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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

望月 香世子 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/20/2022

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 地域外交の取組について
2 清水港におけるクルーズ船の受入れについて
3 清水港新興津地区の人工海浜・緑地施設へのアクセスについて
4 漁業の継続に向けた漁業者支援について
5 在宅医療の推進について
6 部活動の地域移行について


○副議長(和田篤夫君) 次に、六番 望月香世子君。
       (六番 望月香世子君登壇 拍手)
○六番(望月香世子君) 私は、自民改革会議所属議員として当面する県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に分割質問方式にて質問いたします。
 まず初めに、地域外交の取組について伺います。
 私は、家族から、戦争時焼夷弾により焼けた人々が川上から流れ川が赤く染まっている様子を聞いたことを近頃よく思い出します。今まで以上に多くの人が他人事ではなく自分事として世界情勢を気に留めて暮らしていることと思います。簡単なことではありませんが、私たちは日本だけではなく海外の人と交流し豊かで平和な世を後世に伝えていかなければなりません。それは文化であったり観光であったり経済であったりと様々です。これまで各種民間団体、企業、ボランティアなど多くの人が人と人をつなぐ役割を果たしてくれましたが、海外との往来制限により培ってきた礎が途切れてしまうことは損失であると言えます。
 知事は先週、地域外交の在り方という質問に人と人の地域交流が国家間の平和に寄与すると答えました。また県民が恩恵を受けるよう取り組むとも答えました。県内において他国との交流を続ける団体や会社等様々ございます。民間の意見を十分に取り入れることが県民にとって最も身近で有益な地域外交の在り方かと私は思います。
 静岡県では地域外交を展開する上で指針となる静岡県地域外交基本方針を令和四年四月に施行しました。世界で輝くふじのくに、世界とつながるふじのくに、世界から選ばれるふじのくにの実現に向けて地域外交を推進していくとあります。
 これは、毎年四月に地域外交推進本部会議にて、主に庁内関係者や補佐官らが意見交換を行い方針を定めるため庁内各部局の課題を共有し県民に寄り添う地域外交を行っていることと思います。またコロナ禍により対面での交流が制限される中、顔と顔を合わせることで信頼関係を築く対面とオンラインの併用によるツイン外交を進めてきたと認識しています。このような取組はコロナ後においても引き続き活用できると思われます。
 一方、ツイン外交の一例であるオンラインを活用する事業の静岡県地域外交チャンネルは経済、観光、国際交流などの情報を県民に届けるオンライン動画です。私も視聴いたしましたが、テーマによっては視聴者数が少ないものありさらなる工夫が求められると思いました。
 こうした中、海外との往来再開に向けた動きとして水際対策措置の見直しや外国人観光客受入れ再開がなされています。国際的な人の往来が緩和されつつあるこのタイミングにおいて、海外との往来ができないコロナ禍において地域外交が実施してきたツイン外交の成果を示す必要があるのではないでしょうか。またこれまで県民と共に培ってきた礎を途切れさせない取組が重要ではないでしょうか。
 ついては、ツイン外交における取組の成果と今後を見据えた地域外交の取組について、県の所見を伺います。
 次に、清水港におけるクルーズ船の受入れについて伺います。
 先ほど、海外との交流についてコロナ禍においても県民の不利益とならぬよう継続性のあるものだろうかと質問いたしましたが、清水港のクルーズ受入れ体制について静岡県とクルーズ船運営会社ゲンティン香港とで取り交わしを行った国際クルーズ拠点化についても懸念されるところです。
 清水港は、一九九〇年「クイーンエリザベスU」清水港初寄港から三十年以上にわたりクルーズ船社との信頼関係を築き選ばれる港として官民を挙げてクルーズ船の誘致活動を行ってきました。それぞれの港にはそれぞれの持ち味があり、国際拠点港湾である清水港はコンテナ取扱い貨物量で国内有数な物流港であると同時に来静される人々にとって富士山に迎えられそして富士山に見送られる魅力的な港であります。長い時間をかけた誘致活動、元来ポテンシャル、大型船が同時着岸可能な岸壁、係船柱の整備やおもてなしを引き受ける多くのボランティア、多くの関係者の御尽力により清水港は港の華として様々な客船が年間を通して訪れるホスピタリティーあふれる港として変遷を遂げてまいりました。
 しかしながらコロナ禍でクルーズを取り巻く状況は一変し、昨年は複数の国を巡る外航クルーズ船の運航は再開に至らずクルーズ船社も旅客数の減少等で経営や運航の方針見直しを余儀なくされたと聞きます。何より港はお越しになる側にも受け入れる側にも安心が担保されていることがクルーズ船寄港の大前提になりました。ここにきて水際対策が緩和される動きとともに、人の動きが増え国内クルーズ船の動きも活発になりつつあります。海外では外航クルーズ船も動きを見せ、清水港をはじめ国内港でもそれら予約も入りつつあると聞いています。また先般熊本県の八代港では入港したクルーズ船を使った全国初の海難事故への対応訓練が官民合同で行われるなど、先を見据え準備できることを進める港もあるようです。
 県は、これまで清水港日の出地区におけるクルーズ船受入れに関する整備について主に旅客ターミナル、旅客待合所、緑地などの整備を進めてきたと承知していますが、これら状況を踏まえ清水港におけるクルーズ船の受入れについて県はどのように取り組むのか、考えを伺います。
 次に、清水港新興津地区の人工海浜・緑地施設へのアクセスについて伺います。
 かつて、清水・興津地区の海岸には風光明媚で知られ穏やかな波が海岸線の岩礁を洗う清見潟という名勝があり海水浴などを行う憩いの場として多くの方々に親しまれていました。
 しかし、清水港の拡張や国道整備により段階的に埋め立てられ水際線は護岸等の人工構造物に改変され、地域を愛し長年暮らしている住民からは子供の頃に遊んだ海岸は港湾や道路の整備により往来ができなくなり生活の中において海との関わりが減ってしまったといった声がある中、県は平成十六年七月の港湾計画の改定で清水港の新興津地区に人工海浜を中心施設とした新たな緑地計画を位置づけるとともに、港内に点在している漁船等の集約を図る小型船だまりを隣接地に位置づけそれぞれの整備を推進していると承知しています。
 このうち、人工海浜・緑地施設の整備に当たっては度々ワークショップを開催し地域住民の方などからの要望を伺うとともに県の取組を地域に対して説明していただいておりありがたく思います。現在は地域住民などから伺った要望などの声を踏まえその実現に向けて取り組んでいる段階であると思いますが、人工海浜や緑地施設に向かう車により興津の町なかで渋滞が発生し住民の生活に支障が出るのではないかと心配する声も聞いています。
 人工海浜・緑地施設北側の旧東海道沿いには興津宿や興津坐漁荘といった歴史資源も豊富で、車やJR興津駅から徒歩で人工海浜や緑地施設を訪れた方々に魅力あふれる興津のまちを楽しんでもらうことに期待している方もいます。
 津々浦々静岡県の海に憧れお越しになる方も多い中、清水港は三保半島を天然の防波堤として比較的穏やかでありつつも興津地域より東は波もありサーフィンをする人、魚釣りをする人、様々です。坂が多いまちでもなく平坦で清水の海岸線を歩くのに苦労はしないでしょう。地域の方にとって身近な渚であり、また訪れた人々に快適に利活用してもらうためには人工海浜や緑地施設へのアクセスが地域住民にとって負担のないものであることが大切です。
 そこで、これまで県において検討してきた国道一号バイパスをまたぎJR興津駅と人工海浜・緑地施設を結ぶ連絡橋と国道一号バイパスからのアクセスについて、現在までの取組状況や今後の整備について伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(和田篤夫君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 望月議員にお答えいたします。
 清水港におけるクルーズ船の受入れについてであります。
 清水港は日本三大美港の一つであります。清水港の位置する駿河湾は世界で最も美しい湾クラブに加盟しております。清水港から遠望する富士山は世界遺産に登録されており、三保松原はその構成資産であります。
 こうした美しい景観を背景に、清水港は国内外からクルーズ船で訪れる多くの皆様を魅了してまいりました。新型コロナウイルス感染症の影響で運航を休止していたクルーズ船は令和二年十月に日本国内の運航が再開し、清水港への国内船の寄港は令和三年に九回と運航中断前の水準に回復しつつあります。国際クルーズの再開に当たりましては、水際対策や観光行政の動向を踏まえた関係者調整にもうしばらく時間を要する見込みであります。
 一方、令和元年の国際クルーズ船寄港の実績が三十一回であったのに対し令和五年は現時点で岸壁使用予約が六十件程度入っております。これは長年にわたり地元の誘致組織が活動してくださったおかげで清水港が信頼され選ばれているあかしであると認識しております。
 議員御指摘の清水港におけるクルーズ船の受入れに対する安全・安心の確保につきましては、国内クルーズの再開当初から乗客と一般見学者の動線を分離する徹底した感染拡大予防対策に取り組んでおります。こうした取組に対して帰港したクルーズ船各社から高い評価を頂いております。
 また、昨年九月には国際クルーズの再開を前に快適な出入国の手続を可能とするCIQの空間設備を終えまして、現在国の補助事業を活用して旅客施設の換気能力の向上や新たな手洗い施設の設置など対策の強化を図っているところであります。
 さらに、国際クルーズ船の円滑な受入れには地域の皆様の御理解が何よりも重要であります。感染症に関する最新の知見、情報などを踏まえながら地元の自治体などと連携して地域の皆様に港湾や船内における感染症対策の取組を丁寧に説明してまいります。
 こうした安心感の醸成を前提として、日の出地区において現在整備が進められているクルーズ船の二隻同時着岸が可能な岸壁などの施設が十分に活用されるようクルーズ船誘致に積極的に取り組んでまいります。
 本格的なクルーズ再開を見据え、引き続き地元の誘致組織と連携し徹底した安全対策と地元の御理解の下で世界に開かれた海の玄関口である清水港のさらなるにぎわいの創出に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 山本地域外交担当部長。
○地域外交担当部長(山本 東君) 地域外交の取組についてお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い海外との往来が困難な中、県のツイン外交における取組の一つとしまして、県内の高校からの要望に基づき海外への修学旅行に代わる体験として県内と台湾の高校生が互いの文化を紹介するオンライン交流の機会をつくりました。昨年度は本県側で十五校、台湾側で十二校、計二十七校が参加しました。
 また、対面による活動が可能な海外駐在員事務所におきましてはインバウンド再開に向けた取組や県産品の販路拡大を進めコロナ禍におきましても一定の成果を上げることができたと認識しております。
 なお、議員から御指摘を頂きました地域外交チャンネルにつきましては、今後さらに県民の皆様が求める情報を的確に把握しより多くの方々に御覧頂けるよう広報等に努めてまいります。
 現在ようやく海外との往来再開の兆しが見え始めていることから、地域外交の基本である対面での交流を再開いたします。まず八月には本県の友好提携先であります韓国の忠清南道が開催する国際会議に副知事が参加し環境問題など世界共通の課題への対応について意見交換を行うほか、来年度に友好提携十周年を迎える両地域の関係を強化し信頼関係の構築を図ってまいります。
 県といたしましては、これまでに築いた各国、地域とのネットワークを活用することで富士山静岡空港発着の国際路線の早期運航再開や海外からの活力取り込みに結びつけてまいります。県民の皆様がより多くの恩恵を享受できますよう顔と顔を合わせ相互理解を深める対面交流と気軽に参加できるオンライン交流、こちらを併用しまして地域外交を展開してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 清水港新興津地区の人工海浜・緑地施設へのアクセスについてお答えいたします。
 県では、かつての興津の歴史・文化が刻まれた清見潟を再現するためこれまでに地域住民の皆様や地元中学生と十七回のワークショップを重ね、魅力ある人工海浜や緑地施設に加え誰もが利用しやすいアクセスについても検討を進めてまいりました。
 徒歩で来訪するための国道一号バイパスをまたぐ連絡橋につきましては、地域の声を踏まえ車椅子や自転車の利用にも配慮した幅員や構造としております。昨年度までに予備設計が完了し、本年度は詳細設計を進め令和五年度から工事に着手してまいります。
 自動車で来訪する国道一号バイパスからのアクセスにつきましては、バイパスから緑地施設へ直接乗り降りするルートや臨港道路を経由して緑地施設へつなぐルートなど生活道路との分離を図り渋滞による住民生活への支障が生じないよう検討を進めております。今後関係者との調整が整い次第令和五年度から順次整備に着手してまいります。
 県といたしましては、良好なアクセスを備えた人工海浜・緑地施設の早期完成を目指し海洋レクリエーション拠点、観光交流拠点として新たな地域の振興やにぎわいづくりに取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 六番 望月香世子君。
       (六番 望月香世子君登壇)
○六番(望月香世子君) 再質問を二点でございます。
 まず、地域外交の取組についてでございますが、先ほど御答弁に、今後県民の皆様がより多くの恩恵を受けるように地域外交を展開していきますというお答えを頂いたのですが、私拝見いたしました地域外交チャンネルなどですね、これからより県民の皆様にとって有益な情報を提供するということでどのような方に向けて、またウェブセミナー等を実施して現在いらっしゃるのか、また今後そういった県民の皆様のお声というのをどのように取り入れていかれる御予定なのか、所見を伺います。
 また、もう一点はクルーズ船受入れについてでございます。
 知事の御答弁頂いた中にですね、国際船のクルーズ再開、時間がかかるということはもうコロナ禍になってから当然皆様よく御存じですし時間がかかるだろうなと思って、ただその時間が長い時間があるからこそその間にできることってきっとたくさんあるだろうなと、私どもの地域でも思っていたところでございます。再開に向けて再開前、もう三年前ですかね、その当時とはより違った魅力を静岡県の港の一つ清水港として発信するためにどのように取り組んできたかということが大変気になっていたわけでございますが、今後清水港をそのようにまちづくりの静岡市やその地域の方々の御理解をということで、そういった方々の御意見を取り入れてどのような港として考えているのかということを、お考えございましたら所見を伺いたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(和田篤夫君) 山本地域外交担当部長。
○地域外交担当部長(山本 東君) 地域外交の取組についての再質問についてお答えします。
 今、地域外交チャンネル、県民に向けてどのような形で声を吸い上げてきてするかとそういうことだと思います。
 現在、地域外交チャンネル、観光とか外交であるとかいろんなその時々に応じたいろんなテーマを選んでいます。基本的にはそれぞれ市や町の国際交流あるいは貿易、大学、そのテーマに応じてこれは聞いてほしいと思われるそういった関係者向けにですね、今度地域外交チャンネルやりますということで一応案内をしております。
 これからは、これをどうやってたくさんの、個人ではなくてもう少しまとまった、例えばある国との交流であったらその国の交流をしている団体であるとかもう少し幅広く交流している方々のニーズを聞いた上で的確にその情報を届けて、さらにその上でそれを聞いた方々のフォローアップに努めてそういった県民の方々の声をしっかりと受け止めて政策のほうに一応反映していきたいというように考えております。以上でございます。
○副議長(和田篤夫君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) クルーズ船の受入れに係る、魅力ある清水港の整備についての再質問についてお答えいたします。
 県ではこの間、いろいろコロナの間なんでございますが施設整備としては税関などCIQ検査等が実施できる施設のほかクルーズ船をつなぐ屋根付の通路であるとかそういった周辺の環境整備、あるいは乗客と地域の方々の交流の場となるような緑地の整備を進めまして環境づくりに努めてまいりました。引き続きこういった環境整備は継続して実施して受入れ体制は強化しております。
 また、こういった海外からのお客様を受け入れる魅力のある清水港としましては、積極的に清水港から周遊できるような観光コースであるとか食の魅力などそういったことを充実させて、またそういったことを内外へと積極的に発信してその魅力を伝えることで一層のクルーズ船の受入れ強化に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(和田篤夫君) 六番 望月香世子君。
       (六番 望月香世子君登壇)
○六番(望月香世子君) はい、ありがとうございます。
 地域外交チャンネル私も拝見いたしまして、少しその見ている方の人数であるとか登録者数というのはそれほど意識されていないかもしれないんですけれども非常にやはり少なくてですね、県民の皆様が興味関心を持っていらっしゃるのとちょっと方向性が違うのであればとても残念でございますので、県民の皆様にとって有益なということでございますのでそういったお気持ちを酌み取っていただけるよう要望させていただきます。
 あとクルーズの受入れ体制についてこちらも要望でございますが、県の港湾の土地において様々お店、トラック、オープンカーといいますかキッチンカーを配置してイベントをやりたいよであるとか地域として盛り上げていきたいよという方々もいらっしゃいますので、こちらもお声を吸い上げて地域を盛り上げるために県もその地域だとか静岡市さんであるとか民間の声を十分に取り入れて一緒に一体となって進めていただけたらうれしいです。よろしくお願いいたします。
 では、次の質問に移ります。
 漁業の継続に向けた漁業者支援について伺います。
 私の地元の漁港では毎月軽トラ市を漁港前の広場で開催しており、関係者はじめ地元の方のみならず市外からも来場が多く地元産品などを求める方々でにぎわいを見せています。漁港は地域に根差し地域の皆で持続可能な漁業を目指し工夫を凝らしています。
 本県では、静岡県水産振興基本計画の下、水産資源の管理や増殖に関する取組を進め水産業の基礎となる資源の維持増大を図るとともに、水産物の高付加価値化や需要の拡大、漁業に携わる人材の確保など水産業を次世代につなぎ持続的に発展させていくための施策に取り組んでいると承知しています。しかし本県水産業における主要な資源であるサクラエビやシラス、キンメダイ、アサリなどの漁獲量は近年減少しており、それに伴う収入の減少は漁業経営を大きく圧迫しています。
 例えば、サクラエビ漁業では産卵期の親エビや小型エビの保護などの資源管理に取り組むなど漁業者の協力があるにもかかわらず漁獲量は依然低く経営は厳しい状況にあります。不漁が継続する状況下で漁業関係者は従来どおりの操業を行うだけでは生活に必要な収入を確保することが難しくなっており、建設業など漁業以外の仕事を兼業して急場をしのいでいる漁業者もいる中、漁を行えない時期を活用して減収を補うための新たな取組を行い年間を通して安定した収入を得ることができないかとの声も上がっています。
 資源状況の改善に向けては原因究明と対策を進めていくことが重要であり、そのための調査研究を進めていただいていると承知していますが、成果が得られ根本的な対策が立てられるまでには時間がかかる可能性が高いと認識しています。
 一方で、漁業の不振による収入の減少は漁業関係者の生活に直結するものであり根本的な解決策を待つだけでは漁業を継続していくことができない状況を招きかねず、また次世代を担う若者が安心して漁業に就業できなくなることが懸念されます。そのため解決策が打ち出されるまでの間、漁業を継続していくための支援策が不可欠となっています。
 そこで、資源回復のための取組を進めつつも安定した漁業収入を確保し漁業を継続させていくため、苦境にあえぐ漁業者の経営状況について県としてどのような支援を行っていくのか、所見を伺います。
 次に、在宅医療の推進について伺います。
 急速な少子高齢化を背景に、地域住民の医療や介護に関する相談窓口  地域包括支援センターが開設され介護や福祉、医療、健康のことなどそれぞれに抱える複合した相談を受け孤立させない仕組みづくりが進められてきました。お住まいの地域における安心・安全な医療提供体制は誰しも望むものですが、私は在宅と病院の両方で家族をみとった経験を踏まえ最期を迎える時に御本人が、御家族が望む選択ができ幸せな人生となるよう本県に適した在宅医療の仕組みの構築について質問いたします。
 在宅医療は、患者さんや御家族のケアを医師をはじめ訪問看護師、薬剤師、理学療法士、ホームヘルパーなど多くの方々がチームとなって行うため情報共有、協働が大切と考えます。家族が重篤になった場合看病をする御家族は患者のお世話で精いっぱいになってしまいます。医師や看護師などの医療スタッフが、技術はもちろんですが在宅医療に十分に精通している方であった場合には患者の医療やケアだけではなく看病をする御家族の環境やその心にまで配慮した医療を提供していただくことが可能になると考えます。これは患者さんが最期を迎える時の選択やお別れを余儀なくされた後の生活にまで関わる大切なことであると考えます。
 しかしながら、在宅医療に精通したチームに巡り会うことができる御家族は納得した形で最期を送ることができ、そうでない御家族がつらさを残し続けることは不幸です。私自身家族を様々な形で見送る中で多くの医療従事者の方々に助けていただき、感謝とともに医療従事者もお一人お一人の価値観や考え方に違いがあるのだということに気がつかされました。実際私がお世話になった医療従事者の方からも、医療に携わる全ての人が必ずしも在宅医療に精通しているわけではなく教育が必要であること、在宅医療に必要な職種間の連携が不十分であるといった話を伺ったことがあります。
 県では、令和四年三月静岡県在宅療養支援ガイドラインを改定し多職種間の連携促進、病院と地域の協働など専門職向けに在宅療養を支える医療・介護サービスの手引を示しています。これまで県医師会と連携し在宅医療体制の整備に取り組んできたことと承知しておりますが、在宅医療を一層推進するために必要となる人材の育成や職種間の連携について県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、部活動の地域移行について伺います。
 日本は若い世代の死因の一位が自殺であるという悲しい現状があります。その原因は複合的で社会全体で向き合う課題の一つであることは間違いありません。
 現状、子供の居場所は大きく考えると学校と家庭であると言えます。このうち学校で子供たちが過ごす時間は勉強の時間や休み時間、委員会や部活動など様々です。その中で子供たちはそれぞれの人生の糧となる友人や先生との出会い、先輩後輩との付き合いを学ぶなどするわけです。
 私が非常勤講師として高校で子供たちと過ごしていた時も、勉強は嫌だ早く夕方の部活に行きたいなと楽しそうに部活での活躍を話す子供たちの姿に、また部活動で指導している先生に対する信頼の念を見ると部活動は教育の一環として、また子供たちの居場所として非常に重要な役割を持っているのだと痛感しておりました。
 本県では、運動部活動の在り方を示した部活動ガイドラインを平成三十年四月に策定し持続可能な部活動の実施に向けて取り組んでおり、少子化や学校の働き方改革も踏まえスポーツ庁からは休日の部活動を令和五年度以降段階的に地域移行するという方針が示されているところであります。
 確かに、私が教員をしていた時も時給換算したらとんでもないことになると笑いながら平日土日問わず部活動の指導に明け暮れる先生をお見かけすることは少なくありませんでした。しかしながらそういった先生の生き生きと楽しそうな姿や子供たちが部活を通して友達がいるから学校を休まずに行こう、信頼のおける部活動の先生に相談してみよう、先輩後輩から社会性が身についたといった部活動という子供たちにとって大切な居場所が変化していくことに私たちは慎重であるべきと考えます。
 県教育委員会では令和三年度から中学校で部活動の地域移行に関する実践研究を行っています。部活動は生徒の人間性や社会性を育む側面を持つ重要な教育活動であると考えますが、県教育委員会として部活動の教育的効果をどう捉え地域移行に取り組んでいくのか伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(和田篤夫君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 漁業の継続に向けた漁業者支援についてお答えいたします。
 長引く不漁に加え操業に必要な燃油等の価格が高騰する中、本県水産業を次世代に引き継ぎ持続的に発展させるためには資源回復に向けた中長期的な対策に加え水産業者が事業を継続できるよう即効性のある経営支援策が必要となってまいります。
 資源回復に向けましては、水産・海洋技術研究所が中心となり水産資源の成育環境等の調査を基に不漁の原因究明を進めているほか、本年二月に竣工いたしました指導調査船「駿河丸」を活用しサクラエビ等の水産資源の管理に不可欠な詳細な資源量を把握する調査を行っております。またアサリ等の増殖技術や食害を防除する技術の開発も進めているところであります。こうした調査研究の成果を基に速やかに資源の回復に向けた方策を示し関係者と一体となった取組につなげてまいります。
 一方、喫緊の課題であります水産業者の事業継続への支援策として県では収入の減少を補する国の漁業共済等の利用を促進するため共済掛金の補助等の支援を行っております。また燃油価格の高止まりを受け、高騰対策の延長を六月補正予算案に盛り込み本議会にお諮りしているところであります。
 さらに、漁業が行われない時期の収入確保策として海藻養殖の技術  この海藻海の藻のほうの海藻ですけれども  海藻養殖の技術開発や普及を進めてきた結果ワカメなどの養殖が県内各地で根づきつつあります。今後は養殖のノウハウをまとめたマニュアルの作成やアカモクなど新たな海藻の養殖技術の開発に継続して取り組んでまいります。
 加えて、多様な漁業形態への挑戦や販路開拓など新たな収入源の確保に取り組む水産業者に対しては県の水産イノベーション推進事業によりスタートアップの経費を支援しており、今後も水産業界と連携しながら所得向上につながる発展的な取組を後押ししてまいります。
 県といたしましては、水産業が次世代に継承されるよう水産資源の回復に努めるとともに、水産業者の経営支援に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 八木健康福祉部長。
○健康福祉部長(八木敏裕君) 在宅医療の推進についてお答えいたします。
 これまで、県では県医師会や県看護協会等と連携し医療や介護の従事者が在宅医療や介護の相互理解を深め技術の向上につなげるための研修会を開催するなど人材の育成に努めてまいりました。また在宅医療と介護連携の推進拠点である県医師会のシズケアサポートセンターの運営を支援し、配置された介護支援専門員が中心となって医療機関や介護事業所からの相談対応や連携に向けた情報発信を行うなど職種間の連携を進めてまいりました。
 今後、在宅医療の一層の推進に向けた人材の育成につきましては入院から在宅医療への円滑な移行を進めるため現在行っている病院看護師の訪問看護ステーションでの現場研修等に加えて、本年度からは訪問看護ステーションの管理者となった看護職員向けの研修を新たに開始し患者家族に寄り添う訪問看護師の現場での育成を支援することといたしました。
 また、ICTの普及や新型コロナウイルス感染症の拡大など社会状況の変化を踏まえ本年三月、職種間の連携の指針となる静岡県在宅療養支援ガイドラインを改定したところであります。本年度は当ガイドラインを活用しそれぞれの地域において医療や介護の関係者で協議を進め、職種間の役割分担や情報共有等について基本的なルールの理解と地域での仕組みづくりに取り組んでいただくことにより入院から在宅医療へ円滑に移行できる体制づくりを進めてまいります。
 県といたしましては、御本人や御家族の意思が尊重され安心して住み慣れた地域で暮らすことができるよう在宅医療体制の充実に向けた人材育成と関係職種間の連携強化に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 部活動の地域移行についてお答えいたします。
 部活動は生徒のスポーツや文化活動に親しむ機会の確保にとどまらず、教科学習とは異なる集団での活動を通じて責任感や連帯感を育むなど人格形成の貴重な機会であります。また学校生活における生徒の居場所としての役割も併せ持つなど多感な時期の生徒にとって大切な役割を果たしています。
 一方、深刻な少子化の進行や教員にとっての業務負担から持続可能性という面で厳しさを増しており、運動部活動の地域移行に関しましてはこの六月六日スポーツ庁の有識者会議が提言をまとめ令和五年度から七年度までの三年間を休日の運動部活動の地域移行に向けた改革集中期間と位置づけました。
 県教育委員会では、令和三年度から掛川市において実践研究に取り組み令和五年度以降の休日の段階的な地域移行に向け幾つかの課題を確認したところであります。
 具体的には、地域の受皿となる団体の継続的な確保、指導者の質の保証や人数の確保などに加え部活動が有する生徒指導及び生徒理解等の機能についての議論も必要であると認識しております。また市町により地域の中学校が置かれている状況は様々であることから、今年度は掛川市に加え焼津市においても実践研究を行うとともに、政令市を含めて県内市町と協議する場を新たに設け地域の受皿の在り方や部活動の意義を引き継ぐ方策等について議論を深めてまいります。
 県教育委員会といたしましては、教員の負担軽減に配慮しつつ、中学生が行き場を失うことなくスポーツを楽しむ心を育み健やかな成長が遂げられる環境の構築に向け市町教育委員会と連携し丁寧に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 六番 望月香世子君。
       (六番 望月香世子君登壇)
○六番(望月香世子君) 要望を二点、申し上げます。
 まず一点、漁業者支援についてでございます。
 水産イノベーションの話ございましたけれども、静岡県では持続可能な海洋経済の拠点形成を目指したマリン・オープン・イノベーション  MaOIが清水区にございますので、そちらでの海洋情報についても県民に有益であることは間違いございませんのでぜひ情報を共有し協働し、水産業の課題解決に御尽力頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして部活動の地域移行についてでございますが、今私ちょっと聞きそびれてしまったかもしれないんですけれども、モデル地域既に先行してやっていらっしゃるかと思います。そちらからのお話も耳にされているとは思うのですけれども、既に部活動がなくなるんじゃないかとか、あと外部クラブなのでお金がないから入れないや困ったという声だとか心配な声が実際にそういった地域から聞こえているよということを伺っております。そういったお声を丁寧に聞き取っていただきまして中学校、高校でも違います、様子も違いますし県民に誤解を与えないようにですね、よい事例はどんどん共有していただけますようお願い申し上げまして私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(和田篤夫君) これで望月香世子君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 六月二十一日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会いたします。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

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