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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

盛月 寿美 議員

質問分類

代表質問

質問日:

12/06/2013

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
  次期総合計画の策定方針
2 平成二十六年度当初予算編成について
3 再生可能エネルギーの導入促進について
4 食材の不適切表示への対応について
5 富士山の後世への継承について
 (1) 三保松原の砂浜保全と景観改善
 (2) 県立美術館所蔵の富士山絵画の活用
6 子育て支援について
 (1) 不育症治療への支援
 (2) 産前産後ケアの取り組み
7 身体障がい者補助犬の普及について
8 東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた取り組みについて
 (1) 事前合宿誘致の促進
 (2) スポーツ産業の振興
 (3) 障がい者スポーツの振興
9 中部横断自動車道の開通を想定した清水港の利活用促進について
10 地域防災訓練の成果と課題について
11 がん教育の推進について
12 犯罪被害者等に対する支援について


○副議長(渥美泰一君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百五十六号から第百七十七号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、三番 盛月寿美君。
       (三番 盛月寿美君登壇 拍手)
○三番(盛月寿美君) おはようございます。私は公明党県議団を代表し当面する県政の諸課題について、知事並びに関係部局長、教育長、警察本部長に一括質問方式で質問いたします。
 初めに、知事の政治姿勢について伺います。
 我が国は、本格的な人口減少型社会に突入し、さらに東日本大震災からの復興はいまだに進まない状況にあります。また少子化対策、地震・津波対策、エネルギー対策などにおいて大きく転換が求められる時期に来ており、静岡県総合計画の平成二十六年度から四年間の次期基本計画の策定に当たっては、このような社会経済情勢の変化を踏まえた的確な対応が求められます。
 総合計画で目標に掲げる県民幸福度の最大化は、福祉、教育、平和を柱に県民一人一人を大切にする我が会派の理念と共通します。富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりに向けては、さらに多くの課題があり施策の進捗状況の評価を踏まえた項目や目標値の大幅な見直しが必要です。我が会派では、次期基本計画策定に向けて九つの戦略ごと五十四項目にわたり知事に提言を行いました。最優先すべきは命を守ることであり県民の安心・安全の確保です。具体的には地震・津波対策、雇用対策、福祉の向上など本県が抱える喫緊の課題に対し、県民のニーズに応えた施策を盛り込んでいくべきと考えます。女性や若者、高齢者、障害のある方、皆が活躍できる環境整備を進め現在多くの県民が抱いている閉塞感や生活への不安を払拭し、明るい将来を展望できる社会を築いていくための計画策定を強く望みます。世界の宝である富士山にいつも見守られている本県は、地域そして県民一人一人が宝です。
 次期基本計画の策定に当たり県民の安心・安全を確保し、本県を富士山のように世界一の徳のある豊かで自立した地域とするための知事の決意を伺います。
 次に、平成二十六年度当初予算編成について伺います。
 政府は、十一月の月例経済報告において景気の基調判断を緩やかに回復しつつあるとして、その判断は二カ月連続で据え置かれました。企業収益が改善し設備投資も持ち直しの動きがあることを背景に回復基調であるとの認識は変えていませんが、一方で海外景気の下振れが引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっているともされています。
 来年度の県税収入は依然厳しい状況が続くことが想定され、県が十月に公表した来年度当初予算編成に向けた収支試算では、財源不足額が四百三十億円となっております。平成二十五年度当初予算編成時に比べ若干減少しておりますが、今後さらに拡大していくのではないかと憂慮しています。
 また、県債残高は通常債は減少していますが、臨時財政対策債を含めた残高では増加の一途をたどっており、平成二十五年度末で二兆六千八百億円を超える見込みとなっています。臨時財政対策債は償還財源として全額交付税措置されるとはいえ、将来に向けては不安を覚えます。来年度は総合計画の次期基本計画の初年度であり、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの実現に向けて積極的な重要施策の推進がなされ、本県経済の成長を促し県民の幸福度の最大化を目指していく新たなスタートの年度であります。来年度当初予算の編成に当たり臨時財政対策債も含めた県債残高を抑制し、これまで以上に徹底した安定的な歳入の確保、県民サービスの向上を図りつつ歳出のスリム化に取り組む必要があると考えますが、県はどのような対応をしていくのか所見を伺います。
 次に、再生可能エネルギーの導入促進について伺います。
 東日本大震災における福島第一原子力発電所の過酷な事故を受けて我が国のエネルギー政策が見直されている中、再生可能エネルギーの果たす役割の大きさに注目が集まっています。環境省では、再生可能エネルギー導入によるメリットとして、地球温暖化対策に関するグローバルなものから我が国のエネルギー政策、産業政策に関するものや雇用の創出、地域の活性化、非常時のエネルギー確保等のローカルなものまで非常に多岐にわたるとしています。このようなメリットを持つ再生可能エネルギーは次世代に引き継ぐべき良質な社会資本であるとの考えを示しています。
 十一月五日、我が会派では越波式波力発電の実験を視察いたしました。私の地元静岡市清水区にある東海大学海洋学部と静岡市の電機会社が連携し、二年前から研究開発と実験を重ね昨年九月に独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の助成事業に採択されました。波があれば二十四時間発電が可能な静岡発の新エネ技術として実用化が期待されています。
 また最近、緑の贈与制度が提案され話題になっています。この制度は、再生可能エネルギーの拡大に向け祖父母が子や孫に対して資産を継承する際、現金ではなく風力、地熱、太陽熱、バイオマス、小水力等の再生可能エネルギーを対象とした投資証券や太陽光パネルなどの設備を贈ることを奨励し、その場合の贈与税控除などの優遇施策を提案するものです。個人や家庭での再生可能エネルギー普及にもつながり、現在国では導入に向けて議論がされています。こうした国の動きや民間の取り組みを常に注視し県の施策に反映させてもらいたいと思います。
 本県においては、ふじのくに新エネルギー等導入倍増プランに基づき新エネルギー等導入率を平成三十二年度までに一〇%にする目標を掲げ、太陽光発電設備の導入に対する助成制度を設けるなどさまざまな施策を推進していることは承知しておりますが、目標達成に向けてはさらなる取り組みが必要であると考えます。
 そこで、再生可能エネルギーの導入を促進するため、今後県は具体的にどのような取り組みを進めていくのか伺います。
 次に、食材の不適切表示への対応について伺います。
 十月二十二日にホテルのレストランにおけるメニューの不適切表示が自主公表されたことをきっかけに食材の不適切表示問題は、全国のホテルや旅館を初め百貨店、飲食店など複数の業界に拡大しています。残念なことに県内でも一流ホテルでビーフステーキと表示していた料理で牛脂注入肉を使用していたことを明記していなかったり、芝エビと表示していたものにバナメイエビを使用していたとの報道がありました。またある結婚式場でも表示とは違う食材を使った事例も発覚し、落胆と怒りに胸を痛めた県民も多いと思います。ホテルのレストランなどで食事をする消費者は、価格は高めでも安心・安全を信じて料理を注文するのであり、また冠婚葬祭やさまざまな記念日の思い出にと有名なお店を選ぶ方もいらっしゃいます。食材の不適切表示は、消費者の目をごまかし信頼を裏切る行為であり絶対に許されません。このままでは国内だけでなく海外からも日本の食に対する信頼が揺らぎかねません。先月末、日本百貨店協会では再発防止のため抜き打ち検査などの対策が講じられるとの新聞報道がありました。本県としてもしっかりと監視する体制をとるべきではないでしょうか。
 そこで、この問題の顕在化以降、県ではどのような対応を行ったのかお聞きします。あわせて県民の安心・安全のため、今後の再発防止にどう取り組んでいくのか伺います。
 次に、富士山の後世への継承についてのうち、初めに三保松原の砂浜保全と景観改善について伺います。
 本年六月、富士山世界文化遺産の構成資産に登録された三保松原はイコモスからの除外勧告を受けながらの逆転登録ということもあり、地元は驚きと歓喜にあふれました。登録を機に多くの観光客が訪れ、静岡市によると観光客人数は三倍にふえたとのことです。このように地元に活気がもたらされていることは非常に喜ばしいことであり、世界文化遺産に登録されることの効果を実感しています。それと同時に世界が認めた富士山の美しく文化的な価値をよりよい形で後世に継承していくという重要な責務を負った以上、砂浜や松林、背後の道路を管理する行政機関と地域の住民や観光客などを含めた全ての人たちが一体となり、三保松原の保全と継承に取り組むことが必要であります。
 イコモスが景観問題を指摘した消波堤について、現在砂浜保全と景観改善を両立させる検討がなされております。景観改善の必要性が指摘される一方で、本年九月の台風十八号や十月の台風二十六号、十一月八日に発生した史上最大規模の台風三十号など近年台風が大型化していることも考えると、景観改善対策は砂浜の保全と背後地の防護という観点を踏まえ慎重に検討し、地域住民に安心感を与えるものでなくてはなりません。これらの課題を解決する目的で設立された三保松原白砂青松保全技術会議の第一回の会議が本年九月に開催され、その後さまざまな検討が進められていると認識しております。専門家の英知を結集して最善策が講じられるものと期待しています。
 そこで、三保松原の海岸部における砂浜保全と景観改善について、これまでの検討内容を踏まえ今後どのような方針のもと、どういうスケジュールで対策を進めていくのか伺います。
 次に、県立美術館所蔵の富士山絵画の活用について伺います。
 去る九月七日から十月二十日まで県立美術館において富士山の絵画展が開催されました。富士山が世界遺産に登録された喜びの中での開催となり、来場者は一万七千七百八十一人であったとお聞きしています。私も鑑賞しましたが、そこに描かれていたものは単に自然の造形物や景観としてだけではなく日本人の精神の象徴として表現された富士山の姿であり、鑑賞された多くの方々が改めて富士山が文化遺産になった意義を認識されたのではないでしょうか。世界遺産である富士山が信仰の対象そして芸術の源泉であることを如実に示す、すぐれた収蔵作品は本県の宝であります。今後できるだけ多くの方にごらんいただくことが、富士山の文化的価値を普及することにもつながると考えます。
 県立美術館では、美術館から遠い地域の県民にも美術館のコレクションを鑑賞してもらい、地域文化の向上と県立美術館への来館を促進する目的で昭和六十三年度から移動美術展を開催しています。昨年度の観覧者数は三千三百四十四人でした。今年度は九月と十月に小山町と袋井市で開催され、合わせて二千九百十六人が観覧されたとのことです。私は今後はこの取り組みを県内だけでなく県外でも行い、本県所有の富士山絵画を他県の美術館でも展示するなどより積極的に活用することを提案したいと思います。こうした美術館の文化芸術振興活動を通じて富士山の文化的価値の継承に取り組むことは、本県の使命だと思うからです。実現のためにさまざまな課題があると思いますが本県のPRにも大きく貢献することになり、こうした文化活動を通じて全国各地から本県を訪れる美術愛好家や観光客がふえることも期待できると考えます。
 そこで、富士山の文化的価値を継承するため、県は所蔵する富士山絵画などをどのように活用していくのか伺います。
 次に、子育て支援のうち、初めに不育症治療への支援について伺います。
 本年三月の国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」によると二〇一〇年から二〇四〇年にかけて、出産の可能性が比較的高い年代である二十歳から三十九歳の女性人口は、四十七都道府県全てで減少すると見られています。厚生労働省によると二〇一二年の出生数は過去最少を更新し、本県においては約三万人にまで減っており人口減少が続いています。
 こうした状況において安心して子供を産み育てられる環境整備を進め、同時に妊娠・出産に向けた健康づくりに関する啓発や不妊に悩む方々への支援が大変重要であります。現在特定不妊治療に対しては国、県、ほとんどの市町において治療費助成が実施されていますが、二回以上の流産、死産、あるいは早期新生児死亡の既往症いわゆる不育症の方々に対する支援はまだまだ十分ではありません。不育症は早期に適切な治療を受ければ八割の方が出産に結びつくという結果が出ておりますが、授かった命を失った経験は心に大きな傷となってしまうことや不育症の検査や治療には保険適用外のものもあり、経済的な負担が大きいのが現状です。
 これまで本会議の会派代表質問で不妊症、不育症の方々への支援について質問してきました。その結果県では不妊・不育専門相談センターを設置し、きめ細かな相談体制を整え、さらには平成二十四年度に不育症について県内の実態調査をされたと認識しています。
 そこで、県は、平成二十四年度に行った調査結果を踏まえ今後どのような施策を実行していくのか伺います。また県内では伊豆市が今年度より不育症治療費助成を開始しましたが、県として不育症治療費助成制度を設けて市町を支援していくべきと考えますが、あわせて県の考えを伺います。
 次に、産前産後ケアの取り組みについて伺います。
 政府の社会保障制度改革国民会議は、本年八月全ての世代で支え合う制度改革に向け少子化対策を柱の一つに据えた報告書をまとめました。この報告書の中では、新生児の遺棄事件や妊婦検診を受けない飛び込み出産、育児ストレス、産後鬱などの問題が深刻化している現状を踏まえ、妊娠期からの総合的な相談支援をワンストップで行う拠点の設置と活用が盛り込まれました。環境省の大規模調査で産後一年たった母親の約半数が自分が神経過敏になっていると感じ、約一三%が絶望的な気持ちになることがあると回答したという結果が新聞報道されました。核家族化が進行し地域のコミュニティーも希薄化する中、一人で悩み孤立する母親が多いことのあらわれではないかと憂慮するところです。妊娠から出産、子育て期まで切れ目のない支援体制が今こそ必要です。東京都世田谷区では産後ケアセンターを開設し、宿泊型産後ケア事業を開始したところ好評を得ているとのことです。また出産後の母親の自宅で赤ちゃんの世話や家事の手伝い、そして相談相手にもなる産後ドゥーラと呼ばれる母親支援の専門職の活躍は、東京都、神奈川県、愛知県など一都五県で始まっています。
 本県においても安心して子供を産み育てられる環境づくりを重点施策として、平成二十四年度より助産師による産前産後の母親サポート事業を実施してきました。身近な地域の中で妊娠、出産、子育てに関する専門職である助産師さんが、赤ちゃんのケアから母親の身体や育児不安に対して悩みや相談を受けとめて的確な助言をしてくれることは、とても心強いことであり今後さらに必要性が高まるものと考えます。妊婦や母子が地域で孤立することのないよう産前産後のサポート、特に産後ケアの取り組みは母子の心身の安心・安全のためにも体制整備が大変重要です。
 そこで、今後県として産前産後ケアに対する支援にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、身体障害者補助犬の普及について伺います。
 身体障害者補助犬すなわち盲導犬、聴導犬、介助犬の育成と身体障害者の自立と社会参加が促進されることなどを目的とする身体障害者補助犬法が二〇〇二年に施行され十一年がたちます。これにより普及啓発活動が行われ地域社会の理解も深まっていると思います。しかしながら全国的に見ると盲導犬は利用希望者の推計八千人に対し実働頭数一千十三頭、聴導犬は一万人に対し五十二頭、介助犬は四万人に対し六十七頭とまだまだ厳しい状況にあります。本県は、利用希望者に対しての実働頭数はいずれも全国で上位であり、現在待機者はいない状況でありますが、盲導犬は五十一頭、介助犬が四頭、聴導犬は一頭という実働頭数から見ても特に介助犬、聴導犬については、まだまだその存在や効果などが広く認識されていないのが現状です。
 私は、先日NPO法人静岡県補助犬支援センターを訪問してまいりました。その中で不慮の事故などで体が不自由になると外出をしなくなって、病気を患ったり鬱状態になってしまう。そうした方々が補助犬ユーザーになったことで健康を回復できた。前向きに生活できるようになり、結婚し、出産し、社会参加できるようになった。犬がいることで就労できるようになった。こういう事例が多くあると伺いました。私が以前音楽鑑賞に行ったときに鑑賞する人たちの中に盲導犬もいて、社会の一員として役割を担っている姿を直接目にすることができました。また十月に静岡県立こども病院を訪問し、補助犬とは異なりますが専属で勤務するファシリティドッグと言われる――名前はヨギといいますが――重い病気と闘う子供たちに寄り添い励ましを与える癒やしの存在として活躍する姿に触れました。私はこうした補助犬やファシリティドッグをもっと普及させたいと思っています。
 さて、現状の問題点として補助犬の医療費、食費など管理にかかる費用が払えずあきらめた方もいることや入店や受け入れ拒否の問題は、新しいユーザーが誕生すると必ず発生しているという状況も聞いています。障害のある方も安心して生活ができ社会参加ができる地域社会をつくるためにも補助犬の健全育成が希望される方にしっかりと提供される仕組みを維持することが重要だと考えます。
 そこで、県民への啓発活動を初め、身体障害者補助犬の普及を促進していくために県としてどのように取り組むのか伺います。
 次に、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた取り組みについてのうち、初めに事前合宿誘致の促進について伺います。
 スポーツの祭典二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定したことで国民共通の希望が生まれ、二〇二〇年を新たな目標にして皆が夢や希望を持って進む機運が生まれてきました。また東京オリンピック・パラリンピックが開催された場合の経済波及効果について、東京都の試算では約二兆九千六百億円、また民間経済研究所の試算では約百五十兆円と巨額に上ると発表されています。さらにはオリンピック・パラリンピックは平和の祭典です。スポーツを通して世界の国々の交流が図られ、世界平和の波が拡大することを強く願います。
 さて、七年後の東京開催に向け、世界各国選手団の事前合宿を誘致しようと全国の自治体が続々と名乗りを上げ始めています。既に北海道では夏の気候の過ごしやすさや食べ物のおいしさなどをアピールする誘致方針を打ち出しているほか、全国の多くの自治体において事前合宿の誘致に向けた具体的な動きが出てきています。合宿地となれば観光や経済の活性化、地元住民との交流が図られ、さらにこうしたことが国内外へ情報発信されることを考えると地域に与える影響ははかり知れないものがあります。世界遺産の富士山を有する本県の魅力と独自のおもてなしをPRし、海外から多くの方に来ていただくためにしっかり準備を進めてほしいと思います。
 二〇〇二年の日韓サッカーワールドカップの際にロシアチームのキャンプ地となった私の地元の清水ナショナルトレーニングセンターや、ウルグアイのキャンプ地となった御殿場市の施設など県内には誘致できる候補地が多数あります。本県では十月二十五日に静岡県東京オリンピック・パラリンピック推進本部が発足しました。今後の誘致活動に当たっては市町との連携が欠かせないものになり、さらに本県がこれまで地域外交を進めてきた中で友好関係を築いてきた中国、韓国、台湾、モンゴルといった国々への積極的なアプローチも必要です。こうした誘致に向けた動きを計画的にスピード感を持って進めていくべきであると考えます。
 そこで、東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿誘致に向けた今後の取り組み方針について、県の所見を伺います。
 次に、スポーツ産業の振興について伺います。
 ことしのスポーツの一番の話題といえば何といってもプロ野球楽天イーグルスの日本一ではないでしょうか。東北の被災地の皆様に元気と勇気を与え復興を加速、倍速させるという意気込みにつながり、日本中に大きな感動を与えてくれました。スポーツには地域社会に活力を与える起爆剤となり、閉塞感が充満している社会を明るくする効果があるとつくづく感じます。帝国データバンク静岡支店が県内企業を対象に実施した調査によると、東京オリンピック・パラリンピック開催により三割が自社業績にプラスになると回答したとの結果が新聞報道され、本県における経済波及効果も期待されています。また近年、生活習慣病に対する身体活動の有益性が科学的に証明されるなどスポーツがもたらす健康への効果やスポーツ大会開催などによる経済効果が明らかになっています。
 このような中で本県においては、全国に先駆けて地域経済の活性化を目的にスポーツ産業の振興を掲げ、昨年三月に静岡県西部地域スポーツ産業振興協議会が設立されました。この協議会では産学民官が連携して、地域資源を活用したスポーツイベント、スポーツ合宿、新しいスポーツ用具の開発等新たなスポーツ産業を創出するためにセミナーや異業種交流会を開催し、本年度は協議会会員が連携して新たな取り組みを始めているとお聞きしております。全国に先駆けたこの取り組みは、オリンピック・パラリンピック東京開催決定で盛り上がる今まさに時宜を得たものであると感じます。
 私は、これを西部地域での取り組みにとどまらず全県的に展開し、全国のモデルになるようスポーツ産業の振興に取り組んでいくべきと考えますが所見を伺います。
 次に、障害者スポーツの振興について伺います。
 東京招致委員会の行った最終プレゼンテーションでパラリンピック女子走り幅跳び代表の佐藤真海さんが、スポーツの真の力は新たな夢と希望を育む力、希望をもたらす力、人々を結びつける力というスピーチを行い、大きな感動を広げ私も深い感銘を受けました。私の地元にも二〇一二年ロンドンパラリンピックで活躍した陸上競技選手がおられます。やはり二〇二〇年東京開催においても日本のトップアスリートが活躍し、パラリンピックに大きく光が当たる大会になってほしいと念願しています。スポーツには人々に夢や希望を与え共感をもたらす力があり、競技を観戦したり応援することで楽しむことができます。しかし何といってもみずから参加し競技することで得られる喜びは大きいものがあります。私の知人に女子サッカーチームの監督で障害のある方々にもサッカーを教えておられる方がいます。教えているというより一緒に楽しんでいるんですと、その方は常々おっしゃっています。障害のある方が多様なスポーツに参画し、さらにそれを通じて夢や希望を育んでいくためには、こうしたすぐれた指導者の存在も不可欠であると強く感じています。
 そこで、二〇二〇年に東京でパラリンピック競技大会が開催されることに伴い、今後障害者スポーツへの県民の関心が高まっていくと思われますが、県ではこの機を生かしさらなる障害者スポーツの振興を図るため、どのように取り組むのか伺います。
 次に、中部横断自動車道の開通を想定した清水港の利活用促進について伺います。
 中部横断自動車道は、平成二十九年度供用開始に向け現在、国と中日本高速道路株式会社により整備が進められています。私は本年六月四日、公明党静岡市議会議員とともに工事現場に行き、進捗状況を確認してまいりました。開通により新東名の新清水ジャンクションから中央道双葉ジャンクションまでがつながると山梨県や長野県に至る本州中部広域ネットワークが構築され、交流圏域の拡大や災害時における救急輸送路の強化が図られることで安全・安心が確保されるなど多くの効果が期待されています。現在国道五十二号は、雨量による交通規制区間が多くその代替道路としてさらには南海トラフ巨大地震等への対応強化を進める本県にとっては、災害時の救援物資を運ぶ重要ルートとして一日も早い全線開通を県民が望んでいます。早期開通に向けて国への働きかけを知事にはしっかり行っていただきたいと思います。
 さて、中部横断自動車道開通による地域経済活動の活性化を考える上で本年五月に新興津コンテナターミナル第二バースが供用開始し、国際拠点港としての機能が向上した清水港の利活用促進が重要であります。現在主要港湾への所要時間は、例えば甲府市内から横浜港までは百三十四分、名古屋港までは二百三十三分かかります。清水港までは百三十八分ですが開通後には九十一分に大きく短縮され、清水港の利便性は一段と高まります。
 清水港は、古くから海上交通の要衝として重要な役割を果たしてきました。明治二十九年に貿易港となってから現在に至るまで県内の農林水産物や工業製品の輸出など本県産業発展の基盤として大きな役割を担っています。また清水港は、かつて海を持たない山梨県や長野県の物流拠点としても利用されてきた歴史があります。中部横断自動車道の開通は、まさに山梨県や長野県を背後地と捉えた利活用促進ができる好機であり民間の関連事業者の方々も大きな期待を寄せておられます。平成二十九年度開通予定となっている中で民間企業とも連携して清水港の利活用促進のためのPRを強化していくべきであると考えます。
 そこで、中部横断自動車道の開通を想定した清水港の利活用促進について、県の取り組みを伺います。
 次に、地域防災訓練の成果と課題について伺います。
 十二月一日の地域防災の日には、県内各地で地域防災訓練が実施されました。地域防災訓練としては今回は本年六月に公表された第四次地震被害想定を踏まえた初めての訓練となりましたので、各自主防災組織においては従前の想定よりも強い揺れや高い津波あるいは長期に及ぶ避難所生活などを想定して、地域の防災活動や避難体制などを検証したことと思います。私が参加した地域では、家具の固定や食料・飲料水の備蓄、さらには隣近所のおつき合いへの呼びかけが例年以上に強く徹底されました。また地元の中学生が参加してトリアージの訓練を行うなど若者を地域防災の担い手として育てる意識が感じられました。
 さて、地域防災訓練は本県独自の取り組みとして、自主防災組織を中心に三十年以上も前から行われてきました。早い時期から東海地震の切迫性が伝えられ県民の防災意識が高まり、継続して取り組んできたことによる成果が出ていると考えます。しかし年々参加者が減少し続け、さらに実施内容がマンネリ化して形式的になっていることなど質の低下も懸念されています。またこれまで本会議の会派代表質問で先輩議員が、男女共同参画の視点を取り入れた防災対策について繰り返し取り上げてきましたが、地域防災訓練の中で実際にどこまでこの視点が反映されているかなどまだまだ検証が必要な点も多いと考えます。大規模災害から一人でも多くの命を守るためには、自助、共助、そして近くの助け合いの近助が重要であり、全ての住民がこのことを理解し地域に浸透させることが必要不可欠であります。今後も地域防災訓練を繰り返し実施していく利点もありますが、今こそ質の高い実践的な訓練を行うことを真剣に考えていかなくてはなりません。
 そこで、今回実施された地域防災訓練について県としては成果をどう評価し、どのような課題を認識しているのか伺います。
 次に、がん教育の推進について伺います。
 生涯のうちに、国民の約二人に一人ががんにかかると推計されています。がんは誰にも身近な病気と言えます。本県は健康寿命が全国一位というのは誇るべきことですが将来にわたって日本一を維持するためには、全ての県民が健康への意識をさらに高めがんと向き合うことを避けては通れません。国が平成二十四年度に定めたがん対策推進基本計画でがん患者を含む国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会を目指すとしているとおり、がんに対する正しい知識は国民の健康に関する基礎的な教養として必要不可欠なことであり、特に子供のころから身につけておくことが重要です。
 公明党は、がん教育について学校現場での保健体育等の授業の中で生活習慣病の一つとして、ほかの病気とあわせてがんを紹介する程度である現状を指摘し、教育内容の充実を求めてきました。その主張が実り、文部科学省が平成二十六年度より小学校、中学校、高等学校におけるがんに関する保健教育を強化する方針を決めました。
 十一月十三日、我が会派では富士宮市立西富士中学校を訪問し、がん教育授業を参観してまいりました。授業では生徒たちはDVDや保健師の話などから、がんにならないためにどういう生活をしたらよいかを学び、的確に理解し健康な生活への意識やがん検診の大切さを感じたようでした。大人にも特に飲酒や喫煙をする人には聞いてもらいたい充実した授業内容でした。こういう授業が県内の全ての学校で実施されれば本県のがん教育が強化されると実感しました。今後学校教育の中でがんに対する正しい理解や予防に対する知識等を身につけ、児童生徒自身が健康を適切に管理することがますます重要になります。
 そこで、本県における現在のがん教育の取り組み及び今後の進め方について教育長に伺います。
 最後に、犯罪被害者等に対する支援について伺います。
 静岡県下の刑法犯の認知件数は、平成十四年から実に十一年連続で減少し本年も減少傾向を維持していることは、静岡県警察の懸命な活動と官民協働による防犯活動などによる治安対策の一定の成果であると承知しています。このような情勢の中でも県民の生命、身体に危険が及ぶ殺人や傷害事件の発生には、胸を痛め不安も感じます。県警では本年十月末現在、県内のストーカーに対する相談二百八十二件について対応中と聞いています。先月千葉県市川市の路上で二十二歳の女性が殺害されるという痛ましい事件が発生しました。また十月の東京都三鷹市で高校三年生の女子生徒が殺害された事件も記憶に新しいところです。御遺族や周囲の関係者の悲しみはいかばかりかと思うと察するに余りあります。こうした犯罪の被害者その御遺族は、犯罪によって直接身体的、精神的、経済的な被害を受けるばかりか、さまざまな形で二次的被害を受けるおそれがあり、その不安ははかり知れません。県民が警察に一番望んでいることは、迅速かつ的確で継続的な対応ではないでしょうか。
 十一月二十五日から十二月一日は犯罪被害者週間でした。十一月二十四日には、「あざれあ」において犯罪被害者等支援講演会inしずおか二〇一三が開催され、私も参加しました。講師の犯罪被害者遺族の話を聞き大切な家族を失った悲しみ、厳しい現実社会で生きることの大変さを抱える思いに触れ、犯罪被害者、御遺族への支援の必要性を強く感じました。県警では日ごろから相談に乗ったり、パトロールを強化するなどの活動を通して県民が犯罪に遭わないように努力をされていると承知しておりますが、県民が殺人や傷害事件などさまざまな犯罪に遭ってしまった場合、犯罪被害者等に対してどのような支援を行い、また今後取り組みをどう展開していくのか警察本部長に伺います。以上、答弁を求めます。(拍手)
○副議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 盛月議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてであります。
 次期総合計画の策定方針についてでありますが、富士山が世界遺産となり日本の宝であるのみならず世界の宝となりました。本県は富士山を擁する県としての誇りと自覚を持って富士山の美しく気高い姿に恥じない人づくり、地域づくりに取り組む必要がありますし、またそのような国づくりに貢献していく使命もあると考えております。次期基本計画は富士山から導き出される価値に立脚し、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりを基本理念に掲げ、県民幸福度の最大化を目指し全力を傾注してまいります。
 最優先するべき課題は、県民の命を守る安全・安心の確保です。地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の着実な推進などあらゆる災害への万全の備えに重点的に取り組んでまいります。また若者、女性、高齢者、障害のある方の就労支援など誰もが働きやすい就業環境の実現に向けた取り組みに加えまして、安心できる医療の提供と健康長寿日本一の取り組みなど県民お一人お一人にきめ細かに目配りをした施策を積極的に推進してまいります。
 教育につきましては、いわば文武芸三道の鼎立を目指します。学問を愛しスポーツを好み芸術を愛する人材を養成してまいろうと考えております。広く地球社会を視野に入れつつ、しっかりと静岡県の大地に根差した静岡式の確かな学力の育成や飛び入学制度の導入、新しい実学の奨励などふじのくにの未来を担う人づくりに向けた教育改革を実践いたします。また本物の芸術文化に触れる機会の提供や地域に根差した文学やいわゆる地域学の創出に取り組み、生きることは日々学ぶことであるという考えのもとに人生のそれぞれの場に応じた学びの場を提供してまいります。
 さらに、社会経済情勢の変化を踏まえ少子化対策やエネルギーの地産地消を推進するとともに、富士山静岡空港への新幹線新駅設置につきましては、有事に備える上でもまた平時におきましてもその必要性を訴え、そして東京オリンピック・パラリンピックに向けて対応するなど新たな施策についても積極的に取り組んでまいります。計画の策定に当たりましては、これまでの四年間の取り組みの評価を踏まえまして施策や数値目標の見直しを行うなど公明党静岡県議団の皆様からいただきました福祉、教育、平和を柱にした貴重な御提言を反映したところであります。一層の御支援、御協力を賜りますように、お願いを申し上げます。
 次に、平成二十六年度当初予算編成についてであります。
 来年度の当初予算編成に当たりましては、議員御指摘のとおり十月の試算におきまして四百三十億円という多額の財源不足が見込まれています。加えて来年四月からの消費税率の引き上げに伴う歳入歳出への影響もあり、現時点では不透明な状況です。引き続き大変厳しい財政環境下での予算編成になると考えています。このため現在策定中の新しい行財政改革大綱におきましては、ふじのくにの自立を支える財政基盤の確立と財政の健全性の維持のため、歳出のスリム化と歳入の確保に徹底して取り組むこととしております。具体的には歳出のスリム化では、長期にわたって実施している事業につきまして目的や手法、成果を検証しゼロベースで見直しを行います。また終了年次を設定する、いわゆるサンセット方式によって補助金を見直します。ファシリティマネジメントの考え方等に基づく県有施設の総量の適正化と有効活用にも取り組んでまいります。
 歳入の確保につきましては、市町と協働した税収確保対策による収入率の向上と収入未済額の縮減や、新たな取り組みとして県有財産の建物つき売却やネーミングライツなどについても進めてまいります。臨時財政対策債につきましては、国が一方的に配分額を決定されるもので県のコントロールの及ばないところでございます。県といたしましては、あらゆる手法を駆使して徹底した歳出のスリム化と歳入の確保に努めることで財政の健全性を堅持するとともに、富国有徳の理想郷“ふじのくに”の実現のため、必要な財源の捻出に取り組んでまいります。
 次に、子育て支援についてのうち、産前産後ケアの取り組みについてであります。
 妊婦が安心して安全に出産ができて母子ともに健やかな産後を過ごすためには、地域の中で妊婦や母子が孤立しないように支援していくことが必要です。このため県では、市町が行う妊婦健診や新生児訪問、乳幼児健診などの支援に加えまして産前産後の母子支援が充実するよう県助産師会に産前産後の母親サポート事業を御委託申し上げ、母子のスキンシップ指導、育児相談、産後ケア等の実技指導などを県内各地で実施していただいております。
 また、静岡市や富士宮市では助産施設を活用した産後ケア事業に取り組んでいるほか、国におきましては、妊産婦の相談に応じて支援機関につなぐ母子保健コーディネーターの配置や宿泊型の産後ケアの実施などを内容としたモデル事業が予定されておりますことから、このような取り組みについて積極的に情報を提供してまいります。しかし出産後のお母様は入院期間が短くて身体的に負担が大きい上、育児に対する不安も抱えておられることから産後のきめ細かな支援の必要性はますます高いと認識しています。
 そこで、県では、二年間行ってまいりました産前産後の母親サポート事業の成果を生かすために市町の保健師等を対象に産前産後ケアに関する技術研修会を開催するとともに、さらに県助産師会の御意見を伺いながら新たな産前産後のケアの充実に取り組んでまいりたいと考えております。私どもといたしましては、妊婦や母子が地域で孤立することなく妊娠、出産、そして子育て期までの切れ目のない支援が行われるように努めてまいります。
 次に、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた取り組みについてのうち、事前合宿誘致の促進についてです。
 東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿の誘致につきましては、国内の実態はもちろんのこと近隣諸国を含めた激しい競争になるでしょう。このため十月二十五日に推進本部を立ち上げた後、本部長である森山副知事が早速行動を開始いたしまして東京都副知事や本県選出国会議員に対しまして誘致への支援を要請するとともに、先月の台湾訪問の際には日本との交流の窓口機関に対して誘致活動を実施いたしました。これからは国際標準の競技施設や宿泊施設とともに、オリンピック会場とほぼ同じ気象条件に本県があることや、また恵まれた交通アクセスなど詳細なデータを整備して、各国に対する誘致活動を積極的に展開してまいる所存です。県が先頭に立ちまして市町や競技団体、商工、観光団体等と協力をして誘致活動に取り組むことによりまして、競争相手に先んじまして平成二十八年のリオデジャネイロオリンピックまでにさまざまな競技の合宿地に選定されるよう万全を期してまいります。トップアスリートの事前合宿の実現によりスポーツはもちろんのこと、教育・文化・観光・産業など幅広い分野でふじのくに静岡の魅力を世界に向けて発信し、交流の拡大につなげていこうと意気込んでおります。
 次に、中部横断自動車道の開通を想定した清水港の利活用促進についてであります。
 清水港は、古くから甲州や信州の年貢米などの物資を運ぶ積み出し港でありました。また甲州や信州向けのさまざまな物資が陸揚げされる港でもありました。まさに山梨・長野両県における海上交通の玄関口でありましたし、そのような玄関口となり得る条件を十分に備えた港であると認識しております。こうした中、中央自動車道と新東名高速道路を結ぶ中部横断自動車道――工事中のところを県議、御視察されたとのことでございますが――これが平成二十九年度、すなわち四年後に開通する予定でございます。そういたしますと山梨・長野両県と清水港との移動時間が大幅に短縮され、物流、人流に大きな変化が生じます。それは横浜、東京港、あるいは名古屋港に比べ、清水港の利便性を一段と高めるものであります。これは清水港の利活用の一層の拡大に寄与することは疑いありません。
 これまで県では、経済界と連携し、山梨県内で清水港セミナーを開催するとともに、清水港視察会に山梨県内の企業を招聘申し上げて清水港の利便性の周知を図っております。山梨県からの参加者は年々増加しておりまして、参加者からは、中部横断自動車道の開通後の清水港の利用を検討しているといった積極的な御意見を頂戴しています。今後は中部横断自動車道の開通効果を最大限に活用するため、山梨県におけるPR先を商工業関係者のみならず農業団体にも拡大することとしております。
 また、山梨県も最近では富士の国と自称されております。本県と同じく“ふじのくに”であるということで、一体感を高めるための施策をさまざまに講じなければなりません。よく静岡県は表玄関、山梨県は表に対して……と言いたくなるわけですが、そうではなく清水港は海の表玄関、富士山静岡空港は空の表玄関、そして山梨県は奥座敷であると。表玄関と奥座敷としてふじのくにとしての一体感を高めることなども重要であります。
 さらに、長野県におきましても、官民が一体となったポートセールスを積極的に展開いたしまして、山梨県、長野県を清水港の後背地、あるいは本県と一体感を持つ地域として交流を進め、そうした中で清水港のさらなる利用の促進に努めてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(渥美泰一君) 池谷静岡県理事。
       (静岡県理事 池谷 廣君登壇)
○静岡県理事(池谷 廣君) 再生可能エネルギーの導入促進についてお答えいたします。
 再生可能エネルギーのうち本県が優位性を有する太陽エネルギーは、旺盛な民間投資によるメガソーラーの建設や住宅用太陽光発電の普及により順調に利用が進んでおります。今後は家庭用の発電や熱利用設備の導入の支援などを強化するとともに、空港事業用地等での民間資金を活用した発電事業や避難所等への発電・蓄電設備の導入など太陽エネルギーの利用の一層の普及を図ってまいります。また大規模発電設備の建設適地が限られている風力発電につきましては、御前崎港港湾区域内に導入適地を設定した洋上風力発電の具体化に加え、県内企業により開発の進む小型風力発電設備の事業化を支援してまいります。さらに農業用水などを活用した小水力発電施設の建設を進めるほか、小山町で進められている木質バイオマス発電、議員から御紹介のございました波力発電など地域の特色ある資源を活用した新たな取り組みを後押しいたします。
 今後とも太陽エネルギーに加えその他の再生可能エネルギーの利用拡大を積極的に推進し、平成二十四年度末で六・七%の新エネルギー等導入率をできる限り早期に目標の一〇%以上となるように国の動向も注視しながら全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 伊熊くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 伊熊元則君登壇)
○くらし・環境部長(伊熊元則君) 食材の不適切表示への対応についてお答えいたします。
 食材の不適切表示は、議員御指摘のとおり消費者の信頼を裏切る行為であり県としても看過できない重大な問題であると認識しております。県内では十一月末時点でホテル、結婚式場、レストランチェーン等から二十一件の事案が自主的に公表されましたが、その多くが牛肉及びエビに関するもので、その他に豚、野菜の産地等の不適切表示がありました。県では、食材の不適切表示は事業者のモラルの欠落が原因と考え、当面の対応として十一月八日にホテル・旅館、飲食店等の九つの業界団体に文書で注意喚起し、十一月十一日には庁内関係課に所管団体への指導を要請するとともに、業界団体の会合の場で関係法令を説明するなど適正表示の徹底を図っております。現在自主公表した県内の全ての事業所に出向き事実確認等の調査をしておりますが、調査結果を踏まえた事業者への指導については、消費者庁や他県と連携し適切に対応してまいります。
 今後は再発防止に向け、事業者等への一層の啓発に取り組むとともに、景品表示法の改正等の動きもあることから国や関係機関との連携による監視体制の強化を図り悪質な事案に対しては厳正に対処することで、県民の食の安全・安心の確保に努めてまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 富士山の後世への継承についてのうち、三保松原の砂浜保全と景観改善についてお答えいたします。
 三保松原の海岸では、世界遺産の登録の過程において審美的に望ましくないとされた消波堤の景観改善が課題となっておりますが、一方で依然として砂浜の侵食が進行しことしの台風二十六号では越波被害が発生するなど海岸保全の重要性もますます高まっております。九月に開催いたしました第一回の三保松原白砂青松保全技術会議においても、海岸整備の基本理念を背後地の防護と芸術の源泉にふさわしい景観の両立とすることで御了解をいただき、現在対策工法の検討を進めているところであります。具体的には国内で実績のある新型離岸堤や突堤、人工リーフなどの工法を対象として、海岸防護に必要な砂浜の幅が確保できるかを確認するとともに、景観につきましては、代表的な視点を選定しフォトモンタージュによる検証を行ってまいります。さらに地元関係者などから成る清水海岸浸食対策検討委員会やシンポジウムの開催により県民の皆様の御意見を伺いながら、利用や環境面にも配慮した対策工法を今年度中に決定し早期に工事着手できるよう努めてまいります。
○副議長(渥美泰一君) 下山文化・観光部長。
       (文化・観光部長 下山晃司君登壇)
○文化・観光部長(下山晃司君) 富士山の後世への継承についてのうち、県立美術館所蔵の富士山絵画の活用についてお答えいたします。
 県立美術館では収集方針の一つに富士山に関する絵画を掲げ、横山大観の「群青富士」を初め、室町時代から現代に至るまでの百三十点に及ぶ富士山絵画を収蔵しており、本年九月に開催した富士山の絵画展などを通じて県民の皆様にごらんをいただいているところであります。これらの収蔵品は、すぐれた芸術作品であるとともに世界遺産富士山の文化的価値を証明する重要な資料でもありますので、企画展や収蔵品展、移動美術展の開催に加え、県内外の美術館が主催する展覧会への出展や学術研究への活用などにも積極的に協力しております。
 また、平成二十七年秋には山梨県立博物館と協働で両館の豊富な収蔵品を中心に特別展「富士山〜信仰と芸術〜」を開催することとしており、平成二十八年度中の開館を目指している仮称富士山世界遺産センターにおいても、県立美術館の収蔵品の展示を検討しております。
 今後も展覧会を初めとする美術館活動や富士山学の研究、さらには観光誘客などさまざまな場面で県立美術館の富士山絵画を積極的に活用し、富士山の文化的価値を継承してまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 宮城島健康福祉部長。
       (健康福祉部長 宮城島好史君登壇)
○健康福祉部長(宮城島好史君) 子育て支援についてのうち、不育症治療への支援についてお答えいたします。
 不育症は、原因不明の偶発的流産が多くその大半は胎児の染色体異常であり、次の妊娠では赤ちゃんが生まれる場合が多いと言われております。しかし一方で母親が深い悲しみを抱え妊娠に対して不安を感じるなど精神面での影響が大きいことから、特に当事者の気持ちに寄り添った支援が重要であると認識しております。本年三月、産婦人科の医療機関を対象に実施した調査結果では、治療を行った患者数は六カ月間で三百八十一人となっておりますが、カウンセリングを行っている医療機関は約三割にとどまっておりました。このため不育症に悩む方々が相談から診療まで適切なカウンセリングを受けられるよう一層の啓発に取り組むとともに、不妊・不育専門相談センター、市町、医療機関と調査結果を共有し連携の強化を図っているところであります。
 また、治療費に対する助成につきましては、平成二十四年一月からヘパリン在宅自己注射が保険適用されたことに伴い患者の経済的負担が軽減されたところでございますが、既に実施しております和歌山県や本年四月から助成制度を設けた伊豆市の実態などを踏まえ、必要性について検討してまいります。
 県といたしましては、不妊・不育専門相談センターの一層の周知を図るとともに、市町の保健師等を対象とした研修会の開催などにより相談体制の充実を図るほか主に若い世代への妊娠、出産、不育症に関する正しい知識の啓発により、予防対策にも努めるなど子供を望む全ての夫婦、女性が安心して妊娠・出産ができるよう支援の充実を図ってまいります。
 次に、身体障害者補助犬の普及についてであります。
 身体に障害があり補助犬を必要とする方への支援には、補助犬の安定した給付と補助犬に対する地域社会の理解が何より重要であります。このため県では全国トップクラスである十頭分の育成頭数枠を毎年度確保するとともに、補助犬インフォメーションデスクを設置し補助犬に関する普及啓発や希望者への給付手続に関する情報提供を行い、補助犬の健康管理など利用に伴うさまざまな相談にも対応しているところであります。
 県といたしましては、引き続き補助犬を希望する方に円滑に給付できるよう努めるとともに、このインフォメーションデスクを拠点として県内の小学校や地域での各種イベントに出向き県民の方が補助犬と接し学習する機会を設け、補助犬への理解促進を図ってまいります。さらに相談窓口への相談には入店拒否の事例もありますことから、飲食店等の関係団体を通じ円滑な受け入れについて働きかけを行うとともに、個別の事例につきましては、補助犬を伴い直接訪問して説明するなど丁寧な対応により、入店拒否の解消に向け積極的に取り組んでまいります。
 こうした取り組みにより、補助犬を必要とする障害のある方が住み慣れた地域で自立した生活を送り、安心して社会参加できるよう補助犬の一層の普及と受け入れの拡大に努めてまいります。
 次に、障害者スポーツの振興についてであります。
 障害のある人にとって、スポーツは健康や生きがいづくりだけではなく社会参加の促進にも重要な役割を果たしています。また昨年のロンドンパラリンピックでの本県選手十四人の活躍が県民に大きな夢と感動を与えたように、スポーツは障害のある人への理解を促進する上でも大きな効果があります。
 県では、これまで身近な地域でスポーツに親しむことができる環境を整備し障害者スポーツの裾野の拡大を図るため、障害の程度にかかわらず参加できるスポーツ教室の開催や障害特性に応じて適切な指導ができる障害者スポーツ指導員の養成に取り組んでまいりました。
 このたび東京でのパラリンピックの開催が決定いたしましたので障害者スポーツの振興を図る絶好の機会として捉え、裾野の一層の拡大とともに、競技力の向上を図るため全国障害者スポーツ大会への選手派遣や強化練習に積極的に取り組み、東京パラリンピックに出場できるようなトップアスリートへの育成につなげてまいります。
 県といたしましては、障害のある人がそれぞれの能力や生活スタイルに応じてスポーツを楽しみ、夢を実現できるよう、さらなる障害者スポーツの普及に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 渥美経済産業部長。
       (経済産業部長 渥美敏之君登壇)
○経済産業部長(渥美敏之君) 東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた取り組みについてのうち、スポーツ産業の振興についてお答えいたします。
 県では、成長が見込まれるスポーツ産業を振興するため昨年三月に西部地域をモデル地域として、西部地域スポーツ産業振興協議会を立ち上げ、本年度からは東部や中部地域においても取り組みを進めております。具体的な取り組みとして西部地域では、九月に浜名湖において協議会会員企業が連携して新たに開発したシルバー向け体力測定やノルディックウオークなどを体験できる浜名湖ウォーク・フェスタを開催するなど会員間の連携が強化され、協議会活動が着実に成果を上げてきております。
 また、東部地域では市町や企業などが連携してスポーツを観光に生かすスポーツツーリズムを推進するため、来年一月三十日に協議会を設立する予定であり、中部地域では一月三十一日に協議会設立に向けて機運を醸成するシンポジウムを開催いたします。
 県といたしましては、東京オリンピック・パラリンピック開催を好機と捉え、各地域協議会が取り組むスポーツ大会の誘致やスポーツ用具の開発を支援するなど全県においてスポーツ産業の振興が図られるよう積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 小川危機管理監。
       (危機管理監 小川英雄君登壇)
○危機管理監(小川英雄君) 地域防災訓練の成果と課題についてお答えをいたします。
 地域防災訓練は、地域で想定される被害を確認し広域災害における自助、共助の重要性を再認識する機会として、非常に意義のある訓練であると考えております。また同時に議員御指摘のようなさまざまな課題があるとも認識をしております。
 十二月一日に約六十六万人の県民の参加により実施された今回の訓練では、第四次地震被害想定を踏まえた真剣な取り組みが見られ、長期化する避難生活に対応するため女性の視点を取り入れた避難所運営訓練や外国人県民の参加による訓練など地域の実情に合わせた訓練が実施され、さらに中高生が消火や炊き出し、要援護者の安否確認や避難支援などの各種訓練や、みずからの地域の危険箇所や災害特性の発表などに主体的に参加している事例が数多く見られるようになりました。
 超広域災害では、共助のかなめとなります自主防災組織の役割が極めて重要となりますことから、それぞれの地域の被害想定を具体的に認識した的確な対応と災害時要援護者や女性の視点を考慮した質の高い実践的な訓練が行われますよう、県といたしましてはふじのくに防災士や地域防災指導員などの協力を得て、災害図上訓練DIGや避難所運営ゲームHUGに加え自主防災組織の災害対応を具体的にイメージする訓練イメージTENなどを県内全ての自主防災組織に普及してまいります。あわせて地域防災の次代を担う中高生が主役となる訓練がより多くの自主防災組織で実施できますよう市町と連携して取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) がん教育の推進についてお答えいたします。
 がん教育につきましては、現在、小中学校及び高等学校の保健の授業や特別活動等において実施をしております。授業の中ではがんを生活習慣病の一つとして捉え、発生や進行には喫煙、飲酒、不適切な食事、運動不足等が深くかかわること、予防のための健康的な生活習慣と早期発見、早期治療のための健康診断が重要であることなどを学習しております。また薬物乱用防止教室においてがんの原因の一つである喫煙について取り上げ、健康に及ぼす害や依存性等について学校薬剤師等の外部講師を招いての講話も行われております。
 県教育委員会では、健康福祉部等の関係機関と連携し静岡県がん対策推進計画に基づく受動喫煙防止事業への協力や関係資料の配付等を行い、各学校でのがん教育の推進に努めているところであります。議員から御紹介がありましたように現在国においては、がんに関する学校での保健教育を強化するための検討を始めております。今後本県においてがん教育の一層の充実を図るためには、がんに関する正しい知識や患者への理解等、子供の発達段階に応じた指導が大切であることから、国の動向を注視しながら関係機関等と連携を図り学校におけるがん教育の推進に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 島根警察本部長。
       (警察本部長 島根 悟君登壇)
○警察本部長(島根 悟君) 犯罪被害者等に対する支援についてお答えいたします。
 警察においては、犯罪被害者支援を警察本来の業務と捉え犯罪被害者の視点に立った各種施策を推進しているところであります。ストーカー行為のように生命、身体の安全にかかわる相談があった場合には、犯罪を防止し加害行為の拡大を防ぐことで個人の生命、身体を守ることが最優先であると。そういった考え方に立って行為者への警告や検挙措置等を迅速に行うとともに、関係機関との連絡・連携のもと相談者やその家族の保護措置を講じたり、相談者の自宅等に対するパトロールを実施するなどの組織的、継続的な活動を行っております。
 このように、相談内容や前兆を的確に判断し凶悪事件に発展することのないように努めておりますが、万一生命、身体への重大な侵害が生じてしまった場合には、被害者や御遺族に対しまして捜査の流れを説明し、行政等が行っている各種支援制度や相談機関などを教示するほか、精神的な被害を受けた被害者に対しては、臨床心理士の資格を有する警察官によるカウンセリングを実施するなど被害者ができる限り早く普通の生活に戻れるよう支援をしているところであります。また法律上の要件を満たす場合には給付金が支給されるほか犯罪被害に遭われた方々の経済的な負担の軽減を図るため、診断書料は公費で負担することとしております。
 このほか、民間の支援団体であります静岡犯罪被害者支援センターにおいては、犯罪被害者等からの電話相談に応じているほか弁護士の紹介、検察庁や裁判所との連絡、病院への付き添い支援などを行っており、同センターとの緊密な連携を図っております。もとより犯罪被害者支援は警察のみでなし得るものではありません。被害者個々のニーズに沿った心身のケア、生活面での援助など各種支援が必要でありますことから、司法、行政、医療機関、民間被害者支援団体等が加盟いたします静岡県犯罪被害者支援連絡協議会の拡充や活動の一層の充実に取り組み、官民協働による総合的な被害者支援を推進してまいる所存であります。以上であります。
○副議長(渥美泰一君) 盛月寿美君。
       (三番 盛月寿美君登壇)
○三番(盛月寿美君) ただいまの答弁に対しまして、三項目について再質問させていただきます。
 まず、不育症治療への支援についてでありますが、平成二十四年度の調査結果を踏まえて相談から診療につながるように相談体制の強化ですとか情報提供、啓発を強化していくということでした。また助成制度については、ほかの自治体の実施例などを参考にして必要かどうかを検討するという、そういう御答弁でございました。
 治療費助成については、平成二十三年十二月の定例会の会派代表質問で早川県議が質問しています。当時の部長からは、制度設計をするに当たって治療の実態とか治療費とか実際に治療を受けている方の御意見をまずは把握していくという、そういう答弁があったわけなんですが、先ほど御答弁いただきました平成二十四年度の調査――医療機関に御協力いただいて、もちろん貴重なデータで今後の施策の参考にしていただくのですが――この二十四年度の調査でそのあたりの治療の実態ですとか治療費とか、患者さんの経済的な御負担とか、そういったところまでがしっかりと実態調査ができたものになっているのかどうか、その辺の考え方をお伺いしたいと思います。
 また、全国で治療費助成の制度が広がっておりまして現在六十一の自治体が実施をしておりますので既に情報収集していただいていると思いますが、治療費助成制度を必要かどうかというその判断はどういう基準でお考えなのか、それをお聞きしたいと思います。
 次に、産前産後ケアについてですが、知事から先ほど力強い答弁をいただきました。この県の産前産後の母親サポート事業ですけれども、国の安心こども基金が今年度末で終了するということに伴いましてこの事業も終了予定というふうに聞いておりましたが、知事から常々おっしゃっております子育て支援が第一だという、そのような意気込みが感じられましたしこの国の基金が終わっても、県として単独でこれまでの産前産後の母親サポート事業を継続していくという、そのようなお考えでよろしいかどうか確認でお聞きしたいと思います。
 それと三点目ですが、地域防災訓練の成果と課題について伺います。
 県民六十六万人が参加されたということでございますが、またそれ以外にもさまざま成果があったということで先ほど御答弁いただきましたが、実際には私も防災訓練に出ましたが、やっぱり参加人数は減っているというか少ないなという印象を受けておりますが、その人数と実態といいますか、数だけで見るのではなくて参加した中身といいますかその辺はどう考えているのかお聞きしたいと思います。
 それと地域防災のかなめである自主防災組織の方々の訓練用のイメージTENを、これを全ての自主防災組織に浸透させていくという御答弁でございましたが、これは全てに浸透させていくのって本当に大変だと思うんですけれども、どのような形でこのイメージTENを全部の自主防災組織に浸透させていくのか、具体的にどう取り組むのかをお伺いしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(渥美泰一君) 宮城島健康福祉部長。
○健康福祉部長(宮城島好史君) 盛月議員の再質問にお答えいたします。
 まず、不育症の自己負担。治療費とか検査なんかの実態についてですけれども、検査には七千円台から一万五千円程度の検査がかかりまして、そのうち自己負担は二千円から四千円程度です。ただし医師によっては保険適用外の検査を進める場合もございまして、その場合の自己負担は十万円以上になる場合もございます。
 それから治療費ですけれども、ヘパリンの在宅自己注射が保険適用になりましたことから自己負担は一カ月五万円のうちの三割、一万五千円。大体八カ月くらいがかかるというふうなことを聞いております。また低アスピリン療法というのがございますけれども、これは大体月千円程度の負担になるというふうに聞いています。今回の調査で、かかる実態はそのようなものでございました。
 助成についての判断基準がどうなるかというふうなことなんですけれども、やはり県だけではなくて市町と一体となるものですから、市町の意向がどうであるかというふうなことが大変重要であると思います。現在、伊豆市において始められてまだ助成実績はないというふうに聞いていますので、実際に先行してやっているところの実態をきちんと把握し、また市町と意見交換をしながら、それについての確認をしていって助成に結びつけて考えていきたいと思っております。
 それから産前産後のケアについては今後、助産師会等の団体の意見等も伺いながら、またできれば現場にもっと市町と企画のほうから相談するような形で制度設計を図って、予算に結びつけていきたいというふうに考えております。取り組みについては前向きにやるというふうなことを考えておりますので御承知おきください。以上でございます。
○副議長(渥美泰一君) 小川危機管理監。
○危機管理監(小川英雄君) 再質問にお答えをいたします。
 まず、地域防災訓練の実態あるいは課題についてはどうかという御質問でございます。確かに議員御指摘のような形で一部マンネリ化しているのではないか、あるいは参加者が減っているのではないか、あるいは内容が空白化しているのではないかというような課題があることは十分承知をしております。ただそれにつきましては当然超広域災害になったときに、まず自助であり共助であり、先ほど議員お話ございました近助でありという部分が極めて大事なものになるという、外からの救援がすぐに来ないんだということを県といたしましては、繰り返し繰り返し訴えまして、訓練への参加ということを呼びかけてまいりたいというふうに考えております。
 それからもう一点、イメージTENの普及方法でございますけれども、実はイメージTENというのは、それぞれの自主防災組織において最初の初動段階でどんなことが起こり得るんだということをカード方式で、例えば家が潰れちゃったところがあるよとか、火事が発生したよとか、あるいは重傷者が発生したよというようなカードで問題提起をいたしまして、それにみんなでどうするんだというようなことを気づいていただいて話し合っていただく、そういう内容でございます。したがってお金が要らないとか、器具が要らない、手間が要らないということがございますので県といたしましては、年度後半使いまして県内で地域防災指導員等のスキルアップの研修の中でそういう事象を紹介いたしますとともに、県が実際出前講座とか研修で出かけていっております。そのときにスキルを持った方を一緒にアシスト役でついていっていただいて、その人に自立をしていただいて、その人が今度はまたアシスト者を自立をさせるというようなネズミ算方式で指導者をふやしていく。そういう取り組みを実は西部危機管理局それから賀茂の危機管理局で今年度から始めようとしているところでございます。以上でございます。
○副議長(渥美泰一君) 盛月寿美君。
       (三番 盛月寿美君登壇)
○三番(盛月寿美君) ただいまの答弁に対しまして、再々質問をさせていただきます。
 不育症治療への支援についてでございますが、市町の意向が大事ということで御答弁がありましたが、やはり必要としているのは県民ですので、市町の意向ということもあるかもしれませんが、やはりここは県民の求めていることを真摯に知ろうと努力をして、そして求めていることに応えていくという姿勢が私は大事かなと思っているものですから、もちろんヘパリンが保険適用されましたので自己負担の部分は少なくなってきているかもしれませんが、経済的な負担というのは本当に皆さんそれぞれですし、それでも保険適用外の部分についてはやはり高額でございますので、これはやはり県としてもしっかりと制度を設けて、そして一人でも多くの女性が出産につながるように支援をしていくべきではないかなと思っております。それについて再度ですが所見を伺いたいと思います。以上について答弁を求めまして、私の質問を終わります。
○副議長(渥美泰一君) 宮城島健康福祉部長。
○健康福祉部長(宮城島好史君) 再々質問についてお答えいたします。
 県民のニーズについて、特にそのニーズを一番よく知っていらっしゃるのは、現場をつかさどる市町、そういった現場ではないかと思っております。これから市町のほうで現場からどんなふうな意見をいただいているかというふうなことをしっかりと伺っていって、県としてどういうふうなことをやるべきか検討してまいりたいと考えております。以上です。
○副議長(渥美泰一君) これで盛月寿美君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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