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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

盛月 寿美 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/24/2019

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について 一四七
(1) SDGsの理念に基づいた県の施策展開
(2) 未来志向の地域外交
2 命を守る災害対策について
(1) 今後の防災訓練のあり方
(2) 指定管理者制度導入施設における災害時の対応
(3) 災害廃棄物処理計画の確実な推進
3 海洋プラスチックごみ削減の推進について
4 休眠預金に係る資金の活用について
5 SPACによる県民の文化力向上に向けた取り組みについ
 て
6 健康長寿日本一に向けた取り組みについて
7 ヘルプマークの啓発について
8 人と動物とが共生する社会について
9 難聴児への支援について
10 企業における女性活躍の促進について
11 清水港長期構想の実現に向けた取り組みについて
12 県立中央図書館における障がい者の読書環境整備について
13 高校教育における通級指導制度の推進について
14 高齢ドライバー事故防止対策について


○議長(鈴木利幸君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百二十七号から第百五十号まで及び平成三十年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、二十七番 盛月寿美君。
       (二十七番 盛月寿美君登壇 拍手)
○二十七番(盛月寿美君) 私は、公明党静岡県議団を代表して県政の諸課題について知事、副知事、関係部局長、教育長、教育部長並びに警察本部長に一括質問方式で質問いたします。
 初めに、知事の政治姿勢についてのうち、SDGsの理念に基づいた県の施策展開について伺います。
 二〇一五年九月に国連で採択された持続可能な開発目標――SDGsでは、全ての国々に普遍的に適用される十七の目標に基づき経済、社会、環境をめぐる広範な課題への統合的な取り組みが求められています。私は今回の質問で、県の施策や方針などを確認することを通じて県政の課題とSDGsが目指す目標はリンクしていることを再認識いたしました。
 このあと質問する健康長寿日本一に向けた取り組みは目標三の全ての人に健康と福祉を、難聴児への支援や障害者の読書環境整備は目標四、質の高い教育をみんなに、企業における女性活躍の促進は目標八の働きがいも経済成長も、の目標達成につながります。これまで議会質問で取り上げてきたLGBTにかかわる課題も、目標五、ジェンダー平等の実現と、目標十、人や国の不平等をなくすという目標と関連しています。LGBTなど性的少数者は現在十一人に一人いると言われます。学校などの教育現場、就職時や職場での環境、病院での対応、住居を借りることや災害時の避難生活などさまざまな場面で生きづらさを抱えている方たちがたくさんいますが、社会全体で理解が進んでいないのが現状です。県においても関連する部署は健康福祉部、くらし・環境部、危機管理部、経営管理部、経済産業部、教育委員会など多くの部署にわたっています。
 LGBTのことを主に例として挙げましたが、SDGsの十七の目標を意識しないでは県民のための施策展開には取り組めないのではないでしょうか。誰一人取り残さない社会の実現のためにSDGsの理念に基づいた県の施策展開について、知事のお考えを伺います。
 次に、知事の政治姿勢についてのうち、未来志向の地域外交について伺います。
 今、世界は米中の貿易摩擦、イギリスのEUからの離脱騒動など自国の利益を優先させる自国中心主義的な動きやポピュリズムによる排他主義により世界各地で対立や分断、紛争が絶えず強い緊張感に覆われています。また日本と隣国、韓国との関係悪化は憂慮すべき情勢となっています。
 知事は、昨年九月に韓国で韓中日比較文化研究所の李御寧理事長と対談され、その対談内容はふじのくに三十七号に「生命化時代を作る」として掲載され、その中で地政学的、千年単位の視点から日韓の関係はより重要であるとの認識を示されました。これまでも日本と中国、韓国との国家間での厳しい状況下において本県の地域外交は浙江省との友好提携三十周年事業の実現や韓国忠清南道との友好協定の締結など地域間の相互信頼関係を築き、大きな役割を果たしてきました。
 平成二十三年度にそれまでの国際課を地域外交局に発展させ、翌年度には地域外交基本方針を策定、モンゴル・ドルノゴビ県との友好協定の締結、台湾に駐在員事務所を開設、インドネシア西ジャワ州と人材育成及び経済分野での協力推進に係る覚書の調印、そのほかインド、アメリカ、イタリアなどとも人をつくり富をつくり平和を築くという地域外交の方針のもと取り組みを進めていると承知しています。
 国と国との対立がそこに住む人と人のきずなまで壊すことはできません。不幸な歴史や出来事を忘れることができなくとも許すことができるのは、人と人との強いつながりや知恵であります。通商のみならず文化芸術、教育、スポーツを通じた実効性のある外交を展開することはもとより壮大な多視点、高視点から今こそ未来志向の地域外交を展開し命が輝く時代を開いていく必要があると考えます。
 そこで、知事のこれからの地域外交に対するお考えを伺います。あわせて知事も重要と認識されている市町との連携によるふじのくに地域外交の現在までの進捗状況と今後の方向性についても伺います。
 次に、命を守る災害対策について三つ質問いたします。
 日本列島各地で深刻な災害が相次いでいます。八月九州北部地方での猛烈な雨による甚大な被害、さらに今月八日からの台風十五号の影響で県内では伊豆半島を中心に大きな被害が発生しました。今後も市町とよく連携して災害復旧を進めていくことを強く要望いたします。
 以前は災害は忘れたころにやってくると言われましたが、今は忘れないうちにやってくる。いつ災害が起きたとしても一人一人が自分自身や周囲の人の命を守るために、具体的な実践に取り組む自助、共助の重要性を常に呼びかけていく必要があります。そして公助においては、行政の立場で行うべき対策が十分であるかを常に見直していくことが重要です。こうした観点で質問をしていきます。
 初めに、今後の防災訓練のあり方について伺います。
 静岡県は、九月の防災の日、十二月の地域防災の日を中心に防災訓練を実施し、また三月には沿岸地域で津波避難訓練を行っています。近くは九月一日に県総合防災訓練が行われましたが、訓練の成果と課題を明確にして県下全域で行われる十二月一日の地域防災の日にその成果を生かしていく必要があります。そのためには県は訓練における獲得目標を明確にして都市部、住宅街、中山間地域、山間部、沿岸部などの地域特性に合わせて必要な訓練を行うべきです。
 あわせて、共通事項になる発災後の初動態勢の確立に重点を置いた訓練も重要で、混乱を最小限にして避難所運営をスタートさせるための訓練を時系列で行うことが重要と考えます。例えば応急危険度判定士の仮判定を全会場で行うことから始めたり、開設に当たっては女性の視点が生かされ、さらに衛生管理体制や要支援者に対する対応の構築などを訓練すべきと考えます。
 また、会場を選定して災害時の支援協定を結んでいる県助産師会などとの共同訓練を行うことや福祉避難所との連携訓練などを行い、地域との連携強化を図ることも必要と考えます。避難所運営体制強化の一環として今年度、市町職員や自主防災組織役員などに対して研修会を行っておりますがその成果が発揮でき、自主防災組織のリーダーの人材育成が推進されることを期待します。
 さまざまな観点で今後の防災訓練のあり方を提言しましたが、自主防災組織を中心とした地域の防災訓練の充実について、今後の県の取り組みを伺います。
 次は、指定管理者制度導入施設における災害時の対応について伺います。
 我が会派では、避難所の運営や要配慮者への対応についてこれまで議会で継続して取り上げてきました。今後も災害時に避難生活を送る避難所の整備や環境改善に県は積極的に取り組むべきと考えます。
 現在、指定管理者制度を導入している県有施設が四十五施設あります。実際に大規模地震が起こったときには避難所に指定されている、いないにかかわらず県有施設に多くの県民が身を寄せてくることが想定されます。しかしながら四十五施設のうち指定避難所や避難場所として所在市町と協定を締結し避難者対応について定められているのは五施設のみであり、ほとんどの施設で避難者対応を想定していない状態です。県有施設には避難者が集まるということを想定し、施設の所有者である県、施設を管理する指定管理者、施設が所在する市町、それぞれの役割や費用分担などの対応についてルールを明確にしておく必要があると考えます。
 そこで、指定管理者制度を導入している施設における災害時の対応について県として今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、災害廃棄物処理計画の確実な推進について伺います。
 県は、平成二十七年三月に静岡県災害廃棄物処理計画を策定し、県内の市町が被災したときと支援側になったときこの両面からの処理計画を明確にしました。災害廃棄物は一般廃棄物であるため市町に処理責任がありますが、市町単独で処理が困難な場合県は情報提供や連絡調整さらに事務委託を受けて災害廃棄物を処理することになり、県は市町が独自に処理する場合も含め県全体の調整について関与することになっています。
 想定によると、南海トラフ地震のレベルツーにおける災害廃棄物の発生量が最大の地域は私の住む静岡市清水区で約四百万トン。また処理年数の想定では災害廃棄物を市町の処理施設で処理した場合に何年で処理できるのかを試算した結果、最も長いのが牧之原市で約百年、次が南伊豆町の約九十年とされています。それぞれの数値を見れば各市町が単独で処理することができないことは明確で他の自治体や民間事業者にも処理の依頼を行っていく必要があります。この計画に基づいて計画を年一回実施して問題点を検討すること、またその結果や収集した情報を評価し計画の修正を行うことになっていますが、計画策定以降どのような取り組みを行いどう見直しを行うのか伺います。
 さらに、他県においては産業廃棄物処理業の事業範囲に選別があるところがありますが静岡県においてはありません。選別を事業の範囲に入れれば災害廃棄物の処理の効率化が図られるとともに、通常時においても現在よりさらにリサイクルが進み、結果として最終処分場に持ち込むものを減少させることが可能になると考えます。
 今後、県はこの処理計画を具体的に推進するためにも選別を事業として行えるよう産業廃棄物の処理業の事業範囲に加えるべきと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、海洋プラスチックごみ削減の推進について伺います。
 ことし六月のG20大阪サミットでは主要テーマの一つとして海洋プラスチックごみの削減が話し合われ、二〇五〇年までに海へのプラスチックごみの流入をゼロにすることを目指すことや参加国間で削減の取り組みを報告、共有する枠組みの創設が合意されました。削減の具体的な期限や数値目標までは決められませんでしたがプラスチックごみによる海洋汚染対策は待ったなしです。
 ことし八月、我が会派は富山県のSDGsの取り組みを視察しました。二〇〇八年から全国初となる県単位でのレジ袋無料配布の廃止を実施した結果、十年間でレジ袋約十四億枚、石油換算でドラム缶約十三万本の削減につながりました。さらに今年度は県内企業の従業員に名刺サイズまでコンパクトに畳めるマイバッグを県がつくって配布し、コンビニやドラッグストアなどで使用してもらうノーレジ袋実践ウイークを実施しました。このほか上流域から海岸までの県内全域で清掃活動を毎年実施、この活動を通じて海岸漂着物の八割が自分たちの県内から出たものという事実を知ることでプラスチックごみ削減を真剣に考える機会につながっているとのことでした。
 静岡県は美しい駿河湾に面し自然豊かで温暖な住みやすい県です。海洋プラスチックごみ削減についても他県の模範となる取り組みを進めていくことで、全国にも波及していける影響力を持っています。
 本県では、五月三十日から静岡県海洋プラスチックごみ防止6R県民運動を展開しているところですが、海洋プラスチックごみ問題に対してさらなる県民意識の向上に取り組む必要があると考えます。県の今後の取り組みについて伺います。
 次に、休眠預金に係る資金の活用について伺います。
 休眠預金を社会貢献のために活用する制度が本年度から開始されました。休眠預金とは長年お金の出し入れが行われず、最後の取引日から十年以上がたっても預金者と連絡がつかずに放置されたままになっている口座の残高のことです。毎年七百億円にものぼる休眠預金が生まれていると言われます。預金者の請求に応じ預金は必ず払い戻しされますが、請求があるのは毎年約三割から四割でありそれを除く残高は金融機関の利益として計上されてきました。
 国では、平成二十六年からこの持ち主  預金者があらわれない預金分だけ民間公益活動に活用し社会全体に還元できるよう法制化の議論が進められ、平成二十八年十二月に休眠預金等活用法が成立しました。社会的な課題である貧困や高齢化、障害者福祉など社会福祉分野の課題解決は行政だけでは担い切れないのが現状で、地域社会の課題解決のために活動するNPOや社会起業家もふえてきています。一方でNPOなどが公益活動を継続して行うには資金確保の問題は大きいと思われます。
 休眠預金の活用開始に当たり、今月中には民間公益活動を行う実行団体に対して助成を行う資金分配団体が決定し、実行団体への助成が年度内には開始される予定と聞いています。実行団体としては子供及び若者の支援に係る活動、日常生活または社会生活を営む上で困難を有する者の支援に関する活動、地域社会における活力の低下その他の社会的に困難な状況に直面している地域の支援に関する活動などに取り組む団体が十月から公募される予定と承知しています。社会課題の解決に向けて新たな財源として休眠預金を活用できることは本県にとっても大きな意義があると考えます。
 そこで、休眠預金の活用について社会的な課題解決に向けた民間公益活動が充実するよう県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、SPACによる県民の文化力向上に向けた取り組みについて伺います。
 世界に誇る本県の文化芸術の拠点であるSPAC。近年宮城聰総監督のもと活動は国内にとどまらず、平成二十九年には世界的な演劇祭の一つであるアヴィニョン演劇祭のオープニングを飾りました。さらに平成三十年には日仏友好百六十周年を記念してフランスで開催されたジャポニスム二〇一八の公式企画としてパリで公演を行い大変好評であったと聞いています。こうした活動が評価され、ことし四月には宮城聰総監督がフランス芸術文化勲章の一つであるシュヴァリエを受賞されました。駐日フランス大使が出席された授賞式に私も出席し、これまでのSPACの軌跡を改めて知るとともにまさに本県の宝であると実感しました。
 国内外での活躍と同時にSPACの俳優の皆さんは地域でも活躍されています。私の地元清水区では、先月蒲原新田の旧岩邊邸で古民家を活用した俳優によるリーディングカフェが開かれ、来月には次郎長生家を活用した朗読音楽会「月琴で綴る龍馬の手紙」が開催予定で地域活性化のためにも活動されています。
 しかしながらまだまだ県民の認知度は低く、昨年県が実施した調査によればSPACの認知度は二一・二%となっています。あとの約八割の県民にSPACのすばらしさを知ってもらうことができれば文化芸術への関心が高まり、本県の文化力の向上につながると考えます。
 質の高い演劇は、見る人の心を豊かにします。未来を担う子供たちが本物の芸術に触れる機会は大切で、教育面における効果は大きいと言えます。さらにはSPACの観劇を目的に国内外から多くの方が静岡を訪れることは本県のブランド力の向上にもつながるものと考えます。
 そこで、世界的クラスの活動と県民の身近なところでも頑張っているSPACを一人でも多くの県民に知っていただき活動を応援してもらえるよう、県として今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、健康長寿日本一に向けた取り組みについて伺います。
 我が国の平均寿命は男性が八十一・二五歳、女性が八十七・三二歳となり、いずれも過去最長を更新したとの発表がありました。まさしく人生百年時代が到来し超高齢社会への備えは重要課題であり、健康長寿社会の実現に向けての施策の充実は今後もさらに求められます。
 本県は、平成二十四年度からふじのくに健康長寿プロジェクトに取り組み、第一回健康寿命をのばそう!アワードにおいて厚生労働大臣最優秀賞を受賞するなど実績を残してきました。健康寿命延伸の取り組みは全国で進められていてもちろん順位を競うようなものではありませんが、日本一を目指す意気込みは必要だと思います。
 健康長寿の三要素は、運動、食生活、社会参加と言われます。このうち運動についてラジオ体操が健康に暮らすための身近な運動として改めて注目されています。全身の筋肉を使って体を動かすことの効果はもちろんですがラジオ体操にはコミュニティーをつくる役割もあります。私個人的には、新しい朝が来たとラジオ体操の歌を歌って始まることもポイントだと思っています。
 東京都では、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックへの機運の盛り上げと健康づくりのため、二〇一七年からみんなでラジオ体操プロジェクトを実施、栃木県ではラジオ体操の指導者が各地を巡回するラジオ体操キャラバンを実施するなどの取り組みが見られます。本県においても県民に日々の運動習慣をもっと呼びかけていくべきと考えます。
 食生活、社会参加も大変重要なのは言うまでもありません。大切なのは県民一人一人が生きがいを感じて元気に過ごせる場や仕組みをつくることです。健康面で問題なく生活できる健康寿命とともに仕事やボランティア、社会貢献活動など地域活動に取り組むことができる活動寿命をそれぞれ伸ばすという観点が必要と考えます。
 まずは、活動寿命を延ばすための具体的な施策について伺います。さらにそれを踏まえて健康長寿日本一に向けての県の今後の取り組みを伺います。
 次に、ヘルプマークの啓発について伺います。
 外見ではわかりにくい内部障害や妊娠初期の方、難病の方など援助や配慮が必要な人が周りからの手助けを受けやすくするためのヘルプマーク。本県においては二〇一八年二月から導入されヘルプマークを身につけていることで安心につながっていると、たくさんの喜びのお声が寄せられています。しかしながらまだまだ課題もあります。
 まずは、十分に理解がされていないことです。そして必要と思われる人に行き渡っているかどうか、さらには周りの人たちが手を差し伸べる、声をかけるなどの行動をとることにつながっているかということです。
 二年前に障害者総合研究所が実施したヘルプマークに関する調査の中で、約四割の人が利用したいと思わないと回答し、その理由として利用時の周囲の反応が気になるから、認知不足により役に立たないからなどを挙げています。一方でバスなどで席を譲りたいけれど声をかけるなどの行動に移す勇気のない人もたくさんいるのではないかと思います。
 先日、私の地元の小学生が逆ヘルプリボンというのをつくって見せてくれました。障害者を助けたり興味のある人がつける印。手伝いますよという意味のリボンとのこと。ヘルプマークの逆転の発想です。きょうはその小学生の皆さんと保護者の方々が傍聴に来てくださっています。私は小学生の子供たちが考え出してくれたことが本当にうれしく、静岡の未来に希望を感じました。子供たちの明るい未来のためにも誰もが生きづらさを感じない、心の通う地域社会を構築していくことが私たちの責務です。
 全国の動きを見ると、東京大学の学生がシンボルマーク、マゼンタ・スターを身につけることで協力が必要な時はお声をという気持ちを表明する協力者カミングアウトを推進しています。こうした逆転の発想、逆ヘルプマークについて、県の所見を伺います。
 また、助けてもらいたい人、協力したい思いを持っている人、互いの意思疎通が図られるように周知・理解促進のための具体的な県の取り組みについて伺います。
 次に、人と動物とが共生する社会について伺います。
 公明党静岡県議団は、代表質問や予算要望、総合計画における殺処分ゼロの目標設定など人と動物とが共生する社会を実現するための施策推進を求めてきました。県は二〇一八年度の総合計画新ビジョンに目標値として殺処分ゼロを明確に掲げました。しかしながら殺処分の頭数は大きく減少に転じたもののゼロにはなっていません。視覚に障害のある方を支援する盲導犬を初め、静岡県立こども病院にはファシリティドッグのヨギが病気と闘う子供たちを毎日励ましています。その他介助犬、聴導犬、警察犬、災害救助犬などが人の命に直接かかわる重要な存在として活躍しています。
 また最近は空前の猫ブームで、テレビの猫番組や猫カフェなど経済効果も二兆円を超えると試算されている一方で放置猫に対する餌やりが地域でのトラブルとなる事例も散見されます。
 そこで、まず動物愛護という従来の考えから人と動物とが共生する社会へ考え方を大きく転換するため、例えば動物愛護管理推進計画を人と動物の共生計画に変更するなど県民に対しても強いメッセージを発信していくべきと考えますが、県の所見を伺います。
 現在設置されている県の動物管理指導センターの実情は極めて劣悪な環境であり、これまで何度も本会議においてセンターの再整備を求めてきましたが、これまで県の再整備についての言及はありません。さきに述べましたように人と動物の共生社会を構築していくためには民間団体と連携した動物飼育に関する教育、共生に関する情報発信の拠点として誰もが自由に訪れ、動物と触れ合い、命の大切さを伝えることのできる開かれたセンターを構築する必要があると考えますが、改めてセンターの再整備に対する県の所見を伺います。
 次に、難聴児への支援について伺います。
 これから質問することへの答弁とも考えられる内容が昨日の一般紙の一面に掲載をされておりました。こうしたことは私には理解できませんし正直少し憤慨をしている部分もありますけれども、掲載されたこと以上のすばらしい答弁があることを期待して質問に入らせていただきます。
 先天性の難聴は千人から千五百人に一人と先天性異常としては多く、幼児期の耳の障害は言葉の発達に大きく影響します。ただ乳幼児期の難聴に対し適切に対応、介入すれば小学校入学時までに健聴児と同様の言葉の獲得ができると言われています。
 静岡県は先天性聴覚異常の早期発見、治療に力を入れています。医療機関に対する検査機器の購入費の助成は全国に先駆けて実施し、私が平成二十八年九月定例会で取り上げた新生児聴覚検査の公費助成は現在県内全ての市町で実現しています。これにより受診率は一〇〇%まであと少しというところまできています。
 静岡県立総合病院の先端医学棟に入っている、きこえとことばのセンターの高木明先生によると、オーストラリアでは政府や研究機関、言語聴覚士団体などが一丸となって難聴児もほぼ全員が聴力を得られるように対策しているそうです。その点日本は大幅におくれをとっているというお話を聞き、国レベルで取り組む必要性を実感し公明党の国会議員につなげたという経緯があり、厚生労働省と文部科学省でプロジェクトチームを発足し早期発見、早期療育の体制整備に国が本格的に取り組み始めました。人工内耳を装着した難聴児のリハビリに音楽を活用したことで難聴児がリズムをとり、歌えるまでに改善したという事例も聞きます。
 ここまで全国をリードした取り組みを進めてきた静岡県が、さらに対策を充実させることが日本全体に広がっていくと言っても過言ではありません。早期発見、早期療育による総合的な支援で難聴児・者が将来自立し地域共生ができることが期待できることを考えても難聴児の支援をさらに充実させるべきと考えますが、県は今後どのように取り組むのか伺います。
 次に、企業における女性活躍の促進について伺います。
 総務省が七月三十日に発表した労働力調査によると、六月の女性就業者数が初めて三千万人を超えました。近年生産年齢人口の減少等により人材不足が深刻化しており、AIやIoT等の導入による生産性の向上と合わせて人材の確保と育成が喫緊の課題となっており、女性や高齢者など多様な人材の活躍が企業の成長に不可欠との認識は広がってきていると感じます。
 誰もが働きやすい環境づくりに向け働き過ぎを防ぎ、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指した働き方改革関連法がこの四月から順次施行されています。六月にはハラスメント対策法も公布されるなど働く人を取り巻く環境整備のための法整備が進んでいます。
 去る六月五日に公布された改正女性活躍推進法では、女性活躍行動計画の策定対象企業が従業員三百人以上から百一人以上へと広がり、今後三年以内に法が施行されることとなっています。新たに対象となる百一人以上三百人未満の企業は県内に約千社あり、この行動計画が策定されることにより女性が活躍できる環境はさらに整備されていくものと考えます。
 しかしながら国による計画策定のための支援策も明確になっておらず、さらに今回の法改正で対象となる中小企業は計画策定のための人員も少なく、これまで女性活躍の取り組みも十分ではないのが現状と考えます。
 そこで、今回の法改正を踏まえ企業が女性活躍を促進できるよう県としての支援が重要と考えますが、今後具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。
 また、これまで何度か指摘している不妊治療を理由に退職する女性が多いという問題もまだまだ残っています。この点においても国が不妊治療と仕事の両立を支援するための企業向けマニュアルを策定する方針を固めています。県内企業が積極的に取り組んでいけるよう支援していくべきと考えますが、県の具体的な取り組みについて伺います。
 次に、清水港長期構想の実現に向けた取り組みについて伺います。
 清水港は、明治三十二年八月の開港から本年八月四日に百二十年を迎えました。現在清水港は物流、産業面での利用が促進され近年はクルーズ船の寄港もふえ大きく発展を遂げています。一方これまでにも指摘してまいりましたが、地元住民にとっては港に親しむ機会や場が減ったと感じる部分もあり清水港の歴史や魅力への意識が薄れているようにも感じます。
 この七月から八月にかけて清水港の各所で開港百二十周年記念事業や海フェスタしずおかなどが開催されました。その内容は清水港の歴史を振り返り、現在を見詰め、未来を展望することを通じて清水港の重要性、大切さを再認識できる大変よい機会であったと感じています。これをレガシーとしてしっかりと生かして清水港に関するさまざまな啓発の機会を今後も引き続き設けていくべきと考えます。
 開港記念日である八月四日には日本平ホテルにおいて記念式典が開催され、鈴与株式会社の鈴木与平会長と難波副知事から特別講演がありました。鈴木会長は清水港が戦国時代は軍港、江戸時代は東西物流の中継拠点、明治以降は国際貿易港と変遷してきた歴史を紹介され、その上で運送業を中心とする港湾業、缶詰などの地場産業、臨海工業の三つの産業が重なり活気ある清水をつくってきた。今後次世代に清水を引き継ぐ上で清水のアイデンティティーを鮮明にしていきたいと話され、清水港の歴史と将来に思いをめぐらせる大変有意義な講演でありました。
 難波副知事からは、このたび県が策定した清水港のおおむね二十年後の将来像を示す長期構想について講演がありました。スムーズな物流の実現や港を生かした美しいまちづくりなどの基本理念、清水港の目指す姿を皆で共有し将来像を描いていくことの重要性を語られました。
 開港百二十周年を迎え、新たな令和の時代を迎えた清水港の明るい未来、将来像として示された長期構想の実現に向けての今後の県の取り組みについて伺います。
 次に、県立中央図書館における障害者の読書環境整備について伺います。
 最近の図書館は、単に本を読むことだけを目的とする場所ではなく明るく立ち寄りたい雰囲気やカフェを併設したり交流スペースでイベントを開催するなど、人々が集まる場所としてイメージは大きく変わってきていると感じます。こうした図書館は全ての人に開かれた場所であるべきであり、障害のある方にとっても利用しやすく親しめる場所となるように現在のあり方を見直す必要があります。
 県内には、視覚に障害のある方が本や雑誌を読みたいと思うと視覚障害者情報支援センターを利用してデイジー図書と言われる音声図書や点字図書を読むことができます。しかしながらこのようなセンターはこの一カ所だけです。発達障害の一つである文字を読むことが難しいディスレクシアの方は耳からの情報は理解できることが多いためデイジー図書やオーディオブックを利用されますが、県内全ての図書館で対応している状況にはありません。まだまだ障害のある方が利用できる図書サービスが少なく、図書館でのサポートも十分ではないように感じます。
 ことし六月に制定された読書バリアフリー法では、デイジー図書や音声読み上げ対応の電子図書、オーディオブック等のアクセシブルな電子書籍の普及や視覚に障害のある方などの需要を踏まえて引き続き点字図書、拡大図書等が提供されること、障害の種類、程度に応じた配慮がなされることなどが基本理念に掲げられています。国や地方自治体には地域の実情を踏まえ計画策定や施策の実施が求められています。
 現在、静岡県立中央図書館は文化力の拠点に全館移転整備される計画であり、新しい県立中央図書館は障害のあるなしにかかわらず全ての人が読書を通じて生涯学び続けられる場所にしていくべきと考えます。
 そこで、今後整備される新県立中央図書館における障害のある方々の読書環境整備について、県の取り組みを伺います。
 次に、高校教育における通級指導制度の推進について伺います。
 平成二十四年に文部科学省が実施した調査によると、小学校、中学校の通常学級には約六・五%の割合で知的障害はないものの学習面または行動面で著しい困難を示す児童生徒が在籍しているとの報告があります。六月定例会の代表質問で我が会派の田好浩議員が高校教育における通級指導制度の拡充について質問し、これまでの静岡県立静岡中央高校三キャンパスでの取り組みに加え県内十一校での巡回指導に向け準備を進めるとともに、新たに担当する教員に向けて通級指導教室のスタートブックを活用、精神科医の助言をいただくとの答弁がありました。人生の中で最も多感な時期であるとともに、友情を育み人格を形成する大切な時期の教育において知的障害はないものの学習面や行動面で著しい困難を抱える生徒に対する支援体制を迅速に構築すべきであると考えます。
 また、いずれの学校においても必要に応じて適切な通級指導を受けられることが求められます。さらに指導に当たる専門の教員だけでなく全ての教員が発達障害に深い理解を示し、生徒や保護者に適切なアドバイスができることも重要と言えます。
 そこで、今後の高校教育における通級指導制度の取り組みについて、教育長のお考えを伺います。
 最後に、高齢ドライバー事故防止対策について伺います。
 全国では、高齢者が運転する車による痛ましい交通事故が後を絶ちません。近年交通事故による死者数は年々減少傾向にありますが、平成三十年の全国統計によると交通事故起因者の年齢層別運転免許人口十万人当たりの死亡事故件数は七十五歳未満の運転者と比較すると、七十五歳以上は二倍以上、八十歳以上になると三倍以上とのことで年齢が高くなるに伴い事故率が高まることが明らかとなっています。
 七十五歳以上の運転免許保有者は増加を続け、この十年間で七十五歳以上は一・七倍、八十歳以上では一・九倍に増加しておりドライバーの高齢化が進んでいます。県警察では高齢ドライバー事故防止対策として運転に不安を持つドライバーを対象に運転免許自主返納者サポート事業を展開していると承知しています。今後もサポートの輪を広げ官民一体となって自主返納しやすい環境づくりを進めていく必要があると考えます。
 しかし、高齢運転免許保有者が今後さらに増加していくことを考えると総合的な対策が急務です。具体的にはブレーキとアクセルの踏み間違いによる急発進を防ぐ装置などの普及、さらには運転する車両を安全サポート車に限定したり運転する場所や時間帯を制限するなど、高齢者の特性に応じた限定条件付免許の導入も今後国として検討していくべきと考えます。また運転に必要な適性に関する調査として実際にコースまたは道路で自動車等を運転して行う検査や実車による指導ができるよう法整備することも必要ではないでしょうか。高齢者の移動手段の確保、通院や買い物などで自動車の運転が必要不可欠な方々への対策も重要です。高齢ドライバーの事故等を未然に防止するため、真に必要な安全対策を早期に進めるべきと考えます。
 そこで、本県におけるブレーキとアクセルの踏み間違いによる交通事故の現状とそのうち高齢ドライバーの割合、現状を踏まえた今後の取り組みについて警察本部長に伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 盛月議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、SDGsの理念に基づいた県の施策展開についでであります。
 SDGs、すなわちサステーナブル・デベロップメント・ゴールズというのは二〇一五年の九月、ちょうど四年前の国連総会で全会一致で採択されたものであります。持続可能で生物の多様性、また文化の多様性、そしてまた包摂性のある社会の実現のために二〇三〇年までに十七の目標を達成しようというものでございます。
 さて、昨年四月にスタートした県政運営の羅針盤は静岡県新ビジョンと題しておりますけれども、これは世界から見た静岡県という視点に立って全ての人が国籍、性別、心身の障害の有無こうしたものにかかわらず努力をすればみずからの夢が実現でき幸せを実感できる地域社会の実現を目指しております。これはまさにSDGsの理念の柱を成しております誰一人取り残さない社会の実現と方向性を同じくするものであります。
 このため、新ビジョンに盛り込んだ政策とこのSDGsの十七の目標との関連性を明記したところであります。これは県を挙げて新ビジョンを推進することで、SDGsの国際社会におけるフロントランナーとなって世界共通の目標となるSDGsを推進し国際社会へ貢献していこうという意思を表明したものであります。
 議員御指摘のとおり、健康寿命の延伸や女性の活躍など県のあらゆる施策とSDGsの目標は密接に関連しています。LGBT  レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスセクシャル等々にかかわる課題につきましてもジェンダーの平等の実現や不平等を是正するというSDGsの視点を持って教育、雇用、福祉、暮らし、防災など各分野において改めて申し上げますけれども性別、国籍、年齢、障害の有無などにかかわらず誰もが活躍できる社会の実現に向けた施策を積極的に展開してまいります。
 また、SDGsを推進していくためには企業や団体等の取り組みの活性化も重要です。ことし一月には全国の先進的な取り組みを紹介するセミナーを開催いたしました。このセミナーへの参加者からは推進体制や推進方法をより具体的に聞きたいという御意見もいただき、さらに多くの事例の紹介をもっとしてほしいという声もいただいたところであります。
 このため、今年度は高い意識を持つ企業あるいは団体等と意見交換を行いまして先進事例の成果や課題を踏まえた上でセミナーの充実を図ってまいります。成功事例創出につなげるためのノウハウの浸透や先進事例の横展開などによりましてオール静岡でSDGsを推進する環境を整備してまいります。
 我が日本は人口減少、超高齢化、エネルギー制約等々さまざまな課題に直面するいわば課題先進国であります。SDGsの推進の先導役を担うという強い気概を持っております。
 昨日、国連にはスウェーデンの少女が人間の経済発展あるいは利益のために地球環境が破壊されてはならないと、これをするようなことであれば私は許さないと涙ながらに訴えていました。人間の不平等はなくさねばなりませんけれども、あわせて静岡県にも駿河湾の海の環境、富士川や大井川の川の環境あるいは南アルプス、富士山など山の環境、そこにはたくさんの生物が息づいております。これらについても我々は意を配らねばなりません。
 この静岡の地に世界が将来直面する課題解決のモデルを構築し、国内外から憧れられる美しいふじのくにを実現するべく全力で取り組んでまいります。
 次に、未来志向の地域外交についてであります。
 静岡県では、外国の人々と相互の信頼関係によって培われる地域間の揺るぎない交流が地域の利益にもかない、国の利益にもかない、平和を実現する条件になると考えておりまして、これまで国家間の関係が難しい時期におきましても友好的な関係を持っている外国の地域とは友好的互恵・互助の精神に基づく善隣外交を一貫して推進してまいりました。
 中国とは、平成二十四年に尖閣諸島をめぐり日中間の国家間関係は極めて険悪になりましたけれども、私ども静岡県は浙江省との友好提携三十周年記念事業をお互いが協力をすることによって盛大にとり行い両県省の信頼関係を確固たるものといたしまして、少なくとも中国政府からは感謝の念が表明されたところであります。
 また、お隣の韓国とは平成二十六年から毎年六月二十日に日韓の平和構築と文化交流の象徴である朝鮮通信使とゆかりの深い清見寺におきましてことしは駐日韓国大使、昨年は元韓国の首相など韓国政府の要人と徳川家の御当主をお迎えいたしまして茶道裏千家のお家元のお手前による茶会を催し、互いの友好関係を確認しております。この六月二十日というのも朝鮮暦における一六〇七年六月二十日ということで、このときに日本と当時の朝鮮王国との関係が今よりもはるかに厳しい条件でございましたけれども、六月二十日にこの静岡の生んだヒーローである家康公が朝鮮からの使節を歓待されて、それがきっかけで国連のユネスコの遺産になりましたこの朝鮮通信使というものが始まったということでございまして、その故事に倣ってこのお茶会を催しているということでございます。
 現在、日本と韓国の政府間の関係は非常に厳しい状況です。しかし本県といたしましてはこれまで同様に友好協定を締結している特に忠清南道  昔の百済でございますが  この地域を初め韓国との交流の窓口は閉ざすことはありません。お互いの信頼関係を醸成し双方にとってメリットのある交流を進めていくことが重要であるという考えに一切揺るぐところはありません。
 一方、海外との交流・友好関係を拡大していくためには県のみならず多くの市町が海外との交流の裾野を広げていくことが重要です。このため県と市町による地域外交推進連絡会議を初め海外駐在員による報告会、個別相談会等々を通じまして市町からの海外交流に関する要望あるいは相談に対して積極的に支援を行っております。来年開催されます東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ受け入れにつきましては県内十四の市において二十一件、十カ国一地域との間で覚書が交わされました。また大会参加国と地域との交流を推進するホストタウンにつきましても十五の市町が登録され、いずれも全国トップクラスの件数となっております。これは県と市町連携の成果が上がっている証拠であります。
 さらに島田市、焼津市、伊豆の国市ではモンゴル国の事前キャンプ受け入れを契機に青少年による柔道、バスケットボール等々ウランバートル市の各区との交流も始まりました。ことしの八月には三市それぞれが訪問団を派遣いたしましてモンゴルとの交流が拡大しています。世界の情勢が混迷している現在ですけれども、静岡県の進める海外の地方自治体との信頼関係に基づく揺るぎのない交流は平和の礎づくりであるとともに未来志向の関係を築くものであります。
 今後とも、県内の市町と連携いたしまして県民の皆様や県内企業が多くの恩恵を享受できるように着実に地域外交を推進してまいります。
 次に、SPAC、静岡パフォーミング・アーツ・センターによる県民の文化力向上に向けた取り組みについてであります。
 SPACは年間百八十回に近い公演活動、従って二日に一回というような活発な活動でございます。また親と子の演劇教室などの人材育成、アマチュア劇団の支援などの舞台芸術活動の支援、この三つすなわち公演活動、人材育成、舞台芸術活動の支援これを三つの柱として事業を展開しております。明日からはニューヨークにおきまして昨年に引き続き海外で日本文化を紹介するジャパン二〇一九の公式プログラムとして公演を行います。昨年はフランスでございました。さらに来年五月に開催される野外芸術フェスティバルがオリンピック・パラリンピック組織委員会の公式プログラム東京二〇二〇NIPPONフェスティバルに採択され、国内外でまさに高い評価を得ているところであります。
 一方、議員御指摘のとおり八割近い県民がSPACを認知してないという調査結果もございます。そうしたことから今後はこうした取り組みや実績をこれまで以上に広くかつ効果的に県民の皆様に情報発信してまいります。
 また、SPACは子供たちに本物の舞台芸術のすばらしさを体験してもらうため毎年一万人以上の中学生や高校生を静岡芸術劇場  グランシップにございます  に御招待しているところであります。今年度はこうした取り組みに加え下田、天竜などSPACを見る機会の少ない県内四地域での出張公演とか小中高等学校でのワークショップの開催などSPACが地域に出向く、いわゆるアウトリーチ活動を強化する予定でございます。
 本県が質の高い劇団を有していることは県民の文化力の向上に大きく貢献するものであります。今後ともSPACが県民の皆様に愛される劇団として多くの人々に認知され応援いただけるように、SPACの活動の充実と県民の皆様への情報発信に積極的に取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(鈴木利幸君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 清水港長期構想の実現に向けた取り組みについてお答えをいたします。
 県は、中部横断道や新東名道の全線開通や革新技術を活用した物流の進展を踏まえ、おおむね二十年後の長期的視点から港湾空間利用のあるべき姿と実現のための方向性を取りまとめた長期構想を本年八月に策定し公表したところであります。この長期構想はスマートガーデンポート清水を基本理念としております。スマートは知能の知、ガーデンは美をあらわしています。美しい港、みなとまちをさらに美しくします。そして物流、エネルギー、災害、環境等のさまざまな社会課題に対応可能な知を備えます。それにより知と美を誇る、日本を代表する拠点港湾であり続けるための施策を取りまとめたものであります。
 しかし、長期構想で描いた清水港の目指す姿はまだ最終案ではありません。例えば清水駅前の江尻地区においては、地権者の方等との関係もあってまだ将来像を描けていません。今後将来像づくりの段階から地権者や利害関係者にも参加いただいて合意形成を進め、目指す姿の共有、すなわちこの将来像でいきましょうと、人々の思いが一つになるようにしてまいりたいと思います。
 この長期構想をもとに、今後十年間の取り組みをまとめた港湾法に基づく港湾計画を令和二年度末をめどに策定をいたします。その計画に基づき次世代コンテナターミナルや国際クルーズ拠点の形成、魅力ある水辺空間の創出、防災施設、災害時の緊急物資受け入れ拠点の整備などの具体的な公共投資を進めてまいります。
 また、目指す姿の実現のためには民間投資の促進やまちづくりが重要です。そのためには清水港に投資してみよう、まちづくりに自分も参加してみようと思っていただくことが重要です。このような機運を醸成し高めてまいります。
 その上で、県といたしましては多くの方々と力を合わせ、できるところから一つ一つかつ迅速に清水の明るい未来、スマートガーデンポート清水の実現に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 金嶋危機管理監。
       (危機管理監 金嶋千明君登壇)
○危機管理監(金嶋千明君) 命を守る災害対策についてのうち、今後の防災訓練のあり方についてお答えいたします。
 県では、地域防災力の向上を図るため多くの県民の皆様に参加を呼びかけ年間を通じてさまざまな訓練を実施しております。十二月の地域防災訓練では自主防災組織による地域の特性を踏まえた訓練の実施を推奨しており、地震や津波の訓練に加え近年では火山噴火や大規模停電に備えた訓練なども行われております。さらに本年度は近年多発する風水害を想定した訓練の実施も促すこととしております。
 また被災後の生活拠点となる避難所の運営につきましては、議員御指摘のとおり、衛生管理や女性の視点などを生かした訓練の必要性を認識しております。このため避難所運営研修等を開催し地域防災の担い手育成に努めるとともに、地震・津波対策等減災交付金を活用して避難所運営に必要な防災資機材の整備等を支援することとしております。
 県といたしましては、地域の特性を踏まえ避難所の運営にも配慮した訓練の充実を図り本県の防災力向上に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木経営管理部長。
       (経営管理部長 鈴木宙志君登壇)
○経営管理部長(鈴木宙志君) 命を守る災害対策についてのうち、指定管理者制度導入施設における災害時の対応についてお答えいたします。
 平成二十八年四月に発生しました熊本地震では、議員御指摘のとおり指定避難所以外の施設に多くの避難者が自然発生的に集まり避難所運営を想定していなかった指定管理者に多大な負担が生じる場合があったと伺っております。こうした事態を踏まえまして指定避難所及び避難者が集まることが想定される施設の運営における役割分担や費用負担について県、指定管理者、所在市町の間であらかじめ明確にし適切に運用することが求められております。
 本県では、指定管理者制度導入施設につきまして災害時に住民が避難に適した施設と判断するか否かなど起こり得る事態を事前に想定し、施設を避難所として運営するか近隣の避難所に避難者を誘導するかをあらかじめ決定することとし、それらに対応した役割分担等に関する標準的なルールを指針として取りまとめているところであります。
 今後は、施設の立地や利用者数、近隣の避難所の設置状況などを考慮しながら施設ごとに市町と個別に協議するとともに本年度中に指定管理者を交えて具体的な運用を定めることとし、県、指定管理者、市町が連携して災害時の避難者対応に当たる体制整備を図ってまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 命を守る災害対策についてのうち、災害廃棄物処理計画の確実な推進についてお答えいたします。
 県では、災害廃棄物処理計画に基づき市町や協定を締結している団体等との情報伝達訓練を毎年複数回実施しております。さらに今年一月には、熊本地震や西日本豪雨で課題となった廃棄物の仮置場の開設などの初動対応につきまして国と合同で机上演習を実施いたしました。この訓練や演習から迅速な支援要員の確保や資機材の調達方法、災害廃棄物の仮置場の開設、運営に必要な人員や資機材の数量、住民への広報内容などもあらかじめ設定しておくことが望ましいと気づいたところであります。具体的な内容を十分に検討し今年度内に県計画を見直すとともに、市町計画の見直しを促進してまいります。
 産業廃棄物の選別という事業区分につきましては、他県において中間処理業者が廃棄物に混在している金属など売却可能な部分のみを選別し、残った廃棄物を大量に不適正保管する事案が発生したことなどから本県におきましては設定しておりません。しかしながら議員御指摘のように、災害廃棄物処理やリサイクルのさらなる推進などの効果も考えられますことから引き続き研究してまいります。
 次に、海洋プラスチックごみ削減の推進についてであります。
 県では、プラスチックごみの発生抑制や海への流出防止のため、従来のごみ削減の3Rにリフューズ、リターン、リカバーの三つのRを加えた県独自の海洋プラスチックごみ防止6R県民運動を展開しております。七月十三日にはリカバーのシンボルイベントとして田子の浦の海岸においてプラスチックごみの回収を行ったところであり、県内各地でこれまでに約二十万人の皆様に清掃活動に参加いただいております。また企業、団体等からはプラスチック製のスプーンやフォークの紙への切りかえ、レジ袋有料化店舗の拡大、海ごみの削減を呼びかける環境劇の上演など新たな取り組みの報告をいただいております。
 県といたしましては、引き続き各地で行われる海岸清掃活動などの予定や店頭回収を行っている店舗の情報をウエブサイトに掲載するほか、十月には海洋プラスチックごみ削減についての講演と食品トレーなどの店頭回収品目を拡大するリターンの取り組みなど6R実践の事例発表を行うフォーラムを開催いたします。さらに十一月の市町と協働した商業施設での啓発イベントや十二月の不法投棄撲滅キャンペーンにおきましてエコバッグを配布しリフューズの行動を呼びかけるなど海洋プラスチックごみ問題に対する県民意識の向上に取り組み、6Rの実践を促してまいります。
 次に、休眠預金に係る資金の活用についてであります。
 多様化、複雑化する地域社会の課題の解決にはNPOが果たす役割は重要であり、県は公益活動を行うNPOに対し運営や活動に関する相談対応、財団や企業による助成金の情報提供、活動財源の確保のための講座などを行ってまいりました。このたび公募が開始される予定の休眠預金を民間公益活動に活用する制度は、地域に根差して展開している活動の拡大や社会の諸課題の解決を図る新たな事業などを対象に助成するものであり、期間も最大三年間にわたるなどNPOの活動支援として大変有効なものであると認識しております。
 このため、県内のNPOに情報が行き渡るよう事業の公募条件がわかり次第県のホームページやツイッターにより周知するとともに、NPOや市町を対象とした説明会を開催いたします。さらにNPOが応募するに当たり地域社会の課題の解決の手法として、また資金収支等の面からも実現性が高い事業計画となるよう金融機関等と連携した相談会を行ってまいります。
 県といたしましては、より多くのNPOがこの制度を活用し民間公益活動が活発化されるよう支援してまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 池田健康福祉部長。
       (健康福祉部長 池田和久君登壇)
○健康福祉部長(池田和久君) 健康長寿日本一に向けた取り組みについてお答えいたします。
 本県では、人生百年時代を迎えふじのくに型人生区分を提唱し六十六歳から七十六歳までを壮年熟期とし、経験を積み、さまざまなことに熟達し社会で元気に活躍する世代と位置づけております。高齢になっても活躍するためには心身の健康が不可欠でありますことから、ふじのくに健康長寿プロジェクトにおきまして健康長寿の三要素、運動、食生活、社会参加に着目したふじ三三プログラムを開発し、生活習慣病予防やフレイル対策に活用しております。また経験や知識を生かし、ボランティア活動などを通じて社会で活躍することを支援するふじのくに壮年熟期活躍プロジェクトやすこやか長寿祭スポーツ・文化交流大会の開催などに取り組んでおります。
 今後は、健診、医療、介護データの解析による疾病・要介護リスクの把握など、現在積極的に取り組みを進めております社会健康医学の研究において得られた科学的知見を生かし、県民の皆様が主体的に健康づくりや疾病予防に取り組んでいただけるよう本県独自の効果的な施策を展開し健康長寿日本一を目指してまいります。
 現在ラグビーワールドカップが開催中であり、一年後には東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックも控えておりますので、こうしたビッグイベントにより運動や社会参加の機運が高まっているこの機を捉えて全ての県民の皆様が元気で活躍する生涯現役社会の構築に取り組んでまいります。
 次に、ヘルプマークの啓発についてであります。
 ヘルプマークにつきましては、二〇一八年の二月導入以来、各市町や保健所、関係団体等を通じて必要とする方々に配布するとともに周りの方の理解と協力を得るためヘルプマークに関するフォーラムの開催やポスター、ステッカー等による周知に努めてまいりました。導入後一年七カ月が経過し、障害を理由とする差別解消推進県民会議の参画団体である県内の公共交通機関の御協力により優先席等でのヘルプマークの掲示が進んでおり、さらに来年の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けて外国語表記を加えたポスターを作成したところであります。
 また、盛月議員から御助言をいただきましてこの八月から県立三病院におきましても周知、配布を始め、既に六十人の方にお渡ししたところであります。今後は他の公的病院におきましても周知、配布をしていただけるよう働きかけてまいります。
 一方で、手助けをしたい気持ちはあるものの積極的に声をかけることをちゅうちょする方もいることから、協力が必要な時はお声をという意味を持つ逆ヘルプマークを身につけることが意思表示の一つの手段になると認識しております。逆ヘルプマークの利用をきっかけとした意思疎通の経験を通じてみずから進んで声がけをしていただける方がふえるよう、他の自治体等の取り組みも参考に検討してまいります。
 県といたしましては、今後とも県民会議参画団体を初め市町や県民の皆様と一丸となって障害の有無によって分け隔てられることなく、全ての人にとって優しく暮らしやすい共生社会の実現を目指してまいります。
 次に、人と動物とが共生する社会についてであります。
 本県では、動物愛護管理推進計画に基づき市町を初めボランティアの皆様や関係団体と連携した放置猫等の適正管理の啓発に加え収容した犬や猫の新しい飼い主を探す取り組みなど、動物にとって幸せに暮らせる環境となるように動物愛護の取り組みを積極的に実施してまいりました。一方国におきましては動物愛護管理法の改正等により動物所有者の責務としての終生飼育や遺棄、虐待等への対応強化、災害時のペット同行避難等を明記し人と動物の共生する社会の実現を図るため国民的な動物の愛護及び管理に関する取り組みの推進を図ることとしております。
 県といたしましては、このような国の動きを踏まえてペットを飼っている高齢者等独居者への対応を図ることなどを盛り込み、人と動物の共生する社会が実現できるよう現在の動物愛護管理推進計画を見直してまいります。
 また、動物管理指導センターにつきましては動物愛護の拠点として浜松市内に設置しておりますが、動物の命をつなぐ施設としての教育、譲渡、情報発信等の機能強化が求められていることや静岡市、浜松市が政令市として同様の施設を設置済みであることに加え築四十年以上が経過し老朽化が進んでおりますことから、有識者やボランティア代表による検討会を設置し今後のセンターのあり方を議論してまいります。
 今後とも、県民の誰もが優しい心と正しい知識を持って動物に接することができる、人と動物の共生する社会の実現に努めてまいります。
 次に、難聴児への支援についてであります。
 乳幼児期の難聴は、早期に発見し適切な支援が行われれば音声言語の発達に大きな効果が期待できますことから、県では市町を初め保健、医療、福祉の関係機関と連携し県内全ての産科医療機関での検査体制の整備や全ての市町による検査費用の助成、また盛月県議を初め多くの方々の御支援により受診率が九三・七%と全国トップレベルになりました。しかしながら県外への里帰り出産などにより未検査の新生児がおりますほか、精密検査が必要とされた方の再検査の受診率が七一%にとどまっておりますことから、今後は市町等を通じたきめ細やかな受診勧奨により、再検査を含めた受診率のさらなる向上を図ってまいります。
 また、人工内耳の装着等の治療を受けた難聴児につきましてはその後の適切な支援が必要でありますことから、県立総合病院の乳幼児聴覚支援センターによるきこえを育む親子教室や言語聴覚士による巡回相談を県内各地で開催するとともに、市町保健師の難聴児支援に係る対応力の向上を図ることにより身近な地域での支援体制を全国に先駆けて整備してまいります。
 さらに、令和三年四月に開学を目指しております社会健康医学大学院大学におきましては、人工内耳の早期着用による言語獲得の効果や難聴児の聴覚をスムーズに発達させるための介入法などについて学ぶ専門科目を設け人材の育成と研究を進めることとしております。引き続き市町及び関係機関と一体となって難聴児支援の先進県としての取り組みを充実し、全ての子供が希望を持って暮らせるふじのくにづくりに取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 天野経済産業部長。
       (経済産業部長 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長(天野朗彦君) 企業における女性活躍の促進についてお答えをいたします。
 今般、女性活躍推進法が改正、公布されまして行動計画の策定義務の対象が従業員三百一人以上の企業から百一人以上へと拡大されました。今後三年以内に法律が施行されることとなっております。計画設定に当たりまして企業には採用人数や勤続年数、管理職の人数などの男女差の分析、数値目標の設定及び達成に向けた具体策の公表などが義務づけられます。県内で新たに対象となる中小企業は約一千社に上り、女性の活躍促進に向けた大きな契機になるものと考えております。
 しかしながら、議員御指摘のとおり中小企業の現場では女性の活躍の実績の少なさや担当者の不在といった課題を抱えており、企業が法の趣旨や内容を十分に理解した上でいち早く計画策定に着手できるよう支援していくことが必要であります。このため県では企業が不安なく計画策定に取り組むことができるよう専門家による相談会や効果的な事例を紹介するセミナーを県内各地で開催することとし、本議会に補正予算案としてお諮りしているところであります。
 業種や業態により女性活躍につながる取り組みは異なります。ドライバー不足が深刻なタクシー業界では育児等と両立しやすい柔軟な勤務体制を導入したり、不動産業界などではテレワークが可能な業務を切り出し遠隔地からの通勤を解消した県内企業もございます。このように企業ごとに異なる状況に応じた柔軟な制度設計が必要でありますことから、県では職場環境づくりを支援するアドバイザーの派遣などを通じましてきめ細かい支援に努め、企業の取り組みの実効性を高めてまいります。
 また、不妊治療と仕事の両立支援につきましては国は新たに企業向けのマニュアルを本年度中に策定する方針であります。経済産業部では健康福祉部と連携しながらこのマニュアルの周知や先進的な企業の事例紹介、不妊・不育専門相談センターでの医療面の相談対応などによりまして各企業の取り組みが円滑に進むよう積極的に支援してまいります。
 県といたしましては、働く意欲のある女性が自身の持つ能力を最大限に発揮して生き生きと働くことができるようその就業環境の整備に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木教育部長。
       (教育部長 鈴木一吉君登壇)
○教育部長(鈴木一吉君) 県立中央図書館における障害者の読書環境整備についてお答えいたします。
 新しい県立中央図書館につきましては、一昨年度策定した基本構想におきまして住んでいる地域や障害の有無、年齢、国籍等にかかわらず、あらゆる県民の生涯学習、読書活動の拠点としての役割を果たすことを目指す姿としております。これは議員御紹介の視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律、いわゆる読書バリアフリー法の趣旨に通ずるものであると考えております。
 基本構想を踏まえ、昨年度策定した基本計画では文字情報、音声情報の利用が困難な障害のある人に対するサービスを充実させることを明記しております。具体的な整備内容は今後さらに詰めていくこととなりますが、いわゆるデイジー図書など視覚障害のある方等が利用しやすい電子書籍や大活字本などを収集、提供するほか、ボランティアと協力し対面朗読サービスや点字資料、録音資料等の作成を計画しております。また静岡県視覚障害者情報支援センターや日本点字図書館などと連携協力し、資料の貸借を行っていくこととしております。
 さらに、来館が難しい方にはインターネットによる情報発信や貸し出しの受付、資料配送体制の整備など非来館型サービスを充実させ、広大な県域においても一様にサービスが受けられる図書館を目指してまいります。
 図書館は、地域の情報拠点として全ての人に開かれた場であります。県教育委員会といたしましては新しい県立中央図書館が障害の有無にかかわらず全ての県民がともに学び、ともに生きる知の拠点となるよう整備を進めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 高校教育における通級指導制度の推進についてお答えいたします。
 本県では、平成三十年度から静岡中央高校の通信制三キャンパスにおきまして通級指導を実施しております。令和元年度は四十二人の高校生に対し学習上または生活上の困難を主体的に克服できるよう個々の状況に応じた指導を行っております。また本年九月からは専門的スキルを持つ講師が県内十校を訪問し、放課後等の時間帯に学校の担当教員と協力して個々の状況に即した指導等を行う巡回による通級指導を始めたところであります。
 しかしながら、昨年十月に公立高校を対象に実施した調査では学習面または行動面で著しい困難を示し特別な教育的支援が必要と思われる生徒は通信制を除いた課程で千百人余りに上り、生徒数全体の約一・七%となっております。このため静岡中央高校で行っている自校通級や県内十校を対象に開始した巡回による通級指導につきまして生徒の改善状況、履修した生徒や保護者の意見、さらには教員や講師、学校の評価等を取りまとめながら生徒がより身近な場所で支援を受けられるような体制の構築に向け成果や課題を検証していくこととしております。
 また、全ての教職員が特別支援教育の担い手となるよう県総合教育センターが作成した通級指導教室のスタートブックを校内研修で活用するとともに、県内七地区において開催している特別支援教育地区研究協議会や精神科医、臨床心理士等による専門的な研修等を通して教員のさらなる専門性の向上を図ってまいります。
 県教育委員会といたしましては、発達障害など特別な教育的支援を必要とする高校生が社会での自立に向け小中学校からの学びの連続性を確保した切れ目のない支援が受けられるよう高校における通級指導の充実に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 小嶋警察本部長。
       (警察本部長 小嶋典明君登壇)
○警察本部長(小嶋典明君) 高齢ドライバー事故防止対策についてお答えします。
 県内におけるアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故は、過去十年間では毎年四百件前後発生しておりそのうち高齢ドライバーによる事故は毎年三割程度であり、本年は八月末現在で二百十六件発生しこのうち高齢ドライバーによるものが八十七件という現状にあります。県警察では各種講習会等を通じて高齢ドライバーの皆様に自動ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置などを搭載した安全運転サポート車の有効性を体感していただき、先進安全自動車の普及に努めております。また参加・体験・実践型の交通安全教室を開催し、加齢に伴う身体機能の低下が運転操作に与える影響を自覚していただき高齢ドライバーの方々の交通安全意識の底上げを図っているところであります。
 今後は、御家族を含め高齢ドライバーの皆様に対する広報啓発活動をより積極的に行うとともに、高齢者宅訪問を通じた交通安全指導についても一層強力に推進し高齢ドライバーの交通事故抑止に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 二十七番 盛月寿美君。
       (二十七番 盛月寿美君登壇)
○二十七番(盛月寿美君) 御答弁ありがとうございました。
 要望を二点、再質問を二点させていただきます。
 要望、まず初めにヘルプマークの啓発についてですけれども逆ヘルプマークということで周りの人の理解が進んで、そして助けたいですよという、そういう意思表示としてのこのヘルプマークの逆の発想ということで、今私はきょう紹介させていただいたのは小学生の子供たちが考えてくれたことを紹介させていただきましたけれども、これからこういったことが取り組む方たちがふえてくるかなと思っているんですけれども、そういうときにやはりこの地域社会全体で心の通う温かい、こういう地域になるように、ヘルプマークの理解を通じてそういう社会になっていくように、この逆ヘルプマークのことも具体的にこれから取り組みがなされた場合に県としてもしっかりと応援をしていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 それから二点目ですが、難聴児の支援についてでありますけれども御答弁をいただきました。ありがとうございます。まさしく本当に全国、国も注目をする先進県として難聴児の支援、これからも静岡県はしっかり取り組んでいただきたいと思います。将来の大きな構想についても御答弁ありましたけれども、現在既に支援が必要な難聴児がいるということも、そのこともしっかり忘れずにいていただいて、特に教育現場での支援が必要な子供たちがたくさんおられますので、教育委員会との連携をしっかりととっていただいて取り組んでいただくことを要望いたします。
 再質問ですけれども、一点目ですが災害廃棄物処理計画の確実な推進について産業廃棄物処理業の事業範囲に選別を加えるということですけれども、他県などの事例も踏まえて課題もあるということでありますけれども、これから引き続き研究をしていくという御答弁でありましたが研究という言葉、研究というのは新たにどんなことを研究されるのか、また引き続きとおっしゃったのでいつまでどんなことを研究をしていくというお考えなのか、その辺をお聞きしたいと思います。
 それから再質問の二点目ですが、人と動物とが共生する社会について御答弁をいただきました。これまで私どももこの動物管理指導センターの再整備について求めてまいりまして、これまで余り動きがなかったですし言及もなかったということで今回質問させていただいたんですけれども、人と動物とが共生する社会をつくっていくための拠点として現在のセンターがこの現在のままでいいのかということは私はそうではないと思っておりまして、そういう意味で再整備をこれまで求めてきた経緯がございます。
 これまで議会でも紹介をさせていただいてきたんですけれども、神奈川県や兵庫県ではこういったセンターをリニューアルをして正しい動物の飼い方の普及ですとか、また保護された犬や猫の譲渡会を開いたりしているということで、もちろんここには当然動物を殺処分をするという場所は設置されておりません。そういう意味で先ほど御答弁いただきましたけれども、有識者の皆様とこれから意見を聞いて今後のあり方を検討していくという御答弁でありましたけれども、これはつまりもう再整備をしていくという方向で考えておられるのかどうかという点について御答弁をいただきたいと思います。以上について答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 災害廃棄物処理計画の確実な推進の再質問についてお答えいたします。
 選別の処分としての形態でございますが、これは取り扱いが各県によって異なっております。環境省から出ている通知によりますとこの処分というのは形態、外観、内容等について変化させることということになっておりまして、廃棄物を単に分ける選別行為は形態等を変化させるものではないので処分に該当しないのではないかという見解もございます。こういった見解の相違等もございますのでまた国のほうとよく相談しながら検討していきたいというのが現状でございます。以上でございます。
○議長(鈴木利幸君) 池田健康福祉部長。
○健康福祉部長(池田和久君) 人と動物が共生する社会についての再質問についてお答えいたします。
 動物管理指導センターのあり方についての検討会をこれから設置しまして検討を重ねていくわけですけれども、その中でどういったものになるかというのはこれからの検討次第ではありますけれども、間違いなく殺処分をする施設から人間との共生を図る、あるいは動物の譲渡を促進するような施設になるということは間違いございません。法の改正も受けましてそういった施設になると考えております。
 施設の建てかえとか新たな場所とかそういったものについてはこれからの検討になりますので、ここではちょっと言及を避けたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(鈴木利幸君) 盛月寿美君。
       (二十七番 盛月寿美君登壇)
○二十七番(盛月寿美君) 御答弁ありがとうございました。
 災害廃棄物処理計画の確実な推進のところで産業廃棄物処理業の事業範囲に選別を加えるということ、これから国との調整といいますかしっかりと検討していくということでありましたので、引き続きこちらはまたやっていただきたいと思います。
 それから、人と動物が共生する社会についてセンターの再整備のことはこれから検討するということで具体的なことは御答弁をいただけませんでしたけれども、殺処分をすることはもうないということでそういうお気持ちとか意気込みは伝わってまいりました。ぜひとも人と動物が共生する社会を、また命を守るということを命の大切さが伝わるようなそういうセンターになるようにしっかりと検討していただき、計画をして進めていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。以上で質問を終わります。
○議長(鈴木利幸君) これで盛月寿美君の質問は終わりました。(拍手)
 議事の都合により休憩します。再開は十四時五十分とします。

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