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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

増田 享大 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/12/2022

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 リニア中央新幹線工事に伴う環境問題について
2 県庁機能の分散化について
3 自動運転の実用化について
4 掛川市西大谷区における鶏ふん流出対策について
(1)流出した鶏ふんの除去等に向けた対応
(2)環境改善に向けた取組
5 世界農業遺産静岡の茶草場農法の維持継承について
6 掛川市内における国道150号の整備に向けた取組について


○副議長(和田篤夫君) 次に、三十八番 増田享大君。
       (三十八番 増田享大君登壇 拍手)
○三十八番(増田享大君) 私は、自民改革会議所属議員として当面する県政の諸課題に対し通告に基づき知事、副知事、関係部局長に一括質問方式で伺います。
 まず初めに、リニア中央新幹線工事に伴う環境問題について伺います。
 県とJR東海との対話が膠着する中、国土交通省内に設置された水資源に関する有識者会議が一年八か月の議論を経て昨年末、中下流域への影響は軽微との中間報告を取りまとめたことは、約九年に及ぶ今日までの大井川の水資源問題において大きな節目になったと感じています。もちろん上流域の自然動植物への影響に関する議論はまだ始まったばかりではございますが、本年より再開された水資源に関する協議では工事中の湧水の戻し方や掘削土の処理、高速長尺先進ボーリングの実施など少しずつ議論の争点が絞られてきたと思います。
 そのような中、今年七月知事がリニア中央新幹線建設促進期成同盟会への加盟を申請し認められたとの報道は、対話が再開されたばかりでもありまたその後新幹線空港新駅構想が再度話題に上るなどしたことから地元でも動揺が広がりました。確かに同盟会加盟により静岡県の課題を沿線都府県も共有することによって環境問題への対応が多角的になるなど一定の効果は期待されると思いますが、流域自治体や住民への丁寧な説明や相談は不可欠で地域の理解を醸成しながら対話を進めることが肝要だと考えます。
 先月二十三日、私はくらし・環境部の織部理事を講師としてお迎えし地元の二か所で県のリニア出前講座と県政報告会を行いましたが、事前に県及びJRに対する質問や御意見を募ったところ五十を超える様々な御意見が寄せられ水資源の恒久的な確保を求める声が多数を占める一方、将来的な取決めを交わして工事を推進すべきとの御意見もあり、この問題の難しさを感じました。
 しかし、共通した意見としては複雑とも取れるこの問題を流域住民に対し分かりやすく丁寧に、そして広く情報提供を求めるものであり、これまで以上に県からの情報提供も、そしてJR側からの説明も必要だと考えます。
 その上で、中下流域の水資源に関する以下二つの具体的な課題について伺います。
 まず工事による発生土の処理についてでありますが、この問題に関してはこれまでの国の有識者会議では十分な議論が尽くされたとは言えず、また国からJR東海への具体的な指導も行われたとは認識できない状況だと思われます。
 昨年十月、私は地元の市議会議員、JR東海、県担当者と共に南アルプストンネル静岡工区の現地を訪れ千石や西俣、椹島の導水路トンネルの坑口、燕沢と藤島沢の発生土置場予定地などを視察しましたが、現地は崖崩れと見られる箇所も幾つかあり、また河川敷には巨大な石が数多く見られ、奥地に向かうほど美しい自然というよりも荒々しい自然が広がる光景が印象的でもありました。
 その中で私ども参加者が最も不安を感じたのは、トンネル工事により発生する三百七十万立方メートルもの掘削土を大井川沿い僅か数十メートルの燕沢に盛土をすること、また藤島沢では自然由来の重金属等を含む要対策土を二重遮水シートで覆い残置させるという計画で、深層崩壊の懸念や遮水シートの耐用年数などを考えると恒久的な安全性への不安は禁じ得ず将来的な懸念は残ったままだと感じました。
 そこで、本年七月から静岡県盛土等の規制に関する条例が施行されましたが、それらを踏まえた上で流域住民が抱く不安を払拭するためJR東海の発生土処理に対し県としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 また大井川の水質に関してですが、トンネル工事によって山体内から流れ出る湧水は重金属を含む可能性や濁りの発生なども想定され、それらが導水、放流されることにより必然的に大井川の水質は変化すると考えられます。計画では処理設備を設置し適切に処理した水を大井川に放流するとしていますが、水質をはかる基準はその最低限度を定めた水質汚濁防止法によらざるを得ないと考えられますし、この水質の悪化に関する対処方針も国、県の協議の場では議論が尽くされたとは言えない状況だと思われます。
 そこで、導水路トンネルによって大井川に戻されるトンネル湧水による大井川の水質への影響について、県の見解を伺います。
 次に、県庁機能の分散化について伺います。
 昨年度、老朽化が進む県庁舎の在り方を考える次世代県庁検討プロジェクトチームが庁内で立ち上げられ、デジタル技術を活用した職員の働き方の改革や老朽化が進む県庁舎の分散化を含め今後幅広い議論を進めていくとされました。
 本来県の責務とは言うまでもなく県民全体の幸福度の最大化であり、その上で県土の均衡ある発展のためにも県庁機能を分散していく方向性は尊重されるべきだと考えます。また同時に県内には三十五の市町が存在しますが、それらへの支援も県の重要な責務だと言えます。中でも静岡、浜松両政令市を除く三十三市町には政令市のような県並みの財源や権限はなく、財政的な支援や技術的な援助に加えそれぞれの自治体が進める将来的なまちづくり、都市計画なども考慮し連携しながら県庁機能を効果的に県内に配置していくことは県土の均衡ある発展にもつながる重要な視点だと考えます。
 現在、本県にはこの県庁本館をはじめ千二百六もの県有施設が存在し、多くを占めるものとしては県立の学校施設で百四十三、警察施設は五十、またその関連施設は三百二十に上ります。一方こうした広く面的な配置を必要とするものを除くそのほかの県有施設の配置状況を見ると、例えば庁舎や研究施設などはその多くが政令市内に配置されていることが分かります。もちろん人流の多さや県民の利便性の考慮、また従前からの計画などは尊重されるべきで、例えば今議論が進められている新県立図書館や県西部地区野球場の設置場所を否定するものではありませんし政令市などの都市部に設置することにより効果が向上する施設も存在します。
 しかし、それらを除く施設はその人流などによる地域への経済波及効果などを考えれば極力県内に広く分散することも必要で、デジタル化が進む今日その適地は広がっているのだと思います。
 そこで、地域ごとの活性化につながるめり張りのある県庁機能の分散化について幅広い議論が必要であると思いますが、県の所見を伺います。
 次に、自動運転の実用化について伺います。
 県では、二〇一八年から自動運転技術の導入による地域交通課題の解決に向けたしずおかShowCASEプロジェクトを進めております。私も今年の夏と今月五日から昨日まで地元掛川市で行われた実証実験の際、八人乗りの小型バスかけがわ茶レンジ号――お茶のチャ、レンジ号に試乗させていただきました。市役所に設けられたコントロールセンターからの監視の下JR掛川駅から掛川城までの片道約一キロメートルを時速約十九キロ、約十分をかけて移動するもので、規制上低速ではありますが混雑した道路や交差点も安全に通行するとても快適な試乗で、また今回は全国で初めて夜間における走行実験も行われるなど自動運転技術が格段に向上していることを実感しました。
 この自動運転が実現されれば、人口減少そして高齢化が進む地域社会における移動手段の確保をはじめ移動サービス業における運転手などの人手不足対策、また交通事故の解消など地域が直面する共通の課題の解決にもつながることとなり、また地球温暖化対策としてカーボンニュートラルへの貢献や新しいビジネスが創出される可能性もあることから将来を見据えるととても重要な事業だと言えます。
 一方、国では二〇二五年度を目途に無人の自動運転移動サービスを全国四十か所で実現することを目標としており、先駆けて来年四月には特定条件下で運転を完全自動化するレベルフォーの運行許可制度を盛り込んだ改正道路交通法の施行を公表しており、近い将来の実用化が現実味を帯びてきているところでもあります。
 本県の目指す自動運転の実用化には、実際の公道での運行を見据え車両の安全性のさらなる向上や移動サービスへの事業者の参入、継続的運行への環境整備や通行する地域の理解も必要だと考えます。その上で何よりも本県が目指す自動運転は国とは違い今ある実社会の公道での運行であり、これは全国に先駆けた取組で大変評価すべきで、この実用化により高齢者の免許返納後の移動手段確保、また通学、通園距離の延長による児童生徒の移動手段の確保など様々な地域課題の解決につながることから県を挙げて今後一層取組を進めるべきと考えます。
 そこで、自動運転の早期の実用化に向け今後どのように進めていくのか、県の所見を伺います。
 次に、掛川市西大谷区における鶏ふんの流出対策についてのうち、流出した鶏ふんの除去等に向けた対応について伺います。
 本年五月以降掛川市大須賀地区を流れる二級河川西大谷川において、降雨の際川に赤茶色で泡立つ水が流れ出し河川東側の山間地域では茶やミカン畑、農道などに異臭を放つ大量の鶏ふんの流出が確認されました。またこの山の東側の東大谷区では崖崩れが発生し、大量の土砂とともに鶏ふんと思われる黒褐色の固形物や鶏舎用の資材、肥料袋などが散乱している状況でありました。
 私も地元の皆様と共に何度か現場を視察しましたが、河川に泡立つ赤茶色で濁った水また鶏ふんが流れ出た森林内では根腐れによるものなのか木々が黒く枯れてしまい、辺り一面に異臭が漂う異様な光景が広がる状況を目の当たりにしました。その後地元住民の皆様による必死の復旧作業が行われましたが、同時に進められた調査によるとこれらの原因は山間上部にある採卵養鶏場から流出したものと見られ、その後西大谷川支流上部には高さ十メートル以上の鶏ふんの土砂崩れも見つかりました。
 特にこの西大谷区は周辺を水源地とする簡易水道を使用する地域でもあるため、井戸水などの水源への影響やこの周辺の水を活用して営まれている様々な産業への影響も懸念されるなど住民の不安は募る一方であり、一刻も早く抜本的な解決に向けた取組が必要だと考えます。地元では市、県職員も参加した説明会も数回開催されていますが根本的な解決策を見いだすことができない状況が続いており、八月には地元住民から知事に対し要望書も提出されたところでもあります。
 その後、市と県が協議し現在では応急処置的に土留め対策が講じられ水質検査も継続して行われていますが、この採卵養鶏場から流出した鶏ふんの量は約九千立方メートルとも言われ周辺一帯の環境は壊滅的なダメージを被っていると考えられます。今後は流出の拡大防止に向けた取組はもちろんのこと、根本的な解決に向け流出した鶏ふんの一日でも早い除去が望まれています。
 そこで、今後県として流出した鶏ふんの除去等に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
 また、今回の事案が発生した採卵養鶏場は既に廃業しており管理していた事業者は本年四月に民事再生法の適用を申請したと伺っています。事業を展開していた当時は採卵用の鶏を約六十から七十万羽飼育し卵を採卵するとともに鶏ふんを堆肥原料として利活用していたと思われ、地元では現在も施設内には大量の鶏ふんがためられているのではないかと言われています。しかしながら今年に入り施設内の鶏を移設し廃業したことから、これら事業者に対する行政指導や処分などを定めた家畜排せつ物法の適用ができない状況となり今もって施設内や周辺の状況を正確に把握することも不可能な状態が続いています。
 このように家畜が不在となったことから担当所管の権限も及ばず現在は産業廃棄物の処理に関する法令に頼るしかない現状を考えると、これら複合的な事象に関する法整備や行政の限界を感じてなりません。しかしながら既に周辺の環境に様々な影響を及ぼしてしまっている事案でもあり地元だけでは到底解決できるものではなく、周辺には茶園やミカン畑などの農地もありますので農産物の生産のためにも周辺の環境改善が必要であり、県としてでき得る限りの御支援を頂ければと切に願うものであります。
 そこで、この地域における環境改善に向け今後どのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、世界農業遺産静岡の茶草場農法の維持、継承について伺います。
 掛川、菊川、島田、牧之原市、川根本町の四市一町で行われている茶草場農法とは、ススキやササを刈り茶園の畝間に敷き込むことにより樹木の三倍とも言われる吸収率で二酸化炭素が土中に蓄えられ水分と肥料分、多くの微生物が含まれた土壌から香り豊かなおいしい茶葉が育成されます。また草を刈り取ることにより約三百種類の草地性植物の生育にも役立ち、希少昆虫であるカケガワフキバッタも生息するなど生物の多様性と良質なお茶づくりが両立されることから環境と共生する伝統農法であることが評価され二〇一三年に世界農業遺産に認定されました。
 認定された当時は、地元をはじめ多くの茶業関係者に喜びと期待をもたらし各方面から注目されたことを覚えておりますが、近年荒茶価格の下落など長引く茶業界の低迷とともに茶草場農法の維持、継承も困難を極めている状況で、二〇一五年と比較すると茶草場農法に取り組む茶園は二百三十ヘクタール以上減少して約一千ヘクタールとなり認定農家数も年々減少している状況が続いています。
 現在県と四市一町で組織された協議会が中心となり農法実践者の認定や認定シールの発行と販売、県内外でのプロモーション活動などを実施していますが、茶草の使用量によって一つ葉から三つ葉まで三ランクに分類された認定シールの効果も限定的で、とても手間がかかる一方、労力に見合う収益も得られず地元で熱心に取り組んでいる若手生産者からも苦労が報われないなど疲弊の声を多く伺っています。県としては世界農業遺産である静岡の茶草場農法を守っていく方向だとは思いますが、現状のままでは将来への継承が難しくなってしまうのではないかと不安は尽きません。
 このような中、来年には世界農業遺産認定から節目の十年目を迎えることとなります。この機会に世界農業遺産の意義と今後の在り方について改めて検証し、PRの強化や支援策の拡充など将来に向けた持続可能な手だてを構築する必要があると考えます。
 そこで、今後とも茶草場農法を維持し後世に残していくためにどのように取り組んでいくのか、県の考えを伺います。
 最後に、掛川市内における国道百五十号の整備に向けた取組について伺います。
 中東遠地域の沿岸部を東西に走る国道百五十号は、住民の主要な生活道路としてのみならず沿線に立地する企業や重要港湾である御前崎港への往来、またウインドサーフィンなど海洋レジャーやキャンプ、海釣りを楽しむ人など県内外の多くの人が利用する道路でもあります。さらに南海トラフ巨大地震などの大規模災害発生時には自衛隊や消防隊などの救助、医療支援、物資の輸送ルートとしても活用が見込まれています。
 このように沿岸地域の基幹道である国道百五十号では、現在御前崎市内において東側から西側に向けて四車線化の拡幅事業が進められ、四車線に広がった道路が掛川方面に延伸している現状を目の当たりにし地元では掛川市内の新規事業化に対する関心も高まってきています。掛川市内でも国道百五十号が四車線となれば市が津波対策として進めている防潮堤の整備とともに安全・安心な沿岸部地域の誕生に寄与することともなり、その効果により新たな開発を呼び込み沿岸部のさらなる活性化につながることと大いに期待されています。
 そこで、掛川市内における国道百五十号の整備に向けた今後の取組について伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(和田篤夫君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 増田議員にお答えいたします。
 自動運転の実用化についてであります。
 自動運転は、地域公共交通における運転手不足や高齢者等の移動支援に加えまして、交通事故や渋滞などの課題解決のみならず未来のまちづくりのモビリティーとして有効な手段であると考えております。
 このため県では、自動運転の実用化を目指し産学官が連携したしずおか自動運転ShowCASEプロジェクトを立ち上げ県独自の三次元点群データを活用し自動運転技術の向上、公共交通機関としての活用などを目的として公道での実証実験を全国に先駆けて実施してまいりました。議員御指摘のとおりでございます。
 具体的には、過疎地の松崎町、市街地の沼津市、そして議員御地元の掛川市など条件の異なる地域におきましてバスやタクシー事業者の協力の下、実際に地域住民の方に試乗していただくことにより実用化に向けた取組を着実に進めてきたところです。私も十月に松崎町で試乗いたしました。運転席に座る補助者がハンドルを握らずともスムーズに走行し、また信号も見事に守りまして本プロジェクトの進展を実感したところであります。
 こうした中、来年四月に自動運転の高度化を許容する改正道路交通法が施行されます。本県におきましてもこの法改正を追い風にして来年度から運転席に補助者を必要としない運行を検証していくとともに、信号機との連動や遠隔で複数台の車両を同時に監視するシステムなど革新的技術を取り入れ実用化を見据えた実証実験へとステップアップしてまいります。
 国では議員御指摘のとおり二〇二五年度の自動運転の実用化を目途としておりますが、本県ではそれに先駆けまして交通事業者、自動車メーカー、大学などの研究機関に加え法律を所管する警察、運輸局など様々な関係者と一丸となり日本を代表する移動の文化の中心地となるよう一日でも早い実用化を目指してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○副議長(和田篤夫君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) リニア中央新幹線工事に伴う環境問題についてお答えいたします。
 リニア中央新幹線工事の発生土処理につきましては、JR東海は法令等に基づき盛土し責任を持って管理していくと説明しています。法令等の基準を満たすことは最低限必要ですが大規模崩壊を繰り返す南アルプスの特殊性を踏まえるべきと専門家からの指摘がされている中、流域の皆様の不安が解消されるには現在至っておりません。
 リニア中央新幹線工事に伴う発生土処理は、静岡県盛土等の規制に関する条例の適用対象であることから条例に基づき適正に対応してまいります。あわせて過去にその上流部で大規模崩壊が起きたと専門家から指摘されている燕沢に大規模盛土を行うことは妥当なのか、最悪を想定したリスク管理が適正に行われるかなど県地質構造・水資源専門部会の場で対話を進めてまいります。
 導水路トンネルによって大井川に戻す水の水質につきましては、JR東海は自主的に管理基準を設定しその基準内となるよう処理を行った上で放流すると説明しています。この管理基準は自然由来の重金属についてこれは水質汚濁防止法の排水基準を採用しており、水素イオン濃度と浮遊物質量については水質汚濁防止法より厳しい環境基本法の環境基準を採用しております。しかし法令等の基準を満たしたとしても大井川の水は環境基準で設定されている水準より水質が清浄だと専門家から指摘されているところであり、水質が変化することでこれまでと同様の水利用ができるのかという流域の皆様の不安が払拭できるとは思えません。またトンネル湧水の水温は通常河川水よりも高くなることが予想され、そうした影響への具体的な対応方策も示されておりません。水質の悪化は生態系にも大きく影響を与えることが懸念されます。
 県といたしましては、国土交通省の環境保全有識者会議の議論を注視するとともに、県の地質構造・水資源、それから生物多様性、この二つの専門部会で流域の皆様はじめ県民の皆様の不安が払拭されるまで徹底的にJR東海と対話を進めてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 土村経営管理部長。
○経営管理部長(土村暁文君) 県庁機能の分散化についてお答えいたします。
 近年、デジタル化の急速な進展や新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより社会全体のライフスタイルや働き方等について大きな変化が生じております。そのため県では近い将来における県の役割や県民の皆様が求める行政サービスの変化などを見据え県庁の機能を検討していく必要があると考えております。
 また、本県は地理的に東西に長く各地域が有する美しい自然や豊かな世界クラスの地域資源を最大限に生かし、それぞれの市町、地域の実情や特色を踏まえた効果的な施策や取組が大切であります。県有施設の配置は市町や県民生活に大きな影響を及ぼすものであり、地域の利便性向上や活性化への寄与など非常に重要であると認識しております。このため県民サービス向上のための県庁機能の分散化について、県議会をはじめ市町や県民の皆様から御意見を伺いながら幅広く検討してまいります。
 県といたしましては、デジタルトランスフォーメーションの活用とともに現場の県有施設の窓口における対応など誰一人取り残さない県民サービスの充実を図り、どこでも誰もが便利で快適に暮らせるふじのくにを目指してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 高畑くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(高畑英治君) 掛川市西大谷区における鶏ふん流出対策についてのうち、流出した鶏ふんの除去等に向けた対応についてお答えいたします。
 本年七月に掛川市内の採卵養鶏業者の敷地から土砂とともに鶏ふんが流出していることが確認されたため、県は廃棄物処理法に基づき立入検査等を実施してまいりました。調査により敷地内で不適正に処理した疑いのある鶏ふんを敷地の北側斜面に流出させたことが判明したことから、流出した鶏ふんの回収及び敷地外への流出防止の措置を講じるよう行政指導を行ってきたところであります。現時点においても事業者が行政指導に応じていないことから今後実行者の特定はもとより従業員等が指示された内容、投棄した量や時期などの特定を急ぎ、命令の相手先の範囲や命令内容などについて専門家や弁護士への相談を行うなど措置命令の発出に向けた手続を進めてまいります。
 県といたしましては、生活環境の保全が図られる方策を行政代執行も視野に速やかに検討するとともに、掛川市と連携し引き続き水質検査や付近のパトロールを実施するなど近隣住民の皆様の不安が軽減されるよう努めてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) 掛川市西大谷区における鶏ふん流出対策についてのうち、環境改善に向けた取組についてお答えいたします。
 元養鶏場周辺で発生した鶏ふんを含む土砂の崩壊は、水質の悪化や異臭の発生、農地等への土砂流入など地域住民の皆様の生活環境に大きな影響を及ぼしており、県と掛川市の関係部局が連携し適切な環境改善に取り組むことが重要であると考えております。このため県では畜産や農地、森林、環境部門の関係課で構成する連絡会議を設置し現地の状況把握や情報共有を行うとともに、環境改善に向けた対策の検討を進めてまいりました。
 臭気対策につきましては、臭気センサーを用いたモニタリング調査や国や他県からの情報を踏まえ、中小家畜研究センターにおいて環境面への影響がなく臭気の低減に効果的な次亜塩素酸水等を活用し速やかに対策を行ってまいります。
 また、土砂が流入した樹園地の排水対策につきましては、県と市の合同会議での協議を踏まえ樹園地に隣接する排水路の五十メートル区間において市との連携により堆積土砂の撤去や損壊した水路の改修工事を実施してまいります。
 県といたしましては、市や関係部局の連携を一層強化しながら情報共有の徹底と対策手法の検討を継続的に行い速やかな環境改善に取り組んでまいります。
 次に、世界農業遺産静岡の茶草場農法の維持、継承についてであります。
 世界農業遺産に認定された茶草場農法を維持し後世に継承していくためには、茶草場農法の認知度や付加価値を高めることで生産されたお茶の有利販売につなげていくことが重要であると考えております。このため県では本年五月に渋谷ロフトで茶草場農法展を開催し、ススキを畝間に敷いた茶畑の再現や質の高い呈茶サービス等により首都圏での茶草場農法の認知度の向上に取り組みました。加えて来年度は世界農業遺産認定十周年事業の開催や茶草場の炭素貯留機能についてカーボンクレジットの導入等を進め、SDGsに貢献する環境と共生した伝統農法として国内外に広くPRを展開してまいります。
 また、茶草場農法で生産したお茶の付加価値を高めるためロゴマークを活用したブランド化に加え、企業と連携して高級ボトルティーや緑茶カクテル等の商品化に取り組んでおります。引き続きChaOIプロジェクトの助成事業により生産者と販売者が連携した新商品開発や海外への販路開拓など有利販売につながる取組を強化してまいります。
 県といたしましては、市町やJA、地域活動団体と連携しながら茶草場農法の魅力や価値を国内外に発信し本県の貴重な伝統農法として将来にわたって維持、継承してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 掛川市内における国道百五十号の整備に向けた取組についてお答えいたします。
 国道百五十号は、中東遠地域の沿岸部を連絡し地域の生活や経済活動に欠くことのできない重要な幹線道路であります。現在御前崎市内の十キロメートル区間において令和七年度の全線供用を目指し四車線化整備を進めております。
 掛川市内の約十一キロメートル区間のうち都市計画決定されている御前崎市境から掛川市浜野地内までの四・三キロメートルにつきましては、御前崎市内の整備完了後切れ目なく工事に着手できるよう来年度からの新規事業化を目指してまいります。
 都市計画決定されていない掛川市浜野地内から袋井市境までの七キロメートルにつきましては、四車線化整備に向け県と掛川市が道路線形や幅員構成の検討を進めているところであり、隣接する袋井市と調整を図った上で地元の方々の御意見を伺い都市計画決定に向けた手続を進めてまいります。
 県といたしましては、中東遠地域における交流拡大や安全・安心の確保につながる幹線道路ネットワークの形成に引き続き掛川市と連携して取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 増田享大君。
       (三十八番 増田享大君登壇)
○三十八番(増田享大君) 意見、要望を少し。
 リニアに関して、出前講座を通じてですね、地元の皆さんの感覚を印象なんですけど、これまで県の方が一生懸命やっていただいてたりとか専門部会でもやっていただいている中身がなかなか住民の方にはうまく伝わっていないというか、住民側がちょっとこう理解に追いついていけないというような状況を非常に感じております。
 今回JRさんにもかなり質問が多かったのでヒアリングをさせていただいて伝えたんですけれども、例えば掛川市の人にとって導水路トンネルで水を戻すのが三十年で切れちゃうんじゃないかって結構心配してる人多いんですね。JRはそこは期限を切らずに将来にわたって費用弁償ですとか対策をやっていく考えを伝えていただいたもんですからそれも伝えたんですけれども、そういった考えもなかなか住民には伝わっていないなという思いがしています。
 もちろん住民が置き去りにされているわけではないとは思うんですけど、やはり首長さんとか利水協議会で伝えるだけ、マスコミで伝えるだけではなくてやっぱり県としても直接住民側に訴えまた説明する姿勢を見せていただいてですね、住民理解を醸成しながら進めていただきますように、これはJRさんの考えについての情報提供も同じですけどぜひその点については御要望させていただきたいと思います。
 それと、自動運転の実用化について知事から御答弁頂きました。とかく今重苦しい雰囲気がある世の中で、私この自動運転ってすごく明るい話題だと思っています。特に先週末の試乗では顔認証の機械があったりとか、あとスマホ、LINEと連動して乗れたりとか、また今回特別県警察本部の皆さんの御協力も頂いて信号機と連動して運転ができることになったもんですからすごくスムーズに快適な走行を感じました。御年配の御夫婦の方と女性と四人で乗らせていただいたんですけれども、すごく皆さん感動されてて御夫婦の方は人生のいい思い出になったとか、女性の方はこの車でいろんな観光地を巡ってみたいとか本当に何か実用化が近いんだなというイメージがしました。
 これからの静岡県を全国に、内外にアピールするときに、この自動運転って本当に一番のセールスポイントになるぐらいの重要な施策だと思います。知事は乗られたということですけれども、ほかの所管部以外の幹部職員の皆さんもぜひ一度試乗していただいてですね、いろいろな可能性がある事業だと思いますのでぜひ取組を一層進めていただきたいと思っています。
 最後に一点だけ、その自動運転で県の計画では一応二〇二四年の実用化が目標年度となっているはずです。それに対する県の意気込みをぜひ聞かせていただきたいと思います。答弁願います。
○副議長(和田篤夫君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 自動運転の実用化に向けた再質問についてお答えいたします。
 県では様々な現場での実験を行いましてその精度を高めているところでございます。来年度からは先ほど答弁ありましたように無人で、補助席に人が乗らないような実験を重ねてますますその高度化を図っていくという予定でおります。
 今後の実用化に向けましては、国の計画する期限より一年前倒しで達成できるように頑張ってまいりたいと思っております。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) これで増田享大君の質問は終わりました。(拍手)
 議事の都合により休憩します。

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