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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

飯田 末夫 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/21/2023

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
 o 次世代に引き継ぐ平和への想い
2 さらなる農福連携の推進について
3 消防団員の負担軽減と人材育成について
4 芳川等における治水対策について
5 三遠南信自動車道の建設促進について
6 工業用水道における官民連携手法の導入について
7 自動運転の交通安全対策について


○副議長(和田篤夫君) 次に、十五番 飯田末夫君。
       (十五番 飯田末夫君登壇 拍手)
○十五番(飯田末夫君) 私は自民改革会議の飯田末夫でございます。
 通告に従い県政の諸課題について知事、副知事、関係部局長、企業局長及び警察本部長に対し一括質問方式にて伺います。
 初めに、知事の政治姿勢についてのうち、次世代に引き継ぐ平和への思いについて伺います。
 一年が経過します。ロシアによるウクライナへの武力侵攻はあまりに突然のことで私たちに驚きとともに強い衝撃を与えました。一年を象徴する漢字も戦が選ばれ、これまで平和が当たり前として生活してきた私たちにいやが上にも平和や国防についての意識を高めさせ国民の一大関心事になりました。
 そうした中、先月静岡県遺族会では創立七十五周年の記念式典を開催し、新たな遺族をつくらない、改めて遺族会ができるときは次の戦争が起きた後だとの強い思いの下、戦争のない平和な世の中をつくることを確認しました。国民の九割以上が戦後生まれとなり全国の遺族会も高齢化が進み県遺族会の会員も現在約一万七千二百世帯と、近年毎年千七百から千九百世帯が減少している状況となっています。また遺族の平均年齢も八十歳を超え直接戦争体験を語ることのできる人が少なくなり、浜松では昨年初めてAIを活用した語り部を行いました。
 遺族の皆さんは子供たちのために、悲惨な戦争を体験した国だからこそと平和と命の貴さを訴え、語り部や慰霊事業を通じ、この国に生まれ今日の自分があることに感謝し、この国を必死に守ってくれた人々のおかげと気づくことによって日本人としてのアイデンティティー形成につながっていくものと考えています。
 これまでも知事は県内の戦没者の追悼式等に自ら出席するとともに様々な慰霊事業を行う県遺族会に対して深い敬意を表しておられますが、一方で県遺族会の会員世帯数の減少により今後慰霊行事の開催や戦争体験の継承が困難となり平和への思いを次世代に引き継いでいくことが難しい状況になるのではないかと危惧しています。
 そこで、県遺族会の七十五周年に当たる今年度を新たな契機として平和への思いを次世代に引き継ぐ取組について、知事の見解を伺います。
 次に、さらなる農福連携の推進について伺います。
 昨年、長年にわたり先駆的に農業分野での障害者雇用を行ってきた浜松市の京丸園株式会社はその活動が評価され令和元年度の天皇杯に続き秋の褒章を受章されました。振り返れば今から二十年ほど前、農業と福祉を結びつけるユニバーサル園芸、まだ当時は園芸福祉と呼ばれ言葉からだけでは何のことか分からない人も多く、縦割りの行政にとっては複数の分野をまたぎ甚だ苦手なジャンルの事業でした。
 ユニバーサル園芸とは、障害の有無や年齢、性別にかかわらず誰もが植物を介し栽培する喜びを共感しお互いにつながり合うことでみんな幸せになろうという取組をいいます。しかし当時は多くの農業者、障害者就労支援施設の方にとって農作業は重労働というイメージが強く、障害のある方が農業分野へ就労することに対して双方が足踏みをしている状況が続きました。理想に向けて何をしたらよいか関係者で意見交換を繰り返し少しずつ取組を積み重ねてきたものです。
 このような中、県は早い段階から積極的に関わり県全体でユニバーサル園芸を推進するNPO法人の活動支援を行うなど取組の進展に大きな役割を果たしていただいたと感じています。ちょうど二〇〇四年に開催された浜名湖花博に重なり園芸の一つの特色ある分野と捉えられ始めました。あれから二十年、近年では農福連携という言葉も定着し農業の様々な分野で障害のある方が活躍できる環境も整ってきています。
 そこで、今回本県を代表する事例が全国的に高く評価されたことを契機に農福連携の裾野がさらに拡大し真のユニバーサル社会の実現につながることを期待し、県として農福連携の推進についてさらに注力すべきと考えますが、今後の取組について伺います。
 次に、消防団員の負担軽減と人材育成について伺います。
 今月五日浜松市中心街で鎮火までに十時間以上を要する大きな火災がありました。その煙は一時浜松駅にまで達するほどでした。消防団はこうした火災への対応はもちろんのこと、近年地震や局地的な集中豪雨など様々な災害時においても住民を守るため昼夜を問わず活動されています。
 昨年九月の台風十五号の際には消防団員は過酷な環境の中、警戒巡視や住民の避難誘導に当たるなど地域住民の安全のため献身的に活動をされ改めて敬意を表する次第であります。また平時には防災訓練はじめ地域住民に対する防災指導、防災知識の普及啓発などその活動は地域防災の中核としてさらには将来の地域コミュニティーの担い手としても期待されています。
 しかしながら、消防団員数は年々減少しとりわけ最近は若年層の入団者数の減少が著しく危機的な状況と言わざるを得ず消防団活動の見直しや改善が必要だと考えます。
 その一つは、消防操法についての見直しであります。消防操法は消防団員が火災現場の最前線で安全に活動する上での基礎であり、その習得は大変重要であります。その一方で消防操法大会を前提とした訓練が団員にとって大きな負担となり消防団加入に対する阻害要因ともなっているという声や日本消防協会からはパフォーマンス的、セレモニー的という指摘もあり、消防操法大会の在り方について見直しが進められていると承知しております。
 団員が減少の一途をたどる中で、消防団の存在意義や役割を十分理解してもらうとともに団活動は厳しく負担が重いなどのマイナスイメージを払拭していくことも重要だと考えます。
 まずは、年々変化する世帯構成、就労形態や若者の価値観に合わせた消防団活動の負担軽減が必要だと考えますが、県はどのように認識しているのか伺います。
 また、地域防災力の中核を担う消防団への期待はさらに高まっており社会環境が変化する中にあって将来にわたってのリーダーの育成も必要であると考えます。
 そこで、消防団員の人材育成について県はどのように関わっていくのか、所見を伺います。
 次に、芳川等における治水対策について伺います。
 近年これまでに経験したことのないような豪雨が全国各地で発生しています。浜松市では昨年七月観測史上最大の豪雨を記録し、また九月二日には浜北雨量観測所において一時間に百十八ミリの猛烈な雨が観測されました。またその後の台風十五号では線状降水帯が発生したことにより県内中西部に甚大な被害を与えました。浜松市では時間当たり百ミリ以上の記録的短時間大雨情報が市南部、北部に合計三回発表されるなど昭和四十九年の七夕豪雨以来の記録的な大雨となり至るところで道路冠水や住宅及び自動車の浸水が発生しました。
 私の住む芳川の流域でも住宅の浸水被害は百戸を超え、準用河川東芳川周辺においても中学校の校舎や体育館が床上浸水する大きな被害となりました。今後もこのような豪雨の発生は十分に考えられ住民からは再度の浸水被害を心配する声も大きいところです。
 このような被害も相次ぐため私は令和二年二月定例会において芳川における河川整備について質問したところ、浜松市と連携の下治水対策を進めるとの答弁でありました。その後国は気候変動に伴い頻発化、激甚化する水災害に対し県や市町の流域のあらゆる関係者が協働しハード対策とソフト対策を組み合わせる総合的な治水対策として流域治水の考え方が打ち出され、県も同様に取り組んでいると認識しています。こうした流域一体となった取組はまだ始まったばかりでありますが、着実に進めることにより台風十五号のような治水施設の整備水準を大きく上回る豪雨に対し浸水被害が軽減されると期待しています。
 そこで、芳川等の治水対策についてこれまでの進捗状況と台風十五号の浸水被害を踏まえた今後の取組を伺います。
 次に、三遠南信自動車道の建設促進について伺います。
 先月から全国旅行支援が再開され、またNHK大河ドラマ「どうする家康」の放送も始まり全国からたくさんの方が本県を訪れることが期待されています。コロナで疲弊した地域が再び活力を取り戻し観光を含めた地域経済を持続的に発展させるためには人流や物流を円滑にすることが重要であり、それを支える広域道路ネットワークの充実が不可欠と考えます。
 本県の東西交通は、開通後十年を経た新東名高速道路と東名高速道路のダブルネットワークによって渋滞や通行止めが大幅に減少するなど整備効果を実感しています。今後の課題は東西軸と一体となって効果をもたらす南北軸であり、東部地域では伊豆縦貫自動車道の整備が着実に進められています。
 私は昨年十一月河津下田道路T期の起工式に出席するため下田市の会場まで出かけました。かつてに比べると短時間で移動でき改めて道路ネットワークの効果を実感したところです。また地元の皆様の伊豆縦貫自動車道の全線開通への熱い思いも伝わり、そこで私は三遠南信自動車道の事業促進への決意を新たにしたところです。
 また、中部地域においては中部横断自動車道が開通して一年が経過し本県と山梨県や長野県への広域移動や沿線への企業立地が増加するなど開通の効果が現れ始めています。
 一方、西部地域における南北軸の三遠南信自動車道は新東名高速道路浜松いなさジャンクションから東栄インターチェンジ間の三遠道路、県境の難所である青崩峠のトンネルなどを国が整備を進めており北遠地域の人たちも開通を待ち望んでいますが、本路線の県内区間では四割程度の供用にとどまっています。全体の計画は長野県飯田市から新東名高速道路のジャンクションまでを結び全線開通は地域の悲願であり、製造業や観光業が盛んな西部地域においては今後浜松湖西豊橋道路が完成すれば三遠地域と三河港が高規格道路で結ばれ大きな効果が期待されます。
 県はこれまでも浜松市や湖西市と共に事業促進の取組を行っていますが、三遠南信自動車道の早期全線開通には一層の取組が必要であると考えます。
 そこで、県内区間における整備状況と県の今後の取組について伺います。
 次に、工業用水道における官民連携手法の導入について伺います。
 工業用水道は我が国の産業発展、高度経済成長を支えてきた産業インフラの一翼を担ってきましたが、それらの施設も建設から四、五十年が経過し漏水事故が増加する等本格的な施設更新の時期を迎えています。本県企業局が運営する六つの工業用水道も同様で昭和十六年に給水を開始した最も古い静清工業用水道は既に更新工事中であり、昭和四十年前後から順次給水開始した他の工業用水道はこれから本格的な施設更新の時期を迎えます。
 一方、近年台風や豪雨など自然災害が頻発化、激甚化しており昨年五月愛知県では明治用水の取水施設で大規模な漏水事故が発生し工業用水の供給に支障が生じました。さらには経済産業省は国内サプライチェーンの強靱化を図る目的で国内生産拠点等の整備を促進しており、こうした観点からも工業用水道施設の強靱化は急務であると考えます。
 工業用水道は、私の地元浜松市の輸送用機械、楽器、繊維、染色関連産業など本県の経済発展に寄与してきましたが、産業構造の変化や節水技術の向上等により水需要が減少しそれに伴い給水収益も減少傾向となってきました。特に製紙関連産業が集積する岳南地域に供給しているふじさん工業用水道は、本県の工業用水道の契約水量の六割を占めますがデジタル化の進展に伴う紙需要の減少等により水需要が大幅に減少しています。また足元の建築資材やエネルギー等の価格高騰、技術系職員の不足など工業用水道事業の経営を取り巻く環境は厳しさを増し、また不確実性も高まっていることから経営基盤の強化は喫緊の課題であると考えます。
 こうした課題を解決し廉価かつ安定的に事業を継続していくために施設の維持管理と更新の最適化を図りつつ将来の水需要に見合った効率的な施設運営へと転換していくことが求められます。これから施設更新が本格化する今こそ従来の考え方にとらわれない柔軟な発想による経営革新が必要であり、それには民間企業の創意工夫による良質なサービスの提供やコスト削減による料金負担の軽減を図る観点から有効であると考えます。
 そこで、企業局の工業用水道事業への官民連携手法の導入に関する取組について伺います。
 最後に、自動運転の交通安全対策について伺います。
 これからの自動車産業は、CASEを制する企業が自動車業界を制すと言われ、自動運転や電動化等技術革新、これらの開発を支えるAIの進化などにより百年に一度の大変革期を迎えています。現在日本をはじめ世界各国において国や自治体、自動車メーカー等に官民を挙げて自動運転の実用化に向けた取組が進められており、自動運転はこれまで人が行っていた運転操作をシステムで代替するという点で自動車の根本的な構造を変化させより安全かつ円滑な運転を可能とし今後の社会に大きな影響を与えるものになります。
 具体的には、交通事故の削減、渋滞の緩和といった道路交通上の課題の解決に加え運転快適性の向上、高齢者の移動支援、物流分野におけるドライバーの確保等の社会的課題の解決が期待されています。本県においても県を中心に遠隔操作や信号機との連動に対応するシステムを活用した自動運転の公道実証実験が行われ検討と改善を通じより発展したものとなるよう様々な取組が進められてきました。
 こうした動きの中、本年四月一日施行の改正道路交通法により遠隔監視のみで運転者を要さない、いわゆるレベル四に相当する特定自動運行が可能となります。特定自動運行が実現されれば移動や輸送サービスの人手不足は解消され過疎地域での鉄道やバスに代わる新たな移動手段を確保できるほか交通事故削減にも大いに期待できます。
 一方で、改正法の目玉である運転者の存在を前提としないというこれまでの常識を覆す大変革に対し世間では定着するまでの間交通の危険も生じるのではないかとの懸念もあります。自動運転の普及が社会の発展はもちろん交通事故削減につながることは想像に難くなく、その前提としてしっかりとした交通安全対策を講じていくことが何より重要であると考えます。
 そこで、今回の法改正により運用が可能となる特定自動運行の交通安全対策について、県警察の取組方針を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(和田篤夫君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 飯田議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてであります。
 次世代に引き継ぐ平和への思いについての御質問でございます。
 戦後七十七年が経過し御遺族の高齢化が進み戦争を知らない世代が九割を占める中で戦争の記憶を風化させずに戦争の悲惨さと平和の尊さを次の世代に語り継ぐことは、現代に生きる我々の重要な責務であると考えております。
 県では、春季・秋季の戦没者追悼式、沖縄静岡の塔追悼式を開催するなど戦争により亡くなられた方々の御霊に思いを寄せるとともに、御遺族の心に寄り添いながら慰霊行事を実施しております。また御遺族の高齢化により直接戦争体験を語っていただくことが困難となる中、令和三年度には体験された方の手記をまとめた冊子を作成し学校や図書館に配付いたしました。これまで語られることがなかった苦労や思いが活字となりまして多くの方々に読まれ、追加の配付依頼も頂いているところであります。
 さらに、県遺族会の青年部組織つつじ会の会員を対象として令和三年度から若い世代に戦争体験を伝える語り部運動の研修会を開催しております。今後も戦争体験継承の担い手として新たな語り部を育成し地域での語り部活動の継続を図ってまいります。
 なお、議員御紹介のとおり浜松市遺族会では人工知能の技術により聞き手の質問に対して語り部の回答を映像として映し出すAI語り部の取組が進められております。こうした先進的な取組の内容を県のホームページで周知また普及するとともに、若い世代への語り部の派遣を積極的に進め戦争体験の継承を推進してまいります。
 望郷の念を胸に愛する家族の平穏を祈りながら戦場に散った方々や激しい空襲等によって命を落とされた方々に思いをはせるとともに、戦争により肉親を奪われた遺族の悲しみ、苦労の記憶は決して忘れてはなりません。
 慰霊事業や語り部の活動を通して平和への思いを未来を生きる世代に確実に引き継ぐことによって誰もが安心して暮らすことのできる真に平和で豊かな社会の実現を目指してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○副議長(和田篤夫君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 芳川等における治水対策についてお答えいたします。
 近年激甚化、頻発化する水災害に対し流域の関係者が協働して洪水氾濫に備えるため、河川改修や雨水貯留施設の整備をはじめまちづくりとの連携や水災害リスク情報の充実などを組み合わせた流域治水の取組が全国各地で進められております。
 県におきましても、関係市町と連携し浸水被害軽減対策を流域治水プロジェクトとして定め県内全域で流域治水の取組を推進しているところであります。このうち特に浸水被害が頻発している十流域に今回台風十五号により大きな浸水被害を受けた五流域を加えた十五流域を重点対策流域に位置づけ被害の状況や要因を踏まえた対策を強力に進めることといたしました。
 浜松市内を流れる芳川については、これまで県では国土強靱化予算などを活用して天端舗装による堤防機能強化や護岸整備を進め、また浜松市が東芳川の河川改修を行うなど複合的に事前防災対策に取り組んでまいりました。さらに重点対策流域として効果的な流域治水の計画策定に向け現在市や地域防災の主役となる住民の皆様と浸水被害の現状やそれに対する有効な被害軽減策、住民の取るべき避難行動などにつきまして意見交換を実施したところであります。
 今後、これらを踏まえた計画を県や市の関係部局から成る流域治水協議会におきまして早期に策定し、進捗管理を行いながら自助、共助、公助による浸水被害の軽減に向けた取組を推進してまいります。
 県といたしましては、激甚化、頻発化する水災害に対し関係市町や住民と連携して重点対策流域として位置づけた芳川等の治水対策を着実に進めるとともに、この取組を他の地域の治水対策にも生かし流域一体となった水害に強い地域づくりを推進してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) さらなる農福連携の推進についてお答えいたします。
 農福連携は、農業者の減少や高齢化が進む農業分野において新たな人材の確保につながるとともに、障害のある方の生きがいを創出し社会参画を促す重要な取組であります。
 県では、令和二年度に設置した農福連携ワンストップ窓口において農業者からの求人情報と障害のある方からの求職情報を一元化し県内三地域に配置したコーディネーターによるマッチングを進めております。こうした取組により障害のある方を受け入れる農業経営体は現在百十経営体となりこの五年間で三倍に増加をしております。
 障害のある方が継続して就労するためには農作業の特性に応じた仕事の配分や円滑なコミュニケーションが必要となります。引き続き農業の現場でアドバイスを行う農福連携技術支援者の育成を進めきめ細かな伴走支援体制を強化してまいります。
 また、今年一月に国が優れた事例を表彰するノウフク・アワードを受賞した静岡市の農業経営体をはじめ障害のある方の雇用を経営発展につなげている先進的な取組を広く情報発信し、さらなる拡大を図ってまいります。
 県といたしましては、農業と福祉をつなぐ多様な人材育成や情報発信を強化し農福連携を推進することにより誰もが活躍するユニバーサル社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 石野危機管理部長。
○危機管理部長(石野好彦君) 消防団員の負担軽減と人材育成についてお答えいたします。
 地域防災の中核を担う消防団は、災害が激甚化、頻発化する中でその重要性は一層高まっております。一方将来にわたり団員を確保していくためには消防団活動の負担軽減を図り多様な人材が消防団活動に参加しやすい環境を整備する必要があると考えております。
 こうした中、国が取りまとめた消防団員の処遇等に関する検討会最終報告書の提言等を踏まえ県消防協会では県内十地域で行われていた消防操法大会の支部大会を廃止するなどの見直しを行っております。また県内消防団においても操法大会を前提とした訓練の見直しを始めており、このような動きは団員の負担軽減に資するものと考えております。
 一方、人材育成につきましてはこれまでも県消防学校において消防団員を対象に災害活動訓練など多岐にわたる研修を実施し災害対応力の強化に努めてまいりました。加えて県消防協会では昨年十月に消防団インストラクター制度を創設し多様な知識と人脈を有する次世代の消防団幹部を育成することで消防団活動の活性化に取り組んでおります。
 県といたしましては、引き続き県消防学校を拠点に団員の教育訓練を実施するとともに、県消防協会の事業を積極的に支援し地域社会を支える消防団の人材育成に努めてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 三遠南信自動車道の建設促進についてお答えいたします。
 三遠南信自動車道は、長野県飯田市の中央自動車道から浜松市北区引佐町の新東名高速道路に至る約百キロメートルの高規格道路であり、これまでに約六十九キロメートルが供用し現在三遠道路や青崩峠道路など全線におきまして事業が進められております。
 三遠道路の未供用区間である鳳来峡インターチェンジから東栄インターチェンジ間七・一キロメートルにつきましては、トンネル全四本の掘削が完了するとともに橋梁全八橋の下部工が完成するなど令和七年度の開通に向け着実に工事が進められております。本道路の開通により北遠地域と浜松市街が高規格道路でつながり産業経済活動の支援や災害時における孤立集落の解消など多くの効果が見込まれます。
 本県と長野県を結ぶ青崩峠道路につきましては、中央構造線付近の極めて脆弱な地盤を有する箇所に約五キロメートルのトンネルを整備しており、現在掘削延長が九割を超え残り約二百メートルを残すのみとなっております。本道路の開通は県境を越えた連携が強化され観光交流の拡大による地域活性化などに大きく寄与するものとなります。
 県といたしましては、三遠南信自動車道が一日も早く全線開通できるようこれまでの関係自治体による要望活動に加え商工会議所や観光協会など地域の声を直接国に届ける機会を設けることで地域が一体となってさらなる事業推進を国に働きかけ、三遠南信地域の発展を支える道路ネットワークの構築に努めてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 小野田企業局長。
○企業局長(小野田裕之君) 工業用水道における官民連携手法の導入についてお答えをいたします。
 議員御指摘のとおり給水収益の減少や施設の老朽化に伴う更新費用の増大、耐震化等の防災対策の強化、さらには将来的に懸念される技術職員の不足など工業用水道事業を取り巻く経営環境は厳しさを増しつつあります。こうした中で将来にわたり安定的にサービスの提供を行っていくためには、現在の経営形態の在り方自体について不断の見直しを行い積極的に官民連携手法を導入していく必要があると考えております。
 このため、企業局では水運用の変更を計画しておりますふじさん工業用水道において官民連携手法の導入可能性調査を実施をし、現状と課題、民間事業者へのヒアリング結果等を踏まえ新ポンプ場の整備と浄水場等の運転・維持管理業務に令和六年度から七年間の包括的民間委託を導入することといたします。性能発注、長期契約により複数の業務を一括して民間事業者に委託する今回の包括的民間委託により約三億五千万円のコスト削減を見込んでおります。また民の有する優れた技術、ノウハウの活用や企業局職員の負担軽減にもつながるものと考えております。
 企業局といたしましては、この手法を他の工業用水道にも横展開するとともに、より長期でかつ民間の裁量が大きな官民連携手法の導入についても検討を行うなど経営環境の変化に適切に対応するため従来の考え方にとらわれない経営革新に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 大原警察本部長。
○警察本部長(大原光博君) 自動運転の交通安全対策についてお答えいたします。
 自動運転の技術は交通事故の削減や渋滞の緩和等に有効なものと考えられ、県警察では地域の交通事情に応じた自動運転が早期に実用化されるよう実証実験の経路や緊急時の対応について県や国土交通省と協議を重ね安全対策の面からその進展を支援しております。このような中、本年四月に施行される改正道路交通法の下では運転者がいない状態で行われる特定自動運行の許可制度が設けられ、公安委員会は運行の安全性や交通の円滑への影響、公益性を踏まえて許可の可否を判断することとなります。
 県警察といたしましては、自治体や事業者による特定自動運行の構想段階から安全対策に係る指導助言を適切に行うほか、許可の申請が出された際には円滑な交通に支障を及ぼす程度と地域住民の利便性または福祉の向上に資する程度を比較衡量するなど総合的な審査を行い安全と円滑の確保に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 飯田末夫君。
       (十五番 飯田末夫君登壇)
○十五番(飯田末夫君) それぞれに御答弁ありがとうございました。
 それでは、残り時間を使い意見、要望を述べてみたいと思います。
 今回質問させていただいた七項目のうち今御答弁頂いてですね、感想から申し上げますと、もう少し進んだ答弁を頂けたらなという希望があります。これそれぞれについてはですね、また次回とかその次に回してみたいと思いますけれども、特に知事にお伺いした次世代に引き継ぐ平和への思いですけれども、これについてはいろいろな価値観がある中で知事と数少ない価値観を共有できる項目かなと思ってちょっと質問させていただきましたが、もう少し知事も気持ちを入れていただけるものかなと思ってたもんですから言葉にはなりませんでしたけれども今後とも引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、さらなる農福連携の推進についてということで、この農福連携ということで私が今回取り上げさせていただいたのが、その大きく飛躍していくきっかけとなったのは二〇〇四年に開催された浜名湖花博であったということが紛れもない事実であります。その際ですね、園芸福祉の全国大会というものが開催されました。それがですね、いよいよこれから浜名湖花博の二十周年記念事業が進んでまいりますけれどもぜひともですね、県のほうも積極的に関与していただきたいなと思います。
 というのも、この二十周年の記念事業に合わせて浜松市では園芸福祉の全国大会を開催するということを正式に公表しています。ですから県としてもですね、積極的に加わっていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 それでは最後にですね、今回取り上げた京丸園の初めて障害のある方を採用した際のエピソードを紹介したいと思います。
 京丸園さんでは従業員はもともと家族五人の農園でした。初めて新聞に社員募集のチラシを入れたときのことです。わくわくして心待ちに朝を迎えると明らかに知的障害と分かる女性とお母さんがやってきたそうです。そして、この子は農業が好きなんですとお母さん。農園の鈴木さんは家族以外の初めての社員は屈強な若者と決め込んでいたのでびっくりし、農業は大変です、無理ですと丁重にお断りするも、もしも大変と言うなら朝から晩まで私も働きますとお母さんも食い下がったそうです。さらに、私は一円も要りませんと嘆願されるも雇用する自信もなく断ることになりました。世の中には無償でも働きたいという方がいるんだということに驚きつつ後味も悪い中、肩を落としとぼとぼと帰る後ろ姿を見るにつけいたたまれなくなり初めての障害者を採用するに至ったそうです。
 京丸園ではこの子の採用をきっかけに様々な工夫で業績をそこから伸ばしていくことになります。京丸園は今では社員数が百二名の大会社になりそのうち障害のある方は二十四名だそうです。その中には重度の子もいらっしゃるので法定雇用率の計算を当てはめると何と驚異的な四四%の雇用率になるそうです。鈴木社長は、この子の採用を断っていたら今の我が社はありませんと胸を張ってお話をされます。
 これからもですね、ユニバーサル社会の実現目指して御尽力を頂けますようよろしくお願いいたします。以上で私の一切の質問は終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(和田篤夫君) これで飯田末夫君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

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