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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

仁科 喜世志 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/30/2015

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 伊豆半島地域の地方創生について
 (1) 地方創生の早期実現
 (2) 県と美しい伊豆創造センターとの連携
2 農業振興について
 (1) TPP対策
 (2) 農地集積バンク
3 狩野川流域の治水対策について
 (1) 流域内の豪雨災害対策アクションプラン
 (2) 来光川の改修
4 犬・猫の殺処分削減に向けた取り組みについて


○副議長(杉山盛雄君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、十五番 仁科喜世志君。
       (十五番 仁科喜世志君登壇 拍手)
○十五番(仁科喜世志君) 今月に入りまして十八号台風の大災害、加えて二十一号のおとといの与那国島の大災害も聞こえております。大きな被害を受けた皆様方のお見舞いを申し上げると同時に一日も早い復旧をお祈りいたします。
 私は自民改革会議に所属しています仁科喜世志です。通告に従い県政の諸課題に対して分割質問方式にて知事及び関係する部局長にお伺いしますので、御答弁をお願いいたします。
 初めに、伊豆半島地域の地方創生についてのうち、地方創生の早期実現であります。
 伊豆半島地域は県内でも特に少子高齢化、人口減少が顕著で地域の活性化が待ったなしのところと言えます。
 地域の活性化を何とかしようという県の本気度のあらわれとして、八月に伊豆半島地域担当の土屋副知事が誕生しました。伊豆半島地域選出の私は大いに喜んでいます。人脈や手腕に期待もしているところです。伊豆で生まれ育ち県の要職経験からいっても申し分なく最適格な人と受けとめています。二十八日の我が会派の野崎議員の代表質問のうち、土屋副知事が伊豆の課題と克服の強い決意表明のお答えもいただきました。
 ただ、新聞記事の知事の記者団への答えの内容に気になっているところがあるので伺います。「伊豆半島は一体感や力を最も必要としている地域。第二の県庁のイメージで担当副知事を置き静岡型地方創生のモデルにしたい」と狙いを話されました。また「この担当副知事制は伊豆半島が自立していくようになるまでの暫定的な措置。最初の二年でどのくらいできるかが試金石」と時限的な対応との考えを示したと記事にはありました。伊豆半島地域は県内の東西交流で発展してきたのではなく半島地域特有の不利な条件下にあり、長年にわたり積み重なった課題の克服は一朝一夕でできるものとは思えません。
 そこで、伊豆半島地域の静岡型地方創生をいかにして早期に実現するつもりなのか、県の所見を伺います。
 次に、県と美しい伊豆創造センターとの連携であります。
 ことしの六月に伊豆半島地域の七市六町の首長、観光協会代表、交通関係事業者ら約六十団体が参画して美しい伊豆創造センターの設立総会が開催され、規約や事業計画などを定めました。このセンターは「伊豆を一つに」をテーマに伊豆全体の地域振興を図る統一的な組織です。世界から称賛され続ける地域を目指し策定した伊豆半島グランドデザインの重点戦略に基づき各団体の統一的な推進組織として設立され、今年度の事業計画は観光戦略の策定、マーケティングを初めとした伊豆半島観光活性化、地域振興を担う人材育成等を掲げ、それぞれ官民協働により取り組むこととしております。今月の六日には美しい伊豆創造センターの設立記念フォーラムが私の地元である函南町で開催され、「世界一美しい伊豆を目指して」をテーマにしたパネルディスカッションでは伊豆を一つにするために皆様の地域が一緒になって考え行動していくことが重要であることが議論されました。まさに国が求めている地方創生と私は位置づけています。過去には伊豆新世紀創造祭として県の大きな支援をいただいて実施した事業もありましたが、その効果は一過性にとどまり残念ながら活性化に結びついているとは言えません。
 そこで、美しい伊豆創造センターが設立された今こそ県はこのセンターと連携して伊豆半島地域の地方創生に取り組むべきと考えますが、県としての所見を伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) ここで、あらかじめ会議時間を延長いたします。
 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 仁科議員にお答えいたします。
 伊豆半島地域の地方創生についてのうち、地方創生の早期実現についてであります。
 伊豆半島地域は、若者の流出等による人口減少が他の地域と比較し格段の速度で進んでおりまして、議員御指摘のとおり地域の再生は待ったなしの状況であります。
 そもそも伊豆半島は既に戦前期、文豪川端康成が「伊豆序説」におきまして、伊豆は南海の贈り物である、伊豆は日本の歴史の縮図である、伊豆は全体として一大――一つの大きな公園であるというふうに喝破しております。私はその伊豆半島の持つ地理的、地質的ユニーク性、これに着目をいたしましてそれを利点と捉え、伊豆半島全体をジオパークにするという運動を伊豆の方々と御一緒に、また多くの方々の御支援を得て進めており、これも一つの、伊豆を一つにする、また伊豆半島を世界にアピールするための運動であります。
 また、日本の歴史の縮図であるというのは文字どおりそのとおりでありまして、函南町にはすばらしい仏像の博物館ができました。これも古刹に眠っていたときにはわからなかったんですけれども、これが美しい博物館とともに安置されますといかにこの平安、鎌倉の時代に都の文化が来ていたかがわかりますし、さらに河津町には平安初期の仏像もあることがわかり、そこも函南町の仏像博物館と連携する形でこのたびお寺の中に博物館ができました。ですからそうしたこともありさらに韮山の反射炉が世界の文化遺産にもなったということでございまして、まさに世界レベルの強みを持っているということでございます。
 そこで私はこうしたタイミングを受けまして、伊豆半島地域再生のこれは好機であるとして本年度から賀茂振興局を設置した次第でございます。そして初代局長として部長級の職として土屋君を任命いたし、さらに伊豆半島全体の調整監という役割も持っていただきました。ところが経済産業部長であった方が局長となったということで中には誤解される方がいて格下げであるとかあるいは調整監というのは聞いたことがないというふうなことでせっかくの役割を十分に発揮していただけないということがわかりましたので、たちどころにこれは改めねばならないということで本来の役割を担っていただくために副知事になっていただいたということでございます。
 こうした中で、世界一美しい半島を目指し市町が一体となった美しい伊豆創造センターが動き始めました。しかし局長なり部長というのは大体二年です。その間に仕事ができない人は本来部長や局長になるべきではありません。そうしたことからその局長、部長級の局長としての仕事を今度はその大きな資格を持って副知事としてするということですから、当然もう既に課題はわかっているのでありますから、そして美しい伊豆を創造するための機運も盛り上がってきておりますから二年で成果ができないようなことはあってはならないというふうに思っております。
 これまでに、県と下田市及び賀茂郡五町の首長との間で設置した賀茂地域広域連携会議の合意のもと、人口減少が急速に進む中でも良質な住民サービスを維持することを目的に、消費生活センターの共同設置と税の徴収事務の共同処理化が来年四月から実現することになりました。また伊豆半島地域全体の地方創生のため農林水産業者、商工業者や観光業者が連携した地域リレー形式の軽トラ市の開催や地域協働によるなまこ壁のクリーニングなど美しい景観保全の取り組みを内容とする世界レベルの観光交流圏美しい伊豆半島総合推進事業を国の地方創生先行型交付金を活用した補正予算として本議会にお諮りしているところでございます。
 賀茂地域におきましては、教育委員会の共同設置や市町連携による広域的な地域包括ケアシステムの構築などにも取り組んでいただいておりまして、土屋副知事を先頭に県と市町、地域が一丸となって伊豆半島の地方創生の前倒し、早期実現を図ってまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 土屋副知事。
       (副知事 土屋優行君登壇)
○副知事(土屋優行君) 伊豆半島地域の地方創生についてのうち、県と美しい伊豆創造センターの連携についてお答えいたします。
 美しい伊豆創造センターは、議員御紹介いただきましたとおり世界から称賛され続ける美しい半島を目指して発足した組織であります。「伊豆は一つ」の理念のもと、地域の官民が協働した主体的な取り組みに大変期待をしているところでございます。今年度、センターでは今まで個々に実施していた海岸やジオポイント等の清掃活動を半島全体で統一的に実施する伊豆半島クリーン作戦や、地域の農水産物を伊豆ブランドとして一体的に売り込む七つの道の駅リレー方式による伊豆半島食の祭典など伊豆半島地域が一つとなった官民連携の取り組みをスタートしたところであります。
 県では、美しい伊豆創造センターを下支えするために職員を派遣するとともに、地域一体となった取り組み機運の醸成を図るため、賀茂振興局と東部地域政策局が七市六町の首長みずから「伊豆を一つに」を地元ラジオあるいは有線テレビで訴えるキャンペーンなどを行い、その活動を積極的に支援しております。美しい伊豆創造センターは来年度には伊豆半島ジオパーク推進協議会とともに伊豆の真ん中である伊豆市修善寺に移転し、外国人観光客の受け入れ体制の整備や地域づくりの中核となる人材の育成に取り組むこととしております。
 伊豆半島地域の地方創生には地元が一体となってみずから考え行動していくことが必要不可欠でありますことから、県といたしましては地域主体の意欲的な活動を積極的に支援するということとともに、関係部局が一体となって美しい伊豆創造センターと緊密な連携のもと、世界レベルの魅力あふれる自然を生かした観光交流圏の形成を推進してまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 十五番 仁科喜世志君。
       (十五番 仁科喜世志君登壇)
○十五番(仁科喜世志君) 御答弁いただきましたけれども、二点について再質問させていただきます。
 地方創生の早期実現でございますけれども、知事によりまして、知事は任命権者ですから、局長であり部長であり副知事であり、その知事の裁量によってそこの地域の振興局あるいは調整監になるわけですけれども、新聞記事の中において、副知事が誕生しまして知事の任期は四年なんですけれども二年で試金石として前倒しをするという、そうするとどの状態をもって伊豆半島地域が二年でクリアをされたのか。知事が思っている基準といいますかそういうものが御所見がありましたら御発言をお願いいたします。
 また、二番目の県と美しい伊豆創造センターですけれども、先ほどの県のスタンスは地元が七市六町の構成市町でございますけれども県は支援の位置づけということを答弁されました。もともと理事会では十三の首長、それから幹事会では十三の市町の部課長、そして県もワーキンググループでは一員として参画をしております。当事者になっておりますのでそれを支援という形との連携をいま一度はっきり御答弁のほどをお願いいたします。
 求めているものは十分この九月定例会の中でも承知はしております。県の位置づけというものは当事者というふうに私は受けとめておりますけれども、支援という回答がございましたのでもう一度お伺いします。以上、答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 土屋副知事。
○副知事(土屋優行君) 再質問にお答えいたします。
 まず最初の地方創生の早期実現でございますが、知事から副知事就任に当たって言われたことはまず、ゆっくりという話ではない、すぐ二年間という間にまず答えを出してくれということで相談をいただきました。というのは先ほど議員からもお話がございました伊豆新世紀創造祭というものを、かなり投資をした上でなかなか伊豆半島での振興につながらなかったと。ここはスピード感を持って対応するということで二年間の間に方向性を出してほしいというお話で、二年間というふうに知事からはおっしゃられました。そのことが新聞記事上、二年間で試金石、成果をというふうに答えられたかと思ってございます。
 もう一つ、二つ目、県と美しい伊豆創造センターとの連携でございますが、今御紹介いただきましたように理事については県は入ってございませんで七市六町の首長さん方が理事になってございます。その方が決定したものについてそれを調整する上で中のワーキングメンバーに県も入っていると。具体的には一体となって仕事はするわけなんですけれども、形でいいますと県の入っていない組織体で決定したものに対して県も支援をする形で一体となって仕事をしていくということで支援として申し上げました。以上でございます。
○副議長(杉山盛雄君) 十五番 仁科喜世志君。
       (十五番 仁科喜世志君登壇)
○十五番(仁科喜世志君) 答弁いただきました。一点要望させてもらいます。
 美しい伊豆創造センター。これ、後には長泉町と清水町が二町入りまして十五市町ということを聞いております。理由はジオパークの推進協議会のメンバーが伊豆半島地域ということで美しい伊豆創造センターということになると。賀茂地区は一市五町ということでまた違った対応も先ほどの答弁の中にありましたけれども、伊豆半島全体を、海岸に根差しているところもあるし海岸のないところもありますけれども、ジオサイトを含めてあらゆる地域資源を生かしていただくように、観光産業が基幹産業でございますのでぜひともその辺のところをよろしくお願いいたします。
 次の質問に入ります。
 農業振興についてのうち、TPP対策であります。
 本年八月に、農林水産省は平成二十六年度のカロリーベースの国内食料自給率が五年連続で三九%だったことを発表しました。これは国内産小麦と大豆の生産量はふえたものの主食用米等の需要量が減ったことが主な要因とのことであります。また生産額ベースの食料自給率は一ポイント減の六四%と過去最低となりました。受給緩和傾向を背景に米価が安くなったほかは魚介類の国際的な取引価格の上昇や円安で輸入額が膨らんだことが要因とのことであります。一方で国内の有効耕地面積は減少し続けており、食料消費の多様化や低価格化が進み外国産農畜産物の輸入が増大することで国内農業のじり貧を招くだけでなく、食料自給率の低下など国力に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
 TPP交渉がここのところ停滞をしていますが、いずれにせよ避けて通れない情勢の中、重要品目と言われた米、麦、牛肉、豚肉等で無関税の特別輸入枠の設定や輸入関税の大幅な引き下げといった交渉内容が報道されています。また乳製品では今でも不足がちなバターを緊急輸入によりしのいでいる状況もあり低関税輸入枠の設定が焦点となっております。このように今後のTPPの妥結内容次第では安い農畜産物が海外から流入し価格面で競合する国産品を生産する農業経営を圧迫しかねません。
 こうした動きに対応していくためにはこれまで以上に県産品の競争力を高めていく対策が必要と考えますが、県ではTPPによる本県農業への影響をどのように考え、県内で頑張っている農家への支援について今後どのような施策を講じていくのか、県の所見を伺います。
 次に、農地集積バンクであります。
 耕作放棄地の減少と解消による農地の有効利用や農地の集積・集約化により農業経営の効率化を図るため、規模拡大を目指す意欲ある農業者等に農地を貸し出す農地中間管理機構いわゆる農地集積バンクが昨年四月に制度化されました。本県では農業振興公社を農地中間管理機構に指定し、市町やJA等と連携をとりこの事業を推進しています。国は本年六月に公表した日本再興戦略の中で農林水産業における攻めの経営を確立するための施策の柱の一つに農地集積・集約化に向けた取り組みの加速を掲げ、農地中間管理機構の機能強化を進めております。しかしながら初年度の昨年は農地中間管理機構を通じた農地集積の実績は全国的に目標数値を大きく下回っているのが状況です。県内の課題と対応策は大丈夫でしょうか。
 私の地元においては、高齢などの理由で稲作ができなくなった農家は集落でライスセンターを経営する大規模農家に生産をお願いするなど顔が見える信頼関係に基づき農地の貸借が行われています。農地を人に貸すことに少なからず不安や抵抗感を抱く農家が多いということです。昨年度はJAや市町を通じた農地所有者への働きかけが十分でなかったこともあり制度の周知不足も否めませんでした。今後地元の農家の方が農地中間管理機構へ農地を預けていただけるよう、積極的に農業集落へ説明に出向き貸し出す方々の利点を説明し丁寧な地域、集落での話し合いを持ち信頼関係を築くことが大事であると考えます。
 そこで、市町が作成する人・農地プランとタイアップしていければ推進につながると思いますが、県の所見を伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 農業振興についてのうち、農地集積バンクについてお答えいたします。
 今回、初年度の取り組みとしまして実際に貸し付けた面積は十五ヘクタールでございました。一方、担い手から借り受け希望のあったのは五百三十ヘクタールでございます。どうしてこのように少なかったのかというのはもう議員既に御指摘のとおりでございまして、農地集積バンクの周知、これに不十分なところがあったと。それは機構職員が不足していたということもございます。一方この農地集積はやはり耕地面積に占める樹木がどのようなものであるかということにも左右されまして、単作に近い北海道や新潟では高うございますけれども、本県は樹園地が非常に多くトップ四つに入っております。山梨、和歌山、愛媛、そして本県であります。そうしたところは樹園地面積が全体の耕地の四割以上を占めているわけでございますけれども、その四つの中では実は集積それ自体は進んでおると。ただ集積バンクを通しての集積ではなかったということでございます。実際、平成二十六年度におきましては山梨県は一七%、和歌山県は二四%、愛媛県は二六%、静岡は三九%です。ですからそれなりの集積率の成績を残しているということでございます。
 この農地を担い手に集積また集約するには、農地中間管理機構に安心して農地をいただけるようにその農地の出し手への制度の周知徹底をさらに進めていかねばなりません。また地域での合意形成に向けた話し合いも重要です。このため県と機構は市町の要望に基づきまして集積に意欲のある集落等を七十二の重点実施区域として選定いたしました。その区域で市町が行う人・農地プランの作成を支援しているところでございます。具体的には地権者への戸別訪問や集落での話し合いを繰り返し、各農家の将来の意向を把握した上で誰がどこの農地を借り受けるかを地図に落として整理するなど農地集積の設計図づくりを今進めているところであります。
 例えば、御殿場市の山之尻地区におきましては農林事務所や機構の職員が参加して地域の話し合いを積み重ねた結果、貸し出し希望のある二十八戸十一ヘクタールの農地を六戸の担い手に集積するプランが作成されまして年度内に担い手への集積が見込まれております。また菊川市の河東地区におきましては規模拡大を希望する四戸の担い手に四十四ヘクタールの農地を集約するとともに、規模は小さいものの営農を継続する十三戸の農家の農地を一カ所にまとめるプランを作成し機構を活用した五十ヘクタールの集積が見込まれているところでございます。
 このように、県といたしましては今後とも市町が行う人・農地プランの作成を支援いたしまして、重点実施区域はもとよりその他の地域におきましても農地中間管理機構を活用して農地の集積・集約化を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(杉山盛雄君) 篠原経済産業部長。
○経済産業部長(篠原清志君) 農業振興についてのうち、TPP対策についてお答えいたします。
 TPPにより豚肉や牛肉、乳製品、米等の価格の安い外国産の輸入が増大すると報道されております。一方、農畜産物は価格のみで選ばれるのではなく品質や安全・安心も重要な要素でありますので本県農畜産物の高品質化や地産地消を一層進めることが必要と考えております。具体的には豚肉では浙江省の金華豚から開発した「フジキンカ」が海外産に負けない高品質な豚肉であることから、今後一層の導入を進め養豚農家の経営の安定を図ってまいります。県産牛肉は全国的な品評会でトップクラスの評価を得ておりますが、ブランドが細分化され品質に見合った価格となっていないことから統一ブランドの創設を支援し販売力の強化を図ってまいります。さらに本県の牛乳や米は多くが県内で消費されておりますので今後はこうした地産地消をさらに伸ばすとともに、牛乳では鮮度を重視した商品の開発、米では食味のよい品種の導入に取り組んでまいります。
 県といたしましては、TPP交渉の動向を注視するも、引き続き県産農畜産物の競争力の向上のため高品質化や生産コストの削減、地産地消に積極的に取り組み本県農業の活性化につなげてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 十五番 仁科喜世志君。
       (十五番 仁科喜世志君登壇)
○十五番(仁科喜世志君) 御答弁いただきました。要望を一点申し上げます。
 農地集積バンクですけれども、人・農地プランということで地域に入っていく集落に入っていくということは貸し手、借り手。これが貸し手が多くなっても塩漬けになる可能性もあります。特に静岡県の場合は樹園地という知事の答弁がありましたけれども、お茶畑にしろ果樹園にしろ傾斜地が多いですから貸し出す場合に一団地として、あるいはこれの本当のいいところというのは基盤整備をして貸し出すという手法が一番のものですけれども、飛び飛びになりますと集団化率が落ちますのでその辺の意思疎通を、貸し手、借り手の意思疎通を十分にしていただいて、その辺の対応をいろいろの七十二重点地区とか地図に落とすとかいろいろのことの手法を考えられているようですからそれをもっともっと推し進めていただいて、やる気のある農家の人に効率のよい圃場が手に入りますように御努力をぜひお願いいたします。
 次の質問に入ります。
 狩野川流域の治水対策についてのうち、流域内の豪雨災害対策アクションプランについてであります。
 昭和三十三年九月、戦後最大級と言われた大型台風狩野川台風が伊豆半島南部を通過し、総雨量は伊豆半島中部で七百ミリを超え最大一時間雨量は百二十ミリでありました。狩野川流域の田方平野では甚大な被害を受けたことを契機に狩野川放水路の建設が急ピッチで進められ、完成予定を短縮し放水能力も毎秒千立方メートルから二千立方メートルに倍増して、当時の建設省の絶大な御努力によりまして昭和四十年七月に完成いたしました。狩野川放水路完成からことしで五十周年を迎えました。改めて狩野川下流部の沼津市内における氾濫防止や中流部の三島市、函南町、伊豆の国市内の大雨洪水時の内水被害減少に効果を発揮しその役割を果たしていることに感謝しているところであります。このように狩野川放水路は洪水時に放水路分流点より下流の水位を下げる大きな効果を持っていますので、この効果を活用して狩野川に合流する川やその流域における治水対策を推し進めていく必要があると考えます。
 狩野川中流域や支川の大場川左岸下流域においてはこれまでたびたび内水被害が発生していることから、浸水被害の解消を目指して国、県、関係市町の流域が一体となって平成二十年に伊豆の国市と函南町の浸水常襲地域を対象とした狩野川中流域豪雨災害対策アクションプランを策定し、平成二十五年七月に函南町の新田地区を対象区域に加えるとともに、平成二十二年三月には函南町の塚本地区や上沢地区など六地区を対象とする大場川左岸下流域豪雨災害対策アクションプランを策定し、その推進により対象流域の治水安全度向上に努めているところであります。これにより一定の減災効果は確保されつつありますが、他地区よりアクションプランの着手がおそかった狩野川中流域における新田地区と大場川左岸下流域は対策の進捗が懸念されるところであります。
 そこで、狩野川中流域豪雨災害対策アクションプランにおける新田地区と大場川左岸下流域豪雨災害対策アクションプランについて、この現状を今後どのように進めていくのか、県の所見を伺います。
 次に、来光川の改修であります。
 先ほど質問した豪雨災害対策アクションプランに位置づけられていない河川についても、過去に発生した甚大な浸水被害や近年の集中豪雨、台風による浸水被害を防止するには地域の住民の生活に直結する河川改修は非常に重要な公共の基盤整備と感じております。
 当地域の代表的な河川である大場川流域では、昭和三十三年九月狩野川台風、昭和四十九年七月七夕豪雨などにより甚大な浸水被害が発生しています。このため昭和四十一年から狩野川合流点から大場橋までの国直轄区域の改修が始まり、続いて昭和四十六年からその上流に当たる県管理区間において改修に着手しました。特に平成二年九月の台風十九号の被害を契機に集中的な投資により短期間で改修が進み下流の流下能力増大が図られました。しかしながら平成十年八月の集中豪雨で河岸決壊が発生し住宅の一部や生活道路の流出などの災害が発生したことから、有識者による検討会での意見を踏まえ河床の異常洗掘防止対策などの対策を講じたことで、平成十年以降部分的な内水被害は発生するものの大きな被害は発生していないなど河川改修の効果は十分発揮されております。
 また、来光川流域でも昭和五十七年、平成十年などの豪雨により浸水被害が発生しています。特に平成十年八月の豪雨では県で所管する函南町桑原の観測所で時間最大雨量七十五ミリ、総雨量二百六十二ミリを記録し来光川では計画高水流量に匹敵する流量となり、溢水や内水氾濫により床上浸水五十九戸、床下浸水百十八戸、浸水面積約九十ヘクタールの甚大な被害が発生しました。これを契機に県では国土交通省管理との境である仁田橋より松川橋までの千七百六十七メートルを平成十年から十四年までの五年間で災害復旧等関連緊急事業及び災害復旧助成事業で再度災害の防止のための工事を実施するなど、着実に河川の整備を進めてきております。
 その後も県は、平成十二年十二月に国が策定した河川の将来計画である狩野川水系河川整備基本方針に基づき、県管理河川においておおむね二十年間の河川整備を位置づけた狩野川水系中流田方平野ブロック河川整備計画を平成十七年九月に策定、公表しました。この計画では三島市、裾野市、伊豆の国市、長泉町、清水町、函南町の三市三町の二十一河川のうち浸水被害の発生状況や流域の状況から境川、来光川、韮山古川など七河川の改修を実施することとしております。これまでに御殿川、三島山田川、戸沢川の三河川の改修が完了しましたが、函南町を流れる来光川では整備計画に基づき平成二十二年度から松川橋より上流の堤防の整備と河積の拡大が実施され観音橋付近まで改修され今に至っていますが、その上流は無堤防区間や堤防断面が不足するなど堤防の整備が必要な区間が残されています。この区間の整備は伊豆縦貫自動車道の開通により利便性の向上を踏まえて函南町が計画しているサイエンスパーク構想にとって非常に重要な基盤整備であり、地域との連携により安全で安らぎのある河川整備を進めることが強く期待されています。
 そこで、来光川について今後どのような河川整備を進めていく方針なのか、県の所見を伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 野知交通基盤部長。
○交通基盤部長(野知泰裕君) 狩野川流域の治水対策についてのうち、流域内の豪雨災害対策アクションプランについてお答えいたします。
 狩野川流域では、狩野川中流域と大場川左岸下流域の二地域において豪雨災害対策アクションプランを策定し、平成二十九年度までに床上浸水被害を解消することを目標として河川改修や排水機場の増設などを国、県及び関係市町が連携して進めております。
 このうち、狩野川中流域の新田地区については函南町等が排水機場のポンプ増設や調整池の整備などに取り組んでおり、大きな治水効果が期待できるポンプ増設については県費補助事業により今年度詳細設計を行い来年度には工事に着手する予定であります。また排水機場につながる準用河川古川の改修についても早期に工事着手できるよう函南町に対し引き続き支援してまいります。
 次に、大場川左岸下流域についてはこれまでに国が函南観音川排水機場の機能強化、県が函南観音川の護岸かさ上げと高架道路下への雨水貯留施設の整備などを行ってきたところであり、残る大洞川の放水路の整備については函南町が現在詳細設計を行っており、来年度から県費補助事業により工事着手する予定であります。
 県といたしましては、引き続き国や関係市町等と連携してアクションプランの着実な推進に取り組み、地域の皆様が安心して暮らせる水害に強いまちづくりに努めてまいります。
 次に、来光川の改修についてであります。函南町を流下する来光川につきましては平成十年八月の豪雨により家屋や農作物に大きな被害が発生した平井地区の治水安全度の向上を図るため、狩野川水系中流田方平野ブロック河川整備計画に基づいて平成二十二年度より流下能力が低い松川橋から上流の約一・五キロメートル区間の整備を進めております。
 これまで、松川橋から観音橋までの約八百メートルの区間につきまして国の交付金事業により流下断面を確保するための堤防の改良や河床の掘削、洪水の流下に支障となっていた観音橋のかけかえ等に取り組んでまいりました。今年度観音橋下流の護岸を施工し当区間の整備がおおむね完了いたします。残る上流約七百メートルの区間につきましても改修の方法や進め方について地元の皆様の了解が得られたことから、今年度現地測量と護岸の詳細設計に着手いたしました。来年度からはおおむね五年間での完成を目指し自然環境や景観にも配慮した河川の整備を進めてまいります。
 県といたしましては、函南町と連携し来光川の改修を早期に完了することにより地域の活性化と安全・安心な地域づくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 十五番 仁科喜世志君。
       (十五番 仁科喜世志君登壇)
○十五番(仁科喜世志君) 答弁いただきました。次の質問に移ります。
 犬・猫の殺処分削減に向けた取り組みについてであります。
 心ない無責任な飼い主による飼育放棄を初め行方不明や所有者不明など、全国の自治体の動物愛護センターや保健所に引き取られる犬・猫の数は年間二十一万匹に上り、その八割近くがやむを得ず殺処分にされています。
 静岡県においても政令市を含む平成二十六年度の譲渡頭数は九百七十六匹あるものの、殺処分数は二千六百六十五匹に及ぶと聞いております。さらに殺処分数のうち大部分が所有者が判明しない猫いわゆる野良猫で、そのうちの八割以上が生まれて間もない子猫という現実があります。このような現状の中、環境省は動物の命を大切にし優しさあふれる人と動物が共生する社会の実現を目標に、殺処分を減らし最終的にはゼロにすることを目指す人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクトを立ち上げました。全国の十三自治体が選ばれ静岡県もこのプロジェクト事業に参画していると承知しております。
 隣の県の神奈川県の動物保護センターでは、政令市等を除き昨年度は犬は二年連続、猫は初めて殺処分が行われなかったと伺いました。収容された犬・猫のうち病死などや譲渡分を除く犬百八十三匹、猫四百九十二匹の全てについて四十を超える市民ボランティア団体や個人が引き取り新たな飼い主捜しに奔走しているとのことです。また行政とボランティア団体との意思疎通を重視した県の庁舎駐車場を提供しての譲渡会も開催しています。
 犬に比べて圧倒的に収容数の多いのは野良猫が産んでしまった子猫です。行政の補助を受け獣医師による不妊去勢手術を進める地域活動を行う自治体もふえてきました。
 そこで、プロジェクト事業参画を決定した経緯と、今後犬・猫の殺処分削減に向けてどのように推進していくのか、県の所見を伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
○健康福祉部長(山口重則君) 犬・猫の殺処分削減に向けた取り組みについてお答えいたします。
 本県では、犬・猫の殺処分ゼロを目指して収容した犬・猫の譲渡や命ある動物の飼い主としての責務の徹底を図るため、終生飼育の指導や不妊去勢の普及啓発を推進しております。特に犬につきましてはボランティアとの協働による成犬譲渡などを実施し、殺処分頭数は昨年度百八十一頭となり五年前と比べて四分の一に減少しております。このような取り組みが環境省からも高い評価を受け、全国の動物の殺処分を減らすため県外の犬を県民に譲渡する人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクトへの参画を決定いたしました。
 猫につきましては、殺処分することなく地域住民との共生を図るため市町に対して不妊去勢手術助成制度の創設を促してきた結果、二十四市町がこの制度を導入し殺処分頭数は昨年度二千四百八十四頭と五年前の半減となり大きな効果を上げております。また県動物管理指導センターでは今年度から県総合庁舎等で実施している譲渡会の開催数をふやし、より多くの方々に捨て犬や捨て猫の新しい飼い主となってもらうなど、さまざまな方法により殺処分の削減を図っているところであります。
 今後とも、市町やボランティア等との連携を強化し飼い主のいない犬と猫の譲渡や不妊去勢した野良猫を見守る地域猫活動などを推進し、動物の命が尊重され人と動物とが共生できる社会を築いてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 十五番 仁科喜世志君。
       (十五番 仁科喜世志君登壇)
○十五番(仁科喜世志君) 答弁いただきました。要望を一点させていただきます。
 自治体で、みずからが不妊去勢をしている自治体が二十四自治体ということでございますけれども、さらにそれを推し進めていただき、まだまだ実際に持っていくには運搬等々もボランティアの団体が運んでいるのが現状でございます。自治体が前面に出てくるということと動物と人間との触れ合い、生活の中での潤いをこれからはもっともっと必要になってくる時代になるのではないかと思いますので、ぜひともその辺をよろしくお願いいたします。答弁をいただきましてありがとうございました。これで一般質問を終わらせていただきます。(拍手)
○副議長(杉山盛雄君) これで仁科喜世志君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 十月一日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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