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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和3年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

野田 治久 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/02/2021

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:


○副議長(良知淳行君) 次に、十六番 野田治久君。
       (十六番 野田治久君登壇 拍手)
○十六番(野田治久君) 私は、自民改革会議所属議員として当面する県政の諸課題について通告に従い知事、副知事及び関係部局長に一括質問方式で伺います。
 まず初めに、サイクルスポーツの拠点化について伺います。
 新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により世界最大のイベントであるオリンピック・パラリンピック東京二〇二〇大会の開催が一年延期となりました。大変残念ではありましたが、当時はまだコロナウイルスの感染力や毒性が分からず大会の延期は賢明な判断だったのではないでしょうか。
 そして、本年七月二十四日のロードレースを皮切りにオリンピック自転車四競技のうち三競技、パラリンピック自転車競技の二競技が本県で開催されることになり、県東部・伊豆地区の広い地域でこれまでに日本で開催されたことのない世界最高レベルの自転車レースが開催される予定でありますが、日本のみならず世界のコロナウイルス感染症の終息状況とワクチンの普及や効果を見据え競技再開に向けたあらゆる取組の再調整を進めなければなりません。さらにこの大会が静岡県で開催されたことをレガシーとして残していくことが重要であり、一過性のものにとどめず継続的な地域振興や活性化につなげていくことが求められています。
 そんな折、今年元旦の静岡新聞の一面には大変に驚きました。伊豆サイクルスポーツセンター自転車全競技の聖地へ、国内初県が拠点整備方針との大見出しで報道され、翌々日三日には県の方針に対し自転車文化の醸成につながる、自転車文化を日本に広げる象徴的な施設にしてほしいなどと地元関係者の歓迎の声が報道されました。
 また、二〇一二年ロンドンオリンピック・パラリンピックの自転車競技会場となったヴェロパークは五輪後世界選手権などトップ競技の舞台となり一般にも開放されるなどイギリスの自転車愛好家のレガシーとして親しまれていると聞いています。
 県では、関係者と連携して東京二〇二〇大会の競技会場である日本サイクルスポーツセンターを全自転車競技の拠点としたトレーニングビレッジを目指すとしていますが、県の取組について伺います。
 次に、観光デジタル情報プラットフォームについて伺います。
 新型コロナウイルス感染症がいまだ猛威を振るう中、一年前には想像もできなかった状況に直面しており、本県観光を振り返ってみても山あり谷ありどころか先の見えない谷底に引きずり込まれた一年であったことは疑う余地もありません。
 昨年四月の緊急事態宣言発令に伴い不要不急の外出自粛が呼びかけられ、宿泊産業界は休業要請に応じたため県内各観光地から人影が消えてしまいました。私はこれまでにバブル崩壊やリーマンショックなどの景気悪化による観光不況を何度も経験してまいりましたが、地域の宿泊業をはじめ完全に町ごと休業してフリーズした姿を目の当たりにしたのは東日本大震災後の電力不足による県東部の計画停電以来でありました。当時伊豆半島全域の宿泊キャンセル数が約四十万人という大打撃でありましたが、幸いにも数か月で回復したことを記憶しています。
 また、その後コロナ感染症は全世界に拡大し今もってインバウンド客は完全に蒸発したままであります。今後の観光業の復活を図る上で外国人観光客の受入れを欠かすことはできませんが、再開の時期や相手国の選別など課題克服までに慎重を期すべきであります。また宿泊客数も五月に対前年比僅か一八・六%と底を突き、 その後徐々に回復はしましたが十一月になっても七九・五%と本来の姿とは程遠く、一月から十一月の通算では五五・九%と大変厳しい状況が続いています。
 この間、国のゴー・トゥー・キャンペーン、県の宿泊促進事業をはじめとした国内旅行需要喚起策により回復の兆しが見え始めましたが、コロナ感染症の第三波の影響で長くは続きませんでした。この間、宿泊施設をはじめとした観光事業者は感染防止対策を徹底しお客様を迎え入れてきましたが、ゴー・トゥー停止後は感染拡大の元凶かのごとく扱われ実直に対応してきた事業者がつらく厳しい立場に追い込まれているのが現状であります。
 しかし最近ようやく感染者数も減り始め、県の宿泊促進事業「しずおか元気旅」の再始動に向け動きが始まってまいりました。今後の地域経済回復の第一歩となることを期待しています。
 一方で観光需要回復のその先も見据えた取組も重要となります。コロナウイルス感染症の拡大はデジタル化の進展の遅れという我が国の課題も突きつけており観光分野も例外ではありません。これまで観光は自然や温泉などの観光資源に依存し経験と勘で進んできた感が否めません。これからは分散した情報を一元化しかゆいところに確実に手の届くような情報の提供をすること、そしてデータを収集しターゲットを絞る、さらに活用して観光施策を進めていくことが必要であると考えます。
 こうした中、県は観光デジタル情報プラットフォームを構築していますが、このプラットフォームの評価を高めるためにいかにして必要な情報を発信しまた収集し、そしてどのように活用していくかが重要であると考えています。現実には有用な情報の収集は行政だけで取り組むのは大変難しいものであり、活用につなげていくのはさらなる難題と考えます。
 そこで、県の観光デジタル情報プラットフォームの実効性を高めるために県はどのように取組を進めていくのか伺います。
 次に、県管理道路における橋梁の耐震対策について伺います。
 東日本大震災から間もなく十年が経過しようとしています。この間も平成二十八年四月の熊本地震、平成三十年六月の大阪府北部地震、同年九月の北海道胆振東部地震など大規模地震が各地で相次ぎ甚大な被害が発生しており、切迫性が増す南海トラフ巨大地震への備えは喫緊の課題であります。
 県では、第四次地震被害想定を踏まえ従来の施策を拡充し地震・津波対策アクションプログラム二〇一三を策定し命を守る、生活を守る、迅速な復旧・復興を基本目標として有事に備えた防災・減災対策を推進しています。特に大規模地震発生時における復旧・復興活動に際しては道路が大きな役割を担うことになりますが、橋梁部分にひとたび致命的な被害が発生すると道路は寸断され集落が孤立するなどネットワーク機能が失われてしまうことから橋梁の耐震対策は非常に重要であると考えます。
 伊豆市でも、豊かな自然環境と温泉資源や歴史文化資源などに恵まれた広大な市域において国道や県道などの主要道路約百七十六キロが道路網を形成し都市活動を支えています。また伊豆市は大部分が狩野川流域と土肥山川流域となり県管理の橋梁は百九十六橋にも及んでいます。
 道路や橋梁は地域内外の交流や物流を拡大させ地域の活力やイノベーションを創出する上で必要不可欠なインフラであり、市域の大部分を中山間地が占める自然的、地形的条件から近年激甚化、 頻発化する風水害や切迫する大規模地震への対策は急務となっています。
 県では「静岡県地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に基づき県管理道路における橋梁の耐震対策を令和四年度完了を目標に進めていると認識していますが、アクションプログラムの完了まで残り二年となります。
 そこで、県が管理する橋梁の耐震対策について現在までの進状況と今後の見通し、併せて伊豆市内の状況について伺います。
 次に、有害鳥獣対策のうち、ニホンジカ捕獲対策について伺います。
 ニホンジカによる農林業被害は被害額として数字に表れる以上に深刻であり、営農意欲の減退による耕作放棄や離農者の増加などコロナ禍も相まって農山村地域に暗い影を落としています。県が実施している生息実態調査では伊豆・富士地域のニホンジカの推定生息頭数は平成二十八年の約五万六千頭から令和元年度には約五万一千頭へと減少傾向が見られますが、現場の肌感覚としては生息頭数はもとより生息域も拡大しているのではないかと危惧しているところであります。
 私は、このニホンジカの問題についてこの六年間で今回で七度目の質問を繰り返し県当局にニホンジカの捕獲対策について答弁を求めてきました。それに対して県当局も地域の深刻な声に応えてこの五年間で約四倍に予算を増額し、その結果として管理捕獲の捕獲頭数を増加させ生息頭数を減少させることに大きく貢献してきました。
 しかし、里山に生まれ育ったニホンジカは餌環境がよければ一歳から妊娠が可能で年増加率は二〇%とも言われています。こうした繁殖率の高いニホンジカの捕獲圧を一旦緩めれば生息頭数は元に戻るどころかこれまで以上に増加することが考えられ、捕獲作業に従事してきた猟友会の皆さんの並々ならぬ努力やこれまでに要した多額の捕獲経費が水の泡と化してしまいます。
 例えば鹿の捕獲に関する有効な研究成果の活用や新たな事業者による捕獲など新規の取組も加えながら引き続き高い捕獲圧をかけ続け、早急にニホンジカを適切な個体数に誘導することが重要であると考えます。
 一方、捕獲者の高齢化や人手不足が全国的に問題となっており将来の捕獲作業に不安を感じざるを得ません。県内でも地域によっては捕獲者が少ないなどの事情によりニホンジカの捕獲が進まず長期にわたって生息密度の高い状態が続いている地域もあると聞いています。捕獲の強化には捕獲者の協力が不可欠であり、捕獲の新たな担い手となる若年層の参加を促すなど捕獲者の確保・育成が急務であります。
 そこで、県はニホンジカの一層の捕獲強化に向け人材育成も含めて具体的にどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、農作物の鳥獣被害対策について伺います。
 農作物の鳥獣被害対策は、市町が鳥獣被害防止特別措置法に基づく被害防止計画を策定し鳥獣被害対策実施隊の設置、有害鳥獣を寄せつけない環境づくり、侵入防止柵の設置や捕獲などの被害防止に取り組んだ結果、 県全体の農作物被害額は年々減少傾向にあります。
 しかし、ニホンジカをはじめイノシシ、猿、タヌキ、アライグマ、アナグマ、ハクビシンなど様々な鳥獣による農作物の被害は後を絶たないと聞いています。各市町が地区の要望に応じて対策を立てる従来の手法だけでは被害の歯止めに限界があり、一地区で被害防止対策をしても鳥獣が移動して別の地区に被害が広がることも懸念されます。
 このため、鳥獣の種類別に生息状況を把握しそのデータに基づき専門家の意見も踏まえた科学的かつ戦略的なアプローチが必要だと考えます。つまり有害鳥獣それぞれの生息数や被害の実態などの基礎データの収集と調査、生息数の将来予測のシミュレーション、被害の発生防止のメカニズムの究明や分析、その上に立って鳥獣ごとの被害防止計画策定を企画立案し各市町や猟友会、農業や森林に関わる皆さんと連携を密にして一元的に施策の展開と対策を実施していかなければなりません。
 今後、どのように鳥獣被害対策を実施していくのか、県の方針を伺います。
 最後に、宗教法人平和寺本山敷地内への廃棄物等投棄問題への対応について伺います。
 伊豆半島の山々や富士山を一望する西伊豆スカイラインは、達磨山の稜線標高九百メートル地点を南北に走りクマザサやツツジ、アセビなどの低木が密生する達磨山高原が広がる富士箱根伊豆国立公園でも有数の観光スポットとして名高い場所であります。またこの西伊豆スカイラインからは相模湾から富士山麓周辺、さらに駿河湾のかなたには身延山系や南アルプス、御前崎までの大パノラマも一望できる、まさに川勝知事が伊豆半島は世界一美しい半島だと言われるとおりのすばらしい絶景を見ることができます。
 ところが、この国立公園から程近い山中にある宗教法人平和寺本山の敷地内に伊豆市の推定によると七千立米とも言われる大量の廃棄物混じりの土砂が運び込まれ隣接する伊豆市市有地に流出し、それら土砂と廃棄物がさらに狩野川水系の清流柿木川へ合流点から狩野川本流に流入するという問題が発生しています。既に柿木川流域のニジマス養殖業者が廃業し、ゴルフ場では地下水のくみ取りを中止するなど水質汚染による生活環境への影響を大変心配しているところであります。また住民の中には柿木川の水を利用した米作りをやめようかと悩んでいる農家もあると聞いています。
 今回の事案は、狩野川支流柿木川の最上流部で分水嶺に程近く人目につきにくい宗教法人の私有地に造成と称し、土採取等規制条例と廃棄物処理法との適用が断定できないように意図的にがれきやプラスチックを粉砕し土砂に混入するという許し難い悪質な事案であると認識しています。
 これに対してこれまで県は行為者の特定に向けて困難な作業を続けていただいており、県の対応については大変感謝をしています。今後とも粘り強く関係者の聴取や調査を重ね、違反行為に対する法的処分や行為者の告発に向け産業廃棄物としての認定や不法投棄の事実認定を速やかに行うことをお願いするところであります。
 しかしながら、平和寺本山の敷地内には大量の廃棄物混じりの土砂が堆積しており崩壊の危機や有害性を呈するなど事態が生じているとすれば、近年の長雨や豪雨などで県内でも水害や土砂災害が発生していることを見ても周辺水域への影響は柿木川だけでは収まらず狩野川本流や駿河湾まで甚大な環境汚染の可能性があります。
 今回の事態を多くの市民が憂慮しているばかりではなく、狩野川を管理する漁業組合の皆さんや狩野川を愛する全国の釣りファンなどからも心配の声が上がっています。土砂流出による災害防止という観点からもこうした悪事を野放しにせず、本件における対応が地域住民の安心につながるよう伊豆市と県が連携し今後のリーディングケースとなるよう取組が必要であると考えます。
 そこで、本件の最終的な解決に向けて県はどのように対応するのか伺います。あわせて本県における今後の不法投棄対策について伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(良知淳行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 野田議員にお答えいたします。
 先ほどの廣田議員また今の野田議員、伊豆半島の危機意識に裏づけられて悪事は許さないんだという正義感に基づいた議論を展開していただきまして謹んで拝聴した次第でございます。
 私はその中で冒頭のサイクルスポーツの拠点化について御答弁を申し上げます。
 本県を舞台に東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技が開催されることは、世界中のサイクリストの皆様に本県を発信するまたとない好機であります。これを契機に大会開催の効果を生かし自転車文化を根づかせるため施設所有者、地元市町、組織委員会、競技団体等々の関係者と東京オリンピック・パラリンピック自転車競技レガシー推進委員会を平成三十年六月に設置いたしました。以来競技会場のレガシー創出に向け検討を重ねてまいりました。
 その中で、日本サイクルスポーツセンターにつきましては大会後は自転車競技のエリート選手から初心者までが集う自転車トレーニングビレッジとして活用を図ることといたしました。イギリスのベロパークを参考にいたしながら国内最高のサイクルスポーツの拠点となるように取り組んでまいります。
 まず、同スポーツセンターにおきまして国際基準を満たす施設整備の検討を進めます。またトラックやマウンテンバイクなど全種目での競技力の強化を図ります。さらにアスリートの発掘や育成プログラムの構築を進めます。等々行いまして人材育成の拠点としての機能の充実を図ってまいります。
 また、国内外に本県の魅力を発信する自転車を核とした伊豆半島及び県東部地域のスポーツハブを目指します。そのために教育、健康増進、医科学分野における大学や医療機関との連携体制の構築を進めます。またトレイルツアーの参加者を対象とした講習会の開催などサイクルツーリズムの拠点としての機能向上を図ってまいります。さらに国内の主要競技大会の開催はもとより将来的には世界トップレベルの選手が集うワールドカップ等の誘致を目指してまいります。
 まずは、来年度は日本自転車競技連盟等と共にそのステップアップ大会として、仮称ですがジャパンマウンテンバイクカップの開催に向けて準備を進めてまいります。
 県といたしましては、今後とも施設所有者や地元市町、自転車関係団体等と連携しレガシーの創出に取り組むことで県内全域でのサイクリストの憧れを呼ぶ聖地ふじのくにの実現を目指してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長のほうから御答弁を差し上げます。
○副議長(良知淳行君) 難波副知事。
○副知事(難波喬司君) 県管理道路における橋梁の耐震対策についてお答えをいたします。
 平成七年、一九九五年ですがこの阪神淡路大震災で高架橋の倒壊をはじめ多数の橋梁で落橋等の甚大な被害が生じました。このことから一九九六年に耐震性に関する橋梁の設計基準が大幅に改定されました。これを受け県では改定前の設計基準を用いて設計していた橋梁が幾つあるか、それを点検をいたしました。橋の長さ十五メートル以上の県管理の橋梁は七百八十七ありました。これら全てを早期にやるわけにいきませんので優先順位付というのが必要になります。
 震災時の復旧・復興活動に重要となる緊急輸送路にある橋梁など三百十橋を優先対策橋梁として一九九七年度から耐震対策を進めてまいりました。二〇一一年の東日本大震災におきましては、国や研究機関の現地調査によりこの一九九六年以降の基準で耐震対策を実施した橋梁では致命的な被害が見られず対策の有効性が確認されました。
 二〇一三年に策定いたしました静岡県地震・津波対策アクションプログラム二〇一三では優先対策橋梁といたしました三百十橋の耐震対策が目標の約九割まで推進した状況にありましたので、この緊急輸送路だけではなくて交通量が多く被災すると社会的に影響が大きい重要路線にある橋梁など二百六十六橋を新たに対象に加えました。合計で五百七十六橋の計画的な耐震対策を進めてきたところです。
 本年度末時点では約八割に当たる四百六十八橋の対策が完了する予定です。このうち伊豆市内では国道百三十六号や四百十四号の橋梁など九割に当たる四十四橋が完了する予定です。県内で残る百八橋につきましては全ての箇所で設計や工事に着手済みであり、二〇二二年度末までに完了を目指してまいります。
 今後は、現在のアクションプログラムで対象としていない二百十一橋の橋梁の耐震対策の進め方について検討しているところであります。また橋梁だけではなく道路ネットワークとしての耐震性を高める観点から応急復旧に時間を要するおそれのある箇所の把握や効果的な対策の在り方などにつきましても検討してまいります。
 県といたしましては、大規模地震発生後の迅速な復旧・復興を支える道路ネットワークの強靱化に向けて耐震対策を着実に実施し災害に強く信頼性の高い道づくりを推進してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 植田スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(植田基靖君) 観光デジタル情報プラットフォームについてお答えいたします。
 県では、観光デジタル情報プラットフォームに施設や体験プログラムなど約八千件の観光データを集積したところであり、このデータを活用して旅行者に滞在場所や年齢等に応じた最適な情報を適時に提供できる観光アプリのテスト運用を今月中旬から開始いたします。利用者にとって満足度の高い情報やサービスを提供するためには観光スポットや飲食店、特産品、土産物などの観光データに加え旅行者の属性等のデータをこのプラットフォームにより多く蓄積することが重要であります。
 このため観光事業者、市町、観光協会、DMOなどの協力を頂き観光データの量の拡大に取り組むとともに、観光アプリを今後実施を予定しているスタンプラリーに活用するなど旅行者のアプリの利用を拡大することで旅行者データの充実を図ってまいります。さらにデータ分析の専門機関等の協力を頂きながらこれらのデータを的確に分析し、分析結果をDMOや観光事業者に提供することによりマーケティングの強化に生かし効果的な誘客につなげてまいります。
 県といたしましては、官民の連携を強力に進め観光分野のデジタルトランスフォーメーションを実現することでウイズコロナ時代における持続可能な観光地域づくりを進めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) 有害鳥獣対策についてのうち、ニホンジカ捕獲対策についてお答えいたします。
 ニホンジカによる生態系への影響や農林産物被害を防ぐためには積極的な捕獲による個体数管理が不可欠でありますことから、本年度は昨年度より約四千三百頭多い一万三千八百八十頭を管理捕獲の目標に掲げ猟友会の協力の下削減効果の高い雌ジカを重点に出産期を踏まえて例年より二か月早い四月から捕獲に取り組んでおります。捕獲頭数は一月末時点で過去最多となる約一万二千五百頭に達しております。来年度におきましても捕獲目標を過去最多である本年度と同数として高い捕獲圧を維持してまいります。
 手法といたしましては、生息情報アプリを活用した捕獲や効果が実証された人工餌場に誘引する技術の導入、低消費電力広域無線通信を活用したわなの見回りを効率化する技術の実証、新たな捕獲事業者と連携した捕獲にも取り組んでまいります。
 また、人材育成につきましては捕獲現場の第一線で活躍するハンターを育成するためのスペシャリスト養成研修や捕獲から利活用までを体系的に学び生態系や農林産物を守る熱意と知識を持つ学生を育てる大学での講義など、今年度開始した取組を充実拡大して実施し若年層をはじめ次代を担う人材の育成に努めてまいります。
 県といたしましては、適切な個体数管理に向け国や市町、関係団体と連携し総力を挙げて捕獲に取り組むとともに、現場の即戦力として活躍できる人材を育成しニホンジカの捕獲対策を強化してまいります。
 次に、宗教法人平和寺本山敷地内への廃棄物等投棄問題への対応についてであります。
 柿木川の上流部に位置する宗教法人の敷地内から柿木川等に廃棄物混じりの土砂が流出し宗教法人が流出防止措置を講じていないことから今後も大雨等により土砂が流出するおそれがあり、 生活環境の保全の観点から見過ごせない状況にあります。
 県では、昨年六月以降宗教法人の敷地への立入検査や柿木川への流出状況の調査等を延べ五十回以上実施しているところであります。また柿木川の水質検査につきましても昨年九月から伊豆市と連携して毎月実施し環境基準への適合を確認しております。
 本年一月には公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団に現地視察を要請し、法律や廃棄物行政に精通した専門家と不法投棄の疑いや土地の管理責任などについて意見交換を行いました。その結果を踏まえ現在事実関係の調査を徹底して進めているところであります。
 今後、廃棄物処理法の適用に関する顧問弁護士等への相談を継続しながら土砂の流出防止に指導監督権限を有する伊豆市と連携し、法に基づく措置命令の発出を視野に具体的な対応を検討してまいります。 また地域住民に対して県の取組を丁寧に御説明し不安の払拭に努めてまいります。
 今後の不法投棄対策につきましては未然防止と早期発見が何よりも重要でありますことから、人目の少ない地域での監視網の充実を図るため県によるパトロール回数の増加や不法投棄の情報提供に関する協定を締結している森林組合などから積極的に情報を提供していただけるよう努めるとともに、土地利用や林地開発を担当する部局や市町との連携を強化してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(志村信明君) 有害鳥獣対策についてのうち、農作物の鳥獣被害対策についてお答えいたします。
 県は、野生鳥獣による農作物被害額を令和三年度に二億八千万円以下とすることを目指し鳥獣被害防止特別措置法に基づく市町の被害防止計画策定や環境整備、 防除、捕獲の取組を支援しております。
 これまでに各市町で対策活動の中核を担う鳥獣被害対策実施隊は二十五市町に設置され、総合的な対策立案や指導に当たるアドバイザーを五百八十五人養成いたしました。こうした取組の結果、県全体の被害額は令和元年度には二億九千五百万円まで減少したものの地域によっては依然として深刻な状況にあると認識しております。
 このため、県は地域の被害特性や動向に応じたきめ細かな対策が実施できるよう令和元年度から県内全域の集落を対象にアンケート調査を行っております。被害額の割合が大きいイノシシ、ニホンジカ、猿、ハクビシンの種類別に目撃情報や被害状況を収集し地図データとして可視化いたしました。
 今後は、被害の大小や獣種別の分布が一目で分かるこの地図データを対策を優先する地区や獣種に応じた資材の選定に積極的に活用してまいります。また県が主催する研修等に専門家を招き鳥獣の生態や行動特性を踏まえてデータを読み解く手法を学ぶことで市町が広域的な被害の変化等に対応した戦略的な防止計画を企画立案できるよう支援を強化してまいります。この調査を定期的に行い中長期的な生息状況の変化などを把握することで、議員御指摘のような将来予測のシミュレーションに資するデータも蓄積されるものと考えております。
 県といたしましては、市町を中心に猟友会や農業者、集落住民の皆様と連携して農作物の鳥獣被害を最小化できるよう今後も粘り強く対策に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 十六番 野田治久君。
       (十六番 野田治久君登壇)
○十六番(野田治久君) それぞれに答弁ありがとうございました。
 要望を二つ、 再質問を一つさせていただきます。
 有害鳥獣の問題ですが、私はこの問題のゴールは適正生息数までやはり野生動物を減らして人間と野生動物が共存できる環境を取り戻すことだと思っています。これまで関係する皆さんが本当に真摯に取り組んでいただき着実に成果が上がっているとは思いますが、残念ながら今の事業のスピードではゴールには到達できないのではないかなと言わざるを得ません。
 私は昨年六月の代表質問で二年前に視察した兵庫県森林動物研究センターを取り上げ、我が県でも産官学が一元的に管理できる体制が必要だと意見し要望させていただきました。その思いはますます強くなり私の中では今確信に至るものになっています。現状で簡単にできる施設だとはもちろん思っておりませんが必要なものは造るべきだと思っています。
 我が県には、まだ研究段階と聞いていますが産官学が一体となったAOIプロジェクトというお手本があるではありませんか。ぜひとも実現に向けて検討を進めていただきたいなと思っております。
 要望の二点目ですが、平和寺の問題であります。
 今回の事案のような悪質な行為を取り締まることができなければ、処理に困った廃棄物を土砂に混ぜて捨てれば罪に問われないという非条理が成り立ってしまってやったもん勝ち。それに対して市町や地元住民は泣き寝入りをせざるを得ないという後々のあしきリーディングケースになってしまうかもしれません。伊豆半島や富士山周辺などで同様の不法投棄事案が起こらないように毅然とした態度で厳正に対処する必要があると思っています。
 今後も県として伊豆市や県警と連携し、このような悪質な環境汚染事案を決して許さないという強い覚悟を持って問題の根本的な解決に向けて不退転の覚悟で取り組んでいただきたいと思います。
 加えて、川勝知事に要望を申し添えさせていただきます。
 知事は本定例会の知事提案説明要旨でもリニア新幹線建設に伴う大井川水系の水問題及び南アルプスの自然環境の保全について流域住民の皆様の理解がなければ工事に着手しないと二十八ページ中三ページにも及ぶような分量で熱弁を振るっておられました。確かにこの問題は大変大切な問題だと思っておりますが、この事案はまだ仮説の話であって現実的な影響が顕在化しているわけではありません。実際に重大な影響が発生している現在の伊豆市の今回の事案こそまさに今取り上げていただくべき環境問題と思っております。
 これまでのように知事の発言における力点の置き方の偏りや記者会見などに見られる本気度や温度差のバランスの悪さなどを見るにつけ、私は知事の水資源や環境問題に対する姿勢に対しそごがあると言われても仕方がないと思っています。知事はまずは現実に起きている環境問題を優先的に重点を置いて対処していただきたいと要望申し上げます。
 再質問でございますが、情報のプラットフォームについてであります。
 この問題、非常に今後の県の観光戦略にとって大事な問題だと思っています。集めた情報をどうやってDMOとか観光事業者にフィードバックさせるか、県のお金がこの二年間で三億五千万円ほど使われている事業であります。最初から事業者に任せればよかった問題だと言われないようにですね、ぜひその辺りをしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが再質問をさせていただきます。
○副議長(良知淳行君) 植田スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(植田基靖君) 観光のプラットフォームについての再質問ですけれども、まず非常に大切なのはその集めたデータをどうやって分析するかというのが非常に大切だと思います。先ほども答弁申し上げましたが、データサイエンティストという専門家がいらっしゃいます。そういった方々にしっかりその地元に役に立つようなデータを分析していただきたいと思っています。
 例えば、そこの観光地にどこから来てどこへ行ってどういう行動をしたかというのは非常に有効なデータとなると思います。そういったのを事業者の方々と共有してよりよい観光施策に結びつけていきたいと考えています。以上でございます。
○副議長(良知淳行君) これで、野田治久君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 三月三日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれにて散会します。

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