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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

天野 進吾 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/04/2016

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 県政と静岡市政とのわだかまりについて
(1) 静岡市との協調体制
(2) 県都構想の実現性
(3) 御幸通りの景観形成
2 人口の転出超過について
3 若手人口の激減について
4 フリースクールについて


○議長(吉川雄二君) これで小長井由雄君の質問は終わりました。(拍手)
 次に、五十九番 天野進吾君。
       (五十九番 天野進吾君登壇 拍手)
○五十九番(天野進吾君) いよいよ二月定例会の一般質問も私をもってアンカーであれば、例年最終質問者に託された送辞も含めて、以下一括質問方式にてお尋ねをいたします。
 それでは、自民改革所属議員として通告に基づいて知事並びに関係部長、教育長にお伺いいたします。
 冒頭、余談になりますけれども議員各位初め知事並びに当局の皆様方には質問最終日のきょう、その全ての質問者が静岡市選出議員であることにお気づきでしょうか。そしていかにこのまちの市民性が謙虚にして遠慮深いかをしんしゃくしていただいた上で、以下質問に入ります。
 さて今日、県政と静岡市政との間に横たわるわだかまりについて広く県民が知るところであり、殊に静岡市民の多くが純粋に憂慮していることは言わずもがなのところでありますが、本日はあえて忌憚のないところを川勝知事に提言しつつ、以下お尋ねをいたします。
 そこでまず、市政と県政との協調体制に期待しながら、以下お尋ねしてまいります。正直言って最近の静岡市民の川勝県政に対する反応は極めてシビアであると言わざるを得ません。もっとも川勝知事が市民を前に講演した折、多くの方々が好印象を持ってその言葉に耳を傾けるでしょう。正直言って川勝知事はまれに見る碩学の人でありそれは衆目の一致するところであります。
 しかし最近では、理論と実践との隔たりを指摘する声は少なくはありません。例えば川勝知事が常々提言しております県都構想についてもこれを理解し、これを是とする一般市民はもとより行政関係者の間でも極めて少数であると私は感じてまいりました。もちろん静岡市民もまた行政にかかわる私たちも知事の指摘する問題点や課題に対し、その一端は理解しつつもそれによって醸成される静岡市政とのとどまることなき相克にはいささか辟易するところであります。もちろん市民が発するフラストレーションに確固たる行政対応もできず手をこまねいている私たちもまことにふがいなく、ざんきにたえないところであります。
 思えば、知事と静岡市長との相克のきっかけとなったのは昨年五月川勝知事が県と政令市の二重行政の解消を静岡型でやるべきだと主張し、その手法として県庁所在地の静岡市を県都として県が一方的に治める静岡型県都構想を提案したところに始まります。さらにその上市役所の業務に県職員を送り込み市と県の行政一体化を県主導で進めるとの独善的な宣言まで見たのであります。
 知事はかねがね、県内政令市に対し日本一の権限移譲を推し進めてきたものの自立の実が上がらない場合には県市を一体化するのも一法と極めて独善的な主張を続けてきたのであります。正直言って県議会議員として川勝県政を応援する立場の私にもいささかその唯我独尊的な思考に戸惑うこと少なからずの思いがありました。
 また一方、わだかまりの一因となった要因は平成二十二年から浜松市長とともに特別自治市なる制度を標榜しトップ会談を続けてきたところにあります。しかし正直言ってこの特別自治市なる行政用語は脆弱な二つの政令市が口角泡を飛ばして論ずるテーマではなく逆に新たな火種となったのであります。恐らく静岡、浜松の両市長の若き時代、かの松下政経塾にあって道州制と並ぶ地方行政の指標と教えられ、その後も後生大事に温めてきたテーマと理解いたしておりますが、残念ながら都道府県と同等の権限を持ちそれに見合う必要な財源を持つという特別自治市は両市にとってそれは身の丈に余る課題であると考えます。
 今日の変革の時代にあって、さまざまな行政改革が提案されておりますが今両市がなすべき業務は都市の衰退という厳しい命題にどう対処するかにあります。いかがでしょう。静岡市にも現状の厳しい状況を打開するための行政手法があるはずであります。激論を交わすことなく県庁所在地である静岡市に温かい手を差し伸べて協調することを心から期待するところでありますが、知事の御所見をお聞かせください。
 次に、川勝知事の提案する県都構想。これは東京都の区議会制度をまねた制度と考えますが正直言って知事の提案する県都構想は現段階にあっては県庁所在地たる静岡市民の神経を逆なでするには十分な材料であります。県都構想は県市の二重行政からの脱却を目指す行政手段と提起されたものと聞き及びますが、知事がしばしば指摘しております公共施設、例えば静岡市でいえば市民会館、図書館、水泳場、美術館など目的を同じくする県立、市立の公共施設が市内に存在しておりこれをもって二重行政と非難されるべきものでしょうか。例えば県立図書館はかつての県立葵文庫を継承しつつ県民の要求に応える幅広い分野と風格を誇る一方、市内各地にある地域図書館とはその目的や蔵書数においても明らかな違いを見ることができます。
 さて、全国知事会の席上はもとより各種の会議の席で川勝知事は持論の県都構想について提案し行政改革を訴えてきたとのことでありますが、現実はその根幹ともなる大都市地域特別区設置法の改正はほとんど受け入れられる環境下にはないと聞き及ぶのであります。
 そこでお尋ねいたします。知事が提案する県都構想が本当に市民を初めまた法律を所管する国に受け入れられ実現するとお考えでしょうか。知事の見解をお伺いいたします。
 次に、今話題となっております静岡駅北側の通称御幸通りに関して県が主体となってこの地域の景観形成に取り組みたいとの意向を静岡市側に伝えたとのことであります。報道によれば知事はこの地域の景観形成を県に任せてほしい、江戸時代の城下町風の歴史・文化を感じられるように変えていきたい、さらに続けて掛川市の城下町風の景観整備を参考になまこ壁や瓦屋根を取り入れるなどしたまちづくりを声高に、さらに続けて景観行政は市の権限だが待っていてもらちが明かないので玄関口はこちらでやると静岡市に申し入れたと新聞に掲載されております。
 正直言って、この新聞記事を読んだ田辺市長は怒髪天をつく思いであっただろうと同情を禁じ得ないところであります。よしんば静岡市の景観形成に知事の思惑どおりに進んだとしても、その予算化に際してはここにおられる県議会の皆様方はこれをお認めなさるんですか。
 さて、かく言う私もかつては静岡市長として静岡のまちづくりに心血を注いできた者であります。この際余談ではありましょうがあえてみずからの体験をお聞きください。
 知事が指摘する御幸通りのスタート地点、すなわちその玄関先である静岡駅前は二十年前まではその西側半分の地域を中央郵便局に占拠され、駅を利用する市民にとっても狭隘なタクシープールも不便きわまりない駅前広場でした。もちろん静岡市としてははるか以前から郵政省に対し中央郵便局の移転を陳情し続けてまいりましたが全くナシのつぶてのまま時間は経過をしていきました。
 当時市長だった私は、たまたま静岡県第一区から選出されていた大石千八代議士が郵政大臣に就任したことを機会に千載一遇のチャンスとこれを捉えまさに清水の舞台から飛びおりる奇策と覚悟を持って実行したのでした。そのとてつもない戦術は見事図星をついて十年後と言われてきたこの郵便局の移転がそのわずか一週間後に郵政省から正式に移転改築の決定通知が送られてきたのであります。
 さらにその後、駅近郊に移設されることになった中央郵便局の屋上を利用して長い間市民が要望してきた音楽ホールすなわちAOIの建設も全国で最初の合築建造物として迎えられたのであります。もちろん川勝知事にはこの私の行為は承服しがたい邪道と映るでしょう。行政の本旨はそこに住む人々の輿望にいかに応えるかが第一義だと私は考えてまいりました。
 もちろんこれまでにも、川勝知事にはアーバンデザインに対する比類なき情熱を折々に見せられてまいりました。しかし行政の根幹はそこに住む人々の希望と期待に応えて精いっぱいの策を弄すべきものと私は理解しております。御幸通りの景観形成を俺に任せろの高圧的とも思える言葉は私を初め多くの議員諸兄にも共通する疑問でありましょう。いかがでしょう。ここは知事の識見と度量をもって譲歩してはいただけないものでしょうか。川勝知事の炯眼と政治姿勢に期待して次の質問に移ります。
 次に、人口の転出超過についてお伺いいたします。
 先ごろ発表された総務省の二〇一五年の人口移動報告では、静岡県からの転出超過は相変わらず続き本年はワースト五位にランクされたところであります。さてこの人口移動報告を受けて知事は沿岸部の人々の流出であってこれによって人口の減少が起きていることは極めて遺憾だとの所感が二月九日の静岡新聞に掲載されておりましたが、いささか私には納得できないところでありました。例えば藤枝市の急激な人口増は津波などの自然災害を恐れた近隣の人々の移転によってもたらされたものと言われております。
 言うまでもなく、本県は本州のど真ん中にあって気候は温暖にしてはるか昔から交通の要衝として、また海産物を初め天然の贈り物などまことに恵まれた自然環境の中に生きてきました。そこで知事は都市圏から定年前後の人々の県内移住をもくろむ日本版CCRC構想、別名生涯活躍のまちをお考えのようでありますがいかなる手法によってこれを進められるのか、そのプログラムをお聞かせください。
 次に、静岡県として特に憂うるべきことは若手人口の激減にあります。すなわち十八歳の大学進学時そして二十二歳の大学卒業時に残念ながら大都市への移住が多く見受けられるのであります。殊に県内の大学には希望する学部や教科が少なく、さらには卒業後目指す企業や職種にも限りがあり、それが本県からの転出に結びつくところであります。そのことはもとより容易に解決できる課題ではありませんが、一方では二〇一〇年の国勢調査に比べ二・五%以上の人口増を見ている市町が県内にも三カ所。その中で三・八%という急上昇を見せた長泉町は若い人たちを迎え入れるためのさまざまな施策、例えば中学校までの医療費無料化、幼保施設の充実などを計画的に進めてきた結果でありましょう。
 さらに、この質問原稿の草稿途中で長泉町の新たな試みが二十四日の静岡新聞に掲載されておりました。それは大学進学や就職を機会に町外への転出を防ぐ目的で、大学など卒業後五カ年間継続して町内に居住し正規雇用で就労する住民に対し奨励金として数十万円を交付する制度を二〇一六年度に新設する方針を固めたとのことであります。こうした長泉町の挑戦は単に人口の確保のための政策だけではなく住民を第一義として発想された政策がその原点にあったからでありましょう。いかがでしょう。この長泉町の行政哲学を大いに奨励してみてはいかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。
 次に、教育長にフリースクールのこれからの方向についてお尋ねをいたします。
 義務教育の場を学校に限るとした昭和十六年の国民学校令以来、実に七十四年ぶりに学校外での義務教育を容認する案が浮上、議員立法に向けて具体的検討が続けられてきました。ところがつい最近この法案は残念ながら提出は見送られたとのことであります。ところでその法案名は多様な教育機会確保法案と呼称、その精神は小中学生の不登校児童生徒十二万人に対する遅まきながら文部科学省はフリースクールで学ぶ子供たちを支援する方向で有識者会議を立ち上げたのであります。この法案の精神は言うまでもなく多様な教育機会の確保にありましたが実際にこれが認可された場合、私学とのかかわりや夜間中学校の整備など容易に解決できない諸問題の前に今回も法案提出を持ち越したのであります。
 そうした状況下でありますが、あえて本日質問の一つに加えましたのはフリースクール元気学園の二十年余りの努力と実績を知っていただき多様な教育機会確保法案が早期に実行されることを期待したからであります。今この時も全国各地には不登校の子供を持った親がなすすべもなく途方に暮れて家の片隅で頭を抱えている姿は珍しくないでしょう。
 そんな、不登校になってしまった子供たちを全寮制のシステムの中、生活指導や自主的授業によって教育された子供たちが元の学校にはつらつと帰っていく施設が静岡市高松にあるフリースクール元気学園であります。ここには常時七十名から八十名の子供たちが互いに切磋琢磨しながら勉強に、体育にそして健全な生活を謳歌しながら学校への復帰を目指して懸命に努力する極めて希少とも言うべき教育施設であります。その子供たちの中からこれまでには東京大学に、防衛大学にことしも合格したようでありますけれども、さらには公立大学の医学部へと進学していった実態があります。不登校によって親や先生方を困らせてきた子供たちがこの教育施設で生き返った例証はさん然たるものと言えます。
 思い出します。かつて私が何気なく会話した埼玉からの女子生徒。本人が言うにはこの元気学園に初めて連れてこられたときは中学生になったばかりだと言っておりました。母親の背中に隠れ帽子は目いっぱいに深くかぶり、どこへ行くとも知らぬままただ母の後についてきた。少女が言うには小学校五、六年はほとんど学校に行かずじまい。ところが数時間後母親は私を置いてさっさと消えてしまったのでした。それから二年後、こんなになっちゃったと満面に笑みを浮かべながら来年は埼玉の高等学校に行くんだと極めて明るくしかもにこやかに語ってくれたのでした。
 そんな子供たちがこの元気学園にあふれ、きょうも高校入試に、大学入試に懸命な努力を続けているのです。全国的にも珍しく注目され始めたこの学校の教育システムを県内の迷える子羊のために勇気を持って提供してはいかがでしょう。不登校児に悩む保護者に、そして何よりも未来ある子供のためにぜひワンチャンスを与えていただきたいと期待するものであります。法律はいまだしの感がありますが本県教育委員会としても不登校対策は喫緊の課題と考えます。最後に教育長に御所見をお伺いいたします。
 以上で私の質問は終わりますが、冒頭お約束したように先ほど小長井議員からも御挨拶がありました。静岡県及び教育委員会、警察本部を退職される皆さんに自民改革会議を代表してお礼と送辞を申し上げます。
 先ほども申しましたように、日本人の平均寿命は八十歳をはるかに過ぎた今日、今なお六十歳定年制はいかなるものかとは存じますが、それゆえに退職される皆さんがここを起点として歩まれる道のりははかり知れないものがあります。そうです。皆さんには肉体的にも精神的にもこれからの社会の中で存分に活躍できるエネルギーを蓄えているものと信じます。どうぞ職務を通じて培われた豊富な見識と経験を生かしこれからも本県の振興に御尽力をいただくとともに、御自身が納得できる人生を遂行されるよう祈念いたしまして降壇する次第であります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(吉川雄二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 天野議員におかれましては、小長井議員に引き続きましてこの三月をもって退職する県の部長、職員に対しまして心温まるねぎらいの言葉とこれからの人生に対する励ましの言葉を賜りましてまことにありがとうございました。
 きょうの質問者が、全て謙虚にして遠慮深い静岡市出身の先生方であるということにお触れになったところもそうでございますけれども天野先生の静岡市また静岡市民に寄せる愛情をひしひしと感じた次第でございます。
 その遠慮深く謙虚である方が、謙虚さをかなぐり捨て、遠慮深さをかなぐり捨てて歯にきぬ着せず現在の静岡市長と、あるいは静岡市政と県政とのあつれき、わだかまりについて御心労をされていること、まことに恐縮にたえないところでございます。
 今回の御質問は、静岡市との協調、県都構想、御幸通り等ではございますけれども全体に流れているのは私の姿勢に対する御忠告あるいは御批判ではなかったかと思います。独善に陥っているのではないかということでございました。これは厳に慎まなければなりません。
 唯我独尊というのは、これは福沢諭吉の言葉でございまして彼は一万円札に日本の顔として印刷されている方でございます。彼は文部科学大臣に招聘されようともそれを受けないで民間にとどまり教育に邁進せられた。権力に屈しないというところに彼の唯我独尊としてのこの気位というものがみなぎっているわけでございます。
 独善というのは、個性が余りに出過ぎてそしてひとりよがりになっているということではないかというふうに思います。ひとりよがりにならないようにどうすればいいかということがみずから私自身が課していることでございまして常に県民、市民の立場に立つ。それは現状に学び現場に触れ、そしてそこの現実で考えるという姿勢でございまして私は一切お金集めであるとか票集めを一切しておりません。そして残りの時間、公務以外の時間は日常生活を除けば勉強をしております。静岡県にかかわるノートだけでもこの六年半の間に恐らく七百冊ぐらいございます。そういうことを通しまして、また富士山に恥じないように判断をしているかどうか。みずからが判断を誤ることがございますから敬愛する天野先生を初め県のアドバイザー、また補佐官等々の御意見を賜りながら政策を出すというそういう姿勢でおります。
 人が何であるかというのは、今何を言っているか、何をしたいかということにも増して何をしたかということではないかと思います。天野進吾先生は市長時代の間にこの北口の広場をつくるために中央郵便局をのけられた。何が邪道でしょうか。大したものです。南口におかれましてはルノワールの彫刻をお建てになった。これを天野進吾先生がしたということをどれほどの人が知っているでしょうか。あるいはあの大道芸。今や世界的な場になりました。これも進吾さんの御功績であります。人は何を言っているかということよりも何をしたかということが大事だと。その場合に私は不言実行というのが一番大事だと思っておりました。しかしえにしがあってこの職を預かることになりまして実行するべきことは前もって言わねばならないと。なぜならば県民の皆様方の公金をどのように使うかということを言わねばならないからです。したがって有言実行というのが極めて大切なことです。したがって有言不実行はだめなんです。言っていることが変わっているのはもっとだめであります。
 そうしたことがございまして、そんなことから余りに個性が出て独善ということでは困ります。私はこれから答弁をいたしますが、具体的に。これは実は先生の質問はきのうの夕刻いただきました。そして事務当局が準備した答弁がございましてこれを答弁調整としてやるのです。これは一貫して同じです。
 さて、私が答弁いたします前に一つだけエピソードをお聞き賜りたいと思います。それは初めてこの場に立った時のことです。知事になりましてそして所信表明をいたしました。そしてその数日後に小楠先生から質問をいただきました。それに対しまして私は答弁をしたわけです。そして小楠先生は再質問に立たれました。
 再質問の冒頭、どう言われたか覚えておられますか。「率直に申し上げます、がっかりしました。多分私だけじゃないと思います」。「きょうこの議場にいる方だけでなく、テレビカメラを通し、マスコミを通じ三百八十万県民が今の知事の答弁を見ます、聞きます」。「答弁調整の時間がなかったんじゃないですか」。「知事の変革の気持ちを県民が捉え、投票行動に結びついたと御自身でおっしゃっていました。今までと何も変わらないじゃないですか。四年間できないことはいつまでたってもできないとおっしゃっていました。スタートでできないことが四年間でできるんですか。私は本当に心配になりました」。
 実はこの答弁は、彼らの書いた答弁を読んだのです。前日午後四時か五時ぐらいからその答弁を見ました。私はどれも気に入らないといいますか、自分の言葉で書こうと。気がついたら夜の十時になっていたのです。そうしますとどなたかが実は知事が書いた文言を今度打ち直してそれをプリントアウトしなくちゃならないというふうに言われて、私はもうそんなことは知らなくてびっくりいたしましてこれでもうやりましょうと。打ち込む必要はありませんと。このままお帰りくださいということでそういう苦労があるということを知りましたので翌日それをそのまま言ってその結論が小楠先生の先ほどの印象です。
 そして私は、再質問におきまして自分の言葉で述べたのです。そしてそうすると何と小楠先生が再々質問に立たれたのでございます。そして何と言われたか。「私の再質問が川勝平太を目覚めさせました。これで終わります」と。喝采のもとに小楠先生は自席に戻られたことがございました。
 私は、先生の御認識に対しまして認識が不足しているというか全然違うところもございますけれどもそれを申しますと先生の御心労をさらに増幅するんじゃないかと思いますので、私は今回全く私が手を入れてない、これはだからしたがって県全体の考えでございます。
 まず、県政と静岡市政とのわだかまりについてのうち、静岡市との協調体制についてであります。
 静岡市は、旧清水市との合併を経て平成十七年四月に政令指定都市の仲間入りをしました。しかし面積では浜松市に次いで広大である一方で、先月公表された平成二十七年国勢調査人口速報集計結果によれば人口が七十万五千二百三十八人と二十ある政令指定都市の中で最小であり七十万人を切る寸前にあります。人口減少率も二番目に高くなっており県都を預かる者として大きな危機感を覚えております。
 こうした課題を克服し、本県の県都としての魅力をさらに高めその中心性、求心性を発揮することは市民全体の願いであり、日本の理想郷ふじのくにを実現する上でも不可欠と考えております。
 そのためには、県と静岡市との連携が重要であります。これまでも県・市地域政策会議を活用し日本平周辺や東静岡駅周辺、南アルプスなど特に重要なテーマについて県と市の関係する部局間で課題を共有し、今後の展開方針を協議し実行するなど事業の円滑な推進を図っているところであります。
 私は、こうした実質的な政策の推進だけでなく最少の経費で最大の効果をより迅速に上げられますよう地方自治制度の抜本的な改革も視野に入れた効率化、最適化が必要であると考え、静岡型県都構想を提案したものであります。
 県都構想は、県が市を一方的に治めるものではありません。県と県都静岡市を一体にした上で住民に身近な行政サービスは特別区が、また広域的な施策は県がそれぞれ担うというように行政体制を再編するものであり、行政の効率化、最適化と県都にふさわしいまちづくりを目指すものであります。
 また、静岡市からも特別自治市の提案をいただいておりますが、まだ市民への説明はなされていないようであります。このため地域の実情に応じた大都市制度のあり方、今後の静岡市のあり方に関して県民、市民の皆様からのさまざまな御意見を受けて内容を深めていきたいということを静岡市長に呼びかけているところでございます。政策と制度はいわば車の両輪で不可分のものであります。こうした議論を通じて県都静岡市の将来像について市民、県民の皆様にもお示しし、共有することによって人口減少社会を迎える中で今後も持続的に豊かさを実感できる静岡市を、議論もそれから中身も実現できるよう協働して取り組んでまいりたいと考えております。
 ちなみに、特別自治市が静岡市の身の丈に余るというのは先生の言われるとおりであります。しかしこれは松下政経塾の教えというよりは政令市長会全体の見解です。昨年の五月、また十二月にもそれぞれ京都、東京で政令市長会が開かれましてそしてまた静岡市長さん、浜松市長さん御一緒に特別自治市を目指すと言われているわけです。これは身の丈に余ると。さらに言うならば静岡市は政令市としても身の丈に余るかと思いますね。
 次に、県都構想の実現性についてであります。
 県都構想の実現には、大都市地域特別区設置法を改正する立法措置を初めさまざまな手続を経る必要があります。まずは構想への理解を広く得ていくことが必要です。このため静岡市民を対象にした知事広聴の活用や県議会、県内市長、町長の皆様への説明など県都構想への理解をいただくための取り組みを丁寧に進めるとともに、全国知事会での改正提案や国会議員の方々に対して県都構想の趣旨説明を行うなど構想の実現に向けて多方面にわたり取り組んでおります。
 ちなみに、広聴会は私はもう二カ月に一回ぐらいやっているわけですが市長さん、町長さんが出て来られる、あるいはお食事を一緒にするというのが通例ですがここでそういうことがあったことは一度もありません。
 さて、こうしたところ去る二月二十五日の衆議院予算委員会の分科会におきまして本県が要望する大都市地域特別区設置法の改正に関する質疑がなされたと伺っております。本県出身の小山展弘衆議院議員が本県が提案する県都構想を紹介し総務省としての見解をただしたのに対し、森屋大臣政務官からは本県が要望する改正案のとおりに法改正がなされれば都道府県庁が所在する指定都市は大都市地域特別区設置法の対象となり住民投票等の手続を行うことが可能になる、一方同法の対象範囲の拡大については議員立法として成立した立法経緯から多くの方々の議論が必要ではないかとの趣旨の答弁がなされたものと承知しております。今後国においても何らかの議論が始められるものと期待しております。
 県といたしましては、今後とも市民、県民の皆様を初めとする関係の方々へ県都構想の趣旨や必要性について粘り強く丁寧に御説明申し上げることで地域の実情に応じた新しい大都市制度の創設、導入に向けた機運の醸成を図るとともに、県都構想が特別自治市と並んで選択可能な制度として確立するよう大都市地域特別区設置法の改正への賛同者をふやしてまいります。
 ちなみに、今の特別区設置法は二百万以上となっております。一番最初に提案されたのはみんなの党、新党改革でございました。そのときには政令市全て、指定都市又は指定都市及びこれに隣接し、もしくは近接する市町村、総人口が七十万以上です。それが三月の九日でした。それからしばらくいたしまして四月十八日、自民党と公明党さんは一定の指定都市または指定都市を含み隣接する同一都道府県内の区域内の二以上の市町村、総人口が百万人以上となったわけです。そしてその二カ月後、六月に現民主党さんがこれを二百万人以上にしたと。
 もともとは、政令市というのは二重行政というよりも例えばこの博物館をつくるのについてもたくさんあります、こちらには。浜松市に比べますと施設の数は浜松市は三十八ですがこちらは六十六あります。それからそこで働いている人の数はですね、こちらは二千九百三十一人ですけれども向こうは四百五十五人です。たくさんの人がいましてこの人が出て行ったらどうなりますかね。(発言する者あり)ねえ。そういうことでございまして。そして実際この県が管理しているものに年間百七十三億かけているんですね。しかし浜松市は三十二億です。ものすごいお金と人がここに入っているんですね。それは要らないと。そういうわけでございます。
 次に、御幸通りの景観形成についてであります。
 景観というのは、公の共有財産です。家は自分のもの、店は自分のものでも外目から見ればこれは公共性があるということであります。そこに暮らす人々の美意識や価値観を表現するとともに、毎日美しい景観の中で生活することで人々の豊かな心を育む基盤となります。そうした意味からまちづくりにおいて良好な景観づくりが極めて重要であることは天野先生も思いを同じくされるものと考えます。
 静岡市は、第三次総合計画の中で目指す都市像に歴史文化のまちを掲げているのであります。静岡の歴史的な名所の核づくりなどの具体的な取り組みを進めると書かれています。だけです。書かれているだけです。(発言する者あり)はい。私はこの考え方に全面的に賛成するものでございまして、ぜひとも計画にうたわれている風格あるまちづくりの推進を早急に表現していただきたいと思っております。こうした思いから市が現在進める歴史文化のまちづくりに関してここは正面玄関は県都でございますから市だけのものではなくて県庁の都といいますかここは県都なのですね。ですから私どもとしましてもこれを黙って任せておくというわけにもなかなかにいかないところがございます。特に御幸通りは市の玄関口であるとともに県庁への玄関口でもございます。駿府城公園に通じる入り口でもございます。また訪れる人々に静岡県の歴史・文化を感じてもらう非常に大切な場所です。しかし――ああ、読みます。済みません。自分の言葉で言っちゃだめですね。――このためそのたたずまいは静岡県の文化力の高さを感じさせる品格あるものとしていくことが重要と考えます。
 政策の実現においては、まずは誰かが提案をしなければ物事は始まりません。市長さんに対する御幸通りの景観づくりは県に任せてくださいとの私の申し出は、御幸通りに立地する県として具体的な景観のイメージを御提案申し上げ良好な景観形成に貢献したいという趣旨で行ったものであります。今後提案をもとにさまざまな角度から大いに議論し、多くの皆様が最も望ましいと思うまちづくりに結びつけてまいりたいと考えております。
 しかし、拒否されたという意見が最近寄せられました。その前の回答には御協力をお願いしたと書いてあったんですが。
 結びでございますが、建築物は一度つくると手直しは容易ではありません。このため今すぐできるものから景観形成に手をつけることが必要です。まず公共的な施設から着手しそれをモデルとして御幸通りの景観づくりを進展させていくことが大事であります。
 ぜひ県と市が一体となって、住む人にとっても訪れる人にとっても誇りや憧れを感じさせられるような歴史・文化のまちづくりを実現してまいりたいと考えております。これは県行政当局の、また私を含めた一致した考えでございます。
 ぜひ天野先生におかれましては、市長としての後輩に対しまして、まず県都構想や特別自治市というものについて市民のためにいろいろな情報を提供するためにテーブルに着いてくださいというふうにお願いをしていただけないでしょうか。
 なお、その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(吉川雄二君) 白井企画広報部長。
       (企画広報部長 白井 滿君登壇)
○企画広報部長(白井 滿君) 人口の転出超過についてお答えいたします。
 本県は、東京圏の中高年齢者の移住希望地として人気が高い状況にありますことからそうした方々の移住・定住を促進し、さらに移住先での就労や社会活動で活躍できる環境を整備することにより地域の活性化につなげていくことが重要であると考えております。
 そこで、伊豆半島地域をモデルとして国が推進する生涯活躍のまち構想、いわゆる日本版CCRC構想を生かした地域活性化の可能性や戦略について地域総ぐるみで検討することといたしました。去る一月には庁内に部局横断による検討会議を設置するとともに、県と伊豆半島地域の十五市町、美しい伊豆創造センターで構成する地域会議を立ち上げ検討に着手したところであります。来年度は市町に加え産業、福祉、金融界などの関係者に参画いただく仮称でありますが伊豆半島生涯活躍のまちづくり検討会議を設置し、本年十月を目途に生涯活躍のまちづくりのビジョンを取りまとめてまいります。
 県内では、既に南伊豆町を初め清水町、静岡市などCCRC構想を生かしたまちづくりに意欲的に取り組む動きも見られますことから、こうした市町の取り組みに呼応してまずは伊豆半島地域で広域連携によるモデルを構築し全県への普及を図ってまいります。
 次に、若手人口の激減についてであります。
 本県の人口の転出超過を克服するためには、近年拡大傾向にある若い世代の東京圏への転出超過に歯どめをかけることが重要であります。このため県では若者の意見を積極的に施策に反映するため次代を担う若者たちによる県民会議を設置したほか、大学間連携の強化による魅力ある高等教育の提供や若者が活躍できる雇用の場の創出、結婚、出産、子育ての切れ目のない支援など若者を呼び込み定着を図る取り組みの推進に努めております。
 議員御指摘の長泉町は、いち早く子育て世帯の保育料等の負担を軽減する制度を創設するなど町独自の子供を産み育てやすいまちづくりを推進しております。その成果は県内トップの合計特殊出生率一・八二や県内第三位の転入超過数にもあらわれており他の市町の模範となる先進的な取り組みであると考えております。駿東地区の六市町では県の呼びかけにより来年度から長泉方式による保育料の支援を連携して実施するなど先進的な施策を共有する動きも始まっております。
 また、県内各市町では若者の定住への奨励金や通勤通学費用の助成など若者を呼び込む地域の創意工夫による独自の取り組みを進める動きもあります。今後長泉町を初めとする市町が取り組む先進施策について五つの圏域単位の地域会議等の場で意識の共有化や連携の促進を図り、若者の定着に向けオール静岡で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) フリースクールについてお答えいたします。
 近年、若者の不登校が全国では十二万人、静岡県でも四千人を超えているというようなことでさらにその数が増加傾向にあるということが指摘されておりまして、その解消に向けた取り組みとともに、学校以外の学びの場の整備が求められております。こうした学びの場として市町教育委員会が設置する適応指導教室のほかNPO等が運営する民間施設、いわゆるフリースクールが県内に十七カ所開設されております。県教育委員会では居場所を求める子供への対応としてパンフレット等でこうした学びの場を周知したり保護者からの個別相談に応じ情報提供を行っているところであります。
 また、各市町においても不登校対策事業をフリースクールと共同で実施したり不登校対策会議へ関係者の出席を求めたりするなどフリースクールと連携した取り組みが行われています。市町によって連携のあり方も異なることから各地域の実情に合わせた形で多様な学びの場が整備されることが望ましいと考えております。
 県教育委員会といたしましては、不登校の子供たちが日々の学習活動に取り組み社会的に自立するよう引き続き子供たちの学びの環境の充実に努めるとともに、国の法整備の動向に注視しながら多様な学びの場について検討してまいります。なお、お話のありました元気学園につきましては本県の子供への不登校対策にどのように活用できるか積極的に検討してまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 天野進吾君。
       (五十九番 天野進吾君登壇)
○五十九番(天野進吾君) 時間がございませんので、恐れながら川勝知事に申し上げます。もちろん一度の討論や話し合いで潜在する問題や疑問やわだかまりが払拭するほどたわいのない問題ではありませんが、私の言わんとするところ、否、市民の共通した思いであることは御理解いただけたと存じております。
 知事として、本県をどのように色づけしていくのか。景観形成に関することでありますが、ちなみに申し上げれば県内には二十三市十二町ございます。三十五の異なる色づけがあることも御理解いただきすばらしいあしたを構築していただけることを心から願って私の質問といたします。(拍手)
○議長(吉川雄二君) これで天野進吾君の質問は終わりました。

○議長(吉川雄二君) 次に、議案に対する質疑を行います。
 通告により、一番 平賀高成君。
       (一番 平賀高成君登壇)
○一番(平賀高成君) 第一号議案二〇一六年度一般会計予算について、二点にわたって質問いたします。
 初めに、富士山静岡空港新幹線新駅関係費についてであります。
 今回、静岡空港新幹線新駅建設のために県単独事業予備費で十億円の予算が計上され、JRとの合意が調った場合鉄道施設や駅前広場の測量設計、設置効果調査などを行うと想定されています。昨年の九月議会において六百万円の新幹線空港新駅建設のための調査費が計上されたときにも、まず需要予測を行い採算が合う事業であるのかどうなのかを判断した上で行うべきであるという質疑に対して、県は「技術検討委員会での検討を踏まえ概算費用を出し費用を算定した後、引き続いて需要予測についても実施したいというふうに考えております」と御答弁をしています。
 巨額の事業を実施する際には、明確な判断材料に基づく意思決定があって事業が始まるというのが本来のあり方であり、今回のように一体となった提案は初めに建設ありきになるのではないでしょうか。今回十億円の予備費の想定として設置効果調査ほかを行うとありますが需要予測も想定しているのでしょうか。もし想定していないというのなら需要予測をしないで見切り発車ということになりますし、想定しているというのならそれを明らかにするのが大前提であります。答弁を求めます。
 また、新幹線空港新駅を建設するためには第一高尾山トンネルと第二高尾山トンネルに並行して上下線合わせて新たに四本のトンネルをつくる大工事となるという報道もあります。建設費用はどのくらいを想定しているのか伺います。さらに今回新駅完成時期は明確に説明がありませんが完成時期の想定はいつなのか伺います。
 次に、福祉医療費助成関連事業について伺います。
 この事業は、子供、母子家庭等及び重度障害者の医療費を補助する市町に対し助成することにより子育て家庭、母子家庭等重度障害者(児童)の経済的負担を軽減するとしております。ところがこども医療費助成については現物給付方式とはなっていますが中学三年生まで一回につき五百円、月四回まで。入院については一日当たり五百円の窓口負担があります。
 また、母子家庭等については自動償還払い、重度障害者(児童)については一医療機関当たり月五百円の負担のある自動償還払いとなっております。自動償還払いは窓口での一定の自己負担をしなければならず後で戻ってくるにしてもそのお金を一時立てかえること自体が病院にかかりづらくしております。母子家庭等、重度障害者(児童)の方たちこそ経済的に大変な人たちであり、事業の趣旨から言っても自動償還払いではなく現物給付方式に切りかえ自己負担もなくすことが求められます。今回の予算においても母子家庭等や重度障害者(児童)はこれまでと同様に自動償還払いとなっていますが、その理由について伺います。以上です。
○議長(吉川雄二君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 平賀議員にお答えいたします。
 第一号議案「平成二十八年度静岡県一般会計予算」についてのうち、富士山静岡空港新幹線新駅関係費についてであります。
 県では、本年度トンネル技術の粋をきわめた専門家から成る技術検討委員会により検討を進め、先月新幹線空港新駅が技術的に施工可能であるという結果を得たところであります。この検討結果をもとにJR東海への説明資料を取りまとめの上JR東海の考え方もお聞きしながら需要予測を行うとともに、新駅設置によるさまざまな効果について調査を行うことを想定しております。新駅の建設費用につきましては技術検討資料をもとに鉄道施設や駅舎、連絡通路、駅前広場など新駅関連施設について積算作業を行い概略の費用を算定してまいります。新駅の完成時期につきましては二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせた新駅の実現を目指してまいります。
 県といたしましては、当初予算案に計上いたしました県単独事業予備費についてJR東海との合意形成が調い次第県議会の皆様の御了承をいただいた上で執行してまいりますので、引き続き皆様の御支援を賜りますようお願い申し上げます。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 第一号議案「平成二十八年度静岡県一般会計予算」についてのうち、福祉医療費助成関連事業についてお答えいたします。
 福祉医療費助成のうち、母子家庭等医療費助成や重度障害者(児)医療費助成につきましては自動償還払い方式となっております。事業の実施主体である市町が現物給付方式を採用した場合、市町の国民健康保険事業に交付される国庫負担金が減額され新たな財政負担が発生するほか、県内全ての医療機関に電算システムの改修について理解を得る必要があるなどの課題があります。
 県といたしましては、現物給付方式が導入できるようこれまでも国に対して国民健康保険事業に交付される国庫負担金の減額措置の廃止を強く要望しておりますが現時点において改善されておりません。こうした理由から母子家庭等医療費助成及び重度障害者(児)医療費助成につきましては自動償還払い方式としております。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 平賀高成君。
       (一番 平賀高成君登壇)
○一番(平賀高成君) 再質問を行います。
 新幹線新駅の建設の問題について、答弁ではいろいろ検討をしてJR等とも交渉をしていくというこういうふうな趣旨の答弁だったと思いますが、私は新駅を建設するに当たってやはり少なくともJRに対して納得がいくようなそういう説明をしなければ合意することはできません。ですから当然そういう明確な判断材料を示して交渉していると思いますのでぜひその資料をはっきりと答えていただきたいと思います。
 それから、JR東海にとって最大の関心事というのはダイヤ編成の困難さよりも新駅をつくることによってこれは経営上どれだけプラスになるのかどうなのかだと思います。県内で新幹線の駅で例えば新富士駅。二〇一三年の資料によりますと四千八百二人の一日の乗降客で年間百七十五万人です。東海道新幹線で最も少ない駅はこれは岐阜羽島駅で一日当たり二千八百十八人、年間で百二万人です。この上に立って二点加えて伺います。
 少なくとも富士山静岡空港新駅で年間百万人を超えるとこういうふうに想定しているのか。またJRが難色を示した場合、駅の維持管理費についても負担するのか、二点についてお願いします。
○議長(吉川雄二君) 平賀高成君、時間です。
 野知交通基盤部長。
○交通基盤部長(野知泰裕君) 富士山静岡空港新幹線新駅関係費の再質問についてお答えいたします。
 JRからの理解についてでございますけれども、JR東海は先ほど議員からも御指摘がありましたように高密なダイヤを理由に現状では新駅の設置は不可能という見解を示しております。しかしながら富士山静岡空港につきましては国の交通政策審議会の中間取りまとめにおきましても首都圏空港の機能強化策としても具体的な活用方策について言及されますとともに、また二十六年三月の国の中央防災会議におきましても災害応急活動を展開する上での大規模な広域防災拠点としての位置づけがされるという点がございまして、国家レベルでも非常に重要な位置にあるということが認識されているところでございます。
 県といたしましては、県議会を初めといたしまして関係市町また県民の皆様の御協力をいただきながらこの富士山静岡空港の機能を高める新幹線新駅、これにつきましては県だけではなく国にとっても重要な基盤であるということにつきまして、JR東海に対してまたメリットを十分御理解いただけるように粘り強く働きかけてまいりたいというふうに思っております。
 また、JR東海の立場としては公式上はそのことについて私ども静岡県のほうに言われているというところがございますものですから、特に経営上の問題ということについては現在は指摘をされておりません。今後のJRとの協議の中でいろいろな点について協議をすることになると思いますので、それについて県として適切に対応していきたいというふうに思っております。以上でございます。
○議長(吉川雄二君) これで平賀高成君の質疑は終わりました。
 以上で質疑及び一般質問を終わります。

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