆議院議長外務大臣内閣官房長官
参議院議長財務大臣経済再生担当大臣 あて
内閣総理大臣農林水産大臣
総務大臣経済産業大臣
静岡県議会議長 中 沢 公 彦
台湾のCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への加入に向けた支援を求める意見書
日本と台湾は深い信頼と友情で結ばれており、これまで我が国が大規模な自然災害に見舞われるたびに、多くの支援が届けられるなど、その強い絆に日本国民が感銘を受けてきた。
本県においても、2021年の熱海市伊豆山地区土石流災害の際に、台湾から義援金が寄せられ、復興への大きな力となったことは、県民の心に深く刻まれている。また、本県議会全議員の加入により「静岡県日台友好議員連盟」を設立し活動を行うなど、台湾との結びつきは強い。
このような関係にある台湾は、2021年にCPTPPへの加入を申請している。CPTPPは、日本政府のリーダーシップにより2018年に発効し、高いレベルの自由化と公正なルールの構築を目指す「21世紀型の経済連携協定」であり、台湾が加入することは、連携地域の経済貿易にさらなる活力を与え、域内経済に好循環を生み出すとともに、我が国及び本県にとっても経済のみならず、様々な分野における協力関係の強化が期待される。
よって国においては、台湾のCPTPPへの加入に向けて、積極的に支援するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
○議長(中沢公彦君) 議事日程に追加して、意見書案の件を議題とすることに御異議ありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
○議長(中沢公彦君) 異議なしと認め、これを一括して議題とします。
お諮りします。
本意見書案は趣旨が明瞭でありますので、説明及び委員会付託を省略し、それぞれ原案どおり可決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
○議長(中沢公彦君) 異議なしと認めます。本意見書案は、それぞれ原案どおり可決されました。
お問い合わせ