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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年6月静岡県議会定例会

前林 孝一良 議員(公明党静岡県議団)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:06/28/2016番目)
答 弁 者知事


○静岡県知事(川勝平太君) 前林議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、平和安全法制についてであります。
 この御質問は、私の日本国憲法、特に憲法九条に対する考えを問われたものだと理解をしております。政府は積極的平和主義の理念をお掲げになりまして、国連憲章にのっとる形で昨年九月平和安全法制いわゆる安全保障関連法を成立なさいました。これは従来の我が国の憲法解釈を大幅に変更したものであります。集団的自衛権行使を容認したからでございます。それに賛成するか反対するかは別といたしまして、憲法解釈が大幅に変更されたというのは共通の理解ではないかと、国民共通の理解であるというふうに存じております。
 また、政府御自身も閣議決定が平成二十六年夏になされていますけれども、そこで国際法上の根拠と憲法解釈は区別して理解する必要があるというふうに述べられているわけです。言いかえますと国際法における最高法規――国連憲章と日本国における最高法規――日本国憲法とが実はそのまま同じでない。特に憲法九条にかかわるところにおいて一致していないという御認識がこの背景にあります。実際、国連憲章というのは日本がまだ戦争をしております一九四五年六月に調印されたものです。そして敗戦いたしまして戦火の焼け跡の中で復興に尽くしているときその一九四五年十月二十四日に国連憲章が発効し、かつ同日に国際連合が発足したという流れになっております。
 そして、この国連憲章というのは、原則として武力による威嚇または武力の行使を慎まなければならないというふうに言っております。そしてあわせて自衛権については個別的または集団的自衛の固有の権利を持つということもうたっているわけです。
 そして、その国連憲章発効から一年余りが経ちました一九四六年十一月三日に日本国憲法が公布されています。もちろんこれは国連憲章の条文を十分に踏まえた上でつくられているものでありますが、日本国憲法におきましては国権の発動たる戦争と武力による威嚇、武力の行使は永久にこれを放棄すると。こういうふうに述べておりますので国連憲章と日本国憲法とは違うということになるわけです。
 さて、日本は日米安全保障条約を結んでおります。日米安全保障条約におきましては、両国は国際連合憲章に定める個別的または集団的自衛の固有の権利を有していることを確認するとうたっているわけです。その前文におきまして、つまり日米安保条約は国連憲章にのっとっております。
 さて、この日米安保条約という条約と日本国憲法とどちらが優先するでしょうか。条約法にかかわるウィーン条約がございます。そのウィーン条約におきましては、条約の不履行を正当化する根拠としての自国の国内法を援用することはできないと、つまり条約のほうが優先すると述べているわけです。ただし書きがございます。基本的な重要性を有する国内法にかかわる場合はこの限りではないとあります。揺れてるわけです。その結果日本国におきましては従来は条約のほうが憲法よりも優先するという理解があったわけでありますが、最近の日本国の司法の最高権威であります最高裁は国内法を優先するというお立場をとられているということでございます。
 私は、こうしたことに鑑みますれば、日本国はこれから国連憲章にのっとって世界に貢献するのであるということを明言してそれこそ国民に信を問うというそういう筋をとるべきであったというふうに思う次第でございます。それがなされないままに憲法解釈というのを国連憲章にのっとる形で若干の無理をしたというところがありまして、ここが国論が二分する理由になっているのを残念に思っております。
 一方、公明党さんはブレーキ役をいろいろとなさいまして、特に現行憲法につきましては平和と福祉というのを二本柱とされる中から最近では山口代表が現行憲法のよいところは守りながら環境権など新しい憲法的価値を加える憲法、加憲というお立場をとられております。
 実は、私も全く同じ立場でありまして、日本国憲法は改正するべきであるという立場です。そしてまた第九条は根本的に改めるべきであるという立場であります。
 そして、例えば環境権というのがありますが、平和と福祉を脅かすのは果たして外国軍だけでしょうか。先ほど熊本地震の例を挙げられました。阪神・淡路大震災あるいは東日本大震災、現行の熊本大震災あるいは御嶽山の噴火等々こうしたものもまた日本人の国民の平和を脅かすものでございます。
 現行憲法をお読みになりますと、これが人間中心主義であることにお気づきのはずです。もとより大日本帝国憲法もドイツの憲法並びにイギリスのいわゆる慣習法を加味しながらつくられたものでありますが、欧米での人間中心主義的な理念がそこに息づいております。言うまでもなく人間ほど重要な大切な存在はありません。しかしながら人間がそれなしでは生きられない環境や人間とともに共存している生きとし生けるものへの配慮というものが全くない、欠落しているのは問題であるというふうに思う次第でございます。
 そこで、私は日本国憲法に、いわば人間以外の動物や山川草木の世界を全てまとめて仮に国土というふうに表現しておきますとすれば日本国というのは国民と国土の両方から成るのではないでしょうか。しかし国土規定というものが全くないわけであります。しかし現在の尖閣諸島あるいは竹島あるいはシリアの問題あるいはそのイスラエルの問題あるいはクルド人の問題、これいずれとして領土問題にかかわらないものはありません。すなわち国土というのが極めて重要であるということでございます。
 そこで、私は憲法の本文のどこかに国土の条文を置くべきであるというふうに存じます。全体の中でどこが座りがよいでしょうか。憲法本文の第一章は天皇です。冒頭で天皇は国民の象徴と規定しているわけです。そして章が改まりまして第二章、これが有名な第九条戦争放棄となっているわけでございますが、私の考えでは戦争放棄のこの条文の前に国土の条文を置くのがよいと考えます。国民の象徴として天皇をうたっておりますので、国土の象徴として富士山をうたい込むと第一章と第二章の続きぐあいがよくなるというふうに存じます。国民の象徴――天皇と国土の象徴――富士山の条文を受けて国民と国土とを守るための平和のための条文、目下の戦争放棄の条文を置くという流れになりあとは憲法の条文を繰り下げていけばよいということになります。
 例えば第二章、これを富士山と題しまして加憲いたします。中身は、第一条に倣い富士山は日本国の象徴であり日本国土統合の象徴であってこの認識は国民の総意に基づく。
 行を改め、日本国民は富士山が畏敬の対象であり、かつ芸術の源泉であることに鑑み富士山のように美しく品格のある国土をつくろうと思う。日本国民は富士山が活火山であることに照らし、国土のはらむ自然災害の脅威に対して万全の防災・減災対策に努める。日本国民は国土の安全と景観の保全に努め美しく良好な国土を子々孫々に継承していくように努めるということです。
 前文には、これまた主権在民、平和主義、国際協調をうたっておりますが国土に触れておりません。私は憲法前文にも国土の保全について書き加えるべきであると考えております。例えば日本国は国民と国土とから成る日本国民が祖先から引き継いできた美しくかけがえのない国土を良好に保全し、日本各地の自然と風土を保全して子々孫々に引き継いでいくのは国民の責務である。日本の国土は地震、津波、台風、噴火、山崩れ、洪水のほかさまざまな自然災害を免れることができない、それゆえ日本国民は国土の防災・減災対策を講じ国土の安全確保に努めなければならない。地球上のどの地域も何らかの自然災害を免れないのであって、自国の国土の保全対策のみならず地球全体の自然災害にも助力を惜しまず地球環境の良好な保全に協力しなければならないといったぐあいでございます。
 こうした考え方は、SGIの考え方とも通底するところがあるというふうに存ずる次第であります。私は今こそ堂々と憲法改正を国民の議論として巻き起こすべきであると。まさにこれこそ万機公論に決すべき最大の課題ではないか。上下心を一にして盛んに経綸を行う、人心をして倦まざらしめん事を要す。まさに、もう一度一九四六年一月一日の昭和天皇のこの詔、また明治元年における明治天皇のこの詔、これに立ち返って憲法論議を国民全体で巻き起こすのが筋ではないかというふうに考えております。
 次に、今後の県政運営についてであります。私は二期目をスタートするに当たり県民誰もが……。失礼しました。しからば第九条はどうなるかと、これは当然第十条になるわけでございます。そして章を改め第三章ということになります。この件につきまして、私は国連憲章というものにのっとらなければ日本はやっていけないというふうに思っております。ですから若干これにも修文が必要ではないかと思います。あえて私の考えを言っておきますと、日本国民は人類社会の恒久平和を真摯に希求し国際紛争を解決する手段としては武力による威嚇や武力の行使を認めない。国の交戦権はこれを認めない。前項の目的を達するため陸・海・空軍その他の戦力を用いない。戦争は悪であり国権の発動たる戦争を永久に放棄する。ただし世界の恒久平和が実現するまでは国民と国土の平和と安全の維持に必要な自衛措置を取り得ると。前項の目的を達するため必要最小限の武力を保持するというのが、私の考えでございます。
 もとに戻ります。
 私は、二期目をスタートするに当たりまして、県民誰もが誇りと希望を持って安心して生き生きと暮らすことができる社会を実現することこそ知事に託された責務であると心に誓いまして、前期後期合わせたアクションプランの基本理念でございます県民幸福度の最大化の実現に向け全力で皆さんとともに取り組んでおります。
 まずは、県民の命、財産を守る危機管理が最優先であるとの認識のもとに、地震・津波対策アクションプログラムの実施をしております。それを受けまして経済政策三つ、内陸のフロンティアを拓く、新しい産業を興す、エネルギーの地産地消を目指す。それからまた人材につきましては、子育てをしっかりする。それから人材並びに学校教育を整える。第三に健康寿命を延ばすと、こういう施策をとっているわけでございます。
 なかんずく子育てが一番大切な出発点であるということで、子育てはとうとい仕事であるという観点から私は先生がおっしゃるような子供の面倒というよりも実はお母様の面倒をどう社会が見てさしあげるかということが大切だと思います。子供としか向き合えないような単婚小家族の状況があります。ですからそのこと自体は大変幸せですけれども、その孤独をどのように社会的に救済しみんなで子育てができるようにしていくか。それはお母さんを大切にすると、若いママを大切にするということでございます。ここはこれからさらにやっていかなくちゃいけない。もうこのことが助産師の問題ともかかわってくるわけでございます。
 公明党県議団の皆様方からの御提言を生かしながら、人を大切にする施策の充実を図っているところであります。こうした県議会や県民の皆様と手を携えて進めてまいりました数々の取り組みは、全国の先進的モデルとして高く評価されているのは御同慶の至りでございます。私は、今申しました八つの戦略に加えまして、今年度は世界に羽ばたく静岡県ということでスポーツ、第一次産業、そして地域外交というのをとり上げておりますが、行く行くは、私は日本に二〇三〇年には可能性として八千二百万人もの人々が訪れ得るというまさに日本は観光大国、言いかえますと世界の憧れを誘うような国になっております。それは、もとになるのは生活です。言いかえますと日本人の生き方、暮らし方、難しく言えば生活様式、英語でいえばウエー・オブ・ライフです。アメリカン・ウエー・オブ・ライフ、これがアメリカのドリームを呼び起こしたものです。アメリカンドリームというのはアメリカ的な生き方、アメリカ的な暮らしの仕方をしたいということでございました。
 それに対して、中国的なドリーム、チャイニーズドリームと。チャイナドリームというのは覇権帝国主義というふうに見まがうところがあります。我々は、そうしたものの限界を知っておるわけですからアメリカン・ウエー・オブ・ドリームを上回るジャパニーズ・ウエー・オブ・ドリーム、まさにジャパニーズドリームをつくり上げると。それはこの地域からやるのがふさわしいのではないかと。東京は欧米のまねですから、したがって場所を変えてやるのがいいと。ところかわれば品かわると、ここでやるのがいいんではないかというふうに思っておりまして、ジャパニーズドリームを富士山の麓でふじのくにが発信していくというのが、これからの我々の言ってみれば夢になるというふうに存じておりまして、そうした夢に向かいまして全力で邁進してまいりますので県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 次に、文化振興への取り組みについてのうち、開館三十周年を迎えた県立美術館の今後の展望についてであります。
 県立美術館は、本県の美術文化の拠点としてこれまで調査研究及び教育普及活動に精力的に取り組んでまいりました。十七世紀以降の東西の風景画、富士山を描いた作品、ロダンを中心とした近代以降の彫刻、静岡県ゆかりの作家を中心に約二千六百点もの作品を収集、展示するとともに、国内外の著名な作品を紹介する企画展を開催し開かれた美術館として広く県民の皆様に鑑賞の機会を提供してまいりましたことは先ほど議員の御紹介のとおりであります。
 先日終了いたしました開館三十周年記念「東西の絶景」展では、伊藤若冲の樹花鳥獣図屏風、横山大観の群青富士を初め県立美術館が誇る風景画のすぐれた作品を一堂に展示いたしまして三万人もの皆様に鑑賞をしていただいたところでございます。
 この秋には、開館三十周年と家康公没後文字どおり四百年、一六一六年ということでございますので二〇一六年ということになります。そこで江戸絵画の名品、傑作を一堂に集めた「徳川の平和」展、パクス・トクガワーナ展を開催いたします。来年度は「黄金のファラオと大ピラミッド」展あるいは大河ドラマ「おんな城主直虎」展の開催を予定しておりまして、本県の文化や観光資源も生かした魅力的な企画展示を実施してまいります。
 また、入館者の増加に向けましては、首都圏や関西圏での観光商談会に参加するとともに、有度山地域に立地する日本平動物園や日本平ホテルなど五つの施設との連携をいたしまして、共通割引チケットの発行や地元商店会によるグルメや雑貨を販売するロダンマルシェの開催など地域と連携した誘客にも取り組んでおります。
 今後も、これまで蓄積してまいりました財産を受け継ぎ魅力的な事業を展開して県民の皆様が芸術文化に親しみ新しい価値観を生み出せる場を提供するとともに、県内外から多くの観光客が訪れる拠点となりますように取り組んでまいります。
 次に、東部看護専門学校への助産師養成学科の設置についてであります。
 この点については、公明党県議団の皆様、特に盛月さんを初め皆様方の御尽力に対しまして、冒頭まず感謝と敬意を表したく存じます。
 助産師は、出産の介助により産科の医師の負担を軽減するだけでなく出産や子育ての専門的知識を生かし育児に関する悩み事の相談や子育ての助言を行うなど妊娠期から子育て期にわたる支援を通じて母子の健康や家庭での育児を支える大切な役割を果たしています。地域におきまして必要な助産師を確保し活躍していただくことは安心して子供を産み育てられる環境を支えていく上で重要です。このため県では、地域において助産師が不足しないよう助産師養成施設への運営費助成や学生への助産師修学資金の貸与などにより助産師の養成を支援し育成と確保に努めています。
 一方、県内の助産師は全体では増加しておりますけれども、東部地域の助産師数は先ほど御指摘のとおり不足しておりますので一人当たりの分娩取り扱い件数が他の地域の約一・五倍ということで助産師個人に負担が大きくかかっており地域住民に対する子育てや母子への十分な支援が危惧される状況が生まれています。このため東部地域におきまして助産師の育成と確保を図るため、東部看護専門学校への助産師の養成学科の設置を目指し実現することをお誓い申し上げます。必要となる教員や実習施設の確保などにつきまして関係機関と調整しながら具体的な計画の策定を進めます。助産師養成の体制をしっかりと整える所存です。
 今後とも、各地域におきまして必要な助産師が確保できるように市町や関係団体と連携して養成の強化に努め、誰もが安心して出産や子育てができる夢と希望にあふれたふじのくにづくりに向けて全力で取り組んでまいります。
 次に、県産材の需要拡大についてであります。
 静岡県は、ふじのくに公共建築物等木使い推進プランに基づき県産材を率先して利用しているほか、民間の住宅分野におきましては本県独自の助成制度により県産材の利用がありがたいことに普及してまいりました。また公共施設での利用を契機に店舗やレストランなど利用が進まなかった民間の非住宅分野でも利用が広がりつつあります。今後さらにこの需要は増加していくものと期待しております。
 この動きを加速させるために、県は今年度県産材による木造や木質化の模範となる優良建築物を表彰する制度を創設いたしまして県産材の利用に対する社会的評価を高めてまいります。
 さらに、木造、木質化を牽引する設計者、建築主、有識者、県などが一堂に会し公開型で討論する推進会議を開催いたします。環境面での社会的な意義だけでなく、施工期間、ライフサイクルコストといった経済的なメリットが発揮できる建築物の規模などの条件について理解を深めていただき参加者それぞれが情報を発信することで県産材の利用拡大に向けて多くの建築主と設計者の意欲を高めてまいる所存です。
 加えて、東京オリンピック・パラリンピック関連施設での木材の利用を販路拡大の絶好の機会と捉えております。本県の県産材の品質と供給力のPRや供給体制の一層の強化に努め、これを契機に拡大が見込まれる森林認証材などの新たな需要を確実につかんでまいります。
 県としましては、今までの取り組みに加えまして民間の非住宅分野においても自発的に県産材を利用していただけるような大きな流れをつくるとともに、全国や海外にも販路を開きましてさらなる需要を拡大し、環境、経済、文化が調和したいわゆるもりの都づくりを進めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。

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